マイクロアレイおよびその製造方法
【課題】光検出強度が改善されたマイクロアレイおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロアレイは基板、基板上に配置された複数の微細パーティクルとして、各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および各微細パーティクルにカップリングされたプローブを含む。
【解決手段】マイクロアレイは基板、基板上に配置された複数の微細パーティクルとして、各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および各微細パーティクルにカップリングされたプローブを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロアレイに関するもので、より詳細には光検出強度が改善されたマイクロアレイおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲノムプロジェクトが発展し、多様な有機体のゲノムヌクレオチドシーケンスが明らかになることによってマイクロアレイに対する関心が増加している。マイクロアレイは遺伝子発現分析(expression profiling)、遺伝子型分析(genotyping)、SNPのような突然変異(mutation)および多形(polymorphism)の検出、蛋白質およびペプチド分析、潜在的な薬のスクリーニング、新薬開発と製造などに広く使用される。
【0003】
マイクロアレイは基板上に固定された多数個のプローブを含む。プローブはスポッティング(spotting)によって直接固定されたり、フォトリソグラフィ(photolithography)を利用して、インサイチュ(in−situ)合成され固定される。プローブはターゲット物質とハイブリダイゼーションされ得る物質が使用される。蛍光放出物質を含むターゲット物質がプローブとハイブリダイゼーションされれば、マイクロアレイに蛍光放出物質が残留するようになり、これを励起させ発光させることによって、ハイブリダイゼーションの可否および程度が判読される。
【0004】
他のミクロ電子工学分野と同様にこのようなマイクロアレイに対する最近の関心はより小さい面積の基板からさらに多くの情報を判読し得ることである。このためには単位面積当たりさらに多い量のプローブが固定されることと、同一なハイブリダイゼーション量に対して高い検出強度を具現することが要求される。したがって、このために多様な方法が摸索されているが、現在まで前記条件をあまねく満足させる現実性のある提案は提示されないという状況である。
【特許文献1】大韓民国特許登録 2006−083112
【特許文献2】日本公開特許2004−317314公報
【特許文献3】大韓民国特許登録0532812
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は集積化されたプローブ密度および補強された光検出強度を有するマイクロアレイを提供しようとするものである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は集積化されたプローブ密度および補強された光検出強度を有するマイクロアレイの製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明による一実施形態によるマイクロアレイは、基板、前記基板上に配置された複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および前記各微細パーティクルにカップリングされたプローブを含む。
【0009】
前記他の技術的課題を達成するための本発明による一実施形態にともなうマイクロアレイの製造方法は、基板を提供し、前記基板上に複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクルを配置し、前記各微細パーティクルにプローブをカップリングすることを含む。
【0010】
その他実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図に含まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によるマイクロアレイによれば、球形または楕円体形状の微細パーティクルの表面にプローブをカップリングさせるため、単位面積当たりさらに多くの数のプローブをカップリングさせることができる。また、微細パーティクルはフォトニック結晶構造を成すため、同一なハイブリダイゼーション強度にともない検出される光の強度が増加する。したがって、相対的に少ない量のプローブを集積したとしてもハイブリダイゼーションの可否の検出が容易であるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得るものであり、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。
【0013】
空間的に相対的な用語の「の下(below)」、「の下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に図示されているように一つの素子または構成要素と異なる素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は図面に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語であると理解しなければならない。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0014】
以下、添付された図面を参考として、本発明の実施形態に対して説明する。
【0015】
図1は本発明による一実施形態にともなうマイクロアレイの平面図である。図2は図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。図3は本発明の種々の実施形態によるナノパーティクルを拡大した拡大図である。図4は本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【0016】
図1ないし図3を参照すれば、本発明の一実施形態にともなうマイクロアレイ100は基板110、基板上に配置された複数の微細パーティクル120、および微細パーティクル120にカップリングされた多数のプローブ130を含む。
【0017】
基板110は例えば、可撓性(flexible)または剛性(rigid)基板であり得る。適用される可撓性基板の例としてはナイロン、ニトロセルロースなどのメンブレインまたはプラスチックフィルムなどを挙げることができる。剛性基板ではシリコン基板、ソーダ石灰ガラスから成る透明ガラス基板などが例示され得る。シリコン基板または透明ガラス基板の場合にはハイブリダイゼーション過程の間、非特異的結合がほとんど起きない。また、シリコン基板または透明ガラス基板は半導体素子の製造工程またはLCDパネルの製造工程などで適用されている多様な薄膜の製造工程および写真エッチング工程などがそのまま適用され得るという長所がある。
【0018】
基板110はプローブセル領域(CR)およびプローブセル分離領域(CIR)を含み得る。基板110のプローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)はそれ自体で、物理的に区分されないこともあるが、プローブ130の配置の可否によって区分され得る。言い換えれば、プローブセル領域(CR)にはプローブ130が配置され、プローブセル分離領域(CIR)にはプローブ130が配置されない。そして、プローブセル領域(CR)はプローブセル分離領域(CIR)により多数個に区分され得る。すなわち、プローブセル領域(CR)はプローブセル分離領域(CIR)によって囲まれ定義される。
【0019】
基板110上のプローブセル領域(CR)には複数の微細パーティクル120が配置されている。微細パーティクル120は実質的な球形または楕円体形状を有し得る。
【0020】
微細パーティクル120が概ね球形の形状を有する場合、微細パーティクル120は直径(2r)が50nmないし10,000nmのナノパーティクルまたはマイクロパーティクルであり得る。微細パーティクル120が概ね楕円体形状を有する場合、微細パーティクル120は長径が50nmないし10,000nmのナノパーティクルまたはマイクロパーティクルであり得る。好ましくは各微細パーティクル120はすべて同一の直径(2r)または長径を有し得る。このような微細パーティクル120は例をあげれば、シリコン酸化物(例えば、SiO2)や、チタン酸化物(TiO2)等の無機物、メチルメタクリレート(methyl methacrylate)、スチレン(styrene)、ジメチルシロキサン(dimethyl siloxane)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)、ヒドロキシメタクリレート(hydroxyly methacrylate)またはこれらの重合体や共重合体でなされ得る。また、微細パーティクル120は以上で列挙された物質を2以上含み成され得る。
【0021】
各微細パーティクル120は例えば、これに制限されるものではないが、単層(single layer)で配列され得る。また各微細パーティクル120は一定間隔(L)で配列されている。ここで、前記間隔(L)とは、隣接する微細パーティクル120の中心間距離を意味する。前記観点から具体的に少なくとも一方向に隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は一定であるように配列される。例えば、図1に図示されたように、正四角形構造を単位構造として、これら構造が規則的に反復される碁盤形状で配列され得る。この場合、横および縦方向に隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)が一定である。
【0022】
他の実施形態によるマイクロアレイ101では図4に図示されたように、正三角形構造を単位構造とし、これら構造が規則的に反復される形状で配列されもする。この場合、横方向および横方向に±60°の角度を有する方向で隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は一定である。
【0023】
さらに、前記した各微細パーティクル120は一定間隔(L)で離隔され配列され得る。ここで、離隔され配列されるというのは、隣接する各微細パーティクル120が互いに接触せず、これらの間にスペースが提供されていることを意味する。したがって、図1および図4に図示されたように隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は隣接する微細パーティクル120の半径(r)の和より大きくなる。
【0024】
上記のように一定間隔(L)で互いに離隔され配列された微細パーティクル120はフォトニック結晶構造を成し得る。すなわち、図1または図4に図示されている、一定の屈折率を有する微細パーティクル120およびスペース122の反復構造はこれらを通過する光の強度を増幅させるフォトニック結晶構造と関係され得る。ここで、スペース122は微細パーティクル120と屈折率が他のものが好ましく、例えば真空であり得る。他の例として、スペース122は空気によって、占有され得る。スペース122の最小幅、言い換えれば隣接する微細パーティクル120間の最短距離は10、000nm以下であり得る。
【0025】
フォトニック結晶構造を成す微細パーティクル120配列は例えば約150ないし20,000nmの微細パーティクル120の中心間距離(L)を有し得る。より具体的にフォトニック結晶構造を有する隣接する微細パーティクル120の中心間距離(L)は例えば、次の式で表示され得る。
【数1】
【0026】
ただし、前記式でLは隣接する微細パーティクルの中心間距離であり、λは蛍光検出された光の波長であり、nは自然数である。
【0027】
前記式を満足する場合、検出された光の波長が十分に増幅される。したがって、微細パーティクル120の中心間距離(L)は蛍光検出される光の波長(λ)によって異なるように決定され得る。蛍光検出される光の波長(λ)は例えば300nmないし600nmであり得るが、これに制限されない。一方、微細パーティクル120の中心間距離(L)が前記式に厳密に制限されるものではなく、前記式はそれに近似する場合増幅される程度が優秀であり得ることを例示するだけである。
【0028】
前記したような各微細パーティクル120は表面にプローブ130とカップリングし得る官能基(未図示)を含むことができ、前記官能基を通して多数のプローブ130と直接、またはリンカー140を介在してカップリングされる。
【0029】
プローブ130は例えば、オリゴマープローブであり得る。ここで、オリゴマーとは、共有結合された2つ以上のモノマー(monomer)から成るポリマー(polymer)を指称することができる。オリゴマーは例えば、約2ないし500個のモノマーを含み得る。より具体的な例として、オリゴマーは約5ないし300個のモノマー、さらに好ましくは5ないし100個のモノマーを含み得る。しかし、本発明で言及されるオリゴマーは前記例示された数値に制限されず、当業界でオリゴマーと指称されるものをすべて含む。
【0030】
オリゴマープローブのモノマーは例をあげれば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、またはペプチドであり得る。
【0031】
前記ヌクレオシドおよびヌクレオチドは公知のプリンおよびピリミジン塩基を含むだけでなく、メチル化されたプリンまたはピリミジン、アシル化されたプリンまたはピリミジンなどを含み得る。前記塩基としてはアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)や、ウラシル(U)等が例示され得る。また、ヌクレオシドおよびヌクレオチドは従来のリボースおよびデオキシリボース糖を含むだけでなく、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子または脂肪族に置換されたりエーテル、アミン等の官能基が結合した修飾された糖を含み得る。
【0032】
前記アミノ酸は自然で発見されるアミノ酸のL−、D−、および非キラル(nonchiral)型アミノ酸だけでなく、修飾アミノ酸(modified amino acid)、またはアミノ酸類似体(analog)等であり得る。
【0033】
前記ペプチドはアミノ酸のカルボキシル基と他のアミノ酸のアミノ基の間のアミド結合によって生成された化合物を指称する。
【0034】
したがって、前記プローブ(オリゴマープローブ)130は2つ以上のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド等でなされ得る。
【0035】
微細パーティクル120とプローブ130の間のカップリングをリンカー140が媒介する場合、リンカー140は微細パーティクル120とカップリングされ得る官能基およびプローブ130とカップリングされ得る官能基を同時に含む物質でなされ得る。リンカー140はハイブリダイゼーションのための空間的マージンを提供する機能をすることができ、これのためにリンカー140の長さは例えば、6ないし50atomsであり得る。しかし、以上の例示に制限されるものではない。
【0036】
一方、図面に図示されなかったが、本発明の種々の実施形態は基板上のプローブセル分離領域(CIR)に微細パーティクル120が残留するのを含む。しかし、この場合でもプローブセル分離領域(CIR)上の微細パーティクル120には前記したプローブ130がカップリングされないことが好ましい。
【0037】
前記したように微細パーティクル120は例えば、球形や楕円体から成り、プローブ130は微細パーティクル120の表面に位置する官能基とカップリングされるため、プローブ130は基板110面を除外した微細パーティクル120のすべての方向でカップリングされる。すなわち、図3に図示されたように、基板110の上側方向にだけカップリングされるのではなく、基板の水平方向とその間の方向でもカップリングされる。すなわち、球形や楕円体の立体微細パーティクル120は2次元的構造より表面積が広いため、単位面積当たりカップリングされるプローブ130の数も増加する。したがって、プローブ130の集積度が向上し得ることを理解し得るものである。
【0038】
さらに、前記したように、微細パーティクル120はフォトニック結晶構造を成すため、同一なハイブリダイゼーション強度によって検出される光の強度が増加する。したがって、相対的に少ない量のプローブ130を集積してもハイブリダイゼーションの可否検出が容易であるという長所がある。
【0039】
以下、本発明の他の実施形態によるマイクロアレイについて説明する。以下の実施形態で、前記した図1ないし図3の実施形態と同一な構造や構成要素に対しては重複説明を省略・簡略化するものとし、差異点を中心に説明する。図5ないし図9は本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【0040】
まず、図5に例示されているマイクロアレイ102は基板110上のプローブセル分離領域(CIR)に第1マスクパターン210が形成されている点が図2のマイクロアレイ100と異なる。すなわち、基板110自体の形状でプローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)が明確に区分されるものではないが、プローブセル分離領域(CIR)に第1マスクパターン210が形成されることによって、プローブセル領域(CR)を物理的に限定する。第1マスクパターン210はプローブセル分離領域(CIR)をすべて覆い得るが、プローブセル分離領域(CIR)の一部面だけを覆い得る。すなわち、種々の実施形態による第1マスクパターン210は基板のプローブセル分離領域(CIR)の一部分を露出する。
【0041】
第1マスクパターン210は例をあげれば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などから成り得て、後続工程時に相互作用(interaction)問題がないならばフォトレジスト膜から成され得る。しかし、以上の例示に制限されるものではない。
【0042】
本発明の種々の実施形態によるマイクロアレイは基板が基板表面からリセスされたリセスパターンを含む。例示的に、図6に図示されたようにマイクロアレイ103内に含まれたリセスパターン(R)はプローブセル領域(CR)内に配置され得る。リセスパターン(R)から相対的に突出した基板112の表面(s)はプローブセル分離領域(CIR)に配置される。このような構造から進めて、プローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)は物理的なパターンに区分され得るようになる。しかし、本実施形態がプローブセル領域(CR)がリセスパターン(R)と一対一で対応され、プローブセル分離領域(CIR)が相対的に突出した基板112の表面(s)と一対一で対応される場合にだけ限定されるものではない。すなわち、前記した図5の実施形態と類似するように、突出した基板112の表面(s)はプローブセル分離領域(CIR)の一部分だけを占有し、プローブセル分離領域(CIR)の他の一部分はリセスパターン(R)から成り得る。
【0043】
図7の実施形態によるマイクロアレイ104は基板114が基板114表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)を含むことは図6の実施形態と同一であるが、リセスパターン(R)は図6の実施形態とは反対にプローブセル分離領域(CIR)に配置され、相対的に突出した基板114の表面(s)がプローブセル領域(CR)に配置される。したがって、リセスパターン(R)を含むプローブセル分離領域(CIR)は物理的にプローブセル領域(CR)を区分する。
【0044】
図8および図9の実施形態は図7の実施形態から進めて、プローブセル分離領域(CIR)に位置するリセスパターン(R)を埋める分離膜220、230を含む場合を例示する。すなわち、本発明の種々の実施形態によるマイクロアレイ105は図8に図示されたようにリセスパターン(R)を埋めると同時に基板114の表面(s)から上側に突出した分離膜220を含み得る。前記分離膜220はLOCOS膜であり得る。本発明の他の種々の実施形態によるマイクロアレイ106は図9に図示されたようにリセスパターン(R)を埋め、上面が基板114の表面(s)と同一なレベルで平坦化されている分離膜230を含み得る。前記分離膜230はSTI膜であり得る。しかし、前記分離膜220、230が以上で列挙された例示的な膜から、いかなる制限も受けないことは自明である。
【0045】
以下、前記したようなマイクロアレイを製造する方法に対して説明する。
【0046】
まず、図2に図示されたマイクロアレイを製造する方法に対して説明する。図10ないし図15は図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【0047】
図10を参照すれば、基板110を提供して、基板110上に第1マスクパターン210を形成する。第1マスクパターン210はプローブセル分離領域(CIR)を覆い、プローブセル領域(CR)を露出するように形成される。第1マスクパターン210は例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜またはフォトレジスト膜などから成され得る。
【0048】
図11を参照すれば、基板110上に微細パーティクル前駆体120aを提供する。微細パーティクル前駆体120aは例をあげれば、シリコン酸化物(例えば、SiO2)でも、チタン酸化物(TiO2)等の無機物、メチルメタクリレート(methyl methacrylate)、スチレン(styrene)、ジメチルシロキサン(dimethyl siloxane)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)、ヒドロキシメタクリレート(hydroxyly methacrylate)またはこれらの重合体や共重合体から成され得る。また、微細パーティクル前駆体120aは以上で列挙された物質を2以上含み成され得る。
【0049】
微細パーティクル前駆体120aは球形の形状を有すものの、すべて同一な直径を有すことが好ましい。例えば、約150ないし20,000nmの直径を有し得る。しかし、本実施形態は微細パーティクル前駆体120aが楕円体の形状を有すことを排除しない。
【0050】
微細パーティクル前駆体120aは例えば、微細パーティクル前駆体120aをアルコールなどのような溶媒に分散させた分散液の形態で提供され得る。分散濃度は例えば0.1%ないし10%であり得る。分散液の形態で提供されている場合、スピンコーティングまたはスリットコーティングの方法が利用され得る。スピンコーティングの場合、約200ないし1,000rpmの速度でコーティングされ得る。
【0051】
分散液の提供は微細パーティクル前駆体120aが単層(single layer)に配置される条件で遂行されるのが好ましい。前記のようなスピンコーティングは、微細パーティクル前駆体120aの単層配置を調節するのに有利な場合がある。
【0052】
続いて、微細パーティクル前駆体120aを凝集するために提供された微細パーティクル前駆体120aをアニーリングする。アニーリング温度は例えば、約300ないし1,000℃であり得る。アニーリング時間は例えば、約5ないし24時間であり得る。アニーリング温度および時間に対する本発明による一実施形態は各々500℃および12時間の場合を含む。
【0053】
図12を参照すれば、微細パーティクル前駆体120aのアニーリングによって、微細パーティクル前駆体120aは凝集し、各微細パーティクル前駆体120aが互いに離隔されておらず密着し接触するようになる。本発明の種々の実施形態で、微細パーティクル前駆体120aの凝集によって隣接する微細パーティクル前駆体120aの中心間距離は微細パーティクル前駆体120aの半径の2倍となる。したがって、微細パーティクル前駆体120aのサイズが同じ場合、隣接するファインパーテクル前駆体120aの中心間距離は一定になる。
【0054】
好ましい実施形態ではプローブセル領域(CR)の微細パーティクル前駆体120aは第1マスクパターン210の間でプローブセル領域(CR)の中央部に向かって凝集する。したがって、第1マスクパターン210の周辺部には微細パーティクル前駆体120aが位置しないこともあり得る。前記したように、プローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)を微細パーティクルにカップリングされたプローブの有無で区別する時、第1マスクパターン210の周辺部は微細パーティクル前駆体120aが存在しなければ、前記領域はプローブセル分離領域(CIR)に分類される。すなわち、プローブセル分離領域(CIR)は第1マスクパターン210によって覆われていない露出した領域を含み得る。
【0055】
図13を参照すれば、選択的に第1マスクパターン210を除去する。第1マスクパターン210の除去は第1マスクパターン210を成す物質によって相異し得る。例えば、第1マスクパターン210がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などで成された場合、湿式エッチングなどの方法で除去され得る。第1マスクパターン210がフォトレジスト膜から成された場合、アッシングやストリップ工程によって第1マスクパターン210が除去され得る。第1マスクパターン210の除去はプローブセル領域(CR)に位置する微細パーティクル前駆体120aをアタックしない条件で遂行されるのが好ましい。したがって、種々の実施形態では第1マスクパターン210をフォトレジスト膜で形成し、アッシングやストリップ工程によって除去されることが推薦される。このような第1マスクパターン210の除去は図11の段階で第1マスクパターン210上に配置され得る微細パーティクル前駆体120aを共に除去することを随伴し得る。
【0056】
一方、図5のマイクロアレイ102と共に、最終構造物に第1マスクパターン210が残留するようにするためには前記した第1マスクパターン210除去の段階は省略され得るはもちろんである。
【0057】
図14を参照すれば、微細パーティクル前駆体120aをダウンサイジングし、微細パーティクル120を形成する。微細パーティクル前駆体120aのダウンサイジングは例えば、等方性エッチングでなされ得る。前記等方性エッチングではHFを利用した湿式エッチングが例示される。このような等方性エッチングで微細パーティクル前駆体120aはすべての方向でダウンサイジングされるが、その形状の観点では微細パーティクル前駆体120aの形状が概ね維持されると言える。すなわち、微細パーティクル前駆体120aが球形形状を有する場合、微細パーティクル120の場合にも球形で形成され、微細パーティクル前駆体120aが楕円体形状を有する場合、微細パーティクル120も楕円体形状を有し得る。しかし、等方性エッチングの細部的な工程条件によっては微細パーティクル前駆体120aから微細パーティクル120への転換がその形状の差異を誘発し得る。例をあげれば、球形の微細パーティクル前駆体120aを等方性エッチングすることによって、楕円体の微細パーティクル120が形成され得る。好ましくは微細パーティクル120の形状が球形であると仮定する時、前記等方性エッチングから変形される形状の差異を勘案し、微細パーティクル前駆体120aの形状を設定することが考慮され得る。
【0058】
微細パーティクル前駆体120aのダウンサイジングで形成された微細パーティクル120は例をあげれば、50nmないし10,000nmの直径または長径を有する球形または楕円体であり得る。この時、好ましくは各微細パーティクル120のサイズは同一である。このようにダウンサイジングされた微細パーティクル120はこれ以上隣接する微細パーティクル120と密着され接触せず、互いに離隔される。前記したように隣接する微細パーティクル前駆体120aの中心間距離が一定の場合、ダウンサイジングされた微細パーティクル120でも中心間距離は変わりないため、各微細パーティクル120は一定間隔で離隔され配列される。前記の観点で、隣接する微細パーティクル120の中心間距離(L)は微細パーティクル前駆体120aの直径と実質的に同一であり得る。すなわち、隣接する微細パーティクルの中心間距離(L)は約150ないし20,000nmであり得る。
【0059】
この時、離隔されたスペースは微細パーティクル120とは屈折率が異なる空気によって占有される。このような微細パーティクル120およびスペース構造は前記したように光検出強度を増幅させるフォトニック結晶構造を成すようになる。スペースの最小幅、言い換えれば隣接する微細パーティクル間の最短距離は10,000nm以下であり得る。一方、本段階や後続段階で、選択的に前記基板110上に微細パーティクル前駆体120aの分散液から由来する溶媒が残留する場合、スピンドライなどを利用して残留溶媒を除去することをさらに含み得る。
【0060】
図15を参照すれば、微細パーティクル120の表面を活性化し、微細パーティクル120の表面にプローブとカップリングし得る官能基125を露出する。表面活性化の方法では例えば、微細パーティクル120を硫酸(H2SO4)で約1時間クリーニング処理することを挙げることができる。例えば微細パーティクル120がシリコン酸化物から成る場合、前記のような硫酸クリーニングによって、微細パーティクル120の表面にシラノール(−SiOH)基が露出され得る。
【0061】
改めて図2を参照すれば、引続き、官能基125が露出された微細パーティクル120にプローブ130をカップリングする。プローブ130はプローブ用モノマーのインサイチュ合成によってカップリングされ得る。また、プローブのカップリングはリンカーによって媒介され得る。プローブの合成およびカップリングに対するより具体的な方法は当業界に広く公知されている方法から容易に類推され得るものであるため、その説明は省略するものとする。前記したプローブのカップリングの結果、図2に図示されたようなマイクロアレイが完成される。
【0062】
図16は図6に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別の断面図である。
【0063】
本実施形態は基板上に第1マスクパターン210を形成する段階までは図10と実質的に同一である。続いて、図16を参照すれば、第1マスクパターン210をエッチングマスクとして利用し、露出した基板110の表面をエッチングする。前記エッチングによって基板112のプローブセル領域(CR)には基板112の表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)が形成される。後続工程は基板110がプローブセル領域(CR)にリセスパターン(R)を具備することを除外しては図11ないし図15を参照し、説明した実施形態と実質的に同一なため、その説明は省略する。
【0064】
図17ないし図19は図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別の断面図である。
【0065】
図17を参照すれば、まず、基板110を提供する。次に、基板110上に第2マスクパターン240を形成する。第2マスクパターン240は基板110上のプローブセル領域(CR)を覆い、プローブセル分離領域(CIR)を露出するように形成される。その以外のことは前記した第1マスクパターン210と実質的に同一である。
【0066】
図18を参照すれば、第2マスクパターン240をエッチングマスクとして利用し、露出した基板の表面をエッチングする。前記エッチングによって基板114のプローブセル分離領域(CIR)には基板114の表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)が形成される。次に、第2マスクパターン240を除去する。続いて、図11ないし図15を参照して説明したことと実質的に同一な方法で後続工程を行い、図7に図示されたマイクロアレイを完成する。
【0067】
図18の段階後に、選択的に図19に図示されたように、第3マスクパターン250を形成することをさらに含み得る。第3マスクパターン250は前記した第1マスクパターン210と実質的に同一であるものの、図18の段階で形成されたリセスパターン(R)を埋めることでもあり得る。図7のマイクロアレイ104を製造するためには第3マスクパターン250は後続工程で除去される。一方、後続工程で第3マスクパターン250が除去されず分離膜(図8の220)として残留するようになれば、図8のマイクロアレイ105と実質的に同一な構造が形成され得て、第3マスクパターン250を平坦化し分離膜(図9の230)として部分残留させるようになれば、図9のマイクロアレイ106と実質的に同一な構造が完成され得る。
【0068】
一方、図面で図示しなかったが、図8のマイクロアレイ105はまた、LOCOS工程を利用して形成され得る。また、図9のマイクロアレイ106はSTI工程を利用して形成され得る。以上の工程は本技術分野で広く知られているため、具体的な説明は省略する。
【0069】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されるということを理解し得るであろう。そのため以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【図2】図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【図4】本発明の種々の実施形態によるナノパーティクルを拡大した拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図10】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図11】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図12】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図13】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図14】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図15】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図16】図6に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図17】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図18】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図19】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【符号の説明】
【0071】
100 マイクロアレイ
110 基板
120 微細パーティクル
130 プローブ
140 リンカー
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロアレイに関するもので、より詳細には光検出強度が改善されたマイクロアレイおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲノムプロジェクトが発展し、多様な有機体のゲノムヌクレオチドシーケンスが明らかになることによってマイクロアレイに対する関心が増加している。マイクロアレイは遺伝子発現分析(expression profiling)、遺伝子型分析(genotyping)、SNPのような突然変異(mutation)および多形(polymorphism)の検出、蛋白質およびペプチド分析、潜在的な薬のスクリーニング、新薬開発と製造などに広く使用される。
【0003】
マイクロアレイは基板上に固定された多数個のプローブを含む。プローブはスポッティング(spotting)によって直接固定されたり、フォトリソグラフィ(photolithography)を利用して、インサイチュ(in−situ)合成され固定される。プローブはターゲット物質とハイブリダイゼーションされ得る物質が使用される。蛍光放出物質を含むターゲット物質がプローブとハイブリダイゼーションされれば、マイクロアレイに蛍光放出物質が残留するようになり、これを励起させ発光させることによって、ハイブリダイゼーションの可否および程度が判読される。
【0004】
他のミクロ電子工学分野と同様にこのようなマイクロアレイに対する最近の関心はより小さい面積の基板からさらに多くの情報を判読し得ることである。このためには単位面積当たりさらに多い量のプローブが固定されることと、同一なハイブリダイゼーション量に対して高い検出強度を具現することが要求される。したがって、このために多様な方法が摸索されているが、現在まで前記条件をあまねく満足させる現実性のある提案は提示されないという状況である。
【特許文献1】大韓民国特許登録 2006−083112
【特許文献2】日本公開特許2004−317314公報
【特許文献3】大韓民国特許登録0532812
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は集積化されたプローブ密度および補強された光検出強度を有するマイクロアレイを提供しようとするものである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は集積化されたプローブ密度および補強された光検出強度を有するマイクロアレイの製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明による一実施形態によるマイクロアレイは、基板、前記基板上に配置された複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および前記各微細パーティクルにカップリングされたプローブを含む。
【0009】
前記他の技術的課題を達成するための本発明による一実施形態にともなうマイクロアレイの製造方法は、基板を提供し、前記基板上に複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクルを配置し、前記各微細パーティクルにプローブをカップリングすることを含む。
【0010】
その他実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図に含まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によるマイクロアレイによれば、球形または楕円体形状の微細パーティクルの表面にプローブをカップリングさせるため、単位面積当たりさらに多くの数のプローブをカップリングさせることができる。また、微細パーティクルはフォトニック結晶構造を成すため、同一なハイブリダイゼーション強度にともない検出される光の強度が増加する。したがって、相対的に少ない量のプローブを集積したとしてもハイブリダイゼーションの可否の検出が容易であるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得るものであり、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。
【0013】
空間的に相対的な用語の「の下(below)」、「の下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に図示されているように一つの素子または構成要素と異なる素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は図面に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語であると理解しなければならない。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0014】
以下、添付された図面を参考として、本発明の実施形態に対して説明する。
【0015】
図1は本発明による一実施形態にともなうマイクロアレイの平面図である。図2は図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。図3は本発明の種々の実施形態によるナノパーティクルを拡大した拡大図である。図4は本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【0016】
図1ないし図3を参照すれば、本発明の一実施形態にともなうマイクロアレイ100は基板110、基板上に配置された複数の微細パーティクル120、および微細パーティクル120にカップリングされた多数のプローブ130を含む。
【0017】
基板110は例えば、可撓性(flexible)または剛性(rigid)基板であり得る。適用される可撓性基板の例としてはナイロン、ニトロセルロースなどのメンブレインまたはプラスチックフィルムなどを挙げることができる。剛性基板ではシリコン基板、ソーダ石灰ガラスから成る透明ガラス基板などが例示され得る。シリコン基板または透明ガラス基板の場合にはハイブリダイゼーション過程の間、非特異的結合がほとんど起きない。また、シリコン基板または透明ガラス基板は半導体素子の製造工程またはLCDパネルの製造工程などで適用されている多様な薄膜の製造工程および写真エッチング工程などがそのまま適用され得るという長所がある。
【0018】
基板110はプローブセル領域(CR)およびプローブセル分離領域(CIR)を含み得る。基板110のプローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)はそれ自体で、物理的に区分されないこともあるが、プローブ130の配置の可否によって区分され得る。言い換えれば、プローブセル領域(CR)にはプローブ130が配置され、プローブセル分離領域(CIR)にはプローブ130が配置されない。そして、プローブセル領域(CR)はプローブセル分離領域(CIR)により多数個に区分され得る。すなわち、プローブセル領域(CR)はプローブセル分離領域(CIR)によって囲まれ定義される。
【0019】
基板110上のプローブセル領域(CR)には複数の微細パーティクル120が配置されている。微細パーティクル120は実質的な球形または楕円体形状を有し得る。
【0020】
微細パーティクル120が概ね球形の形状を有する場合、微細パーティクル120は直径(2r)が50nmないし10,000nmのナノパーティクルまたはマイクロパーティクルであり得る。微細パーティクル120が概ね楕円体形状を有する場合、微細パーティクル120は長径が50nmないし10,000nmのナノパーティクルまたはマイクロパーティクルであり得る。好ましくは各微細パーティクル120はすべて同一の直径(2r)または長径を有し得る。このような微細パーティクル120は例をあげれば、シリコン酸化物(例えば、SiO2)や、チタン酸化物(TiO2)等の無機物、メチルメタクリレート(methyl methacrylate)、スチレン(styrene)、ジメチルシロキサン(dimethyl siloxane)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)、ヒドロキシメタクリレート(hydroxyly methacrylate)またはこれらの重合体や共重合体でなされ得る。また、微細パーティクル120は以上で列挙された物質を2以上含み成され得る。
【0021】
各微細パーティクル120は例えば、これに制限されるものではないが、単層(single layer)で配列され得る。また各微細パーティクル120は一定間隔(L)で配列されている。ここで、前記間隔(L)とは、隣接する微細パーティクル120の中心間距離を意味する。前記観点から具体的に少なくとも一方向に隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は一定であるように配列される。例えば、図1に図示されたように、正四角形構造を単位構造として、これら構造が規則的に反復される碁盤形状で配列され得る。この場合、横および縦方向に隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)が一定である。
【0022】
他の実施形態によるマイクロアレイ101では図4に図示されたように、正三角形構造を単位構造とし、これら構造が規則的に反復される形状で配列されもする。この場合、横方向および横方向に±60°の角度を有する方向で隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は一定である。
【0023】
さらに、前記した各微細パーティクル120は一定間隔(L)で離隔され配列され得る。ここで、離隔され配列されるというのは、隣接する各微細パーティクル120が互いに接触せず、これらの間にスペースが提供されていることを意味する。したがって、図1および図4に図示されたように隣接する微細パーティクル120間の間隔(L)は隣接する微細パーティクル120の半径(r)の和より大きくなる。
【0024】
上記のように一定間隔(L)で互いに離隔され配列された微細パーティクル120はフォトニック結晶構造を成し得る。すなわち、図1または図4に図示されている、一定の屈折率を有する微細パーティクル120およびスペース122の反復構造はこれらを通過する光の強度を増幅させるフォトニック結晶構造と関係され得る。ここで、スペース122は微細パーティクル120と屈折率が他のものが好ましく、例えば真空であり得る。他の例として、スペース122は空気によって、占有され得る。スペース122の最小幅、言い換えれば隣接する微細パーティクル120間の最短距離は10、000nm以下であり得る。
【0025】
フォトニック結晶構造を成す微細パーティクル120配列は例えば約150ないし20,000nmの微細パーティクル120の中心間距離(L)を有し得る。より具体的にフォトニック結晶構造を有する隣接する微細パーティクル120の中心間距離(L)は例えば、次の式で表示され得る。
【数1】
【0026】
ただし、前記式でLは隣接する微細パーティクルの中心間距離であり、λは蛍光検出された光の波長であり、nは自然数である。
【0027】
前記式を満足する場合、検出された光の波長が十分に増幅される。したがって、微細パーティクル120の中心間距離(L)は蛍光検出される光の波長(λ)によって異なるように決定され得る。蛍光検出される光の波長(λ)は例えば300nmないし600nmであり得るが、これに制限されない。一方、微細パーティクル120の中心間距離(L)が前記式に厳密に制限されるものではなく、前記式はそれに近似する場合増幅される程度が優秀であり得ることを例示するだけである。
【0028】
前記したような各微細パーティクル120は表面にプローブ130とカップリングし得る官能基(未図示)を含むことができ、前記官能基を通して多数のプローブ130と直接、またはリンカー140を介在してカップリングされる。
【0029】
プローブ130は例えば、オリゴマープローブであり得る。ここで、オリゴマーとは、共有結合された2つ以上のモノマー(monomer)から成るポリマー(polymer)を指称することができる。オリゴマーは例えば、約2ないし500個のモノマーを含み得る。より具体的な例として、オリゴマーは約5ないし300個のモノマー、さらに好ましくは5ないし100個のモノマーを含み得る。しかし、本発明で言及されるオリゴマーは前記例示された数値に制限されず、当業界でオリゴマーと指称されるものをすべて含む。
【0030】
オリゴマープローブのモノマーは例をあげれば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、またはペプチドであり得る。
【0031】
前記ヌクレオシドおよびヌクレオチドは公知のプリンおよびピリミジン塩基を含むだけでなく、メチル化されたプリンまたはピリミジン、アシル化されたプリンまたはピリミジンなどを含み得る。前記塩基としてはアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)や、ウラシル(U)等が例示され得る。また、ヌクレオシドおよびヌクレオチドは従来のリボースおよびデオキシリボース糖を含むだけでなく、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子または脂肪族に置換されたりエーテル、アミン等の官能基が結合した修飾された糖を含み得る。
【0032】
前記アミノ酸は自然で発見されるアミノ酸のL−、D−、および非キラル(nonchiral)型アミノ酸だけでなく、修飾アミノ酸(modified amino acid)、またはアミノ酸類似体(analog)等であり得る。
【0033】
前記ペプチドはアミノ酸のカルボキシル基と他のアミノ酸のアミノ基の間のアミド結合によって生成された化合物を指称する。
【0034】
したがって、前記プローブ(オリゴマープローブ)130は2つ以上のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド等でなされ得る。
【0035】
微細パーティクル120とプローブ130の間のカップリングをリンカー140が媒介する場合、リンカー140は微細パーティクル120とカップリングされ得る官能基およびプローブ130とカップリングされ得る官能基を同時に含む物質でなされ得る。リンカー140はハイブリダイゼーションのための空間的マージンを提供する機能をすることができ、これのためにリンカー140の長さは例えば、6ないし50atomsであり得る。しかし、以上の例示に制限されるものではない。
【0036】
一方、図面に図示されなかったが、本発明の種々の実施形態は基板上のプローブセル分離領域(CIR)に微細パーティクル120が残留するのを含む。しかし、この場合でもプローブセル分離領域(CIR)上の微細パーティクル120には前記したプローブ130がカップリングされないことが好ましい。
【0037】
前記したように微細パーティクル120は例えば、球形や楕円体から成り、プローブ130は微細パーティクル120の表面に位置する官能基とカップリングされるため、プローブ130は基板110面を除外した微細パーティクル120のすべての方向でカップリングされる。すなわち、図3に図示されたように、基板110の上側方向にだけカップリングされるのではなく、基板の水平方向とその間の方向でもカップリングされる。すなわち、球形や楕円体の立体微細パーティクル120は2次元的構造より表面積が広いため、単位面積当たりカップリングされるプローブ130の数も増加する。したがって、プローブ130の集積度が向上し得ることを理解し得るものである。
【0038】
さらに、前記したように、微細パーティクル120はフォトニック結晶構造を成すため、同一なハイブリダイゼーション強度によって検出される光の強度が増加する。したがって、相対的に少ない量のプローブ130を集積してもハイブリダイゼーションの可否検出が容易であるという長所がある。
【0039】
以下、本発明の他の実施形態によるマイクロアレイについて説明する。以下の実施形態で、前記した図1ないし図3の実施形態と同一な構造や構成要素に対しては重複説明を省略・簡略化するものとし、差異点を中心に説明する。図5ないし図9は本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【0040】
まず、図5に例示されているマイクロアレイ102は基板110上のプローブセル分離領域(CIR)に第1マスクパターン210が形成されている点が図2のマイクロアレイ100と異なる。すなわち、基板110自体の形状でプローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)が明確に区分されるものではないが、プローブセル分離領域(CIR)に第1マスクパターン210が形成されることによって、プローブセル領域(CR)を物理的に限定する。第1マスクパターン210はプローブセル分離領域(CIR)をすべて覆い得るが、プローブセル分離領域(CIR)の一部面だけを覆い得る。すなわち、種々の実施形態による第1マスクパターン210は基板のプローブセル分離領域(CIR)の一部分を露出する。
【0041】
第1マスクパターン210は例をあげれば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などから成り得て、後続工程時に相互作用(interaction)問題がないならばフォトレジスト膜から成され得る。しかし、以上の例示に制限されるものではない。
【0042】
本発明の種々の実施形態によるマイクロアレイは基板が基板表面からリセスされたリセスパターンを含む。例示的に、図6に図示されたようにマイクロアレイ103内に含まれたリセスパターン(R)はプローブセル領域(CR)内に配置され得る。リセスパターン(R)から相対的に突出した基板112の表面(s)はプローブセル分離領域(CIR)に配置される。このような構造から進めて、プローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)は物理的なパターンに区分され得るようになる。しかし、本実施形態がプローブセル領域(CR)がリセスパターン(R)と一対一で対応され、プローブセル分離領域(CIR)が相対的に突出した基板112の表面(s)と一対一で対応される場合にだけ限定されるものではない。すなわち、前記した図5の実施形態と類似するように、突出した基板112の表面(s)はプローブセル分離領域(CIR)の一部分だけを占有し、プローブセル分離領域(CIR)の他の一部分はリセスパターン(R)から成り得る。
【0043】
図7の実施形態によるマイクロアレイ104は基板114が基板114表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)を含むことは図6の実施形態と同一であるが、リセスパターン(R)は図6の実施形態とは反対にプローブセル分離領域(CIR)に配置され、相対的に突出した基板114の表面(s)がプローブセル領域(CR)に配置される。したがって、リセスパターン(R)を含むプローブセル分離領域(CIR)は物理的にプローブセル領域(CR)を区分する。
【0044】
図8および図9の実施形態は図7の実施形態から進めて、プローブセル分離領域(CIR)に位置するリセスパターン(R)を埋める分離膜220、230を含む場合を例示する。すなわち、本発明の種々の実施形態によるマイクロアレイ105は図8に図示されたようにリセスパターン(R)を埋めると同時に基板114の表面(s)から上側に突出した分離膜220を含み得る。前記分離膜220はLOCOS膜であり得る。本発明の他の種々の実施形態によるマイクロアレイ106は図9に図示されたようにリセスパターン(R)を埋め、上面が基板114の表面(s)と同一なレベルで平坦化されている分離膜230を含み得る。前記分離膜230はSTI膜であり得る。しかし、前記分離膜220、230が以上で列挙された例示的な膜から、いかなる制限も受けないことは自明である。
【0045】
以下、前記したようなマイクロアレイを製造する方法に対して説明する。
【0046】
まず、図2に図示されたマイクロアレイを製造する方法に対して説明する。図10ないし図15は図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【0047】
図10を参照すれば、基板110を提供して、基板110上に第1マスクパターン210を形成する。第1マスクパターン210はプローブセル分離領域(CIR)を覆い、プローブセル領域(CR)を露出するように形成される。第1マスクパターン210は例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜またはフォトレジスト膜などから成され得る。
【0048】
図11を参照すれば、基板110上に微細パーティクル前駆体120aを提供する。微細パーティクル前駆体120aは例をあげれば、シリコン酸化物(例えば、SiO2)でも、チタン酸化物(TiO2)等の無機物、メチルメタクリレート(methyl methacrylate)、スチレン(styrene)、ジメチルシロキサン(dimethyl siloxane)、ビニルアルコール(vinyl alcohol)、ヒドロキシメタクリレート(hydroxyly methacrylate)またはこれらの重合体や共重合体から成され得る。また、微細パーティクル前駆体120aは以上で列挙された物質を2以上含み成され得る。
【0049】
微細パーティクル前駆体120aは球形の形状を有すものの、すべて同一な直径を有すことが好ましい。例えば、約150ないし20,000nmの直径を有し得る。しかし、本実施形態は微細パーティクル前駆体120aが楕円体の形状を有すことを排除しない。
【0050】
微細パーティクル前駆体120aは例えば、微細パーティクル前駆体120aをアルコールなどのような溶媒に分散させた分散液の形態で提供され得る。分散濃度は例えば0.1%ないし10%であり得る。分散液の形態で提供されている場合、スピンコーティングまたはスリットコーティングの方法が利用され得る。スピンコーティングの場合、約200ないし1,000rpmの速度でコーティングされ得る。
【0051】
分散液の提供は微細パーティクル前駆体120aが単層(single layer)に配置される条件で遂行されるのが好ましい。前記のようなスピンコーティングは、微細パーティクル前駆体120aの単層配置を調節するのに有利な場合がある。
【0052】
続いて、微細パーティクル前駆体120aを凝集するために提供された微細パーティクル前駆体120aをアニーリングする。アニーリング温度は例えば、約300ないし1,000℃であり得る。アニーリング時間は例えば、約5ないし24時間であり得る。アニーリング温度および時間に対する本発明による一実施形態は各々500℃および12時間の場合を含む。
【0053】
図12を参照すれば、微細パーティクル前駆体120aのアニーリングによって、微細パーティクル前駆体120aは凝集し、各微細パーティクル前駆体120aが互いに離隔されておらず密着し接触するようになる。本発明の種々の実施形態で、微細パーティクル前駆体120aの凝集によって隣接する微細パーティクル前駆体120aの中心間距離は微細パーティクル前駆体120aの半径の2倍となる。したがって、微細パーティクル前駆体120aのサイズが同じ場合、隣接するファインパーテクル前駆体120aの中心間距離は一定になる。
【0054】
好ましい実施形態ではプローブセル領域(CR)の微細パーティクル前駆体120aは第1マスクパターン210の間でプローブセル領域(CR)の中央部に向かって凝集する。したがって、第1マスクパターン210の周辺部には微細パーティクル前駆体120aが位置しないこともあり得る。前記したように、プローブセル領域(CR)とプローブセル分離領域(CIR)を微細パーティクルにカップリングされたプローブの有無で区別する時、第1マスクパターン210の周辺部は微細パーティクル前駆体120aが存在しなければ、前記領域はプローブセル分離領域(CIR)に分類される。すなわち、プローブセル分離領域(CIR)は第1マスクパターン210によって覆われていない露出した領域を含み得る。
【0055】
図13を参照すれば、選択的に第1マスクパターン210を除去する。第1マスクパターン210の除去は第1マスクパターン210を成す物質によって相異し得る。例えば、第1マスクパターン210がシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などで成された場合、湿式エッチングなどの方法で除去され得る。第1マスクパターン210がフォトレジスト膜から成された場合、アッシングやストリップ工程によって第1マスクパターン210が除去され得る。第1マスクパターン210の除去はプローブセル領域(CR)に位置する微細パーティクル前駆体120aをアタックしない条件で遂行されるのが好ましい。したがって、種々の実施形態では第1マスクパターン210をフォトレジスト膜で形成し、アッシングやストリップ工程によって除去されることが推薦される。このような第1マスクパターン210の除去は図11の段階で第1マスクパターン210上に配置され得る微細パーティクル前駆体120aを共に除去することを随伴し得る。
【0056】
一方、図5のマイクロアレイ102と共に、最終構造物に第1マスクパターン210が残留するようにするためには前記した第1マスクパターン210除去の段階は省略され得るはもちろんである。
【0057】
図14を参照すれば、微細パーティクル前駆体120aをダウンサイジングし、微細パーティクル120を形成する。微細パーティクル前駆体120aのダウンサイジングは例えば、等方性エッチングでなされ得る。前記等方性エッチングではHFを利用した湿式エッチングが例示される。このような等方性エッチングで微細パーティクル前駆体120aはすべての方向でダウンサイジングされるが、その形状の観点では微細パーティクル前駆体120aの形状が概ね維持されると言える。すなわち、微細パーティクル前駆体120aが球形形状を有する場合、微細パーティクル120の場合にも球形で形成され、微細パーティクル前駆体120aが楕円体形状を有する場合、微細パーティクル120も楕円体形状を有し得る。しかし、等方性エッチングの細部的な工程条件によっては微細パーティクル前駆体120aから微細パーティクル120への転換がその形状の差異を誘発し得る。例をあげれば、球形の微細パーティクル前駆体120aを等方性エッチングすることによって、楕円体の微細パーティクル120が形成され得る。好ましくは微細パーティクル120の形状が球形であると仮定する時、前記等方性エッチングから変形される形状の差異を勘案し、微細パーティクル前駆体120aの形状を設定することが考慮され得る。
【0058】
微細パーティクル前駆体120aのダウンサイジングで形成された微細パーティクル120は例をあげれば、50nmないし10,000nmの直径または長径を有する球形または楕円体であり得る。この時、好ましくは各微細パーティクル120のサイズは同一である。このようにダウンサイジングされた微細パーティクル120はこれ以上隣接する微細パーティクル120と密着され接触せず、互いに離隔される。前記したように隣接する微細パーティクル前駆体120aの中心間距離が一定の場合、ダウンサイジングされた微細パーティクル120でも中心間距離は変わりないため、各微細パーティクル120は一定間隔で離隔され配列される。前記の観点で、隣接する微細パーティクル120の中心間距離(L)は微細パーティクル前駆体120aの直径と実質的に同一であり得る。すなわち、隣接する微細パーティクルの中心間距離(L)は約150ないし20,000nmであり得る。
【0059】
この時、離隔されたスペースは微細パーティクル120とは屈折率が異なる空気によって占有される。このような微細パーティクル120およびスペース構造は前記したように光検出強度を増幅させるフォトニック結晶構造を成すようになる。スペースの最小幅、言い換えれば隣接する微細パーティクル間の最短距離は10,000nm以下であり得る。一方、本段階や後続段階で、選択的に前記基板110上に微細パーティクル前駆体120aの分散液から由来する溶媒が残留する場合、スピンドライなどを利用して残留溶媒を除去することをさらに含み得る。
【0060】
図15を参照すれば、微細パーティクル120の表面を活性化し、微細パーティクル120の表面にプローブとカップリングし得る官能基125を露出する。表面活性化の方法では例えば、微細パーティクル120を硫酸(H2SO4)で約1時間クリーニング処理することを挙げることができる。例えば微細パーティクル120がシリコン酸化物から成る場合、前記のような硫酸クリーニングによって、微細パーティクル120の表面にシラノール(−SiOH)基が露出され得る。
【0061】
改めて図2を参照すれば、引続き、官能基125が露出された微細パーティクル120にプローブ130をカップリングする。プローブ130はプローブ用モノマーのインサイチュ合成によってカップリングされ得る。また、プローブのカップリングはリンカーによって媒介され得る。プローブの合成およびカップリングに対するより具体的な方法は当業界に広く公知されている方法から容易に類推され得るものであるため、その説明は省略するものとする。前記したプローブのカップリングの結果、図2に図示されたようなマイクロアレイが完成される。
【0062】
図16は図6に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別の断面図である。
【0063】
本実施形態は基板上に第1マスクパターン210を形成する段階までは図10と実質的に同一である。続いて、図16を参照すれば、第1マスクパターン210をエッチングマスクとして利用し、露出した基板110の表面をエッチングする。前記エッチングによって基板112のプローブセル領域(CR)には基板112の表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)が形成される。後続工程は基板110がプローブセル領域(CR)にリセスパターン(R)を具備することを除外しては図11ないし図15を参照し、説明した実施形態と実質的に同一なため、その説明は省略する。
【0064】
図17ないし図19は図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別の断面図である。
【0065】
図17を参照すれば、まず、基板110を提供する。次に、基板110上に第2マスクパターン240を形成する。第2マスクパターン240は基板110上のプローブセル領域(CR)を覆い、プローブセル分離領域(CIR)を露出するように形成される。その以外のことは前記した第1マスクパターン210と実質的に同一である。
【0066】
図18を参照すれば、第2マスクパターン240をエッチングマスクとして利用し、露出した基板の表面をエッチングする。前記エッチングによって基板114のプローブセル分離領域(CIR)には基板114の表面(s)からリセスされたリセスパターン(R)が形成される。次に、第2マスクパターン240を除去する。続いて、図11ないし図15を参照して説明したことと実質的に同一な方法で後続工程を行い、図7に図示されたマイクロアレイを完成する。
【0067】
図18の段階後に、選択的に図19に図示されたように、第3マスクパターン250を形成することをさらに含み得る。第3マスクパターン250は前記した第1マスクパターン210と実質的に同一であるものの、図18の段階で形成されたリセスパターン(R)を埋めることでもあり得る。図7のマイクロアレイ104を製造するためには第3マスクパターン250は後続工程で除去される。一方、後続工程で第3マスクパターン250が除去されず分離膜(図8の220)として残留するようになれば、図8のマイクロアレイ105と実質的に同一な構造が形成され得て、第3マスクパターン250を平坦化し分離膜(図9の230)として部分残留させるようになれば、図9のマイクロアレイ106と実質的に同一な構造が完成され得る。
【0068】
一方、図面で図示しなかったが、図8のマイクロアレイ105はまた、LOCOS工程を利用して形成され得る。また、図9のマイクロアレイ106はSTI工程を利用して形成され得る。以上の工程は本技術分野で広く知られているため、具体的な説明は省略する。
【0069】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されるということを理解し得るであろう。そのため以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【図2】図1のII−II’線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの平面図である。
【図4】本発明の種々の実施形態によるナノパーティクルを拡大した拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態によるマイクロアレイの断面図である。
【図10】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図11】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図12】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図13】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図14】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図15】図2に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図16】図6に図示されたマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図17】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図18】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【図19】図7に図示されているマイクロアレイの製造方法を説明するための工程段階別断面図である。
【符号の説明】
【0071】
100 マイクロアレイ
110 基板
120 微細パーティクル
130 プローブ
140 リンカー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および
前記各微細パーティクルにカップリングされた複数のプローブを含むマイクロアレイ。
【請求項2】
前記各微細パーティクルは前記基板上に単層(single layer)で配列されている請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項3】
前記各微細パーティクルはフォトニック結晶構造を成す請求項2に記載のマイクロアレイ。
【請求項4】
前記隣接する微細パーティクルの中心間距離は150ないし20,000nmである請求項3に記載のマイクロアレイ。
【請求項5】
前記各微細パーティクルは直径が50nmないし10,000nmの球形、または長径が50nmないし10,000nmである楕円体の形状を含む請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項6】
前記微細パーティクルはメチルメタクリレート、スチレン、ジメチルシロキサン、ビニルアルコール、ヒドロキシメタクリレート、これらの重合体、これらの共重合体、シリコン酸化物、チタン酸化物およびこれらの組合せから成る群から選択された請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項7】
前記基板は複数のプローブセル領域および前記プローブセル領域を区分するプローブセル分離領域を含み、
前記複数の微細パーティクルは前記プローブセル領域上に配置される請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項8】
前記プローブセル分離領域上に形成された複数のマスクパターンをさらに含む請求項7に記載のマイクロアレイ。
【請求項9】
前記基板は基板表面からリセスされたリセスパターンを含む請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項10】
基板を提供し、
前記基板上に複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクルを配置し、
前記各微細パーティクルにプローブをカップリングすることを含むマイクロアレイの製造方法。
【請求項11】
前記基板上に前記複数の微細パーティクルを配置するのは、
前記基板上に複数の微細パーティクル前駆体を配置し、
前記複数の微細パーティクル前駆体をダウンサイジングして前記一定間隔で離隔され配列されている前記複数の微細パーティクルを形成することを含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項12】
前記複数の微細パーティクル前駆体を配置するのは、
前記複数の微細パーティクル前駆体を溶媒に分散させた分散液を準備し、
前記分散液を前記基板上にスリットコーティングまたはスピンコーティングすることを含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項13】
前記複数の微細パーティクル前駆体を配置した後に、
前記複数の微細パーティクル前駆体を凝集させることをさらに含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項14】
前記複数の微細パーティクル前駆体を凝集させることは、前記複数の微細パーティクル前駆体をアニーリングすることを含む請求項13に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項15】
前記複数の微細パーティクル前駆体をダウンサイジングすることは
前記複数の微細パーティクル前駆体を等方性エッチングすることを含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項16】
前記各微細パーティクルに前記プローブをカップリングする前に、
前記各微細パーティクルの表面を活性化して、前記プローブとカップリングできる官能基を露出することをさらに含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項17】
前記基板は、複数のプローブセル領域および前記プローブセル領域を区分するプローブセル分離領域を含み、
前記複数の微細パーティクルは前記プローブセル領域上に配置される請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項18】
前記基板の前記プローブセル分離領域上にマスクパターンを形成することをさらに含み、
前記複数の微細パーティクルは、前記基板の前記マスクパターンによって定義された領域内に配置される請求項17に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項19】
前記各微細パーティクルは、前記基板上に単層(single layer)で配列される請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項20】
前記各微細パーティクルは、フォトニック結晶構造を成す請求項19に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項21】
前記隣接する微細パーティクルの中心間距離は150ないし20,000nmの請求項20に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項22】
前記各微細パーティクルは、直径が50nmないし10,000nmの球形、または長径が50nmないし10,000nmである楕円体の形状を含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項23】
前記微細パーティクルは、メチルメタクリレート、スチレン、ジメチルシロキサン、ビニルアルコール、ヒドロキシメタクリレート、これらの重合体、これらの共重合体、シリコン酸化物、およびチタン酸化物およびこれらの組合から成る群から選択された請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項24】
前記基板は基板表面からリセスされたリセスパターンを含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項25】
前記各プローブは、リンカーを通して前記微細パーティクルとカップリングされた請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクル、および
前記各微細パーティクルにカップリングされた複数のプローブを含むマイクロアレイ。
【請求項2】
前記各微細パーティクルは前記基板上に単層(single layer)で配列されている請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項3】
前記各微細パーティクルはフォトニック結晶構造を成す請求項2に記載のマイクロアレイ。
【請求項4】
前記隣接する微細パーティクルの中心間距離は150ないし20,000nmである請求項3に記載のマイクロアレイ。
【請求項5】
前記各微細パーティクルは直径が50nmないし10,000nmの球形、または長径が50nmないし10,000nmである楕円体の形状を含む請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項6】
前記微細パーティクルはメチルメタクリレート、スチレン、ジメチルシロキサン、ビニルアルコール、ヒドロキシメタクリレート、これらの重合体、これらの共重合体、シリコン酸化物、チタン酸化物およびこれらの組合せから成る群から選択された請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項7】
前記基板は複数のプローブセル領域および前記プローブセル領域を区分するプローブセル分離領域を含み、
前記複数の微細パーティクルは前記プローブセル領域上に配置される請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項8】
前記プローブセル分離領域上に形成された複数のマスクパターンをさらに含む請求項7に記載のマイクロアレイ。
【請求項9】
前記基板は基板表面からリセスされたリセスパターンを含む請求項1に記載のマイクロアレイ。
【請求項10】
基板を提供し、
前記基板上に複数の微細パーティクルであって、前記各微細パーティクルが一定間隔で離隔され配列されている複数の微細パーティクルを配置し、
前記各微細パーティクルにプローブをカップリングすることを含むマイクロアレイの製造方法。
【請求項11】
前記基板上に前記複数の微細パーティクルを配置するのは、
前記基板上に複数の微細パーティクル前駆体を配置し、
前記複数の微細パーティクル前駆体をダウンサイジングして前記一定間隔で離隔され配列されている前記複数の微細パーティクルを形成することを含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項12】
前記複数の微細パーティクル前駆体を配置するのは、
前記複数の微細パーティクル前駆体を溶媒に分散させた分散液を準備し、
前記分散液を前記基板上にスリットコーティングまたはスピンコーティングすることを含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項13】
前記複数の微細パーティクル前駆体を配置した後に、
前記複数の微細パーティクル前駆体を凝集させることをさらに含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項14】
前記複数の微細パーティクル前駆体を凝集させることは、前記複数の微細パーティクル前駆体をアニーリングすることを含む請求項13に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項15】
前記複数の微細パーティクル前駆体をダウンサイジングすることは
前記複数の微細パーティクル前駆体を等方性エッチングすることを含む請求項11に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項16】
前記各微細パーティクルに前記プローブをカップリングする前に、
前記各微細パーティクルの表面を活性化して、前記プローブとカップリングできる官能基を露出することをさらに含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項17】
前記基板は、複数のプローブセル領域および前記プローブセル領域を区分するプローブセル分離領域を含み、
前記複数の微細パーティクルは前記プローブセル領域上に配置される請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項18】
前記基板の前記プローブセル分離領域上にマスクパターンを形成することをさらに含み、
前記複数の微細パーティクルは、前記基板の前記マスクパターンによって定義された領域内に配置される請求項17に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項19】
前記各微細パーティクルは、前記基板上に単層(single layer)で配列される請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項20】
前記各微細パーティクルは、フォトニック結晶構造を成す請求項19に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項21】
前記隣接する微細パーティクルの中心間距離は150ないし20,000nmの請求項20に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項22】
前記各微細パーティクルは、直径が50nmないし10,000nmの球形、または長径が50nmないし10,000nmである楕円体の形状を含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項23】
前記微細パーティクルは、メチルメタクリレート、スチレン、ジメチルシロキサン、ビニルアルコール、ヒドロキシメタクリレート、これらの重合体、これらの共重合体、シリコン酸化物、およびチタン酸化物およびこれらの組合から成る群から選択された請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項24】
前記基板は基板表面からリセスされたリセスパターンを含む請求項10に記載のマイクロアレイの製造方法。
【請求項25】
前記各プローブは、リンカーを通して前記微細パーティクルとカップリングされた請求項1に記載のマイクロアレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−197104(P2008−197104A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30986(P2008−30986)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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