説明

ポリシロキサン樹脂組成物

【課題】黄変しにくく、高反射率および耐熱性を有するポリシロキサン組成物、および光電子デバイスのパッケージを提供する。
【解決手段】R(OR(OH)SiO(4−a−b−c)/2の平均組成式を有する第1ポリシロキサン、第1ポリシロキサンとは異なり、3000未満の平均分子量を有する環状ポリシロキサン、直鎖ポリシロキサン、およびそれらの組み合わせから選択される第2ポリシロキサン、白色顔料、無機充填剤、および触媒を含むポリシロキサン樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2011年5月25日に出願された台湾出願第100118318号の優先権を主張する。
【0002】
1.発明の分野
本発明はポリシロキサン樹脂組成物、具体的には第1ポリシロキサンおよび第2ポリシロキサンを含むポリシロキサン樹脂組成物に関し、第2ポリシロキサンは環状または直鎖のポリシロキサンから成る。硬化ポリシロキサン樹脂組成物は優れた曲げ強度および高い反射特性を有する。
【背景技術】
【0003】
2.従来技術の説明
発光ダイオード(LED)などの光電子デバイスは、通常、樹脂材料から作られたケースまたはパッケージによって保護されている。
【0004】
ポリフタルアミド(PPA)は光電子デバイスを梱包するのに使用される典型的な樹脂である。しかしながら、樹脂の物理的性質により、長期間使用した後に劣化する可能性がある。例えば、光電子デバイスが作動することで発生した熱により樹脂の光分解が引き起こされ、その結果、樹脂が黄変して光電子デバイスの出力電力の減少がもたらされる。これはUV LED、白色光LED、および青色光LEDなどの高エネルギーLEDにおいて特に発生する。したがって、高反射率および耐熱性を有する梱包材料が必要とされている。
【0005】
米国特許出願公開第2010/0081748号において、光半導体装置のためのシリコン樹脂組成物が開示されている。該シリコン樹脂組成物は、(A)(CHSi(OR(OH)O(4−a−b−c/2の平均組成式を有する100質量部のオルガノポリシロキサン、(B)3〜200質量部の白色顔料、(C)400〜1000質量部の無機充填剤、(D)0.01〜10質量部の縮合触媒、および(E)以下の式で表される直鎖ジオルガノポリシロキサン部分を有する2〜50質量部のオルガノポリシロキサンから成り、
【0006】
【化1】

【0007】
式中、R13およびR14は、互いに独立して、水酸基、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、およびアルキル基から成る群より選択される官能基であり、mは5〜50の範囲の整数である。
【0008】
ポリスチレン標準物を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によると、オルガノシロキサン(A)は、500〜20,000、好ましくは1,000〜10,000、およびより好ましくは2,000〜8,000の範囲において平均分子量を有している。同様に、GPCによって決定される成分(E)の平均分子量は、好ましくは3,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜100,000である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0081748号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
米国出願の表1に示されるように、前記組成物から作られる試料の曲げ強度は、直鎖オルガノポリシロキサン(E)の量に逆相関する。3000を超える分子量の直鎖オルガノポリシロキサンを追加することにより、シリコン樹脂の力学的性質を低下させる可能性があることに留意されたい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、ポリシロキサン樹脂組成物は、
(A)R(OR(OH)SiO(4−a−b−c)/2の平均組成式を有する第1ポリシロキサン、式中、Rは1〜20個の炭素原子を有する一価の基であり、Rは水素または1〜4個の炭素原子を有する一価の基であり、a、b、およびcは次の方程式を満たす:0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、および0.801≦a+b+c<2、および
第1ポリシロキサンとは異なり、3000未満の平均分子量を有する環状ポリシロキサン、直鎖ポリシロキサン、およびそれらの組み合わせから成る群より選択される第2ポリシロキサン、を含むポリシロキサン成分、
(B)白色顔料、
(C)無機充填剤、
(D)触媒
を含む。
【0012】
本発明の別の目的は、前記ポリシロキサン樹脂組成物から作られる光電子デバイスのパッケージを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、(A)ポリシロキサン成分、(B)白色顔料、(C)無機充填剤、(D)触媒、および(E)添加剤を含むポリシロキサン樹脂組成物を提供する。
【0014】
ポリシロキサン樹脂組成物の成分に対する詳細な説明を以下に提供する。
【0015】
(A)ポリシロキサン成分
ポリシロキサン成分(A)は第1ポリシロキサン(A1)および第2ポリシロキサン(A2)を含む。
【0016】
(A1)第1ポリシロキサン
第1ポリシロキサンは、R(OR(OH)SiO(4−a−b−c)/2の平均組成式を有し、式中、Rは1〜20個の炭素原子を有する一価の基であり、Rは水素または1〜4個の炭素原子を有する一価の基であり、a、b、およびcは次の方程式を満たす:0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、および0.801≦a+b+c<2。
【0017】
第1ポリシロキサン(A1)はアルコキシシランモノマーまたはクロロシランモノマーの加水分解脱水重縮合によって得ることが可能である。アルコキシシランモノマーを用いた第1ポリシロキサンを調製する方法に関しては、台湾出願公開第200940649号に開示の実施例を参照することが可能であり、その全体が本明細書において参照により援用される。好ましくは、アルコキシシランモノマーはメチルトリメトキシシランである。
【0018】
(A2)第2ポリシロキサン
第2ポリシロキサン(A2)は、環状ポリシロキサン(A21)、直鎖ポリシロキサン(A22)、およびそれらの組み合わせから成る群より選択される。
【0019】
(A21)環状ポリシロキサン
環状ポリシロキサンは以下の式(I)によって表される。
【0020】
【化2】

【0021】
式(I)中、RおよびRは、独立して、水素、C〜Cのアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、水酸基、C〜Cのアルコキシ基、または−X−Si(OR、XはC−Cのアルキレン、RはC−Cのアルキルである。
【0022】
nは3〜6の範囲の整数であるが、それは式(I)における全ての繰り返し単位中のRおよびRの少なくとも1つが−X−Si(ORであり、そのRおよびRが、式(I)中のいかなる繰り返し単位においても同時に−X−Si(ORとはなり得ないことを条件とする。
【0023】
環状ポリシロキサン(A21)の例としては以下の構造式を含む。
【0024】
【化3】

【0025】
(n=3)
【0026】
【化4】

【0027】
(n=4)
【0028】
【化5】

【0029】
(n=5)
【0030】
【化6】

【0031】
(n=6)
【0032】
第2ポリシロキサン(A2)が環状ポリシロキサン(A21)である場合、100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、環状ポリシロキサン(A21)は2〜50重量部、より好ましくは2〜20重量部で存在する。
【0033】
(A22)直鎖ポリシロキサン
直鎖ポリシロキサンは3000未満の平均分子量を有し、ROSiRO(SiRO)SiRORによって表される。式中、Rは水素、または1〜4個の炭素原子を有する一価の基であり、Rは1〜20個の炭素原子を有する一価の基であり、およびdは0から40の範囲の整数である。
【0034】
第2ポリシロキサン(A2)は直鎖ポリシロキサン(A22)である場合、100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、直鎖ポリシロキサン(A22)は、好ましくは2〜50重量部、より好ましくは2〜20重量部で存在する。直鎖ポリシロキサン(A22)が2重量部未満である場合、硬化後においてポリシロキサン樹脂組成物の曲げ強度が不十分であるという結果がもたらされる。直鎖ポリシロキサン(A22)の適当量によりポリシロキサン樹脂組成物の曲げ強度が増加される。
【0035】
第2ポリシロキサン(A2)が環状ポリシロキサン(A21)と直鎖ポリシロキサン(A22)との化合物である場合、100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、環状ポリシロキサン(A21)は、好ましくは1〜30重量部で存在し、かつ直鎖ポリシロキサン(A22)は1〜30重量部で存在し、より好ましくは環状ポリシロキサン(A21)は1〜20重量部で存在し、かつ直鎖ポリシロキサン(A22)は1〜20重量部で存在する。
【0036】
(B)白色顔料
白色顔料は白色度を増すために使用される。白色顔料の使用方法およびその実施例に関して、台湾出願公開第200940649号における開示を参照することが可能である。
【0037】
白色顔料は、例えばアルミニウムのオキシ水酸化物とシリコンとの反応によって前処理することで、ポリシロキサン成分(A)と無機充填剤(C)におけるより良い分散および相溶性を得ることが可能である。
【0038】
100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、白色顔料(B)は、好ましくは3〜200重量部、より好ましくは110〜116重量部で存在する。
【0039】
(C)無機充填剤
無機充填剤の使用方法およびその実施例に関して、台湾出願公開第200940649号における開示を参照することが可能である。
【0040】
100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、無機充填剤(C)は、好ましくは150〜240重量部、より好ましくは167〜222重量部で存在する。
【0041】
(D)触媒
触媒はポリシロキサン成分(A)の第1ポリシロキサンおよび第2ポリシロキサンの硬化を促進するためのものである。触媒の使用方法およびその実施例に関して、台湾出願公開第200940649号における開示を参照することが可能である。
【0042】
触媒の適当量によって反応中に効果的な硬化および安定性がもたらされる。100重量部の第1ポリシロキサン(A1)に対して、触媒(D)は、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは5.5〜7.5重量部で存在する。
【0043】
(E)添加剤
ポリシロキサン樹脂組成物の後の添加に応じて、添加剤の追加は必要に応じて行われる。添加剤の使用方法およびその実施例に関して、台湾出願公開第200940649号における開示を参照することが可能である。
【0044】
前述のポリシロキサン樹脂組成物を硬化させることで、光電子デバイスのためのパッケージまたはケースを作成可能である。
【0045】
具体的には、ポリシロキサン樹脂組成物の硬化は熱硬化によって達成され得る。例えば、硬化過程は150℃〜185℃で30〜180秒間、その後、150℃〜180℃で2〜20時間(後硬化)で実施され得る。
【0046】
硬化後のポリシロキサン樹脂組成物の反射率を測定する。450nmの波長での硬化ポリシロキサン樹脂組成物の反射率は、70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは85%〜100%である。さらに、硬化後のポリシロキサン樹脂組成物を高温下で抗黄変試験に供する。その結果、150℃で24時間後、反射率は70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは85%〜100%であることが明らかとなる。
【0047】
さらに、硬化ポリシロキサン樹脂組成物を、365nmのピーク波長で高圧水銀ランプ(60ミリワット/センチメートル)に24時間暴露させると、反射率は70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは85%〜100%である。
【0048】
反射性能はポリシロキサン樹脂の抗黄変効果を直接表す。したがって、上記の観点から、450nmの波長、150℃で24時間、または365nmの波長に24時間暴露させた後の優れた反応率によって、ポリシロキサン樹脂組成物の優れた抗黄変特性が示される。
【実施例】
【0049】
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。しかしながら、以下の実施例は例示することのみを目的としており、実際に本発明を制限するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0050】
<化学物質の供給元>
1.ビニルトリメトキシシラン:信越化学工業株式会社より購入、カタログ番号 KBM−1003。
2.2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラヒドロ−シクロテトラシロキサン(以下「D4H」と称する):Runhe Chemical Industry Co.,Ltd.より購入、カタログ番号 RH−H102。
3.直鎖ポリシロキサン(A22):Jiaxing United Chemical Co.,Ltd.,より購入、カタログ番号 UC206、無色透明のシリコンオイル。分子量:約750。ゲル浸透クロマトグラフィーにおける実験誤差は10%。化学式は以下のように表される。
【0051】
【化7】

【0052】
4.白色顔料:二酸化チタン、石原産業株式会社より購入、カタログ番号 CR−95、ルチル型、平均粒径は0.28μm。
5.無機充填剤:球状溶融シリカ(要確認)、Korea Semiconductor materilas Co.,Ltd.,より購入、カタログ番号 SS−0183、平均粒径は16μm。
6.縮合触媒:安息香酸亜鉛。
【0053】
<調製例1>
第1ポリシロキサン(A1)の合成
315gの1.8wt%塩酸水溶液、300gのイソプロパノール、および1000gのトルエンを3Lのフラスコに入れ、フラスコ内で得られた混合物が15℃を下回るまで氷浴中で冷却した。500g(3.676モル)のメチルトリメトキシシランを一定速度で撹拌しながら得られた混合物に滴下して加え、その間温度を15℃未満に維持した。混合物を18時間反応させた。次いで、混合物の有機層を、洗浄液が中性のpHに到達するまで水で洗浄して分離した。有機層をさらに減圧濃縮し、その後真空乾燥させることで、透明な固体形状の第1ポリシロキサン(A1)を得た(212g)。第1ポリシロキサン(A1)の平均式は次の式によって表される。MeSi(OMe)0.0495(OPr−i)0.0193(OH)0.151.3906。式中、OPr−iはイソプロポキシを示している。第1ポリシロキサン(A1)は重量分子量が3100であり、ガラス転移温度(Tg)は57℃である。
【0054】
<調製例2>
第2ポリシロキサン(A2)の合成
環状ポリシロキサン(A21)−D4HViの合成
1Lフラスコにおいて、584g(5モル)のビニルトリメトキシシランを0.1gの白金/1−オクタノール溶液と混合した。白金は5000ppmの濃度を有し、触媒として作用した。
【0055】
フラスコの温度は窒素ガス下で70℃に上昇させた。192gのDH4を8時間にわたって滴下して加え、その間フラスコを70℃に維持した。混合物を70℃で16時間反応させた。反応終了後、残りのビニルトリメトキシシランを除去して、環状ポリシロキサン(A21)、DH4Viが得られた。化学構造をIRおよびH−NMRによって決定し、以下の式で表す。
【0056】
【化8】

【0057】
<実施例1>
ポリシロキサン樹脂組成物の調製
<調製例1>から得られた20gの第1ポリシロキサン(A1)、1.2gのUC206(A22)、<調製例2>から得られた2gのD4HVi(A21)、22.8gの酸化チタン、45gの球状溶融シリカ(要確認)、および1.4gの安息香酸亜鉛を、均等に混合するまでデュアルロールミリングマシンにて60℃で混ぜ合わせた。冷却後、得られた混合物を粉砕してポリシロキサン樹脂組成物を得た。ポリシロキサン樹脂組成物中の各成分の割合を表1に記載し、重量部で示す。
【0058】
<実施例2および3、ならびに比較例1>
実施例2および3、ならびに比較例1のポリシロキサン樹脂組成物は、各成分量が異なることを除いて実施例1と同様の方法で調製した(表1を参照のこと)。
【0059】
<試験フィルムの調製>
得られたポリシロキサン樹脂組成物を3ピース型に入れ、150℃で10分間ホットプレスした。そしてポリシロキサン樹脂組成物由来の試験フィルムを得た。
【0060】
<標準試験>
1.曲げ強度および曲げ弾性率:ASTM D790に従って決定した。
2.粘度:レオメータ(TA instruments社製、カタログ番号 AR−G2)を用いて70℃にて決定した。
3.硬度:直径が25mmおよび厚みが2mmの試験フィルムを使用し、硬度自体はショア硬度計D型を用いて決定した。
4.線膨張係数(以下CTEと称する)およびガラス転移温度(Tg):10mm×10mmの表面積および3mmの厚さの試験フィルムを、熱機械分析計(TMA)(TA instruments社製 Q400)を用いて分析した。試験フィルムを10℃/分の速度で0℃〜400℃まで加熱した。Tg、CTE1およびCTE2を記録した。CTE1:Tgを下回る温度での線膨張係数。CTE2:Tgを超える温度での線膨張係数。
5.反射率:直径が25mmおよび厚みが2mmの試験フィルムを使用した。分光光度計(JASCOから購入、カタログ番号 UV−670)を使用して、450nmの波長(走査範囲は300〜800nm)での反射率を決定した。熱耐性および抗紫外線の特性を決定するために、反射率を150℃で24時間、および高圧水銀ランプ(60ワット/センチメートル)を用いて365nmのピーク波長の紫外(UV)線に24時間暴露させて、それぞれ測定した。
【0061】
標準試験の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
「−」は成分が加えられていないか、物理的性質が測定されていないことを示す。
【0064】
表1に示されるように、実施例1〜3から得られたポリシロキサン樹脂は、49.5〜66MPaの範囲の曲げ強度、87〜90の範囲の硬度、および93%〜94%の範囲の反射率を有しており、全て工業上の必要条件を満たしている。
【0065】
表1に示されるように、実施例1〜3におけるポリシロキサン成分(A)、白色顔料(B)、無機充填剤(C)、および縮合触媒(D)は、すべて1:1:2:0.64の比率を有している。しかしながら、実施例1を実施例2および3と比較すると、環状ポリシロキサン(A21)の存在によって、第2ポリシロキサン(A2)として直鎖ポリシロキサン(A22)を用いた場合よりも高い曲げ強度がもたらされる。
【0066】
表1に示されるように、比較例1のように第2ポリシロキサン(A2)を加えない場合、曲げ強度は、環状ポリシロキサン(A21)を含む実施例1よりも低い。
【0067】
結論として、第2ポリシロキサン(A2)を含み、本発明によって提供されるポリシロキサン樹脂組成物は、工業上の必要条件を満たして、硬度および反射率とともに優れた曲げ強度をもたらす。
【0068】
本発明を最も実用的で好ましい実施形態であると考えられる実施形態に関連付けて説明してきたが、本発明は開示の実施形態に制限されず、広義の解釈および等価な構成の精神および範囲内に含まれる様々な構成を網羅するよう意図されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)R(OR(OH)SiO(4−a−b−c)/2の平均組成式を有する第1ポリシロキサン、式中、Rは1〜20個の炭素原子を有する一価の基であり、Rは水素または1〜4個の炭素原子を有する一価の基であり、a、b、およびcは次の方程式を満たす:0.8≦a≦1.5,0≦b≦0.3,0.001≦c≦0.5,および0.801≦a+b+c<2、および
第1ポリシロキサンとは異なり、3000未満の平均分子量を有する環状ポリシロキサン、直鎖ポリシロキサン、およびそれらの組み合わせから成る群より選択される第2ポリシロキサン、を含むポリシロキサン成分、
(B)白色顔料、
(C)無機充填剤、ならびに
(D)触媒
を含むポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、前記第2ポリシロキサンは環状ポリシロキサンであるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項3】
請求項2に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、前記環状ポリシロキサンは以下の式(I)によって表され、
【化1】

式(I)中、RおよびRは、独立して、水素、C〜Cのアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、水酸基、C〜Cのアルコキシ基、または−X−Si(OR、XはC−Cのアルキレン、RはC−Cのアルキルであり、
nは3〜6の範囲の整数であるが、それは式(I)における全ての繰り返し単位中のRおよびRの少なくとも1つが−X−Si(ORであり、そのRおよびRが、式(I)中のいかなる繰り返し単位においても同時に−X−Si(ORとはなり得ないことを条件とするポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項4】
請求項2に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記環状ポリシロキサンは2〜50重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記環状ポリシロキサンは2〜20重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、前記直鎖ポリシロキサンはROSiRO(SiRO)dSiRORによって表され、式中、Rは水素または1〜4個の炭素原子を有する一価の基であり、Rは1〜20個の炭素原子を有する一価の基であり、およびdは0から40の範囲の整数であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、前記第2ポリシロキサンは直鎖ポリシロキサンであり、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記直鎖ポリシロキサンは2〜50重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記直鎖ポリシロキサンは2〜20重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、前記第2ポリシロキサンは前記環状ポリシロキサンと前記直鎖ポリシロキサンとの化合物であり、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記環状ポリシロキサンは1〜30重量部であり、前記直鎖ポリシロキサンは1〜30重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項10】
請求項9に記載のポリシロキサン樹脂組成物であって、100重量部の前記第1ポリシロキサンに対して、前記環状ポリシロキサンは1〜20重量部であり、前記直鎖ポリシロキサンは1〜20重量部であるポリシロキサン樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1のポリシロキサン樹脂組成物から作られる光電子デバイスのパッケージ。

【公開番号】特開2012−246482(P2012−246482A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117445(P2012−117445)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(508054404)達興材料股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】