説明

マイナスイオン発生遠赤外線放射材料

【課題】放射性物質を含めなくとも人間を含む(動物)の健康に有用な貢献するマイナスイオン発生するとともに遠赤外線を放射する材料を提供する。
【解決手段】遠赤外線放射材料とマイナスイオン生成材料を混合、溶融して、複合化したものを粗砕、摩砕して粒子径を1ミクロン以下の微粒子とするものであり、マイナスイオン発生遠赤外線放射材料の好ましい原料配合を、四三酸化鉄30重量%、二酸化マンガン9重量%、蛙目粘土45重量%、酸化ジルコニウム16重量%とすることにより、本材料を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外線・マイナスイオンを利用して、動物(人間を含む)の会合水の改質、人の健康保持等に関する放射性物質を含まずともマイナスイオンを発生するとともに遠赤外線も放射する材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤外線放射体の利用は、新たなエネルギーを生み出すものでなく、本来、そのものがもっているエネルギーを利用する技術である。赤外線は可視光線(0.4μm〜0.76μm)よりも長波長領域にあり、0.76μm〜1000μmの電磁波である。赤外線は、さらに近赤外線、通常赤外線(中間赤外線)、遠赤外線等に分類されているが、未だ明確な定義はなく、それを扱う分野に於いて便宜的に定めているようである。0.76μm〜4μmまでの波長領域の電磁波を近赤外線、4μm〜1000μmまでの波長領域の電磁波を遠赤外線として取り扱うこととする。
【0003】
近年、遠赤外線に関する利用技術の進展は著しく、その応用分野も食品の乾燥、木材、合板、プラスチック、塗料等の工業的加熱、家庭用調理器、温熱器、医療用治療器等の医療、健康器具、さらには、水の浄化、改善、農産種子の養成照射等と多岐に亘っている。
このように赤外線が注目され、高く評価されて、広く利用されるようになった理由は、大別して次のようである。
【0004】
(イ)ほとんどの物質の赤外線吸収特性は、長波長側(4μm〜10μm)付近に位置している。すなわち、遠赤外線領域にある。
(ロ)赤外線の熱の伝幡は、対流、伝導でなく放射(輻射)であり、赤外線を受けた物質内の原子間運動を励起(励発)させて、温度を上昇させる効果が非常に強いので「熱線」とも呼ばれている。
(ハ)放射であるから、風の影響を受けないので熱効率が良い。
特に、水や動物(人を含む)は特異な吸収特性をもち、例えば、水は短波長領域から長波長領域にかけて、スペクトル吸収のピークがある(3μm〜5.1μm,9μm〜10μm)、人の皮膚の吸収特性は、3μm〜3.6μm、6μm〜10μm付近にスペクトル吸収のピークがあり、人の皮膚の透過のスペクトルは、2μm、4μm、11.5μm付近にそのピークがある。
【0005】
また、遠赤外線照射による人体等の温熱療法が知られている。この温熱療法は温浴や赤外線照射器から照射される赤外線を患部に照射することにより、筋や組織を伸張させ痙縮を改善し、知覚神経や自律神経を介した末梢血管拡張作用、疼痛物質除去、オリエイトホルモンなどによる疼痛軽減作用が示される。
【0006】
また、一方、マイナスイオンは近年効果が注目されている物質で、多方面で盛んに研究がなされている。マイナスイオンの量は少ない場合は当然であるが、多すぎても身体に良い影響はなく、雰囲気のマイナスイオンの量が500〜2000個/ccが身体に効果が有り、約1000個/cc前後が最も良いといわれている。マイナスイオンは副交感神経が優位となるように作用し、身体には血管の拡張、血圧の正常化、血液のアルカリ性傾向にするなどのほかに免疫力の強化、体内リズムの調整、老化の抑制、肝臓・腎臓の活性化、有害物質と発がん物質の分解と排泄促進、脂肪・糖代謝の改善、消化吸収の促進、そして広範な病気の予防と回復、神経痛、リウマチ、慢性病にも大きな効果があると報告され、様々な商品が開発されている。
【0007】
しかしながら、遠赤外線については基本的には物質の温度を上昇させると遠赤外線の放射率が増すことは知られており、物質の相違により遠赤外線の放射率や放射スペクトルなどの特性が異なるので、求める効果に対する特性を有する物質を選定する事が必要となる。また、マイナスイオンは、コロナ放電、レナード効果、電気的に分極しやすい物質の空気や摩擦などの物理的刺激あるいは放射性物質の存在により多く発生することが知られており、マイナスイオンの効果をうたう様々な商品が開発されてはいるが、マイナスイオンを発生する材料を単に混入しているのみでマイナスイオンの発生の機構が明確でないものがありその効果も疑わしいものが多かった。
【0008】
本願発明者は、微量の放射線を放出する放射性物質と他の原料物質(四三酸化鉄、二酸化マンガン等)を混合、溶融して複合化したものを粗砕、摩砕して粉体としたものが空気、水(生体の会合水を含む)の浄化、改質、生物(人間を含む)の健康に寄与するものとして、特開平11−287899号公報において放射線源材料および放射線源体の製造方法、特開平11−335157号公報において赤外線放射材料の製造方法を開示した。
【特許文献1】 特開平11−287899号公報
【特許文献2】 特開平11−335157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、わが国は世界で唯一の被爆国であるため放射能について敏感であり、放射線の発生に関しては「原子力基本法」に定められているが、原子力基本法に定められる放射線量以下であっても、放射能と聞いただけで被爆を連想し拒否反応を示す人が大多数で、有効な効果を得られるものであってもなかなか理解を得られにくいものである。また、製造の場においても放射性物質を取り扱いを慎重にしなければ、被爆の可能性を皆無とすることはできない。
【0010】
一方、遠赤外線を放射し、マイナスイオンを発生する材料はあるものの、熱・摩擦等の物理的な外力を加えなければ有用な効果を得るにたりる遠赤外線の放射若しくはマイナスイオンの発生を得ることができず、遠赤外線を放射し、マイナスイオンを発生する材料を利用した製品の効果も満足得られるものではなかった。
【0011】
そこで発明者は物質の有する固有振動に着目し、物質をナノオーダーの微粒子までに摩砕することで隣接する粒子が共振・増幅することを発見し、放射性物質を含めなくとも遠赤外線の放射・マイナスイオン発生を確認し、発明を完成するに至った。
【0012】
本発明の目的は、放射性物質を含めなくとも人体に有効な遠赤外線放射とマイナスイオンを生成する物質を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、遠赤外線放射材料とマイナスイオン生成材料を混合、溶融して、複合化したものを粗砕、摩砕して粒子径を1ミクロン以下の微粒子としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマイナスイオン発生遠赤外線放射材料は遠赤外線放射材料とマイナスイオン発生材料を混合・溶融して複合化したものを1ミクロン以下のナノオーダーの微粒子粉末としたことにより、雰囲気の温度から隣接する粒子が互いに発する微量の遠赤外線により共振・増幅することで効率良く遠赤外線を放射し、その遠赤外線の影響によりマイナスイオンを発生することができる。
【0015】
また、ナノオーダーの微粒子としたことで体温に近い35℃という温度でにおいても人体に有効な波長帯の遠赤外線を高率で放射することができるとともにマイナスイオンを発生することができる。
【0016】
したがって、放射能の人体に対する影響を心配することなく、身体に有効な遠赤外線とマイナスイオンの効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るマイナスイオン発生遠赤外線放射材料について説明する。
【0018】
本発明に係るマイナスイオン発生遠赤外線放射材料の好ましい原料の配合は、下記のとおりである。
1.四三酸化鉄(Fe)30重量%
2.二酸化マンガン(MnO)9重量%
3.蛙目粘土(組成、SiO−50%、Al−36%、Fe−11%、CaO−0.02%、TiO−0.5%)45重量%
4.酸化ジルコニウム(ZrO)16重量%
1〜4の原料を湿式混合した後に、ミル(ボールミル)にて、摩砕・混合したゾル状原料を圧口機(フィルタープレス)で脱水して、ケーキとし、さらに、真空土練機(混練押出機)で押し出した杯土を粗砕し、匣鉢に入れて、酸化雰囲気内で、温度約1200℃、時間約7時間で焼成完了し、窯出し後、クラッシャーで粗砕し、さらに、ミルで粒子径1ミクロン以下の微細な粉末となるまで摩砕して、マイナスイオン発生遠赤外線放射材料を得た。
【0019】
得られたマイナスイオン発生遠赤外線放射材料をアクリル塗料に混ぜて塗布し、遠赤外線放射率、放射強度及びマイナスイオンの発生状況を測定した。試料測定温度は、人体に作用させる場合を考慮して35℃で測定した。
測定結果を表1〜表3に示す。
【表1】

【表2】

【表3】

【0020】
各表より遠赤外線放射強度は8μm〜12μmにピークが、遠赤外線放射率は8μm以上で80%以上の放射率が確認できた。また、マイナスイオンについては1ccあたり約1000個のマイナスイオンの発生を確認できた。
【0021】
これらの測定結果は、特開平11−335157号公報において開示した微量の放射性物質を含む赤外線放射材料の測定結果と比較して、測定時の試料温度が100℃よりはるかに低い人体に作用した場合の35℃で測定したことを考慮してもその放射率の高さを確認できる。
【0022】
特開平11−335157号公報において開示した赤外線放射材料は、粒度を50メッシュ(279μm)、100メッシュ(140μm)、200メッシュ(74μm)に粒度調整にしたものを等量づつ混合したものを100℃で測定したものであるが、本発明のマイナスイオン発生遠赤外線放射材料は粒度を1μm以下のナノオーダーの微粒子としたので、100℃より低い体温に近い35℃という温度でも粒子から微量に放射される遠赤外線により隣接する粒子が共振して遠赤外線を放射し、さらに隣接する粒子同士が互いに共振することにより増幅されて高率で遠赤外線を放射するとともにマイナスイオンを発生させるものと推測される。
【0023】
このように本発明のマイナスイオン発生遠赤外線放射材料は、人体への影響が懸念される放射性物質を使用することなく、人体に適量のマイナスイオンと高率で遠赤外線が放射されるので、本材料を人体に適用した場合には、遠赤外線並びにマイナスイオンの有する様々な有用な効果を受けることができる。
【0024】
また、人体に触れる若しくは接近した位置に適用した場合には、本マイナスイオン発生遠赤外線放射材料から発せられる遠赤外線の効果から皮膚からの発汗を促し、汗が蒸発するときの水蒸気によりさらに多量のマイナスイオンが発生し、多大なマイナスイオンの効果を受けることができる。
【0025】
さらに、本マイナスイオン発生遠赤外線放射材料をナノオーダーの微粒子としたことにより、塗料に混合したり可塑剤に練り込むことが容易となるのであらゆる形状とすることができ、衣服・装身具から室内空間を構成する製品等人体に適用できるあらゆる製品に適用することが可能となり、製品となった場合においても使用時のざらつきなどの違和感を感じることなく快適に使用することが可能となる。
【0026】
また、本マイナスイオン発生遠赤外線放射材料は、人体ばかりではなく動物・植物等の生物に対しても適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線放射材料とマイナスイオン生成材料を混合、溶融して、複合化したものを粗砕、摩砕して粒子径を1ミクロン以下の微粒子としたことを特徴とするマイナスイオン発生遠赤外線放射材料。

【公開番号】特開2007−182362(P2007−182362A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27653(P2006−27653)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(301054553)有限会社原技研 (6)
【出願人】(505195487)
【Fターム(参考)】