説明

マスキング材

【課題】本発明の課題は、マスキング材を安価に製造することにある。
【解決手段】部材1に設けられた左右対称形状の一対の孔部2,3に嵌着されて該孔部2,3を保護するマスキング材4であって、該一対の孔部2,3のうちの一つに対応する形状を有し、表裏面にそれぞれつまみ5,6を設けたマスキング材4を提供する。上記マスキング材4は一方の孔部2に使用するものも、他方の孔部3に使用するものも、表裏をひっくり返すだけで同形状、同寸法のものを併用することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装等といった表面処理の対象となる部材の孔部を表面処理から保護するために使用されるマスキング材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば図1に示すように、塗装等といった表面処理の対象となる部材1として、左右対称形状の孔部2,3が設けられているものがある。該部材1に表面処理を施す際には、該孔部2,3にマスキング材を嵌着して該孔部2,3を保護する必要がある。従来は孔部2,3の形状にそれぞれ適合するように、マスキング材を二種類準備するのが通例であった(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2514173号
【特許文献2】特許第2612241号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のマスキング材は、例えば発泡性プラスチックのビーズ発泡成形、あるいは発泡プラスチック板やダンボールの打抜き加工によって製造する。しかし孔部2,3の形状にそれぞれ適合する二種類のマスキング材を製造するためには、ビーズ発泡成形では二種類の金型が必要であり、また打抜き加工では、二種類の打抜き型が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点を解決するための手段として、表面処理の対象となる部材1に設けられた左右対称形状の一対の孔部2,3に嵌着されて該孔部2,3を該表面処理から保護するマスキング材4であって、該一対の孔部2,3のうちの一つに対応する形状を有し、表裏面にそれぞれつまみ5,6を設けたマスキング材4を提供するものである。
該マスキング材4はプラスチック発泡体またはダンボールからなることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
例えば一方の孔部2の形状に対応する形状のマスキング材4を製造する。該マスキング材4は表面と裏面のそれぞれにつまみ5,6を設けているので、一方の孔部2に嵌着する場合には、該マスキング材4を表向きとしてそのまま表側のつまみ5を手掛りとして該孔部2に嵌着し、他方の孔部3に嵌着する場合には該マスキング材4を裏向きとして裏側のつまみ6を手掛りとして該孔部3に嵌着する。
【0007】
〔効果〕
本発明では、同形状のマスキング材で左右対称形状の一対の孔部を保護することが出来るから、金型や打抜き型の種類が節減され、マスキング材の製造が合理化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を図1〜図3に示す―実施例によって説明すれば、図1に示すように表面処理の対象となる部材1には左右対称形状の一対の孔部2,3が設けられている。
図2(a),(b)は該孔部2,3を保護するマスキング材4を示すものであって、表側からみると該マスキング材4は該部材1の一方(図1中で左側)の孔部2の形状に対応する形状であり(図2(a)参照)、裏側からみると該マスキング材4は該部材1の他方(図1中で右側)の孔部3の形状に対応する形状である(図2(b)参照)。そして該マスキング材4の表面と裏面にはそれぞれつまみ5,6が設けられている。
【0009】
上記マスキング材4は、発泡性ポリスチレンビーズ、発泡性ポリプロピレンビーズ、発泡性ポリエチレンビーズ等の発泡ビーズの成形体、あるいは発泡プラスチック板やダンボールの打抜き加工により製造され、該部材1の一方の孔部2を保護するマスキング材4も、他方の孔部3を保護するマスキング材4も表側または裏側を使用するだけで同一のものを使用出来る。
【0010】
即ち図3に示すように、上記マスキング材4は、一方の孔部2に嵌着する場合には表側、即ちつまみ5側を上にして使用し、また他方の孔部3に嵌着する場合には裏側、即ちつまみ6側を上にして使用する。
【0011】
該マスキング材4は左右孔部形状と同サイズ同形状に設定するか、または若干大きめにするが、プラスチック発泡体やダンボールからなる場合には、孔部との摩擦力によって孔部と同サイズ、同形状でも、該マスキング材は該孔部にしっかり固定される。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明のマスキング材は、左右対称形状の一対の孔部のいずれを保護するものも、一種類の金型や打抜き型によって製造出来るから、製造コストが安価になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1〜図3は本発明の実施例を示すものである。
【図1】被マスキング部材の平面図。
【図2】(a)はマスキング材の表側を示す斜視図、(b)はマスキング材の裏側を示す斜視図。
【図3】マスキング材使用状態側断面図。
【符号の説明】
【0014】
1 部材
2,3 孔部
4 マスキング材
5,6 つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理の対象となる部材に設けられた左右対称形状の一対の孔部に嵌着されて該孔部を該表面処理から保護するマスキング材であって、該一対の孔部のうちの一つに対応する形状を有し、表裏面にそれぞれつまみを設けたことを特徴とするマスキング材。
【請求項2】
該マスキング材はプラスチック発泡体またはダンボールからなる請求項1に記載のマスキング材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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