説明

ポータブル型ディスク再生装置

【課題】 確実に電力消費を低減することができるポータブル型ディスク再生装置を提
供する。
【解決手段】 ディスクDを再生する再生部10と、各部に電源を供給するバッテリ1
3とを有し、携帯してディスクを再生可能なポータブル型ディスク再生装置1において、
ディスクDに記録された本編の再生を検出する本編検出手段を有し、本編の再生終了時に
電源を停止する省電力モードを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを再生する携帯可能なポータブル型ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリを搭載して携帯しながらディスクを再生可能なポータブル型ディスク再生装置
は、バッテリの消費を抑制する必要がある。特許文献1にはバッテリの消費を抑制できる
ディスク再生装置が開示されている。このディスク再生装置は、ディスクの再生信号を監
視して再生信号がなくなったことを検出すると電源を停止する。これにより、無駄な電力
消費を防止することができるようになっている。
【特許文献1】実開昭64−24561号公報(第6頁−第7頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
DVD等のディスクには映画等の本編とメイキング場面等のボーナストラック等から成
る複数のタイトルが記録されるとともに、言語等の初期設定を行う設定画面が記録されて
いる。このため、タイトルの再生停止時には次の所望の処理を開始するためにメニュー画
面が表示される。従って、上記特許文献1に開示されたディスク再生装置によると、各タ
イトルの再生を停止しても再生信号が出力されるため電源が停止されず、電力消費を抑制
することができない問題があった。
【0004】
本発明は、確実に電力消費を低減することができるポータブル型ディスク再生装置を提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、ディスクを再生する再生部と、前記再生部から出
力される映像を表示する表示部と、各部に電源を供給するバッテリとを有し、携帯してデ
ィスクを再生可能なポータブル型ディスク再生装置において、ディスクに記録された最も
時間の長いタイトルを本編と判断して本編の再生を検出する本編検出手段を有し、前記バ
ッテリによる駆動時に本編の再生が終了すると電源を停止する省電力モードを設けるとと
もに、前記省電力モードにより本編の再生終了後電源を停止するまでの時間を設定する時
間設定手段を設けたことを特徴としている。
【0006】
この構成によると、バッテリの駆動によってディスクに記録された情報が再生部により
再生され、表示部に映像が表示される。ディスクには映画等の本編やメイキング場面等が
記録され、本編検出手段によってディスクに記録された最も時間の長いタイトルが本編と
判断される。バッテリにより駆動されている間は省電力モードに設定され、本編検出手段
により検出された本編の再生が終了すると時間設定手段によりユーザ設定された所定時間
の経過後にポータブル型ディスク再生装置の電源が停止される。時間設定手段によって本
編の再生終了と同時に電源を停止してもよい。
【0007】
また本発明は、上記構成のポータブル型ディスク再生装置において、ディスクを再生す
る再生部と、各部に電源を供給するバッテリとを有し、携帯してディスクを再生可能なポ
ータブル型ディスク再生装置において、ディスクに記録された本編の再生を検出する本編
検出手段を有し、本編の再生終了時に電源を停止する省電力モードを設けたことを特徴と
している。
【0008】
この構成によると、バッテリの駆動によってディスクに記録された情報が再生部により
再生される。ユーザ操作またはバッテリ装着の検知等によって省電力モードに設定される
と、本編検出手段により検出された本編の再生が終了するとポータブル型ディスク再生装
置の電源が停止される。尚、ディスクには映画等による映像データ及び音声データが記録
されていてもよく、音楽等による音声データのみ記録されていてもよい。
【0009】
また本発明は、上記構成のポータブル型ディスク再生装置において、前記省電力モード
時に本編の再生終了後電源を停止するまでの時間を設定する時間設定手段を設けたことを
特徴としている。この構成によると、本編の再生が終了すると時間設定手段によりユーザ
設定された所定時間の経過後にポータブル型ディスク再生装置の電源が停止される。
【0010】
また本発明は、上記構成のポータブル型ディスク再生装置において、前記バッテリによ
り駆動した時に前記省電力モードに設定されることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成のポータブル型ディスク再生装置において、前記本編検出手段
はディスクに記録された最も時間の長いタイトルを本編と判断することを特徴としている

【0012】
また本発明は、上記構成のポータブル型ディスク再生装置において、前記本編検出手段
はディスクに記録された所定のタイトル番号のタイトルを本編と判断することを特徴とし
ている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、バッテリによる駆動時に本編の再生が終了すると再生信号があっても
電源を停止する省電力モードを設けたので、ポータブル型ディスク再生装置の電力消費を
確実に低減することができる。
【0014】
また本発明によると、省電力モード時に本編の再生終了後電源を停止するまでの時間を
設定する時間設定手段を設けたので、本編の再生終了後ユーザ操作により継続して使用す
ることもでき、ポータブル型ディスク再生装置の使い勝手が向上する。
【0015】
また本発明によると、バッテリにより駆動した時に省電力モードに設定されるので、省
電力モードに切り替える操作を必要とせず、ポータブル型ディスク再生装置の使い勝手が
より向上する。
【0016】
また本発明によると、本編検出手段はディスクに記録された最も時間の長いタイトルを
本編と判断するので、本編の再生を容易に検出することができる。
【0017】
また本発明によると、本編検出手段はディスクに記録された所定のタイトル番号のタイ
トルを本編と判断するので、本編の再生を容易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態のポータブル
型ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。ポータブル型ディスク再生装置1は
各部を制御する制御部2を有している。制御部2には復調部5、駆動部6、デコーダ7、
記憶装置8、操作部9、バッテリ13が接続される。
【0019】
駆動部6はディスクDに書き込まれた情報を読み取る光ピックアップ3を駆動する。光
ピックアップ3にはRFアンプ4が接続され、RFアンプ4には復調部5が接続される。
RFアンプ4は光ピックアップ3で検出された高周波の検出信号を増幅する。復調部5は
RFアンプ4で検出された検出信号からデータを復調する。
【0020】
制御部2に接続されるデコーダ7は復調部5により復調されたデータを復号化する。デ
コーダ7には出力部11が接続され、復号化されたデータが出力される。出力部11には
画像を表示する表示部12及びスピーカ(不図示)が接続されている。従って、光ピック
アップ3、RFアンプ4、復調部5、制御部2、デコーダ7、出力部11、表示部12及
びスピーカによりディスクDに書き込まれた映像データ及び音声データを再生する再生部
10が構成されている。
【0021】
制御部2に接続される操作部9はポータブル型ディスク再生装置1の本体部または本体
部と通信可能なリモートコントローラ(不図示)に設けられ、ユーザ操作によって制御部
2に対して各種指示を行う。記憶装置8はEEPROMやRAM等から成り、ポータブル
型ディスク再生装置1を駆動するプログラムを格納するとともに、制御部2の演算結果等
を一時記憶する。
【0022】
バッテリ13は充電することができ、制御部2を介して各部に電源を供給してポータブ
ル型ディスク再生装置1を携帯して駆動できるようになっている。また、家庭用電源を接
続してポータブル型ディスク再生装置1を駆動することもできるようになっている。
【0023】
図2はポータブル型ディスク再生装置1の動作を示すフローチャートである。ポータブ
ル型ディスク再生装置1の電源を投入すると記憶装置8に格納されたプログラムが起動す
る。ステップ#11では操作部9に設けられた省電力スイッチがオンになっているか否か
が判断される。省電力スイッチがオフの場合はステップ#13に移行する。
【0024】
省電力スイッチがオンの場合はステップ#12で省電力モードが設定される。省電力モ
ードにより例えば、表示部12の光量を下げて電力の消費を抑制するようになっている。
ステップ#11でバッテリ13を装着しているか否かを判断してバッテリ13の装着時に
省電力モードを設定してもよい。これにより、省電力スイッチの操作を必要とせず、ポー
タブル型ディスク再生装置1の使い勝手が向上する。
【0025】
ステップ#13ではメニュー画面を表示するか否かが判断される。ディスクDに書き込
まれた設定によってメニュー画面を表示しない場合はステップ#16に移行する。メニュ
ー画面を表示する場合はステップ#14で表示部12にメニュー画面を表示する。ステッ
プ#15では映画等の本編やメイキング場面等のボーナストラックのタイトルの再生が選
択されたか否かが判断される。いずれかのタイトルの再生が選択された場合はステップ#
16に移行する。
【0026】
タイトルの再生が選択されない場合は、ステップ#22で電源オフの操作が行われたか
否かが判断される。電源オフの操作が行われない場合はステップ#14に戻り、ステップ
#14、#15、#22が繰り返し行われてユーザ操作を待機する。尚、メニュー画面に
は言語設定の選択項目が表示され、言語設定の選択項目を選択すると言語の設定を行うこ
とができるようになっている。
【0027】
ステップ#16では選択された映画等の本編またはボーナストラックから成るタイトル
の再生が行われる。また、メニュー画面を表示しなかった場合は自動的に本編の再生が行
われる。ステップ#17では再生中のタイトルが最も再生時間の長いタイトルか否かが判
断される。最も再生時間の長いタイトルでない場合はステップ#19に移行し、最も再生
時間の長いタイトルの場合はステップ#18に移行する。
【0028】
ステップ#18では、再生時間が最も長いタイトルが通常本編になっているため、本編
の再生中であることが記憶装置8に記憶される。これにより、本編の再生中か否かを検出
する本編検出手段が構成されている。尚、ディスクDには通常本編のタイトル番号が「1
」と記録されるので、タイトル番号が「1」等の所定の番号の場合に本編の再生と判断し
てもよい。
【0029】
ステップ#19ではタイトルの再生終了を待機する。タイトルの再生が終了するとステ
ップ#20で記憶装置8を参照して本編の再生であったか否かを判別する。本編の再生で
なかった場合はステップ#22に移行する。本編の再生であった場合はステップ#21で
省電力モードか否かを判別する。省電力モードでない場合はステップ#22に移行する。
【0030】
ステップ#22では電源オフの操作が行われたか否かが判断される。電源オフの操作が
行われない場合はステップ#14に戻ってメニュー画面が表示される。電源オフの操作が
行われた場合はステップ#23で電源がオフされ、終了する。また、ステップ#21の判
断により省電力モードの場合はステップ#23に移行し、直ちに電源をオフにして終了す
る。
【0031】
本実施形態によると、省電力モード時に本編の再生が終了すると、メニュー画面を表示
する再生信号の出力があっても電源を停止するので、ポータブル型ディスク再生装置の電
力消費を確実に低減することができる。
【0032】
次に、図3は第2実施形態のポータブル型ディスク再生装置1の動作を示すフローチャ
ートである。本実施形態のポータブル型ディスク再生装置1は第1実施形態と同様に構成
され、同図においてステップ#30のタイマー計時処理が設けられている。その他の部分
は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0033】
ステップ#21で省電力モードであると判断した場合にはステップ#30に移行し、図
4に示すタイマー計時処理が呼び出される。タイマー計時処理のステップ#31では本編
の再生が終了すると直ちに制御部2に設けたタイマーが計時を開始する。ステップ#32
では操作部9によるユーザ操作が行われた否かが判断される。
【0034】
ユーザ操作が行われない場合はステップ#33でタイマーの計時が所定時間が経過した
か否かが判断される。この所定時間は制御部2により動作する時間設定手段によって予め
ユーザにより例えば0秒〜10秒に設定されている。所定時間が経過しない場合はステッ
プ#32に戻り、所定時間が経過するまでユーザ操作の有無を判別しながら待機する。
【0035】
所定時間の経過前にユーザ操作が行われるとステップ#34に移行して操作に基づいた
処理が行われる。ユーザ操作が行われずに所定時間が経過すると図3のステップ#23に
移行して電源をオフにして終了する。
【0036】
本実施形態によると、省電力モード時に本編の再生終了後電源を停止するまでの時間を
設定できるので、本編の再生終了後直ちに電源を停止することができるとともにユーザ操
作により継続してポータブル型ディスク再生装置1を使用することもできる。従って、ポ
ータブル型ディスク再生装置1の使い勝手がより向上する。尚、時間設定手段により上記
所定時間を0秒に設定することにより第1実施形態と同一の動作が行われる。
【0037】
第1、第2実施形態において表示部12を設けているが、別途設けた表示装置に接続し
て映像を見ることのできるポータブル型ディスク再生装置であってもよい。また、映像デ
ータを記録しないディスクDを再生して音声データのみを出力するポータブル型ディスク
再生装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、DVD、Video−CD、HD DVD(登録商標)、ブルーレイディス
ク等の映像データと音声データとを記録したディスクや、CD等の音声データのみを記録
したディスクを再生するディスク再生装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態のポータブル型ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態のポータブル型ディスク再生装置の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の第2実施形態のポータブル型ディスク再生装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第2実施形態のポータブル型ディスク再生装置のタイマー計時処理の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0040】
1 ポータブル型ディスク再生装置
2 制御部
3 光ピックアップ
4 RFアンプ
5 復調部
6 駆動部
7 デコーダ
8 記憶装置
9 操作部
10 再生部
11 出力部
12 表示部
13 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを再生する再生部と、前記再生部から出力される映像を表示する表示部と、各
部に電源を供給するバッテリとを有し、携帯してディスクを再生可能なポータブル型ディ
スク再生装置において、ディスクに記録された最も時間の長いタイトルを本編と判断して
本編の再生を検出する本編検出手段を有し、前記バッテリによる駆動時に本編の再生が終
了すると電源を停止する省電力モードを設けるとともに、前記省電力モードにより本編の
再生終了後電源を停止するまでの時間を設定する時間設定手段を設けたことを特徴とする
ポータブル型ディスク再生装置。
【請求項2】
ディスクを再生する再生部と、各部に電源を供給するバッテリとを有し、携帯してディ
スクを再生可能なポータブル型ディスク再生装置において、ディスクに記録された本編の
再生を検出する本編検出手段を有し、本編の再生終了時に電源を停止する省電力モードを
設けたことを特徴とするポータブル型ディスク再生装置。
【請求項3】
前記省電力モード時に本編の再生終了後電源を停止するまでの時間を設定する時間設定
手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載のポータブル型ディスク再生装置。
【請求項4】
前記バッテリにより駆動した時に前記省電力モードに設定されることを特徴とする請求
項2または請求項3に記載のポータブル型ディスク再生装置。
【請求項5】
前記本編検出手段はディスクに記録された最も時間の長いタイトルを本編と判断するこ
とを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポータブル型ディスク再生装置。
【請求項6】
前記本編検出手段はディスクに記録された所定のタイトル番号のタイトルを本編と判断
することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポータブル型ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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