説明

ポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるインフレーションフィルム

【課題】薄くしても耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるとともに、透明性にも優れ、自動製袋機適性に優れたフィルムの製造に適したポリエチレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】50〜96重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と、2〜30重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)と、2〜20重量%の分岐状低密度ポリエチレン(C)とを含み、(A)は、MFRが0.5〜5.0g/10分、及び密度が0.920〜0.945g/cmであり、(B)は、MFRが0.5〜5.0g/10分、密度が0.890〜0915g/cm、及び分子量分布(Q値)が4.0以下であり、(C)は、高圧ラジカル法で製造され、MFRが0.1〜5.0g/10分、密度が0.905〜0.935g/cm、及び溶融張力が特定式(1)を満たし、並びにMFRが0.4〜5.0g/10分、及び密度が0.926〜0.940g/cmであるポリエチレン樹脂組成物等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的特性、透明性、成形加工特性の優れたポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるインフレーションフィルムに関し、より詳細には、特に薄肉フィルムにおいても、耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるとともに、透明性にも優れ、自動製袋機適性に優れたポリエチレンフィルムの製造に適したポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるインフレーションフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン製のインフレーションフィルムは、包装用途に多く用いられている。最近、容器リサイクル法施行等の影響により、そのようなフィルムは、より薄肉化を求められている。
しかしながら、かかる要望に対応してフィルムを薄肉化しようとすると、強度低下や剛性低下に伴い、ハンドリング性の悪化を招くため、規格袋用フィルム等のフィルムとして求められる基本的な性能を満足するため、さまざまな検討が行われている。
【0003】
例えば、衝撃強度の高いフィルムを得るためには、樹脂の密度を低下させる必要があるが、密度を低くすると、フィルムの腰(剛性)が柔らかくなり、その結果、自動製袋機を使用して高速で製袋することができなくなるという問題がある。
衝撃強度と剛性のバランスを改良するために、密度を異にする二種類のエチレン・α−オレフィン共重合体および高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンからなる組成物が既に知られている(特許文献1参照。)。しかし、強度や剛性のバランスを十分に満足するものではない。
【0004】
また、分子量分布を異にする二種類のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物は、かなり強度が改善されているが、やはり強度や剛性のバランスを十分に満足するものではない。さらに、密度を高くし剛性を得ようとすると、透明性が悪化するという問題がある(特許文献2参照。)。
このように、従来の技術では、規格袋用フィルム等のフィルムとして求められる基本的な性能を十分満足することが困難な状況にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−149962号公報
【特許文献2】特開平9−31260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、薄くしても耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるとともに、透明性にも優れ、自動製袋機適性に優れたポリエチレンフィルムの製造に適したポリエチレン樹脂組成物およびそれよりなるインフレーションフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、密度を異にする二種類のエチレン・α−オレフィン共重合体及び特定のラジカル重合法分岐状低密度ポリエチレンを、特定のMFR及び密度となるようにブレンドしたポリエチレン樹脂組成物は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、50〜96重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と、2〜30重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)と、2〜20重量%の分岐状低密度ポリエチレン(C)とを含むポリエチレン樹脂組成物であって、
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、(a−1)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.5〜5.0g/10分、及び(a−2)密度が0.920〜0.945g/cmであり、
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、(b−1)MFRが0.5〜5.0g/10分、(b−2)密度が0.890〜0915g/cm、及び(b−3)分子量分布(Q値:Mw/Mn)が4.0以下であり、
分岐状低密度ポリエチレン(C)は、高圧ラジカル法により製造され、且つ(c−1)MFRが0.1〜5.0g/10分、(c−2)密度が0.905〜0.935g/cm、及び(c−3)190℃における溶融張力(MT)(単位g)がMFR(単位g/10分)との以下の関係式(1)を満たし、並びに
ポリエチレン樹脂組成物は、(i)MFRが0.4〜5.0g/10分、及び(ii)密度が0.926〜0.940g/cmであることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物が提供される。
MT>−8.74×logMFR+13.3・・・(1)
【0009】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、厚さ25μmのフィルムを成形した際に、以下の(I)〜(IV)の要件を満足することを特徴とするポリエチレン樹脂組成物が提供される。
(I)MD方向の1%引張変形時荷重をX(単位N)、ダートドロップインパクトをY(単位g)としたとき、以下の関係式(2)を満たす。
1.43≦X+0.48×10−2Y・・・(2)
(II) X≧1.00(N)
(III) Y≧43(g)
(IV) Haze≦7.0%
【0010】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明に係るポリエチレン樹脂組成物からなることを特徴とするインフレーションフィルムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、薄くしても耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるとともに、透明性にも優れ、自動製袋機適性に優れたポリエチレンフィルム、特にインフレーションフィルムの製造に適しているという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を項目毎に、詳細に説明する。
I.ポリエチレン樹脂組成物の構成成分
1.エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
本発明のポリエチレン樹脂組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)とは、エチレンと一種以上のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンは、炭素数が3〜20のものが好ましく、炭素数が3〜12のものがより好ましい。
具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0013】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜5.0g/10分であり、0.8〜4g/10分が好ましく、1.0〜3.0g/10分がより好ましい。MFRが0.5g/10分未満では、成形加工性が劣り、一方、MFRが5.0g/10分を超えると、耐衝撃性、機械的強度等が低下する恐れがある。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のMFRは、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定したときの値をいう。
【0014】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度は、0.920〜0.945g/cmであり、0.925〜0.940g/cmが好ましく、0.928〜0.938g/cmがより好ましい。密度がこの範囲にあると、耐衝撃性と剛性のバランスおよび透明性が優れる。また、密度が0.920g/cm未満では、剛性が低下し、自動製袋機適性を損なう恐れがある。一方、密度が0.945g/cmを超えると、耐衝撃性および透明性を損なう恐れがある。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度は、以下の方法で測定したときの値をいう。
【0015】
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートは、ビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で、16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃で、JIS K7112の「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して、測定した。
【0016】
2.エチレン・α−オレフィン共重合体(B)
本発明のポリエチレン樹脂組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)とは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれる一種以上のα−オレフィンとの共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0017】
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のMFRは、0.5〜5.0g/10分であり、0.8〜4g/10分が好ましく、1.0〜3.0g/10分がより好ましい。MFRが0.5g/10分未満では、成形加工性が劣り、一方、MFRが5.0g/10分を超えると、耐衝撃性、機械的強度等が低下する恐れがある。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のMFRは、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定したときの値をいう。
【0018】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度は、0.890〜0.915g/cmであり、0.895〜0.910g/cmが好ましく、0.900〜0.908g/cmがより好ましい。密度がこの範囲にあると、耐衝撃性と剛性のバランスおよび透明性が優れる。また、密度が0.890g/cm未満では、剛性が悪化し、一方、密度が0.915g/cmを超えると、耐衝撃性の改良効果が充分でなく、耐衝撃性と剛性のバランスが損なわれる。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度の測定方法と同一方法で測定したときの値をいう。
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度とエチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度との差が0.015g/cm以上であることがより好ましい。このように密度差を付けることで、耐衝撃性と剛性のバランスがより向上する。
【0019】
さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値:Mw/Mn)は、4.0以下である。Q値が4.0を超えると、耐衝撃性の改良効果が充分でなく、耐衝撃性と剛性のバランスが損なわれる。耐衝撃性と剛性のバランス上、Q値の上限は、好ましくは3.0、より好ましく2.5、さらに好ましくは2.3、特に好ましくは2.3である。Q値の下限は、好ましくは1.5、より好ましくは2.0である。
【0020】
ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Q値:Mw/Mn)は、以下の方法(以下、「分子量分布の測定方法」と言うこともある。)で測定したときの値をいう。Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義されるものである。
【0021】
装置:ウオーターズ社製GPC
150C型検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本
[カラムの較正は、東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量は、ポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数は、α=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンは、α=0.723、logK=−3.407である。]
測定温度:140℃
注入量:0.2ml
濃度:20mg/10mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
【0022】
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、重合触媒としてシングルサイト触媒を用い、気相重合、スラリー重合、溶液重合または高圧イオン重合のいずれかの方法により、1段または2段以上の多段で、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られたエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
ここでいうシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と活性化用助触媒とを接触させることにより、調整される。
【0023】
シングルサイト触媒として、好ましくは、メタロセン系遷移金属化合物と活性化用助触媒とを接触させることにより調整された触媒であり、より好ましくは、一般式:
MLn−a
(式中、Mは、元素の周期律表の第4族またはランタナイド系列の遷移金属原子である。Lは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも1つは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは架橋していてもよい。Xは、ハロゲン原子、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基である。nは、遷移金属原子Mの原子価を表し、aは、0<a<nを満足する整数である。)
で表される遷移金属化合物と活性化用助触媒とを接触させることにより調整された触媒である。該遷移金属化合物は、単独または2種類以上組み合わせて用いられる。
【0024】
活性化用助触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物とともに用いることにより、オレフィン重合活性を与えるものであり、アルモキサン化合物等の有機アルミニウム化合物、および/またはトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のホウ素化合物が用いられる。
また、シングルサイト触媒は、SiO、Al等の無機担体、エチレン、スチレン等の重合体等の有機ポリマー担体等の粒子状担体を、組み合わせて用いてもよい。
【0025】
3.分岐状低密度ポリエチレン(C)
本発明のポリエチレン樹脂組成物に用いられる分岐状低密度ポリエチレン(C)は、長鎖分岐を有するポリエチレンであり、例えば、エチレンを高圧ラジカル重合法で重合することによって得られるポリエチレンである。高圧ラジカル重合法によって得られるポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンとも呼称される。
【0026】
分岐状低密度ポリエチレン(C)は、MFRが好ましくは0.1〜5.0g/10分、より好ましくは0.3〜4.0g/10分、さらに好ましくは0.5〜3.5g/10分である。この範囲であれば、成形加工性が向上する。
【0027】
また、分岐状低密度ポリエチレン(C)は、密度が好ましくは0.905〜0.935g/cm、より好ましくは0.910〜0.930g/cmである。この範囲であればドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の加工性を安定的に保持することができる。
【0028】
さらに、分岐状低密度ポリエチレン(C)は、190℃における溶融張力(MT)(単位g)とメルトフローレート(MFR)(単位g/10分)とが、次の関係式(1)を満たすものが好ましい。より好ましくは関係式(1a)を満たすものである。
MT>−8.74×logMFR+13.3・・・(1)
MT>−8.74×logMFR+14.7・・・(1a)
【0029】
溶融張力(MT)がこの範囲であれば、ドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の加工性を安定的に保持することができる。一般に、MFRが大きくなると、MTは小さくなる傾向があるが、重合温度の調整や多段重合等により、高分子量成分の量や長鎖分岐の量を増加させることで、MTを高めることができ、上記の関係式を満たす分岐状低密度ポリエチレン(C)が得られるようになる。
【0030】
ここで、MTの測定は、東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて、シリンダー温度190℃、オリフィスL/D=8.1/2.095(mm)、ピストンスピード10mm/分、引取速度4.0m/分の条件下で行なわれるものである。
【0031】
また、本発明に用いられる分岐状低密度ポリエチレン(C)は、η/ηが1.5以上のものが好ましく、より好ましくは1.8以上である。η/ηは、後述する一軸伸張粘度の過渡応答曲線から求められるものである。上記を満足する分岐状低密度ポリエチレン(C)を用いると、高速成形加工性が向上する利点がある。
【0032】
分岐状低密度ポリエチレン(C)は、製造方法が限定されるものではなく、公知の製造方法を採用できる。例えば、チューブラープロセス、オートクレーブプロセス等が挙げられる。
【0033】
4.構成成分の配合割合
次に、樹脂成分の配合割合について説明する。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)/エチレン・α−オレフィン共重合体(B)/分岐状低密度ポリエチレン(C)の重量比(合計は100重量%である。)は、(50〜93)/(5〜30)/(2〜20)、好ましくは(55〜90)/(6〜27)/(4〜18)、より好ましくは(60〜86)/(8〜25)/(6〜15)である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が多すぎると、耐衝撃性が低下し、少ないと剛性が悪化する。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が多すぎると、剛性が低下し、少ないと引裂き強度や衝撃強度が改善されない。さらに、分岐状低密度ポリエチレン(C)が多すぎると、引裂強度が低下し、少ないと製膜時にバブルの安定性が低下する等の成形加工性に劣る。
【0034】
II.ポリエチレン樹脂組成物
1.密度
上記成分(A)、(B)および(C)からなる、本発明のポリエチレン樹脂組成物の密度は、0.926〜0.940g/cmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.926〜0.936g/cmであり、より好ましくは0.926〜0.934g/cmである。
ポリエチレン樹脂組成物の密度が0.926g/cmより低いと、フィルムの剛性が低くなり、自動製袋機適性が悪化する。また、ポリエチレン樹脂組成物の密度が0.940g/cmより高いと、フィルムの強度が低下し、透明性も悪化する。
なお、ポリエチレン樹脂組成物のおおよその密度は、成分(A)、(B)および(C)のそれぞれの密度と割合から、加成則に従って算出することができる。
【0035】
2.MFR
上記成分(A)、(B)および(C)からなる、本発明のポリエチレン樹脂組成物のMFRは、0.4〜5.0g/10分の範囲であることが必要であり、好ましくは0.5〜4.0g/10分、より好ましくは0.6〜3.0g/10分である。MFRが0.4g/10分より低いと、流動性が悪く、押出機のモーター負荷が高くなりすぎ、一方、MFRが5.0g/10分より大きくなると、バブルが安定せず、成形し難くなると共に、フィルムの強度が低くなる。
なお、ポリエチレン樹脂組成物のおおよそのMFRは、成分(A)、(B)および(C)のそれぞれのMFRと割合から、加成則に従って算出することができる。
【0036】
3.レオロジー特性
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、一軸伸張粘度指数(η)が60,000Pa・秒以下、好ましくは58,000Pa・秒以下、より好ましくは57,000〜54,000Pa・秒であることが好ましい。一軸伸張粘度指数(η)が60,000Pa・秒以下であれば、溶融膜が破断しにくく、成形速度向上に有利である。
【0037】
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、歪み硬化度(λ)が1.5以上、好ましくは1.8以上であることが好ましい。λが1.5以上であると、ドローレゾナンスが発生しにくく、高速成形加工性に優れる。
ここで、歪み硬化度(λ)は、一軸伸張粘度測定において、変形時間5秒における一軸伸張粘度(η)を一軸伸張粘度指数(η)で除した商(λ=η/η)として定義される。
以下、η、η、λについて、更に詳細に説明する。
【0038】
一軸伸張粘度指数(η)及び歪み硬化度(λ)とは、一軸伸張粘度計によって測定された一軸伸張粘度の過渡応答曲線から求められる値である。
【0039】
歪み硬化度(λ)は、線形領域から外れて一軸伸張粘度が立ち上がった領域で一軸伸張粘度の上昇の程度を表す指標であり、次のように測定される。
すなわち、先ず一軸伸張粘度計を用いて、測定温度180℃で、歪み速度1秒−1での一軸伸張粘度の過渡応答を測定する。ηは、変形時間が1〜2秒[t(秒)]である範囲における一軸伸張粘度[η(Pa・秒)]のデータから、log(η)対log(t)について、最小二乗法により直線で近似し、変形時間が5秒における一軸伸張粘度に外挿した値である。一方、η1は、変形時間が5秒における一軸伸張粘度の値として実測し、それらの比(η/η)を歪み硬化度(λ)とした。
【0040】
一軸伸張粘度の測定器としては、例えば、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の一軸伸張粘度計「商品名:RME」を使用することができる。η/ηは、「伸張粘度比」と呼称されることもあるが、本明細書では「歪み硬化度(λ)」の用語を使用した。
【0041】
ηは、一軸伸張粘度の線形領域から外挿される指標であり、主にポリエチレン樹脂のMFRを調整することにより、制御することができる。
さらに、ポリエチレン樹脂組成物のMFRは、エチレン・α−オレフィン共重合体及び分岐状低密度ポリエチレンのMFRと組成により、制御することができる。
【0042】
また、ηは、非線形領域の指標である。分岐状低密度ポリエチレン(C)は、成分(A)や(B)と比較して、非線形性が強いのが一般的であり、分岐状低密度ポリエチレン(C)の種類や量によって、制御することができる。
なお、分子量、分子量分布、分岐度、分岐度分布等と非線形の開始点、非線形度の関係は、例えば、日本レオロジー学会誌、Vol.19、174〜180頁(1991年)(小山清人著)等に記載がある。
【0043】
4.その他の配合物等
本発明においては、本発明の特徴を本質的に損なわない範囲において、必要に応じ、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止、核剤、滑剤、防曇剤、有機あるいは無機顔料、紫外線防止剤、分散剤などの公知の添加剤を、添加することができる。
【0044】
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、分岐状低密度ポリエチレン(C)、必要に応じて、添加又は配合される各種の添加剤及び樹脂成分を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー等で加熱混練し、ペレット化してもよい。
【0045】
III.ポリエチレン樹脂組成物の用途
本発明のポリエチレン樹脂組成物を用いて、成形したポリエチレンフィルムは、耐衝撃性に優れ、腰が強く、かつ透明性に優れるため、自動製袋機適性に優れ、特に大量生産に適し、紙袋の内袋やゴミ袋など寸法規格の定まった規格袋などの材料として使用される。
【0046】
フィルムの透明性を表す指標の一つとして、ヘイズ値(Haze)があり、この値が小さいほど透明性が良好である。透明性を必要とする用途においては、より高透明なフィルムがより好まれる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を用いて成形した、本発明に係るインフレーションフィルムは、このヘイズ値が7%以下、好ましくは5%以下である。
【0047】
本発明におけるインフレーションフィルムは、MD方向の1%引張変形時荷重の値が1.0N以上であり、好ましくは1.05N以上である。1%引張変形時荷重の値が低すぎると、腰が柔らかくなり、また、自動包装適性や開口性などのハンドリング性に劣るため、好ましくない。
本発明のインフレーションフィルムは、1%引張変形時荷重の値が十分高いため、厚みが薄くなっても腰が強く、自動包装適性や開口性に優れ、フィルムの薄肉化達成のための基礎的な要件を具備している。
【0048】
本発明におけるインフレーションフィルムは、厚み25μmのフィルムを成形した際に、ダートインパクト強度が43g以上、好ましくは50g以上、より好ましくは70gであるフィルムを形成することができる。
また、本発明におけるインフレーションフィルムは、厚み25μmのフィルムを成形した際に、MD方向の1%引張変形時荷重をX(単位N)、ダートドロップインパクトをY(単位g)としたとき、以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。より好ましくは関係式(2a)を満たすものである。
1.43≦X+0.48×10−2Y・・・(2)
1.45≦X+0.48×10−2Y・・・(2a)
【0049】
<フィルム成形方法>
本発明のフィルムは、インフレーション成形により成形されるが、インフレーション成形機の仕様や成形条件には、特に限定されず、従来から公知の方法や条件をとることができる。例えば、押出機の口径は、直径10〜600mm、好ましくは20〜300mm、さらに好ましくは25〜200mmであり、口径Dとホッパ下からシリンダー先端までの長さLの比L/Dが8〜45、好ましくは12〜36である。
ダイは、インフレーション成形に一般に用いられている形状のものであり、例えば、スパイダー型、スパイラル型、スタッキング型等の流路形状を持ち、口径は1〜5000mm、好ましくは5〜3000mm、さらに好ましくは10〜1800mmである。
バブルの冷却は、一般に用いられるエアリングを使用し、その冷却気体には公知のものを用いることが出来、さらに、その温度をチラー等により冷却したり、ヒーター等で加温したりすることが出来る。また、バブル冷却は、外部のエアリングから冷却風を当てたり、内部に冷却気体を循環させたりする公知の方法を用いることが出来る。エアリングもその形状や数に限定されず、シングルスリットタイプやデュアルスリット、チャンバーのついたもの等公知のものを1つまたは複数設けることが出来る。
【0050】
成形条件としては、ダイから押し出された樹脂は、温度が140〜260℃、好ましくは180〜240℃の範囲にあり、吐出量とダイ形状により決定される平均吐出速度は、1mm/min〜10m/min、好ましくは5mm/min〜5m/min、さらに好ましくは10mm/min〜1m/minである。ダイを出たバブルは、内部の気体により膨張させられ、そのバブルの直径とダイ口径の比で表されるBURが1.0〜4.5、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあり、引き取り速度とダイから押し出された時の平均流速の比で表されるTURが2.0〜200、好ましくは10〜100の範囲にあるような成形条件により成形することができる。このバブルは、冷却固化され、ダイの出口からバブルが固化するまでのフロストライン高さは、製膜速度やフィルム厚みにより変化するが、5〜1800mm、好ましくは10〜1200mm、さらに好ましくは20〜800mmの範囲にある。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。なお、実施例で用いた物性測定方法などは、以下の通りである。
【0052】
[物性測定法]
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS K7210に準拠して、190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定した。
(2)密度:
ペレットを熱プレスして、2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートは、ビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で、16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃で、JIS K7112に準拠して、測定した。
(3)溶融張力(MT):
東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて、シリンダー温度190℃、オリフィスL/D=8.1/2.095(mm)、ピストンスピード10mm/分、引取速度4.0m/分の条件下で、溶融張力(MT)の測定を行った。
(4)歪み硬化度(λ):
前記本明細書記載の方法で測定した。
【0053】
[フィルムの評価方法]
(1)ダートドロップインパクト:
ASTM D1709に準じた試験機のホルダーに、フィルムを固定し、38.1mmφの半球型貫通部で打撃して、ダートドロップインパクトを測定した。
(2)引張弾性率:
JIS K7127−1999に準拠して、フィルムの加工方向(MD方向)とフィルムの幅方向(TD方向)の1%変形したときの引張弾性率を測定した。
(3)1%引張変形時荷重:
JIS K7127−1999に準拠して、フィルムの加工方向(MD方向)とフィルムの幅方向(TD方向)を引張り、1%変形したときの荷重(N)を測定した。
(4)透明性(ヘイズ):
JIS K7105−1981に準拠して、測定した。この値が小さいほど、透明性に優れていることを示す。
【0054】
[インフレーションフィルムの成形条件および成形性評価法]
以下の50mmφ押出機を有するインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、インフレーションフィルムを成形し、評価した。
装置:インフレーション成形装置(MK50型 三菱重工(株)製)
押出機スクリュー径:50mmφ
ダイ径:75mmφ
押出量:20kg/hr
ダイス出口の剪断速度:20sec−1
ダイリップギャップ:3.0mm
引取速度:40m/分
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:190℃
フィルム厚み:25μm、30μm
冷却リング:2段式風冷リング
フロストライン高さ:約200〜300mm
【0055】
[使用原料]
実施例で使用した原料は、下記の通りである。なお、密度の単位はg/cm、MFRの単位はg/10分である。
【0056】
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(A):
LL−1: 密度0.936、MFR1.5のエチレン・ブテン−1共重合体
LL−2: 密度0.928、MFR0.8のエチレン・ヘキセン−1共重合体
LL−3: 密度0.920、MFR1.0のエチレン・ブテン−1共重合体
LL−4: 密度0.956、MFR0.8のエチレン・ブテン−1共重合体
LL−5: 密度0.930、MFR1.5のエチレン・ブテン−1共重合体
【0057】
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体(B):
VL−1: 密度0.906、MFR1.0、重量平均分子量と数平均分子量との比2.2のメタロセン系エチレン・ヘキセン−1共重合体
VL−2: 密度0.906、MFR1.0、重量平均分子量と数平均分子量との比3.7のメタロセン系エチレン・ヘキセン−1共重合体
VL−3: 密度0.880、MFR2.2、重量平均分子量と数平均分子量との比2.2のメタロセン系エチレン・ヘキセン−1共重合体
VL−4: 密度0.890、MFR2.2、重量平均分子量と数平均分子量との比2.2のメタロセン系エチレン・ヘキセン−1共重合体
【0058】
(3)分岐状低密度ポリエチレン(C):
LD−1: 密度0.927、MFR1.0、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
LD−2: 密度0.925、MFR6.0、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
LD−3: 密度0.927、MFR0.3、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
LD−4: 密度0.920、MFR4.0、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
【0059】
[実施例1]
LL−1:77重量%、VL−1:10重量%、LD−1:13重量%とからなるポリエチレン樹脂100重量部を、ミキサーにて混合均質化した。
次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し、押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物について、前記した方法でフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0060】
[実施例2〜7]
実施例1において、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)及び分岐状低密度ポリエチレン(C)の種類及び配合量を、表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0061】
[比較例1〜6]
実施例1において、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)及び分岐状低密度ポリエチレン(C)の種類及び配合量を、表2に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン樹脂組成物を調製し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。評価結果を表2に示した。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
表1、2の評価結果から、明らかなように、ポリエチレン樹脂組成物が本発明の諸要件を満足する実施例1〜7は、実施例6,7では、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の分子量分布が比較的広めで、衝撃強度の改良効果がやや小さいものの、いずれも剛性、衝撃強度、透明性がバランスよく改善されている。
一方、本発明の諸要件の少なくとも一部を欠く比較例1〜6では、剛性、衝撃強度、透明性がバランスよく改善することができない。
例えば、比較例1は、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度が規定の下限以下の場合であるが、剛性が著しく低下してしまう。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の配合量が規定下限以下である比較例2では、衝撃強度が改良されず、強度に劣る。
さらに、(A)+B)+(C)の組成物の密度が規定下限以下である比較例3では、衝撃強度は良好であるものの、剛性が劣り、強度と剛性のバランスに劣る。
またさらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の密度が規定の密度上限以上である比較例4では、剛性は良好であるものの、衝撃強度と透明性に劣る。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFRが規定の上限以上である比較例5では、最終組成物のMFRが高くなるため、衝撃強度、透明性および成形安定性に劣る。
さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFRは規定内であるが、MFRとMTの関係が関係式(1)を満たさない比較例6では、衝撃強度と剛性のバランスに優れるものの、透明性と成形安定性に劣る。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、薄くしても耐衝撃性と剛性とのバランスに優れるとともに、透明性にも優れ、自動製袋機適性に優れたポリエチレンフィルムの製造に適したポリエチレン樹脂組成物を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
50〜96重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)と、2〜30重量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)と、2〜20重量%の分岐状低密度ポリエチレン(C)とを含むポリエチレン樹脂組成物であって、
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、(a−1)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.5〜5.0g/10分、及び(a−2)密度が0.920〜0.945g/cmであり、
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、(b−1)MFRが0.5〜5.0g/10分、(b−2)密度が0.890〜0915g/cm、及び(b−3)分子量分布(Q値:Mw/Mn)が4.0以下であり、
分岐状低密度ポリエチレン(C)は、高圧ラジカル法により製造され、且つ(c−1)MFRが0.1〜5.0g/10分、(c−2)密度が0.905〜0.935g/cm、及び(c−3)190℃における溶融張力(MT)(単位g)がMFR(単位g/10分)との以下の関係式(1)を満たし、並びに
ポリエチレン樹脂組成物は、(i)MFRが0.4〜5.0g/10分、及び(ii)密度が0.926〜0.940g/cmであることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
MT>−8.74×logMFR+13.3・・・(1)
【請求項2】
厚さ25μmのフィルムを成形した際に、以下の(I)〜(IV)の要件を満足することを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
(I)MD方向の1%引張変形時荷重をX(単位N)、ダートドロップインパクトをY(単位g)としたとき、以下の関係式(2)を満たす。
1.43≦X+0.48×10−2Y・・・(2)
(II) X≧1.00(N)
(III) Y≧43(g)
(IV) Haze≦7.0%
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物からなることを特徴とするインフレーションフィルム。

【公開番号】特開2010−31270(P2010−31270A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156567(P2009−156567)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(303060664)日本ポリエチレン株式会社 (233)
【Fターム(参考)】