説明

ポリマー組成物の調製方法

本発明は、ポリマー組成物の調製方法に関する。この方法は、カルボキシル基を含むポリマーを環状イミノエーテル化合物に接触させる工程を含み、該環状イミノエーテル化合物が、式(I)〔式中、R=式(II)で示されるオキサジン基、n=0、1、2、3、4、または5〕で示されるフェニレンオキサジンであることと、100℃を超える温度で押出機中で該ポリマーを該オキサジンに接触させることと、を特徴とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物の調製方法に関する。該方法は、カルボキシル基を含むポリマーを環状イミノエーテル化合物に接触させる工程を含む。環状イミノエーテル化合物には、たとえば、オキサゾリン類およびオキサジン類の化合物が包含され、これらの化合物は、単官能性、二官能性、または2超の官能価でありうる。環状イミノエーテル化合物は、ポリマーのカルボキシル基と反応し、その結果として、ポリマー中のカルボキシル基の数を減少させる。二官能性化合物の場合、たとえば、ビスオキサゾリンまたはビスオキサジンの場合、さらに、鎖延長が起こる。2超の官能価の場合、すなわち、3以上の官能価の場合、分枝および/または架橋も起こる。環状イミノエーテル化合物は、酸スカベンジャーとも呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
ポリマーと環状イミノエーテル化合物とを含むポリマー組成物の調製方法は、高分子科学誌(Journal of Polymer Science),第30巻,p.3325−3337(1985年)に発表された稲田(Inata)らの論文から公知である。この論文には、丸底フラスコ中におけるポリエステルの鎖延長が開示されており、その際、鎖延長剤として、ビスオキサゾリン類およびビスオキサジン類の化合物が使用されている。2,2’−ビス(2−オキサゾリン)(稲田(Inata)により「化合物Ia」と記されている)および2,2’−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)(「化合物IIa」と記されている)は、非常に効果的かつ高速反応性の鎖延長剤であると述べられている。しかしながら、上述したこれらの化合物には、ポリマー組成物の製造時に副反応を起こして、たとえば変色を生じるという欠点がある。さらに、稲田(Inata)は、「化合物Ib」と記されている2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)および「化合物IIb」と記されている2,2’−p−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)を含むポリエステルを開示している。これらの2種の化合物は、両方とも同一の反応性を有すると報告されているが、それらの反応性は、化合物IaおよびIIaの反応性よりもはるかに低く、ポリマー組成物の通常の製造、すなわち商業的に採算の合う製造を行うには、反応性が低すぎる。それをまとめると、ビスオキサゾリンIaおよびビスオキサジンIIaは、変色したポリマー組成物を生じ、一方、フェニレンビスオキサゾリンIbおよびフェニレンビスオキサジンIIbは、徐々に反応して変色せずにポリマー組成物を生成すると結論付けることができる。
【0003】
稲田(Inata)により開示されたようなポリマー組成物の製造方法の欠点は、副反応(たとえば、変色など)を低減させてポリマー組成物を調製するのに長時間を要するという問題が解決されないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、改良された反応速度を有しかつ副反応(たとえば、変色など)を起こしにくいポリマー組成物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このたび、本発明者らは、驚くべきことに、環状イミノエーテル化合物が、式(I)
【化1】


〔式中、
R=式(II)
【化2】


で示されるオキサジン基
n=0、1、2、3、4、または5〕
で示されるフェニレンオキサジンであることと、100℃を超える温度で押出機中でポリマーを該オキサジンに接触させることと、を特徴とするそのような方法を見いだした。
【0006】
本発明に係る方法を用いると、ポリマー組成物は、改良された反応速度で製造され、しかも本方法は、ポリマー組成物において変色などを生じる副反応を起こしにくい。
【0007】
カルボキシル基を含むポリマーと環状イミノエーテル化合物とを接触させる工程を含むポリマー組成物の調製方法はさらに、EP−A−0835276からも公知である。実験3および6では、ハーケ・レオコラール(Haake Rheocoral)混練機(すなわち、バッチ式混練機)中で2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)または2,2’−p−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)をポリアミドと混合することにより、ポリアミド組成物を得ている。2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)は遅い反応速度を有するが、ビスラクタムの追加使用により反応速度を増大させて押出機で使用するのに適したものにしうることが実験で示された。2,2’−p−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)は、バッチ混練機を用いても遅い反応を示し、ビスラクタムを用いてもほとんど反応速度を増大させることができなかった。それが理由で、オキサジンは、さらなる試験ではまったく検討されなかったので、本発明とは逆の教示がなされている。
【0008】
さらに、カルボキシル基を含むポリマーと環状イミノエーテル化合物とを接触させる工程を含むポリマー組成物の調製方法は、EP−A−1028992からも公知である。EP−A−1028992の実験8には、ブラベンダー・プラスチコーダー(Brabender Plasticorder)(すなわち、バッチ式混練機)中で鎖延長剤として2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)を用いることにより、ポリエチレンテレフタレート(PET)の分子量を増大させる試みが示されている。しかしながら、反応(すなわち、相対粘度の増大)はほとんど達成されなかったので、この試みは失敗に終わっている。この遅い反応速度は、EP−A−1028992の実験11および12に示されるように、ビスカプロラクタムの追加使用により克服され、結果として、PETの分子量は増大された。再び、ポリマー組成物の調製において、2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)は、遅い反応速度を示し、ポリマー組成物の調製に長時間を要することが示されている。
【0009】
さらなる利点は、EP−A−1028992に開示されているようなバッチ法とは対照的に本発明に係る方法を連続方式で行いうることである。
【0010】
本発明に係る方法では、カルボキシル基を含むポリマーおよびオキサジンは、押出機に供給される。押出機は、通常、1本以上のスクリューを備えた連続混合装置であり、それ自体、当業者には周知である。場合により、押出機にディベンティング(deventing)装置を取り付けることも可能である。押出機は、たとえば、ペレットまたは(半)完成造形品の形態で、ポリマー組成物を製造するために使用される。たとえば、メルファー(Maillefer)、クルップ・ヴェルナー・ウント・プフライデラー(Krupp−Werner&Pfleiderer)、ライストリッツ(Leistritz)、およびブス(Buss)のような公知の供給業者からのいくつかのサイズでいくつかのタイプのものが入手可能である。好ましくは、1本または2本のスクリューを備えた押出機(それぞれは、いわゆる一軸スクリュー押出機および二軸スクリュー押出機)を使用する。より好ましくは、一軸スクリュー押出機を使用する。このようにして、ポリマー組成物を製造し、それを造形品の形態に直接成形することが可能である。これにより、本発明に係るポリマー組成物を含む造形品を製造する際の工程数が低減される。
【0011】
本発明に係る方法では、ポリマーはカルボキシル基を含む。これらのカルボキシル基は、末端基としておよび/または側基として存在しうるが、好ましくは、カルボキシル基は末端基として存在する。好適なポリマーは、当業者には周知であり、脂肪族、脂環式、または芳香族の二酸(たとえば、(コ)ポリエステルまたは(コ)ポリアミドで見られるようなテレフタル酸やアジピン酸など)を含むポリマーを包含する。さらに、カルボキシル基を含む好適なポリマーは、ラクタム(たとえば、ポリアミド6の場合はカプロラクタム)をベースとする(コ)ポリマーである。さらに、コポリマー、ブロックコポリマー、または該ポリマーのブレンドを使用することも可能である。このようにして、本発明に係る方法を用いると、式(I)で示される化合物がn=1である場合、ブロックコポリマーまたは相溶化物が製造される。ポリ(メタ)アクリル酸基のようなカルボン酸側基を有するポリマーもまた、対象となる。
【0012】
カルボキシル基を含むポリマーを供給する前に、好ましくは、ポリマーの全量を基準にして水分の含有率が0.05wt%未満になるまで、このポリマーを乾燥させる。これにより円滑な押出操作が可能になる。
【0013】
本発明に係る方法でカルボキシル基を含むポリマーを環状イミノエーテル化合物に接触させる工程は、100℃を超える温度で行われる。好ましくは、この工程は、カルボキシル基を含むポリマーの融解温度を超える温度で行われる。これはより高速反応が保証される。融解温度は、これ以降では、半結晶性ポリマーの場合、示差走査熱量測定実験において融解ピークが最大になるときの温度として定義され、アモルファスポリマーの場合、動的機械的分析時に測定されるようなガラス転移温度として定義される。プロセスを実施する温度を高くすれば、反応速度はさらに増大するであろうが、一般的には、この温度は、400℃未満、より好ましくは350℃未満で選択されるであろう。この結果として、高い反応速度と低い分解速度との良好なバランスが得られる。
【0014】
本発明に係る方法では、式(I)で示されるフェニレンオキサジンが使用される。本発明に係る方法では、式(I)で示されるフェニレンオキサジンは、カルボキシル基を含むポリマーと反応することにより、カルボキシル基の数を減少させて、ポリマー組成物を生成する。利点は、ポリマー組成物が改良された加水分解安定性を示すことである。
【0015】
式(I)においてn=0の場合、フェニレンオキサジンはフェニレンモノオキサジンと呼ばれ、n=1の場合、フェニレンオキサジンはフェニレンビスオキサジンと呼ばれ、n=2の場合、フェニレンオキサジンはフェニレントリスオキサジンと呼ばれる。
【0016】
nが少なくとも1である式(I)で示されるフェニレンオキサジンを使用する利点は、追加的に鎖延長が起こることであり、一方でnが少なくとも2であれば、追加的に分枝および/または架橋が起こる。
【0017】
分枝状のポリマー組成物は、増大された溶融強度を有する。これは、たとえば、ブロー成形またはフィルム押出により、フィルム、シート、およびロッドの形態にポリマー組成物を加工するうえで有利である。
【0018】
架橋されうるポリマー組成物は、コーティングなどに非常に好適である。この場合、ポリマー組成物は、好ましくは、式(I)で示される未反応環状イミノエーテルを残存して含む。本発明に係る方法を用いて得られるポリマー組成物中に未反応環状イミノエーテル化合物を存在させるようにするには、カルボキシル基を含むポリマーを式(I)で示される該環状イミノエーテルに接触させる工程で、短い滞留時間を用いるとともに低温(たとえば100℃近傍)を選択するようにすればよい。正確な時間および温度は、当業者であれば、常用的実験により、容易に決定しうる。
【0019】
本発明に係る方法では、反応時間は、一般的には、押出機中の滞留時間にほぼ等しい。押出機中の滞留時間は、一般的には短時間、通常は15分間未満、好ましくは5分間未満、より好ましくは3分間未満、最も好ましくは2分間未満である。これにより生産コストが削減される。押出機中の滞留時間は、未着色ポリマーペレットと共に着色ポリマーペレットを押出機のホッパーを介して供給してから着色ポリマーペレットの色が押出機出口で観察されるまでの時間を測定することにより、決定される。
【0020】
本発明に係る方法では、オキサジンの量は、広範囲にわたって選択可能であるが、一般的には、ポリマーを基準にして0.01〜10wt%の範囲が選択される。好ましくは、オキサジン基の量は、カルボン酸基の量に等しい。ビスオキサジンの場合、これは、式(I)で示されるビスオキサジンのモル量がポリマー中のカルボン酸基のモル量の半分であることを意味する。
【0021】
本発明に係る方法においてプロセス時の損失などが原因でオキサジン基の量がカルボン酸基の量よりも少なくなることがないように、場合により、等モルよりも多い濃度、たとえば、等モルよりも50%超多い濃度を選択することが可能である。本発明に係る方法を用いて得られるポリマー組成物は、改良された加水分解安定性を有するので、水(液体もしくは気体)または酸を含む環境で利用するのに非常に好適である。
【0022】
このポリマー組成物は、ポリマー製造で一般に適用される添加剤、たとえば、酸化防止剤;滑剤;着色剤;充填剤および補強剤(たとえば、ガラス繊維、カオリン、雲母);他のポリマー(たとえば、ゴム);難燃剤および二官能性反応剤(たとえば、カルボニルビスラクタム);をさらに含みうる。一般的には、本発明に係る方法を用いて得られるポリマー組成物は、造形品の形態で適用されるであろう。用途は、たとえば、製紙機中のフィルターなどのモノフィラメント;工業用の糸またはフィルム(とくに、湿潤用途および/または高温用途);車両などの冷却系の部品;酸性であるかまたは老化に伴って酸性になる流体(たとえば、油)に接触する部品(その一例は、モーター油を含むギヤーボックス中の歯車などである);に及ぶ。
【0023】
以下の比較実験および実施例を用いて、本発明についてさらに説明するが、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0024】
比較実験A
ポリエチレンテレフタレート(たとえばDSM社製のPET:25℃においてm−クレゾール(0.5g/100ml)中で測定した場合の相対粘度1.59、カルボキシル末端基=34meq/kg(滴定により測定した場合)、ヒドロキシル末端基=47meq/kg)を粉砕し、続いて、140℃において真空下(<200mbar)および窒素リーク下で48時間乾燥させた。17mmol/kgの2,2’−ビス(2−オキサゾリン)(東京化成有機化学品(Tokyo Kasei Organic Chemicals))をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、これを粉砕PET上に散布し、その後、50℃において真空(<200mbar)下で18時間にわたりTHFを蒸発させ、それにより、PET/2,2’−ビス(2−オキサゾリン)混合物を得た。この混合物を実験室用押出機に供給し、PET/2,2’−ビス(2−オキサゾリン)混合物を280℃でストランドの形態に押し出し、そしてペレットの形態に裁断した。押出機中の滞留時間は、90秒間であった。この時間の間、押出機のトルクは、添加剤を用いずにPETを押し出したときと比較して75%増大した。相対粘度は、1.76であった。これは、良好な反応速度であることを示している。カルボキシル末端基の数は、15meq/kgまで減少した。押出ペレットは変色し、黄色/帯褐色を有していた。
【0025】
比較実験Aの方法を用いると、ポリマー組成物は、良好な反応速度で生成されるが、この方法では、変色を起こしやすいポリマー組成物が得られる。
【0026】
比較実験B
2,2’−ビス(2−オキサゾリン)を使用する代わりに2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)(パルマロール・アーゲー(Palmarole AG))を使用して(17mmol/kg(PET樹脂)の量で)、比較実験Aを反復した。加工条件は、比較実験Aのときと同じに保持した。押出の間のトルクの増大(添加剤を用いずにPETを押し出したときと比較して+8%)は、ほとんど観測されなかった。
【0027】
相対粘度は、m−クレゾール中で測定した場合、1.61であり、カルボキシル末端基の数は、25meq/kgであった。押出ペレットの色は、わずかに変色して薄黄色になった。
【0028】
比較実験Bの方法を用いると、ポリマー組成物は、低い反応速度で生成され、この方法では、変色を起こしにくいポリマー組成物が得られる。
【0029】
295℃の溶融温度および135℃の成形型温度で射出成形することにより、試験棒を作製した。80℃の水に試験棒を浸漬し、浸漬時間の関数として引張り強度を測定することにより、これらの試験棒の加水分解安定性を評価した。結果を図1に示す(「PBO」と記されている)。MPa単位の引張り強度(TS)が日数単位の浸漬時間tの関数として与えられている。
【0030】
実施例1
比較実験Aを反復したが、ただし、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)を使用する代わり2,2’−p−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)を使用した(17mmol/kg(PET樹脂)の量で)。
【0031】
2,2’−p−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)を次の方法により生成させた:
20L五口丸底フラスコに、500g(3.90mol)の1,4−ジシアノベンゼン、9.75g(0.033mol)の硝酸亜鉛六水和物、および3L(39.2mol)の3−アミノ−1−プロパノールを仕込んだ。反応混合物を攪拌し、反応混合物上に窒素をパージしながら、120℃まで加熱した。115℃の温度に到達したとき、出発物質は、3−アミノ−1−プロパノールに完全に溶解する。反応混合物の温度を134℃まで上昇させ、この温度で一晩攪拌した。反応混合物の温度を82℃まで冷却させ、続いて、4.5Lの水(12M塩酸でpH4.5〜5.0の酸性にした)および8.5リットルのトルエンを添加した。20L分液漏斗を用いて溶媒を分離した。トルエン層を20L五口丸底フラスコに入れ、2.5Lの酸性化水(12M塩酸でpH4.5〜5.0にした)を添加し、得られた混合物を室温で15分間攪拌した。20L分液漏斗を用いて溶媒を分離し、高純度生成物(LC、98.5%、面積%)を含有するトルエン層を得た。
【0032】
ポリマー組成物の作製時、加工条件は、比較実験Aのときと同じに保持した。この加工の間、押出機のトルクは、添加剤を用いずにPETを押し出したときと比較して85%増大した。
【0033】
相対粘度は、m−クレゾール中で測定した場合、1.77であった。これは、良好な反応速度であることを表している。また、カルボキシル末端基の数は、10meq/kgであった。
【0034】
押出ペレットは、変色することなく、光輝色を有していた。本発明に係るこの方法を用いると、ポリマー組成物は、とくに比較実験Bと比較して改良された反応速度で生成され、この方法では、変色をほとんど起こさないポリマー組成物が得られる。
【0035】
295℃の溶融温度および135℃の成形型温度で射出成形することにより、試験棒を作製した。80℃の水に試験棒を浸漬し、浸漬時間の関数として引張り強度を測定することにより、これらの試験棒の加水分解安定性を評価した。結果を図1に示す(「PBOX」と記されている)。MPa単位の引張り強度(TS)が日数単位の浸漬時間tの関数として与えられている。
【0036】
比較実験Bのサンプルと比較して、このサンプルの引張り強度はより良好に保持されることから、より良好な加水分解安定性であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ポリマー組成物の引張り強度TS[MPa単位]が80℃の水中への液浸時間t[日数単位]の関数として示された加水分解試験の結果を表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基を含むポリマーを環状イミノエーテル化合物に接触させる工程を含む、ポリマー組成物の調製方法であって、
該環状イミノエーテル化合物が、式(I)
【化1】


〔式中、
R=式(II)
【化2】


で示されるオキサジン基
n=0、1、2、3、4、または5〕
で示されるフェニレンオキサジンであることと、
100℃を超える温度で押出機中で該ポリマーを該オキサジンに接触させることと、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ポリマーが、(コ)ポリアミド、(コ)ポリエステル、またはそれらのブレンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記押出機が、一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記押出機が一軸スクリュー押出機である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オキサジンが2,2’−フェニレン−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記オキサジンの濃度が、前記ポリマーの量を基準にして0.01〜5wt%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
水性環境もしくは酸性環境での用途におけるまたはコーティングにおける、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法を用いて得られるポリマー組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−505982(P2007−505982A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527927(P2006−527927)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000645
【国際公開番号】WO2005/028541
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】