説明

マグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置

【課題】煩雑な操作を要することなく、リフティングマグネットに吸着した吸着物を徐々に落とすことを可能にするマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置を提供する。
【解決手段】リフティングマグネットに吸着した吸着物を釈放させる際にリフティングマグネットに供給する電流を徐々に低下させて吸着物を徐々に釈放させる電流低下モードと、リフティングマグネットへの電流の供給を停止させて吸着物を即時に釈放させる電流供給停止モードの2つのモードによって、吸着物の釈放量を制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルなど、バケットに換えてリフティングマグネットを装着し、鉄屑など(吸着物)の選別、運搬、積み込みなどに使用されるマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧ショベル(1)は、下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3上に上下方向に起倒自在に取り付けられたフロント作業機4とを備えて構成されている。また、フロント作業機4は、後端が上部旋回体3に回動自在に支持されたブーム5と、ブーム5の先端に後端が回動自在に支持されたアーム6と、アーム6の先端側に回動自在に取り付けられたバケット(アタッチメント)とを備えて多関節状に形成されている。そして、ブームシリンダ7とアームシリンダ8がそれぞれ伸縮駆動することにより、ブーム5とアーム6がそれぞれ回動して起倒し、バケットシリンダ9が伸縮駆動することにより、リンク機構10を介してバケットが回動するように構成されている(図4参照)。
【0003】
また、油圧ショベルには、図4に示すように、アタッチメントのバケットをリフティングマグネット11に換え、マグネット作業機1として使用できるように構成したものがある。このようにアタッチメントとしてリフティングマグネット11を装着したマグネット作業機1は、リフティングマグネット11に電磁石が内蔵され、オペレータがマグネット操作スイッチをオンにすると発電機から電磁石のコイルに電流が供給され、励磁したリフティングマグネット11に電流の大きさに比例する重量の鉄屑(スクラップ)などの吸着物12が吸着する(吸引される)。また、オペレータがマグネット操作スイッチをオフにすると電流の供給が停止し、吸着した吸着物12を釈放(解放)させることができる。これにより、上部旋回体3の旋回、ブーム5とアーム6の回動(起倒)、マグネット操作スイッチのオン/オフ操作を行いながら、鉄屑などのスクラップ(吸着物12)の選別、運搬、積み込みなどが行える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−230725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のマグネット作業機1においては、マグネット操作スイッチをオンにした際に一定の電流がリフティングマグネット11の電磁石に供給されて吸着物12が吸着し、マグネット操作スイッチをオフにすると(釈放すると)、即時に電流の供給が停止し(電流がゼロになり)、図5(a)に示すように、リフティングマグネット11に吸着されている吸着物12が一カ所にまとまって落ちてしまう。このため、ダンプトラックにスクラップを積む際など、図5(b)に示すように、吸着物12を均すことが必要な場合には、オペレータがマグネット操作スイッチのオン/オフ(吸着/釈放)操作を高速で繰り返して吸着物12を徐々に落とすという煩雑な操作が必要になっている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、煩雑な操作を要することなく、リフティングマグネットに吸着した吸着物を徐々に落とすことを可能にするマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0008】
請求項1記載のマグネット作業機の制御方法は、電流を供給することにより吸着物を吸着するリフティングマグネットを備えたマグネット作業機の制御方法であって、リフティングマグネットに吸着した吸着物を釈放させる際に、リフティングマグネットに供給する電流を徐々に低下させて吸着物を徐々に釈放させる電流低下モードと、リフティングマグネットへの電流の供給を停止させて吸着物を即時に釈放させる電流供給停止モードの2つのモードによって吸着物の釈放量を制御し、マグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率を自在に設定し、リフティングマグネットに対して吸着物を吸着/釈放させるマグネット操作スイッチをオペレータがオン/オフ操作することによって、電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードが切り替わるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載のマグネット作業機の制御装置は、電流を供給することにより吸着物を吸着するリフティングマグネットを備えたマグネット作業機の制御装置であって、リフティングマグネットに吸着した吸着物を釈放させる際に、リフティングマグネットに供給する電流を徐々に低下させて吸着物を徐々に釈放させる電流低下モードと、リフティングマグネットへの電流の供給を停止させて吸着物を即時に釈放させる電流供給停止モードの2つのモードによって、吸着物の釈放量を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載のマグネット作業機の制御装置は、請求項2記載のマグネット作業機の制御装置において、マグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率が自在に設定されるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載のマグネット作業機の制御装置は、請求項2または請求項3に記載のマグネット作業機の制御装置において、オペレータがオン/オフ操作することによりリフティングマグネットに対して吸着物を吸着/釈放させるマグネット操作スイッチがマグネット作業機に設けられ、リフティングマグネットに吸着物を釈放させる際に、このマグネット操作スイッチのオン/オフ操作で電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードが切り替わるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のマグネット作業機の制御方法においては、リフティングマグネットに吸着物を吸着させた状態でオペレータがマグネット操作スイッチを押してオンにして電流低下モードにすると、リフティングマグネットに供給される電流が経時的に徐々に低下し、リフティングマグネットに吸着された吸着物を徐々に釈放させることが可能になる。このため、電流低下モードの状態でオペレータがフロント作業機を操作(駆動)することによって、従来のように吸着物が一カ所にまとまって落ちることがなく、煩雑な操作を行わずに吸着物を均しながら落とすことが可能になる。さらに、マグネット操作スイッチを離してオフにすると、電流低下モードから電流供給停止モードに切り替わり、リフティングマグネットへの電流の供給が停止するため、吸着物をリフティングマグネットから即時に落とすことが可能になる。
【0013】
また、このとき、オペレータがマグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率を自在に設定することができるため、電流低下モードで徐々に釈放させる吸着物の釈放量を任意に調節することができ、好適に吸着物を均しながら落とすことが可能になる。
【0014】
請求項2記載のマグネット作業機の制御装置においては、リフティングマグネットに吸着物を吸着させた状態で、電流低下モードにすると、リフティングマグネットに供給される電流が経時的に徐々に低下し、リフティングマグネットに吸着された吸着物を徐々に釈放させることが可能になる。このため、電流低下モードの状態でオペレータがフロント作業機を操作することによって、従来のように吸着物が一カ所にまとまって落ちることがなく、煩雑な操作を行わずに吸着物を均しながら落とすことが可能になる。さらに、電流低下モードから電流供給停止モードにすると、リフティングマグネットへの電流の供給が停止するため、吸着物をリフティングマグネットから即時に落とすことが可能になる。
【0015】
請求項3記載のマグネット作業機の制御装置においては、オペレータがマグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率を自在に設定することができる。これにより、マグネット電流低下率設定手段を操作して、電流低下モードで徐々に釈放させる吸着物の釈放量を任意に調節することができ、好適に吸着物を均しながら落とすことが可能になる。
【0016】
請求項4記載のマグネット作業機の制御装置においては、リフティングマグネットに吸着物を吸着させた状態でオペレータがマグネット操作スイッチを押してオンにすると、リフティングマグネットに供給される電流が経時的に徐々に低下する電流低下モードとなり、リフティングマグネットに吸着された吸着物を徐々に釈放させることが可能になる。このため、オペレータがマグネット操作スイッチを押し続けて電流低下モードの状態を保持しながらフロント作業機を操作することによって、従来のように吸着物が一カ所にまとまって落ちることがなく、また、煩雑な操作を要することなく、好適に吸着物を均しながら落とすことが可能になる。
【0017】
さらに、マグネット操作スイッチを押し続けてオンにした状態から、マグネット操作スイッチを離してオフにすると、電流低下モードから電流供給停止モードに即時に切り替わり、吸着物をリフティングマグネットから即時に落とすことが可能になる。
【0018】
よって、オペレータによるマグネット操作スイッチのオン/オフ操作で電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードを切り替えることができ、従来のように煩雑な操作を要することなく、吸着物を均しながら落としたり、一カ所にまとめて落とすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るマグネット作業機及びマグネット作業機の制御装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るマグネット作業機の制御方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るマグネット作業機の制御方法におけるマグネット操作スイッチのオン/オフ操作とリフティングマグネットに供給される電流の関係を示すタイミングチャートである。
【図4】バケットに替えてリフティングマグネットを装着したマグネット作業機(油圧ショベル)を示す図である。
【図5】リフティングマグネットに吸着した吸着物を一カ所にまとめて落とした状態と均した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1から図3及び図5を参照し、本発明の一実施形態に係るマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置について説明する。ここで、本実施形態は、油圧ショベルのアタッチメントをバケットからリフティングマグネットに交換して、鉄屑などの吸着物の選別、運搬、積み込みなどに使用されるマグネット作業機に関するものである。このため、本実施形態では、図4及び図5に示したマグネット作業機1と同様の構成に対し同一符号を付して説明を行う。
【0021】
本実施形態のマグネット作業機20は、図1に示すように、マグネット制御装置(制御装置)21と、マグネット作業とバケット作業を切り替える作業モード切替スイッチ22と、リフティングマグネット11の励磁/非励磁(オン/オフ、吸着/釈放)を切り替えるマグネット操作スイッチ23と、マグネット電流低下率設定器(マグネット電流低下率設定手段)24とを備えている。
【0022】
上記のマグネット制御装置21を備えたマグネット作業機20で、鉄屑などの吸着物12の選別、運搬、積み込みなどのマグネット作業を行う際には(本実施形態のマグネット作業機の制御方法においては)、はじめに、油圧ショベルのバケットを取り外し、リフティングマグネット11をフロント作業機4の先端部に装着する。また、リフティングマグネット11を装着した後に、オペレータが作業モード切替スイッチ22を操作して、油圧ショベルとしてのバケット作業モードからマグネット作業機20としてのマグネット作業モードに切り替える。
【0023】
バケット作業モードからマグネット作業モードに切り替わった段階で、図2に示すように、マグネット制御装置21がマグネット操作スイッチ23の立ち上がり(オン操作)を検出するととともに(ステップ1)、リフティングマグネット11の状態(マグネットステータス)が吸引モードと釈放モードのどちらのモードになっているかを確認する(ステップ2)。
【0024】
次に、釈放モードである場合には(なお、バケット作業モードからマグネット作業モードに切り替えた段階では釈放モードになっている。)、マグネット制御装置21によって吸引モードに切り替わり、吸引モードになっている場合には、釈放モードに切り替わる(ステップ3、ステップ4)。そして、再度リフティングマグネット11の状態が吸引モードと釈放モードのどちらのモードになっているかが確認される(ステップ5)。
【0025】
このとき、吸引モードになっている場合には、すなわち吸着物12をリフティングマグネット11に吸引する(吸着させる)際には、マグネット制御装置21によって、予めリフティングマグネット11や吸着物12の種類などに応じて決められた指定電流が設定される(ステップ6)。そして、この設定された指定電流がマグネット制御装置21の指令に基づいてリフティングマグネット11に供給される(ステップ7)。
【0026】
これにより、図2及び図3に示すように、吸引時には、マグネット操作スイッチ23を押してオンにするとともにリフティングマグネット11に一定の指定電流が供給され、この指定電流の大きさに比例する吸着物12が吸着される。また、オペレータが、このようにリフティングマグネット11に吸着物12を吸着した状態でフロント作業機4を駆動操作(上部旋回体3の旋回操作を含む)することによって、リフティングマグネット11に吸着した吸着物12が所定位置に搬送される。
【0027】
所定位置に搬送した吸着物12をリフティングマグネット11から釈放させる際には、図2に示すように、マグネット制御装置21がマグネット操作スイッチ23の立ち上がり(オン操作)を検出するととともに(ステップ1)、マグネットステータスが吸引モードと釈放モードのどちらのモードになっているかを確認し(ステップ2)、吸引モードから釈放モードに切り替える(ステップ4)。そして、再度マグネットステータスが釈放モードであるかが確認され(ステップ5)、マグネット制御装置21によって電流低下モードが設定される(ステップ8)。
【0028】
また、マグネット低下率設定器24で設定されている設定信号がマグネット制御装置21で読み込まれ、吸着/釈放の1サイクル毎の低下電流値が算出される(ステップ9)。さらに、電流低下モードでの指定電流が算出される(ステップ10)。
【0029】
次に、オペレータがマグネット操作スイッチ23を押し続けるなどし、このマグネット操作スイッチ23がオンの状態で保持されていることがマグネット制御装置21によって確認され(ステップ11)、電流低下モードでの指定電流がリフティングマグネット11に供給される(ステップ12)。
【0030】
このとき、電流低下モードでは、図3(b)に示すように、マグネット低下率設定器24で設定した電流低下率に応じてリフティングマグネット11に供給される電流が経時的に徐々に(漸次)低下し、吸着物12が徐々に釈放されてゆく。このため、電流低下モードの状態でオペレータがフロント作業機4や上部旋回体3を駆動操作することにより、図5(b)に示すように吸着物12を均しながら落とすことが可能になる。さらに、本実施形態では、オペレータがマグネット低下率設定器24を操作することによって、電流低下モードにおける電流低下率が自在に設定される。このようにマグネット電流低下率設定器24を操作することで、電流低下モードで徐々に釈放させる吸着物12の釈放量を任意に且つ容易に調節でき、好適に吸着物12を均しながら落とすことができる。
【0031】
一方、図2及び図3に示すように、電流低下モードの状態でオペレータがマグネット操作スイッチ23を離すと、すなわちマグネット操作スイッチ23をオフにすると、マグネット制御装置21によって電流低下モードから電流供給停止モードに切り替わり(ステップ13)、リフティングマグネット11に供給する電流がゼロになる(ステップ14)。これにより、電流供給停止モードに切り替わるとともに、吸着物12がリフティングマグネット11から即時に落ちることになる。
【0032】
したがって、本実施形態のマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置21においては、リフティングマグネット11に吸着物12を吸着させた状態でオペレータがマグネット操作スイッチ23を押してオンにすると、リフティングマグネット11に供給される電流が経時的に徐々に低下する電流低下モードとなり、リフティングマグネット11に吸着された吸着物12を徐々に釈放させることが可能になる。このため、オペレータがマグネット操作スイッチ23を押し続けて電流低下モードの状態を保持しながらフロント作業機4や上部旋回体3を駆動操作することによって、従来のように吸着物12が一カ所にまとまって落ちることがなく、また、煩雑な操作を要することなく、好適に吸着物12を均しながら落とすことが可能になる。
【0033】
さらに、マグネット操作スイッチ23を押し続けてオンにした状態から、マグネット操作スイッチ23を離してオフにすると、電流低下モードから電流供給停止モードに即時に切り替わり、吸着物12をリフティングマグネット11から即時に落とすことが可能になる。
【0034】
よって、オペレータがオン/オフ操作することによりリフティングマグネット11に対して吸着物12を吸着/釈放させるマグネット操作スイッチ23を、釈放モードの状態でオペレータがオン/オフ操作することにより、電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードを切り替えることができ、従来のように煩雑な操作を要することなく、吸着物12を均しながら落としたり、一カ所にまとめて落とすことが可能になる。
【0035】
また、オペレータがマグネット電流低下率設定器24を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率を自在に設定することができる。これにより、マグネット電流低下率設定器24を操作して、電流低下モードで徐々に釈放させる吸着物12の釈放量を任意に調節することができ、好適に吸着物12を均しながら落とすことが可能になる。
【0036】
以上、本発明に係るマグネット作業機の制御方法及びマグネット作業機の制御装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、釈放モードにおいて、オペレータがマグネット操作スイッチ23を押し続けてオンにし続けることにより、電流低下モードが保持され、マグネット操作スイッチ23を離してオフにすることによって、電流低下モードから電流供給停止モードに切り替わるものとしたが、電流低下モードと電流供給停止モードをそれぞれ設定するスイッチなどを別途設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 従来のマグネット作業機
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 フロント作業機
5 ブーム
6 アーム
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 リンク機構
11 リフティングマグネット(マグネット)
12 吸着物(鉄屑などのスクラップ)
20 マグネット作業機
21 マグネット制御装置(マグネット作業機の制御装置)
22 作業モード切替スイッチ
23 マグネット操作スイッチ
24 マグネット電流低下率設定器(マグネット電流低下率設置手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を供給することにより吸着物を吸着するリフティングマグネットを備えたマグネット作業機の制御方法であって、
リフティングマグネットに吸着した吸着物を釈放させる際に、リフティングマグネットに供給する電流を徐々に低下させて吸着物を徐々に釈放させる電流低下モードと、リフティングマグネットへの電流の供給を停止させて吸着物を即時に釈放させる電流供給停止モードの2つのモードによって吸着物の釈放量を制御し、
マグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率を自在に設定し、
リフティングマグネットに対して吸着物を吸着/釈放させるマグネット操作スイッチをオペレータがオン/オフ操作することによって、電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードが切り替わるようにしたことを特徴とするマグネット作業機の制御方法。
【請求項2】
電流を供給することにより吸着物を吸着するリフティングマグネットを備えたマグネット作業機の制御装置であって、
リフティングマグネットに吸着した吸着物を釈放させる際に、リフティングマグネットに供給する電流を徐々に低下させて吸着物を徐々に釈放させる電流低下モードと、リフティングマグネットへの電流の供給を停止させて吸着物を即時に釈放させる電流供給停止モードの2つのモードによって、吸着物の釈放量を制御するように構成されていることを特徴とするマグネット作業機の制御装置。
【請求項3】
請求項2記載のマグネット作業機の制御装置において、
マグネット電流低下率設定手段を操作することによって、電流低下モードにおける電流の低下率が自在に設定されるように構成されていることを特徴とするマグネット作業機の制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のマグネット作業機の制御装置において、
オペレータがオン/オフ操作することによりリフティングマグネットに対して吸着物を吸着/釈放させるマグネット操作スイッチがマグネット作業機に設けられ、
リフティングマグネットに吸着物を釈放させる際に、このマグネット操作スイッチのオン/オフ操作で電流低下モードと電流供給停止モードの2つのモードが切り替わるように構成されていることを特徴とするマグネット作業機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−12153(P2012−12153A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149313(P2010−149313)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】