説明

マイク装置

【課題】 品質の向上および製造工数の低減に寄与することのできるマイク装置を提供する。
【解決手段】 所定位置に貫通孔101aが形成された基板101と、基板101の第1の面f1における所定位置近傍の貫通孔101aの少なくとも一部を除く領域に配置される導電性ゴム102と、基板101の第1の面f1における所定位置に導電性ゴム102を介して実装されるリードレスマイク103と、基板101の第2の面f2側から、貫通孔101aを介してリードレスマイク103に対して実装されるコンデンサ104とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイク装置に関し、特にその品質の向上および製造工数の低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すようにマイクと回路基板とをリード線によりハンダ接続する構成のマイク装置や、図4に示すようにリード付マイクのマイクリードを基板に対して直接ハンダ付けして実装している構成のマイク装置が知られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、図3に示すような構成の従来のマイク装置では、周囲に存在する電波による干渉の影響を受け易いという問題がある。また、図4に示すような構成の従来のマイク装置では、マイクを直接実装している基板に何らかの機械的振動等が加わった場合に、マイクでこれらの機械的振動に起因する音(メカニカル音)を拾ってしまう場合がある。
【0004】
また、マイクのノイズ除去のために当該マイクに対してコンデンサを設ける構成が知られる。このようなノイズ除去を目的とするコンデンサは、マイク近傍に設けられることが理想的であるため、マイクの電極に対してマウントする内蔵型もあるが、マイクの容量の自由度を制限するため、図5に示すようにマイクに対してコンデンサを外付けするのが一般的である。しかし、このようにマイクにコンデンサを外付けする場合、後付けハンダ作業が必要になり、品質および製造工数の点で好ましいとは言えない。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、品質の向上および製造工数の低減に寄与することのできるマイク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係るマイク装置は、所定位置に貫通孔が形成された基板と、前記基板の第1の面における前記所定位置近傍の前記貫通孔の少なくとも一部を除く領域に配置される導電性ゴムと、前記基板の第1の面における前記所定位置に前記導電性ゴムを介して実装されるリードレスマイクと、前記基板の第2の面側から、前記貫通孔を介して前記リードレスマイクに対して実装されるコンデンサとを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上に詳述したように本発明によれば、品質の向上および製造工数の低減に寄与することのできるマイク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図1は本実施の形態によるマイク装置について説明するための側面図、図2は本実施の形態によるマイク装置を図1でのV方向から見た場合におけるマイク近傍を示す図である。本実施の形態によるマイク装置1は、基板101、導電性ゴム102、リードレスマイク103、コンデンサ104およびケース105を備えてなる構成となっている。
【0010】
基板101は、マイクを配置すべき所定位置(x,y)に貫通孔101aが形成されている(図2参照)。
【0011】
導電性ゴム(ゴムコネクタ)102は、基板101の第1の面f1における所定位置(x,y)近傍の貫通孔101aの少なくとも一部を除く領域に配置されている。
【0012】
リードレスマイク103は、基板101の第1の面f1における所定位置に導電性ゴム102を介して実装される。すなわち、リードレスマイク103と基板101との接続は、リード線を使用することなく、リードレスマイク103のパターンと基板101上のパターンとを同一なものとし、導電性ゴム102により接続している。
【0013】
コンデンサ104は、基板101の第2の面f2側から、貫通孔101aを介してリードレスマイク103に対して実装されている。本実施の形態では、コンデンサ104をリードレスマイク103の基板101に対向する側の面に設けられたパターンに対してハンダ付け(機械実装)することにより、リードレスマイク103におけるノイズを低減(電波干渉妨害を軽減)させている。
【0014】
ケース105は、基板101の第1の面f1、導電性ゴム102およびリードレスマイク103を覆い、衝撃や粉塵等からこれらを保護する役割を有している。
【0015】
なお、本実施の形態によるマイク装置1では、上述の導電性ゴム102〜リードレスマイク103がケース105内に収納されている状態において、リードレスマイク103、導電性ゴム102は、ケース105の内壁面105aによって基板101に対してF方向に圧接されている。これにより、リードレスマイク103の導電性ゴム102を介しての基板101への実装は、ハンダを使用せずにケース105の基板101に対する押圧力により実現することができる。
【0016】
なお、図2では、導電性ゴム102が基板101の第1の面f1における所定位置(x,y)近傍の貫通孔101aの全ての領域を除いた領域に配置する構成を示しているが、これに限られるものではなく、例えばリードレスマイク103に対してコンデンサ104を実装するために最低限必要なだけの領域を除く範囲に配置するようにしてもよい(例えば、導電性ゴム102にコンデンサ104を実装可能とする程度のわずかな孔のみを設ける等)。
【0017】
なお、本実施の形態では、リードレスマイク103が導電性ゴム102を介して基板101に対して実装されている例を挙げたが、これに限られるものではなく、導電性を有し且つ振動を吸収する特性を有する材料を導電性ゴム102に代えて使用することもできる。
【0018】
上述のように、本実施の形態によれば、リード線を使わないリードレスマイクを採用することによりリード線に起因する電波干渉を回避することができ、後付けハンダの必要もなく、マイク装置の品質向上および製造工数の低減を図ることができる。また、リードレスマイク103を、導電性ゴム102を介して基板に実装する構成としたことにより、基板からマイクに伝達される振動を減衰させ、機械的ノイズを低減させることができる。
【0019】
また、コンデンサ104を基板101の第2の面f2側から貫通孔101aを介してリードレスマイク103に実装する構成としたことで、コンデンサ104の一部を基板101内に埋没させることができ、マイク装置全体としての厚みを抑え、省スペース化に寄与することができる。
【0020】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態によるマイク装置について説明するための側面図である。
【図2】本実施の形態によるマイク装置を図1でのV方向から見た場合におけるマイク近傍を示す図である。
【図3】マイクと回路基板とをリード線によりハンダ接続する構成の従来のマイク装置を示す図である。
【図4】マイクリードを基板に対して直接ハンダ付けして実装している構成の従来のマイク装置を示す図である。
【図5】マイクに対してコンデンサを外付けする構成の従来のマイク装置を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
101 基板、102 導電性ゴム、103 リードレスマイク、104 コンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置に貫通孔が形成された基板と、
前記基板の第1の面における前記所定位置近傍の前記貫通孔の少なくとも一部を除く領域に配置される導電性ゴムと、
前記基板の第1の面における前記所定位置に前記導電性ゴムを介して実装されるリードレスマイクと、
前記基板の第2の面側から、前記貫通孔を介して前記リードレスマイクに対して実装されるコンデンサと
を備えてなることを特徴とするマイク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−142904(P2007−142904A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335167(P2005−335167)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】