説明

マイクロ化学分析システム及びマイクロ化学分析装置

【課題】異種液体の反応結果から一方の液体の化学的特性を分析するために、異種の液体を混合する技術に関し、異種の液体を短時間かつ均一に混合する技術を提供する。
【解決手段】異種の液体を混合して反応させることにより一方の液体の化学分析を行うマイクロ化学分析システムであって、第1の液体と第2の液体とを合流させて送出する流路と、第1の液体と第2の液体の合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、流路よりも膨出した所定容積を有し、第1の液体と第2の液体が一時貯留される混合ポッド104と、混合ポッド104内に撹拌力を与える混合促進部105と、第1の液体と第2の液体の反応結果を検出する分析手段と、分析手段が出力する反応結果を液体の化学的特性を示す物理量に換算する処理手段と、を備え、混合促進部105は、混合ポッド104に接し、混合ポッド104の一部を変形させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種液体の反応結果から一方の液体の化学的特性を分析するために、小型の装置を用いて異種の液体を混合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
化学分析システムは、サンプル液と試薬液とを化学反応又は生化学反応させて、反応結果を分析することでサンプルの化学的な特性を測定するシステムである。血液検査、感染症診断、遺伝子診断、遺伝子解析、又は遺伝子合成、メカノフュージョン、カップリング反応、有機金属反応、触媒合成反応、電解合成反応、酸アルカリ分解反応、電気分解反応の観察に用いられる。例えば、化学分析システムは、被検体の血清や尿等をサンプル液として、試薬液と化学反応又は生化学反応させて、測光し、コレステロール量、中性脂肪量、血糖量、GOT活性値等の各種項目の分析を行う。
【0003】
そのため、この化学分析システムは、サンプルを分注して試薬と混合し、サンプル液と試薬液とを反応させ、その反応結果を検出し、反応データをサンプル液の化学的特性を示す物理量に変換し、得られた物理量を視認可能に出力する。代表例として、自動的に反応管に被検試料と測定項目に該当する試薬を一定量分注し、撹拌混和後一定温度にて反応させ、この反応によって生ずる色調の変化を測定することにより、被検試料中の被測定物質又は酵素の濃度若しくは活性を測定する化学分析システムがある(例えば、「特許文献1」参照。)。
【0004】
近年、この化学分析システムは、小型化が進んでおり、カセット式の流路を利用したポータブル血液分析器(例えば、「特許文献2」参照。)や、シート状のマイクロリアクタを用いたモバイル型化学検査装置(例えば、「特許文献3」参照。)が提案されている。
【0005】
これらマイクロ化学分析システムは、サンプル液と試薬液とを合流させた状態で共通の流路内を送液することで、分子拡散の効果を利用してこの流路内の送液中にサンプル液と試薬液とを混合することが一般的である。しかし、この流路内において完全に混合させるためにはこの流路を十分に長くする必要があり、小型化を阻害する。さらに、流路を送液しながら徐々に混合を図ると、反応が未完全の状態で反応結果を測定してしまうおそれがあり、反応結果に誤差が生じ易くなる。
【0006】
そこで、この流路内での混合を促進すべく、流路内には、各種の混合促進手段が備え付けられることもある。混合促進手段としては、サンプル液と試薬液とが合流して送液されている流路の一部を変形させ、この変形力を撹拌力として付与する技術(例えば、「特許文献4」参照。)や、圧電体表面の歪みにより圧電体表面に励振される弾性表面波を利用する技術(例えば、「特許文献5」参照。)がある。マイクロ化学分析システムでは、サンプル液と試薬液とを合流させた状態で送液する流路内にこれら混合促進手段が配される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3300704号公報
【特許文献2】特許第2995088号公報
【特許文献3】特開2002−340911号公報
【特許文献4】特開2006−153785号公報
【特許文献5】米国特許公開2004/0115097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のマイクロ化学分析システムでは、混合を促進するため、流路内に混合促進手段を備える技術が提供されつつあるが、この流路内に備える混合促進手段によっては、十分な撹拌効果が得られないといった問題が生じている。
【0009】
即ち、流路内の一部区間に混合促進手段を備えた場合、サンプル液と試薬液とは流路内に拡がって送液されるため、混合促進手段が備えられている区間を通過するサンプル液と試薬液の部分にしか撹拌力を付与できず、全体的に撹拌することができない。或いは全体的に撹拌するために長時間が必要となる。
【0010】
十分な撹拌効果が得られないと、混合促進手段を設けても結局は、混合促進手段を通過する部分毎に混合が促進されるのみで、徐々に混合されることには変わりなく、反応が不均一になってしまったり、反応系が異なってしまったりして、反応結果に誤差が生じてしまう。
【0011】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、異種液体の反応結果から一方の液体の化学的特性を分析するために、小型の装置を用いて異種の液体を混合する技術に関し、異種の液体を短時間かつ均一に混合する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための第1の態様は、異種の液体を混合して反応させることにより一方の液体の化学分析を行うマイクロ化学分析システムであって、第1の液体と第2の液体とを合流させて送出する流路と、前記第1の液体と前記第2の液体の合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、前記流路よりも膨出した所定容積を有し、前記第1の液体と前記第2の液体が一時貯留される混合ポッドと、前記混合ポッド内に撹拌力を与える混合促進手段と、前記第1の液体と前記第2の液体の反応結果を検出する分析手段と、前記分析手段が出力する反応結果を液体の化学的特性を示す物理量に換算する処理手段と、を備え、前記混合促進手段は、前記混合ポッドに接し、前記混合ポッドの一部を変形させることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するための第2の態様は、第1の液体と第2の液体とを合流させて送出する流路と、前記第1の液体と前記第2の液体の合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、前記流路よりも膨出した所定容積を有し、前記第1の液体と前記第2の液体が一時貯留される混合ポッドとを備えるマイクロ混合装置に接続され、このマイクロ混合装置から出力された液体の反応結果から、一方の液体の化学的特性を分析するマイクロ化学分析装置であって、前記混合ポッド内に撹拌力を与える混合促進手段と、前記反応結果を液体の化学的特性を示す物理量に換算する処理手段と、を備え、前記混合促進手段は、前記混合ポッドに接し、前記混合ポッドの一部を変形させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によっては、第1の液体と第2の液体との合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、第1の液体と第2の液体とが一時貯留される混合ポッドを備えるようにした。これにより、第3の流路に送出される前に、混合ポッド内で乱流や渦流が生じて一気に均一に混合され、かつ第3の流路内で混合されるよりも混合時間が短縮される。また、第3の流路を短くすることができ、システムや装置の小型化が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る化学分析システムの構成図を示す図である。
【図2】化学分析システムの第1の外観を示す図である。
【図3】化学分析システムの第2の外観を示す図である。
【図4】サンプル液と試薬液の混合に係る第1の形態を示す模式図である。
【図5】サンプル液と試薬液の混合に係る第2の形態を示す模式図である。
【図6】混合構成部分の第1の態様を示す模式図である。
【図7】混合構成部分の第2の態様を示す模式図である。
【図8】第2の態様に係る混合構成部分の駆動を示す図である。
【図9】混合構成部分の第3の態様を示す模式図である。
【図10】混合構成部分の第4の態様を示す模式図である。
【図11】混合構成部分の第5の態様を示す模式図である。
【図12】混合構成部分の第6の態様を示す模式図である。
【図13】混合構成部分の第7の態様を示す模式図である。
【図14】混合構成部分の第8の態様を示す模式図である。
【図15】化学分析システムの混合促進制御を実施する構成を示すブロック図である。
【図16】監視結果データである混合ポッドの投影画像を示す模式図であり、未だ一様に混合されていない状態を示す。
【図17】サンプル液と試薬液の混合が未完全である場合に生成されるヒストグラムを示す図である。
【図18】監視結果データである混合ポッドの投影画像を示す模式図であり、サンプル液と試薬液とが一様に混合された状態を示す。
【図19】サンプル液と試薬液とが一様に混合された状態における投影画像から生成されたヒストグラムを示す図である。
【図20】混合制御部の第1の混合促進制御動作を示すフローチャートである。
【図21】第1の混合促進制御動作において生成されるヒストグラムと閾値との関係を示す図である。
【図22】混合制御部の第2の混合促進制御動作を示すフローチャートである。
【図23】第2の混合促進制御動作において生成されるヒストグラムと閾値との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るマイクロ化学分析システムの好適な各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るマイクロ化学分析システムの構成図を示す図である。化学分析システム1(以下、単に「化学分析システム1」という。)は、サンプル液と試薬液とを化学反応又は生化学反応させて、反応結果を分析することでサンプル液の化学的な特性を測定するシステムである。血液検査、感染症診断、遺伝子診断、遺伝子解析、又は遺伝子合成、メカノフュージョン、カップリング反応、有機金属反応、触媒合成反応、電解合成反応、酸アルカリ分解反応、電気分解反応の観察に用いられる。例えば、化学分析システム1は、被検体の血清等をサンプル液として、試薬液と化学反応又は生化学反応させて、測定を行いコレステロール量、中性脂肪量、血糖量、GOT活性値等の各種項目の分析を行う。
【0018】
そのため、この化学分析システム1は、サンプルを分注して試薬と混合し、サンプル液と試薬液とを反応させ、その反応結果を検出し、反応データをサンプル液の化学的特性を示す物理量に変換し、得られた物理量を視認可能に出力する。
【0019】
このような化学分析システム1は、分析装置2と混合装置3とをインターフェース部17を介して接続して構成される。分析装置2は、反応結果を分析する装置であり、混合装置3は、サンプル液と試薬液とを混合及び反応させるハンディタイプのカードリッジやチップである。混合装置3で検出された反応結果が、分析装置2に出力され、分析装置2において化学分析される。インターフェース部17は、混合装置3から出力されたデータを分析装置2内部へ送出する。
【0020】
混合装置3から出力されるデータは、サンプル液と試薬液との反応を検出して得た反応データと、サンプル液と試薬液との混合の度合いを検出して得た監視結果データである。
【0021】
混合装置3は、滴下口11と分注部12と混合部13と試薬収納部14と溶液収容部15と分析センサ16とを備える。
【0022】
滴下口11には、分析者によりサンプル液が滴下される。サンプル液を滴下口11に滴下することで、混合装置3内にサンプル液が取り込まれる。滴下口11は、分注部12を介して混合部13に連通している。
【0023】
分注部12は、弁体を含み構成され、滴下口11に滴下されたサンプル液から所定量を分注して混合部13に送出させる。
【0024】
試薬収容部14及び溶液収容部15は、混合部13と弁体等の扉を介して連通している。試薬収容部14には、サンプル液と混ぜ合わせて反応を起こさせる試薬液が貯留されており、また、溶液収容部15には、サンプル液の状態を整える希釈液や測定の基準となる校正液等が貯留されており、試薬収容部14又は溶液収容部15から所定量の試薬液が混合部13に送出される。
【0025】
混合部13では、サンプル液と試薬液が混合されて反応が起きる。混合部13からは、サンプル液と試薬液との混合の度合いが検出されて監視結果データが出力される。
【0026】
分析センサ16は、混合部13の流路後段に配されている。この分析センサ16としては、サンプル液と試薬液の反応に伴う色変化や濁度の変化を測定する光学測定法や、サンプル液と試薬液の反応に伴う電流や電圧の変化を測定する電気化学的測定法を用いることができる。分析センサ16は、前記光学測定法や前記電気化学測定法による反応データを出力する。分析センサ16が出力した反応データは、インターフェース部17を介して分析装置2へ送出される。分析センサ16を構成する一部は、分析装置2に配置することもできる。
【0027】
分析装置2は、電源部29と電源ボタン31を備え、電源ボタン31が押下されることによって電源部29から分析装置2内の各構成に電力を供給し、この電力によって駆動する。分析装置2は、電力供給得て反応データを処理し、反応結果を出力し、混合装置3を制御する。
【0028】
分析装置2は、反応データを処理する構成として、信号増幅部19とデータ収集部20とデータ分析部21を備える。インターフェース部17と信号増幅部19とは、電気的に接続され、信号増幅部19とデータ収集部20とは、電気的に接続され、データ収集部20とデータ分析部21は、電気的に接続されている。
【0029】
信号増幅部19は、インターフェース部17を介して得た監視結果データや反応データを増幅するアンプである。増幅された監視結果データや反応データは、信号増幅部19からデータ収集部20へ出力される。
【0030】
データ収集部20は、A/D変換回路と記憶回路を含み構成される。このデータ収集部20は、増幅された監視結果データや反応データをデジタル変換し、一時的に記憶しておく。
【0031】
データ分析部21は、データ収集部20が収集した監視結果データや反応データを解析する。データ分析部21は、監視結果データを得ると、監視結果データから混合部13でのサンプル液と試薬液との混合の度合いを検出する処理を行う。また、データ分析部21は、反応データを得ると、反応データをサンプル液の化学的特性を表す物理量のデータに変換する。例えば、被検体の血清をサンプル液とした場合、コレステロール量、中性脂肪量、血糖量、GOT活性値等のサンプル液の特性を表す物理量のデータに変換する。
【0032】
分析装置2は、反応結果を出力する構成として、データ記憶部22と表示部23とを備える。
【0033】
データ記憶部22は、RAM(Random Access Memory)を含み構成され、データ分析部21の変換により得られたサンプル液の特性を表す物理量のデータを記憶する。
【0034】
表示部23は、液晶ディスプレイ等の表示画面を含み構成され、データ記憶部22に記憶されたサンプル液の特性を表す物理量のデータを視認可能に表示する。
【0035】
この分析装置2は、反応データを処理して反応結果を出力する他、混合装置3に対する制御を行う。この制御構成として、温度制御部24と分注制御部25と送液部26と混合促進部105とを備える。
【0036】
温度制御部24は、混合装置3を取り囲むように配置されたヒータ又は混合装置3の内部に配置されたヒータを含み構成され、混合装置3内部の温度を一定に保つように温度調節をする。
【0037】
分注制御部25は、分注部12の弁体を制御して滴下口11に滴下されたサンプル液の所定量を混合部13へ送出するようにコントロールする。
【0038】
送液部26は、サンプル液と試薬液が混合部13を流通してセンサ16へ到達するように、分注されたサンプル液と試薬収容部14及び溶液収容部15に収容された試薬液に圧力をかける。
【0039】
混合促進部105は、混合部13内のサンプル液と試薬液とを撹拌し、サンプル液と試薬液との一様な混合を促進する。
【0040】
分析装置2は、制御部28を備え、制御部28により分析装置2内の各構成の駆動を制御している。制御部28は、分析装置2に備えられる操作ボタン30を用いて分析者と対話し、操作ボタン30の押下信号に従って各構成の駆動を制御している。また、データ分析部21によるサンプル液と試薬液との混合度合いの検出結果に応じて混合促進部105を制御する。
【0041】
図2及び3は、化学分析システム1の外観を示す図である。図2は、化学分析システム1の第1の外観を示し、図3は、化学分析システム1の第2の外観を示す。
【0042】
上記構成を有する化学分析システム1は、図2に示すように、例えばハンディタイプの分析装置2と混合装置3とによって構成される。この分析装置2は、長方体形状を有し、一側面に電源ボタン31と表示部23と操作ボタン30とを表面に露出させて備える。また、一側部には、カセット挿入口32が穿設されている。
【0043】
このカセット挿入口32にインターフェース部17が配されている。混合装置3をこのカセット挿入口32に差し込むことにより、インターフェース17を介して分析装置2と混合装置3とが電気的に接続され、反応データや監視結果データの分析装置2への出力が行われる。
【0044】
また、上記構成を有する化学分析システム1は、図3に示すように、分析装置2において、装置筐体2aとモニタ2bとキーボード2cとを電気的に接続して構成される。モニタ2bが表示部23を構成し、キーボード2cに操作ボタン30が配される。装置筐体2aは、表示部23と操作ボタン30以外の構成を内部に収容している。
【0045】
装置筐体2aの一側面には、複数のカセット挿入部32が穿設され、このカセット挿入部32にインターフェース部17が配されている。混合装置3をこのカセット挿入口32に差し込むことにより、インターフェース部17を介して分析装置2と混合装置3とが電気的に接続され、反応データや監視結果データの分析装置2への出力が行われる。分析者との対話は、キーボード2cを通じて行われ、分析結果は、モニタ2bで表示される。
【0046】
図4及び図5は、サンプル液と試薬液の混合に係るさらに詳細な構成を示す模式図である。図4は、第1の形態を示し、図5は、第2の形態を示す。
【0047】
図4に示すように、混合部13は、第1の流路101と、第2の流路102と、第3の流路103と、混合ポッド104とを備える。
【0048】
第1の流路101は、一端側が溶液収容部13と試薬収容部14に連通し、試薬液が送出される流路である。第2の流路102は、一端側が分注部12と連通し、サンプル液が送出される流路である。第1の流路101と第2の流路102とが合流して第3の流路103が延びる。第3の流路103の下流には、分析センサ16が配されている。
【0049】
混合ポッド104は、第1の流路101と第2の流路102との合流点以降の第3の流路103内に介在して配されている。この第1の形態では、第1の流路101と第2の流路102との合流点に配されている。混合ポッド104は、サンプル液全量と試薬液全量とが同時に一次貯留可能な容積を有している。
【0050】
この混合ポッド104は、第1の流路101と第2の流路102とに連通し、内部に試薬液とサンプル液とが流れ込む。また、混合ポッド104は、第3の流路103と連通し、混合ポッド104の内部で一様に混合された試薬液とサンプル液との混合液が第3の流路へ向けて送出される。
【0051】
混合ポッド104の外殻の一部には、混合促進部105が当接して配されている。混合促進部105は、混合ポッド104内に撹拌力を付与し、サンプル液と試薬液との混合を促進する。
【0052】
混合ポッド104の近傍には、混合ポッド104の内部を監視する監視部106が配されている。監視部106は、混合ポッド104内のサンプル液と試薬液との混合の度合いを検出する。
【0053】
この監視部106は、分析装置2に配される混合制御部107と電気的に接続されている。監視部106の監視結果が混合制御部107に出力され、混合制御部107は、監視結果に応じて混合促進部105を制御する。
【0054】
また、図5に示すように、第2の態様では、混合ポッド104は、第3の流路103の途中に介在している。第1の態様と同様に、混合ポッド104には、サンプル液と試薬液とが流入し、内部で混合される。
【0055】
混合ポッド104の外殻一部には、混合促進部105が当接し、撹拌力を付与して混合を促進している。混合の度合いは、混合ポッド104の近傍に配された監視部106によりなされる。監視部106の監視結果に応じて混合制御部107が混合促進部105を制御する。
【0056】
このサンプル液と試薬液とを混合させる流路構成では、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが一時的に混合ポッド104内に貯留され、この混合ポッド104内部で乱流や渦流により混合がなされる。そのため、サンプル液と試薬液とは一様に混合された後に混合ポッド104から流出して第3の流路103の下流へ向けて送出されるため、第3の流路103内で混合させる必要は少なくとも低減される。従って、第3の流路103を短くすることができ、混合装置3の小型化が図られる。
【0057】
また、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが1カ所に貯留された状態で反応が開始されるため、未反応のサンプル液と反応済みのサンプル液が混合した状態で分析センサ16に到達し、検出結果に誤差が生じることを防止することができる。
【0058】
ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが一時貯留された混合ポッド104内に撹拌力を付与するように混合促進部105を配しているため、流路内に混合促進部を設けてその設置部分を通過する混合液の部分に対して撹拌力を付与するよりも撹拌効果は格段に向上し、混合時間が短縮される。
【0059】
さらに、混合ポッド104を設けることによって、混合液の混合具合を監視する監視部106の後段に監視結果に基づいて駆動する混合促進部105を設ける必要がなくなり、コストが削減できると共に、第3の流路103に沿って多段階に混合促進部105と監視部106とを交互に設ける必要がなくなり混合装置3の小型化が図れる。
【0060】
図6乃至図14に、この混合ポッド104と混合促進部105と監視部106で構成される混合構成部分の各種態様を示す。
【0061】
図6は、混合構成部分の第1の態様を示す模式図である。図6に示すように、混合ポッド104は、内部が中空の球形状を有し、第3の流路103よりも膨出している。この混合ポッド104の外部と内部とを区画する外殻の一部は、伝播路104aで構成される。この伝播路104aは、樹脂で成り、混合ポッド104の外部で発生した撹拌力を内部に伝播させる。
【0062】
伝播路104aには、混合ポッド104の外部から圧電振動子105aが当接している。圧電振動子105aには、導電線が取り付けられており、導電線には、発振器105bとスイッチ105cが接続されている。この圧電振動子105aと発振器105bとスイッチ105cは、混合促進部105を構成する。
【0063】
スイッチ105cが通電状態になると、発振器105bからパルスが出力され、圧電振動子105aに印加される。圧電振動子105aは、チタン酸鉛等の圧電セラミックからなる音響/電気可逆的変換素子である。この圧電振動子105aは、電圧が印加されると圧電効果により励振し、振動波を送波する。この振動波が圧電振動子105aに当接している伝播路104aを介して混合ポッド104の内部に送波され、混合ポッド104内のサンプル液と試薬液とを励振し、混合を促進する。即ち、この振動波が撹拌力となる。
【0064】
監視部106は、光源106bとイメージセンサ106aを含み構成される。光源106bとイメージセンサ106aは、混合ポッド104を介して対向して配される。光源106bは、混合ポッド104を照らし、イメージセンサ106aは、混合ポッド104の投影画像を取得する。このイメージセンサ106aは、CCDセンサやCMOSセンサで構成される。
【0065】
イメージセンサ106aが取得した混合ポッド104の投影画像は、インターフェース部17を介して分析装置2へ出力される。この投影画像が混合の度合いを示す監視結果データとなる。投影画像の色調や濃淡のムラが激しければ、未混合であり、投影画像の色調のムラがなければ、一様に混合されたこととなる。この投影画像を分析することで、スイッチ105cのON/OFFや発振器105bが発信するパルスの振幅や周期をコントロールして撹拌力を調整する。
【0066】
図7は、混合構成部分の第2の態様を示す模式図である。また、図8は、この第2の態様の駆動を示す図である。
【0067】
図7に示すように、混合ポッド104は、内部が中空の球形状を有し、第3の流路103よりも膨出している。この混合ポッド104の外部と内部とを区画する外殻の一部は、弾性膜104bで構成される。この弾性膜104bは、ゴム等の弾性体で成り、外力が加わると撓みが生じる。この弾性膜104bの撓みにより混合ポッド104の一部に連続的な変形が生じ、この変形が内部のサンプル液と試薬液とを撹拌する撹拌力となる。
【0068】
弾性膜104bには、混合ポッド104の外部からアクチュエータ105dが当接している。アクチュエータ105dは、アクチュエータ本体とアクチュエータ本体を摺動させる支持部材を含み構成される。
【0069】
このアクチュエータ105dは、図8に示すように、電力によって弾性膜104bに向けて突出及び埋没を繰り返す往復運動を行う。この往復運動によって弾性膜104bは、撓みと撓みからの復帰を繰り返し、混合ポッド104の一部に連続的な変形が生じ、サンプル液と試薬液とを撹拌する。
【0070】
このアクチュエータ105dには、導電線が取り付けられており、導電線には、電源105eとスイッチ105cが接続されている。電源105eとアクチュエータ105dとスイッチ105cは、混合促進部105を構成する。
【0071】
監視部106は、第1の態様と同様に、光源106bとイメージセンサ106aを含み構成される。イメージセンサ106aが監視結果データとして混合ポッド104の投影画像を取得する。この投影画像を分析することで、スイッチ105cのON/OFFや発振器105bが発信するパルスの振幅や周期をコントロールして撹拌力を調整する。
【0072】
図9は、混合構成部分の第3の態様を示す模式図であり、図10は、混合構成部分の第4の態様を示す模式図である。
【0073】
図9及び図10に示すように、混合ポッド104は、内部が中空の円柱形状を有し、第3の流路103の延設方向に半径方向が拡がるように、第3の流路103から膨出している。伝播路104aや弾性膜104bは、一方の円柱面に配される。
【0074】
図11は、混合構成部分の第5の態様を示す模式図であり、図12は、混合構成部分の第6の態様を示す模式図である。
【0075】
図11及び図12に示すように、混合ポッド104は、内部が中空の円柱形状を有し、第3の流路103の延設方向と直交する方向に半径方向が拡がるように、第3の流路103から膨出している。伝播路104aや弾性膜104bは、円周面の一部に配される。
【0076】
図13は、混合構成部分の第7の態様を示す模式図であり、図14は、混合構成部分の第8の態様を示す模式図である。
【0077】
図13及び図14に示すように、混合ポッド104は、内部が中空の扇型形状を有し、第3の流路103の一面から円弧形状の一部が膨出し、円弧面の延び方向と第3の流路103の延設方向とは一致する。伝播路104aや弾性膜104bは、弦を形成する面の一部に配される。
【0078】
次に、この化学分析システム1によるサンプル液と試薬液との混合促進制御について説明する。図15は、化学分析システム1の混合促進制御を実施する構成を示すブロック図である。
【0079】
図15に示すように、混合制御部107は、信号増幅部19とデータ収集部20とデータ分析部21と制御部28とにより構成される。この混合制御部107は、監視部106の監視結果データを解析して、サンプル液と試薬液の混合の度合いを取得し、この混合の度合いに応じて混合促進部105を制御する。監視結果データは、インターフェース部17を介して混合制御部107に入力され、信号増幅部19で増幅され、データ収集部20に記憶される。データ分析部21は、このデータ収集部20に記憶された監視結果データを解析する。
【0080】
図16は、監視結果データである混合ポッド104の投影画像を示す模式図であり、未だ一様に混合されていない状態を示す。図16に示すように、投影画像には、サンプル液の色合いと試薬液の色合いとサンプル液と試薬液が混合した混合液の色合いが混在し、色調のムラが生じている。
【0081】
データ分析部21は、この投影画像の色調のムラを示すヒストグラムを生成し、ヒストグラムから色調のムラを数値化して、予め記憶している閾値と比較する。制御部28は、この比較の結果に応じて、混合促進部105を制御する。色調のムラは、ヒストグラムの分布幅やヒストグラムのピークを数値化して得る。
【0082】
ヒストグラムは、サンプル液と試薬液の混合の度合いを示す。色調のヒストグラムは、投影画像の画素値を複数の色調にふるい分けたときの値を複数区間に分け、その区間を横軸に並べ、その区間に含まれる色調を有する画素の個数を縦軸に対応させたデータである。投影画像内に分布する色調のばらつきや分布幅が表される。
【0083】
図17は、サンプル液と試薬液の混合が未完全である場合に生成されるヒストグラムを示す図である。サンプル液と試薬液の混合が未完全である場合に生成されるヒストグラムは、色調の分布幅が広く、またこの分布のピーク値も低い。混合が未完全であるため、各種の色調が存在し、またサンプル液と試薬液との総量に比べて混合された部分の量が少ないためである。
【0084】
一方、図18は、監視結果データである混合ポッド104の投影画像を示す模式図であり、サンプル液と試薬液とが一様に混合された状態を示す。図18に示すように、投影画像には、サンプル液と試薬液とが一様に混合しているため、単一色調で統一されており、色調のムラがない。
【0085】
図19は、このサンプル液と試薬液とが一様に混合された状態における投影画像から生成されたヒストグラムを示す図である。サンプル液と試薬液とが一様に混合されたことにより、ヒストグラムの分布幅が狭くなり、またピーク値が高い。
【0086】
図20は、この混合制御部107の第1の混合促進制御動作を示すフローチャートである。また、図21は、この第1の混合促進制御動作において生成されるヒストグラムと閾値との関係を示す図である。
【0087】
第1の混合促進制御態様として、混合制御部107は、混合促進部105のスイッチ105cのOn/OFFを切り替えることにより、混合ポッド104内の色調のムラが所定未満であれば、混合促進部105の撹拌力付与を停止させ、混合ポッド104内の色調のムラが所定以上であれば撹拌力付与を継続させる。
【0088】
まず、監視部106から監視結果データが入力されると(S01)、信号強度を画素値に置き換えて投影画像を生成し(S02)、この投影画像に対して色調のフィルタリング処理を行う(S03)。
【0089】
次に、得られた投影画像から色調のムラを示すヒストグラムを生成し(S04)、ヒストグラムを色調のムラを示す数値に数値化する(S05)。ヒストグラムが数値化されることにより得られる色調のムラを示す数値は、ピーク値Pの取得や、ヒストグラムの統計的な分散値Dである。ピーク値Pの場合は、値が大きければ大きいほど色調のムラが少ないことを示す。分散値Dの場合は、値が小さければ小さいほど色調のムラが少ないことを示す。
【0090】
色調のムラを示す数値が得られると、混合制御部107は、色調のムラを示す数値に対応する閾値、即ちピーク値Pに対応する閾値sp又は分散値Dに対応する閾値sdを読み出し(S06)、取得した色調のムラを示す数値と閾値とを比較する(S07)。
【0091】
比較の結果、色調のムラが所定未満であれば(S07,Yes)、混合促進部105の撹拌力付与を停止させる(S08)。一方、色調のムラが所定以上であれば(S07,No)、混合促進部105の撹拌力付与を継続させる(S09)。
【0092】
色調のムラが所定未満とは、色調のムラを示す数値をピーク値Pとした場合、このピーク値Pが閾値spを上回ることである。色調のムラが所定以上とは、色調のムラを示す数値をピーク値Pとした場合、このピーク値Pが閾値sp以下であることである。また、色調のムラが所定未満とは、色調のムラを示す数値を分散値Dとした場合、この分散値Dが閾値sdを下回ることである。色調のムラが所定以上とは、色調のムラを示す数値を分散値Dとした場合、この分散値Dが閾値sdを上回ることである。
【0093】
図22は、この混合制御部107の第2の混合促進制御動作を示すフローチャートである。また、図23は、この第2の混合促進制御動作において生成されるヒストグラムと閾値との関係を示す図である。
【0094】
第2の混合促進制御態様として、混合制御部107は、混合促進部105の発振器105bや電源105eの電力を増減させることにより、混合促進部105の駆動力を制御して、混合ポッド104内の色調のムラの段階に比例した撹拌力を付与させる。
【0095】
まず、監視部106から監視結果データが入力されると(S11)、混合制御部107は、信号強度を画素値に置き換えて投影画像を生成し(S12)、この投影画像に対して色調のフィルタリング処理を行う(S13)。
【0096】
次に、混合制御部107は、得られた投影画像から色調のムラを示すヒストグラムを生成し(S14)、ヒストグラムを色調のムラを示す数値に数値化する(S15)。ヒストグラムが数値化されることにより得られる色調のムラを示す数値は、ピーク値Pの取得や、ヒストグラムの統計的な分散値Dである。ピーク値Pの場合は、値が大きければ大きいほど色調のムラが少ないことを示す。分散値Dの場合は、値が小さければ小さいほど色調のムラが少ないことを示す。
【0097】
色調のムラを示す数値が得られると、混合制御部107は、ピーク値Pに対応する複数段階の閾値sp1,sp2,sp3・・・又は分散値Dに対応する複数段階の閾値sd1,sd2,sd3・・・を読み出し(S16)、取得した色調のムラを示す数値と各閾値とを比較して(S17)、色調のムラが属する段階を検出する(S18)。
【0098】
色調のムラが属する段階は、複数段階の閾値のうち、色調のムラが示す数値が上回った閾値の最大で表される。
【0099】
色調のムラを示す数値がピーク値Pであると、閾値sp1のみを上回れば色調のムラは第n段階に属し、閾値sp2が上回った最大であれば色調のムラは第n−1段階に属する。段階が上がれば上がるほど、色調のムラは少なくなる。nは、段階の最大である。
【0100】
また、色調のムラを示す数値が分散値Dであると、閾値sd1のみを上回れば色調のムラは第1段階に属し、閾値sd2が上回った最大であれば色調のムラは第2段階に属する。段階が上がれば上がるほど、色調のムラは少なくなる。
【0101】
色調のムラが属する段階を検出すると、混合制御部107は、混合促進部105に、色調のムラに比例した、換言すると検出した色調のムラが属する段階に比例した撹拌力を付与させる(S19)。尚、色調のムラが属する段階がn段階であれば、撹拌を停止させる。
【0102】
このように、本実施形態では、サンプル液と試薬液との合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、サンプル液と試薬液が一時貯留される混合ポッド104を備えるようにした。これにより、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが一時的に貯留され、貯留状態中に乱流や渦流により混合される。そのため、サンプル液と試薬液とは一様に混合された後に混合ポッド104から流出して第3の流路103の下流へ向けて送出されるため、第3の流路103内で混合させる必要は少なくとも低減される。従って、第3の流路に送出される前に、混合ポッド内で乱流や渦流が生じて一気に均一に混合され、かつ第3の流路103内で混合されるよりも混合時間が短縮される。第3の流路103を短くすることができ、混合装置3の小型化が図られる。また、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが1カ所に貯留された状態で反応が開始されるため、反応の不均一がなく反応結果に誤差が生じることを防止することができる。
【0103】
また、この混合ポッド104内に撹拌力を与える混合促進部105を備えるようにした。これにより、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが一時貯留された混合ポッド104内に撹拌力を付与するように混合促進部105を配しているため、流路内に混合促進部を設けてその設置部分を通過する混合液の部分に対して撹拌力を付与するよりも撹拌効果は格段に向上し、混合時間が短縮され、かつより確実に均一な混合を図ることができる。
【0104】
また、混合ポッド104内のサンプル液と試薬液との混合の程度を監視する監視部106を備え、監視部106の監視結果に基づき、混合促進部105の撹拌力付与の停止又継続や、撹拌力の増減を制御するようにした。これにより、ほぼサンプル液全量と試薬液全量とが均一に混合されるまで、十分に撹拌力を付与することができ、均一な混合が担保される。また、混合液の混合具合を監視する監視部106の後段に監視結果に基づいて駆動する混合促進部105を設ける必要がなくなり、コストが削減できると共に、第3の流路103に沿って多段階に混合促進部105と監視部106とを交互に設ける必要がなくなり混合装置3の小型化が図れる。
【符号の説明】
【0105】
1 化学分析システム
2 分析装置
2a 装置筐体
2b モニタ
2c キーボード
3 混合装置
11 滴下口
12 分注部
13 混合部
14 試薬収容部
15 溶液収容部
16 分析センサ
17 インターフェース部
19 信号増幅部
20 データ収集部
21 データ分析部
22 データ記憶部
23 表示部
24 温度制御部
25 分注制御部
26 送液部
28 制御部
29 電源部
30 操作ボタン
31 電源ボタン
32 カセット挿入口
101 第1の流路
102 第2の流路
103 第3の流路
104 混合ポッド
104a 伝播路
104b 弾性膜
105 混合促進部
105a 圧電振動子
105b 発振器
105c スイッチ
105d アクチュエータ
105e 電源
106 監視部
106a イメージセンサ
106b 光源
107 混合制御部
P ピーク値
D 分散値
sp、sp1、sp2、sp3、sd、sd1、sd2、sd3 閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種の液体を混合して反応させることにより一方の液体の化学分析を行うマイクロ化学分析システムであって、
第1の液体と第2の液体とを合流させて送出する流路と、
前記第1の液体と前記第2の液体の合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、前記流路よりも膨出した所定容積を有し、前記第1の液体と前記第2の液体が一時貯留される混合ポッドと、
前記混合ポッド内に撹拌力を与える混合促進手段と、
前記第1の液体と前記第2の液体の反応結果を検出する分析手段と、
前記分析手段が出力する反応結果を液体の化学的特性を示す物理量に換算する処理手段と、
を備え、
前記混合促進手段は、前記混合ポッドに接し、前記混合ポッドの一部を変形させることを特徴とするマイクロ化学分析システム。
【請求項2】
前記混合ポッドは、球形状を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項3】
前記混合ポッドは、前記流路の延設方向に半径方向を有する円柱形状を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項4】
前記混合ポッドは、前記流路の延設方向と直交する方向に半径方向を有する円柱形状を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項5】
前記混合ポッドは、前記流路の一面から円弧形状の一部が膨出する扇形状を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項6】
前記混合促進手段は、振動波を発生させる圧電素子を含むことを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項7】
前記混合制御手段は、前記監視手段の監視結果に応じて、前記混合促進手段による撹拌力付与を継続又は停止させることを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項8】
前記混合制御手段は、前記監視手段の監視結果に応じて、前記混合促進手段による撹拌力を増減させることを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学分析システム。
【請求項9】
第1の液体と第2の液体とを合流させて送出する流路と、前記第1の液体と前記第2の液体の合流点若しくはそれ以降の流路内に介在して、前記流路よりも膨出した所定容積を有し、前記第1の液体と前記第2の液体が一時貯留される混合ポッドとを備えるマイクロ混合装置に接続され、このマイクロ混合装置から出力された液体の反応結果から、一方の液体の化学的特性を分析するマイクロ化学分析装置であって、
前記混合ポッド内に撹拌力を与える混合促進手段と、
前記反応結果を液体の化学的特性を示す物理量に換算する処理手段と、
を備え、
前記混合促進手段は、前記混合ポッドに接し、前記混合ポッドの一部を変形させることを特徴とするマイクロ化学分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−68267(P2012−68267A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1860(P2012−1860)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2006−321306(P2006−321306)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】