説明

ポリテトラフルオロエチレン繊維

【課題】低密度であって、加工品の軽量化を加工品に対して有用な性能を付与することを可能とする網目構造を有するPTFE繊維とその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の2軸延伸フィルムを熱処理した後、その長さ方向に部分的にスリットした長繊維1であって、前記2軸延伸PTFEフィルムは、フィルムの長さ方向に4倍以上、及び幅方向に1.5倍以上5倍以下の範囲で延伸されており、前記PTFE繊維の密度が2g/cm3以下であり、前記長繊維1は、幅方向に広げたとき単繊維2が部分的に解繊する網目構造3を含み、前記長繊維1は前記単繊維2の集合体である。本発明の別のPTFE繊維は前記長繊維1を切断することにより得られる分枝構造を含む短繊維である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)繊維の製造方法に関し、特に低密度化されたPTFE繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
PTFE樹脂は、溶融粘度が極めて高く、またほとんどの溶剤に溶解しないために、一般的に採用されている溶融樹脂や樹脂溶液の押出紡糸のような方法で繊維を製造することができない。従って、従来から種々の特殊な製造方法が採用されてきている。下記特許文献1には、PTFE微粒子の水性分散液とビスコースとの混合液をエマルジョン紡糸した後、高温下でPTFEを焼結すると同時にビスコースを熱分解除去することによりPTFE繊維を製造する方法が提案されている。しかし、この方法によるPTFEの製造コストは高く、その一方で得られる繊維の強度が低く、従ってこの繊維を原料として得られる加工製品の強度も低いという問題がある。
【0003】
下記特許文献2及び下記特許文献3等には、PTFEのフィルムまたはシートを微小間隔でスリットした後、得られるテープを延伸して高強度のPTFE繊維を製造方法が提案されている。しかし、この方法ではスリットされ得られるテープの幅をその長さ方向に沿って一定に保つことが困難であり、またテープの端部分がフィブリル化するという問題がある。このため高度に延伸する工程で一部繊維が破断するという問題も発生する。
【0004】
下記特許文献4には、PTFE成形品の1軸延伸物、特に1軸延伸フィルムをピンロール針密度20〜100針/cm2のロールを用いて機械的な力により解繊することにより、分枝構造を有するPTFE繊維からなる綿状物の製造方法が提案されている。しかし、この方法によると得られるPTFE繊維の長さは、大部分150mm以下であり、PTFEの長繊維を得ることは困難であった。
【0005】
また、下記特許文献5には、PTFE成形品の1軸延伸フィルムを機械的な力により解繊することにより、分枝構造を有するPTFE繊維からなる綿状物の製造方法が提案されている。しかし、この方法によると得られるPTFE繊維の密度は2.15g/cm3を超える高比重のものとなり、最終製品として軽量なものを得ることは困難であった。
【特許文献1】米国特許第2,772,444号明細書
【特許文献2】米国特許第3,953,566号明細書
【特許文献3】米国特許第4,187,390号明細書
【特許文献4】日本特許第3079571号公報
【特許文献5】WO96−00807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の諸問題を解決しようとするものであり、低密度でかつ高い強度を有し、また加工品に対して有用な性能を付与することを可能とする網目構造を有するPTFEの長繊維を提供するものである。
【0007】
併せて、PTFE繊維の密度調節と、網目構造PTFE繊維を切断することにより加工目的に適した任意の長さの分枝構造PTFE短繊維を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の2軸延伸フィルムを熱処理した後、その長さ方向に部分的にスリットした長繊維であって、前記2軸延伸PTFEフィルムは、フィルムの長さ方向に4倍以上、及び幅方向に1.5倍以上5倍以下の範囲で延伸されており、前記PTFE繊維の密度が2g/cm3以下であり、前記長繊維は、幅方向に広げたとき単繊維が部分的に解繊する網目構造を含み、前記長繊維は、前記単繊維の集合体であることを特徴とする。
【0009】
本発明の別のPTFE繊維は、前記の長繊維を切断することにより得られる分枝構造を含む短繊維であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のPTFE長繊維は、これを撚糸して高強度の織布、縫合糸等として使用することができ、特に2軸延伸フィルムから得られる繊維は低密度化が可能であり、加工製品の軽量化および製造コストの低減にも有用である。
【0011】
本発明のPTFE長繊維の特徴の一つである網目構造は、樹脂、オイル等を含浸させた加工製品の製造に有用である。撚糸や撚糸をさらに編組してなるシーリング材料において、これらに樹脂分散液、オイル等を含浸させる場合、シーリング材内部への浸透が助長され、含浸材料の保持力を向上させる利点がある。
【0012】
さらに本発明の製造方法によれば、低密度で特異な網目構造を有する高強度PTFE繊維を、簡便な工程で安定的に、しかも比較的低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のPTFE繊維は、PTFEフィルムを2軸延伸した後、少なくともPTFEの融点(327℃)以上の温度で熱処理することにより得られたPTFEフィルムをその長さ方向に部分的にスリットして得られる低密度の長繊維である。また、前記長繊維は、幅方向に広げたとき、単繊維が部分的に解繊する網目構造を含む。従って長繊維を切断することにより得られる短繊維は、分枝構造を含む短繊維である。この繊維は、フィブリル構造を有するスリット繊維であり、幅方向に開くと単繊維が部分的に解繊して網目構造を有している。一例を示すと図1のとおりであり、1本の単繊維2の大きさは、一例として長軸×短軸で13μm×7μm〜143μm×32μmの網目構造長繊維1である。網目3の大きさは様々な不定形である。短繊維の長さは、一例として1cm〜30cmの範囲、好ましくは2cm〜10cmの範囲である。
【0014】
本発明の繊維は、前記単繊維の集合体である。この繊維集合体の繊度は、3〜600dtexであることが好ましい。また本発明のスリット繊維は、偏平状であり、厚さは5μm〜450μmであることが好ましい。この繊維の見掛密度は、2g/cc以下、好ましくは1.8g/cc以下である。PTFEの真比重は2.15〜2.20g/ccであることからすると、比重は軽い。これは2軸延伸したことによる。低密度繊維は、高密度繊維に比べて捲縮性が良い。例えば見掛密度は、2g/cc以下の繊維は10〜12個/25mmの捲縮を付与できるが、2g/ccを超える繊維は5個/25mm未満の捲縮しか付与できない。繊維が硬くなるからである。
【0015】
本発明は、乳化重合方法で得られたPTFEファインパウダーを原料として得られたPTFEフィルムを2軸延伸し、融点(327℃)以上の温度で熱処理したフィルムを、植針密度の低いピンロールを用いて機械的に解繊することにより、PTFE繊維製造の技術的問題を解決するものである。これにより、高価なpair pin-rollを使用しなくても、single pin-rollを使用しても解繊により長繊維を得ることができる。また、従来不可能とされていた2軸延伸PTFEフィルムの解繊により、長繊維の製造が可能になる。
【0016】
PTFEフィルムは従来から知られている方法で製造することができる。即ち、PTFEファインパウダーと押出助剤である石油系オイルとの混合物をペースト押出方法によりロッド、バー、シートの形状の連続した押出物を成形し、次にこの押出成形品を圧延ロールを用いてフィルム状に圧延した後、圧延フィルムから溶剤抽出または加熱することにより押出助剤を除去することによりPTFEのオリジナルフィルムを得る。
【0017】
PTFEファインパウダーと押出助剤との重量混合比は通常80:20から77:23の範囲であり、ペースト押出しのリダクション比(RR)は300:1以下である。また、押出助剤の除去には加熱方法を採用することが多く、その温度は300℃以下、250℃〜280℃の温度が好ましい。
【0018】
本発明のPTFE繊維の製造は、前記オリジナルフィルムを2軸延伸後、融点以上の温度で熱処理し、低植針密度のピンロールを用いて解繊することにより行われる。2軸延伸は、フィルムの長さ方向(MD)は4倍以上、好ましくは6倍以上であり、これと直交するフィルムの幅方向(TD)の延伸倍率は1.5倍以上5倍以下、好ましくは2倍以上3倍以下の範囲である。2軸延伸はMD方向、TD方向同時延伸、またはMD方向延伸後TD方向の延伸を行う二段延伸のいずれであってもよい。2軸延伸フィルムの解繊では比較的低密度のPTFE繊維を得ることが可能であり、繊維およびその加工品の容量当りの価格を低減できるという利点がある。
【0019】
PTFEフィルムの熱処理は、327℃以上400℃以下の温度範囲で行うことができるが、350℃以上400℃以下の温度範囲での熱処理が好ましい。熱処理することにより生成したPTFE繊維が塊状になり難く、取扱性が改善される。
【0020】
また、解繊に供するPTFEフィルムの厚さは、5μm〜450μm、好ましくは15μm〜400μmの範囲である。
【0021】
熱処理フィルムの作成について、オリジナルフィルムを延伸後、熱処理する工程を詳述したが、オリジナルフィルムを熱処理した後、延伸して解繊に供するという工程を採用することも可能である。
【0022】
次に解繊によるPTFE長繊維の製造について説明する。長繊維とは、本発明では解繊に供給するPTFEフィルムと実質的に同等の長さの繊維であることを意味する。供給フィルムの長さはどのようなものであっても良いが、一例として長さ1000m〜10000m程度が実用的である。ピンロールの針径は0.2mm〜0.7mm、長さは3〜10mmのものを使用し、植針の密度は3〜15針/cm2、好ましくは3〜12針/cm2、さらに好ましくは4〜8針/cm2である。植針密度が15針/cm2を越えると長繊維PTFEは得られず、生成繊維は約200mm以下の短繊維となる。ピンロール表面への針の植針配置の好ましい一例を図4に示すが、配置はこれに限定されるものではない。ピンロールの回転は周速50〜400m/min、好ましくは60〜200m/minであり、延伸PTFEの供給速度は10〜50m/min、好ましくは15〜35m/minである。
【0023】
PTFE短繊維は、その応用の目的、用途等に応じて、前記解繊処理で得られた網目構造を有するPTFE繊維を任意の長さに切断することにより製造することができる。短繊維とする場合は、長さ30mm〜100mm程度、好適には50mm〜80mm程度にカットすることが好ましい。この際、PTFE長繊維の網目構造は破断され、PTFE短繊維は図2に示すような分枝構造短繊維4となる。
【0024】
本発明のPTFE長繊維および短繊維は、耐熱性、化学的安定性等が要求される応用製品に加工することができる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】
(PTFEのオリジナルフィルムの製造)
乳化重合法で得られたPTFEファインパウダー80質量部に対してナフサ20質量部を混合し、この混合物をRR80:1の条件で角度60°のダイを通してペースト押出し、直径17mmの円形のバーを得た。この押出物を直径500mmの一対のロール間で圧延後、260℃の温度でナフサを除去した。得られたPTFEフィルムの長さは約250m、膜厚は0.2mm、幅は約260mmであった。
【0027】
(実施例1)
前記工程で得られたPTFEオリジナルフィルムをその長さ方向に延伸率6倍、同時に幅方向に1.5倍の延伸率で2軸延伸後、このフィルムを370℃で5秒間の条件で熱処理した。得られたPTFEの延伸・焼成フィルムの長さは約2100m、膜厚は0.06mm、幅は約300mmであった。このPTFEフィルムを針付き回転ロールに送り、網目構造を有するPTFE長繊維を得た。
【0028】
図3に本実施例におけるPTFE長繊維の製造装置を示す。この製造装置10は、フィルム供給ロール11からPTFE延伸フィルム12を送り出し、回転ロール13の表面に針(ピン)14が植えられている植針付き回転ロール(ピンロール)15によりPTFE延伸フィルム12を解繊して網目構造繊維16とし、次に各フィラメント(長繊維)21〜24にスリットし、ガイド17〜20を通過させて各巻き取り機25〜29で巻き取った。巻き取り機は、PTFE延伸フィルム12から必要な繊度の長繊維とする設計に応じて任意の数とすることができる。
【0029】
植針付き回転ロール(ピンロール)は、針密度6針/cm2、針の長さ:5mm、ロールの直径50mm、図4における針A0とB0の距離(軸方向)は3mm、A0とA1の横方向(軸方向)の距離は0.5mm、A0とA1の縦方向(円周方向)の距離は3mmとした。A0〜A4は等間隔に斜行しており、A4とB0から始まる列とも等間隔で斜行している。
【0030】
解繊の条件は、ロールの周速120m/min、フィルムの供給速度30m/minであった。
【0031】
得られた長繊維フィラメントの繊度は32.7dtexであった。このフィラメントを取り出して幅方向に広げた時、図1に示すような網目構造が確認でき、70mmの長さで5個の網目があり、その網目を構成する単繊維の大きさは、長軸×短軸で12μm×7μm〜124μm×28μmであった。他の物性は表1に示す。
【0032】
(実施例2)
オリジナルPTFEフィルムをその長さ方向に8倍、幅方向に2倍に同時2軸延伸し、他の条件は実施例1と同条件で熱処理および解繊することにより網目構造を有するPTFE長繊維を得た。
【0033】
(実施例3)
オリジナルフィルムの延伸倍率を長さ方向に25倍、幅方向に1.5倍に変更し、熱処理条件を380℃3秒間とする以外は実施例1と同条件とした。
【0034】
(実施例4)
オリジナルフィルムの延伸倍率を長さ方向に35倍、幅方向に1.5倍に変更し、また熱処理条件を380℃、3秒間とする以外実施例1と同条件とした。
【0035】
(比較例1)
解繊用ロールを植針密度:25針/cm2のピンロールに変更し、他の条件は実施例1と同条件でPTFE繊維の製造を試みた。しかし供給した2軸延伸PTFEは不規則に破断するのみであり、繊維状のPTFEを得ることができなかった。
【0036】
(比較例2)
オリジナルフィルムをその長さ方向に25倍の延伸率で1軸延伸すること以外は実施例1と同条件でPTFE長繊維を得た。この繊維の見掛密度は2.19g/ccであった。
【0037】
実施例1〜4および比較例1,2の結果を表1に示す。表1中、PTFE繊維の密度、繊度、強度および伸度はJIS1015に従って評価した。
【0038】
【表1】

【0039】
表1から明らかなように、低植針密度のピンロールを使用して解繊することにより、従来不可能とされていたPTFE2軸延伸フィルムの解繊が可能となり実施例1〜4に示すように網目構造を有する長繊維を製造することができる。2軸延伸PTFEフィルムは多孔性である、延伸後の熱処理においても多孔構造を維持することができる。従って生成繊維の密度を低くすることが容易であり、最終製品の軽量化が可能という利点が有する。
【0040】
さらに、実施例1〜4の長繊維をカッターにより70mmの長さに切断することにより得られた短繊維は、網目構造が切断され、図2に示すように分枝構造を示す低密度短繊維であった。
【0041】
これに対し高密度植針ロールを使用した解繊(比較例1)ではフィルムが破断するのみで繊維状の生成物を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のPTFE長繊維を切断した短繊維は分枝構造を有し、前記した以外に高耐熱性フェルト、プリント基板、バグフィルター等のウェブ材又はプリプレグ材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例におけるPTFE長繊維の網目構造を示す図。
【図2】本発明の一実施例におけるPTFE短繊維の分枝構造を示す図。
【図3】本発明の一実施例におけるPTFE長繊維の製造方法を示す工程図。
【図4】本発明の一実施例におけるPTFE長繊維の製造に用いるピンロールの植針配置を示す図。
【符号の説明】
【0044】
1 網目構造長繊維
2 単繊維
3 網目
4 分枝構造短繊維
10 PTFE長繊維製造装置
11 フィルム供給ロール
12 PTFE延伸フィルム
13 回転ロール
14 針(ピン)
15 植針付き回転ロール(ピンロール)
16 網目構造長繊維
17 スリットされたPTFE長繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の2軸延伸フィルムを熱処理した後、その長さ方向に部分的にスリットした長繊維であって、
前記2軸延伸PTFEフィルムは、フィルムの長さ方向に4倍以上、及び幅方向に1.5倍以上5倍以下の範囲で延伸されており、
前記PTFE繊維の密度が2g/cm3以下であり、
前記長繊維は、幅方向に広げたとき単繊維が部分的に解繊する網目構造を含み、
前記長繊維は、前記単繊維の集合体であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン繊維。
【請求項2】
上記2軸延伸PTFEの熱処理温度が327℃以上400℃以下の範囲である請求項1に記載のPTFE繊維。
【請求項3】
前記PTFE繊維の密度が1.62g/cm3以上1.8g/cm3以下である請求項1に記載のPTFE繊維。
【請求項4】
前記PTFE長繊維が偏平状であり、厚さが5μm以上450μm以下の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のPTFE繊維。
【請求項5】
前記PTFE長繊維の繊度が3dtex以上600dtex以下の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のPTFE繊維。
【請求項6】
前記PTFE長繊維には分枝があり、前記PTFE繊維70mm当たりの分枝数が2〜4個である請求項1〜5のいずれかに記載のPTFE繊維。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの長繊維を切断することにより得られる分枝構造を含む短繊維であることを特徴とするPTFE繊維。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−19330(P2009−19330A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279221(P2008−279221)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【分割の表示】特願2004−9378(P2004−9378)の分割
【原出願日】平成16年1月16日(2004.1.16)
【出願人】(597001109)宇明泰化工股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】