マイクロフルイディック部品の接合方法及び接合部
本発明は、マイクロフルイディックカートリッジ(20)内へのプラスチック部品の接合に関する。本発明は、特に、診断分析装置用のカートリッジ(20)に関する。カートリッジ(20)は、流体を導くフロア要素(11)、カバー(2)及び要素(1,2)相互間に設けられたフィルム(3)を有する。カバー(2)又はフロア要素(11)及びフィルム(3)は、これら要素の一方に設けられたマイクロフルイディックチャネル(4)にサンプル流体を充填する充填開口部(5)を有し、板形要素(1,2)の一方と一体に形成されたピン(6)がフィルム(3)及び関連の要素(1,2)の各々に設けられた対応の穴(7)に嵌まり込む。ピン(6)を変形させることにより、変形したピンと穴の壁との間に摩擦嵌め状態が生じ、関連の基体に圧力嵌め状態で接触するヘッド(9)が形成され、接合プロセスのため、加圧ツール(12)が所定の圧力(P)でピン(6)のヘッド端部(9)に配置され、ピン(6)への熱伝達が溶接時間ts中に起こる。ピン材料をガラス転移温度及び/又は融点よりも高い温度にし、ピン材料を穴(7)内で流動させることによりピン(6)と穴(7)の壁との間に摩擦嵌め状態を作る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフルイディックカートリッジを形成するために特にプラスチックで作られたマイクロフルイディック部品を互いに連結する接合技術に関する。
【0002】
これらマイクロフルイディックカートリッジは、例えば、ポイント・オブ・ケア(point-of-care:POC)手持ち型分析装置又は医学的診断装置で用いられている。本発明の分野は、特に、接合されるべき部品が数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲にわたる長さ及び幅寸法を有する側方流れカートリッジを製造する接合技術を含む。
【0003】
本発明の分野は、請求項1の前提部に記載されたマイクロフルイディックカートリッジ(以下、「器具」という場合がある)及び請求項20の前提部に記載されたこのような器具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
マイクロフルイディックカートリッジは、1回使用検査の形態で利用される場合が多い。この目的のため、検査されるべき分析用液体(例えば、血液、尿又は唾液)がバイオセンサを備えたカートリッジに送られる。カートリッジへのサンプル(検体)の追加は、カートリッジを分析器具内に配置する前又は後で実施される。分析物は、開口部を通ってカートリッジ内に追加され、次に液体がマイクロチャネルを通って対応のサンプル前処理チャンバ及びサンプル調査チャンバに送られる。
【0005】
「マイクロ」という用語の使用は、少なくとも1つの幾何学的膨張方向においてチャネル及び/又はチャンバがミクロン尺度の寸法を有し、即ち、測定値が少なくとも一寸法に関し1mm未満であることを意味している。
【0006】
「マイクロフルイディックカートリッジ」という用語は、この種のマイクロチャネル及びマイクロ部品を有する液体の分布のための幾つかの部品で構成された器具を意味している。
【0007】
「マイクロフルイディック」という用語は、液体の圧力により引き起こされると共に/或いは毛管作用による流れがマイクロチャネル及び/又はマイクロチャンバを通って且つこの中で起こることを意味している。
【0008】
カートリッジは、典型的には、互いに接合された特にプラスチック製の複数個の板状基体、即ち、長さ及び幅寸法の数分の一の厚さ測定値を有する部品から成る。
【0009】
マイクロフルイディック部品を製作するため、凹み及び/又は小穴が大部分が平らな板状基体に形成され、別の板状基体で覆われる。
【0010】
板状基体は、フィルムであるのが良い。
【0011】
試薬が板状基体に又はマイクロチャンバ/マイクロチャネル内に塗布される場合がある。
【0012】
板状基体は、バイオセンサのためのキャリヤとして働くことができ、この板状基体は、特に、電子部品、例えば印刷導体パターン又は光学部品、又は光学面、反射面及び光導波路を有する場合がある。
【0013】
さらに、コンポーネント及び/又はカートリッジの接合、案内及び取扱いのための成形形状物が板状基体の一方に設けられる場合がある。典型的には、板状基体は、少なくとも一部がフィルムで覆われるのが良く、フィルムは、接着され又は貼り付けられ、このフィルムは、基体に形成されたマイクロフルイディックチャネルを緊密に封止する。
【0014】
上述した形式のマイクロフルイディック部品の接合技術として、超音波溶接、熱的接着又は拡散接合、レーザ溶接及び例えば接着層又は貼合せを用いた部品の接着が一般的に知られている。
【0015】
別の適当な連結技術は、両面接着フィルムの使用である。フローチャネルの濡れを阻止することができるこれら接着剤の疎水性は、接着プロセス又は接着フィルムの使用において欠点となる場合がある。液体接着剤が用いられる場合、接着剤が流体運搬構造体中に流れることにより流体運搬構造体が閉塞する恐れがある。
【0016】
多くの場合、超音波溶接技術は、接合プロセスにおいて相当な振動応力を伴うという欠点を有する。
【0017】
これらが原因となって、例えば、試薬又は粒子がチャンバ内又は表面上で乾燥し、そして超音波溶接中の振動により振り落とされ、それによりバイオセンサ内における反応の進行を邪魔した場合にバイオセンサの損傷及びその後の誤作動が生じる場合がある。
【0018】
或る検出反応では、特に、血液成分を検出する免疫化学的アッセイでは、液体を濾過することが必要である。
【0019】
この血液分離中、血漿の濾過は、フィルタメンブレンによって実施され、このフィルタメンブレンは、カートリッジ部品内に糊付けされ、溶接され又はクランプされる。メンブレンのクランプは、例えば柔軟性シール又はばね取付けリングを用いて実施される場合がある。
【0020】
このメンブレンは、超音波振動中における機械的振動によって損傷し、特に引き裂かれる場合がある。
【0021】
もう1つの欠点は、プラスチックの中には特に互いに異なるプラスチック材料が溶接され又は接着されたときに起こる貧弱な接着性及び貧弱な溶接性を有するものがあるということにある。
【0022】
接着フィルムの使用の欠点は又、接着フィルムを処理する(例えば、開口部やチャネルを打ち抜き加工し又は切断形成する)際に追加の材料費及び作業が必要であり、それによりコストが一段と増大するということにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述の技術背景を考慮して、上述の欠点をなくす接合プロセス及びこの種の器具の接合連結部を提供するという課題が存在する。
【0024】
特に、この課題は、マイクロフルイディックカートリッジの部品相互間の安価で堅固な且つ材料接続した連結部を提供する接合プロセス及び接合部を提供することである。
【0025】
また、接合プロセス中、機械的荷重が部品に加わるのを回避すると共に部品の確実な取付けを可能にする方法及び接合部を提供するという課題が存在する。
【0026】
また、カートリッジのマイクロフルイディック特性に悪影響を及ぼさない接合方法及び接合連結部を提供するという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
これら課題は、請求項1記載の器具及び請求項20記載の方法によって解決される。
【0028】
本発明は、特に、板状流体運搬部品がフィルムで覆われたマイクロフルイディック検査器具であるカートリッジに関する。
【0029】
フィルムは、板状流体運搬部品の一方の側又は両方の側に形成されたチャネル及び/又はチャンバ構造を覆い、約10ミクロンから数ミリメートルの範囲の構造的幅及び構造的高さを有するマイクロフルイディックチャネルシステムを形成する。フィルムは、板状部品を部分的に又はその表面全体を覆う。
【0030】
好ましくは、板状部品の材料及びフィルムの材料は、本質的には、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、オレフィンポリマー及びオレフィンコポリマー、例えばシクロオレフィンポリマー及びシクロオレフィンコポリマー(COC及びCOP)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又はポリエチルエーテルケトン(PEEK)の中から選択された非晶質又は部分結晶性プラスチックから成る。
【0031】
フィルムは、多層構造のものであるのが良い。特に、フィルムは、片面又は両面に板状基体への取付けのための接着層を備えるのが良い。接着層は、好ましくは、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー(EVA)の低融点貼合せ層又は密封層である。
【0032】
表面及び/又はチャネル構造は、これら表面の全て又は一部にわたって表面処理及び/又は表面被覆を受けているのが良い。例えば、プラズマ照射/プラズマエッチングが表面接着性を向上させるために表面処理及び/表面活性化として実施されるのが良い。水性流体の運搬具合を向上させるチャネル領域の親水性化が例えば表面コーティングとして可能である。
【0033】
変形例として、フィルムは、高温貼付け法で基体の表面に溶接された追加の密封層を更に有しても良い。さらに、フィルムは、直接貼り付けられても良く、即ち、圧力及び熱の作用により密封層に溶着させるのではなく、フィルムと基体との間に材料結合部を形成する。
【0034】
好ましくは、フィルムは、扁平である。しかしながら、例えば変形可能なチャンバを形成するためにフィルムを局所的に成形し又はフィルムが圧力又は真空制御弁及びマイクロアクタ(microactor)を形成するようになっていることも又可能である。この点に関し、国際出願PCT/EP2009003908号明細書及びPCT/EP2009003907号明細書を参照されたい。なお、これら国際出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0035】
第1のフィルムに加えて、第2のフィルムを板状基体及び/又は第1のフィルム上に被着させるのが良い。第2のフィルムは、別のフルイディック構造、例えばチャネル、チャンバ及び/又は開口部を更に有するのが良い。好ましくは、第2のフィルムは、バイオセンサ、特に測定手段、例えば電気接点及び電位表面又は光学構造体、例えば光導波路又は光学反射面のための構造体を有する。
【0036】
マイクロフルイディック検査では、測定されるべき分析物(例えば、血液、唾液、尿)を一般に充填領域から枝分かれしている1本又は2本以上の入口チャネルを通ってマイクロフルイディックバイオセンサに送られるのが良い。充填領域には充填開口部を通って分析物が送られ、充填開口部は、板状基体に設けられたボアである。
【0037】
「ボア」という用語は、本発明の範囲内において、板状基体の一方に設けられた開口部又は凹みを意味している。開口部の形状は、ボアに見られる従来通りの円筒形丸形であるのが良く、或いは、断面が長円形であっても良く或いは断面が正方形、角張った形状又は三角形であっても良い。ボアに関する3次元形状物、例えば涙滴形構造体も又採用可能である。
【0038】
有利には、板状基体の少なくとも一方は、充填開口部の付近に密封リップを有する。この密封リップは、充填領域、即ち充填開口部を流体力学的に密封する機能を実行する。
【0039】
したがって、密封リップは、充填開口部を連続的に包囲することが特に有利である。
【0040】
特にフィルムの少なくとも一方の面と基体との間に接着部を形成しない場合に密封リップが提供される。好ましくは、密封リップは、この場合、基体表面から突き出たカッタとして具体化される。部品が互いに接合されると、カッタは、フィルム中に押し込められてフィルムと基体との間の隙間を封止する。カッタは、好ましくは、くさび形であるが、円、長方形又は三角形の一部の形をしても良い。
【0041】
変形例として、密封リップは、接合プロセス中に圧縮され、それによりフィルム及び基体との密封連結部を形成するシール、特に弾性材料、例えばシリコーンのリング形シールであっても良い。密封リングは、充填開口部を包囲した状態で基体に設けられた窪み内に配置されるのが良い。
【0042】
密封リングの代替手段として、包囲密封リップとして弾性密封材料を用いることも可能であり、この密封リップは、接合作業の前に充填開口部の付近に被着される弾性密封コンパウンドのビードにより形成される。また、密封材料として接着剤又は接着フィルムを用いても良い。
【0043】
また、1枚のフィルム及び/又は複数枚のフィルムに対応関係をなして配置されたボアを設けるのが良い。好ましくは、充填開口部は、第2の板状基体、特にカバー要素に設けられる。
【0044】
このカバー要素は、特に好ましくは、サンプル液体から粒子を濾過して除去するフィルタ要素、特にメンブレンを備える。特に血液に基づく診断検査では、一般に、血液を濾過することが必要であり、その目的は、できるだけ干渉が少ない状態で血漿に関する測定を実施することができるようにすることにある。
【0045】
メンブレンは、有利には、基体に設けられた凹部又は窪み内に接着され又は溶接され、次に、カバー要素を備えた部品を形成する。メンブレンは、メンブレンの一部を引き裂くのを回避するよう可能な限り最も小さい機械的応力にさらされるべきであるので、但し、他方において、カバー要素はカートリッジにしっかりと且つ固定的に取り付けられることが必要不可欠であり、従来の超音波溶接とは対照的に、カバー要素又は板状基体一般を接合する本発明の方法が用いられる。
【0046】
この目的のため、カバー要素及び/又は流体運搬基体は、この部品に一体に連結されているピンを有する。
【0047】
本発明の意味の範囲内においてピンという用語は、カバー要素及び/又は板状基体よりも少なくとも一寸法方向において、即ち、カバー要素及び/又は板状基体の幅方向又は長さ方向に著しく小さい広がりを持つ保持手段の全てを意味している。具体的にいえば、この用語は、円筒形であり且つ数ミリメートルの筒体直径を有する保持手段を意味している。しかしながら、ピンの形状は、三角形、正方形、長方形又は多角形であって良い。特に、ピンは、リブとして具体化されても良く、即ち、ピンは、幅方向に数ミリメートル、長さ方向に数ミリメートル延びる形状を有しても良い。この種のリブは、有利には、充填開口部周りの円をなして配置される。
【0048】
プラスチック板及び/又はカバー要素から突き出たこれらピンは、特に射出成形によるそれぞれの部品の製造中に成形され、それにより、ピンを安価に製作することができる。
【0049】
ピン及びそれぞれの部品の関連のボアの配置状態は、これらが位置決め中、互いに嵌まり込むよう選択される。
【0050】
ボアの形状は、有利には、ピンの形状とほぼ同じであり、その結果、ピンは、これらが係合するボア内に正確に嵌まり込むようになっている。
【0051】
カートリッジの製造中、位置決め及び取扱いを助けるため、ピンは、好ましくは、わずかに面取りされ、特に円錐形の形状を有し、それにより取扱い中における部品の相互の位置決めを容易にすることができる。直径がボアの直径にほぼ一致したピンの広い基部により、部品を積み重ねたときに自動位置決めが達成される。
【0052】
マイクロフルイディックカートリッジの部品は、ピン直径又はピン幅に対応してほんの数ミリメートルから数センチメートルまでの長さ寸法及び幅寸法を有する場合が多いので、平均直径又は幅は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜2mmに選択される。
【0053】
有利には単一の接合部が製造後、1kg又は10ニュートンの保持力を保証すべきである。このことは、カバー要素が各接合部に加わる10ニュートンの少なくとも1つの垂直に作用する引裂き力に耐えることを意味している。
【0054】
複数個の互いに類似した接合部が提供される場合、引裂きに対する保持力が増大する。
【0055】
接合連結部のため、部品が支持体上に位置決めされ、適当な加圧ツール、特にサーモード(thermode)が加熱状態において0.5バール〜5バールの圧力でピンの端に押し付けられる。変形例として、適当な圧力が加えられ、プラスチック材料が所要の流動性を有する場合、適当な加圧ツールを用いて常温成形を実施しても良い。
【0056】
上述の0.5バール〜5バールは、加圧ツールの機構体に作用する圧力である。この圧力を一般に、空気圧的、油圧的又はサーボ電気的に発生させることができる。
【0057】
サーモードは、好ましくは、ピンの端の中央に作用する適用箇所に円錐形端部を有する。変形例として、サーモードの端部は、平らであっても良く又はネガの皿形、特にネガのマッシュルーム形のものであっても良い。更に、ネガの形状は、中央にスパイクを有しても良く、このスパイクが成形中、ピンの端部中に押し入ってピンの材料外方に押し出す。
【0058】
サーモードは、成形プロセス中、接合部に25ニュートン〜250ニュートンの力を及ぼす。
【0059】
0.5秒を超え、特に1.5秒〜5秒の溶接時間により、サーモードの先端部からピン材料中への熱の十分な流れが保証され、ピン材料は、そのガラス転移温度又は軟化温度よりも高い温度まで加熱される。
【0060】
プラスチックであるPS、PMMA、PC、PE、PP及びPEEKについて選択されたツール及びプロセス温度は次の通り、即ち、PS(100℃〜180℃、特に130℃〜150℃)、PMMA(100℃〜180℃、特に130℃〜150℃)、PC(140℃〜230℃、特に160℃〜190℃)、PE(80℃〜170℃、特に100℃〜140℃)、PP(90℃〜200℃、特に120℃〜170℃)、COP及びCOC(100℃〜240℃、特に170℃〜210℃)及びPPEK(160℃〜250℃、特に180℃〜210℃)である。
【0061】
軟化中、プラスチック材料は、中心から始まって加圧ツールにより流れるようになり、その結果、ヘッドが形成され、材料が圧力下でボアの壁に押し付けられるようになる。材料のこの押し付けにより、変形状態のピンとボアとの間に摩擦係合関係が生じ、その結果、これら部品は、摩擦係合と成形されたヘッドのインターロック係合の両方によって互いに接合されるようになる。
【0062】
溶接時間ts後、サーモードを持ち上げて接合部から離し又はサーモードが別の期間にわたり、即ち保持時間tHの間、接合部に当てたままにする。保持時間tHは、接合連結部がこの時間の間、凝固するよう選択される。例えば、サーモードへの熱の供給は、保持時間の間中断されると共に/或いはサーモードを自動的に且つ/或いは能動的に冷却させる。冷却は、例えば、取付け状態の冷却システムによって、空気を接合部に吹き付けることにより(空冷)又は自動的冷却(冷却媒体)によって実施されるのが良い。変形例として、これら部品は、保持時間tHの間、クランプ機構体又は保持機構体によって互いに対して固定されても良い。この場合、サーモードを持ち上げて接合部から完全に離し、有利には、対応の冷却ステップが接合部の凝固状態を支援する。
【0063】
好ましくは、保持時間tHは、0.2〜5秒、特に0.5〜2.5秒である。
【0064】
達成可能な短い溶接時間(ts)及び短い保持時間(tH)は、接合プロセスのための経済的なサイクル時間を保証する。
【0065】
有利には、このようにして作られた接合連結部の引張り強度は、基体材料の引張り強度の少なくとも25%である。
【0066】
特に好ましくは、板状基体、特にヘッドが形成されたカバー要素の頂部に設けられたボアは、ヘッドが嵌まり込む止まり穴を備え、したがって、大部分平面状の平らな表面が板状基体上に維持されるようになる。
【0067】
本発明は、以下の実施形態に従って具体化される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】マイクロフルイディックチャネル構造を備えた板状基体を示す図である。
【図2a】カバー要素を上から見た図である。
【図2b】カバー要素を下から見た図である。
【図2c】入口開口部を備えたカバーフィルムを示す図である。
【図2d】ピン及び包囲密封リップを備えたカバー要素を示す図である。
【図2e】ボアを備えた類似のカバー要素を示す図である。
【図3】位置決めステップ後であって接合ステップ前の製造プロセス中におけるカートリッジの細部を示す図である。
【図4】接合状態のカートリッジを示す図である。
【図5】接合状態のカートリッジを示す図である。
【図6】接合部の断面図である。
【図7】サーモードを用いた接合法を示す図である。
【図8】荷重試験の仕方を示す略図である。
【図9】接合連結部の強度を示すグラフ図である。
【図10】接合連結部のパラメータに関する統計学的グラフ図である。
【図11】接合連結部のパラメータに関する統計学的グラフ図である。
【図12】内側の構造的インターロック係合が行われた接合部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1、図2a、図2b及び図2cは、本発明のカートリッジ(20)の部品の略図である。このカートリッジは、第1の板状基体(1)、特に長さ数センチメートル、幅数センチメートル、高さ数ミリメートルのプラスチック板を有する。
【0070】
プラスチック板にはマイクロフルイディック構造、例えばチャネル(4)、通気トレンチ(18)により包囲された入口チャンバ(17)、通気チャネル(19)及び分析チャンバ(21)が形成されている。
【0071】
カートリッジ(20)を用いて分析を実施するため、液体を入口チャンバ(17)内に導入し、そしてチャネル(4)により分析チャンバに送る。分析チャンバ内には、バイオセンサが設けられており、このバイオセンサは、液体の生物学的又は化学的成分、例えば、血漿中のホルモン濃度を測定する。
【0072】
図示の流体力学的ネットワークは、極めて単純化された形態で示されており、カートリッジ(20)は、他のマイクロフルイディック部品並びにサンプルを処理する試薬、サンプルを前処理する試薬及び検出のための試薬を有するのが良い。
【0073】
図1〜図2bに示されている実施形態としてのカートリッジ(20)の製造にあたり、フィルム(3)を第1の板状基体(1)に接着し又は貼り付ける。
【0074】
フィルム(3)は、この目的のため、その下面に、接着層又は密封層(16)を有し、この層(16)は、基体(1)とフィルム(3)との間の連結部を生じさせる。フィルム(3)は、レーザ切断又は打ち抜きによって付形されるのが良く、ピン(6)のためのボア(7)及び入口チャンバ(17)を充填する充填開口部(5)が切断形成されている。変形例として、フィルムは、両面に接着層及び/又は密封層を備えても良く、その目的は、第1の基体(1)及び更に第2の基体(2)の両方との接合/接着を提供することにある。
【0075】
フィルム(3)をマイクロフルイディック構造体にくっつけると共に/或いは貼り付けることにより、充填開口部(5)及び通気チャネル(19)の開口部を除きぐるりと全て密封された流体力学的ネットワークが得られる。
【0076】
有利には、フィルム(3)のボア(7)の直径がピン(6)の直径に一致し又はこれよりも幾分小さく、したがって、フィルムがピンに接触してシールを形成することが想定できる。これは、流体運搬構造体がピンの近くで基体(1)又はフィルム(3)に設けられ、毛管力が接合部のキャビティ中への流体の望ましくない流出を生じさせる恐れがある場合に特に有利である。
【0077】
有利には、通路の直径、即ち、フィルム(3)の充填開口部(5)のボア直径を第2の板状基体(2)の充填開口部(5)のボア直径よりも小さくすると共に/或いは入口チャンバ(17)のベースの直径よりも小さくすることも又可能である。
【0078】
フィルムは、一般に、疎水性なので、フィルムの縁及び側面は、水性液体のための流体停止部を形成する。充填開口部(5)の直径を減少させることにより、カバー要素(2)のメンブレン(14)からフィルムとカバー要素(2)との間の隙間中への液体の流れが阻止される。
【0079】
図2a及び図2bの実施形態ではカバー要素(2)である第2の板状基体(2)は、分析されるべき流体が送り込まれる実質的に中央の開口部(5)を有する。有利には、貫流ボアの開口部は、開口部幅が5〜15mmであるように構成されている。特に好ましくは、ボアの側面は、表面に向かって開口とすると共に幾何学的寸法形状は指先の寸法形状に合わされた漏斗を形成する。
【0080】
図2aは、カバー要素(2)を上から見た図である。中央開口部に加えて、4つのボア(7)がカバー要素(2)のコーナ領域に設けられ、これらボアは、カバーの上面に止まり穴(10)を形成するよう広げられている。止まり穴(10)は、接合プロセス中に生じるリベットヘッド(9)を収納し、これがカバー(2)の表面よりも上に突き出ることがないようにする機能を有する。
【0081】
図2bは、カバー要素(2)を下から見た略図である。図面は、開口部(5)の周りに包囲固定面(22)を有する凹部を形成するよう周囲がカバー要素の下面に向かって拡張した開口部(5)を明確に示している。この凹部内にはメンブレン(14)が配置され、このメンブレンは、固定面(22)に接着され又は溶接される。
【0082】
カバー要素の表面からの固定面の間隔、即ち、カバーの厚さ方向における凹部の深さは、メンブレンの厚さにほぼ一致している。これにより、カートリッジ(20)を形成するよう部品を互いに接合した後、メンブレン(14)の下面とカバー要素(2)の下面が平らな表面を形成し、メンブレンが図2のフィルム(3)の開口部(5)に当接するようになる。
【0083】
図2d及び図2eは、図2a及び図2bに示されたカバー要素(2)に類似したカバー要素(2)を示している。図示の側は、カートリッジ(20)内でフィルム(3)に当接する側である。
【0084】
充填開口部(5)の領域に隣接して、先ず最初に、包囲凹み固定面(22)が設けられ、メンブレン(14)は、この固定面内に配置される。
【0085】
2つの環状に包囲した密封リップ(11)も又見える。
【0086】
図2dの左側詳細図で理解できるように、密封リップは、カバー要素(2)の基体表面から突き出て、基体に一体に連結されている。密封リップの先端部は、図面の中の1つの図に示されているように部品を互いに接合した後においてはフィルム(3)に押し入るカッタを形成する。
【0087】
本発明の目的上、カッタという用語は、基体に設けられ、用いられるフィルム(3)中に少なくとも部分的に押し入るのに適した任意のくさび形、ブレード状、環状又は丸形成形物を意味している。
【0088】
図3、図4、図5及び図7は、結合部の付近におけるカートリッジ部品の位置決め及び接合の仕方を概略的に示している。この目的のため、図3及び図7に示されている第1の実施形態では、断面で見てフィルム(3)で覆われたチャネル構造(4)を有する第1の板状基体(1)とカバー要素(2)は、支持体(13)上に互いに積み重ねられている。
【0089】
板状基体(1)、特にベース要素(1)は、基体(1)の表面から突き出て基体(1)と一体連結された状態で基体(1)の表面から突き出た円錐形のピン(6)を有している。これらピンは、ポリスチレンで作られた板状基体(1)を製作する射出成形法の際、射出により容易に形成できる。
【0090】
ピン基部の直径が蓋(2)のボア(7)の直径に実質的に一致したピン(6)が円錐形の形をしていることにより、カバー(2)とベース板(1)の相互の自動心出しが行われるという利点が得られる。
【0091】
図7は、位置決めステップ後におけるピン(6)の円錐形端部の付形プロセスを示している。
【0092】
明らかなこととして、フィルム(3)は、少なくとも接合部の付近に接着層(16)を備え、この接着層は、接着力をもたらしてフィルム(3)とカバー(2)との間の密封連結部を生じさせる。
【0093】
ピン(6)をボア(7)内に取り付けるため、加圧ツール(12)を所定の圧力Pでピンの端部の中央に当てる。図示の実施形態では、ピン直径は、基部が1mmであり、円錐形先端部が0.7mmであり、ピン材料は、ポリスチレン(PS)である。
【0094】
加圧ツール(12)は、加熱され、この実施形態では、加圧ツールは、PSを付形するために130℃〜150℃のツール温度を有する。他のプラスチック又はツール幾何学的形状に関し、ツール温度は、それに合わされる。
【0095】
加圧ツールであるサーモード(12)は、ロッドの形をしており、そのヘッドは、円錐形又はピラミッド形状をなして先細になっている。
【0096】
サーモードは、1.5バール〜5バールのツール圧力pでピンの端部に当てられる。
【0097】
ツール圧力は、ツールの保持機構体に作用する圧力である。保持機構体は、約2000mm2のラム表面を備えた空気圧シリンダである。変換されると、サーモード(12)の押圧力について100ニュートン〜1キロニュートンの範囲が得られ、この力は、サーモード先端部にわたって分配される。4つの接合部が同時に熱的に付形される場合、サーモード先端部がピン(6)に作用してこれを再付形する25ニュートン〜250ニュートンの力が得られる。
【0098】
1.5秒〜5秒の溶接時間tsの間、熱がピン先端部中に移動し、ピン材料は、そのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱され、流動し始める。それと同時に、ピン材料をツールのラム圧力によりボアの壁に押し付け、ピン(6)とボア(7)の壁との間に摩擦連結部が形成される。
【0099】
図7に示されているように、サーモードの円錐形先端部は、ピンの材料を中央から周囲に向かって外方に押しのけてヘッド(9)を形成する。カバー材料の塑性変形も又、図6及び図7に示されているようにカバーのボア(7)の付近で生じる場合がある。
【0100】
図6及び図7の実施形態の変形例として又はこれに加えて、図12の構成を採用することも又可能である。
【0101】
この場合、ヘッド(9)の成形に追加して又はこの代替手段として、カバー要素の1つ又は2つ以上の環状窪みに熱塑性変形したピン材料を埋め込み、その結果、追加のインターロック係合関係をなす連結要素によりカートリッジのベース部品(1)とカバー(2)が結合するようにする。
【0102】
図示の実施形態では、成形部(29)は、環状であるが、他の形状、例えば螺旋又はくさび形状並びにアンダーカット付きの形状を用いても良い。
【0103】
また、この種の接合連結部(29)をボア(7)にそれ自体のヘッドに代えて用いることが可能である。
【0104】
変形例として、高い温度又は平べったいサーモード端部が用いられる場合、主としてインターロック方式の連結部を形成することも又可能である。この場合、ピン材料は、主としてヘッドを形成するためにのみ流動し、他方、ボア内のそれ以上先に位置する領域は、ほとんど変形しない。
【0105】
部品が互いに固定的に取り付けられるようにするためには、部品を特にクランプにより、更に保持時間tHにわたり互いに対して固定的に位置決めする。有利には、このような位置決めは、サーモード接触圧力を維持すると共に/或いは部品を外部からクランプすることによって達成できる。前者の場合、サーモードが保持時間全体にわたって接合部に押し付けられ、この時間の間、熱による加熱が中断されると共に/或いは能動的冷却が起こる。
【0106】
変形例として、サーモードに弾性保持装置(図示せず)を取り付けても良く、この結果、保持装置のばね力が保持時間tHの間部品を圧縮し続けた状態でサーモードの先端部を接合部から第1の距離にわたり持ち上げることができる。変形例として、接合装置に別個の保持装置(図示せず)を設けても良く、このような別個の保持装置は、溶接時間ts及び保持時間tHの間、部品を位置決めすると共にこれらを互いに押し付ける。
【0107】
好ましくは、溶接時間ts及び保持時間tHを別個独立に調節すると共に制御することができる。保持時間tHは、好ましくは0.2〜5秒であり、特に0.5〜2.5秒である。
【0108】
部品の圧縮又はクランプは、接合部が作られるまでプラスチック製部品の弛緩を阻止する。
【0109】
図6は、完成状態の接合部の断面図である。部品を区別すると共に識別するため、部品には陰影が施されており、縁面は、図形的に強調されている。
【0110】
この断面図は、取付け箇所の付近のカートリッジを示しており、PSベース板(1)、フィルム(3)及びカバー要素(2)は、このようにして形成されたプラスチックリベット止め接合連結部によって互いに接合されている。
【0111】
図面は、ピン(6)が突き出たボア(7)の壁を明確に示している。止まり穴(10)のコーナ部は、左上側のコーナ部に位置したままである。熱圧力を利用した接合プロセスにより、ピン材料が明確に示されているようにボアの縁に押し付けられ、ここで、ピン材料は、カバー要素(2)と摩擦連結部を形成する。
【0112】
また、カバー(2)の材料も又、接合部の付近で塑性変形し、その結果、ピンの成形ヘッド(9)がインターロック係合により止まり穴の底部に接触すると共に側部領域がインターロック係合関係をなして塑性変形したカバー材料に当接すると共に/或いはカバー材料で包囲されるようになることが明らかである。
【0113】
十分に高いツール温度及び/又は十分に長い溶接時間tsが用いられた場合、ピンのヘッド(9)とカバー(2)を互いに局所的に物質的に連結することができる。好ましくは、カバー(2)とベース要素(1)は、材料連結に関し同一のプラスチックで作られるべきであり又は互いに連結することができるほぼ同じ軟化温度のプラスチックで作られるべきである。
【0114】
ツール温度及び溶接時間tsは、本質的に、以下の負荷試験によって理解できるように、接合連結部の強度を定める。
【0115】
図8は、この種の荷重試験を概略的に示している。
【0116】
荷重試験を実施するため、ベース部品(1)、フィルム(3)及びカバー(2)を単一のピン(6)‐ヘッド(9)接合部によって接合する。
【0117】
接合部のこの試験において、フィルム(3)とカバー要素(2)との間には追加の接合連結部は存在せず、したがって、カバー要素(2)は、リベット接合部によってのみ保持される。
【0118】
ピン連結部によって互いに接合された部品としてのベース要素(1)及びカバー要素(2)を保持手段(23)に連結する。この試験において、これらは、部品(1,2)の側面に広い面積にわたって接着されたクランプブラケットであった。
【0119】
以下に説明する試験では、種々のリベット接合部を機械的応力下でこれらの耐力性能について試験した。
【0120】
その目的は、リベット接合部の平均耐力性能及びこのような接合部の強度及び耐久性に影響を及ぼすパラメータに関する統計学的情報を得ることにあった。
【0121】
試験において、基部の直径が1mm、円錐形端部の直径が0.7mm、高さが1.5mmの円錐形ピン(6)を用いた。これらは、上述したように熱成形によってリベットヘッド(9)を備えていた。ピンをリベット止めした後、高さは、ヘッド(9)の高さを含めて約0.8mmである。
【0122】
図6に示されているように、接合プロセス中、ピン材料の少なくとも50%を再付形す。
【0123】
接合及びクランプブラケット(23)の取付け後、組立て状態のカートリッジ(20)をクランプブラケット(23)の使用によりZWICK引張り試験機に挿入し、引張り試験を実施する。
【0124】
統計学的量を得るために、42個のリベット止めカートリッジについて試験を実施し、単一のリベット接合部にそれぞれ引張り試験を行い、種々のリベット止めパラメータを試験した。
【0125】
試験を計画するため、統計学的試験計画法(「実験計画法」(DoE)とも呼ばれている)を利用して試験回数を減らしたが、結果の高い精度及び信頼性を依然として保証した。この方法では、パラメータフィールドは、別個独立のステップでは完全には調べられず、ほんの数箇所が実験的に試験されている。欠落している測定箇所を統計学的方法の使用により補間することができる。主要な有力変数(以下、パラメータ又は有力要因と称する)及び高温リベット止めプロセスにおけるリベット接合部の強度についてのこれらの最適設定値をxy(xは、ステップ数又は別々のステップ数であり、yは、要因の数である)から求めるのに役立つ必要な試験の回数を減少させることが可能である。DoE試験計画は、幾つかの段(値)にわたって同時に求められた有力要因に関して値を変化させる。試験を首尾良く実施すると、プロセスの数学的モデルを試験チャンバ内で作成することができる。このように、パラメータ相互間の著しい影響及び相互作用を検出することができる。
【0126】
パラメータ設定値を選択する上での極めて重要な基準は、リベット接合部の強度に対するプロセスパラメータの影響を検出することができる範囲をカバーするということであった。さらに、中央試験箇所(中央箇所)を求めた。この種の中央箇所では、パラメータ設定値は、試験チャンバの平均値を取る。これにより、有力要因の全てが試験結果に対してほぼ一定の又は直線性の影響を及ぼしているかどうか、更に、試験箇所におけるばらつきを中央箇所の多数回の繰り返しによって評価することができるかどうかをチェックすることが可能である。満たされるべきこのような基準として(試験回数が少ないこと、直線性が仮定されていること、入力変数が3つあること)を考慮して、3つの部分から成る中央箇所を備えた23の十分に要因のある試験計画を実施した。
【0127】
圧力b(単位:バール)、温度T(単位:℃)及び時間t(単位:秒)の3つの要因を試験した。
【0128】
試験により確認されたこととして、上述のリベット接合部、用いられた円錐形サーモード(12)及び用いられたポリスチレンプラスチック製ピン(6)に関する接合圧力は、信頼性の高いヘッド形成を達成するためには少なくとも1.8バールであり、接合プロセスによる部品への損傷を阻止するためには2.6バール以下でなければならない。溶接時間に関し、これら最低条件を考慮すると、1.8秒の最短溶接時間ts及び2.6秒の許容し得る限り最長の試験時間tsが得られた。
【0129】
これら最低条件を考慮に入れると、次の組をなすパラメータが選択された。
【表1】
【0130】
試験の信頼性を保証するため、実施した11回の部分試験を数回繰り返した。
【0131】
以下の結果が得られた。
【表2】
【0132】
表中、上述の測定変数は、接合部の広がり又は伸びL及び接合の破損時において基体、即ちリベットに垂直に作用する力Fmaxである。
【0133】
上述の統計学的評価を用いて、今や、どの接合パラメータが接合部の強度に影響を及ぼしているか及びどれほどの伸びLが破損の場合に起こったかを判定することが可能である。
【0134】
測定値から得られる標準化されたパレート図は、この点に関する情報を提供する。
【0135】
図10及び図11のグラフ図に示された垂直の線は、パレート図の95%有意線である。一要因がこの線を越えた場合(例えば、強度に関する図中の温度)、この要因は、考慮対象の標的変数に対して著しい影響を及ぼす上で95%の確率を有する。
【0136】
図11は、温度がリベット止め接合部の強度に対して最も大きな影響を及ぼすことを示している。温度が高ければ高いほど、強度はそれだけ一層高くなる。溶接時間の影響も又、95%の確率で保証される。したがって、溶接時間の増大の結果として、これ又、強度の増大が生じる。圧力並びに、圧力P、溶接時間ts及び温度Tの入力変数相互間の相互作用考慮対象の試験チャンバにそれほどの影響を及ぼさない。
【0137】
図9から理解できることとして、結合部の強度は、130℃から150℃までの温度範囲で増大し、約36%の強度増大が観察される。所与の温度での溶接時間を1.8秒から2.6秒に長くした場合、接合部の強度は、約27%だけ増大する。
【0138】
図10は、連結部の破損の際、即ち、最大引張り力Fmaxにおける接合部の伸びLがLに対して著しい影響を及ぼす溶接時間tsによって本質的に求められることを示している。
【0139】
試験結果の示すところによれば、T=150℃、P=1.8バール及びt=2.6秒(試験3)がピン接合部の選択された幾何学的形状並びに選択された熱的加圧ツール及び用いられたPSプラスチック材料にとって最適な製造パラメータである。13.95N(1つのリベット)の平均力をリベット接合部が外れた状態になる前にリベット接合部に及ぼすことができた。
【0140】
温度及び溶接時間に関してこれらのパラメータ値が採用された試験により実証されることとして、図示の実施形態では、2.6バールを超える圧力又は変換時、接合部1つ当たりの500Nを超える接合力によりカバー要素(2)の破損が生じる。
【0141】
他の試験において、2つ又は3つ以上のリベットによる接合連結部の強度を試験した。これら試験結果の示すところによれば、部品の強度、即ち部品相互の保持力は、リベット接合部の数につれて増大するが、この増大によっては、ピンの本数を2倍にした場合であっても強度が2倍になるわけではない。
【符号の説明】
【0142】
1 第1の板状基体
2 第2の板状基体
3 フィルム
4 チャネル
5 充填開口部
6 ピン
7 ボア
8 摩擦連結部
9 ヘッド
10 止まり穴
11 密封リップ
12 サーモード
13 支持体
14 メンブレン
15 フィルム
16 接着層/密封層
17 入口チャンバ
18 通気トレンチ
19 通気チャネル
20 カートリッジ
21 分析チャンバ
22 固定面
23 保持手段
24 引張り力
29 成形物
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフルイディックカートリッジを形成するために特にプラスチックで作られたマイクロフルイディック部品を互いに連結する接合技術に関する。
【0002】
これらマイクロフルイディックカートリッジは、例えば、ポイント・オブ・ケア(point-of-care:POC)手持ち型分析装置又は医学的診断装置で用いられている。本発明の分野は、特に、接合されるべき部品が数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲にわたる長さ及び幅寸法を有する側方流れカートリッジを製造する接合技術を含む。
【0003】
本発明の分野は、請求項1の前提部に記載されたマイクロフルイディックカートリッジ(以下、「器具」という場合がある)及び請求項20の前提部に記載されたこのような器具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
マイクロフルイディックカートリッジは、1回使用検査の形態で利用される場合が多い。この目的のため、検査されるべき分析用液体(例えば、血液、尿又は唾液)がバイオセンサを備えたカートリッジに送られる。カートリッジへのサンプル(検体)の追加は、カートリッジを分析器具内に配置する前又は後で実施される。分析物は、開口部を通ってカートリッジ内に追加され、次に液体がマイクロチャネルを通って対応のサンプル前処理チャンバ及びサンプル調査チャンバに送られる。
【0005】
「マイクロ」という用語の使用は、少なくとも1つの幾何学的膨張方向においてチャネル及び/又はチャンバがミクロン尺度の寸法を有し、即ち、測定値が少なくとも一寸法に関し1mm未満であることを意味している。
【0006】
「マイクロフルイディックカートリッジ」という用語は、この種のマイクロチャネル及びマイクロ部品を有する液体の分布のための幾つかの部品で構成された器具を意味している。
【0007】
「マイクロフルイディック」という用語は、液体の圧力により引き起こされると共に/或いは毛管作用による流れがマイクロチャネル及び/又はマイクロチャンバを通って且つこの中で起こることを意味している。
【0008】
カートリッジは、典型的には、互いに接合された特にプラスチック製の複数個の板状基体、即ち、長さ及び幅寸法の数分の一の厚さ測定値を有する部品から成る。
【0009】
マイクロフルイディック部品を製作するため、凹み及び/又は小穴が大部分が平らな板状基体に形成され、別の板状基体で覆われる。
【0010】
板状基体は、フィルムであるのが良い。
【0011】
試薬が板状基体に又はマイクロチャンバ/マイクロチャネル内に塗布される場合がある。
【0012】
板状基体は、バイオセンサのためのキャリヤとして働くことができ、この板状基体は、特に、電子部品、例えば印刷導体パターン又は光学部品、又は光学面、反射面及び光導波路を有する場合がある。
【0013】
さらに、コンポーネント及び/又はカートリッジの接合、案内及び取扱いのための成形形状物が板状基体の一方に設けられる場合がある。典型的には、板状基体は、少なくとも一部がフィルムで覆われるのが良く、フィルムは、接着され又は貼り付けられ、このフィルムは、基体に形成されたマイクロフルイディックチャネルを緊密に封止する。
【0014】
上述した形式のマイクロフルイディック部品の接合技術として、超音波溶接、熱的接着又は拡散接合、レーザ溶接及び例えば接着層又は貼合せを用いた部品の接着が一般的に知られている。
【0015】
別の適当な連結技術は、両面接着フィルムの使用である。フローチャネルの濡れを阻止することができるこれら接着剤の疎水性は、接着プロセス又は接着フィルムの使用において欠点となる場合がある。液体接着剤が用いられる場合、接着剤が流体運搬構造体中に流れることにより流体運搬構造体が閉塞する恐れがある。
【0016】
多くの場合、超音波溶接技術は、接合プロセスにおいて相当な振動応力を伴うという欠点を有する。
【0017】
これらが原因となって、例えば、試薬又は粒子がチャンバ内又は表面上で乾燥し、そして超音波溶接中の振動により振り落とされ、それによりバイオセンサ内における反応の進行を邪魔した場合にバイオセンサの損傷及びその後の誤作動が生じる場合がある。
【0018】
或る検出反応では、特に、血液成分を検出する免疫化学的アッセイでは、液体を濾過することが必要である。
【0019】
この血液分離中、血漿の濾過は、フィルタメンブレンによって実施され、このフィルタメンブレンは、カートリッジ部品内に糊付けされ、溶接され又はクランプされる。メンブレンのクランプは、例えば柔軟性シール又はばね取付けリングを用いて実施される場合がある。
【0020】
このメンブレンは、超音波振動中における機械的振動によって損傷し、特に引き裂かれる場合がある。
【0021】
もう1つの欠点は、プラスチックの中には特に互いに異なるプラスチック材料が溶接され又は接着されたときに起こる貧弱な接着性及び貧弱な溶接性を有するものがあるということにある。
【0022】
接着フィルムの使用の欠点は又、接着フィルムを処理する(例えば、開口部やチャネルを打ち抜き加工し又は切断形成する)際に追加の材料費及び作業が必要であり、それによりコストが一段と増大するということにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述の技術背景を考慮して、上述の欠点をなくす接合プロセス及びこの種の器具の接合連結部を提供するという課題が存在する。
【0024】
特に、この課題は、マイクロフルイディックカートリッジの部品相互間の安価で堅固な且つ材料接続した連結部を提供する接合プロセス及び接合部を提供することである。
【0025】
また、接合プロセス中、機械的荷重が部品に加わるのを回避すると共に部品の確実な取付けを可能にする方法及び接合部を提供するという課題が存在する。
【0026】
また、カートリッジのマイクロフルイディック特性に悪影響を及ぼさない接合方法及び接合連結部を提供するという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
これら課題は、請求項1記載の器具及び請求項20記載の方法によって解決される。
【0028】
本発明は、特に、板状流体運搬部品がフィルムで覆われたマイクロフルイディック検査器具であるカートリッジに関する。
【0029】
フィルムは、板状流体運搬部品の一方の側又は両方の側に形成されたチャネル及び/又はチャンバ構造を覆い、約10ミクロンから数ミリメートルの範囲の構造的幅及び構造的高さを有するマイクロフルイディックチャネルシステムを形成する。フィルムは、板状部品を部分的に又はその表面全体を覆う。
【0030】
好ましくは、板状部品の材料及びフィルムの材料は、本質的には、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、オレフィンポリマー及びオレフィンコポリマー、例えばシクロオレフィンポリマー及びシクロオレフィンコポリマー(COC及びCOP)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又はポリエチルエーテルケトン(PEEK)の中から選択された非晶質又は部分結晶性プラスチックから成る。
【0031】
フィルムは、多層構造のものであるのが良い。特に、フィルムは、片面又は両面に板状基体への取付けのための接着層を備えるのが良い。接着層は、好ましくは、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー(EVA)の低融点貼合せ層又は密封層である。
【0032】
表面及び/又はチャネル構造は、これら表面の全て又は一部にわたって表面処理及び/又は表面被覆を受けているのが良い。例えば、プラズマ照射/プラズマエッチングが表面接着性を向上させるために表面処理及び/表面活性化として実施されるのが良い。水性流体の運搬具合を向上させるチャネル領域の親水性化が例えば表面コーティングとして可能である。
【0033】
変形例として、フィルムは、高温貼付け法で基体の表面に溶接された追加の密封層を更に有しても良い。さらに、フィルムは、直接貼り付けられても良く、即ち、圧力及び熱の作用により密封層に溶着させるのではなく、フィルムと基体との間に材料結合部を形成する。
【0034】
好ましくは、フィルムは、扁平である。しかしながら、例えば変形可能なチャンバを形成するためにフィルムを局所的に成形し又はフィルムが圧力又は真空制御弁及びマイクロアクタ(microactor)を形成するようになっていることも又可能である。この点に関し、国際出願PCT/EP2009003908号明細書及びPCT/EP2009003907号明細書を参照されたい。なお、これら国際出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0035】
第1のフィルムに加えて、第2のフィルムを板状基体及び/又は第1のフィルム上に被着させるのが良い。第2のフィルムは、別のフルイディック構造、例えばチャネル、チャンバ及び/又は開口部を更に有するのが良い。好ましくは、第2のフィルムは、バイオセンサ、特に測定手段、例えば電気接点及び電位表面又は光学構造体、例えば光導波路又は光学反射面のための構造体を有する。
【0036】
マイクロフルイディック検査では、測定されるべき分析物(例えば、血液、唾液、尿)を一般に充填領域から枝分かれしている1本又は2本以上の入口チャネルを通ってマイクロフルイディックバイオセンサに送られるのが良い。充填領域には充填開口部を通って分析物が送られ、充填開口部は、板状基体に設けられたボアである。
【0037】
「ボア」という用語は、本発明の範囲内において、板状基体の一方に設けられた開口部又は凹みを意味している。開口部の形状は、ボアに見られる従来通りの円筒形丸形であるのが良く、或いは、断面が長円形であっても良く或いは断面が正方形、角張った形状又は三角形であっても良い。ボアに関する3次元形状物、例えば涙滴形構造体も又採用可能である。
【0038】
有利には、板状基体の少なくとも一方は、充填開口部の付近に密封リップを有する。この密封リップは、充填領域、即ち充填開口部を流体力学的に密封する機能を実行する。
【0039】
したがって、密封リップは、充填開口部を連続的に包囲することが特に有利である。
【0040】
特にフィルムの少なくとも一方の面と基体との間に接着部を形成しない場合に密封リップが提供される。好ましくは、密封リップは、この場合、基体表面から突き出たカッタとして具体化される。部品が互いに接合されると、カッタは、フィルム中に押し込められてフィルムと基体との間の隙間を封止する。カッタは、好ましくは、くさび形であるが、円、長方形又は三角形の一部の形をしても良い。
【0041】
変形例として、密封リップは、接合プロセス中に圧縮され、それによりフィルム及び基体との密封連結部を形成するシール、特に弾性材料、例えばシリコーンのリング形シールであっても良い。密封リングは、充填開口部を包囲した状態で基体に設けられた窪み内に配置されるのが良い。
【0042】
密封リングの代替手段として、包囲密封リップとして弾性密封材料を用いることも可能であり、この密封リップは、接合作業の前に充填開口部の付近に被着される弾性密封コンパウンドのビードにより形成される。また、密封材料として接着剤又は接着フィルムを用いても良い。
【0043】
また、1枚のフィルム及び/又は複数枚のフィルムに対応関係をなして配置されたボアを設けるのが良い。好ましくは、充填開口部は、第2の板状基体、特にカバー要素に設けられる。
【0044】
このカバー要素は、特に好ましくは、サンプル液体から粒子を濾過して除去するフィルタ要素、特にメンブレンを備える。特に血液に基づく診断検査では、一般に、血液を濾過することが必要であり、その目的は、できるだけ干渉が少ない状態で血漿に関する測定を実施することができるようにすることにある。
【0045】
メンブレンは、有利には、基体に設けられた凹部又は窪み内に接着され又は溶接され、次に、カバー要素を備えた部品を形成する。メンブレンは、メンブレンの一部を引き裂くのを回避するよう可能な限り最も小さい機械的応力にさらされるべきであるので、但し、他方において、カバー要素はカートリッジにしっかりと且つ固定的に取り付けられることが必要不可欠であり、従来の超音波溶接とは対照的に、カバー要素又は板状基体一般を接合する本発明の方法が用いられる。
【0046】
この目的のため、カバー要素及び/又は流体運搬基体は、この部品に一体に連結されているピンを有する。
【0047】
本発明の意味の範囲内においてピンという用語は、カバー要素及び/又は板状基体よりも少なくとも一寸法方向において、即ち、カバー要素及び/又は板状基体の幅方向又は長さ方向に著しく小さい広がりを持つ保持手段の全てを意味している。具体的にいえば、この用語は、円筒形であり且つ数ミリメートルの筒体直径を有する保持手段を意味している。しかしながら、ピンの形状は、三角形、正方形、長方形又は多角形であって良い。特に、ピンは、リブとして具体化されても良く、即ち、ピンは、幅方向に数ミリメートル、長さ方向に数ミリメートル延びる形状を有しても良い。この種のリブは、有利には、充填開口部周りの円をなして配置される。
【0048】
プラスチック板及び/又はカバー要素から突き出たこれらピンは、特に射出成形によるそれぞれの部品の製造中に成形され、それにより、ピンを安価に製作することができる。
【0049】
ピン及びそれぞれの部品の関連のボアの配置状態は、これらが位置決め中、互いに嵌まり込むよう選択される。
【0050】
ボアの形状は、有利には、ピンの形状とほぼ同じであり、その結果、ピンは、これらが係合するボア内に正確に嵌まり込むようになっている。
【0051】
カートリッジの製造中、位置決め及び取扱いを助けるため、ピンは、好ましくは、わずかに面取りされ、特に円錐形の形状を有し、それにより取扱い中における部品の相互の位置決めを容易にすることができる。直径がボアの直径にほぼ一致したピンの広い基部により、部品を積み重ねたときに自動位置決めが達成される。
【0052】
マイクロフルイディックカートリッジの部品は、ピン直径又はピン幅に対応してほんの数ミリメートルから数センチメートルまでの長さ寸法及び幅寸法を有する場合が多いので、平均直径又は幅は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜2mmに選択される。
【0053】
有利には単一の接合部が製造後、1kg又は10ニュートンの保持力を保証すべきである。このことは、カバー要素が各接合部に加わる10ニュートンの少なくとも1つの垂直に作用する引裂き力に耐えることを意味している。
【0054】
複数個の互いに類似した接合部が提供される場合、引裂きに対する保持力が増大する。
【0055】
接合連結部のため、部品が支持体上に位置決めされ、適当な加圧ツール、特にサーモード(thermode)が加熱状態において0.5バール〜5バールの圧力でピンの端に押し付けられる。変形例として、適当な圧力が加えられ、プラスチック材料が所要の流動性を有する場合、適当な加圧ツールを用いて常温成形を実施しても良い。
【0056】
上述の0.5バール〜5バールは、加圧ツールの機構体に作用する圧力である。この圧力を一般に、空気圧的、油圧的又はサーボ電気的に発生させることができる。
【0057】
サーモードは、好ましくは、ピンの端の中央に作用する適用箇所に円錐形端部を有する。変形例として、サーモードの端部は、平らであっても良く又はネガの皿形、特にネガのマッシュルーム形のものであっても良い。更に、ネガの形状は、中央にスパイクを有しても良く、このスパイクが成形中、ピンの端部中に押し入ってピンの材料外方に押し出す。
【0058】
サーモードは、成形プロセス中、接合部に25ニュートン〜250ニュートンの力を及ぼす。
【0059】
0.5秒を超え、特に1.5秒〜5秒の溶接時間により、サーモードの先端部からピン材料中への熱の十分な流れが保証され、ピン材料は、そのガラス転移温度又は軟化温度よりも高い温度まで加熱される。
【0060】
プラスチックであるPS、PMMA、PC、PE、PP及びPEEKについて選択されたツール及びプロセス温度は次の通り、即ち、PS(100℃〜180℃、特に130℃〜150℃)、PMMA(100℃〜180℃、特に130℃〜150℃)、PC(140℃〜230℃、特に160℃〜190℃)、PE(80℃〜170℃、特に100℃〜140℃)、PP(90℃〜200℃、特に120℃〜170℃)、COP及びCOC(100℃〜240℃、特に170℃〜210℃)及びPPEK(160℃〜250℃、特に180℃〜210℃)である。
【0061】
軟化中、プラスチック材料は、中心から始まって加圧ツールにより流れるようになり、その結果、ヘッドが形成され、材料が圧力下でボアの壁に押し付けられるようになる。材料のこの押し付けにより、変形状態のピンとボアとの間に摩擦係合関係が生じ、その結果、これら部品は、摩擦係合と成形されたヘッドのインターロック係合の両方によって互いに接合されるようになる。
【0062】
溶接時間ts後、サーモードを持ち上げて接合部から離し又はサーモードが別の期間にわたり、即ち保持時間tHの間、接合部に当てたままにする。保持時間tHは、接合連結部がこの時間の間、凝固するよう選択される。例えば、サーモードへの熱の供給は、保持時間の間中断されると共に/或いはサーモードを自動的に且つ/或いは能動的に冷却させる。冷却は、例えば、取付け状態の冷却システムによって、空気を接合部に吹き付けることにより(空冷)又は自動的冷却(冷却媒体)によって実施されるのが良い。変形例として、これら部品は、保持時間tHの間、クランプ機構体又は保持機構体によって互いに対して固定されても良い。この場合、サーモードを持ち上げて接合部から完全に離し、有利には、対応の冷却ステップが接合部の凝固状態を支援する。
【0063】
好ましくは、保持時間tHは、0.2〜5秒、特に0.5〜2.5秒である。
【0064】
達成可能な短い溶接時間(ts)及び短い保持時間(tH)は、接合プロセスのための経済的なサイクル時間を保証する。
【0065】
有利には、このようにして作られた接合連結部の引張り強度は、基体材料の引張り強度の少なくとも25%である。
【0066】
特に好ましくは、板状基体、特にヘッドが形成されたカバー要素の頂部に設けられたボアは、ヘッドが嵌まり込む止まり穴を備え、したがって、大部分平面状の平らな表面が板状基体上に維持されるようになる。
【0067】
本発明は、以下の実施形態に従って具体化される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】マイクロフルイディックチャネル構造を備えた板状基体を示す図である。
【図2a】カバー要素を上から見た図である。
【図2b】カバー要素を下から見た図である。
【図2c】入口開口部を備えたカバーフィルムを示す図である。
【図2d】ピン及び包囲密封リップを備えたカバー要素を示す図である。
【図2e】ボアを備えた類似のカバー要素を示す図である。
【図3】位置決めステップ後であって接合ステップ前の製造プロセス中におけるカートリッジの細部を示す図である。
【図4】接合状態のカートリッジを示す図である。
【図5】接合状態のカートリッジを示す図である。
【図6】接合部の断面図である。
【図7】サーモードを用いた接合法を示す図である。
【図8】荷重試験の仕方を示す略図である。
【図9】接合連結部の強度を示すグラフ図である。
【図10】接合連結部のパラメータに関する統計学的グラフ図である。
【図11】接合連結部のパラメータに関する統計学的グラフ図である。
【図12】内側の構造的インターロック係合が行われた接合部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1、図2a、図2b及び図2cは、本発明のカートリッジ(20)の部品の略図である。このカートリッジは、第1の板状基体(1)、特に長さ数センチメートル、幅数センチメートル、高さ数ミリメートルのプラスチック板を有する。
【0070】
プラスチック板にはマイクロフルイディック構造、例えばチャネル(4)、通気トレンチ(18)により包囲された入口チャンバ(17)、通気チャネル(19)及び分析チャンバ(21)が形成されている。
【0071】
カートリッジ(20)を用いて分析を実施するため、液体を入口チャンバ(17)内に導入し、そしてチャネル(4)により分析チャンバに送る。分析チャンバ内には、バイオセンサが設けられており、このバイオセンサは、液体の生物学的又は化学的成分、例えば、血漿中のホルモン濃度を測定する。
【0072】
図示の流体力学的ネットワークは、極めて単純化された形態で示されており、カートリッジ(20)は、他のマイクロフルイディック部品並びにサンプルを処理する試薬、サンプルを前処理する試薬及び検出のための試薬を有するのが良い。
【0073】
図1〜図2bに示されている実施形態としてのカートリッジ(20)の製造にあたり、フィルム(3)を第1の板状基体(1)に接着し又は貼り付ける。
【0074】
フィルム(3)は、この目的のため、その下面に、接着層又は密封層(16)を有し、この層(16)は、基体(1)とフィルム(3)との間の連結部を生じさせる。フィルム(3)は、レーザ切断又は打ち抜きによって付形されるのが良く、ピン(6)のためのボア(7)及び入口チャンバ(17)を充填する充填開口部(5)が切断形成されている。変形例として、フィルムは、両面に接着層及び/又は密封層を備えても良く、その目的は、第1の基体(1)及び更に第2の基体(2)の両方との接合/接着を提供することにある。
【0075】
フィルム(3)をマイクロフルイディック構造体にくっつけると共に/或いは貼り付けることにより、充填開口部(5)及び通気チャネル(19)の開口部を除きぐるりと全て密封された流体力学的ネットワークが得られる。
【0076】
有利には、フィルム(3)のボア(7)の直径がピン(6)の直径に一致し又はこれよりも幾分小さく、したがって、フィルムがピンに接触してシールを形成することが想定できる。これは、流体運搬構造体がピンの近くで基体(1)又はフィルム(3)に設けられ、毛管力が接合部のキャビティ中への流体の望ましくない流出を生じさせる恐れがある場合に特に有利である。
【0077】
有利には、通路の直径、即ち、フィルム(3)の充填開口部(5)のボア直径を第2の板状基体(2)の充填開口部(5)のボア直径よりも小さくすると共に/或いは入口チャンバ(17)のベースの直径よりも小さくすることも又可能である。
【0078】
フィルムは、一般に、疎水性なので、フィルムの縁及び側面は、水性液体のための流体停止部を形成する。充填開口部(5)の直径を減少させることにより、カバー要素(2)のメンブレン(14)からフィルムとカバー要素(2)との間の隙間中への液体の流れが阻止される。
【0079】
図2a及び図2bの実施形態ではカバー要素(2)である第2の板状基体(2)は、分析されるべき流体が送り込まれる実質的に中央の開口部(5)を有する。有利には、貫流ボアの開口部は、開口部幅が5〜15mmであるように構成されている。特に好ましくは、ボアの側面は、表面に向かって開口とすると共に幾何学的寸法形状は指先の寸法形状に合わされた漏斗を形成する。
【0080】
図2aは、カバー要素(2)を上から見た図である。中央開口部に加えて、4つのボア(7)がカバー要素(2)のコーナ領域に設けられ、これらボアは、カバーの上面に止まり穴(10)を形成するよう広げられている。止まり穴(10)は、接合プロセス中に生じるリベットヘッド(9)を収納し、これがカバー(2)の表面よりも上に突き出ることがないようにする機能を有する。
【0081】
図2bは、カバー要素(2)を下から見た略図である。図面は、開口部(5)の周りに包囲固定面(22)を有する凹部を形成するよう周囲がカバー要素の下面に向かって拡張した開口部(5)を明確に示している。この凹部内にはメンブレン(14)が配置され、このメンブレンは、固定面(22)に接着され又は溶接される。
【0082】
カバー要素の表面からの固定面の間隔、即ち、カバーの厚さ方向における凹部の深さは、メンブレンの厚さにほぼ一致している。これにより、カートリッジ(20)を形成するよう部品を互いに接合した後、メンブレン(14)の下面とカバー要素(2)の下面が平らな表面を形成し、メンブレンが図2のフィルム(3)の開口部(5)に当接するようになる。
【0083】
図2d及び図2eは、図2a及び図2bに示されたカバー要素(2)に類似したカバー要素(2)を示している。図示の側は、カートリッジ(20)内でフィルム(3)に当接する側である。
【0084】
充填開口部(5)の領域に隣接して、先ず最初に、包囲凹み固定面(22)が設けられ、メンブレン(14)は、この固定面内に配置される。
【0085】
2つの環状に包囲した密封リップ(11)も又見える。
【0086】
図2dの左側詳細図で理解できるように、密封リップは、カバー要素(2)の基体表面から突き出て、基体に一体に連結されている。密封リップの先端部は、図面の中の1つの図に示されているように部品を互いに接合した後においてはフィルム(3)に押し入るカッタを形成する。
【0087】
本発明の目的上、カッタという用語は、基体に設けられ、用いられるフィルム(3)中に少なくとも部分的に押し入るのに適した任意のくさび形、ブレード状、環状又は丸形成形物を意味している。
【0088】
図3、図4、図5及び図7は、結合部の付近におけるカートリッジ部品の位置決め及び接合の仕方を概略的に示している。この目的のため、図3及び図7に示されている第1の実施形態では、断面で見てフィルム(3)で覆われたチャネル構造(4)を有する第1の板状基体(1)とカバー要素(2)は、支持体(13)上に互いに積み重ねられている。
【0089】
板状基体(1)、特にベース要素(1)は、基体(1)の表面から突き出て基体(1)と一体連結された状態で基体(1)の表面から突き出た円錐形のピン(6)を有している。これらピンは、ポリスチレンで作られた板状基体(1)を製作する射出成形法の際、射出により容易に形成できる。
【0090】
ピン基部の直径が蓋(2)のボア(7)の直径に実質的に一致したピン(6)が円錐形の形をしていることにより、カバー(2)とベース板(1)の相互の自動心出しが行われるという利点が得られる。
【0091】
図7は、位置決めステップ後におけるピン(6)の円錐形端部の付形プロセスを示している。
【0092】
明らかなこととして、フィルム(3)は、少なくとも接合部の付近に接着層(16)を備え、この接着層は、接着力をもたらしてフィルム(3)とカバー(2)との間の密封連結部を生じさせる。
【0093】
ピン(6)をボア(7)内に取り付けるため、加圧ツール(12)を所定の圧力Pでピンの端部の中央に当てる。図示の実施形態では、ピン直径は、基部が1mmであり、円錐形先端部が0.7mmであり、ピン材料は、ポリスチレン(PS)である。
【0094】
加圧ツール(12)は、加熱され、この実施形態では、加圧ツールは、PSを付形するために130℃〜150℃のツール温度を有する。他のプラスチック又はツール幾何学的形状に関し、ツール温度は、それに合わされる。
【0095】
加圧ツールであるサーモード(12)は、ロッドの形をしており、そのヘッドは、円錐形又はピラミッド形状をなして先細になっている。
【0096】
サーモードは、1.5バール〜5バールのツール圧力pでピンの端部に当てられる。
【0097】
ツール圧力は、ツールの保持機構体に作用する圧力である。保持機構体は、約2000mm2のラム表面を備えた空気圧シリンダである。変換されると、サーモード(12)の押圧力について100ニュートン〜1キロニュートンの範囲が得られ、この力は、サーモード先端部にわたって分配される。4つの接合部が同時に熱的に付形される場合、サーモード先端部がピン(6)に作用してこれを再付形する25ニュートン〜250ニュートンの力が得られる。
【0098】
1.5秒〜5秒の溶接時間tsの間、熱がピン先端部中に移動し、ピン材料は、そのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱され、流動し始める。それと同時に、ピン材料をツールのラム圧力によりボアの壁に押し付け、ピン(6)とボア(7)の壁との間に摩擦連結部が形成される。
【0099】
図7に示されているように、サーモードの円錐形先端部は、ピンの材料を中央から周囲に向かって外方に押しのけてヘッド(9)を形成する。カバー材料の塑性変形も又、図6及び図7に示されているようにカバーのボア(7)の付近で生じる場合がある。
【0100】
図6及び図7の実施形態の変形例として又はこれに加えて、図12の構成を採用することも又可能である。
【0101】
この場合、ヘッド(9)の成形に追加して又はこの代替手段として、カバー要素の1つ又は2つ以上の環状窪みに熱塑性変形したピン材料を埋め込み、その結果、追加のインターロック係合関係をなす連結要素によりカートリッジのベース部品(1)とカバー(2)が結合するようにする。
【0102】
図示の実施形態では、成形部(29)は、環状であるが、他の形状、例えば螺旋又はくさび形状並びにアンダーカット付きの形状を用いても良い。
【0103】
また、この種の接合連結部(29)をボア(7)にそれ自体のヘッドに代えて用いることが可能である。
【0104】
変形例として、高い温度又は平べったいサーモード端部が用いられる場合、主としてインターロック方式の連結部を形成することも又可能である。この場合、ピン材料は、主としてヘッドを形成するためにのみ流動し、他方、ボア内のそれ以上先に位置する領域は、ほとんど変形しない。
【0105】
部品が互いに固定的に取り付けられるようにするためには、部品を特にクランプにより、更に保持時間tHにわたり互いに対して固定的に位置決めする。有利には、このような位置決めは、サーモード接触圧力を維持すると共に/或いは部品を外部からクランプすることによって達成できる。前者の場合、サーモードが保持時間全体にわたって接合部に押し付けられ、この時間の間、熱による加熱が中断されると共に/或いは能動的冷却が起こる。
【0106】
変形例として、サーモードに弾性保持装置(図示せず)を取り付けても良く、この結果、保持装置のばね力が保持時間tHの間部品を圧縮し続けた状態でサーモードの先端部を接合部から第1の距離にわたり持ち上げることができる。変形例として、接合装置に別個の保持装置(図示せず)を設けても良く、このような別個の保持装置は、溶接時間ts及び保持時間tHの間、部品を位置決めすると共にこれらを互いに押し付ける。
【0107】
好ましくは、溶接時間ts及び保持時間tHを別個独立に調節すると共に制御することができる。保持時間tHは、好ましくは0.2〜5秒であり、特に0.5〜2.5秒である。
【0108】
部品の圧縮又はクランプは、接合部が作られるまでプラスチック製部品の弛緩を阻止する。
【0109】
図6は、完成状態の接合部の断面図である。部品を区別すると共に識別するため、部品には陰影が施されており、縁面は、図形的に強調されている。
【0110】
この断面図は、取付け箇所の付近のカートリッジを示しており、PSベース板(1)、フィルム(3)及びカバー要素(2)は、このようにして形成されたプラスチックリベット止め接合連結部によって互いに接合されている。
【0111】
図面は、ピン(6)が突き出たボア(7)の壁を明確に示している。止まり穴(10)のコーナ部は、左上側のコーナ部に位置したままである。熱圧力を利用した接合プロセスにより、ピン材料が明確に示されているようにボアの縁に押し付けられ、ここで、ピン材料は、カバー要素(2)と摩擦連結部を形成する。
【0112】
また、カバー(2)の材料も又、接合部の付近で塑性変形し、その結果、ピンの成形ヘッド(9)がインターロック係合により止まり穴の底部に接触すると共に側部領域がインターロック係合関係をなして塑性変形したカバー材料に当接すると共に/或いはカバー材料で包囲されるようになることが明らかである。
【0113】
十分に高いツール温度及び/又は十分に長い溶接時間tsが用いられた場合、ピンのヘッド(9)とカバー(2)を互いに局所的に物質的に連結することができる。好ましくは、カバー(2)とベース要素(1)は、材料連結に関し同一のプラスチックで作られるべきであり又は互いに連結することができるほぼ同じ軟化温度のプラスチックで作られるべきである。
【0114】
ツール温度及び溶接時間tsは、本質的に、以下の負荷試験によって理解できるように、接合連結部の強度を定める。
【0115】
図8は、この種の荷重試験を概略的に示している。
【0116】
荷重試験を実施するため、ベース部品(1)、フィルム(3)及びカバー(2)を単一のピン(6)‐ヘッド(9)接合部によって接合する。
【0117】
接合部のこの試験において、フィルム(3)とカバー要素(2)との間には追加の接合連結部は存在せず、したがって、カバー要素(2)は、リベット接合部によってのみ保持される。
【0118】
ピン連結部によって互いに接合された部品としてのベース要素(1)及びカバー要素(2)を保持手段(23)に連結する。この試験において、これらは、部品(1,2)の側面に広い面積にわたって接着されたクランプブラケットであった。
【0119】
以下に説明する試験では、種々のリベット接合部を機械的応力下でこれらの耐力性能について試験した。
【0120】
その目的は、リベット接合部の平均耐力性能及びこのような接合部の強度及び耐久性に影響を及ぼすパラメータに関する統計学的情報を得ることにあった。
【0121】
試験において、基部の直径が1mm、円錐形端部の直径が0.7mm、高さが1.5mmの円錐形ピン(6)を用いた。これらは、上述したように熱成形によってリベットヘッド(9)を備えていた。ピンをリベット止めした後、高さは、ヘッド(9)の高さを含めて約0.8mmである。
【0122】
図6に示されているように、接合プロセス中、ピン材料の少なくとも50%を再付形す。
【0123】
接合及びクランプブラケット(23)の取付け後、組立て状態のカートリッジ(20)をクランプブラケット(23)の使用によりZWICK引張り試験機に挿入し、引張り試験を実施する。
【0124】
統計学的量を得るために、42個のリベット止めカートリッジについて試験を実施し、単一のリベット接合部にそれぞれ引張り試験を行い、種々のリベット止めパラメータを試験した。
【0125】
試験を計画するため、統計学的試験計画法(「実験計画法」(DoE)とも呼ばれている)を利用して試験回数を減らしたが、結果の高い精度及び信頼性を依然として保証した。この方法では、パラメータフィールドは、別個独立のステップでは完全には調べられず、ほんの数箇所が実験的に試験されている。欠落している測定箇所を統計学的方法の使用により補間することができる。主要な有力変数(以下、パラメータ又は有力要因と称する)及び高温リベット止めプロセスにおけるリベット接合部の強度についてのこれらの最適設定値をxy(xは、ステップ数又は別々のステップ数であり、yは、要因の数である)から求めるのに役立つ必要な試験の回数を減少させることが可能である。DoE試験計画は、幾つかの段(値)にわたって同時に求められた有力要因に関して値を変化させる。試験を首尾良く実施すると、プロセスの数学的モデルを試験チャンバ内で作成することができる。このように、パラメータ相互間の著しい影響及び相互作用を検出することができる。
【0126】
パラメータ設定値を選択する上での極めて重要な基準は、リベット接合部の強度に対するプロセスパラメータの影響を検出することができる範囲をカバーするということであった。さらに、中央試験箇所(中央箇所)を求めた。この種の中央箇所では、パラメータ設定値は、試験チャンバの平均値を取る。これにより、有力要因の全てが試験結果に対してほぼ一定の又は直線性の影響を及ぼしているかどうか、更に、試験箇所におけるばらつきを中央箇所の多数回の繰り返しによって評価することができるかどうかをチェックすることが可能である。満たされるべきこのような基準として(試験回数が少ないこと、直線性が仮定されていること、入力変数が3つあること)を考慮して、3つの部分から成る中央箇所を備えた23の十分に要因のある試験計画を実施した。
【0127】
圧力b(単位:バール)、温度T(単位:℃)及び時間t(単位:秒)の3つの要因を試験した。
【0128】
試験により確認されたこととして、上述のリベット接合部、用いられた円錐形サーモード(12)及び用いられたポリスチレンプラスチック製ピン(6)に関する接合圧力は、信頼性の高いヘッド形成を達成するためには少なくとも1.8バールであり、接合プロセスによる部品への損傷を阻止するためには2.6バール以下でなければならない。溶接時間に関し、これら最低条件を考慮すると、1.8秒の最短溶接時間ts及び2.6秒の許容し得る限り最長の試験時間tsが得られた。
【0129】
これら最低条件を考慮に入れると、次の組をなすパラメータが選択された。
【表1】
【0130】
試験の信頼性を保証するため、実施した11回の部分試験を数回繰り返した。
【0131】
以下の結果が得られた。
【表2】
【0132】
表中、上述の測定変数は、接合部の広がり又は伸びL及び接合の破損時において基体、即ちリベットに垂直に作用する力Fmaxである。
【0133】
上述の統計学的評価を用いて、今や、どの接合パラメータが接合部の強度に影響を及ぼしているか及びどれほどの伸びLが破損の場合に起こったかを判定することが可能である。
【0134】
測定値から得られる標準化されたパレート図は、この点に関する情報を提供する。
【0135】
図10及び図11のグラフ図に示された垂直の線は、パレート図の95%有意線である。一要因がこの線を越えた場合(例えば、強度に関する図中の温度)、この要因は、考慮対象の標的変数に対して著しい影響を及ぼす上で95%の確率を有する。
【0136】
図11は、温度がリベット止め接合部の強度に対して最も大きな影響を及ぼすことを示している。温度が高ければ高いほど、強度はそれだけ一層高くなる。溶接時間の影響も又、95%の確率で保証される。したがって、溶接時間の増大の結果として、これ又、強度の増大が生じる。圧力並びに、圧力P、溶接時間ts及び温度Tの入力変数相互間の相互作用考慮対象の試験チャンバにそれほどの影響を及ぼさない。
【0137】
図9から理解できることとして、結合部の強度は、130℃から150℃までの温度範囲で増大し、約36%の強度増大が観察される。所与の温度での溶接時間を1.8秒から2.6秒に長くした場合、接合部の強度は、約27%だけ増大する。
【0138】
図10は、連結部の破損の際、即ち、最大引張り力Fmaxにおける接合部の伸びLがLに対して著しい影響を及ぼす溶接時間tsによって本質的に求められることを示している。
【0139】
試験結果の示すところによれば、T=150℃、P=1.8バール及びt=2.6秒(試験3)がピン接合部の選択された幾何学的形状並びに選択された熱的加圧ツール及び用いられたPSプラスチック材料にとって最適な製造パラメータである。13.95N(1つのリベット)の平均力をリベット接合部が外れた状態になる前にリベット接合部に及ぼすことができた。
【0140】
温度及び溶接時間に関してこれらのパラメータ値が採用された試験により実証されることとして、図示の実施形態では、2.6バールを超える圧力又は変換時、接合部1つ当たりの500Nを超える接合力によりカバー要素(2)の破損が生じる。
【0141】
他の試験において、2つ又は3つ以上のリベットによる接合連結部の強度を試験した。これら試験結果の示すところによれば、部品の強度、即ち部品相互の保持力は、リベット接合部の数につれて増大するが、この増大によっては、ピンの本数を2倍にした場合であっても強度が2倍になるわけではない。
【符号の説明】
【0142】
1 第1の板状基体
2 第2の板状基体
3 フィルム
4 チャネル
5 充填開口部
6 ピン
7 ボア
8 摩擦連結部
9 ヘッド
10 止まり穴
11 密封リップ
12 サーモード
13 支持体
14 メンブレン
15 フィルム
16 接着層/密封層
17 入口チャンバ
18 通気トレンチ
19 通気チャネル
20 カートリッジ
21 分析チャンバ
22 固定面
23 保持手段
24 引張り力
29 成形物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断分析機器用のマイクロフルイディックカートリッジであって、
第1の板状基体(1)、第2の板状基体(2)及び前記板状基体(1,2)相互間に配置されたフィルム(3)を有し、
チャネル(4)が前記基体(1,2)の一方又は前記フィルムに設けられた凹部によって形成され、
前記板状基体(1,2)は、前記チャネルにサンプル液体を充填する充填開口部(5)を有するマイクロフルイディックカートリッジにおいて、前記板状基体(1,2)の一方に一体に連結されたピン(6)が前記フィルム及び関連の前記基体(1,2)のそれぞれに設けられた関連のボア(7)内に突き出ており、前記ピンの変形により、前記関連の基体(1,2)にインターロック係合関係をなして当接する成形部、特に前記基体に当接するヘッド(9)が形成されている、
ことを特徴とするマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項2】
前記ピン(6)は、前記変形後に前記ボアを少なくとも部分的に埋め、その結果、前記ピンの周面と前記ボア(7)の壁が局所的に摩擦係合部(8)を形成するようになっている、
請求項1記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項3】
前記ピン(6)の接合部の摩擦インターロック係合強度は、前記基体材料の引張り強度の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%に等しい、
請求項2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項4】
前記接合部は、平均で5N、特に10Nの引張り応力に耐える、
請求項3記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項5】
前記ピン(6)は、円錐形である、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項6】
前記ピン(6)と関連した前記ボア(7)の直径は、前記ピンの基部の直径の1〜2倍に一致する、
請求項1又は5記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項7】
前記ピンの前記ヘッドの端部では、前記ボア(7)は、前記ヘッド(9)が成形により収納される止まり穴(10)の形態をなして直径が大きくなっている、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項8】
前記ピンの直径は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜1.5mmである、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマイクロフルディックカートリッジ。
【請求項9】
前記フィルム(3)は、前記板状基体(1,2)の一方にぴったりと接合され、特に、接着層(16)によって貼り付けられている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項10】
前記接着層(16)は、粘着層又は密封層である、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項11】
前記接着層(16)は、両面接着フィルム(16)である、
請求項10記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項12】
前記基体材料は、PS、PMMA、PC、COC、COP、PP、PE又はPEEKの中から選択されたプラスチックである、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項13】
複数本のピンが前記第1の板状基体(1)の表面から突き出て、前記第2の板状基体(2)、特にカバー要素(2)に設けられたボア(7)内に嵌まり込んでいる、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項14】
複数本のピンが前記第2の板状基体(1)、特にカバー要素(2)から突き出て、前記第1の板状基体(1)に設けられたボア(7)内に嵌まり込んでいる、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項15】
前記ピンの平均直径は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜2mmである、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項16】
前記フィルム(3)は、シールを形成するよう前記ピン(6)に当接している、
請求項1ないし15のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項17】
前記基体の少なくとも一方は、前記充填開口部の付近に少なくとも1つの密封リップ(11)を有する、
請求項1ないし16のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項18】
前記密封リップ(11)は、前記充填開口部(5)を連続的に包囲している、
請求項17記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項19】
前記密封リップ(11)は、前記基体(1,2)に一体に連結されると共にくさび形、カッタ形又は環状の形をなして先細になった状態で前記基体表面から突き出ており、組立てプロセス後、形成済みの前記密封リップ(11)のカッタを前記フィルム中に押し込んでインターロック係合によりシールを形成する、
請求項17又は18記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項20】
前記密封リップ(11)は、包囲弾性シールである、
請求項17又は18記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ(20)を製造する方法であって、第1ステップでは、板状基体(1,2)及び前記板状基体(1,2)相互間に配置されたフィルム(3)を支持体(13)上に積み重ね、次のステップでは、加圧ツールを所定の圧力Pでピン(6)のヘッド端部に配置し、熱を溶接時間ts中、前記ピン(6)に導入し、前記ピン材料をそのガラス転移温度及び/又は溶融温度よりも高く昇温させ、前記ピン材料がボア(7)内で流れて前記ピン(6)と前記ボア(7)の壁との間に摩擦連結部が形成され、前記基体(1,2)及び前記フィルム(3)は、接合連結部が硬化する保持時間tH全体にわたって圧縮状態のままであるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
円錐形先端部を備えた1つ又は2つ以上のロッド状サーモード(12)を前記加圧ツールとして用い、前記円錐形先端部は、変形されるべき材料の中央に当てられ、接触箇所から出た熱により、前記ピン材料の塑性流れ及び圧縮が生じる、
請求項20記載の方法。
【請求項23】
選択された前記基体材料に応じて、前記加圧ツールの温度は、
・PS 100℃〜180℃、特に130℃〜150℃、
・PMMA 100℃〜180℃、特に130℃〜150℃、
・PC 140℃〜230℃、特に160℃〜190℃、
・COP及びCOC 100℃〜240℃、特に170℃〜210℃、
・PE 80℃〜170℃、特に100℃〜140℃、
・PP 90℃〜200℃、特に120℃〜170℃、
・PPEK 160℃〜250℃、特に180℃〜210℃である、
請求項20記載の方法。
【請求項24】
0.5秒よりも長く、特に1.5〜5秒の溶接時間tsが利用される、
請求項20ないし22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記接合プロセス中、前記加圧ツールは、0.5バール〜5バール、特に1.5バール〜3バールの圧力で前記マイクロフルイディックカートリッジ(20)に作用し、又は前記ピン形サーモード(12)は、接合プロセス中、25ニュートン〜1キロニュートンの力で前記マイクロフルイディックカートリッジ(20)に作用する、
請求項20ないし23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
診断分析機器用のマイクロフルイディックカートリッジであって、
第1の板状基体(1)、第2の板状基体(2)及び前記板状基体(1,2)相互間に配置されたフィルム(3)を有し、
チャネル(4)が前記基体(1,2)の一方又は前記フィルムに設けられた凹部によって形成され、
前記板状基体(1,2)は、前記チャネルにサンプル液体を充填する充填開口部(5)を有するマイクロフルイディックカートリッジにおいて、前記板状基体(1,2)の一方に一体に連結されたピン(6)が前記フィルム及び関連の前記基体(1,2)のそれぞれに設けられた関連のボア(7)内に突き出ており、前記ピンの変形により、前記関連の基体(1,2)にインターロック係合関係をなして当接する成形部、特に前記基体に当接するヘッド(9)が形成されている、
ことを特徴とするマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項2】
前記ピン(6)は、前記変形後に前記ボアを少なくとも部分的に埋め、その結果、前記ピンの周面と前記ボア(7)の壁が局所的に摩擦係合部(8)を形成するようになっている、
請求項1記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項3】
前記ピン(6)の接合部の摩擦インターロック係合強度は、前記基体材料の引張り強度の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%に等しい、
請求項2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項4】
前記接合部は、平均で5N、特に10Nの引張り応力に耐える、
請求項3記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項5】
前記ピン(6)は、円錐形である、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項6】
前記ピン(6)と関連した前記ボア(7)の直径は、前記ピンの基部の直径の1〜2倍に一致する、
請求項1又は5記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項7】
前記ピンの前記ヘッドの端部では、前記ボア(7)は、前記ヘッド(9)が成形により収納される止まり穴(10)の形態をなして直径が大きくなっている、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項8】
前記ピンの直径は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜1.5mmである、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマイクロフルディックカートリッジ。
【請求項9】
前記フィルム(3)は、前記板状基体(1,2)の一方にぴったりと接合され、特に、接着層(16)によって貼り付けられている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項10】
前記接着層(16)は、粘着層又は密封層である、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項11】
前記接着層(16)は、両面接着フィルム(16)である、
請求項10記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項12】
前記基体材料は、PS、PMMA、PC、COC、COP、PP、PE又はPEEKの中から選択されたプラスチックである、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項13】
複数本のピンが前記第1の板状基体(1)の表面から突き出て、前記第2の板状基体(2)、特にカバー要素(2)に設けられたボア(7)内に嵌まり込んでいる、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項14】
複数本のピンが前記第2の板状基体(1)、特にカバー要素(2)から突き出て、前記第1の板状基体(1)に設けられたボア(7)内に嵌まり込んでいる、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項15】
前記ピンの平均直径は、0.2mm〜5mm、特に0.5mm〜2mmである、
請求項1又は2記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項16】
前記フィルム(3)は、シールを形成するよう前記ピン(6)に当接している、
請求項1ないし15のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項17】
前記基体の少なくとも一方は、前記充填開口部の付近に少なくとも1つの密封リップ(11)を有する、
請求項1ないし16のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項18】
前記密封リップ(11)は、前記充填開口部(5)を連続的に包囲している、
請求項17記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項19】
前記密封リップ(11)は、前記基体(1,2)に一体に連結されると共にくさび形、カッタ形又は環状の形をなして先細になった状態で前記基体表面から突き出ており、組立てプロセス後、形成済みの前記密封リップ(11)のカッタを前記フィルム中に押し込んでインターロック係合によりシールを形成する、
請求項17又は18記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項20】
前記密封リップ(11)は、包囲弾性シールである、
請求項17又は18記載のマイクロフルイディックカートリッジ。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれか1項に記載のマイクロフルイディックカートリッジ(20)を製造する方法であって、第1ステップでは、板状基体(1,2)及び前記板状基体(1,2)相互間に配置されたフィルム(3)を支持体(13)上に積み重ね、次のステップでは、加圧ツールを所定の圧力Pでピン(6)のヘッド端部に配置し、熱を溶接時間ts中、前記ピン(6)に導入し、前記ピン材料をそのガラス転移温度及び/又は溶融温度よりも高く昇温させ、前記ピン材料がボア(7)内で流れて前記ピン(6)と前記ボア(7)の壁との間に摩擦連結部が形成され、前記基体(1,2)及び前記フィルム(3)は、接合連結部が硬化する保持時間tH全体にわたって圧縮状態のままであるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
円錐形先端部を備えた1つ又は2つ以上のロッド状サーモード(12)を前記加圧ツールとして用い、前記円錐形先端部は、変形されるべき材料の中央に当てられ、接触箇所から出た熱により、前記ピン材料の塑性流れ及び圧縮が生じる、
請求項20記載の方法。
【請求項23】
選択された前記基体材料に応じて、前記加圧ツールの温度は、
・PS 100℃〜180℃、特に130℃〜150℃、
・PMMA 100℃〜180℃、特に130℃〜150℃、
・PC 140℃〜230℃、特に160℃〜190℃、
・COP及びCOC 100℃〜240℃、特に170℃〜210℃、
・PE 80℃〜170℃、特に100℃〜140℃、
・PP 90℃〜200℃、特に120℃〜170℃、
・PPEK 160℃〜250℃、特に180℃〜210℃である、
請求項20記載の方法。
【請求項24】
0.5秒よりも長く、特に1.5〜5秒の溶接時間tsが利用される、
請求項20ないし22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記接合プロセス中、前記加圧ツールは、0.5バール〜5バール、特に1.5バール〜3バールの圧力で前記マイクロフルイディックカートリッジ(20)に作用し、又は前記ピン形サーモード(12)は、接合プロセス中、25ニュートン〜1キロニュートンの力で前記マイクロフルイディックカートリッジ(20)に作用する、
請求項20ないし23のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−506855(P2013−506855A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532567(P2012−532567)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064808
【国際公開番号】WO2011/042422
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064808
【国際公開番号】WO2011/042422
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】
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