説明

ポリチオウレタン組成物並びにその製造及び使用方法

ポリチオウレタンポリマー組成物、該ポリチオウレタンポリマー組成物の製造方法、及び該ポリチオウレタンポリマー組成物の使用方法が提供される。該ポリチオウレタンは、チオールエステル組成物及びイソシアネートを接触させて混合物を生成すること、並びに次いで該混合物を加熱して該ポリチオウレタンポリマーを生成することによって生成することができる。ある実施形態においては、該チオールエステル組成物には、チオールエステル、ヒドロキシチオールエステル、及び架橋チオールエステルが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全てが2005年2月17日出願の米国出願番号第11/060,675号;11/060,696号;11/059,792号;及び11/059,647号の4件の特許出願の利益を主張する米国一部継続特許出願第11/204,728号の優先権を主張し、2004年2月17日出願の米国出願番号第60/545,260号;2004年4月13日出願の米国出願番号第60/561,614号;2004年4月13日出願の米国出願番号第60/561,685号;及び2004年4月13日出願の米国出願番号第60/561,855号の仮特許出願の優先権を主張する。上記出願の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般的にチオールエステル組成物及びイソシアネートの反応から生成されるポリチオウレタン組成物に関する。本発明はまた、このような組成物の調製方法及び該組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
化学工業は、供給が潤沢なより安価な供給原料で、ポリマー、肥料、被覆剤、発泡体、及び燃料などの製品を製造するよう努力している。化石燃料は長い間にはゆっくりと枯渇するので、代替ソースが、常に燃料の代わりのものとして捜し求められている。更に、化学工業は、安全性及び環境問題に関係した潜在的な危険及びリスクを減少させるために、環境を考慮した製品を製造し、環境を考慮した供給原料を使用するよう絶え間なく努力している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、チオールエステル組成物をイソシアネート組成物と反応させることによって生成される新規のポリマー組成物を提供する。いくつかの実施形態においては、チオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル(ヒドロキシチオールエステル組成物);或いは、架橋チオールエステル(架橋チオールエステル組成物);或いは、メルカプタン化(mercaptanized)不飽和エステル(メルカプタン化不飽和エステル組成物);或いは、メルカプタン化エポキシ化エステル(メルカプタン化エポキシ化エステル組成物);或いは、架橋メルカプタン化不飽和エステル(架橋メルカプタン化不飽和エステル組成物)であってよい。本明細書に記載されたイソシアネート組成物は、上記ポリマー組成物を調製するのに使用することができる。
【0005】
上記ポリマーに加えて、上記ポリマーの製造方法も、本発明の実施形態として提供される。一実施形態においては、チオールエステル組成物を、イソシアネート組成物と接触させて混合物を形成する。その混合物を、次いで加熱してポリマーを生成する。ある実施形態においては、触媒を使用してポリマーを生成する。ある実施形態においては、本発明のポリマーは、−100℃から250℃の間の範囲のガラス転移温度を有する。
【0006】
(発明の詳細な説明)
本明細書においては、「天然」は、天然の果実、堅果、野菜、植物及び動物から、任意の方法によって得られる材料を意味する。一例として、天然原料油(natural source oil)は、天然の果実、堅果、野菜、植物及び動物から、抽出され、場合によっては精製された原料油(source oil)を意味する。更に、不飽和天然原料油は、天然の果実、堅果、野菜、植物及び動物から、抽出され、場合によっては精製された不飽和天然原料油を意味する。別の例として、不飽和天然原料油は、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導することができる。更に別の例として、不飽和天然原料油は、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導されるトリグリセリドを含む。
【0007】
本明細書においては、「天然源原材料(natural source raw material)」は、「天然」材料の抽出、化学分解、又は化学処理によって得られる材料を意味する。限定されない一例には、天然の果実、堅果、野菜、植物及び動物から抽出することができる天然原料油が含まれる。別の限定されない例として、飽和又は不飽和のグリセロール及びカルボン酸又はカルボン酸エステルを、天然の果実、堅果、野菜、植物、及び動物から抽出されるトリグリセリドの化学処理によって生成し、単離することができる。
【0008】
本明細書においては、「合成」は、直接的に天然原料から誘導されない化学成分から生成される材料を意味する。例えば、合成の不飽和エステル油は、合成エチレングリコール及び合成カルボン酸、即ちアクリル酸又はプロピオン酸の反応によって生成することができる。合成材料の他のタイプは、当業者には明らかであろうし、本発明の範囲内であるとみなされるべきである。
【0009】
天然及び合成の定義にかかわらず、本明細書に記載された材料は、天然材料及び合成材料の組合せ、即ち「半合成」から生成することができる。限定されない一例として、本明細書に記載された不飽和エステル油は、合成源原材料及び天然源原材料の組合せから得る、又は生成することができる。例えば、不飽和エステル油は、合成エチレングリコール及び天然原料油から単離されたオレイン酸の反応によって生成することができる。別法として、不飽和エステル油は、天然原料油から単離されたグリセロール及び合成カルボン酸、即ちアクリル酸の反応から生成することができる。別法として、不飽和エステル油は、天然原料油から単離されたグリセロール及びオレイン酸から生成することができる。
【0010】
本明細書においては、「チオールエステル組成物」は、「チオールエステル分子」を含むエステル組成物を意味する。チオールエステル分子は、チオールエステル分子内に少なくとも1つのチオール基及び少なくとも1つのエステル基を有する。
【0011】
本明細書においては、「ヒドロキシチオールエステル組成物」は、「ヒドロキシチオールエステル分子」を含むエステル組成物を意味する。ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子内に少なくとも1つのチオール基、少なくとも1つのエステル基、及び少なくとも1つのヒドロキシ又はアルコール基を有する。別法として、アルコール基及びチオール基は、「α−ヒドロキシチオール基」と呼ばれる同一の基に組み合わせることができる。
【0012】
本明細書においては、「不飽和エステル組成物」は、不飽和エステル分子を含むエステル組成物を意味する。不飽和エステル分子は、不飽和エステル分子内に少なくとも1つのエステル基及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。
【0013】
本明細書においては、「エポキシ化不飽和エステル組成物」は、不飽和エステル組成物をエポキシ化することによって生成されたエステル組成物を意味する。
【0014】
本明細書においては、「ポリチオウレタン」は、複数の次の構造を含むウレタン組成物を意味する。
【化1】


チオウレタン基の存在は、当業者に周知の方法によって確定することができる(例えば、赤外分光法、ラマン分光法、及び/又はNMR)。
【0015】
ポリチオウレタン組成物
一態様においては、本発明のポリマーは、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物として規定することができる。いくつかの実施形態においては、ポリマー組成物は、ポリチオウレタンと呼ぶことができる。一般的に、本発明のポリチオウレタンは、構造G2を有する多数のチオウレタン基を含み、
【化2】


ここで、示されていない原子価は、構造G2を有する更なる基を含むポリマーの構造の残部を表す。チオウレタン基G2の存在は、当業者に周知の技術を用いて確定することができる(例えば赤外分光法、ラマン分光法、及び/又は13CNMR)。
【0016】
本発明のポリチオウレタンは、繰返し単位D2を有するものと規定することができ、
【化3】


ここで、示されていない原子価は、更なる繰返し単位D2を含むポリマーの構造の残部を表す。いくつかの実施例においては、繰返し単位D2を有するポリチオウレタンの主鎖は、直鎖であるか、或いは、繰返し単位D2を有するポリチオウレタンの主鎖は、架橋されている。繰返し単位D2を有するポリチオウレタンの主鎖が架橋されている場合、A及び/又はAは、更なる繰返し単位D2を更に含む。ポリチオウレタンの繰返し単位D2は、2つの異なる単位:U1及びU2を含む。
【化4】


一般的に、本発明のポリチオウレタンの単位U1は、チオールエステル組成物のチオールエステルから誘導され、本発明のポリチオウレタンの単位U2は、イソシアネート組成物のイソシアネートから誘導される。したがって、Aは、チオールエステル分子の残部(エステル基、チオールエステル分子に存在する任意の他の基、及び場合によっては更なる繰返し単位D2を含む)を表し、Aは、イソシアネート分子の残部(イソシアネート分子に存在する任意の他の基、及び場合によっては更なる繰返し単位D2を含む)を表す。単位U1及びU2は、2つの異なる材料から誘導されるので、これらの単位の構造は、互いに独立している。したがって、繰返し単位D2を有するポリチオウレタンは、単位U1及びU2の任意の組合せを含むことができる。したがって、繰返し単位D2を有するポリチオウレタンは、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物として規定することができ、ここで、単位U1は、本明細書に記載された任意のチオールエステルから誘導することができ、単位U2は、本明細書に記載された任意のイソシアネートから誘導することができる。
【0017】
本発明のポリチオウレタンは、別法として、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物として規定することができる。チオールエステル組成物及びイソシアネートは、ポリチオウレタンの独立した成分である。したがって、ポリチオウレタンは、本明細書に記載されたチオールエステル組成物成分、及び本明細書に記載されたイソシアネート組成物成分の任意の組合せのポリチオウレタン生成物として規定することができる。いくつかの態様においては、ポリマーは、直鎖であってよい。別の態様においては、ポリマーは、架橋されていてよい。ポリマー組成物が架橋されている場合、チオールエステル組成物が、チオールエステル分子当たり2つを超えたチオール基を有するチオールエステル分子を含むか、又はイソシアネート組成物が、イソシアネート分子当たり少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート分子を含むかのいずれかである。別法として、ポリマーが架橋されている場合、チオールエステル組成物は、チオールエステル分子当たり2つを超えたチオール基を有するチオールエステル分子を含み、イソシアネート組成物は、イソシアネート分子当たり少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート分子を含む。
【0018】
一般的に、チオールエステル組成物は、少なくとも2つのチオール基を有するチオールエステル分子を含み、イソシアネート組成物は、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート分子を含む。チオールエステル組成物のチオールエステル分子に存在するチオール基の数又は平均数に関する更なるいくつかの実施形態は、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物としてのポリチオウレタンの記述に当てはまる。イソシアネート組成物のイソシアネート分子に存在するイソシアネート基の数又は平均数に関する更なる実施形態は、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物としてのポリチオウレタンの記述に当てはまる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタン組成物を生成するのに使用できるチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル(ヒドロキシチオールエステル組成物);或いは、架橋チオールエステル(架橋チオールエステル組成物);或いは、メルカプタン化不飽和エステル(メルカプタン化不飽和エステル組成物);或いは、メルカプタン化エポキシ化エステル(メルカプタン化エポキシ化エステル組成物);或いは、架橋メルカプタン化不飽和エステル(架橋メルカプタン化不飽和エステル組成物)を含むことができる。限定されない実施形態においては、チオールエステル組成物は、メルカプタン化天然原料油;或いは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油;或いは、架橋メルカプタン化天然原料油;或いは、架橋メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むことができる。更なる限定されない実施形態においては、チオールエステル組成物は、メルカプタン化大豆油;或いは、メルカプタン化ヒマシ油;或いは、メルカプタン化エポキシ化大豆油;或いは、架橋メルカプタン化大豆油を含む。他のチオールエステルは、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物であるポリチオウレタン組成物を規定するためのチオールエステル組成物に使用することができる。更に、チオールエステル材料の他の特徴(例えば、チオールエステル分子当たりのチオール基の平均数、チオール硫黄含有量など)は、本明細書に記載されており、チオールエステル組成物のチオールエステルを更に説明するのに使用することができる。本明細書に記載されたチオールエステル組成物のほかに、他の適切なチオールエステル組成物は、当業者に明らかであり、本発明の範囲内であると考えられる。
【0020】
一般的に、イソシアネート組成物は、単体で又は任意に組み合わせて、本明細書に記載された任意のイソシアネートを含むことができる。いくつかの実施形態においては、イソシアネート組成物は、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物は、脂肪族イソシアネート;或いは、脂環式イソシアネート;或いは、芳香族イソシアネート組成物を含むことができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定のイソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、ポリチオウレタンをチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物として規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、イソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0021】
一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物は、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物として表されたポリチオウレタンの独立した成分である。したがって、ポリチオウレタン組成物は、本明細書に記載されたチオールエステル組成物及び本明細書に記載されたイソシアネート組成物の任意の組合せの反応生成物として規定することができる。いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、チオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、チオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、チオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、ポリチオウレタンをチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物として規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、ヒドロキシチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、ヒドロキシチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、ヒドロキシチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、ヒドロキシチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0023】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋チオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋チオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0024】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0025】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0026】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0028】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0029】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0030】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0031】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0032】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に規定するのに使用することができる。
【0033】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物として規定することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する、特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、本発明のポリチオウレタンは、ポリチオウレタン組成物を生成することができる本明細書に記載された任意のプロセスによって生成された生成物として規定することができ、更に本明細書に記載されたプロセスの任意の実施形態を用いて生成されるものと規定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態においては、本発明のポリチオウレタンは、更にその性質によって規定することができる。ある実施形態においては、チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物として表されたポリチオウレタンは、−100℃から250℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。他の実施形態においては、本発明のポリチオウレタンは、−50℃から150℃までの範囲の、或いは、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有する。
【0036】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から0℃までの範囲;或いは、0℃から50℃までの範囲;或いは、50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む。
【0037】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から80℃までの範囲;或いは、−30℃から60℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;或いは、イソホロンジイソシアネートを含む。
【0038】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−30℃から90℃までの範囲;或いは、−30℃から20℃までの範囲;或いは、20℃から90℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、2,4−トリレンジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、2,4−トリレンジイソシアネート;或いは、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から150℃までの範囲;或いは、0℃から150℃までの範囲;或いは、30℃から120℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、0℃から100℃までの範囲;或いは、20℃から90℃までの範囲;或いは、30℃から80℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む。
【0040】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から150℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、0℃から120℃までの範囲;或いは、20℃から100℃までの範囲;或いは、30℃から90℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;或いは、イソホロンジイソシアネートを含む。
【0041】
いくつかの実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から150℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、0℃から140℃までの範囲;或いは、20℃から130℃までの範囲;或いは、30℃から70℃までの範囲;或いは、70℃から100℃までの範囲;或いは、100℃から130℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、2,4−トリレンジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、2,4−トリレンジイソシアネート;或いは、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態においては、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲;或いは、−50℃から50℃までの範囲;或いは、−50℃から0℃までの範囲;或いは、0℃から50℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む。
【0043】
いくつかの実施形態においては、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−40℃から80℃までの範囲;或いは、−30℃から60℃までの範囲;或いは、−30℃から0℃までの範囲;或いは、0℃から30℃までの範囲;或いは、30℃から60℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;或いは、イソホロンジイソシアネートを含む。
【0044】
いくつかの実施形態においては、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−50℃から120℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。ある実施形態においては、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物と、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物との反応生成物は、−40℃から100℃までの範囲;或いは、−30℃から0℃までの範囲;或いは、0℃から60℃までの範囲;或いは、60℃から100℃までの範囲のガラス転移点を有することができる。一態様においては、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物は、2,4−トリレンジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、又はその混合物;或いは、2,4−トリレンジイソシアネート;或いは、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むことができる。
【0045】
一態様においては、本発明のポリチオウレタンは、他の望ましい性質を有することができる。例えば、本発明のポリチオウレタンは、望ましいヤング率及び破断点伸びを有することができ、これは、ASTM D638−03を用いて測定することができる。いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、0.1MPaを超えた;或いは、0.1MPaから7,000MPaまでの範囲のヤング率を有することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、2から6MPaまで;或いは、6MPaから60MPaまで;或いは、60MPaから600MPaまで;或いは、600MPaから4,500MPaまでの範囲のヤング率を有する。一態様においては、ポリチオウレタンは、100%未満;或いは、100%を超える破断点伸びを有することができる。いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、10%未満;或いは、10%から100%までの範囲の破断点伸びを有することができる。いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、本明細書に記載されたヤング率と、本明細書に記載された破断点伸びとの任意の組合せを有することができる。
【0046】
ポリチオウレタンポリマー組成物の生成方法
一態様においては、本発明のポリチオウレタン組成物の製造方法は、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を接触させることを含む。本発明の一実施形態においては、ポリチオウレタン組成物の生成方法は、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を接触させて混合物を生成すること、並びにその混合物を硬化させてポリチオウレタンポリマーを生成することを含む。
【0047】
一般的に、上記混合物を形成するのに使用されるチオールエステル組成物は、本明細書に記載された任意のチオールエステル組成物であってよい。いくつかの実施形態においては、チオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル(ヒドロキシチオールエステル組成物);或いは、架橋チオールエステル(架橋チオールエステル組成物);或いは、メルカプタン化不飽和エステル(メルカプタン化不飽和エステル組成物);或いは、メルカプタン化エポキシ化エステル(メルカプタン化エポキシ化エステル組成物):或いは、架橋メルカプタン化不飽和エステル(架橋メルカプタン化不飽和エステル組成物)を含むことができる。限定されない実施形態においては、チオールエステル組成物は、メルカプタン化天然原料油;或いは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油;或いは、架橋メルカプタン化天然原料油;或いは、架橋メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むことができる。更なる限定されない実施形態においては、チオールエステル組成物は、メルカプタン化大豆油;或いは、メルカプタン化ヒマシ油;或いは、メルカプタン化エポキシ化大豆油;或いは、架橋メルカプタン化大豆油を含むことができる。他のチオールエステル組成物は、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、チオールエステル材料の他の特徴(例えば、チオールエステル分子当たりのチオール基の平均数、チオール硫黄含有率など)は、本明細書に記載されており、チオールエステル組成物を更に説明するのに使用することができる。本明細書に記載されたチオールエステル組成物のほかに、他の適切なチオールエステル組成物は、当業者に明らかであり、使用することができ、本発明の範囲内であると考えられる。
【0048】
一般的に、上記混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物は、単体で又は任意に組み合わせて、本明細書に記載された任意のイソシアネートを含むことができる。一実施形態においては、イソシアネート組成物は、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物は、脂肪族イソシアネート;或いは、脂環式イソシアネート;或いは、芳香族イソシアネート組成物を含むことができる。他のイソシアネート組成物は、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、イソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0049】
一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネートエステル組成物は、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物の独立した成分である。したがって、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物は、本明細書に記載された任意のチオールエステル組成物及び本明細書に記載された任意のイソシアネート組成物を含むことができる。いくつかの実施形態においては、上記混合物は、チオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含むイソシアネート組成物を含むことができる。いくつかの実施形態においては、上記混合物は、チオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含むことができる。ある実施形態においては、上記混合物は、チオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むことができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、チオールエステル組成物とイソシアネート組成物との反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0050】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、ヒドロキシチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、ヒドロキシチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、ヒドロキシチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、ヒドロキシチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0051】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋チオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋チオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0052】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化不飽和エスエルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化不飽和エスエルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化エスエルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化エスエルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0054】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化不飽和エステルを含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0055】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物としてポリチオウレタンを規定するイソシアネート組成物に使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化天然原料油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物としてポリチオウレタンを規定するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化ヒマシ油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0060】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、メルカプタン化エポキシ化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0061】
いくつかの実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネート、又はその混合物を含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。ある実施形態においては、ポリチオウレタンは、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及び少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂肪族イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環式イソシアネート;或いは、少なくとも2つのイソシアネート基を有する芳香族イソシアネートを含むイソシアネート組成物を含む混合物を形成することによって生成することができる。少なくとも2つのイソシアネート基を有する特定の脂肪族、脂環式、及び芳香族イソシアネートは、本明細書に記載されており、一般的に、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用することができる。更に、イソシアネート材料の他の特徴(例えば、イソシアネート分子当たりのイソシアネート基の数又は平均数など)は、本明細書に記載されており、架橋メルカプタン化大豆油を含むチオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物を形成するのに使用されるイソシアネート組成物を更に説明するのに使用することができる。
【0062】
一般的に、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物は、ポリチオウレタンを生成することができる任意の官能基当量比で混合することができる。官能基当量比は、イソシアネート組成物のイソシアネートと反応してチオウレタン基を形成し得るチオールエステル組成物中の官能基の数、及びイソシアネート組成物中のイソシアネート基の数の比に関係する。一般的に、官能基当量比は、「XH:NCO当量比」という用語によって与えられ、ここで、XHは、チオールエステル組成物中に存在するチオール基及びアルコール基の当量を表し、NCOは、イソシアネート組成物中に存在するイソシアネート基の当量を表す。当業者は、どのチオールエステル組成物がチオール基のみを含み、どのチオールエステル組成物がチオール基及びアルコール基を含むかを理解されよう。いくつかの実施形態においては、官能基当量比(XH:NCO)は、少なくとも0.5であってよい。ある実施形態においては、XH:NCO当量比は、0.50から1.3まで;或いは、0.75から1.3までの範囲にわたることができる。ある実施形態においては、XH:NCO当量比は、0.75から0.95;或いは、0.95から1.1;或いは、1.1から1.3までの範囲にわたることができる。
【0063】
一態様においては、ポリチオウレタンポリマーを生成する方法は、0℃から120℃までの範囲の温度で上記混合物を硬化させることを更に含む。いくつかの実施形態においては、上記混合物を、10℃から30℃までの範囲の温度で;或いは、50℃から80℃までの範囲の温度で;或いは、周囲温度(室温)で;或いは、65℃で;或いは、120℃で硬化させる。ある実施形態においては、上記混合物を、周囲温度で1から8時間までの範囲の時間硬化させ;或いは、上記混合物を、65℃で10から18時間までの範囲の時間硬化させることができ;或いは、上記混合物を、120℃で3時間硬化させることができる。他の実施形態においては、上記混合物を、ほぼ周囲温度で1から8時間までの範囲の時間硬化させ、次いで65℃で10から18時間までの範囲の時間硬化させることができ;或いは、上記混合物を、65℃で10から18時間までの範囲の時間硬化させ、次いで95℃で24時間硬化させることができ;或いは、上記混合物を、120℃で3時間硬化させ、次いで95℃で24時間硬化させることができる。
【0064】
一態様においては、上記混合物は、更に触媒を含む。いくつかの実施形態においては、触媒は、チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を含む混合物と接触させることができる。他の実施形態においては、触媒は、チオールエステル組成物をイソシアネート組成物に接触させる前に、チオールエステル組成物と混合することができ;或いは、イソシアネート組成物をチオールエステル組成物に接触させる前に、イソシアネート組成物と混合することができる。
【0065】
いくつかの実施形態においては、触媒は、第三級アミン、有機錫化合物、アミン開始ポリプロピレングリコール、及びそれらの組合せからなる群から選択することができる。ある実施形態においては、触媒は、アミンであってよい。他の実施形態においては、触媒は、錫化合物であってよい。ある実施形態においては、触媒は、第一級アミン;或いは、第二級アミン;或いは、第三級アミンである。他の実施形態においては、触媒は、脂肪族アミン;或いは、芳香族アミンであってよい。別の実施形態においては、触媒は、ポリエーテルアミン;或いは、ポリアルキルアミン;或いは、第三級アミンポリオール(例えば、Jeffol(登録商標)A−480)であってよい。更に他の実施形態においては、アミン触媒は、少なくとも2つのアミン基を含むポリアミンであってよい。あるアミン触媒の実施形態においては、触媒は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン[DBU−CAS#6674−22−2];或いは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン[DABCO−CAS#280−57−9];或いは、トリエチルアミンであってよい。錫化合物触媒の実施形態においては、錫化合物は、ジブチル錫ジラウレートであってよい。
【0066】
一般的に、触媒は、チオールエステル組成物及びイソシアネートを含む混合物が、所望の条件下では硬化しない場合に使用される。いくつかの実施形態においては、触媒は、混合物の10重量%未満を構成することができる。他の実施形態においては、触媒は、混合物の0.01%から9.0%まで;或いは、混合物の0.1%から7.0%まで;或いは、混合物の0.5%から3.0%までを構成する。
【0067】
いくつかの態様においては、本明細書に記載された方法によって生成されたポリチオウレタン生成物は、本明細書に記載されたポリチオウレタン生成物の性質によって更に説明することができる。
【0068】
供給原料
チオールエステル組成物
本明細書に記載されたポリマーを生成するための供給原料として使用されるチオールエステル組成物は、多くの異なる方法を用いて規定することができる。機能上、チオールエステルは、チオールエステル中に存在する官能基のタイプによって規定することができる。この機能上の規定においては、チオールエステル組成物は、少なくとも1つのエステル基及び少なくとも1つのチオール基を有する分子を最低限含む。他の実施形態においては、チオールエステル組成物は、ヒドロキシ基、及び/又はポリスルフィド結合−S−(ここで、xは1を超える整数である)などの更なる基を有するチオールエステル及び更なる基を有さないチオールエステルを含むことができる。チオールエステルが、ヒドロキシ基を含む場合、そのチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステルと呼ばれる。チオールエステルが、ポリスルフィド結合−S−(ここで、xは1を超える整数である)を有する場合、そのチオールエステルは、架橋チオールエステルと呼ぶことができる。そのチオールエステルが、ヒドロキシ基及びポリスルフィド基−S−(ここで、xは1を超える整数である)を有する場合、そのチオールエステルは、架橋ヒドロキシチオールエステルと呼ぶことができる。
【0069】
別法として、チオールエステルは、それによって形成された方法を指す名称を用いて規定することができる。例えば、メルカプタン化不飽和エステルと呼ばれるチオールエステルは、硫化水素を不飽和エステルと反応させることによって生成されたチオールエステルを意味する。メルカプタン化不飽和エステルは、メルカプタン化不飽和エステル中に存在するチオールエステルのfunctional descriptorsを使用して更に規定することができる。例えば、2つの限定されない例において、メルカプタン化大豆油は、メルカプタン化大豆油に存在する他のチオールエステル態様の中で、エステル基数及びチオール基数の組合せによって更に規定することができるが、メルカプタン化ヒマシ油は、メルカプタン化ヒマシ油に存在する他のチオールエステル態様の中で、エステル基数、チオール基数、ヒドロキシ基数の組合せによって更に規定することができる。
【0070】
一態様においては、本発明のチオールエステル組成物は、その開示が参照によりその全体が組み込まれている、米国特許出願番号第11/060,675号;11/060,696号;11/059,792号;及び11/059,647号(以下「‘675号出願」)に記載されているように、任意の不飽和エステルを硫化水素と反応させることによって生成することができる。チオールエステル組成物が、不飽和エステルを硫化水素と反応させることによって生成される場合、生成される材料は、メルカプタン化不飽和エステルと呼ぶことができる。不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり多数の炭素−炭素二重結合を含むことができるので、炭素−炭素二重結合反応性及び統計的確率は、不飽和エステル組成物から生成された供給原料チオールエステル組成物の各チオールエステル分子は、同一のチオール基数、未反応炭素−炭素二重結合数、環状スルフィド数、炭素−炭素二重結合とチオール基のモル比、環状スルフィドとチオール基のモル比、並びに/或いは不飽和エステルとして本明細書に開示された他の官能基数及びモル比を有しないことを決定する。更に、不飽和エステルは、異なる炭素−炭素二重結合数及び/又はエステル基数を有する個別の不飽和エステルの混合物も含むことができる。したがって、これらの性質の多くは、チオールエステル組成物中のチオールエステル分子当たりの基の平均数、又はチオールエステル組成物中のチオールエステル分子当たりの平均比として規定される。他の実施形態においては、チオールエステル中に存在するチオール硫黄含有量を制御することが望ましい。硫化水素が、不飽和エステル中の全ての炭素−炭素二重結合と反応するのを確実にすることは難しいので、チオールエステルの特定の分子は、他の分子より多い又は少ないチオール基を有することがある。したがって、チオール基の重量百分率は、チオールエステル組成物の全チオールエステル分子にわたる平均値として示される。
【0071】
チオールエステルが架橋されている場合、そのチオールエステルは、架橋チオールエステルを生成するのに使用される組成物に応じて、架橋チオールエステル又は架橋ヒドロキシチオールエステルと呼ばれる。チオールエステル組成物のこれらのタイプのそれぞれは、本明細書に記載されている。ヒドロキシチオールエステル、架橋ヒドロキシチオールエステル、メルカプタン化不飽和エステル、メルカプタン化エポキシ化エステル、架橋メルカプタン化不飽和エステル、及び架橋メルカプタン化エポキシ化エステルは、全て、チオールエステル組成物であると考えられる。モル比などの、チオールエステル組成物を表すのに使用される同じ特性、及び本明細書に記載された他の独立の記述要素の多くは、本明細書に記載されたチオールエステル組成物の種々のタイプの多くに等しく適用できる。
【0072】
一般的に、チオールエステル組成物は、チオールエステル分子及び/又はチオールエステル組成物の1つ又は複数の独立の又は別個の官能基を含むものと規定することができる。これらの独立した官能基は、チオールエステル分子当たりのエステル基数(又は平均数)、チオールエステル分子当たりのチオール基数(又は平均数)、チオールエステル分子当たりの未反応炭素−炭素二重結合数(又は平均数)、チオールエステル組成物の平均チオール硫黄含有量、チオールエステル分子当たりのスルフィド結合百分率(又は平均百分率)、並びにチオールエステル分子当たりの環状スルフィド基百分率(又は平均百分率)を含むことができる。更に、チオールエステル組成物は、二重結合とチオール基の比、環状スルフィドとメルカプタン基の比、及び同様のものを含めた比を個別に用いて又は組み合わせて規定することができる。別々の要素として、チオール組成物のこれらの官能基は、別々に規定される。
【0073】
最低限に、チオールエステルは、チオールエステル分子当たり少なくとも1つのエステル基及び1つのチオール基を有するチオールエステル分子を含む。いくつかの実施形態においては、チオールエステルは、不飽和エステルから調製することができる。したがって、ある実施形態においては、チオールエステルは、本明細書に記載するように、それから調製された不飽和エステルと同じ数のエステル基を含むことができる。一実施形態においては、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のエステル基を有することができる。別法として、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のエステル基;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のエステル基;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のエステル基を有することができる。他の実施形態においては、チオールエステルは、チオールエステル分子当たり平均1.5から8個までのエステル基;或いは、チオールエステル分子当たり平均2から7個までのエステル基;或いは、チオールエステル分子当たり平均2.5から5個までのエステル基;或いは、チオールエステル分子当たり平均3から4個までのエステル基を有することができる。更に他の実施形態においては、チオールエステルは、チオールエステル分子当たり平均して約3個のエステル基、或いは、チオールエステル分子当たり平均して約4個のエステル基を含むことができる。
【0074】
最低限に、チオールエステルは、チオールエステル分子当たり1個又は平均して少なくとも1個のチオール基を含む。一実施形態においては、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のチオール基を有することができる。他の実施形態においては、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均1.5から9個までのチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均3から8個までのチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均2から4個までのチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均4から8個までのチオール基を有することができる。
【0075】
一態様においては、チオールエステルは、チオールエステルに存在するチオール基数を用いて規定することができる。例えば、トリメルカプタンチオールエステルと呼ばれるチオールエステルは、チオールエステル分子当たり平均2.5から3.5個の間のチオール基を含むチオールエステルであってよい。別法として、トリメルカプタンチオールエステルは、チオールエステル分子当たり平均2.75から3.25個の間のチオール基を含むことができる。別の例として、ジメルカプタンチオールエステルと呼ばれるチオールエステルは、チオールエステル分子当たり平均1.5から2.5個の間のチオール基;或いは、チオールエステル分子当たり平均1.75から2.25個の間のチオール基を含むチオールエステルであってよい。
【0076】
他の実施形態においては、チオールエステルは、更に、チオールエステルに存在するチオール硫黄の平均量によって規定することができる。一実施形態においては、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも5重量%のチオール硫黄;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも10重量%のチオール硫黄;或いは、チオールエステル分子当たり平均して少なくとも15重量%のチオール硫黄を有する。一実施形態においては、チオールエステル分子は、チオールエステル分子当たり平均して5から25重量%までのチオール硫黄;或いは、チオールエステル分子当たり平均して5から20重量%までのチオール硫黄;或いは、チオールエステル分子当たり平均して6から15重量%までのチオール硫黄;或いは、チオールエステル分子当たり平均して8から10重量%までのチオール硫黄を有する。
【0077】
一般的に、チオールエステルのチオール基の位置は、特に重要ではなく、チオールエステルを生成するのに使用される方法によって決定される。チオールエステルが、不飽和エステルを硫化水素と接触させることによって生成される実施形態(メルカプタン化不飽和エステル)においては、チオール基の位置は、炭素−炭素二重結合の位置によって決定される。炭素−炭素二重結合が、内部の炭素−炭素二重結合である場合、チオールエステルの生成方法は、第二級チオール基をもたらす。しかしながら、二重結合が、末端位置にある場合、第一級チオール基又は第二級チオール基のいずれかを含むチオールエステルを生成する反応条件を選択することが可能である。
【0078】
チオールエステル組成物を生成するある方法は、更に、チオール基以外の硫黄含有官能基を生成し得る。例えば、あるチオールエステル生成方法においては、導入されたチオール基は、同じ不飽和エステル内の炭素−炭素二重結合と反応してスルフィド結合を生成することができる。反応が第二の不飽和エステルの二重結合とのものである場合、単純なスルフィド結合が生成される。しかしながら、ある場合には、第二の炭素−炭素二重結合は、同じ不飽和エステル分子中に位置している。チオール基が、同じ不飽和エステル分子内の第二の炭素−炭素二重結合と反応する場合、スルフィド結合が生成される。ある場合には、炭素−炭素二重結合は、不飽和エステル分子の第二のエステル基の中にあってよい。一方、他の場合には、炭素−炭素二重結合は、不飽和エステル分子の同じエステル基の中にあってよい。
【0079】
チオール基が、同じ不飽和エステル分子の第二のエステル基中の炭素−炭素二重結合と反応する場合、そのスルフィドは、環構造内に少なくとも1つのエステル基を含む。ある実施形態においては、チオール基が、同じ不飽和エステル分子の第二のエステル基中の炭素−炭素二重結合と反応する場合、そのスルフィドは、環構造内に2つのエステル基を含む。本明細書においては、環構造内のエステル基を含む第一のタイプのスルフィドは、単純なスルフィドと呼ばれる。チオール基が、同じエステル基内の炭素−炭素二重結合と反応する場合、スルフィドは、環構造内にエステル基を含まない。本明細書においては、スルフィドのこの第二のタイプは、環状スルフィドと呼ばれる。環状スルフィドの場合においては、スルフィド結合は、チオールエステルの単一のエステル基内に環状スルフィド官能性を生成する。生成することができる環状スルフィド環には、テトラヒドロチオピラン環、チエタン環、又はチオファン環(テトラヒドロチオフェン環)が含まれる。
【0080】
ある実施形態においては、チオールエステル中に環状スルフィドとして存在する硫黄の平均量を制御することが望ましい。一実施形態においては、チオールエステル分子中に環状スルフィドとして存在する硫黄の平均量は、30モル%未満を構成する。別法として、チオールエステル中に環状スルフィドとして存在する硫黄の平均量は、20モル%未満;或いは、10モル%未満;或いは、5モル%未満;或いは、2モル%未満を構成することができる。他の実施形態においては、環状スルフィドとチオール基のモル比を制御することが望ましい。一実施形態においては、チオールエステル当たりの環状スルフィド基とチオール基の平均モル比は、1.5未満であってよい。別法として、チオールエステル当たりの環状スルフィド基とチオール基の平均モル比は、1未満;或いは、0.5未満;或いは、0.25未満;或いは、0.1未満であってよい。ある実施形態においては、チオールエステル当たりの環状スルフィド基とチオール基の比は、0から1まで及ぶことができ;或いは、チオールエステル当たりの環状スルフィド基とチオール基の平均モル比は、0.05から1の間に及ぶことができる。
【0081】
ある場合においては、チオールエステル組成物中に存在する炭素−炭素二重結合を有することが望ましいが、他の実施形態においては、チオールエステル組成物中に存在する炭素−炭素二重結合数を最小化することが望ましいことがある。チオールエステル中の炭素−炭素二重結合の存在は、炭素−炭素二重結合とチオール硫黄の平均モル比として規定することができる。一実施形態においては、チオールエステル組成物中の残存する未反応炭素−炭素二重結合と、チオール硫黄との平均比は、チオールエステル分子当たり1.5未満であってよい。別法として、炭素−炭素二重結合と、チオール硫黄との平均比は、チオールエステル分子当たり1.2未満;或いは、チオールエステル分子当たり1.0未満;或いは、チオールエステル分子当たり0.75未満;或いは、チオールエステル分子当たり0.5未満;或いは、チオールエステル分子当たり0.2未満;或いは、チオールエステル分子当たり0.1未満であってよい。
【0082】
特定の実施形態においては、チオールエステルは、不飽和エステル組成物から生成される(メルカプタン化不飽和エステル)。不飽和エステルは、存在する特定の数のエステル基を有する特定の組成物を有するので、その生成物のチオールエステル組成物は、チオールエステル分子当たりその不飽和エステルとほぼ同数のエステル基を有するであろう。他の独立したチオールエステルの性質は、本明細書に記載されており、チオールエステル組成物を更に規定するのに使用することができる。
【0083】
一態様においては、チオールエステルは、メルカプタン化不飽和エステルと呼ぶことができる。これらの実施形態においては、本明細書に記載された不飽和エステル及び/又は本明細書に記載された不飽和エステルの機能上の規定は、特定のメルカプタン化エステルを更に示すのに、及び/又は特定のメルカプタン化エステルを更に規定するのに使用することができる。いくつかの限定されない例においては、天然原料油を硫化水素と接触させることによって生成されたチオールエステルは、メルカプタン化天然原料油と呼ぶことができ、大豆油を硫化水素と接触させることによって生成されたチオールエステルは、メルカプタン化大豆油と呼ぶことができ、ヒマシ油を硫化水素と接触させることによって生成されたチオールエステルは、メルカプタン化ヒマシ油と呼ぶことができる。本明細書に記載された不飽和エステル油の更なる性質は、不飽和エステル油及びメルカプタン化エステル油を更に規定するのにも使用することができる。
【0084】
ある実施形態においては、チオールエステル分子は、本明細書に記載された、平均して25重量%未満の、メチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖を有する不飽和エステルから生成される。ある実施形態においては、チオールエステル分子の全側鎖の40%超は、硫黄を含むことができる。ある実施形態においては、チオールエステル分子の全側鎖の60%超は、硫黄を含むことができる。他の実施形態においては、チオールエステル分子の全側鎖の50、70、又は80%超は、硫黄を含むことができる。
【0085】
一実施形態においては、チオールエステルは、本明細書に記載された、チオール含有天然原料油である。チオールエステルが、チオール含有天然原料油である場合、チオール含有天然原料油中に存在する官能基は、「チオールエステル分子当たり」基準で又は「トリグリセリド当たり」基準で規定することができる。チオール含有天然原料油は、モル比及び本明細書に記載された他の独立した規定要素などの、チオールエステル組成物と実質的に同じ性質を有することができる。
【0086】
チオール含有天然原料油中のトリグリセリド当たりのチオール基の平均数は、約1.5個を超えている。ある実施形態においては、トリグリセリド当たりのチオール基の平均数は、約1.5から約9個までに及ぶことができる。
【0087】
メルカプタン化不飽和エステル組成物は、硫化水素と不飽和エステル組成物を接触させることを含む方法によって生成される生成物として規定することもできる。言い換えれば、不飽和エステル組成物は、メルカプタン化されてメルカプタン化不飽和エステル組成物が形成される。メルカプタン化不飽和エステル組成物は、側鎖の分子量又は平均分子量を用いて規定することもできる。チオールエステル組成物を規定するのに使用される属性の全ては、メルカプタン化不飽和エステル組成物を規定するのに使用することができる。
【0088】
ヒドロキシチオールエステル組成物
一態様においては、本明細書に記載されたポリマーを生成する供給原料として使用されるチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステルであってよい。ヒドロキシチオールエステルは、多くの方法を用いて規定することができる。機能上、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル中に存在する官能基のタイプによって規定することができる。この機能上の規定においては、ヒドロキシチオールエステルは、最低限に、少なくとも1つのエステル基、少なくとも1つのチオール基、及び少なくとも1つのヒドロキシ基を有する分子を含む。他の実施形態においては、チオールエステル組成物は、更なる基であるポリスルフィド結合−S−(ここで、xは1を超える整数である)を有するチオールエステル及び有しないチオールエステルを含むことができる。チオールエステルがヒドロキシ基及びポリスルフィド基−S−(ここで、xは1を超える整数である)を有する場合、そのチオールエステルは、架橋ヒドロキシチオールエステルと呼ぶことができる。
【0089】
別法として、ヒドロキシチオールエステルは、それによって形成された方法を示す名称を用いて規定することができる。例えば、メルカプタン化エポキシ化エステルと呼ばれるヒドロキシチオールエステルは、硫化水素をエポキシ化不飽和エステルと反応させることによって生成されたヒドロキシチオールエステルを意味する。メルカプタン化エポキシ化エステルは、メルカプタン化エポキシ化エステル中に存在するヒドロキシチオールエステルの機能上の規定を使用して更に規定することができる。ヒドロキシチオールエステル組成物の規定に合致する化合物は、メルカプタン化エポキシ化エステルの規定と常には合致しない。例えば、メルカプタン化ヒマシ油は、少なくとも1つのエステル基、少なくとも1つのチオール基、及び少なくとも1つのヒドロキシ基を有するので、ヒドロキシチオールエステルの定義のいくつかを用いて規定することができる。しかしながら、メルカプタン化ヒマシ油は、それがヒマシ油を硫化水素に接触させることによって生成されるので、メルカプタン化エポキシ化エステルではない。しかしながら、メルカプタン化エポキシ化ヒマシ油は、硫化水素をエポキシ化ヒマシ油と接触させることによるその形成のために、メルカプタン化エポキシ化エステル油である。
【0090】
供給原料チオールエステル組成物は、ヒドロキシ又はアルコール基を含むこともできる。チオールエステル組成物が、ヒドロキシ基を含む場合、そのチオールエステル組成物は、本明細書では、ヒドロキシチオールエステル組成物と呼ばれる。ヒドロキシチオールエステル組成物中に存在するアルコール基の量又は数は、ヒドロキシチオールエステル組成物中に存在する他の官能基(即ち、チオール基、エステル基、スルフィド、環状スルフィド)の量と無関係であってよい。更に、チオール硫黄の重量百分率及び官能基比(即ち、環状スルフィドとチオール基のモル比、エポキシド基とチオール基のモル比、エポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比、並びに他の開示された官能基の量及びチオール基とのそのモル比)は、ヒドロキシチオールエステル組成物を規定するのに使用することができる独立の又は別個の要素である。ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル組成物の独立の官能基又は本明細書に記載された比の任意の組合せを用いて規定することができる。
【0091】
一実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、‘675号出願に記載されたように、硫化水素をエポキシ化不飽和エステル組成物と反応させることによって生成することができる。チオールエステル組成物が、硫化水素をエポキシ化不飽和エステルと反応させることによって生成される場合、その生成される材料は、メルカプタン化エポキシ化エステルと呼ぶことができる。エポキシ化不飽和エステルは、多数のエポキシド基を含むことができるので、エポキシド基反応性及び統計的確率は、ヒドロキシチオールエステル組成物の全てのヒドロキシチオールエステル分子は、そのエポキシ化不飽和エステル組成物と同一数のヒドロキシ基、チオール基、α−ヒドロキシチオール基、スルフィド、環状スルフィド、環状スルフィドとチオール基のモル比、エポキシド基とチオール基のモル比、エポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比、チオール硫黄の重量百分率、並びに/或いは他の開示された官能基の量及びそのモル比を有しないことを決定する。したがって、これらの性質の多くは、ヒドロキシチオールエステル分子当たりの平均数又は比として論じられる。他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル中に存在するチオール硫黄の含有量を制御することが望ましい。硫化水素が、エポキシ化不飽和エステル内の全てのエポキシド基と反応することを確実にすることは難しいので、特定のヒドロキシチオールエステル分子は、そのヒドロキシチオールエステル組成物内の他の分子より多くのチオール基又は少ないチオール基を有することができる。したがって、チオール基の重量百分率は、全てのヒドロキシチオールエステル分子にわたる平均重量百分率として規定することができる。
【0092】
本発明の一実施形態として、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して少なくとも1個のエステル基、及び平均して少なくとも1個のα−ヒドロキシチオール基を有するヒドロキシチオールエステル分子を含む。本発明の一実施形態として、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して少なくとも1.5個のエステル基、及び平均して少なくとも1.5個のα−ヒドロキシチオール基を有するヒドロキシチオールエステル分子を含む。
【0093】
別法として、ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルは、少なくとも1個のエステル、少なくとも1個のチオール基、及び少なくとも1個のヒドロキシ基を含む。したがって、ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオール分子当たり、平均して少なくとも1.5個のエステル基、平均して少なくとも1個のチオール基、及び平均して少なくとも1.5個のヒドロキシ基を有するヒドロキシチオールエステル分子を含む。
【0094】
いくつかの実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルは、エポキシ化不飽和エステル又は不飽和エステルから調製することができる。したがって、ヒドロキシチオールエステルは、エポキシ化不飽和エステル又は不飽和エステルと同じ数のエステル基を含むことができる。一実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して少なくとも1.5個のエステル基を有する。別法として、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のエステル基を有する。他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1.5から8個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2から7個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2.5から5個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して3から4個のエステル基を有する。更に他の実施形態においては、α−ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均3個のエステル基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均4個のエステル基を含む。
【0095】
ある実施形態においては、ヒドロキシ基及びチオール基は、同一の基に組み合わされ(例えば、ヒドロキシチオールエステルがエポキシ化不飽和エステルから生成される場合)、その基は、α−ヒドロキシチオール基と呼ぶことができる。他の実施形態においては、チオール基及びヒドロキシ又はアルコール基は、同一の基にはない。この場合には、アルコール基の存在は、チオール基の形成に依存しない。例えば、本発明の別の実施形態として、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子を含む。ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して少なくとも1.5個のエステル基、平均して少なくとも1.5個のチオール基、及び平均して少なくとも1.5個のアルコール基を有する。
【0096】
最低限に、ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり少なくとも1個のチオール基を含む。一実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のチオール基を有することができる。他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1.5から9個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して3から8個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2から4個のチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル当たり平均して4から8個のチオール基を有することができる。
【0097】
最低限に、ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して少なくとも1個のヒドロキシ又はアルコール基を含む。ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のヒドロキシ基を有することができる。他の実施形態においては、チオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1.5から9個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して3から8個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2から4個のヒドロキシ基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して4から8個のヒドロキシ基を有することができる。
【0098】
更に他の実施形態においては、ヒドロキシ基数は、ヒドロキシ基とチオール基の平均モル比として規定することができる。最低限に、ある実施形態においては、ヒドロキシ基とチオール基のモル比は、少なくとも0.25であってよい。ある実施形態においては、ヒドロキシ基とチオール基のモル比は、少なくとも0.5;或いは、少なくとも0.75;或いは、少なくとも1.0;或いは、少なくとも1.25;或いは、少なくとも1.5であってよい。別の実施形態においては、ヒドロキシ基とチオール基のモル比は、0.25から2.0まで;或いは、0.5から1.5まで;或いは、0.75から1.25までに及ぶことができる。
【0099】
ヒドロキシチオールエステルが、エポキシ化不飽和エステルから生成される実施形態においては、そのヒドロキシチオールエステルは、エステル基及びα−ヒドロキシチオール基を含むものとして規定することができる。この場合には、エステル基及びα−ヒドロキシチオール基を含むヒドロキシチオールエステルは、メルカプタン化エポキシ化エステルと呼ぶことができる。エステル基数及びα−ヒドロキシチオール基数は、独立した要素であり、したがって、ヒドロキシチオールエステルは、本明細書に記載された、エステル基及びα−ヒドロキシチオール基の任意の組合せを有するものとして規定することができる。最低限に、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも1個のα−ヒドロキシチオール基を有することができる。ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2個のα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも3個のα−ヒドロキシチオール基を有することができる。他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1.5から9個までのα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して3から8個までのα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2から4個までのα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して4から8個までのα−ヒドロキシチオール基を有することができる。
【0100】
一態様においては、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル中に存在するチオール基又はα−ヒドロキシチオール基の数を用いて規定することができる。例えば、トリメルカプタンヒドロキシチオールエステルと呼ばれるヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2.5から3.5個の間のチオール又はα−ヒドロキシチオール基を含むヒドロキシチオールエステルであってよい。別法として、トリメルカプタンヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2.75から3.25個の間のチオール又はα−ヒドロキシチオール基を含むことができる。別の例として、ジメルカプタンヒドロキシチオールエステルと呼ばれるヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して1.5から2.5個の間のチオール又はα−ヒドロキシチオール基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して1.75から2.25個の間のチオール又はα−ヒドロキシチオール基を含むヒドロキシチオールエステルであってよい。
【0101】
別の態様においては、ヒドロキシチオールエステルは、そのヒドロキシチオールエステル中に存在する、アルコール、α−ヒドロキシチオール、又は他の官能基の数を用いて規定することができる。例えば、三官能性ヒドロキシチオールエステルと呼ばれるヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して2.5から3.5個の間のアルコール、α−ヒドロキシチオール、又は他の官能基を含むヒドロキシチオールエステルであってよい。別法として、三官能性ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して2.75から3.25個の間のアルコール、α−ヒドロキシチオール、又は他の官能基を含むことができる。別の例として、二官能性ヒドロキシチオールエステルと呼ばれるヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して1.5から2.5個の間のアルコール、α−ヒドロキシチオール、又は他の官能基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり、平均して1.75から2.25個の間のアルコール、α−ヒドロキシチオール、又は他の官能基を含むヒドロキシチオールエステルであってよい。
【0102】
ヒドロキシチオールエステルは、本明細書に記載されたように、不飽和エステルから誘導されるエポキシ化エステル(即ち、エポキシ化不飽和エステル)を硫化水素と接触させることによって生成することができる。ある場合には、ヒドロキシチオールエステル組成物中に存在するエポキシド基を有することが望ましい。一方、他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物中に存在するエポキシ基数を最小化することが望ましいことがある。したがって、残りのエポキシド基の存在は、ヒドロキシチオールエステルを規定するのに使用されるもう一つの別の官能基であってよい。ヒドロキシチオールエステルは、トリグリセリド当たり平均して0を超えて約4個までのエポキシド基を含むことができる。そのチオール組成物は、トリグリセリド当たり平均して1.5を超えて約9個までのエポキシド基を含むこともできる。
【0103】
ヒドロキシチオールエステル中のエポキシド基の存在は、ヒドロキシチオールエステル当たりのエポキシド基の平均数、エポキシド基とチオール基のモル比、エポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比、又はそれらの任意の組合せとして独立に規定することができる。ある実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して2個未満のエポキシド基を有することができる、即ち、ヒドロキシチオールエステル分子は、2未満のエポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比を有する。別法として、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1.5個未満のエポキシド基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して1個未満のエポキシド基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して0.75個未満のエポキシド基;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して0.5個未満のエポキシド基を有することができる。他の実施形態においては、エポキシド基とチオール基のモル比は、平均して1.5未満となることができる。別法として、エポキシド基とチオール基のモル比は、平均して1未満;或いは、平均して0.75未満;或いは、平均して0.5未満;或いは、平均して0.25未満;或いは、平均して0.1未満となることができる。更に他の実施形態においては、エポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比は、平均して1.5未満となることができる。別法として、エポキシド基とα−ヒドロキシチオール基のモル比は、平均して1未満;或いは、平均して0.75未満;或いは、平均して0.5未満;或いは、平均して0.25未満;或いは、平均して0.1未満となることができる。更に他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル組成物は、実質的にエポキシド基を含まない。
【0104】
他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルは、ヒドロキシチオールエステル中に存在するチオール硫黄の平均量によって規定することができる。一実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも2.5重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも5重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも10重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して少なくとも15重量%のチオール硫黄を有することができる。一実施形態においては、ヒドロキシチオールエステル分子は、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して5から25重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して5から20重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して6から15重量%のチオール硫黄;或いは、ヒドロキシチオールエステル分子当たり平均して8から10重量%のチオール硫黄を有することができる。
【0105】
ある実施形態においては、全側鎖の少なくとも20%は、α−ヒドロキシチオール基を含む。ある実施形態においては、全側鎖の少なくとも40%は、α−ヒドロキシチオール基を含む。ある実施形態においては、全側鎖の少なくとも60%は、α−ヒドロキシチオール基を含み、或いは、全側鎖の少なくとも70%は、α−ヒドロキシチオール基を含む。更に他の実施形態においては、全側鎖の少なくとも80%は、α−ヒドロキシチオール基を含む。
【0106】
ある態様においては、ヒドロキシチオールエステル分子の全側鎖の20%超は硫黄を含む。ある態様においては、ヒドロキシチオールエステル分子の全側鎖の40%超は硫黄を含む。ある態様においては、ヒドロキシチオールエステル分子の全側鎖の60%超は硫黄を含み;或いは、全側鎖の70%超は硫黄を含み;或いは、全側鎖の80%超は硫黄を含む。
【0107】
特定の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルの合成に使用されるエポキシ化不飽和エステルは、エポキシ化天然原料油を含むエポキシ化不飽和エステル組成物から生成される。天然原料油は、存在するエステル基数に関する特定の組成を有するので、ヒドロキシチオールエステルは、天然原料油とほぼ同数のエステル基を有する。本明細書に記載された他の独立した性質は、ヒドロキシチオールエステルを更に規定するのに使用することができる。
【0108】
他の実施形態においては、ヒドロキシチオールエステルを生成するのに使用されるエポキシ化不飽和エステルは、合成(又は半合成)不飽和エステル油から生成される。合成エステル油は、存在するエステル基数に関する特定の組成を有することができるので、ヒドロキシチオールエステルは、その合成エステル油とほぼ同数のエステル基を有する。不飽和エステルの他の独立した性質は、その不飽和エステルが天然原料油を含むか合成油を含むかにかかわらず、ヒドロキシチオールエステル組成物を更に規定するのに使用することができる。
【0109】
適切なヒドロキシチオールエステルの例には、それだけには限らないが、メルカプタン化エポキシ化植物油、メルカプタン化エポキシ化大豆油、及びメルカプタン化エポキシ化ヒマシ油が含まれる。他の適切なメルカプタン化エポキシ化エステルは、‘675号出願に記載されており、本発明の範囲内であると考えるべきである。
【0110】
架橋チオールエステル組成物
一態様においては、供給原料チオールエステル組成物には、架橋チオールエステル組成物が含まれる。一般的に、架橋チオールエステル分子は、ポリスルフィド結合−S−(xは1を超える整数である)によって連結されたチオールエステルのオリゴマーである。架橋チオールエステルは、チオールエステルのオリゴマーとして規定されるので、チオールエスエルは、それから架橋チオールエステルが生成されるモノマーとして規定することができる。いくつかの実施形態においては、架橋チオールエステルは、メルカプタン化不飽和エステルから生成され、架橋メルカプタン化不飽和エステルと呼ぶことができる。他の実施形態においては、架橋チオールエステルは、ヒドロキシチオールエステルから生成することができ、架橋ヒドロキシチオールエステルと呼ぶことができる。更に他の実施形態においては、架橋チオールエステルは、メルカプタン化エポキシ化エステルから生成することができ、架橋メルカプタン化エポキシ化チオールエステルと呼ぶことができる。
【0111】
一態様においては、架橋チオールエステル組成物は、構造−S−(ここで、Qは1を超える整数である)を有するポリスルフィド結合によって連結された少なくとも2個のチオールエステルモノマーを有するチオールエステルオリゴマーを含む。一態様においては、ポリスルフィド結合は、Qが2、3、4又はその混合であるポリスルフィド結合−S−であってよい。他の実施形態においては、Qは、2;又は、3;又は4であることができる。
【0112】
一態様においては、架橋チオールエステル組成物は、ポリスルフィド結合によって連結された少なくとも3個のチオールエステルモノマー;或いは、ポリスルフィド結合によって連結された少なくとも5個のチオールエステルモノマー;或いは、ポリスルフィド結合によって連結された少なくとも7個のチオールエステルモノマー;或いは、ポリスルフィド結合によって連結された少なくとも10個のチオールエステルモノマーを有するチオールエステルオリゴマーを含む。更に他の実施形態においては、架橋チオールエステル組成物は、ポリスルフィド結合によって連結された3から20個のチオールエステルモノマー;或いは、ポリスルフィド結合によって連結された5から15個のチオールエステルモノマー;或いは、ポリスルフィド結合によって連結された7から12個のチオールエステルモノマーを有するチオールエステルオリゴマーを含む。
【0113】
一態様においては、架橋チオールエステル組成物は、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーを含む。ある実施形態においては、架橋チオールエステル組成物は、2,000を超えるチオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーの合計の平均分子量を有する。他の実施形態においては、架橋チオールエステル組成物は、5,000を超える;或いは、10,000を超えるチオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーの合計の平均分子量を有する。更に他の実施形態においては、架橋チオールエステル組成物は、2,000から20,000までに;或いは、3,000から15,000までに;或いは、7,500から12,500までに及ぶチオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーの合計の平均分子量を有する。
【0114】
一態様においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、0.5を超える合計チオール硫黄含有量を有する。他の実施形態においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、1を超える;或いは、2を超える;或いは、4を超える合計チオール硫黄含有量を有する。更に他の実施形態においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、0.5から8まで;或いは、4から8まで;或いは、0.5から4までの合計チオール硫黄含有量を有する。
【0115】
一態様においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、8を超える合計硫黄含有量を有する。ある実施形態においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、10を超える;或いは、12を超える合計硫黄含有量を有する。更に他の実施形態においては、チオールエステルモノマー及びチオールエステルオリゴマーは、8から15重量%までに;或いは、9から14までに;或いは、10から13までに及ぶ合計硫黄含有量を有する。
【0116】
一態様においては、架橋チオールエステル組成物の架橋チオールエステルは、高密度に架橋された、中密度に架橋された、又は低密度に架橋されたものとして規定することができる。一般的に、架橋チオールエステル中の架橋の量は、架橋チオールエステルの生成に使用される硫黄の量によって制御することができ;即ち、架橋チオールエステルの生成に使用される硫黄の量が高ければ高いほど、架橋チオールエステル組成物中の架橋が多い。硫黄元素は、チオールエステル組成物のチオール基と反応するので、架橋の量は、チオールエステル組成物中の残りの残存チオール硫黄含有量を測定することによって求めることができる。
【0117】
いくつかの実施形態においては、低密度の架橋チオールエステル組成物は、平均して4.5から7.5重量%までのチオール硫黄;或いは、5.0から7.0重量%までのチオール硫黄;或いは、5.5から6.5重量%までのチオール硫黄を有することができる。いくつかの実施形態においては、中密度の架橋チオールエステル組成物は、平均して2.5から3.5重量%までのチオール硫黄;或いは、2.25から2.75重量%までのチオール硫黄を有することができる。いくつかの実施形態においては、高密度の架橋チオールエステル組成物は、平均して0.75から2.25重量%までのチオール硫黄;或いは、1.0から2.0重量%までのチオール硫黄;或いは、1.25から1.75重量%までのチオール硫黄を有することができる。
【0118】
不飽和エステル
本明細書に記載されたチオールエステル組成物のいくつかを生成するための供給原料として使用される不飽和エステルは、いくつかの異なる方法を使用して規定することができる。不飽和エステル供給原料を規定する一方法は、それぞれの不飽和エステル油分子を構成するエステル基数及び炭素−炭素二重結合数によるものである。本明細書に記載されたチオールエステル組成物を生成するための供給原料として使用される適切な不飽和エステルは、最低限に、少なくとも1個のエステル基及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む。しかしながら、この要件を超えて、不飽和エステルを構成するエステル基及び炭素−炭素二重結合の数は、独立した要素であり、互いに独立に変えることができる。したがって、不飽和エステルは、本明細書に別々に記載されたエステル基数及び炭素−炭素二重結合数の任意の組合せを有することができる。適切な、不飽和エステルは、アルコール、アルデヒド、ケトン、エポキシ、エーテル、芳香族基、及びそれらの組合せなどの更なる官能基を含むこともできる。一例として、不飽和エステルは、ヒドロキシ基を含むこともできる。ヒドロキシ基を含む不飽和エステルの一例は、ヒマシ油である。他の適切な不飽和エステルは、当業者に明らかであり、本発明の範囲内であると考えるべきである。
【0119】
最低限に、不飽和エステルは、少なくとも1つのエステル基を含む。他の実施形態においては、不飽和エステルは、少なくとも2つのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、3つのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、4つのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、2つから8つまでのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、2つから7つまでのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、3つから5つまでのエステル基を含む。別法として、不飽和エステルは、3つから4つまでのエステル基を含む。
【0120】
他の実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステルの混合物を含む。これらの状況においては、エステル基数は、不飽和エステル組成物を構成する不飽和エステル分子当たりのエステル基の平均数として最もよく規定される。ある実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のエステル基:或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2個のエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個のエステル基を有する。他の実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して1.5から8個までのエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して2から7個までのエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して2.5から5個までのエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して3から4個までのエステル基を有する。別の実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して約3個のエステル基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して約4個のエステル基を有する。
【0121】
最低限に、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む。一実施形態においては、不飽和エステルは、少なくとも2個の炭素−炭素二重結合;或いは、少なくとも3個の炭素−炭素二重結合;或いは、少なくとも4個の炭素−炭素二重結合を含む。他の実施形態においては、不飽和エステルは、2から9個までの炭素−炭素二重結合;或いは、2から4個までの炭素−炭素二重結合;或いは、3から8個までの炭素−炭素二重結合;或いは、4から8個までの炭素−炭素二重結合を含む。
【0122】
ある実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステルの混合物を含む。この態様においては、不飽和エステルの混合物中の炭素−炭素二重結合数は、不飽和エステル油分子当たりの炭素−炭素二重結合の平均数として最もよく規定される。ある実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個の炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2個の炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2.5個の炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個の炭素−炭素二重結合を有する。他の実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して1.5から9個までの炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して3から8個までの炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して2から4個までの炭素−炭素二重結合;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して4から8個までの炭素−炭素二重結合を有する。
【0123】
エステル基数(又は平均数)及び二重結合数(又は平均数)は、不飽和エステルの独立した要素であるが、特定の実施形態が、例示目的で記載される。一実施形態においては、不飽和エステル分子は、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のエステル基を有し、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個の炭素−炭素二重結合を有する。別法として、不飽和エステル分子は、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個のエステル基を有し、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個の炭素−炭素二重結合を有する。別法として、不飽和エステル分子は、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個のエステル基を有し、不飽和エステル分子当たり平均して1.5から9個までの炭素−炭素二重結合を有する。別法として、不飽和エステル分子は、不飽和エステル分子当たり平均して2から8個までのエステル基を有し、不飽和エステル分子当たり平均して1.5から9個までの炭素−炭素二重結合を有する。
【0124】
不飽和エステル分子中に存在するエステル基数(又は平均数)及び炭素−炭素二重結合数(又は平均数)に加えて、2個以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和エステル分子中の炭素−炭素二重結合の配置は、考慮すべき事柄となり得る。不飽和エステル分子が2個以上の炭素−炭素二重結合を有するある実施形態においては、その炭素−炭素二重結合は共役化することができる。他の実施形態においては、炭素−炭素二重結合は、1個だけの炭素原子によって互いに隔てることができる。2個の炭素−炭素二重結合が、それに結合している2個の水素原子を有する炭素原子、例えば、メチレン基によって隔てられる場合、これらの炭素−炭素二重結合は、メチレン基を挟んだ二重結合と呼ぶことができる。更に他の実施形態においては、炭素−炭素二重結合は、孤立させられ、例えば、炭素−炭素二重結合は、2個以上の炭素原子によって互いに隔てられる。更なる実施形態においては、炭素−炭素二重結合は、カルボニル基で共役化することができる。
【0125】
ある態様においては、不飽和エステルは、ポリオール及び不飽和カルボン酸のエステルとして規定することができる。本明細書においては、不飽和エステルの不飽和カルボン酸部分は、ポリオール側鎖(又は単に側鎖)と呼ぶことができる。ある実施形態においては、不飽和エステルは、メチレン基を挟んだ二重結合を含む側鎖の30%未満を含む。他の実施形態においては、不飽和エステルは、メチレン基を挟んだ二重結合を含む側鎖の30%超を含む。更に他の実施形態においては、不飽和エステルは、メチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%未満を含む。更なる実施形態においては、不飽和エステルは、25%未満のリノレン酸の側鎖を含む。更なる実施形態においては、不飽和エステルは、メチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%超を含む。更なる実施形態においては、不飽和エステルは、25%を超えるリノレン酸の側鎖を含む。更なる実施形態においては、不飽和エステルは、メチレン基を挟んで連続する2個の炭素−炭素二重結合を有する少なくとも30%の側鎖及びメチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%未満を含む。
【0126】
更なる官能基も、不飽和エステル中に存在してよい。官能基の限定されない例には、特に、ヒドロキシ基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、アミン基、カルボン、酸基、及びそれらの組合せが含まれる。一態様においては、不飽和エステルは、ヒドロキシ基を含むことができる。ある実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2個のヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個のヒドロキシ基を有する。他の実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和エステル分子当たり平均して1.5から9個までのヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して3から8個までのヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して2から4個までのヒドロキシ基;或いは、不飽和エステル分子当たり平均して4から8個までのヒドロキシ基を有する。一実施形態においては、不飽和エステルは、少なくとも2個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも3個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも4個のヒドロキシ基を含む。他の実施形態においては、不飽和エステルは、2から9個までのヒドロキシ基;或いは、2から4個までのヒドロキシ基;或いは、3から8個までのヒドロキシ基;或いは、4から8個までのヒドロキシ基を含む。
【0127】
本発明の態様に使用されるチオールエステルを生成するのに使用される不飽和エステルは、本明細書に記載された、不飽和エステル当たりのエステル基及び炭素−炭素二重結合の数を有する任意の不飽和エステルであってよい。不飽和エステルは、天然原料から誘導し、天然源原材料から合成的に生成し、合成原材料から生成し、天然及び合成材料の混合物から生成することができ、又はそれらの組合せであってよい。
【0128】
不飽和天然原料油
一実施形態においては、不飽和エステルは、不飽和天然原料油である。不飽和天然原料油は、天然の堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導することができる。一実施形態においては、不飽和エステルは、天然の堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導されるトリグリセリドを含む。一実施形態においては、不飽和エステルは、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導することができる。一実施形態においては、不飽和エステルは、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導されるトリグリセリドを含む。
【0129】
一態様においては、不飽和天然原料油は、獣脂、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ケシ油、種油、ヤシ油、アーモンドオイル、ヘーゼルナッツ油、菜種油、カノーラ油、大豆油、トウモロコシ油、サフラワー油、カノーラ油、綿実油、カメリナ油、アマニ油、又はクルミ油であってよい。ある実施形態においては、不飽和天然原料油は、大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、カノーラ油、綿実油、カメリナ油、アマニ油、又はクルミ油であってよい。更なる実施形態においては、不飽和天然原料油は、大豆油;或いは、トウモロコシ油;或いは、ヒマシ油;或いは、カノーラ油であってよい。
【0130】
不飽和天然原料油は、グリセロール及び不飽和カルボン酸のエステルとして規定することができるトリグリセリドを含む。本明細書においては、トリグリセリドの不飽和カルボン酸部分は、グリセロール側鎖(又は単に側鎖)と呼ぶことができる。ある実施形態においては、トリグリセリドは、メチレン基を挟んだ二重結合を含む側鎖の30%未満を含む。他の実施形態においては、トリグリセリドは、メチレン基を挟んだ二重結合を含む側鎖の30%超を含む。更に他の実施形態においては、トリグリセリドは、メチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%未満を含む。更なる実施形態においては、トリグリセリドは、25%未満のリノレン酸の側鎖を含む。更なる実施形態においては、トリグリセリドは、メチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%超を含む。更なる実施形態においては、トリグリセリドは、25%を超えるリノレン酸の側鎖を含む。更なる実施形態においては、トリグリセリドは、メチレン基を挟んで連続する2個の炭素−炭素二重結合を有する少なくとも30%の側鎖及びメチレン基を挟んで連続する3個の炭素−炭素二重結合を有する側鎖の25%未満を含む。
【0131】
別の実施形態においては、不飽和天然エステル油(natural ester oil)は、不飽和天然原料油から誘導される「天然」トリグリセリドを含む。一実施形態においては、不飽和エステル油は、合成である。一実施形態においては、不飽和エステル油は、合成原材料及び天然原材料の両方を含む。一実施形態においては、不飽和エステル油は、合成トリグリセリドを含む。
【0132】
合成不飽和エステル
本発明の態様の供給原料として使用される合成不飽和エステルは、当業者に周知のエステル基の生成方法を使用して生成することができる。「エステル基」という用語は、ヒドロキシ基とカルボン酸又はカルボン酸誘導体との反応から形成される部分を意味する。一般的には、エステルは、アルコールをカルボン酸と反応させること、カルボン酸エステルとアルコールのエステル交換、アルコールを無水カルボン酸と反応させること、又はアルコールをハロゲン化カルボン酸と反応させることによって生成することができる。これらの方法のいずれも、本発明の一態様における供給原料として使用される合成不飽和エステル油を生成するのに使用することができる。不飽和エステル油の生成のための、アルコール、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水物原材料は、天然原料、合成原料、遺伝子組換え原料(genetic source)、又は天然原料、遺伝子組換え原料、及び合成原料の任意の組合せから誘導することができる。
【0133】
本発明の種々の態様において供給原料として使用される不飽和エステルを生成するのに使用されるポリオール及び不飽和カルボン酸、単純な不飽和カルボン酸エステル、又は不飽和カルボン酸無水物は、独立した成分である。即ち、これらの成分は、互いに独立に変えることができ、したがって、本明細書に記載された組成物を生成するための供給原料として又は本明細書に記載された方法のための供給原料として使用される不飽和エステルを生成するのに任意に組み合わせて使用することができる。
【0134】
合成不飽和エステル油−ポリオール成分
不飽和エステル油を生成するのに使用されるポリオールは、当業者に明らかな反応条件下で、不飽和カルボン酸、不飽和単純カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、又はハロゲン化カルボン酸と反応することができる任意のポリオール又はポリオールの混合物であってよい。
【0135】
ポリオール中の炭素原子の数は変えることができる。一態様においては、不飽和エステルを生成するのに使用されるポリオールは、2から20個までの炭素原子を含むことができる。他の実施形態においては、ポリオールは、2から10個までの炭素原子;或いは、2から7個までの炭素原子;或いは、2から5個までの炭素原子を含む。更なる実施形態においては、ポリオールは、平均して2から20個の炭素原子;或いは、平均して2から10個の炭素原子;或いは、平均して2から7個の炭素原子;或いは、平均して2から5個の炭素原子を有するポリオールの混合物であってよい。
【0136】
別の態様においては、不飽和エステルを生成するのに使用されるポリオールは、本明細書に記載された不飽和エステルを生成するのに必要な任意の数のヒドロキシ基を有することができる。ある実施形態においては、ポリオールは、2個のヒドロキシ基;或いは、3個のヒドロキシ基;或いは、4個のヒドロキシ基;或いは、5個のヒドロキシ基;或いは、6個のヒドロキシ基を有する。他の実施形態においては、ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも3個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも4個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも5個のヒドロキシ基;或いは、少なくとも6個のヒドロキシ基を含む。更に他の実施形態においては、ポリオールは、2から8個までのヒドロキシ基;或いは、2から4個までのヒドロキシ基;或いは、4から8個までのヒドロキシ基を含む。
【0137】
更なる態様においては、不飽和エステルを生成するのに使用されるポリオールは、ポリオールの混合物である。一実施形態においては、ポリオールの混合物は、ポリオール分子当たり平均して少なくとも1.5個のヒドロキシ基を有する。他の実施形態においては、ポリオールの混合物は、ポリオール分子当たり平均して少なくとも2個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して少なくとも2.5個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して少なくとも3.0個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して少なくとも4個のヒドロキシ基を有する。更に別の実施形態においては、ポリオールの混合物は、ポリオール分子当たり平均して1.5から8個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して2から6個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して2.5から5個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して3から4個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して2.5から3.5個のヒドロキシ基;或いは、ポリオール分子当たり平均して2.5から4.5個のヒドロキシ基を有する。
【0138】
更に別の態様においては、不飽和チオールエステルを生成するのに使用されるポリオール又はポリオールの混合物は、500未満の分子量又は平均分子量を有する。他の実施形態においては、ポリオール又はポリオールの混合物は、300未満;或いは、200未満;或いは、150未満;或いは、100未満の分子量又は平均分子量を有する。
【0139】
ある実施形態においては、適切なポリオールには、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルプロパン、2−プロピル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、メチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ジオキサン−5,5−ジメタノール、1,4−キシリレンジメタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールブタン、グリセロール、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセロール、ジトリメチロールエタン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,4−キシリレンジメタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、又はそれらの任意の組合せが含まれる。更なる実施形態においては、ポリオールは、グリセロール、ペンタエリトリトール、又はそれらの混合物である。他の実施形態においては、ポリオールは、グリセロール;或いは、ペンタエリトリトールである。
【0140】
合成不飽和エステル−カルボン酸又はカルボン酸相当成分
不飽和エステル油のカルボン酸成分は、炭素−炭素二重結合を含む任意のカルボン酸又はカルボン酸の混合物であってよい。カルボン酸成分は、平均して1.5個を超えるヒドロキシ基又は本明細書に記載された任意の他の数のヒドロキシ基を含むポリオール又はポリオール混合物と結合するので、カルボン酸成分は、本明細書に記載された供給原料の要件に合致する不飽和エステル油を生成する不飽和カルボン酸を含む任意の混合物であってよい。ある実施形態においては、カルボン酸成分は、本明細書に記載された供給原料の要件に合致する不飽和エステル油を生成する飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸の任意の混合物であってよい。したがって、合成不飽和エステル油を生成するのに使用されるカルボン酸又はカルボン酸混合物は、カルボン酸当たりある平均数の特定の元素を有するものとして規定することができる。
【0141】
カルボン酸の独立した要素には、カルボン酸分子当たりのカルボン酸基の平均数、カルボン酸中に存在する炭素原子の平均数、及びカルボン酸当たりの炭素−炭素二重結合の平均数が含まれる。更なる独立した要素には、炭素鎖中の二重結合の位置、及び複数の二重結合がある場合の二重結合の互いの相対位置が含まれる。
【0142】
不飽和エステル油を生成するのに使用されるカルボン酸組成物の成分として使用される特定のカルボン酸は、カルボン酸分子当たり3から30個までの炭素原子を有することができる。ある実施形態においては、カルボン酸は直鎖である。ある実施形態においては、カルボン酸は分枝である。ある実施形態においては、カルボン酸は、直鎖及び分枝カルボン酸の混合物である。ある実施形態においては、カルボン酸は、特に、アルコール、アルデヒド、ケトン、及びエポキシドを含めた更なる官能基を含むこともできる。
【0143】
不飽和カルボン酸組成物の成分として使用することができる適切なカルボン酸は、約3から約30個までの炭素原子;或いは、約8から約25個までの炭素原子;或いは、約12から約20個までの炭素原子を有することができる。他の実施形態においては、不飽和カルボン酸組成物を含むカルボン酸は、平均して2から30個の炭素原子;或いは、平均して8から25個の炭素原子;或いは、平均して12から20個の炭素原子を含む。
【0144】
炭素−炭素二重結合は、炭素−炭素鎖の長さに沿った任意の場所に位置することができる。一実施形態においては、二重結合は、末端位置に位置することができる。別の実施形態においては、炭素−炭素二重結合は、内部の位置に位置することができる。更に別の実施形態においては、カルボン酸又はカルボン酸の混合物は、末端炭素−炭素二重結合及び内部炭素−炭素二重結合の両方を含むことができる。二重結合は、炭素−炭素二重結合に結合している置換基の数を示すことによって規定することもできる。ある実施形態においては、炭素−炭素二重結合は、1置換、2置換、3置換、4置換されていてよく、又は1置換、2置換、3置換及び4置換された炭素−炭素二重結合の任意の組合せを有することができる不飽和カルボン酸の混合物であってよい。
【0145】
適切な不飽和カルボン酸には、アクリル酸、アゴナンドイン酸(agonandoic acid)、アゴナンドリン酸(agonandric acid)、アルコルノイン酸(alchornoic acid)、アンブレトリン酸(ambrettolic acid)、アンゲリカ酸、アスクレピン酸、オーリコリン酸(auricolic acid)、アベノレイン酸(avenoleic acid)、アクシラレン酸(axillarenic acid)、ブラシジン酸、カプロレイン酸(caproleic acid)、セテラジン酸(cetelaidic acid)、セトレイン酸、シベチン酸(civetic acid)、コリオリン酸(coriolic acid)、コロナリン酸(coronaric acid)、クレペニニン酸(crepenynic acid)、デンシポリン酸(densipolic acid)、ジホモリノレイン酸(dihomolinoleic acid)、ジホモタクソレイン酸(dihomotaxoleic acid)、ジモルフェコリン酸(dimorphecolic acid)、エライジン酸、エフェドレイン酸(ephedrenic acid)、エルシン酸、ガデライジン酸(gadelaidic acid)、ガドレイン酸、ガイジン酸(gaidic acid)、ゴンドロ酸(gondolo acid)、ゴンドレイン酸、ゴルリン酸、ヘレニノリン酸(helenynolic acid)、ヒドロソルビン酸、イソリシノレイン酸(isoricinoleic acid)、ケテレエロニン酸(keteleeronic acid)、ラベレン酸(labellenic acid)、ラウロレイン酸、レスキロリン酸(lesquerolic acid)、リネライジン酸(linelaidic acid)、リンデリン酸、リノール酸、ルメキン酸(lumequic acid)、マルバリン酸、マンゴールド酸(mangold’s acid)、マルガロリン酸(margarolic acid)、メガトミン酸(megatomic acid)、ミクッシュ酸(mikusch’s acid)、ミコリペニン酸(mycolipenic acid)、ミリステライジン酸(myristelaidic acid)、ネルボイン酸(nervoic acid)、オブツシリン酸(obtusilic acid)、オレイン酸、パルミテライジン酸、ペトロセライジン酸、ペトロセリニン酸、ホロミン酸(phlomic acid)、フィセテリン酸、フィテノイン酸(phytenoic acid)、ピルリン酸(pyrulic acid)、リシネライジン酸(ricinelaidic acid)、ルメニン酸(rumenic acid)、セラコレイン酸、ソルビン酸、ステアロリン酸(stearolic acid)、ステルクリン酸、ステルクリニン酸(sterculynic acid)、スチリンジン酸(stillingic acid)、ストロファンツス酸(strophanthus acid)、タリリン酸、タキソール酸(taxoleic acid)、トラウマチン酸、ツドイン酸(tsuduic acid)、ツズイン酸、ウンデシレン酸、バセニン酸、ベルノリン酸、キシメニン酸、キシメニン酸(ximenyic acid)、キシメニノリン酸(ximenynolic acid)及びそれらの組合せが含まれる。更なる実施形態においては、適切な不飽和カルボン酸には、オレイン酸、パルミトレイン酸、リシノール酸、リノール酸、及びそれらの組合せが含まれる。他の適切な不飽和カルボン酸は、当分野の技術者に明らかであり、本発明の範囲内と考えるべきである。
【0146】
ある実施形態においては、不飽和エステルは、本明細書に記載されたカルボン酸又はカルボン酸の混合物の単純エステルと本明細書に記載されたポリオール組成物とのエステル交換によって生成することができる。ある実施形態においては、単純エステルは、カルボン酸又はカルボン酸の混合物のメチル又はエチルエステルである。更なる実施形態においては、単純カルボン酸エステルは、本明細書に記載されたカルボン酸のメチルエステルである。
【0147】
エポキシ化不飽和エステル
一態様においては、エポキシ化不飽和エステルは、本明細書で記載された材料を生成するための供給原料として、及び本明細書で記載された材料を生成する方法のために使用される。一般的に、エポキシ化不飽和エステルは、本明細書に記載された任意の不飽和エステルをエポキシ化することによって誘導することができる。不飽和エステル油は、天然原料から誘導し、天然源原材料から合成的に生成し、合成原材料から生成し、天然及び合成材料の混合物から生成することができ、又はそれらを組み合わせることができる。
【0148】
最低限に、エポキシ化不飽和エステルは、少なくとも1個のエポキシド基を含む。一実施形態においては、エポキシ化不飽和エステルは、少なくとも2個のエポキシド基;或いは、少なくとも3個のエポキシド基;或いは、少なくとも4個のエポキシド基を含む。他の実施形態においては、エポキシ化不飽和エステルは、2から9個までのエポキシド基;或いは、2から4個までのエポキシド基;或いは、3から8個までのエポキシド基;或いは、4から8個までのエポキシド基を含む。
【0149】
ある実施形態においては、不飽和エステルは、エポキシ化不飽和エステルの混合物を含む。この態様においては、エポキシ化不飽和エステル中のエポキシド基数は、エポキシ化不飽和エステル分子当たりのエポキシド基の平均数として規定することができる。ある実施形態においては、エポキシ化不飽和エステルは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも1.5個のエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2個のエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも2.5個のエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して少なくとも3個のエポキシド基を有する。他の実施形態においては、エポキシ化不飽和エステルは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して1.5から9個までのエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して3から8個までのエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して2から4個までのエポキシド基;或いは、エポキシ化不飽和エステル分子当たり平均して4から8個までのエポキシド基を有する。
【0150】
一態様においては、エポキシ化不飽和エステルは、エポキシ化不飽和天然原料油であってよい。不飽和天然原料油は、天然の堅果、野菜、植物及び動物原料から誘導することができる。一実施形態においては、不飽和エステル油は、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導される。一実施形態においては、不飽和エステル油は、遺伝子組換え堅果、野菜、植物、及び動物原料から誘導されるトリグリセリドを含む。
【0151】
一態様においては、エポキシ化天然原料油は、獣脂、オリーブ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ケシ油、種油、ヤシ油、アーモンドオイル、ヘーゼルナッツ油、菜種油、カノーラ油、大豆油、トウモロコシ油、サフラワー油、カノーラ油、綿実油、カメリナ油、アマニ油、又はクルミ油であってよい。ある実施形態においては、エポキシ化天然原料油は、大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、カノーラ油、綿実油、カメリナ油、アマニ油、又はクルミ油であってよい。更なる実施形態においては、エポキシ化天然原料油は、大豆油;或いは、トウモロコシ油;或いは、ヒマシ油;或いは、カノーラ油であってよい。
【0152】
イソシアネート
一態様によれば、本発明のポリチオウレタンは、チオールエステル組成物をイソシアネート組成物と接触させることによって生成することができる。一般的に、イソシアネート組成物は、少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネートを含む。いくつかの実施形態においては、イソシアネート組成物は、複数のイソシアネート基を有する分子を含む。ある実施形態においては、イソシアネート組成物は、イソシアネート分子の混合物を含む。イソシアネート組成物が、イソシアネート分子の混合物を含む場合、イソシアネート分子は、イソシアネート分子当たり平均して少なくとも1.5個のイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して少なくとも2個のイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して少なくとも2.5個のイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して少なくとも3個のイソシアネート基を有することができる。いくつかの実施形態においては、イソシアネート分子は、イソシアネート分子当たり平均して1.5から12個までのイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して1.5から9個までのイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して2から7個までのイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して2から5個までのイソシアネート基;或いは、イソシアネート分子当たり平均して2から4個までのイソシアネート基を有することができる。いくつかの実施形態においては、シソアネート組成物は、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物は、脂肪族イソシアネート;或いは、脂環式イソシアネート;或いは、芳香族イソシアネートを含む。
【0153】
いくつかの実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,7−ヘプタメチレンジイソシアネート、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,11−ウンデカメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−(イソシアナトメチル)オクタン、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、エチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。他の実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレン、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。更に別の実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンを含む。
【0154】
いくつかの実施形態においては、イソシアネート組成物の脂環式イソシアネートは、1−イソシアナト−2−イソシアナトメチルシクロペンタン、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素化MDI、HMDI)、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−ビス(3−メチルシクロヘキシル)メタンジイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物の環状脂肪族イソシアネートは、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。他の実施形態においては、イソシアネート組成物の環状脂肪族イソシアネートは、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート;或いは、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート;或いは、2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;或いは、2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;或いは、イソホロンジイソシアネート;或いは、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;或いは、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含む。
【0155】
いくつかの実施形態においては、イソシアネート組成物の芳香族イソシアネートは、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,5−トルエンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−キシリレンジイソシアネート、メシチレントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、メチルナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビフェニルジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリマーMDI、PMDI)、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4−メチルジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、テトラヒドロナフチレンジイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。ある実施形態においては、イソシアネート組成物の芳香族イソシアネートは、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリマーMDI、ナフタレントリイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。他の実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、又はそれらの任意の組合せを含む。更に他の実施形態においては、イソシアネート組成物の脂肪族イソシアネートは、2,4−トリレンジイソシアネート;或いは、2,6−トリレンジイソシアネート;或いは、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート;或いは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート;或いは、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート;或いは、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物を含む。
【実施例】
【0156】
メルカプタン化大豆油
ポリチオウレタン組成物
【表1】


多くのポリチオウレタン組成物は、このようなポリチオウレタン組成物を調製するための本明細書に記載された方法を用いて触媒の存在下で、チオールエステル組成物をジイソシアネートと反応させることによって調製した。上記組成物は、表1に示された、供給原料、ジイソシアネート、化学量論及び触媒の様々な変項を使用して生成した。変項の全ての組合せが使用されると、1200を超える組成物が生成された。供給原料のそれぞれを、ジイソシアネートのそれぞれと、化学量論のそれぞれにおいて、表に記載された触媒のそれぞれを用いて反応させて、1200超の組成物を生成した。
【0157】
ポリチオウレタン組成物においては、使用された供給原料チオールエステル組成物は、MSO(メルカプタン大豆油)、MHSO(メルカプトヒドロキシ大豆油)、CMSO(架橋メルカプタン化大豆油)、CO(ヒマシ油)、及びMCO(メルカプタン化ヒマシ油)を含んだ。これらの組成物を生成するのに使用されたジイソシアネートには、MDI(4,4’−メチレンビス(フェニル)ジイソシアネート)、HMDI(水素化MDIとしても知られる4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート)、TDI(トリレン2,4−ジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネートとしても知られる1,6−ジイソシアナトヘキサン)、Luprinate(登録商標)M20S(MDIのオリゴマー形態であり、BASF Corporationによって製造されるポリマーMDI、又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとも呼ばれる)、及びIPDI(1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン又はイソホロンジイソシアネート)が含まれた。使用された触媒には、DABCO(ジアザビシクロオクタンジターシャリーアミン)、DBTDL(ジブチル錫ジラウレート有機金属触媒)、Jeffol(登録商標)A−480(Huntsman Based Chemicalsによって製造されるターシャリーアミンポリオールである)、及びBDMA(ベンジルジメチルアミン)が含まれた。化学量論は、チオールエステル組成物(MSO、MHSO、CMSO、MCaO)の活性水素(チオール及びヒドロキシル基)とジイソシアネートの当量比に基づいた。例えば、ヒマシ油を、1.25の化学量論値で、触媒としてJeffol(登録商標)A−480を使用してトリレンジイソシアネートと反応させた。別の例としては、チオールエステル組成物を、0.9の化学量論値で、DABCO触媒を用いてメタンジイソシアネートと反応させた。
【0158】
種々の物性データを、上記1200超の組成物のランダムに選択したポリチオウレタン組成物について測定した。その結果は、図1A〜1AGとして添付された表2中に含まれている。使用された硬化プロファイルは、次のとおりである。A=室温で1〜8時間硬化、次いで65℃で終夜硬化、次いで95℃で8時間硬化;B=65℃で終夜硬化、次いで95℃で24時間硬化;C=120℃で3時間硬化、次いで95℃で24時間硬化。CTE1は、ガラス転移点未満での熱膨張率を表す。CTE2は、ガラス転移点超での熱膨張率を表す。
【0159】
チオール含有エステル、ヒドロキシチオール含有エステル、及び架橋チオール含有エステルから生成されるポリチオウレタンを、ASTM E1545−95A及びE228−95を用いて分析してガラス転移点及び熱膨張率を得た。ポリチオウレタンのショア硬さをASTM D2240−02Aを用いて求めた。ポリチオウレタンをまた、主観分析にかけて、ポリチオウレタンを硬質の、軟質の、ゴムのような、剛直な、強靭な、もろい及び他の特性に分類した。
【0160】
ポリチオウレタン組成物の2グループを、分析して種々の機械的性質及び物性データを得た。第1グループは、表2に記載された1200超の組成物から選択された15のランダムに選択されたポリチオウレタン組成物のグループを含んだ(以下、「第1のポリチオウレタンサンプルグループ」)。第1のポリチオウレタンサンプルグループに含まれるサンプルは、本明細書に記載されたA、B、又はC硬化プロファイルを用いて硬化した。第2グループは、Jeffol(登録商標)A−480触媒を用いてメルカプタン化大豆油及びLuprinate(登録商標)M20Sから生成され、様々なSH:NCO当量比を有する16のポリチオウレタン組成物のグループを含んだ(以下、「第2のポリチオウレタンサンプルグループ」)。第2のポリチオウレタンサンプルグループに含まれるサンプルは、65℃において終夜、次いで95℃において24時間で硬化したが、これは硬化プロファイルBに一致する。
【0161】
熱機械分析計(TMA)及び動的機械分析計(DMA)を使用して第1のポリチオウレタンサンプルグループを分析した。第1のポリチオウレタンサンプルグループについてのTMA及びDMAの結果は、表3に記載されている。XHは、チオールエステル中の全SH及びOH基に基づく。第1のポリチオウレタンサンプルグループについての機械的性質も得た。機械的性質分析の結果は、表4に記載されている。第1のポリチオウレタンサンプルグループについての密度及び比重などの更なる性質も得た。更なる性質分析の結果は、表5に記載されている。
【0162】
第2のポリチオウレタンサンプルグループを、TMA及びDMAを使用して分析した。TMA及びDMA結果は、表6に記載されている。第2のポリチオウレタンサンプルグループについての更なる機械的性質を得、その結果は、表7に記載されている。第2のポリチオウレタンサンプルグループについて、ASTM D−570室温吸水試験を行った。この試験の結果は、表8に記載されている。第2のポリチオウレタンサンプルグループについて、溶媒膨潤性を分析し、その結果は表9に記載されている。
【0163】
用途
本明細書に記載された使用に加えて、本発明の実施形態は、他の多くの用途において有用である。例えば、本発明の実施形態は、それだけには限らないが、ポリチオウレタン、発泡体、接着剤、エポキシ硬化剤、塗料及びポリエステル樹脂のためのポリアクリレート及びポリメタクリレート型板、印刷インキのバインダーポリマー、アルキド樹脂架橋剤、硫黄系塗料型板、放射線硬化ポリマー、鉱山及び掘削薬品、特殊な連鎖移動剤、ゴム改質剤、並びに同様のものを含む種々のポリマー用途において有用である。供給原料材料が、経済的で容易に入手可能であるので、本発明の実施形態は、このような用途などにおいて有用であると考えられる。
【0164】
本発明は、例示的な実施形態及び実施例を参照して記載されてきたが、本明細書は、限定的な意味に解釈されることを目的としていない。したがって、例示的な実施形態の種々の変更形態、及び本発明の他の実施形態は、本明細書を参照すると当分野の技術者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、任意のこのような変更形態又は実施形態を含むと考えられる。
【0165】
本明細書に引用された全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ個別の刊行物、特許又は特許出願が、参照によりその全体が組み込まれるよう具体的かつ個別に指示されていたのと同程度に、参照によりその全体が組み込まれる。
【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】


【表8】

【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1A】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1B】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1C】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1D】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1E】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1F】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1G】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1H】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1I】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1J】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1K】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1L】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1M】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1N】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1O】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1P】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1Q】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1R】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1S】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1T】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1U】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1V】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1W】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1X】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1Y】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1Z】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AA】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AB】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AC】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AD】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AE】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AF】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。
【図1AG】本発明の諸実施形態に従って調製された多くのポリチオウレタン組成物の物性データを含む表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物の反応生成物を含むポリチオウレタンであって、
【化1】


の構造を有する複数のチオウレタン基を有する、上記ポリチオウレタン。
【請求項2】
チオールエステル組成物が、メルカプタン化不飽和天然原料油を含む、請求項1に記載のポリチオウレタン。
【請求項3】
チオールエステル組成物が、チオールエステル分子当たり平均して1.5個から9個までのチオール基を有するメルカプタン化不飽和天然原料油分子を含む、請求項2に記載のポリチオウレタン。
【請求項4】
メルカプタン化不飽和原料油が、メルカプタン化大豆油である、請求項2に記載のポリチオウレタン。
【請求項5】
チオールエステル組成物が、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含む、請求項1に記載のポリチオウレタン。
【請求項6】
チオールエステル組成物が、チオールエステル分子当たり平均して1.5個から9個までのチオール基を有するメルカプタン化エポキシ化天然原料油分子を含む、請求項5に記載のポリチオウレタン。
【請求項7】
メルカプタン化不飽和原料油が、メルカプタン化エポキシ化大豆油である、請求項5に記載のポリチオウレタン。
【請求項8】
チオールエステル組成物が、架橋メルカプタン化天然原料油を含む、請求項1に記載のポリチオウレタン。
【請求項9】
チオールエステル組成物が、構造−S(ここで、Qは1より大きい)を有するポリスルフィド結合によって連結された少なくとも3個のチオールエステルモノマーを有する架橋メルカプタン化天然原料油オリゴマーを含む、請求項8に記載のポリチオウレタン。
【請求項10】
架橋メルカプタン化不飽和原料油が、架橋メルカプタン化大豆油である、請求項8に記載のポリチオウレタン。
【請求項11】
ポリチオウレタンを製造する方法であって、
a.チオールエステル組成物及びイソシアネート組成物を接触させて混合物を形成するステップと、
b.該混合物を硬化させて該ポリチオウレタンを生成するステップと
を含む、上記方法。
【請求項12】
触媒が混合物の形成において含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
触媒が、第三級アミン、有機錫化合物、アミン開始ポリプロピレングリコール、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
チオールエステル組成物が、メルカプタン化不飽和天然原料油を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
チオールエステル組成物が、チオールエステル分子当たり平均して1.5個から9個までのチオール基を有するメルカプタン化不飽和天然原料油分子を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
メルカプタン化不飽和原料油が、メルカプタン化大豆油である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
チオールエステル組成物が、メルカプタン化エポキシ化天然原料油を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
チオールエステル組成物が、チオールエステル分子当たり平均して1.5個から9個までのチオール基を有するメルカプタン化エポキシ化天然原料油分子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
メルカプタン化不飽和原料油が、メルカプタン化エポキシ化大豆油である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
チオールエステル組成物が、架橋メルカプタン化天然原料油を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
チオールエステル組成物が、構造−S(ここで、Qは1より大きい)を有するポリスルフィド結合によって連結された少なくとも3個のチオールエステルモノマーを有する架橋メルカプタン化天然原料油オリゴマーを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
架橋メルカプタン化不飽和原料油が、架橋メルカプタン化大豆油である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
XH:NCO当量比が、0.50から1.3までに及ぶ(ここで、チオール含有エステルのXHは、チオール含有エステル分子中の−SH基の総数又は−SH基及び−OH基の総数である)、請求項11に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図1K】
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【図1L】
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【図1M】
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【図1N】
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【図1O】
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【図1P】
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【図1Q】
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【図1R】
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【図1S】
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【図1T】
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【図1U】
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【図1V】
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【図1W】
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【図1X】
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【図1Y】
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【図1Z】
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【図1AA】
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【図1AB】
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【図1AC】
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【図1AD】
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【図1AE】
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【図1AF】
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【図1AG】
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【公表番号】特表2009−504879(P2009−504879A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527015(P2008−527015)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/031393
【国際公開番号】WO2007/035215
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(502303175)シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー (42)
【Fターム(参考)】