説明

マイクロ・ナノバブル発生装置とノズル構造

【課題】半導体ウェハーなどを洗浄する場合に金属コンタミをなくし、簡便で高効率なマイクロ・ナノバブルの発生装置とノズルを作成する。
【解決手段】ベローズシリンダポンプ15と気液混合槽14とマイクロ・ナノバブル発生用ノズル11と液をポンプに取り込む口と17と気体を取り込む口16と気体の量を絞る弁18とを備えたマイクロ・ナノバブル発生装置において、ベローズシリンダポンプを含めて全ての接液部をフッ素樹脂で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロバブル発生装置とノズル構造に関する
【背景技術】
【0002】
マイクロ・ナノバブル発生装置を使って半導体のウェハーなどを洗浄する場合に金属コンタミを無くすことが必須条件である。
ポンプは、接液部を全てフッ素樹脂などの金属イオンなどを一切発生させないもので作り、かつ吐出圧力が安定して勝0.3〜0.6Mpa
が必要なので回転を利用したポンプで起こることが危惧されるコンタミ現象を避けるために回転を使用しないで液を送るポンプ
を必要としている。
【0003】
そこで接液部の全ての部分をフッ素樹脂で作成した圧縮空気駆動のベローズシリンダポンプを使用した装置を作成し、
かつマイクロバルブを発生させるノズルの部分も全てフッ素樹脂化する技術開発が要求されており、清浄な洗浄を
行うことを目的にする場合に必須の条件を満たすものを作成する技術開発が必要としています。
【0004】
従来ナノバブル発生装置のノズル部分は、金属を使用したものが多く、フッ素樹脂のみで作られているものは、
ポンプ・気液混合槽・ノズルなどからのコンタミはないが、マイクロ・ナノバブルの発生量が不足してしまうという
致命的欠陥をもってしまったノズル及びシステムの開発改良が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公開2009−274045「マイクロ・ナノバブル発生方法及びマイクロ・ナノバブル水の生成装置」
【0006】
【特許文献2】特許公開2,008-264771「マイクロバブル水及びナノバブル水製造装置」
【発明の概要】
【0007】
ポンプ、気液混合槽、ノズルなどの開発を行いマイクロ・ナノバルブ発生装置改良し、大量にコンタミの無い
マイクロ・ナノバルブ発生を行えるシステムを作る。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のような背景に鑑み、ナノバブル発生装置のポンプは、もちろん全ての接液部をフッ素樹脂で作成しマイクロ・ナノバルブを
大量に発生させて清浄な洗浄を行うことができるようなマイクロ・ナノバブル発生装置と効率良くマイクロ・ナノバブルを
発生させるノズルを開発し、半導体のウェハー洗浄などの清浄な洗浄を行うことに使用することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決すための手段として、当社で開発した圧縮空気で駆動するベローズシリンダポンプを使用することで脈動の少ない
駆動を行い気液混合槽にて気体を液の中に溶存させることを行う。ナノバブル発生ノズル部にて気体が溶存した液を圧力変動
が無いようにし連続して効率良くマイクロ・ナノバブルを作成する装置にする。
【0010】
接液部に金属イオンの発生をきらう清浄な洗浄において、ノズル部でマイクロ・ナノバルブを発生させる場合にフッ素樹脂
で全てを作ったノズルが連続で安定したバブルの発生を行うことができる構成にすることで信頼性の高い清浄な装置になる。
【0011】
気体を液に溶存させる気液混合槽において、ポンプに気体と液を同時に入れて送る場合に気体量が多くなり気体が気液混合槽の内部に
充満してしまい液が少なくなるという現象が起こったときに、ノズル部に気体が多すぎる状態に起因する気体が液に溶存しない
気体のままで吐出しマイクロ・ナノバルブの発生が不安定になり、一様なマイクロ・ナノバルブ発生ができなくなる。
【0012】
そこで気液混合槽で気体の余分なものは、放出して液と気体の量をいつも一定の範囲に保つ。
【0013】
かつマイクロ・ナノバルブ発生ノズルは、気体を溶存した液を破砕して、マイクロ・ナノバルブを効率良く発生させるノズルに
仕上げて、大量にマイクロ・ナノバルブを発生させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用したマイクロ・ナノバルブ発生システム正面図
【図2】本発明を適用したマイクロ・ナノバルブ発生システム斜視図
【図3】マイクロ・ナノバルブ発生用ノズル上面図
【図4】マイクロ・ナノバルブ発生用ノズル正面図
【図5】マイクロ・ナノバルブの断面図
【図6】ジェット作成シート
【図7】フィルター
【図8】ビーズ(エッジ部を有するもの)
【図9】織り込み式フィルター
【図10】織り込み式フィルター
【図11】階層式マイクロ・ナノバルブノズル斜視図
【図12】階層式マイクロ・ナノバルブノズル断面図
【図13】フィルター1
【図14】フィルター2
【図15】フィルター3
【図16】フィルター4
【図17】ジェット粉砕方式マイクロ・ナノバブル発生ノズル断面図
【図18】フィルター5
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面にもとづいて説明する。
【実施例】
【0016】
表題1の図1は、本発明を適用したマイクロ・ナノバルブ発生システム正面図で15がベローズシリンダポンプ、13がポンプコントローラ、
14が気液混合槽、12が圧力センサ、11がマイクロ・ナノバルブ発生用ノズル、17が液吸引管、16が気体吸引口、18が気体吸引調整バルブである。
【0017】
図2の本発明を適用したマイクロ・ナノバルブ発生システム斜視図のように配置する。
15の接液部をフッ素樹脂で作成したベローズシリンダポンプ15で17の液吸引管、18の気体吸引調整バルブを使用して気体量を調整してポンプ内部に
液と気体を混ぜた状態で吸い込んでベローズ内部で撹拌、溶存させて、圧縮し液の中に気体を溶存させる。
【0018】
次に気液混合槽に気体と液をポンプ15で撹拌して圧送する。気液混合槽の気体と液とは、ポンプ15からの圧力を受けており、気体が溶存しやすくなる。
つまり気体と液体とをポンプ15から圧送する圧力、個の圧力は、12の圧力センサでチェックしている。
溶存気体の量を多くしてマイクロ・ナノバブルの発生量を増やす準備を行う。
【0019】
圧送されて気液混合槽14に入った液と気体は、混合されて気体は、液の内部に溶存させてマイクロ・ナノバルブ発生用ノズル11に送られ、
マイクロ・ナノバルブ発生用ノズル11で溶存した気体を直径が15μm以下の大きさのマイクロ・ナノバルブを大量に作成する。
【0020】
このとき12の圧力センサでノズル11と気液混合槽14との間の液圧力の変動をみて気液の溶存状態を監視する。
こうすることで安定したマイクロ・ナノバルブ用ノズル発生に必要な一定した圧力状態を実現する。
【0021】
次に気体が溶存した状態にある溶存液からマイクロ・ナノバルブを大量に発生させる方法について説明する。
図3はマイクロ・ナノバルブ発生用ノズルの上面図で1がノズルの外ケースで1Bの穴から高速ジェットの液を噴射する。
このノズルの穴の大きさで液の吐出流量を決める。
【0022】
このジェットからマイクロ・ナノバルブを作成するのにジェットノズルから出た高圧ポンプ15の吐出圧力(0.3MPa〜0.5MPa)状態から
圧力を急激に解放することでマイクロ・ナノバルブを大量に含む状態にする。ただし解放する方法によっては、マイクロ・ナノバブルの発生量は、
少なくなってしまうので大量に発生させることが重要である。
【0023】
図5はノズルの一例で1がノズル本体、2がノズルを発生させる筺体でありノズル本体1と2の筺体は、ネジ1A,2Aで結合されている。
図6高速ジェット作成フィルター3でジェットを作成し4のフィルター、フッ素樹脂のペレット5にジェットを噴射することで強烈なキャビテーションを起こさせて小さな気泡を無数に作ることでマイクロ・ナノバブルを作成する。このフッ素樹脂のペレット5を段々にしつらえて15μm以下の大きさの気泡の大量なマイクロ・ナノバブルを作る。発生したマイクロ・ナノバブルを2Aの穴から吐出させて洗浄、殺菌などに活用する。
【0024】
またペレットの代わりに図9、10のようなシートを丸めてジェット流を端面エッジにジェットを当ててマイクロ・ナノバブルを作成することもできる。
また図示しないが、このシートとは違うがセラミックや石英などのガラスで面がザラザラに仕上げたものでも同じような効果があり、
マイクロ・ナノバブルを発生できることを確認した。
【0025】
図11は、ノズルの違う一例の階層式マイクロ・ナノバルブノズルを示す。図12は、図11の断面図で31はノズル本体であり高速ジェットを31Aの
細孔から飛び出すようにする。33のマイクロ・ナノバブル発生用筺体、33Bのネジ部で31Bのネジ部で結合されている。
【0026】
33Aは、圧力調整用穴、図13の34のフィルター1、図14の35のフィルター2、図15の36のフィルター3、図16の37のフィルター4を使って徐々にマイクロ・ナノバブルを小さくする方法がある。
【0027】
図17のノズルは、もう一つの方法を示す。40がノズル本体40Aの細孔から高圧の液をジェット流として出す、そのジェット流を41のフィルターの
中央付近で受けて液を砕くことでマイクロ・ナノバブルを大量に発生させる。
【0028】
41のフィルターの中央付近をザラザラに仕上げて、砕けるマイクロ・ナノバブルの粒子分布をより微細になるように砕く。このことは、ジェット流になった液
があたる部分の全面を荒らした面に仕上げて作ることでバブル粒子を小さくできるのと、マイクロ・ナノバブルをより大量に発生させることができる。
【0029】
43のマイクロ・ナノバブル発生用筺体2は、フィルター41を保持して、43Bのオネジと40の 40Bのメネジで結合されている。
このネジは、ノズル40Aとフィルター41の最適距離になるように距離を調整することができる基本的で重要な構成になっている。
【0030】
この距離をコントロールすると粒子の分布、気液混合槽内部の圧力との関係をベストの位置(マイクロ・ナノバブルが大量に発生する位置)に調整し、最適化することができる。
【0031】
つまりマイクロ・ナノバブル発生用ノズル11を作るのに含む液からマイクロ・ナノバブルを作成するときに該溶存気体を急激に細いノズルから発射し、
壁に激突させる距離をコントロールすることと該激突する面を8000番以上に荒らすことで大量のマイクロ・ナノバブルを発生させることができる。
この面荒さをコントロールすることでバブル粒子の分布をも制御可能である。
【0032】
この大量のマイクロ・ナノバブル発生用ノズル11でできたマイクロ・ナノバブルは、43Aを通して42Aの穴から吐出させて洗浄、
殺菌などの目的に使用する。
【0033】
このマイクロ・ナノバブル発生装置の特徴は、接液部が全て樹脂で構成して、金属イオンを含まないものに仕上げることができるので、
金属イオンのコンタミなどを嫌う半導体プロセスには、有効な洗浄機となる。
【0034】
また金属イオンが存在しても許容される洗浄であれば、ポンプ15などを金属性のものが使用できるので安価なシステムにすることができる。
ポンプ15は、モータ駆動のポンプに変え、配管も金属に変えることもできるのでシステムは、安価になる。
【0035】
このように荒らした面を作るのにセラミック、または石英などのガラス、カーボンを使用して得た荒らした面でも
マイクロ・ナノバブル発生させることができる。

【産業上の利用可能性】
【0036】
マイクロ・ナノバブルは、半導体ウェハーの洗浄に使用する。従来半導体ウェハーの洗浄は、強酸、アルカリで中和、純水でリンスを行うなど工程は、
複雑であり、薬液を使用することなどから環境負荷の大きなものであった。
【0037】
しかし半導体ウェハーの洗浄にオゾンや酸素のような酸化能力の大きな気体を入れてマイクロ・ナノバブルを発生させたものを洗浄に使用すると、
洗浄工程は、非常に簡単で小型、環境にやさしいものになる。
【0038】
かつ薬液の処理などの負担がなくなり半導体の製造は、小さな設備になり半導体プロセスがコンパクトになるなど工業的価値が大である。
【0039】
接液部をフッ素樹脂で作成したクリーンなシステムから製造されたマイクロ・ナノバブルを利用して医療などに使用することができ、
医療への利用例が数多く発表されており、今後期待の大きな応用分野が広がってきている。
【0040】
気体に酸素やオゾンなどを使用したマイクロ・ナノバブルの洗浄、殺菌の能力を食品、野菜などに利用することができる。
農業、漁業などの分野に応用範囲が広がる可能性がある。
【0041】
金属イオンが入っていても許される洗浄、殺菌システムに使用するのであれば、フッ素樹脂でなく金属を使用したポンプや配管をおこなっても
同じようにマイクロ・ナノバブルを発生させることができる。
【符号の説明】
【0042】
1:ノズル本体
2:筺体
3:高速ジェット作成フィルター
4:フィルター
5:フッ素樹脂のペレット
6:シール受け
11:マイクロ・ナノバブル発生ノズル
12:圧力計
13:コントローラ
14:気液混合槽
15:ベローズシリンダポンプ
16:気体吸引口
17:液吸引管
18:気体吸引調整バルブ
31:ノズル本体
32:ノズルカバー
33:マイクロ・ナノバブル発生用筺体1
34:フィルター1
35:フィルター2
36:フィルター3
37:フィルター4
40:ノズル本体
41:フィルター5
42:ノズルカバー
43:マイクロ・ナノバブル発生用筺体2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベローズシリンダポンプと気液混合槽とマイクロ・ナノバブル発生用ノズルと液をポンプに取り込む口と
気体を取り込み口と気体の量を絞る弁とポンプコントローラとを備えたマイクロ・ナノバブル発生装置において、
ベローズシリンダポンプを含めて全ての接液部をフッ素樹脂で構成したことを特徴とするマイクロ・ナノバブル発生装置
【請求項2】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを
発生させるときに溶存した気体を含む液から気体を解放するときにビーズ状のフッ素樹脂のペレットに液を
急激にあてて微細なマイクロ・ナノバブルを発生させることを特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル
【請求項3】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを
発生させるときに溶存した気体を含む液から気体を解放するときにシート状のものを螺旋に巻いたものの端面に
液を急激にあてて粉砕し微細なマイクロ・ナノバブルにすることを特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル
【請求項4】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを発生
させるときにフッ素樹脂表面に気体を溶存した液を急激にあてて粉砕し微細なマイクロ・ナノバブルにすることを
特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル
【請求項5】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを
発生させるときに溶存した気体を含む液から気体を解放するときにフッ素樹脂に溶存した液を急激にあてて粉砕し
微細なマイクロ・ナノバブルにするノズルにおいて、フッ素樹脂の面が単純な平面でなく8000番以上に表面を
荒らすことでこの面の荒さを調整することでマイクロ・ナノバブルの粒子の分布を制御することを
特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル
【請求項6】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを
発生させるときに溶存した気体を含む液から気体を解放するときにフッ素樹脂に溶存した液を急激にあてるとき、
溶存する液の圧力や温度の状態を想定して最適な位置に粉砕距離を設定し固定できるように調整する機構
にしたことを特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル
【請求項7】
該マイクロ・ナノバブル発生用ノズルにおいて、溶存した気体を圧力解放することでマイクロ・ナノバルブを
発生させるときに溶存した気体を含む液から気体を解放するときにセラミック、又は石英などのガラス、カーボンなど
できた8000番以上のヤスリのような面にあててマイクロ・ナノバブルを発生させることを
特徴とするマイクロ・ナノバブル発生用ノズル


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図1】
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