説明

ポリシー設定システムおよびポリシー設定方法

【課題】モニターを有する電子機器において省電力を適切に行うことができる。
【解決手段】ポリシー設定システム1は、クライアント端末2と管理サーバ4とを有する。クライアント端末2は、第1の状態から、第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移するまでの遷移時間を規定するポリシーを記憶する省電力ポリシー221と、省電力ポリシー221に基づいて遷移した第2の状態の開始から第1の状態に遷移するまでの時間を用いて、ポリシーを基準とした所定範囲で遷移時間の値を切り替える切替部233と、切り替えられた値を含む切替実績224を管理サーバ4に送信する実績送信部234とを有する。管理サーバ4は、実績送信部234によって送信された切替実績224に基づいて、送信元の端末に設定するポリシーを更新するポリシー更新部433と、更新されたポリシーをクライアント端末2に送信するポリシー送信部434とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを管理するポリシーを設定するシステムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の端末を管理する部門においては、ネットワークを経由して、管理対象の端末の情報を収集するとともに、予め設定したポリシーを管理対象の端末に適用することが行われている。情報の収集では、管理対象の端末にインストールされたエージェントと呼ばれるソフトウェアが、自端末の事象に関する情報、例えば自端末のソフトウェアやハードウェアなどの情報を管理サーバに送信することで行われる。管理対象の端末にポリシーを適用することにより、例えば、省電力設定における、スクリーンセーバの起動までの時間や無操作時にスリープに移行するまでの時間などを省電力ポリシーとして設定することができる。
【0003】
省電力に関する技術として、管理者によって時間帯ごとに設定された省電力ポリシーを複数の端末に一括して適用するサーバの技術がある。
【0004】
また、スクリーンセーバ画面の維持時間を計測し、計測した時間に基づいてスクリーンセーバの起動までの時間を制御するコンピュータ装置の技術が知られている(例えば特許文献1)。かかる技術では、計測されたスクリーンセーバ画面の維持時間が第一の基準時間より短い場合は、スクリーンセーバ画面の起動までの時間が長くされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−20204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の省電力に関する技術では、モニターを有する電子機器において省電力を適切に行うことができないという問題がある。
【0007】
例えば、省電力に関するサーバの技術では、スクリーンセーバの起動までの時間やスリープに移行するまでの時間などの省電力ポリシーを最適に設定できない。すなわち、端末に適用された省電力ポリシーに関わる上記時間は、ユーザの利用状況に応じた時間ではないので、利用されていない端末には長すぎる時間である一方、利用中の端末には短すぎる時間となる場合がある。この結果、かかる時間は、省電力の目的から鑑みると、必ずしも適正な時間とはいえないので、端末において省電力を適切に行うことができない。
【0008】
また、省電力に関するコンピュータ装置の技術であっても、計測されたスクリーンセーバ画面の維持時間が第一の基準時間より短くなると、スクリーンセーバ画面の起動までの時間が長くされるので、省電力となるまでの時間が制限なく長くなる。この結果、かかる時間は、省電力の目的から鑑みると、必ずしも適正な時間とはいえないので、コンピュータ装置において省電力を適切に行うことができない。
【0009】
このような問題が発生するのは、サーバやコンピュータ装置が、ユーザが利用している状況と利用していない状況とを区別できるが、ユーザが間接的に利用している状況(装置に触れていないが利用中である状況)を捉えることができないからである。
【0010】
開示の技術は、サーバなどのモニターを有する電子機器において省電力を適切に行うことができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの側面では、ポリシー設定システムは、管理サーバおよび端末を含むポリシー設定システムであって、前記端末は、前記管理サーバより受信した、前記端末における第1の状態から前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に相互に遷移する遷移時間、遷移条件、および、前記遷移時間の変化範囲を時間区分ごとに規定するポリシーを記憶する記憶部と、前記記憶部によって記憶されたポリシーに基づいて前記第2の状態に遷移してから前記第1の状態に遷移するまでの時間に基づき、前記変化範囲内で前記遷移時間の値を変化させる遷移時間調整部と、前記遷移時間調整部による遷移時間調整実績を前記管理サーバに送信する第1の送信部とを有し、前記管理サーバは、前記第1の送信部によって送信された遷移時間調整実績に基づいて、送信元の端末に設定するポリシーを更新する更新部と、前記更新部によって更新されたポリシーを前記端末に送信する第2の送信部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示するポリシー設定システムの一つの態様によれば、モニターを有する電子機器において省電力を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例に係るポリシー設定システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、省電力ポリシーの一例を示す図である。
【図3】図3は、可変幅情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、開始履歴のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図5は、切替実績のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図6は、利用実績のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例に係るポリシー設定処理のシーケンスの一例を示す図である。
【図8】図8は、省電力ポリシーの更新処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、省電力ポリシーを基準とした開始待ち時間の切替処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図10A】図10Aは、実施例に係るポリシー設定処理の具体例を示す図(1)である。
【図10B】図10Bは、実施例に係るポリシー設定処理の具体例を示す図(2)である。
【図10C】図10Cは、実施例に係るポリシー設定処理の具体例を示す図(3)である。
【図10D】図10Dは、実施例に係るポリシー設定処理の具体例を示す図(4)である。
【図11】図11は、実施例に係るポリシー設定処理の変形例を示す図である。
【図12】図12は、ポリシー設定プログラムを実行する管理サーバの一例を示す図である。
【図13】図13は、ポリシー設定プログラムを実行するクライアント端末の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示するポリシー設定システムおよびポリシー設定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0015】
図1は、実施例に係るポリシー設定システムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、ポリシー設定システム1は、n台のクライアント端末2と管理端末3と管理サーバ4とを有し、管理サーバ4とクライアント端末2との間でポリシー設定処理を行う。ここで、ポリシー設定処理とは、管理サーバ4がクライアント端末2の省電力に係るポリシー(以降、省電力ポリシーという。)をクライアント端末2の利用状況に応じて最適となるように設定することを示す。そして、省電力ポリシーには、消費する電力が少ない状態を示すスクリーンセーバ画面の状態やスリープの状態を開始するまでの開始待ち時間が含まれる。さらに、省電力ポリシーには、消費する電力が少ない状態を示すシャットダウンまでの開始待ち時間が含まれる。スクリーンセーバ画面の状態を開始するまでの開始待ち時間(スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間)は、キーボード、マウスなどから操作信号が入力されなくなってからスクリーンセーバ画面を開始するまでの待ち時間を意味する。また、スリープの状態を開始するまでの開始待ち時間(スリープまでの開始待ち時間)は、キーボード、マウスなどから操作信号が入力されなくなってからスリープに遷移するまでの待ち時間を意味する。さらに、シャットダウンまでの開始待ち時間は、キーボード、マウスなどから操作信号が入力されなくなってからシャットダウンするまでの待ち時間を意味する。そして、これらの開始待ち時間の値が小さいほど消費する電力が少ない状態に早期に遷移できるので、消費電力が抑制される。なお、省電力ポリシーの詳細については後述する。
【0016】
クライアント端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0017】
通信部21は、ネットワークを介して、管理サーバ4とデータ通信を行う。通信部21は、所定の通信プロトコルを用いてデータ通信を行う通信装置、通信カードなどに対応する。
【0018】
記憶部22は、省電力ポリシー221、可変幅情報222、利用実績225、開始履歴223および切替実績224を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0019】
省電力ポリシー221は、各時間帯(以降、時間区分と同義)に対応付けられた、第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に相互に遷移する遷移時間を規定する。すなわち、省電力ポリシー221は、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間、スリープまでの開始待ち時間およびシャットダウンまでの開始待ち時間を時間帯ごとに規定する。図2は、省電力ポリシーの一例を示す図である。なお、図に示される「SS」とは、スクリーンセーバを略記したものである。図2に示すように、省電力ポリシー221は、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間と、時間帯とを対応付ける。
【0020】
一例として、省電力ポリシー221は、11:00から12:00までの時間帯である場合、「SS開始まで10分」、すなわちスクリーンセーバ画面までの開始待ち時間を10分としたポリシーを規定している。また、省電力ポリシー221は、12:00から13:00までの時間帯である場合、「SS開始まで5分」、すなわちスクリーンセーバ画面までの開始待ち時間を5分としたポリシーを規定している。12:00から13:00までの時間帯におけるポリシーは、11:00から12:00までの時間帯のポリシーと比べ、SS開始までの時間が短いので、消費電力が抑制されたポリシーであるといえる。
【0021】
なお、図2では、省電力ポリシー221は、スクリーンセーバまでの開始待ち時間と、時間帯とを対応づけているが、一部の時間帯について、スリープまでの開始待ち時間やシャットダウンまでの開始待ち時間を対応付けても良い。また、省電力ポリシー221は、例えば、クライアント端末2がパワーオンの状態となったとき、管理サーバ4から送信される。
【0022】
図1に戻って、可変幅情報222は、第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移する遷移時間の変化範囲を時間区分ごとに規定する。例えば、可変幅情報222は、ポリシーを基準として各開始待ち時間の切り替えが許可される可変幅の情報であり、各時間帯に対応付けられる。図3は、可変幅情報の一例を示す図である。図3に示すように、可変幅情報222は、ポリシーを基準として各開始待ち時間の切り替えが許可される可変幅と、時間帯とを対応付ける。
【0023】
一例として、可変幅情報222は、9:00前から12:00までの時間帯である場合、「3分〜20分」とする。すなわち、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間などを同一時間帯のポリシーを基準として3分から20分までの範囲で切り替えが許可される。図2を参照すると、9:00前から11:00までの時間帯について、ポリシーが「SS開始まで20分」であるので、20分を基準として、3分から20分までの範囲でSSまでの開始待ち時間の切り替えが許可される。また、図2で示す11:00から12:00までの時間帯について、ポリシーが「SS開始まで10分」であるので、10分を基準として、3分から20分までの範囲でSSまでの開始待ち時間の切り替えが許可される。さらに、12:00から13:00までの時間帯である場合、「3分〜5分」とする。すなわち、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間などを3分から5分までの範囲で切り替えが許可される。図2で示す12:00から13:00までの時間帯のポリシーが「SS開始まで5分」であるので、5分を基準として、3分から5分までの範囲でSSまでの開始待ち時間の切り替えが許可される。
【0024】
なお、可変幅情報222は、例えばクライアント端末2がパワーオンの状態となったとき、省電力ポリシー221とともに管理サーバ4から送信される。
【0025】
図1に戻って、開始履歴223は、スクリーンセーバ画面またはスリープの開始履歴であり、開始時刻、解除時刻や開始から解除までの解除間隔を含む情報である。なお、開始履歴223の詳細については後述する。
【0026】
切替実績224は、第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移する遷移時間を変化範囲内で変化させた場合の遷移時間調整実績である。すなわち、切替実績224は、可変幅情報222で示される許可される可変幅の範囲内で各開始待ち時間の切り替えが実施された場合の切り替え実績である。切替実績224では、ユーザが間接的に利用している状況、つまり、クライアント端末2に触れていないが利用中である状況を捉えるための情報となる。なお、切替実績224の詳細については後述する。
【0027】
利用実績225は、ユーザがクライアント端末2を利用しているか否かを区別する情報であり、各時間帯に対応付けられる。利用実績225では、ユーザがクライアント端末2を実際に利用(操作)している状況と実際に利用(操作)していない状況とを捉えるための情報となる。なお、利用実績225では、ユーザが間接的に利用している状況、つまり、クライアント端末2に触れていないが利用中である状況を捉えることはできない。なお、利用実績225の詳細については後述する。
【0028】
制御部23は、ポリシー設定部231、監視部232、切替部233および実績送信部234を有する。例えば、制御部23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部23は、例えば、CPUやMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路に対応する。
【0029】
ポリシー設定部231は、管理サーバ4から送信された、省電力ポリシー221および可変幅情報222を記憶部22に記録する。また、ポリシー設定部231は、省電力ポリシー221に基づいて、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間、スリープまでの開始待ち時間およびシャットダウンまでの開始待ち時間をOS(Operating System)上に設定する。
【0030】
監視部232は、OSによって制御されるスクリーンセーバ画面またはスリープの開始を示す開始信号およびマウス、キーボードなどから割り込まれる操作信号を監視する。例えば、監視部232は、スクリーンセーバ画面またはスリープの開始を開始信号によって検知し、スクリーンセーバ画面またはスリープの解除を操作信号によって検知する。そして、監視部232は、開始信号または操作信号を検知すると、開始信号を検知した場合は開始時刻、操作信号を検知した場合は解除時刻および開始時刻から解除時刻までの解除間隔を記録する。さらに、監視部232は、開始信号を検知した場合は開始時刻、操作信号を検知した場合は解除時刻を切替部233に引き渡す。
【0031】
ここで、開始履歴のデータ構造について、図4を参照して説明する。図4は、開始履歴のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、開始履歴223は、開始時刻223a、解除時刻223bおよび解除間隔223cを対応付けて記憶する。開始時刻223aは、スクリーンセーバ画面の開始時刻またはスリープの開始時刻を示す。解除時刻223bは、スクリーンセーバ画面の解除時刻またはスリープの解除時刻を示す。解除間隔223cは、スクリーンセーバ画面またはスリープの解除時刻から開始時刻を引いた差分の時間間隔を示す。
【0032】
一例として、開始履歴223は、開始時刻223aが「2011/09/30 09:00」である場合、解除時刻223bを「2011/09/30 09:03」として、解除間隔223cを「180秒」として記憶している。また、開始履歴223は、開始時刻223aが「2011/09/30 12:05」である場合、解除時刻223bおよび解除間隔223cを空白として記憶している。なお、この場合、スクリーンセーバ画面またはスリープが継続中であることを示している。
【0033】
図1に戻って、切替部233は、省電力ポリシー221に基づいて第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移してから第1の状態に遷移するまでの時間に基づき、変化範囲内で遷移時間の値を変化させる。すなわち、切替部233は、省電力ポリシー221に基づいて遷移した消費する電力が少ない状態の開始から解除までの時間を用いて、可変幅情報222に規定された範囲で当該状態を開始するまでの開始待ち時間を切り替える。ここでいう電力が少ない状態とは、スクリーンセーバ画面の状態であったり、スリープの状態であったり、シャットダウンの状態であったりする。なお、切替部233の以降の説明では、電力が少ない状態をスクリーンセーバ画面の状態として説明する。
【0034】
例えば、切替部233は、開始履歴223に記憶された情報に基づいて、現時点の時間帯に含まれる全ての解除間隔223cが即時であるか否かを判定する。そして、切替部233は、即時であると判定した解除間隔の数が閾値を超えた場合、自端末に設定されている現時点の時間帯のポリシーより大きい開始待ち時間に切り替える。このとき、切替部233は、可変幅情報222の同一時間帯の変更可能な範囲内で開始待ち時間を切り替える。切替部233は、ユーザがクライアント端末2に触れていない状況であるが利用中である状況であると判断したからである。一方、切替部233は、即時であると判定した解除間隔の数が閾値を超えていない場合、開始待ち時間をそのままとする。なお、即時であると判定される解除間隔は、例えば1分以内であるが、ユーザが間接的に利用している状況(クライアント端末に触れていないが利用中である状況)と捉えることができる時間間隔であれば良い。
【0035】
また、切替部233は、スクリーンセーバ画面の開始時刻から現時点までの時間が所定時間経過したか否かを判定する。そして、切替部233は、所定時間経過したと判定した場合、自端末に設定されている現時点の時間帯のポリシーより小さい開始待ち時間に切り替える。このとき、切替部233は、可変幅情報222の同一時間帯の変更可能な範囲内で開始待ち時間を切り替える。切替部233は、ユーザがクライアント端末2を実際に利用(操作)していない状況であると判断したからである。これにより、切替部233は消費する電力が少ない状態に早期に遷移できるので、消費電力が抑制することができる。一方、切替部233は、所定時間経過していないと判定した場合、開始待ち時間をそのままとする。なお、所定時間は、例えば30分であったり、60分であったりするが、ユーザが実際に利用していない状況と捉えることができる時間間隔であれば良い。
【0036】
また、切替部233は、開始待ち時間を切り替えた情報を切替実績224に記録する。ここで、切替実績のデータ構造について、図5を参照して説明する。図5は、切替実績のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、切替実績224は、切替時刻224aおよび切替え後の開始待ち時間224bを対応付けて記憶する。切替時刻224aは、開始待ち時間を切り替えた時刻を示す。切替え後の開始待ち時間224bは、切り替えた後の開始待ち時間を示す。
【0037】
一例として、切替実績224は、切替時刻224aが「2011/09/30 09:12」である場合、切替え後の開始待ち時間224bを「10分」として記憶している。また、切替実績224は、切替時刻224aが「2011/09/30 12:05」である場合、切替え後の開始待ち時間224bを「3分」として記憶している。
【0038】
実績送信部234は、切替実績224および利用実績225を管理サーバ4に送信する。
【0039】
例えば、実績送信部234は、時間帯におけるスクリーンセーバ画面(またはスリープ)の開始回数および解除間隔を基に、各時間帯における自端末の使用または未使用を区別し、利用実績225を作成する。一例として、実績送信部234は、開始履歴223を用いて、時間帯ごとにスクリーンセーバ(またはスリープ)の開始時刻223aの数と解除間隔223cを求める。そして、実績送信部234は、求めた情報を基に、各時間帯における自端末の使用または未使用を区別し、利用実績225に記録する。
【0040】
また、実績送信部234は、切替実績224および作成した利用実績225を管理サーバ4に送信する。なお、利用実績225および切替実績224を送信する回数は、1日1回で良く、クライアント端末2の作業の完了時となる、例えばシャットダウン時であれば良い。
【0041】
ここで、利用実績のデータ構造について、図6を参照して説明する。図6は、利用実績のデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、利用実績225は、時間帯225aおよび使用/未使用225bを対応付けて記憶する。時間帯225aは、1時間単位の時間間隔であり、時間区分を示す。使用/未使用225bは、ユーザが端末を使用しているか否かを区別する情報を示す。ここでは、使用している場合には、「1」を記憶し、使用していない場合には、「0」を記憶する。
【0042】
一例として、利用実績225は、時間帯225aが「09:00〜10:00」である場合、使用/未使用225bを「0」として記憶している。また、利用実績225は、時間帯225aが「10:00〜11:00」である場合、使用/未使用225bを「1」として記憶している。
【0043】
管理端末3は、ポリシー設定システム1のシステム管理者の端末である。管理端末3は、省電力ポリシーの初期設定を行うべく、デフォルトの省電力ポリシーを管理サーバ4に送信する。送信する省電力ポリシーは、クライアント端末2ごとであっても良いし、クライアント端末2ごとでなくても良い。
【0044】
管理サーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。
【0045】
通信部41は、ネットワークを介して、クライアント端末2および管理端末3とデータ通信を行う。通信部41は、所定の通信プロトコルを用いてデータ通信を行う通信装置、通信カードなどに対応する。
【0046】
記憶部42は、省電力ポリシー421、可変幅情報422、切替実績423および利用実績424を記憶する。記憶部42は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0047】
省電力ポリシー421は、各時間帯に対応付けられた、第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に相互に遷移する遷移時間を規定する。すなわち、省電力ポリシー421は、スクリーンセーバ画面までの開始待ち時間、スリープまでの開始待ち時間およびシャットダウンまでの開始待ち時間を時間帯ごとに規定する。省電力ポリシー421は、デフォルトのポリシーとして管理端末3から送信される。なお、省電力ポリシー421の内容は、省電力ポリシー221と同様であるので、その説明を省略する。
【0048】
可変幅情報422は、第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移する遷移時間の変化範囲を時間区分ごとに規定する。例えば、可変幅情報422は、ポリシーを基準として各開始待ち時間の切り替えが許可される可変幅の情報であり、各時間帯に対応付けられる。可変幅情報422は、デフォルトの可変幅情報として管理端末3から送信される。なお、可変幅情報422の内容は、可変幅情報222と同様であるので、その説明を省略する。
【0049】
切替実績423は、クライアント端末2によって第1の状態から第1の状態より消費する電力が少ない第2の状態に遷移する遷移時間を変化範囲内で変化させた場合の遷移時間調整実績である。すなわち、切替実績423は、クライアント端末2によって開始待ち時間の切り替えが実施された場合の切り替え実績である。切替実績423は、クライアント端末2から送信される都度、履歴として蓄積される。なお、切替実績423のデータ構造は、切替実績224と同様であるので、その説明を省略する。
【0050】
利用実績424は、クライアント端末2をユーザが利用しているか否かを区別する情報であり、各時間帯に対応付けられる。利用実績424は、クライアント端末2から送信される都度、履歴として蓄積される。なお、利用実績424のデータ構造は、利用実績225と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】
制御部43は、初期ポリシー適用部431、実績蓄積部432、ポリシー更新部433およびポリシー送信部434を有する。例えば、制御部43は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部43は、例えば、CPUやMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路に対応する。
【0052】
初期ポリシー適用部431は、管理端末3から送信されたデフォルトの省電力ポリシーを記憶部42に記録するとともに、クライアント端末2に適用する。
【0053】
実績蓄積部432は、クライアント端末2から送信された利用実績225を、記憶部42の利用実績424に蓄積する。実績蓄積部432は、クライアント端末2から送信された切替実績224を、記憶部42の切替実績423に蓄積する。
【0054】
ポリシー更新部433は、切替実績423および利用実績424に基づいて、現在適用している省電力ポリシー421が最適であるかを評価する。
【0055】
例えば、ポリシー更新部433は、切替実績423に記憶された情報から省電力ポリシー421の時間帯ごとに切替えられた開始待ち時間(切替え後の開始待ち時間224b)を抽出する。そして、ポリシー更新部433は、時間帯ごとに、抽出した切り替え後の開始待ち時間と現在適用している省電力ポリシー421の同じ時間帯のポリシーとを加算し、加算した値から得られる平均値を新たなポリシーの候補とする。
【0056】
また、ポリシー更新部433は、利用実績424に記憶された情報から省電力ポリシー421の時間帯ごとの端末を使用しているか否かの区別(使用/未使用225b)を抽出する。そして、ポリシー更新部433は、抽出した端末の使用/未使用の区別を用いて、時間帯ごとに、端末の未使用であった割合を算出する。そして、ポリシー更新部433は、算出した端末の未使用であった割合が所定値以上である場合には、たとえ省電力ポリシー421にスクリーンセーバに係る時間が規定されていても、スクリーンセーバに代えてスリープまでの時間を新たなポリシーとする。このとき、ポリシー更新部433は、可変幅情報422の同じ時間帯のスリープの下限値を新たなポリシーとする。ポリシー更新部433は、対象となる時間帯が端末を使用していない確率が高いと判断し、消費電力を抑制するためである。一方、ポリシー更新部433は、算出した端末の未使用であった割合が所定値未満である場合には、新たなポリシーの候補を新たなポリシーとする。そして、ポリシー更新部433は、新たなポリシーを取り入れた省電力ポリシー421を更新する。
【0057】
なお、所定値が示す割合は、例えば50%であるが、60%であっても、70%であっても良く、端末を使用していない確率が高いと判断される割合であれば良い。また、ポリシー更新部433は、クライアント端末2ごとに評価しても良いし、複数のクライアント端末2に纏めて評価しても良い。
【0058】
ポリシー送信部434は、ポリシー更新部433によって更新された省電力ポリシー421を、フィードバックすべく、クライアント端末2に送信する。
【0059】
[ポリシー設定処理のシーケンス]
次に、管理端末3と管理サーバ4とクライアント端末2との間のポリシー設定処理のシーケンスを、図7を参照して説明する。図7は、実施例に係るポリシー設定処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0060】
図7に示すように、管理端末3は、省電力ポリシーの初期設定を行うべく、デフォルトの省電力ポリシーを管理サーバ4に送信する(ステップS11)。すると、管理サーバ4では、初期ポリシー適用部431が、管理端末3から送信された省電力ポリシー421を可変幅情報422とともにクライアント端末2に送信する(ステップS21)。
【0061】
続いて、クライアント端末2では、ポリシー設定部231が、管理サーバ4から送信された省電力ポリシーをOS上に設定する(ステップS31)。さらに、切替部233が、省電力ポリシー221を基準とした開始待ち時間の切替処理を実行する(ステップS32)。そして、実績送信部234は、切替部233によって切り替えられた開始待ち時間の切替実績224および開始履歴223を用いて作成された利用実績225を管理サーバ4に送信する(ステップS33)。
【0062】
すると、管理サーバ4では、ポリシー更新部433が、クライアント端末2から送信された切替実績224および利用実績225を用いて、省電力ポリシーの更新処理を実行する(ステップS22)。そして、ポリシー送信部434は、ポリシー更新部433によって省電力ポリシー421が更新された場合、更新された省電力ポリシー421をクライアント端末2に送信し、省電力ポリシー421をフィードバックする(ステップS23)。
【0063】
なお、その後、省電力ポリシー421がフィードバックされたクライアント端末2は、ステップS31〜ステップS32の処理を継続して行うこととなる。
【0064】
[省電力ポリシーの更新処理の手順の一例]
次に、図7のステップS22に示した、管理サーバ4における省電力ポリシーの更新処理について、図8を参照して説明する。図8は、省電力ポリシーの更新処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0065】
実績蓄積部432は、クライアント端末2から送信された切替実績224を記憶部42の切替実績423に蓄積し、クライアント端末2から送信された利用実績225を記憶部42の切替実績423に蓄積する(ステップS221)。
【0066】
そして、ポリシー更新部433は、現在適用されている省電力ポリシー421を、利用実績424および切替実績423に基づいて評価する(ステップS222)。例えば、ポリシー更新部433は、記憶部42に蓄積された切替実績423に記憶された情報から省電力ポリシー421の時間帯ごとに切替えられた開始待ち時間(切替え後の開始待ち時間224b)を抽出する。そして、ポリシー更新部433は、時間帯ごとに、抽出した切り替え後の開始待ち時間と現在適用している省電力ポリシー421の同じ時間帯のポリシーとを加算し、加算した値から得られる平均値を新たなポリシーの候補とする。さらに、ポリシー更新部433は、記憶部42に蓄積された利用実績424に記憶された情報から省電力ポリシー421の時間帯ごとの端末を使用しているか否かの区別(使用/未使用225b)を抽出する。そして、ポリシー更新部433は、抽出した端末の使用/未使用の区別を用いて、時間帯ごとに、端末の未使用であった割合を算出する。そして、ポリシー更新部433は、算出した端末の未使用であった割合が所定値以上である場合には、スリープまでの時間を新たなポリシーとする。このとき、ポリシー更新部433は、可変幅情報422の同じ時間帯のスリープの下限値を新たなポリシーとする。一方、ポリシー更新部433は、算出した端末の未使用であった割合が所定値未満である場合には、新たなポリシーの候補を新たなポリシーとする。
【0067】
そして、ポリシー更新部433は、ポリシーに変更があったか否かを判定する(ステップS223)。ポリシーに変更があったと判定した場合(ステップS223;Yes)、ポリシー更新部433は、変更があった新たなポリシーを取り入れた省電力ポリシー421を更新して(ステップS224)、処理を終了する。一方、ポリシーに変更がなかったと判定した場合(ステップS223;No)、ポリシー更新部433は、省電力ポリシー421を更新せず、処理を終了する。
【0068】
[省電力ポリシーを基準とした開始待ち時間の切替処理の手順の一例]
次に、図7のステップS32に示した省電力ポリシーを基準とした開始待ち時間の切替処理について、図9を参照して説明する。図9は、省電力ポリシーを基準とした開始待ち時間の切替処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9の例では、監視部232が、スクリーンセーバ画面の開始を示す開始信号を検知したものとする。
【0069】
スクリーンセーバ画面の開始を示す開始信号を検知した監視部232は、スクリーン画面の開始時刻を切替部233に引き渡す。すると、切替部233は、スクリーンセーバ画面の開始時刻を受け取る(ステップS321)。
【0070】
次に、切替部233は、解除時刻を受け取ったか否かを判定する(ステップS322)。解除時刻を受け取っていないと判定した場合(ステップS322;No)、切替部233は、開始時刻から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS323)。開始時刻から所定時間経過していないと判定した場合(ステップS323;No)、切替部233は、解除時刻の受け取りを待ち合わせるべく、ステップS322に移行する。
【0071】
一方、開始時刻から所定時間経過したと判定した場合(ステップS323;Yes)、切替部233は、自端末に設定されている現時点の時間帯のポリシーより小さい開始待ち時間に切り替える(ステップS324)。このとき、切替部233は、可変幅情報222の同一時間帯の変更可能な範囲内で開始待ち時間を切り替える。切替部233は、ユーザがクライアント端末2を実際に利用(操作)していない状況であると判断したからである。その後、切替部233は、解除時刻の受け取りを待ち合わせるべく、ステップS322に移行する。
【0072】
そして、切替部233は、解除時刻を受け取ったと判定した場合(ステップS322;Yes)、スクリーンセーバ画面の解除時刻を受け取る(ステップS325)。そして、切替部233は、即時解除の数を示すインデックスkに初期値を示す「0」を設定する(ステップS326)。
【0073】
そして、切替部233は、開始履歴223に記憶された情報から、現時点の時間帯に含まれる解除間隔を選択する(ステップS327)。そして、切替部233は、選択した解除間隔が定数Tより小さいか否かを判定する(ステップS328)。なお、定数Tは、即時解除か否かを判定する解除間隔の境界値を示し、例えば60(秒)であるが、ユーザが間接的に利用している状況と捉えることができる時間間隔の値であれば良い。
【0074】
選択した解除間隔が定数Tより小さいと判定した場合(ステップS328;Yes)、切替部233は、インデックスkに設定された値に1を加算し(ステップS329)、ステップS330に移行する。一方、選択した解除間隔が定数T以上と判定した場合(ステップS328;No)、切替部233は、ステップS330に移行する。
【0075】
そして、切替部233は、開始履歴223に未選択の解除間隔があるか否かを判定する(ステップS330)。未選択の解除間隔があると判定した場合(ステップS330;Yes)、切替部233は、未選択の解除間隔を選択すべく、ステップS327に移行する。
【0076】
一方、未選択の解除間隔がないと判定した場合(ステップS330;No)、切替部233は、即時解除の数を示すインデックスkが定数Cより大きいか否かを判定する(ステップS331)。なお、定数Cは、閾値を示し、例えば1(回)であるが、ユーザが間接的に利用している状況と捉えることができる回数の値であれば良い。インデックスkが定数Cより大きいと判定した場合(ステップS331;Yes)、切替部233は、自端末に設定されている現時点の時間帯のポリシーより大きい開始待ち時間に切り替える(ステップS332)。このとき、切替部233は、可変幅情報222の同一時間帯の変更可能な範囲内で開始待ち時間を切り替える。切替部233が、ユーザがクライアント端末2に触れていない状況であるが利用中である状況と判断したからである。その後、切替部233は、開始時刻の受け取りを待ち合わせるべく、処理を終了する。
【0077】
一方、インデックスkが定数C以下と判定した場合(ステップS331;No)、切替部233は、開始時刻の受け取りを待ち合わせるべく、ステップS321に移行する。
【0078】
[ポリシー設定処理の具体例]
次に、管理サーバ4におけるポリシー設定処理の具体例について、図10A〜図10Dを参照して説明する。ここで、図10Aでは、システム管理者によって設定された初期ポリシーについて説明し、図10Bでは、クライアント端末2から得られる利用実績424について説明し、図10Cでは、クライアント端末2から得られる切替実績423について説明する。図10Dでは、毎日の利用実績424および切替実績423から最適化された省電力ポリシー421について説明する。なお、図10A〜図10Dでは、説明の便宜上、データを帯グラフに置き換えて表している。
【0079】
図10Aで示す上段の初期ポリシーは、管理端末3のシステム管理者によって初期設定された省電力ポリシー421である。一例として、省電力ポリシー421は、9:00前から11:00までの時間帯である場合、スクリーンセーバ画面(SS)までの開始待ち時間が20分であることを示す「SS開始まで20分」をポリシーとする。11:00から12:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間が10分であることを示す「SS開始まで10分」をポリシーとする。12:00から13:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間が5分であることを示す「SS開始まで5分」をポリシーとする。13:00から15:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間が20分であることを示す「SS開始まで20分」をポリシーとする。15:00から18:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間が10分であることを示す「SS開始まで10分」をポリシーとする。18:00から19:00以降までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間が5分であることを示す「SS開始まで5分」をポリシーとする。
【0080】
図10Aで示す下段の許可されるポリシーの可変幅は、管理端末3のシステム管理者によって初期設定された可変幅情報422である。一例として、可変幅情報422は、9:00前から12:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間やディスプレイの電源切断までの待ち時間やスリープまでの開始待ち時間を3分から20分まで切替可能とする。12:00から13:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間やスリープまでの開始待ち時間を3分から5分まで切替可能とする。13:00から15:00までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間やディスプレイの電源切断までの待ち時間やスリープまでの開始待ち時間を3分から20分まで切替可能とする。15:00から19:00以降までの時間帯である場合、SSまでの開始待ち時間やディスプレイの電源切断までの待ち時間やスリープまでの開始待ち時間やシャットダウンまでの待ち時間を3分から20分まで切替可能とする。
【0081】
図10Bで示す上段の利用実績424は、クライアント端末2から送信された1日目の利用実績225である。また、図10Bで示す下段の利用実績424は、クライアント端末2から送信された2日目の利用実績225である。さらに、クライアント端末2から送信された数日間分の利用実績225が利用実績424に蓄積されている。なお、クライアント端末2の利用実績424は、例えば、実績送信部234によって作成される。
【0082】
一例として、1日目の利用実績424では、9:00から10:00までの時間帯である場合、朝会であったため、クライアント端末(PC)が未使用であったことを表している。10:00から12:00までの時間帯である場合、通常業務であったため、PCが使用されていたことを表している。12:00から13:00までの時間帯である場合、昼食のため、PCが未使用であったことを表している。13:00から18:00までの時間帯である場合、通常業務であったため、PCが使用されていたことを表している。また、2日目の利用実績225では、1日目とほとんど同様であるが、13:00から14:00までの時間帯である場合、会議のため、PCが未使用であったことを表している。
【0083】
図10Cで示す切替実績423は、クライアント端末2から送信された1日目および2日目の切替実績224である。1日目〜2日目の切替実績423では、ある時間帯においてSSまでの開始待ち時間がポリシーを基準として切り替えられている。さらに、クライアント端末2から送信された数日間分の切替実績224がそれぞれ切替実績423に蓄積されている。なお、クライアント端末2の切替実績224は、例えば切替部233によって作成される。
【0084】
一例として、9:00から10:00までの時間帯において、SSまでの開始待ち時間が20分から10分に切り替えられている。すなわち、切替部233が、SSが開始してから所定時間経過したと判定したので、ユーザが実際に利用していない状況と判断し、SSまでの開始待ち時間を同一時間帯の可変幅情報422の可変幅の範囲内(3分〜20分)で小さい時間に切り替えたものである。ここでは、SSまでの開始待ち時間を20分から10分に切り替えたことを表している。なお、所定時間は、ユーザが実際に利用していない状況と捉えることができる時間の長さを示す。
【0085】
また、12:00から13:00までの時間帯において、SSまでの開始待ち時間が5分から3分に切り替えられている。すなわち、切替部233が、SSが開始してから所定時間経過したと判定したので、ユーザが実際に利用していないと判断し、SSまでの開始待ち時間を同一時間帯の可変幅情報422の可変幅の範囲内(3分〜5分)で小さい時間に切り替えたものである。ここでは、SSまでの開始待ち時間を5分から3分に切り替えたことを表している。
【0086】
また、13:00から14:00までの時間帯において、SSまでの開始待ち時間が20分から10分に切り替えられている。すなわち、切替部233が、SSが開始してから所定時間経過したと判定したので、ユーザが実際に利用していないと判断し、SSまでの開始待ち時間を同一時間帯の可変幅情報422の可変幅の範囲内(3分〜20分)で小さい時間に切り替えたものである。ここでは、SSまでの開始待ち時間を20分から10分に切り替えたことを表している。
【0087】
これにより、クライアント端末2は、ポリシーを基準にしてSSの開始待ち時間を自律的に切り替えるので、ユーザの利用状況に合った省電力制御をすることができる。
【0088】
図10Dで示す省電力ポリシー421は、図10Bで示す数日間分の利用実績424と図10Cで示す同じ時間分の切替実績423から最適化されたものである。ここでは、1週間分の切替実績423と利用実績424とが蓄積されているものとする。なお、最適化される省電力ポリシー421は、ポリシー更新部433によって更新される。
【0089】
一例として、9:00前から10:00までの時間帯である場合、「スリープまで3分」をポリシーとする。すなわち、ポリシー更新部433は、図10Cに示す切替実績423を参照すると「SS開始まで10分」であるが、図10Bに示す利用実績424を参照すると「PC未使用」となる割合が所定以上であったと判定する。そこで、ポリシー更新部433は、スリープまでの開始待ち時間を同じ時間帯の可変幅情報422の可変幅(3分〜20分)の下限値に更新する。ここでは、スリープまでの開始待ち時間を3分に更新したことを表している。12:00から14:00までの時間帯である場合も、9:00前から10:00までの時間帯の場合と同様の処理となり、スリープまでの開始待ち時間を3分に更新したことを表している。
【0090】
また、17:00から18:00までの時間帯である場合、「SS開始まで5分」をポリシーとする。すなわち、ポリシー更新部433は、1週間分の切替実績423からこの時間帯の切り替え後の開始待ち時間を抽出する。そして、ポリシー更新部433は、抽出した開始待ち時間と現在適用している省電力ポリシー421の同じ時間帯のポリシー「10分」を加算し、加算した値から得られる平均時間を新たなポリシーの候補とする。ここでは、5分をポリシーの候補とする。そして、ポリシー更新部433は、1週間分の同じ時間帯の利用実績424に「PC未使用」となる割合が所定以上なかったので、新たなポリシーの候補を新たなポリシーとして更新する。ここでは、SSの開始待ち時間を10分から5分に更新したことを表している。
【0091】
これにより、管理サーバ4は、クライアント端末2の利用実績225および切替実績224を用いることで、適用している省電力ポリシー421の妥当性を検証することができるので、省電力ポリシー421を最適に設定できる。この結果、管理サーバ4は、省電力制御を適切に行うことが可能となる。
【0092】
なお、省電力ポリシー421では、11:00から12:00までの時間帯のうち、前半の30分は、10:00から11:00までの時間帯のポリシーを適用している。これは、時間の遷移とともに、SSまでの開始待ち時間が小さくなる(ここでは20分から10分に小さくなる)場合、省電力となる方向に切り替えることとなるので、ユーザによる端末の利用を考慮して切り替えタイミングに余裕を持たせたものである。
【0093】
ところで、上記実施例では、管理サーバ4は、毎日の切替実績423および利用実績424から省電力ポリシー421を最適化する場合について説明した。しかしながら、これに限定されず、管理サーバ4は、毎日の切替実績423および利用実績424に加えて外部条件から省電力ポリシー421を最適化しても良い。
【0094】
図11は、実施例に係るポリシー設定処理の変形例を示す図である。図11に示す省電力ポリシー421は、毎日の切替実績423および利用実績424に加えて外部条件から最適化されたものである。ここで、外部条件とは、時間ごとに規定されたスケジューリングを一例とする。例えば、スケジューリングには、12:00から13:00までを昼食時間、18:00以降を定時後と規定されているものとする。
【0095】
このような状況のもと、例えば、ポリシー更新部433は毎日の切替実績423および利用実績424からポリシーを最適化する。そして、ポリシー更新部433は、スケジューリングに規定されている情報を読み出し、読み出した情報に含まれる昼食時である12:00から13:00までの時間帯をスリープまでの開始待ち時間1分とする。さらに、ポリシー更新部433は、読み出した情報に含まれる定時後である18:00以降の時間帯をシャットダウンまでの開始待ち時間1分とする。昼休みである12:00から13:00までの時間帯および定時後の18:00以降の時間帯では、起動している端末が通常業務の時間より少なく、端末があるフロア内にいる人間が少なくなるので、セキュリティーリスクが高まるためである。このように、ポリシー更新部433は、さらに外部条件から省電力ポリシー421を最適化することができる。
【0096】
[実施例の効果]
上記実施例によれば、クライアント端末2は、キーボード、マウスなどから操作信号が入力されなくなってから、消費する電力が少ないスクリーンセーバ画面などまでの開始待ち時間を規定する省電力ポリシー221を設定する。そして、クライアント端末2は、省電力ポリシー221に基づいて遷移したスクリーンセーバ画面の開始から解除までの時間を用いて、可変幅情報222に規定された範囲で開始待ち時間を切り替える。さらに、クライアント端末2は、切り替えられた開始待ち時間を含む切替実績224を管理サーバ4に送信する。管理サーバ4は、クライアント端末2によって送信された切替実績224に基づいて、送信元のクライアント端末2に設定する省電力ポリシー421を更新する。そして、クライアント端末2は、更新された省電力ポリシー421をクライアント端末2に送信する。かかる構成によれば、管理サーバ4は、消費する電力が少ないスクリーンセーバ画面などの開始からユーザによる解除までの時間を用いて切り替えられた開始待ち時間の実績に基づいて、省電力ポリシー421を更新することとした。すなわち、管理サーバ4は、ユーザによる解除、言い換えるとユーザによる利用状況に応じて切り替えられた開始待ち時間を用いて新たに省電力ポリシーを更新する。この結果、管理サーバ4は、新たに更新した省電力ポリシーをクライアント端末2にフィードバックすることで、ユーザの利用状況に応じた省電力を適切に行わせることができる。つまり、クライアント端末2は、ユーザの利用状況に応じた省電力を適切に行うことができる。
【0097】
また、クライアント端末2は、消費する電力が少ないスクリーンセーバ画面などの開始から解除の操作までの時間が即時であって当該時間の頻度が閾値を超えた場合に、省電力ポリシー221に規定されたポリシーより大きい開始待ち時間に切り替える。かかる構成によれば、クライアント端末2は、スクリーンセーバ画面などが開始されても即解除する頻度が閾値より高ければ、ポリシーより大きい開始待ち時間に切り替えるので、自律的にユーザの利用状況に応じた省電力を適用できる。
【0098】
また、管理サーバ4は、クライアント端末2によって送信された切替実績224を蓄積する。そして、管理サーバ4は、切替実績が複数存在する場合、それぞれの切替実績に含まれた値の平均値を新たなポリシーとして更新する。かかる構成によれば、管理サーバ4は、複数の切替実績225からばらつきが平均的となるポリシーを生成でき、ポリシーを最適化できる。
【0099】
また、管理サーバ4は、時間帯ごとの切替実績を有する切替実績423を蓄積する。そして、管理サーバ4は、時間帯ごとに蓄積された切替実績を用いて、時間帯ごとに新たなポリシーを更新する。かかる構成によれば、管理サーバ4は、時間帯ごとにポリシーを最適化できる。
【0100】
また、管理サーバ4は、スケジュールが規定された情報を取得し、取得した情報と時間帯ごとの切替実績とを用いて、時間帯ごとに新たなポリシーを更新する。かかる構成によれば、管理サーバ4は、外部条件としてスケジュールが規定された情報を用いることにより、さらに時間帯ごとにポリシーを最適化できる。
【0101】
[プログラムなど]
なお、管理サーバ4は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置に、上記した実績蓄積部432、ポリシー更新部433およびポリシー送信部434などの各機能を搭載することによって実現することができる。また、クライアント端末2は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置に、上記した監視部232、切替部233および実績送信部234などの各機能を搭載することによって実現することができる。
【0102】
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的態様は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、監視部232と切替部233とを1個の部として統合しても良い。一方、切替部233をポリシーより大きい開始待ち時間に切り替える第1の切替部とポリシーより小さい開始待ち時間に切り替える第2の切替部とに分散しても良い。また、省電力ポリシー221、切替実績224および利用実績225などの記憶部22をクライアント端末2の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしても良い。省電力ポリシー421、切替実績423および利用実績424などの記憶部42を管理サーバ4の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしても良い。
【0103】
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図1に示した管理サーバ4と同様の機能を実現するポリシー設定プログラムを実行する管理サーバ4の一例を説明する。図12は、ポリシー設定プログラムを実行する管理サーバの一例を示す図である。
【0104】
図12に示すように、管理サーバ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203を有する。また、管理サーバ200は、記憶媒体からプログラムなどを読取る読み取り装置204と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインタフェース装置205とを有する。また、管理サーバ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207を有する。そして、各装置201〜207は、バス208に接続される。
【0105】
ハードディスク装置207は、ポリシー設定プログラム207aおよびポリシー設定関連情報207bを記憶する。CPU201は、ポリシー設定プログラム207aを読み出して、RAM206に展開する。ポリシー設定プログラム207aは、ポリシー設定プロセス206aとして機能する。
【0106】
例えば、ポリシー設定プロセス206aは、初期ポリシー適用部431、実績蓄積部432、ポリシー更新部433およびポリシー送信部434に対応する。ポリシー設定関連情報207bは、省電力ポリシー421、可変幅除法422、切替実績423および利用実績424に対応する。
【0107】
なお、ポリシー設定プログラム207aについては、必ずしも最初からそれぞれのハードディスク装置207に記憶させておかなくても良い。例えば、管理サーバ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にポリシー設定プログラム207aを記憶させておく。そして、管理サーバ200がこれらからポリシー設定プログラム207aを読み出して実行するようにしても良い。
【0108】
さらに、図1に示したクライアント端末2と同様の機能を実現するポリシー設定プログラムを実行するクライアント端末2の一例を説明する。なお、かかるポリシー設定プログラムは、エージェントと呼ばれるソフトウェアプログラムを一例とする。図13は、ポリシー設定プログラムを実行するクライアント端末の一例を示す図である。
【0109】
図13に示すように、クライアント端末300は、各種演算処理を実行するCPU301と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置302と、ディスプレイ303を有する。また、クライアント端末300は、記憶媒体からプログラムなどを読取る読み取り装置304と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインタフェース装置305とを有する。また、クライアント端末300は、各種情報を一時記憶するRAM306と、ハードディスク装置307を有する。そして、各装置301〜307は、バス308に接続される。
【0110】
ハードディスク装置307は、ポリシー設定プログラム307aおよびポリシー設定関連情報307bを記憶する。CPU301は、ポリシー設定プログラム307aを読み出して、RAM306に展開する。ポリシー設定プログラム307aは、ポリシー設定プロセス306aとして機能する。
【0111】
例えば、ポリシー設定プロセス306aは、ポリシー設定部231、監視部232、切替部233および実績送信部234に対応する。ポリシー設定関連情報307bは、省電力ポリシー221、可変幅除法222、開始履歴223、切替実績224および利用実績225に対応する。
【0112】
なお、ポリシー設定プログラム307aについては、必ずしも最初からそれぞれのハードディスク装置307に記憶させておかなくても良い。例えば、クライアント端末300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にポリシー設定プログラム307aを記憶させておく。そして、クライアント端末300がこれらからポリシー設定プログラム307aを読み出して実行するようにしても良い。
【0113】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0114】
(付記1)管理サーバおよび端末を含むポリシー設定システムであって、
前記端末は、
前記管理サーバより受信した、前記端末における第1の状態から前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に相互に遷移する遷移時間、遷移条件、および、前記遷移時間の変化範囲を時間区分ごとに規定するポリシーを記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶されたポリシーに基づいて前記第2の状態に遷移してから前記第1の状態に遷移するまでの時間に基づき、前記変化範囲内で前記遷移時間の値を変化させる遷移時間調整部と、
前記遷移時間調整部による遷移時間調整実績を前記管理サーバに送信する第1の送信部とを有し、
前記管理サーバは、
前記第1の送信部によって送信された遷移時間調整実績に基づいて、送信元の
端末に設定するポリシーを更新する更新部と、
前記更新部によって更新されたポリシーを前記端末に送信する第2の送信部と
を有することを特徴とするポリシー設定システム。
【0115】
(付記2)前記端末は、前記第2の状態から前記第1の状態へと遷移する解除の操作を記録する解除操作記録部を有し、
前記遷移時間調整部は、前記第2の状態への遷移から前記解除操作記録部によって記録された解除の操作までの時間が所定時間内であって当該時間区分における頻度が閾値を超えた場合に、前記記憶部によって記憶されたポリシーより大きい遷移時間の値に切り替える
ことを特徴とする付記1に記載のポリシー設定システム。
【0116】
(付記3)前記第1の送信部によって送信された遷移時間調整実績を蓄積する蓄積部と、
前記更新部は、前記蓄積部によって蓄積された遷移時間調整実績が複数存在する場合、それぞれの遷移時間調整実績に含まれた遷移時間の値の平均値を新たなポリシーとして更新する
ことを特徴とする付記1または付記2に記載のポリシー設定システム。
【0117】
(付記4)前記蓄積部は、時間区分ごとに遷移時間調整実績を蓄積し、
前記更新部は、前記蓄積部によって時間区分ごとに蓄積された遷移時間調整実績を用いて、時間区分ごとに新たなポリシーを更新する
ことを特徴とする付記3に記載のポリシー設定システム。
【0118】
(付記5)前記更新部は、スケジュールが規定された情報を取得し、取得した情報と時間区分ごとに蓄積された遷移時間調整実績とを用いて、時間区分ごとに新たなポリシーを更新する
ことを特徴とする付記4に記載のポリシー設定システム。
【0119】
(付記6)管理サーバおよび端末を含むポリシー設定システムによって実行されるポリシー設定方法であって、
前記端末が、
第1の状態から、前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に遷移するまでの遷移時間を規定するポリシーを記憶し、
前記記憶する処理によって記憶されたポリシーに基づいて遷移した前記第2の状態の開始から前記第1の状態に遷移するまでの時間を用いて、前記ポリシーを基準とした所定範囲で前記遷移時間の値を切り替え、
前記切り替える処理によって切り替えられた値を含む切替実績を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記送信する処理によって送信された切替実績に基づいて、送信元の端末に設定するポリシーを更新し、
前記更新する処理によって更新されたポリシーを前記端末に送信する
各処理を含むことを特徴とするポリシー設定方法。
【0120】
(付記7)端末を管理する管理サーバであって、
第1の状態から、前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に遷移するまでの遷移時間を規定するポリシーを基準とした所定範囲で前記遷移時間の値を切り替えた実績を示す切替実績であって前記端末から送信される切替実績に基づいて、前記端末に設定するポリシーを更新する更新部と、
前記更新部によって更新されたポリシーを前記端末に送信する送信部と
を有することを特徴とする管理サーバ。
【0121】
(付記8)管理サーバと通信可能な端末であって、
第1の状態から、前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に遷移するまでの遷移時間を規定するポリシーを記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶されたポリシーに基づいて遷移した前記第2の状態の開始から前記第1の状態に遷移するまでの時間を用いて、前記ポリシーを基準とした所定範囲で前記遷移時間の値を切り替える切替部と、
前記切替部によって切り替えられた値を含む切替実績を前記管理サーバに送信する送信部と
を有することを特徴とする端末。
【符号の説明】
【0122】
1 ポリシー設定システム
2 クライアント端末
3 管理端末
4 管理サーバ
21、41 通信部
22、42 記憶部
23、43 制御部
221、421 省電力ポリシー
222、422 可変幅情報
223 開始履歴
224、423 切替実績
225、424 利用実績
231 ポリシー設定部
232 監視部
233 切替部
234 実績送信部
431 初期ポリシー適用部
432 実績蓄積部
433 ポリシー更新部
434 ポリシー送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバおよび端末を含むポリシー設定システムであって、
前記端末は、
前記管理サーバより受信した、前記端末における第1の状態から前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に相互に遷移する遷移時間、遷移条件、および、前記遷移時間の変化範囲を時間区分ごとに規定するポリシーを記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶されたポリシーに基づいて前記第2の状態に遷移してから前記第1の状態に遷移するまでの時間に基づき、前記変化範囲内で前記遷移時間の値を変化させる遷移時間調整部と、
前記遷移時間調整部による遷移時間調整実績を前記管理サーバに送信する第1の送信部とを有し、
前記管理サーバは、
前記第1の送信部によって送信された遷移時間調整実績に基づいて、送信元の
端末に設定するポリシーを更新する更新部と、
前記更新部によって更新されたポリシーを前記端末に送信する第2の送信部と
を有することを特徴とするポリシー設定システム。
【請求項2】
前記端末は、前記第2の状態から前記第1の状態へと遷移する解除の操作を記録する解除操作記録部を有し、
前記遷移時間調整部は、前記第2の状態への遷移から前記解除操作記録部によって記録された解除の操作までの時間が所定時間内であって当該時間区分における頻度が閾値を超えた場合に、前記記憶部によって記憶されたポリシーより大きい遷移時間の値に切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載のポリシー設定システム。
【請求項3】
前記第1の送信部によって送信された遷移時間調整実績を蓄積する蓄積部と、
前記更新部は、前記蓄積部によって蓄積された遷移時間調整実績が複数存在する場合、それぞれの遷移時間調整実績に含まれた遷移時間の値の平均値を新たなポリシーとして更新する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリシー設定システム。
【請求項4】
前記蓄積部は、時間区分ごとに遷移時間調整実績を蓄積し、
前記更新部は、前記蓄積部によって時間区分ごとに蓄積された遷移時間調整実績を用いて、時間区分ごとに新たなポリシーを更新する
ことを特徴とする請求項3に記載のポリシー設定システム。
【請求項5】
前記更新部は、スケジュールが規定された情報を取得し、取得した情報と時間区分ごとに蓄積された遷移時間調整実績とを用いて、時間区分ごとに新たなポリシーを更新する
ことを特徴とする請求項4に記載のポリシー設定システム。
【請求項6】
管理サーバおよび端末を含むポリシー設定システムによって実行されるポリシー設定方法であって、
前記端末が、
第1の状態から、前記第1の状態より消費電力が少ない第2の状態に遷移するまでの遷移時間を規定するポリシーを記憶し、
前記記憶する処理によって記憶されたポリシーに基づいて遷移した前記第2の状態の開始から前記第1の状態に遷移するまでの時間を用いて、前記ポリシーを基準とした所定範囲で前記遷移時間の値を切り替え、
前記切り替える処理によって切り替えられた値を含む切替実績を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記送信する処理によって送信された切替実績に基づいて、送信元の端末に設定するポリシーを更新し、
前記更新する処理によって更新されたポリシーを前記端末に送信する
各処理を含むことを特徴とするポリシー設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−80277(P2013−80277A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218497(P2011−218497)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】