説明

ポンプ式粘性物押し出し容器

【課題】従来の粘性体入りの容器は中身を出す際に、使いきりづらく、中身の量に伴い容器形状が変化する。外面形状を変化させず、内容物を全量吐出する。
【解決手段】粘性体入り容器3を包むように外容器1を装着し、外容器1を押すことで、外容器内2を高圧にし、粘性体入り容器3から粘性体4を排出することができ、押し出し後、外容器1自体の復元性、弁の作用により外容器1の形状を押し出し前に戻し、粘性体4を使いきる時まで使用者に対して同じ外装形状を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粘性体を押し出す容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粘性体入りの容器から粘性体を出す際には、手による圧力で押し出す、容器を挟む器具、管によって吸い上げるポンプを用いるものの他、エアーポンプ式チューブ容器搾り出し装置、空気孔を設けた2重チューブ容器を用いるものがある。
【特許文献1】 特開2000−264349
【特許文献2】 特開平11−314655
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、手で押し出す際において、容器を持つままに圧力をかけると使いきることが難しく、使用後に容器内に空気が補充される形状のもので容器上部に押し出し口のあるものは、粘性体の量が少なくなると押し出し口まで粘性体を移動するまで時間がかかることがある。また、容器を挟む器具を用いても、持ちづらく、容器形状を破損することもある。管付きのポンプによるものは、容器を傾けると中身が管先から外れて機能しなくなることがある。エアーポンプ式チューブ容器搾り出し装置では押し出し操作の他にエアーの補充操作が必要である。空気孔を設けた2重チューブ容器では、押し出し時に容器を持つ位置を制限されていた。そこで、本発明は粘性体の押し出し操作に、押す操作のみにより、容器形状を破損することなく、容器保管時の向きも問わず、持ちやすさを保つたまま使い切ることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1は、外部からの仕事によって容器が変形し、容器内部の圧力を変えることが可能な容器(以下、外容器と表記)に仕事を与え、変化した外容器内部の圧力を利用して外容器内部に装着した粘性体入りの容器(以下、内容器と表記)から粘性体を外容器の外部に押し出し、押し出し後、外容器は容器自体の復元性によって仕事を与える前の形状に戻り、低圧となった外容器内部に気体、もしくは液体を1つ、もしくは複数の外容器に設けた弁の働きにより自然に補充することを可能にするものである。
【0005】
請求項2は、外容器自体の粘弾性、もしくは粘弾性体によるパッキンによる密閉が可能な接合部を持ち、請求項1記載の容器を複数に分けることを可能にする容器である。請求項3は、弁の働きによって外容器内部に補充される気体、もしくは液体を保管する場所を設けた容器である。請求項4は、一部、もしくは全てを透明とした容器である。請求項5は、押し出した粘性体、もしくは外容器の外部に存在したものを、弁の働きにより、内容器への進入を阻害できる内容器である。請求項6は、管の外側円筒面に、接合面が外側を向くように、管の周りを密閉可能なファスナーの一部を備え付けたものと、密閉可能なファスナーとを合わせることにより、ファスナーが閉まっているときも管内のみ輸送可能とする装置である。
【発明の効果】
【0006】
外容器に外部から仕事を与えると、外容器内部の圧力が変化し、内容器の外容器内の部位に均一に圧力をかけて、内容器内の粘性体を外部に押し出す。これにより、内容器への部分的に与えた圧力による内容器の破損を防ぐことを可能にする。外部から外容器に仕事を与える際に外容器に設けた弁は閉じるが、仕事後、外容器自体の復元性により低圧となった外容器内部に気体、もしくは液体が補充される際は、弁は開く。これにより、外容器は粘性体の残量に関係なく使用時に同じ容器外装を保つことが出来る。
【0007】
外容器を容器自体の粘弾性、もしくは粘弾性体によるパッキンによる密閉が可能な接合部で分ける事により、内容器の着脱を行うことができる。請求項3により、外容器内部が外部と異なる気体、もしくは液体で満たされている際でも、外容器に仕事を与えた後、外容器内への気体、もしくは液体の補充を可能にするものである。請求項4に記載されている発明により、外容器の一部、もしくは全てを透明にすることで、内容器の形状を、外容器の外から確認することが出来る。請求項5に記載されている発明により、内容器内の粘性体への汚染を防ぐと共に、内容器内が粘性体のみに満たされるため、外容器の保管時の向きを変えても、外容器に仕事を与えた時に、内容器から粘性体以外のものが出ないことを可能にする。請求項6により、詰め替え用の内容器の開封口が請求項2記載の外容器にそのまま装着出来ない形状のものでも、内容器の出口を外容器外部につなげることを可能にするものである。
【発明の実施するための最良の形態】
【0008】
発明の一実施形態を、図1に示す。外容器1に外部から仕事を与えると、外容器内部2が高圧となり、内容器3の外容器内2に存在する部分に均一に圧力をかけて、粘性体4を外容器1外部に押し出す。外部から外容器1に仕事を与える際に外容器1に設けた弁8は閉じるが、仕事後、外容器1自体の復元性により低圧となった外容器内部2に外部から気体、もしくは液体が補充される際に、弁8は開く。これにより、外容器1は粘性体4の残量に関係なく使用時に同じ容器外装を保つことを可能にするものである。弁8の形状は、弾性体の管によるものでもよい。
【0009】
請求項2に記載されている発明の一実施形態を図3に示す。内容器3を取り替えることができ、外容器1を複数回使用することを可能にするものである。接合部に、弾性体のパッキンを用いたものでもよい。
【0010】
請求項3に記載されている発明の一実施形態を図5に示す。外部が気体であるときでも外容器内部2に液体を満たすことを可能にし、外容器内部2の圧力変化を容易にするものである。また、外容器内部2に粘性体4によって着色効果のある物質を満たしておくことで、内容器3の漏れを知ることを可能にする。
【0011】
外容器1の一部、もしくは全てを透明にすることで、内容器3内の粘性体4の残量を外部から把握することを可能にするものである。
【0012】
請求項5に記載されている発明の一実施形態を図7に示す。これにより、内容器3内の粘性体4への外容器の外部からの汚染を防ぐと共に、内容器3内が粘性体4のみに満たされているため、外容器1の保管時においての向きを変えても粘性体の押し出しを容易にするものである。弁に弾性体の管を用いてもよい。
【0013】
請求項6に記載されている発明の一実施形態を図8に示す。密封可能なファスナー59で、詰め替え用容器の開口部58を閉じる際に、符号59と噛合う外向きのファスナーの一部を備えた管61を開口部58内で挟み込むことで、詰め替え用容器内の粘性体が管内でのみの輸送を可能とする。図4の符号53と合う符号62の接合面により、詰め替え容器を外容器に取り付けることをかのおうにするものである。図8で示した管つき詰め替え容器を内容器とし、請求項5に記載されている弁を設けてもよい。
【実施例】
【0014】
図2、図8の実施形態によれば、詰め替え用の洗剤を使用する際に、詰め替え用袋に図8の装置を取り付け、図2の実施形態をとることで、容器に移す工程を容易にする。詰め替え用袋に図2の実施形態をとれるキャップをしておいたものを準備してもよい
【産業上の利用可能性】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、ボディーソープ、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの洗剤、マヨネーズ、ケチャップ、ソースなど調味料、化粧品、グリース、油、糊など、粘性体を容器から押し出す際において、広く利用することが可能である。また、従来は、容器外装のデザインが粘性体を排出しやすい形状に制限されていたが、本発明により、容器外装となる外容器の形状のデザインの幅を広げるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す垂直断面図である。
【図2】図1中のX−X水平断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す垂直断面図である。
【図4】図3の拡大断面図である。
【図5】本発明の他の施形態を示す垂直断面図である。
【図6】図5中のY−Y水平断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す垂直断面図である。
【図8】本発明に使用する装置の一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 外容器の本体
2、12、22、32 外容器の内部
3、13、23、33 粘性体入りの内容器の本体
4、14、24、34 粘性体
5、15、25、35 符号3で示した容器の内容物排出口
6、16、26、36 符号1で示した容器の一部であり、符号5と密着する部分
7、17、27、37 符号1で示した容器に開けた穴。
8、18、28、38 開閉弁。
51 雄ネジ
52 雌ネジ
53 雌ネジ
54 雄ネジ
55 復元性能が外容器より低い容器
56 外容器内部の補充用物質
57 開閉弁
58 詰め替え用容器の開口部
59 内側を密封可能なファスナー
60 符号59と噛合う外向きのファスナーの一部
61 管
62 雄ネジ
63 紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの仕事によって内部の圧力を変えることが可能であり、この圧力を利用して容器内部に装着した粘性体入りの容器から粘性体を外部に押し出し、押し出し後、容器自体の復元性によって仕事を与える前の形状に戻り、低圧となった容器内部に気体、もしくは液体を弁の働きにより自然に補充できることを特徴とする容器。
【請求項2】
密閉が可能な接合部を持ち、複数に分けることが可能であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
弁の働きによって補充される気体、もしくは液体を保管する場所を設けたことを特徴とする請求項1、もしくは請求項2記載の容器。
【請求項4】
透明である部位をもつことを特徴とする請求項1、ないし請求項3記載のいずれかの容器。
【請求項5】
弁を設けて、粘性体の移動方向を制限した、請求項1、ないし請求項4記載のいずれかの容器に使用する粘性体入りの容器。
【請求項6】
管の外側の円筒面に、接合面が外側を向くように、密閉可能なファスナーの一部を備え付けたものと、密閉可能なファスナーとを合わせることにより、ファスナーが閉じたときでも管内のみ輸送可能とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−222306(P2008−222306A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106532(P2007−106532)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(501017073)
【Fターム(参考)】