説明

ポーラログラフ式濃度計

【課題】測定精度の向上、測定時間の短縮化等の利便性を高めたポーラログラフ式濃度計を提供する。
【解決手段】インピーダンス低減回路7において電極群(CRE及びWE)間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減しつつ、センサー部2において検査対象中における特定物質濃度に対する反応による電流が生じ、特定物質濃度変換手段10aにおいてこの電流に基づいて検査対象中における特定物質濃度に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知対象の液相や気相状態のイオンやガス成分の濃度を測定するポーラログラフ式濃度計に関する。
【背景技術】
【0002】
検知対象の液相や気相状態のイオンやガス成分の濃度を測定する濃度計の一種として、異種の金属で形成された一対の電極を有し、これら一対の電極を検査対象の液体中に浸け、電極表面で残留塩素が還元される際に電極間に発生する起電力から液体中の塩素濃度を検査する塩素計が従来より開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示される塩素計は、一対の電極の内の一方が白金線、他方が銀線にて形成され、銀線からなる電極には液体中に浸けられる部位に塩化銀被膜が形成されており、これら一対の電極でセンサー部を構成している。そして、このセンサー部を検査対象の液体中(例えば、水道水)に浸けると、電極の表面で液体中の塩素が還元されることによって電極間に電流が流れ、液体中の塩素濃度に応じた起電力が発生するので、この起電力から塩素濃度を求めるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−214220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる塩素計は、金属による電極と被験液との反応の不安定さに拠るところから、電極に発生する電位のある物質濃度の非直線性及び繰り返し性に劣り、かつ、測定時間を要するといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の問題点を解決することを目的とするもので、測定精度の向上、測定時間の短縮化等の利便性を高めたポーラログラフ式濃度計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のポーラログラフ式濃度計は、特定電圧を印加する電圧印加回路と、前記電圧印加回路から特定電圧が印加された際における検査対象中での反応による電流を出力する電極群を有するセンサー部と、前記電極群間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減するインピーダンス低減回路と、前記インピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際における前記センサー部から出力される電流を検査対象中における特定物質濃度に変換する特定物質濃度変換手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記検査対象が液体である場合において、前記電極群のうちのいずれかの電極との間に生ずる前記液体の導電率を測定する導電率測定手段を更に備え、前記特定物質濃度変換手段は、前記導電率測定手段により測定した導電率に応じて前記センサー部から出力される電流を前記液体中における特定物質濃度に変換することを特徴とする。
【0009】
また、前記検査対象が液体である場合において、前記特定物質濃度変換手段により特定物質濃度に変換を開始する前である待機段階中に、前記電極群のうちのいずれかの電極との間で、前記センサー部が前記液体中に浸かっていることを測定する水没測定手段と、前記水没測定手段による待機段階中での測定の間、前記インピーダンス低減回路を非接続状態へと切替えている低減回路切替手段とを更に備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記電極群は、前記電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極兼参照極と、前記対極兼参照極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、前記インピーダンス低減回路は、対極兼参照極と各々の作用極との間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減し、前記面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、前記インピーダンス低減回路は、対極と各々の作用極との間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減し、前記面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記電圧印加回路は、検査対象中の特定物質だけと前記電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、前記電極群は、前記ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極兼参照極と、前記対極兼参照極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする。
【0013】
また、前記電圧印加回路は、検査対象中の特定物質だけと前記電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする。
【0014】
また、前記電圧印加回路は、検査対象中の特定対象だけと前記電極群が反応するような基礎電圧及び検査対象中に生ずる参照電圧を入力し、特定電圧を出力するポテンションスタットから成り、前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記ポテンションスタットから出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする。
【0015】
また、前記電圧印加回路から特定電圧を印加する際に生じるオフセット電流を校正するオフセット電流校正手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記インピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際における前記センサー部から出力される電流を増幅する電流増幅回路と、前記電流増幅回路による電流の増幅率を制御する増幅率制御手段とを更に備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記電圧印加回路は、印加する特定電圧が可変し、複数の濃度の中から特定物質濃度を選択するための選択手段と、前記選択手段により選択された特定物質濃度に対応して前記電極群が検査対象中で反応を起こすような特定電圧を前記電圧印加回路から発生させるために可変制御する特定電圧制御手段とを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のポーラログラフ式濃度計は、インピーダンス低減回路において電極群間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減しつつ、センサー部において検査対象中における特定物質濃度に対する反応による電流が生じ、特定物質濃度変換手段においてこの電流に基づいて検査対象中における特定物質濃度に変換する。これにより、インピーダンス低減回路に電流が流れ、電極間に生ずるインピーダンスが低くなり、安定した反応をすることから、非直線性、繰り返し性が向上し、測定時間が短縮するといった利点を有するものとなる。
【0019】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、導電率測定手段において液体の導電率を測定手段で測定し、特定物質濃度変換手段においてこの測定した導電率に応じた検査対象中の特定物質濃度に変換する。これにより、液体の導電率が異なること(すなわち、イオン濃度及び活性種の量が異なること)による反応(酸化還元力)への影響が補正されることから、より正確となるといった利点を有するものとなる。
【0020】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、水没測定手段において待機段階中に、センサー部が液体中に浸かっていることを測定し、低減回路切替手段において水没測定手段による待機段階中での測定の間、インピーダンス低減回路を非接続状態へと切替えている。これにより、待機段階中、インピーダンス低減回路が非接続状態であるため、電極間に電流が流れず、電極は化学反応を起こさないことから、電極の寿命が高まるといった利点を有するものとなる。
【0021】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、作用極切替手段において、検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える。これによるり、面積の大きな作用極面積よりも反応スピードの速い面積の小さな作用極により反応段階における途中まで測定したのち面積の大きな作用極面積にて測定することから、測定時間が更に短縮するといった利点を有するものとなる。
【0022】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、オフセット電流校正手段において電圧印加回路から特定電圧を印加する際に生じるオフセット電流を校正したり、電流増幅回路においてセンサー部から出力される電流を増幅しつつ、増幅率制御手段においてこの電流の増幅率を制御したりする。これにより、正確な特定電圧がセンサー部に印加されて検査対象(液体、気体)中における特定物質濃度に対して正確な反応をしたり、広範囲の反応に対する電流増幅を可能とすることから、より正確になり、また、測定範囲が広いといった利点を有するものとなる。
【0023】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、特定電圧制御手段において選択手段により選択した特定物質濃度に対応して電極群が検査対象中で反応を起こすような特定電圧を電圧印加回路から発生させるために基礎電圧を可変制御する。これにより、検査対象中における複数の特定物質濃度を測定できることから、広範囲に利用可能で利便性が高いといった利点を有するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のポーラログラフ式濃度計は、電圧印加回路、センサー部、インピーダンス低減回路及び特定物質濃度変換手段から構成する。
【0025】
電圧印加回路は、検査対象(液体、気体)中における特定物質濃度に対してセンサー部が反応するような特定電圧を印加する。
【0026】
センサー部は、電圧印加回路から特定電圧が印加された際における検査対象中での反応による電流を出力する電極群を有する。
【0027】
インピーダンス低減回路は、電極群間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減する。
【0028】
特定物質濃度変換手段は、インピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際におけるセンサー部から出力される電流を検査対象中における特定物質濃度に変換する。
【0029】
このように構成したポーラログラフ式濃度計は、電圧印加回路において検査対象中における特定物質濃度に対してセンサー部が反応するような特定電圧を印加すると、インピーダンス低減回路において検査対象中のインピーダンスを低減しつつ、センサー部において検査対象中における特定物質濃度に対する反応による電流が生じ、特定物質濃度変換手段においてこの電流に基づいて検査対象中における特定物質濃度に変換する。すなわち、特定物質濃度の測定を行う。これによると、インピーダンス低減回路に電流が流れ、電極間に生ずるインピーダンスが低くなり、安定した反応をする。したがって、本発明のポーラログラフ式濃度計は、非直線性、繰り返し性が向上し、測定時間が短縮するといった利点を有するものとなる。
【0030】
ここで、非直線性が向上する点についてを、図13のグラフを用いて簡単に説明する。図13(a)は、インピーダンス低減回路が非接続状態の際におけるセンサー部からの出力電流を縦軸、特定物質濃度変換手段で変換する特定物質濃度(ここでは、残留塩素濃度)を横軸とし、測定したときの結果を示す。図13(b)、(c)は、インピーダンス低減回路((b)の場合と(c)の場合とでは負荷定数が異なる)が接続状態の際におけるセンサー部からの出力電流を縦軸、特定物質濃度変換手段で変換する特定物質濃度(ここでは、残留塩素濃度)を横軸とし、測定したときの結果を示す。これら図に示されるように、非直線性は、インピーダンス低減回路を接続状態とすると向上し、更には、インピーダンス低減回路の負荷定数(抵抗値)の大きさに従っても向上する。
【0031】
また、繰り返し性が向上する点についてを、図16のグラフを用いて簡単に説明する。図16(a)は、インピーダンス低減回路が非接続状態の際におけるセンサー部からの出力電流を縦軸、特定物質濃度変換手段で変換する特定物質濃度(ここでは、残留塩素濃度)を横軸とし、複数回繰り返して測定したときの結果を示す。図16(b)、(c)は、インピーダンス低減回路((b)の場合と(c)の場合とでは負荷定数が異なる)が接続状態の際におけるセンサー部からの際の出力電流を縦軸、特定物質濃度変換手段で変換する特定物質濃度(ここでは、残留塩素濃度)を横軸とし、複数回繰り返して測定したときの結果を示す。これら図に示されるように、繰り返し性は、インピーダンス低減回路を接続状態とすると向上し、更には、インピーダンス低減回路の負荷定数(抵抗値)の大きさに従っても向上する。
【0032】
更に、測定時間が短縮する点についてを、図17のグラフを用いて簡単に説明する。図17(a)は、インピーダンス低減回路が非接続状態の際におけるセンサー部からの出力電流を縦軸、測定時間を横軸とし、測定したときの結果を示す。図17(b)、(c)は、インピーダンス低減回路((b)の場合と(c)の場合とでは負荷定数が異なる)が接続状態の際におけるセンサー部からの際の出力電流を縦軸、測定時間を横軸とし、測定したときの結果を示す。これら図に示されるように、測定時間は、インピーダンス低減回路を接続状態とすると短縮し、更には、インピーダンス低減回路の負荷定数(抵抗値)の大きさに従っても短縮する。
【0033】
なお、後述する実施例1において、このように構成したポーラログラフ式濃度計についての具体的な説明をする。
【0034】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、検査対象が液体である場合には、電極群のうちのいずれかの電極との間に生ずる液体の導電率を測定する導電率測定手段を更に備え、上述の特定物質濃度変換手段が、この前記導電率測定手段により測定した導電率に応じて上述のセンサー部から出力される電流を液体中の特定物質濃度に変換するといったものとしてもよい。
【0035】
このように構成したポーラログラフ式濃度計は、液体の導電率を導電率測定手段で測定し、上述のセンサー部から出力される電流を、この測定した導電率に応じた検査対象中の特定物質濃度に特定物質濃度変換手段により変換する。これによると、液体の導電率に応じた特定物質濃度を得ることができる。したがって、本発明のポーラログラフ式濃度計は、液体の導電率が異なること(すなわち、イオン濃度及び活性種の量が異なること)による反応(酸化還元力)への影響が補正され、より正確となるといった利点を有するものとなる。
【0036】
ここで、正確となる点についてを、図18のグラフを用いて簡単に説明する。図18は、センサー部からの出力電流を縦軸、インピーダンス低減回路の負荷定数(抵抗値)を横軸とし、測定したときの結果を示す。この図に示されるように、このばらつきは、インピーダンス低減回路を接続状態とすると少なくなり、更には、インピーダンス低減回路の負荷定数(抵抗値)の大きさに従っても少なくなる。
【0037】
なお、後述する実施例3において、このように構成した酸化還元電位計についての具体的な説明をする。
【0038】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、検査対象が液体である場合には、上述の特定物質濃度変換手段により特定物質濃度に変換を開始する前である待機段階中に、上述の電極群のうちのいずれかの電極との間で、上述のセンサー部が液体中に浸かっていることを測定する水没測定手段と、この水没測定手段による待機段階中での測定の間、上述のインピーダンス低減回路を非接続状態へと切替えている低減回路切替手段とを更に備えるといったものとしてもよい。
【0039】
このように構成したポーラログラフ式濃度計は、水没測定手段において待機段階中に、センサー部が液体中に浸かっていることを測定し、低減回路切替手段において水没測定手段による待機段階中での測定の間、インピーダンス低減回路を非接続状態へと切替えている。これによると、待機段階中、インピーダンス低減回路が非接続状態であるため、電極間に電流が流れず、電極は化学反応を起こさない。したがって、本発明のポーラログラフ式濃度計は、電極の寿命が高まるといった利点を有するものとなる。
【0040】
ここで、電極の寿命が高まる点についてを、図19のグラフを用いて簡単に説明する。図19は、センサー部からの出力電流を縦軸、水没経過時間を横軸とし、測定したときの結果を示す。この図に示されるように、インピーダンス低減回路が接続状態である場合には、水没経過時間に従って電極の反応による劣化が起こり電極間に流れる電流が変化することから、待機段階中に、インピーダンス低減回路を非接続状態に常にすることで、電極の寿命が高まる。
【0041】
なお、後述する実施例4において、このように構成したポーラログラフ式濃度計についての具体的な説明をする。
【0042】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、上述の電極群が、上述の電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極兼参照極と、この対極兼参照極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、上述のインピーダンス低減回路が、対極兼参照極と各々の作用極との間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減し、更に、面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えるといったものとしてもよい。あるいは、上述の電極群が、上述の電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、上述の電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極と、この対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、上述のインピーダンス低減回路は、対極と各々の作用極との間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減し、面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えるといったものとしてもよい。
【0043】
このように構成したポーラログラフ式濃度計は、作用極切替手段において、検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える。これによると、面積の大きな作用極面積よりも反応スピードの速い面積の小さな作用極により反応段階における途中まで測定したのち面積の大きな作用極面積にて測定する。したがって、本発明のポーラログラフ式濃度計は、測定時間が更に短縮するといった利点を有するものとなる。
【0044】
ここで、測定時間が短縮する点についてを、図20のグラフを用いて簡単に説明する。図20は、センサー部からの出力電流を縦軸、反応時間を横軸とし、測定したときの結果を示す。この図に示されるように、面積の小さい電極の方が面積の大きい電極の方よりも、ほぼ一定となるまでの反応時間が速いため、反応段階の一部を面積の小さい電極の方で測定することにより、測定時間が短縮する。
【0045】
なお、後述する実施例5において、このように構成したポーラログラフ式濃度計についての具体的な説明をする。
【0046】
また、本発明のポーラログラフ式濃度計は、上述の電圧印加回路から特定電圧を印加する際に生じるオフセット電流を校正するオフセット電流校正手段を更に備えたり、上述のインピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際における上述のセンサー部から出力される電流を増幅する電流増幅回路と、この電流増幅回路による電流の増幅率を制御する増幅率制御手段とを更に備えたりするものとしてもよい。
【0047】
このように構成したポーラログラフ式濃度計は、オフセット電流校正手段において電圧印加回路から特定電圧を印加する際に生じるオフセット電流を校正したり、電流増幅回路においてセンサー部から出力される電流を増幅しつつ、増幅率制御手段においてこの電流の増幅率を制御したりする。これによると、正確な特定電圧がセンサー部に印加されて検査対象(液体、気体)中における特定物質濃度に対して正確な反応をしたり、広範囲の反応に対する電流増幅を可能とする。したがって、本発明のポーラログラフ式濃度計は、より正確になり、また、測定範囲が広いといった利点を有するものとなる。
【0048】
なお、後述する実施例2において、このように構成したポーラログラフ式濃度計についての具体的な説明をする。
【0049】
以下、上述した各種の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0050】
まず、図1に示す外観図、図2に示す検出部分の拡大図、図3に示す検出部分の内部図及び図4に示すブロック図を用いて、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な構成について説明する。
【0051】
本実施例としてのポーラログラフ式濃度計は、正面に入力部4(4a、4b、4c)及び表示器5を有する本体1と、電極群(対極兼参照極CRE、作用極WE)を有するセンサー部2と、本体1とセンサー部2とを接続するケーブル3とを外見上に備え、電圧印加回路6、インピーダンス低減回路7、電流増幅回路8、記憶装置9及びマイクロコンピュータ10を配設する電子基板と、電源部11とを本体1の内部に備えることにより、全体を大略構成する。
【0052】
入力部4は、ONキー4a、STARTキー4b及びCALキー4cから成り、電力供給・測定開始・校正等をするための入力をする。ONキー4aは、電源部11から電気系統各部に電力の供給を開始するためものである。STARTキー4bは、測定を開始するためのである。CALキー4cは、校正モードに切替えるためのものである。
【0053】
表示器5は、LCDから成り、入力状況・測定結果・校正モード・電池残量等を表示する。
【0054】
センサー部2は、棒状体の先端部分(検出部分)Aの内側に、対極兼参照極(例えば、塩化銀)CREと作用極(例えば、白金)WEとを形成した基板2aと、ここから棒状体の内部を通って本体の電子基板につながる導線2bとを有する。そして、導線2bと基板2aとの接続部分には、防水・防護用のコーティング材2cが塗布され、棒状体の内部に検査対象(本実施例においては液体)が浸入しないようにパッキン2dを有する。
【0055】
電源部11は、電気系統各部に電力を供給する。
【0056】
電圧印加回路6は、検査対象(本実施例においては液体)中の特定物質(本実施例においては塩素)だけと電極群(対極兼参照極CRE、作用極WE)が反応するような基礎電圧Vrを入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成る。
【0057】
インピーダンス低減回路7は、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に配設する抵抗R1から成り、液体中に浸けた際における対極兼参照極CREと作用極WEとの間に生ずるインピーダンスを低減する。
【0058】
電流増幅回路8は、公知の反転増幅回路から成り、センサー部2からインピーダンス低減回路7により低減されて出力される電流を増幅する。
【0059】
記憶装置9は、EEPROMから成り、各種データを記憶する。
【0060】
マイクロコンピュータ10は、特定物質濃度変換手段10aを兼有するとともに、取り込まれるアナログデータをデジタルに変換し、特定物質濃度その他各種データ等について演算し、各部の動作を制御する。特定物質濃度変換手段10aは、電流増幅回路8から取り込まれた電流の大きさに応じた液体の塩素濃度を演算する。
【0061】
次に、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な操作及び動作について説明する。
【0062】
ONキー4aが押されると電源部11から電気系統各部に電力を供給し、測定のための待機段階となり、さらにSTARTキー4bが押されると測定を開始する。すなわち、STARTキー4bが押されると、ボルテージ・フォロワから特定電圧を出力し、センサー部2の先端部分(検出部分)Aが液体に浸けられると、先端部分Aの内側に液体が浸入して、電極群(対極兼参照極CRE、作用極WE)が液体に浸漬する。そして、電極群間(対極兼参照極CREと作用極WEとの間)に、液体中における特定物質濃度(本実施例においては塩素濃度)に応じた電流が発生するとともに、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に接続する抵抗R1にも一定の電流が発生する。
【0063】
次いで、これら発生した電流を電流増幅回路8で増幅して、マイクロコンピュータ10で取り込み、デジタル変換する。次いで、特定物質濃度変換手段10aによりこの変換された電流の大きさに応じた塩素濃度を求め、表示器5に求められた塩素濃度を表示する。
【0064】
ここで、このときに対極兼参照極CREと作用極WEとの間に接続する抵抗R1による性能(非直線性、繰り返し性)への影響について、図14のグラフを用いて説明する。
【0065】
センサー部2からの出力電流を縦軸、残留塩素濃度を横軸としたときの関係を示す。図14(a)〜(f)のそれぞれは、抵抗R1の値が500Ω、5kΩ、200kΩ、2MΩ、5MΩ及び∞とした場合の結果を示す。対極兼参照極CREと作用極WEとの間に抵抗R1を接続する場合(図14(a)〜(e))は、程度の差はあれ、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に抵抗R1を接続しない場合(図14(f))よりも非直線性、繰り返し性が向上する。
【実施例2】
【0066】
まず、図1に示す外観図、図2に示す検出部分の拡大図、図6に示す検出部分の内部図及び図5に示すブロック図を用いて、実施例2としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な構成について説明する。
【0067】
本実施例としてのポーラログラフ式濃度計は、正面に入力部4(4a、4b、4c)及び表示器5を有する本体1と、電極群(参照極RE、対極CE、作用極WE)を有するセンサー部22と、本体1とセンサー部22とを接続するケーブル3とを外見上に備え、電圧印加回路21、オフセット電流設定部24、オフセット電流印加部25、インピーダンス低減回路7、電流増幅回路23、記憶装置9及びマイクロコンピュータ26を配設する電子基板と、電源部11とを本体1の内部に備えることにより、全体を大略構成する。なお、オフセット電流設定部24及びオフセット電流印加部25にてオフセット電流校正手段を構成する。
【0068】
入力部4は、ONキー4a、STARTキー4b及びCALキー4cから成り、電力供給・測定開始・校正等をするための入力をする。ONキー4aは、電源部11から電気系統各部に電力の供給を開始するためものである。STARTキー4bは、測定を開始するためのである。CALキー4cは、校正モードに切替えるためのものである。
【0069】
表示器5は、LCDから成り、入力状況・測定結果・校正モード・電池残量等を表示する。
【0070】
センサー部22は、棒状体の先端部分(検出部分)Aの内側に、参照極(例えば、塩化銀)REと対極(例えば、白金)CEと作用極(例えば、白金)WEとを形成した基板22aと、ここから棒状体の内部を通って本体1の電子基板につながる導線22bとを有する。そして、導線22bと基板22aとの接続部分には、防水・防護用のコーティング材22cが塗布され、棒状体の内部に検査対象(本実施例においては液体)が浸入しないようにパッキン22dを有する。
【0071】
電源部11は、電気系統各部に電力を供給する。
【0072】
電圧印加回路21は、検査対象(本実施例においては液体)中の特定物質(本実施例においては塩素)だけと電極群(参照極RE、対極CE、作用極WE)が反応するような基礎電圧Vr及び検査対象中に生ずる参照電圧を入力し、特定電圧を出力するポテンションスタットから成る。
【0073】
オフセット電流設定部24は、ディップスイッチから成り、ポテンションスタットから特定電圧を出力する際に生ずるオフセット電流を相殺するための電流を加える設定をするためのものである。
【0074】
オフセット電流印加部25は、ポテンションスタットから特定電圧を出力する際に生ずるオフセット電流を相殺するための電流をオフセット電流設定部24での設定に基づいて発生し、ポテンションスタットの出力に重畳する。
【0075】
インピーダンス低減回路7は、対極CEと作用極WEとの間に配設する抵抗R1から成り、液体中に浸けた際における対極CEと作用極WEとの間に生ずるインピーダンスを低減する。
【0076】
電流増幅回路23は、帰還抵抗R3、R4の切替えをする切替スイッチSw1、Sw2を有する公知の反転増幅回路から成り、センサー部22からインピーダンス低減回路7により低減されて出力される電流を、後述する増幅率制御手段26bからの増幅率の制御に基づいて切替スイッチSw1、Sw2を切替えて増幅する。
【0077】
記憶装置9は、EEPROMから成り、各種データを記憶する。
【0078】
マイクロコンピュータ26は、特定物質濃度変換手段26a及び増幅率制御手段26bを兼有するとともに、取り込まれるアナログデータをデジタルに変換し、特定物質濃度その他各種データ等について演算し、各部の動作を制御する。特定物質濃度変換手段26aは、電流増幅回路23から取り込まれた電流の大きさに応じた液体の塩素濃度を演算する。増幅率制御手段26bは、電流増幅回路23における切替スイッチSw1、Sw2に対して帰還抵抗R3又はR4を接続又は非接続とする制御をする。
【0079】
次に、実施例2としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な操作及び動作について説明する。
【0080】
ONキー4aが押されると電源部11から電気系統各部に電力を供給し、測定のための待機段階となり、さらにSTARTキー4bが押されると測定を開始する。すなわち、STARTキー4bが押されると、オフセット電流設定部24での設定に基づくオフセット電流を相殺するための電流がオフセット電流印加部25から出力し、かつ、ポテンションスタットから特定電圧を出力して、センサー部22の先端部分(検出部分)Aが液体に浸けられると、先端部分Aの内側に液体が浸入して、電極群(参照極RE、対極CE、作用極WE)が液体に浸漬する。そして、参照極REに、ポテンションスタットの参照電圧が発生し、かつ、対極CEと作用極WEとの間に、液体中における特定物質濃度(本実施例においては塩素濃度)に応じた電流が発生するとともに、対極CEと作用極WEとの間に接続する抵抗R1にも一定の電流が発生する。
【0081】
次いで、増幅率制御手段(マイクロコンピュータ)のポートO2、O3の制御信号に基づいて切替スイッチSw1、Sw2が接続又は非接続となることによって、適当な増幅率により、センサー部22からの電流を電流増幅回路23で増幅して、マイクロコンピュータ26で取り込み、デジタル変換する。次いで、特定物質濃度変換手段26aで変換された電流の大きさに応じた塩素濃度を求め、表示器5に求められた塩素濃度を表示する。
【0082】
ここで、このときに対極CEと作用極WEとの間に接続する抵抗R1による性能への影響は、実施例1において、図14のグラフを用いて説明したことと同じである。ただし、オフセツト電流が校正され、広範囲の反応に対する電流増幅を可能とする点で、実施例2としてのポーラログラフ式濃度計は、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計よりも特性が優れる。
【実施例3】
【0083】
まず、図1に示す外観図、図2に示す検出部分の拡大図、図6に示す検出部分の内部図及び図7に示すブロック図を用いて、実施例3としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な構成について説明する。
【0084】
本実施例としてのポーラログラフ式濃度計は、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計に導電率測定手段が加わり全体を構成する。よって、以下については、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計と異なる構成各部について詳述する。
【0085】
導電率測定手段は、ダミー電極DE、導電率測定回路31、切替スイッチSw3、Sw4、SW5、切替制御手段33b、記憶装置32及び導電率判定手段33cから成り、液体の導電率を測定する。なお、切替制御手段33b及び導電率判定手段33cは、特定物質濃度変換手段33aとともにマイクロコンピュータ33において兼有される。また、対極兼参照極CRE及び作用極WEにダミー電極DEを加えてセンサー部22を構成する。
【0086】
ダミー電極DEは、対極兼参照極CREとの間で液体の導電率に基づいて発生する電圧を検出する。導電率測定回路31は、ダミー電極DEと対極兼参照極CREとの間で発生した電圧を増幅する。切替スイッチSw3、Sw4、SW5は、電圧印加回路6又は導電率測定回路31とセンサー部22との接続を切替える。切替制御手段33bは、切替スイッチSw3、Sw4、SW5に対して、電圧印加回路6又は導電率測定回路31のいずれか一方をセンサー部22に接続させるための制御をする。記憶装置32は、測定した液体の導電率の区分を判定するための基準とする基礎導電率と、この区分毎に設定された補正定数とを予め記憶する。導電率判定手段33cは、導電率測定回路31からの電圧に基づいて導電率を演算し、この演算した導電率と記憶装置32に記憶している基礎導電率とを比較し、測定した液体の導電率の区分を判定し、この判定した区分に該当する補正定数を選択する。
【0087】
特定物質濃度変換手段33aは、電流増幅回路8から取り込んだ電流に基づいて塩素濃度を求め際に、導電率判定手段33cで選択した補正定数により補正を行う。
【0088】
次に、実施例3としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な操作及び動作について説明する。
【0089】
ONキー4aが押されると電源部11から電気系統各部に電力を供給し、測定のための待機段階となり、さらにSTARTキー4bが押されると測定を開始する。すなわち、STARTキー4bが押されると、ボルテージ・フォロワから特定電圧を出力し、センサー部22の先端部分(検出部分)Aが液体に浸けられると、先端部分Aの内側に液体が浸入して、電極群(対極兼参照極CRE、作用極WE)及びダミー電極DEが液体に浸漬する。
【0090】
次いで、切替制御手段33b(マイクロコンピュータ33)のポートO3のOFF制御信号に基づいて切替スイッチのSw3がオフし、切替制御手段33b(マイクロコンピュータ33)のポートO4及びO5のON制御信号に基づいて切替スイッチのSw4及びSw5がオンし、電圧印加回路6が非接続状態となり、かつ、導電率測定回路31が接続状態となる。
【0091】
次いで、導電率測定回路31により、ダミー電極DEと対極兼参照極CREとの間で発生した電圧を増幅しデジタル化し、導電率判定手段33cにより、このデジタル化した電圧に基づいて導電率を演算し、この演算した導電率と記憶装置32に予め記憶している基礎導電率に対する大小を比較し、測定した液体の導電率が大区分又は小区分のいずれに該当するのかを判定し、この判定した区分に該当する補正定数を選択する。
【0092】
次いで、切替制御手段33b(マイクロコンピュータ33)のポートO3のON制御信号に基づいて切替スイッチSw3がオンし、切替制御手段33b(マイクロコンピュータ33)のポートO4及びO5のOFF制御信号に基づいて切替スイッチSw4及びSw5がオフし、電圧印加回路6が接続状態となり、かつ、導電率測定回路31が非接続状態となる。そして、電極群間(対極兼参照極CREと作用極WEとの間)に、液体中における特定物質濃度(本実施例においては塩素濃度)に応じた電流が発生するとともに、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に接続する抵抗R1にも一定の電流が発生する。
【0093】
次いで、これら発生した電流を電流増幅回路8で増幅して、マイクロコンピュータ33で取り込み、デジタル変換し、特定物質濃度変換手段33aによりこの変換された電流の大きさに応じた塩素濃度を求め、更に導電率判定手段33cで先に選択した補正定数によりこの求められ塩素濃度を補正して補正された塩素濃度を求め、表示器5にこの補正された塩素濃度を表示する。
【0094】
なお、本実施例においては、電圧印加回路6が、液体中の特定物質だけと電極群が反応するような基礎電圧Vrを入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、電極群が、このボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極兼参照極CREと、この対極兼参照極CREと連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極WEとから構成したが、実施例2において説明したような、電圧印加回路が、検査対象中の特定物質だけと電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、電極群が、この電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極REと、ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極CEと、この対極CEと連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極WEと構成しても同様に実施可能である。
【実施例4】
【0095】
まず、図1に示す外観図、図2に示す検出部分の拡大図、図6に示す検出部分の内部図及び図8に示すブロック図を用いて、実施例4としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な構成について説明する。
【0096】
本実施例としてのポーラログラフ式濃度計は、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計に水没測定手段及び低減回路切替手段が加わり全体を構成する。よって、以下については、実施例1としてのポーラログラフ式濃度計と異なる構成各部について詳述する。
【0097】
水没測定手段は、ダミー電極DE、水没測定回路41及び水没判定手段43cから成り、液体中に浸かっていることを測定する。低減回路切替手段は、切替スイッチSw6及び切替制御手段43bから成り、待機段階中での測定の間、インピーダンス低減回路7を非接続状態へと切替えている。なお、切替制御手段43b及び水没判定手段43cは、特定物質濃度変換手段43aとともにマイクロコンピュータ43において兼有される。また、対極兼参照極CRE及び作用極WEにダミー電極DEを加えてセンサー部22を構成する。
【0098】
ダミー電極DEは、液体との反応に基づいて電位が変化する。水没測定回路は、プルアップ抵抗R5から成り、ダミー電極DEと共に水没検出電位を生じさせる。切替スイッチSw6は、対極兼参照極CREと作用極WEとの間の抵抗R1の接続状態を切替える。記憶装置42は、液体中に浸かっているか否かの判定の基準とする判別電圧を予め記憶する。水没判定手段43cは、水没検出電位と記憶装置42に記憶している判別電圧とを比較し、センサー部22の先端部分(検出部分)Aが液体中に浸かっているか否かを判定する。切替制御手段43bは、水没判定手段43cによりセンサー部22の先端部分(検出部分)Aが待機段階中に、液体中に浸かっていると判定されている場合には、切替スイッチSw6に対して、抵抗R1を非接続にするための制御をし、また、液体中に浸かっていない判定されている場合には、切替スイッチSw6に対して、抵抗R1を接続にするための制御をする。
【0099】
次に、実施例4としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な操作及び動作について説明する。
【0100】
ONキー4aが押されると電源部11から電気系統各部に電力を供給し、測定のための待機段階となる。すなわち、切替制御手段43b(マイクロコンピュータ43)のポートO6のOFF制御信号に基づいて切替スイッチのSw6がオフし、抵抗R1が非接続状態となる。
【0101】
次いで、マイクロコンピュータ43によりダミー電極DEに生じる水没検出電位を取り込み、水没判定手段43cによりこの取り込んだ水没検出電位と記憶装置42に記憶している判別電圧とを比較する。そして、この水没検出電位が判別電圧よりも大きくない場合には、液体中に浸かっていないと判定し、大きい場合には、液体中に浸かっていると判定する。また、水没判定手段43cにより液体中に浸かっていると判定された場合には、切替制御手段43bは、STARTキー4bが押されるまで抵抗R1を非接続状態とする。
【0102】
次いで、STARTキー4bが押されると測定を開始する。すなわち、STARTキー4bが押されると、ボルテージ・フォロワから特定電圧を出力し、切替制御手段43b(マイクロコンピュータ43)のポートO6のON制御信号に基づいて切替スイッチSw6がオンし、抵抗R1が接続状態となる。
【0103】
次いで、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に、液体中における特定物質濃度(本実施例においては塩素濃度)に応じた電流が発生するとともに、対極兼参照極CREと作用極WEとの間に接続する抵抗R1にも一定の電流が発生する。
【0104】
次いで、これら発生した電流を電流増幅回路8で増幅して、マイクロコンピュータ43で取り込み、デジタル変換する。次いで、特定物質濃度変換手段43aによりこの変換された電流の大きさに応じた塩素濃度を求め、表示器5にこの求められた塩素濃度を表示する。
【0105】
なお、本実施例においては、電圧印加回路6が、液体中の特定物質だけと電極群が反応するような基礎電圧Vrを入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、電極群が、このボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極兼参照極CREと、この対極兼参照極CREと連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極WEとから構成したが、実施例2において説明したような、電圧印加回路が、検査対象中の特定物質だけと電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、電極群が、この電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極REと、ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極CEと、この対極CEと連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極WEと構成しても同様に実施可能である。
【実施例5】
【0106】
まず、図1に示す外観図、図2に示す検出部分の拡大図、図10に示す検出部分の内部図及び図9に示すブロック図を用いて、実施例5としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な構成について説明する。
【0107】
本実施例としてのポーラログラフ式濃度計は、正面に入力部4(4a、4b、4c)及び表示器5を有する本体1と、電極群(対極兼参照極CRE、作用極小WES、作用極大WEL)を有するセンサー部51と、本体1とセンサー部51とを接続するケーブル3とを外見上に備え、電圧印加回路6、インピーダンス低減回路52、電流増幅回路8、切替スイッチSw7、Sw8、Sw9、Sw10、記憶装置9及びマイクロコンピュータ53を配設する電子基板と、電源部11とを本体1の内部に備えることにより、全体を大略構成する。
【0108】
入力部4は、ONキー4a、STARTキー4b及びCALキー4cから成り、電力供給・測定開始・校正等をするための入力をする。ONキー4aは、電源部11から電気系統各部に電力の供給を開始するためものである。STARTキー4bは、測定を開始するためのである。CALキー4cは、校正モードに切替えるためのものである。
【0109】
表示器5は、LCDから成り、入力状況・測定結果・校正モード・電池残量等を表示する。
【0110】
センサー部51は、棒状体の先端部分(検出部分)Aの内側に、対極兼参照極(例えば、塩化銀)CREと作用極小(例えば、白金)WESと作用極大(例えば、白金)WELとを形成した基板51aと、ここから棒状体の内部を通って本体1の電子基板につながる導線51bとを有する。そして、導線51bと基板51aとの接続部分には、防水・防護用のコーティング材51cが塗布され、棒状体の内部に検査対象(本実施例においては液体)が浸入しないようにパッキン51dを有する。
【0111】
電源部11は、電気系統各部に電力を供給する。
【0112】
電圧印加回路6は、検査対象(本実施例においては液体)中の特定物質(本実施例においては塩素)だけと電極群(対極兼参照極CRE、作用極小WES、作用極大WEL)が反応するような基礎電圧Vrを入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成る。
【0113】
インピーダンス低減回路52は、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間に配設する抵抗R1、及び対極兼参照極CREと作用極大WELとの間に配設する抵抗R6から成り、液体中に浸けた際における対極兼参照極CREと作用極小WESとの間、及び対極兼参照極CREと作用極大WELとの間に生ずるインピーダンスを低減する。
【0114】
なお、作用極の面積と抵抗との用いる組合せは、例えば、次のようにする。0.1mm以下、0.1mm以上0.5mm以下、0.5mm以上1.0mm以下、1.0mm以上3.0mm以下、3.0mm以上10.0mm以下、又は10.0mm以上といった作用極の面積に対して、200kΩ以上、100kΩ以上10MΩ以下、50kΩ以上5MΩ以下、10kΩ以上1MΩ以下、5kΩ以上500kΩ以下、又は1kΩ以上200kΩ以下といった抵抗を用いる。
【0115】
電流増幅回路8は、公知の反転増幅回路から成り、センサー部51からインピーダンス低減回路52により低減されて出力される電流を増幅する。
【0116】
切替スイッチSw7、Sw8、Sw9、Sw10は、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間の抵抗R1、及び対極兼参照極CREと作用極大WELとの間の抵抗R6の接続状態を切替える。
【0117】
記憶装置9は、EEPROMから成り、各種データを記憶する。
【0118】
マイクロコンピュータ53は、切替制御手段53b及び特定物質濃度変換手段53aを兼有するとともに、取り込まれるアナログデータをデジタルに変換し、特定物質濃度その他各種データ等について演算し、各部の動作を制御する。切替制御手段53bは、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間に配設する抵抗R1だけを接続状態とし、その後、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間により測定される電流が最低基準変化電流よりも小さくなった場合に、対極兼参照極CREと作用極大WELとの間の抵抗R6だけの接続状態へと切替えるための制御を切替スイッチSw7、Sw8、Sw9、Sw10に対して行う。
【0119】
なお、切替スイッチSw7、Sw8、Sw9、Sw10及び切替制御手段53bにて作用極切替手段を構成する。
【0120】
次に、実施例5としてのポーラログラフ式濃度計の具体的な操作及び動作について説明する。
【0121】
ONキー4aが押されると電源部11から電気系統各部に電力を供給し、測定のための待機段階となり、さらにSTARTキー4bが押されると測定を開始する。すなわち、STARTキー4bが押されると、ボルテージ・フォロワから特定電圧を出力し、センサー部51の先端部分(検出部分)Aが液体に浸けられると、先端部分Aの内側に液体が浸入して、電極群(対極兼参照極CRE、作用極小WES、作用極大WEL)が液体に浸漬する。
【0122】
次いで、切替制御手段53b(マイクロコンピュータ53)のポートO7、O8のON制御信号に基づいて切替スイッチSw7、Sw8がオンし、抵抗R1が接続状態となる。一方、切替制御手段53b(マイクロコンピュータ53)のポートO9、O10のOFF制御信号に基づいて切替スイッチSw9、Sw10がオフし、抵抗R6が非接続状態となる。そして、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間に、液体中における特定物質濃度(本実施例においては塩素濃度)に応じた電流が発生するとともに、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間に接続する抵抗R1にも一定の電流が発生する。
【0123】
次いで、この発生した電流を電流増幅回路8で増幅して、マイクロコンピュータ53で取り込んでデジタル変換し、切替制御手段53bでこの変換された電流の値と最低基準変化電流の値とを比較し、電流の値が最低基準変化電流の値とより小さくない場合には、引き続きサンプリングする。また、電流の値が最低基準変化電流の値よりも小さくなった場合には、切替制御手段53b(マイクロコンピュータ53)のポートO7、O8のOFF制御信号に基づいて切替スイッチSw7、Sw8がオフし、抵抗R1が非接続状態となる。一方、切替制御手段53b(マイクロコンピュータ53)のポートO9、O10のON制御信号に基づいて切替スイッチSw9、Sw10がオンし、抵抗R6が接続状態となる。
【0124】
次いで、このとき発生した電流を電流増幅回路8で増幅して、マイクロコンピュータ53で取り込んでデジタル変換し、特定物質濃度変換手段53aによりこの変換された電流の大きさに応じた塩素濃度を求め、表示器5に求められた塩素濃度を表示する。
【0125】
なお、本実施例においては、電極群が、電圧印加回路6から出力される特定電圧が加わる対極兼参照極CREと、この対極兼参照極CREと連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる作用極小WES及び作用極大WELとから成り、インピーダンス低減回路52が、対極兼参照極CREと作用極小WESとの間及び対極兼参照極CREと作用極大WELとの間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減し、作用極切替手段が作用極小WESから作用極大WELへと順に接続状態を切替えるといったものであるが、電極群が、電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極REと、この電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極CEと、この対極CEと連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる作用極小WES及び作用極大WELとから成り、インピーダンス低減回路が、対極CEと作用極小WESとの間及び対極CEとと作用極大WELとの間に生ずる検査対象中のインピーダンスを低減し、作用極切替手段が作用極小WESから作用極大WELへと順に接続状態を切替えるといったものとしても実施可能である。
【0126】
以上、本発明に係わるポーラログラフ式濃度計の形態について具体的に説明をした実施例を示したが、これら各実施例においては、次のような態様であっても実施可能である。
【0127】
図12のブロック図に示すように、電圧印加回路は、入力する基礎電圧Vrを可変可能にし、種々の特定電圧を出力可能な電圧印加回路61のようにする。また、選択手段と特定電圧制御手段62bとを更に有するようにする。選択手段は、表示器5、入力部4及びマイクロコンピュータ62から成り、複数の濃度の中から特定物質濃度を選択する。すなわち、表示器5により検査対象中における複数の特定物質を表示し、入力部5で測定したい特定物質の選択をするためにマイクロコンピュータ62により制御を行う。特定電圧制御手段62bは、マイクロコンピュータ62において兼有され、選択手段により選択された特定物質濃度に対応して電極群が検査対象中で反応を起こすような特定電圧を電圧印加回路61から発生させるために基礎電圧Vrの可変制御を行う。 このように構成したポーラログラフ式濃度計は、検査対象中における複数の特定物質濃度を測定できるので広範囲に利用可能で利便性が高いものとなる。
【0128】
また、各実施例では、検査対象が液体である場合として説明したが、気体である場合には、図11に示す検出部分の内部図に示すように、センサー部の先端部分(検出部分)は、隔膜(ガス透過性膜)、対極兼参照極(銀に塩化銀)、作用極(白金)、塩化カリウムにて構成されるものを用いれば実施可能である。検査対象が気体である場合にも、図15のセンサー部からの出力電流を縦軸、オゾン濃度を横軸としたときの関係を表したグラフに示すように、図14にて示した液体の場合におけるグラフと同様に、インピーダンス低減回路を有する場合(抵抗R1=10kΩ)には、インピーダンス低減回路を有さない場合(抵抗R1=∞)よりも性能が向上する。
【0129】
また、各実施例では、インピーダンス低減回路は抵抗のみで構成する場合を説明したが、電極群間に生ずるインピーダンスを低減化させるような構成であれば、他の回路構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】ポーラログラフ式濃度計の外観図である。(実施例1、2、3、4、5)
【図2】検出部分の拡大図である。(実施例1、2、3、4、5)
【図3】検出部分の内部図(B−B'断面図)である。(実施例1)
【図4】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。(実施例1)
【図5】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。(実施例2)
【図6】検出部分の内部図(B−B'断面図)である。(実施例2、3、4)
【図7】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。(実施例3)
【図8】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。(実施例4)
【図9】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。(実施例5)
【図10】検出部分の内部図(B−B'断面図)である。(実施例5)
【図11】気体用の検出部分の内部図(B−B'断面図)である。
【図12】ポーラログラフ式濃度計のブロック図である。
【図13】非直線性に対する影響について示すグラフである。
【図14】インピーダンス低減回路(抵抗)の性能(非直線性、繰り返し性)への影響について詳細に示すグラフである。(実施例1)
【図15】気体の場合においてインピーダンス低減回路(抵抗)の非直線性に対する影響について示すグラフである。
【図16】繰り返し性に対する影響について示すグラフである。
【図17】測定時間に対する影響について示すグラフである。
【図18】導電率による影響について示すグラフである。
【図19】水没による影響について出力低下を示すグラフである。
【図20】電極面積による影響について示すグラフである。
【符号の説明】
【0131】
1 本体
2、22、51 センサー部
3 ケーブル
4 入力部
5 表示器
6、21、61 電圧印加回路
7、52 インピーダンス低減回路
8、23 電流増幅回路
9、32、42 記憶装置
10、26、33、43、53、62 マイクロコンピュータ
11 電源部
24 オフセット電流設定部
25 オフセット電流印加部
31 導電率測定回路
41 水没測定回路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定電圧を印加する電圧印加回路と、
前記電圧印加回路から特定電圧が印加された際における検査対象中での反応による電流を出力する電極群を有するセンサー部と、
前記電極群間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減するインピーダンス低減回路と、
前記インピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際における前記センサー部から出力される電流を検査対象中における特定物質濃度に変換する特定物質濃度変換手段と、
を備えることを特徴とするポーラログラフ式濃度計。
【請求項2】
前記検査対象が液体である場合において、
前記電極群のうちのいずれかの電極との間に生ずる前記液体の導電率を測定する導電率測定手段を更に備え、
前記特定物質濃度変換手段は、前記導電率測定手段により測定した導電率に応じて前記センサー部から出力される電流を前記液体中における特定物質濃度に変換することを特徴とする請求項1記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項3】
前記検査対象が液体である場合において、
前記特定物質濃度変換手段により特定物質濃度に変換を開始する前である待機段階中に、前記電極群のうちのいずれかの電極との間で、前記センサー部が 前記液体中に浸かっていることを測定する水没測定手段と、
前記水没測定手段による待機段階中での測定の間、前記インピーダンス低減回路を非接続状態へと切替えている低減回路切替手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項4】
前記電極群は、前記電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極兼参照極と、前記対極兼参照極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、
前記インピーダンス低減回路は、対極兼参照極と各々の作用極との間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減し、
前記面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項5】
前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記電圧印加回路から出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する面積の異なる複数の作用極とから成り、
前記インピーダンス低減回路は、対極と各々の作用極との間に生ずる前記検査対象中のインピーダンスを低減し、
前記面積の異なる複数の作用極のうちの面積の小さな作用極から順に接続状態を切替える作用極切替手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項6】
前記電圧印加回路は、検査対象中の特定物質だけと前記電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、
前記電極群は、前記ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極兼参照極と、前記対極兼参照極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項7】
前記電圧印加回路は、検査対象中の特定物質だけと前記電極群が反応するような基礎電圧を入力し、特定電圧を出力するボルテージ・フォロワから成り、
前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記ボルテージ・フォロワから出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項8】
前記電圧印加回路は、検査対象中の特定対象だけと前記電極群が反応するような基礎電圧及び検査対象中に生ずる参照電圧を入力し、特定電圧を出力するポテンションスタットから成り、
前記電極群は、前記電圧印加回路から特定電圧を出力するための参照電圧を検査対象中において生ずる参照極と、前記ポテンションスタットから出力される特定電圧が加わる対極と、前記対極と連係して検査対象中での反応による電流を発生する作用極とから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項9】
前記電圧印加回路から特定電圧を印加する際に生じるオフセット電流を校正するオフセット電流校正手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項10】
前記インピーダンス低減回路によりインピーダンスが低減された際における前記センサー部から出力される電流を増幅する電流増幅回路と、
前記電流増幅回路による電流の増幅率を制御する増幅率制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。
【請求項11】
前記電圧印加回路は、印加する特定電圧が可変し、
複数の濃度の中から特定物質濃度を選択するための選択手段と、
前記選択手段により選択された特定物質濃度に対応して前記電極群が検査対象中で反応を起こすような特定電圧を前記電圧印加回路から発生させるために可変制御する特定電圧制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のポーラログラフ式濃度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−10413(P2006−10413A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185484(P2004−185484)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)