マスク装着時におけるメガネ保持アタッチメント

【課題】呼吸器用マスク及び水中マスクの装着は、マスク内の気密を保持する必要のため視力矯正メガネを常用している者（以下、メガネ常用者という、）がメガネを掛けた状態で装着することが出来ない。そのためメガネを外して装着するが、当然に視力低下により安全及び活動に支障を生じる。個人の視力に合わせた矯正レンズを用いた特製マスクが市販されているが第三者と共同使用が出来ない。
【解決手段】メガネを掛けた状態で呼吸器用マスク及び水中マスクを装着可能にする。その方法として、弾力性を有する天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴムなどの素材からなるメガネ保持アタッチメントにメガネの弦を嵌め込む切込み又は弦を通す穴を形成し、マスクを装着する際にアタッチメントの切込み又は穴に弦を通したメガネをかけて装着することにより、マスクの接顔部と弦及び顔面の隙間を埋めて密着させ気密を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、労働安全衛生保護具の呼吸器用マスク、水難救助用水中マスク又はレジャー用の水中マスク等の装着時に、メガネを掛けたままマスクの気密等の機能を保持した状態で装着を可能にするメガネ保持アタッチメントの製作。
【背景技術】
【０００２】
呼吸器用マスクは、有毒ガスの充満又は酸欠等の環境下で使用するため顔面に密着させ気密を保持する必要がある。そのため、視力矯正のメガネを常用している者（以下、メガネ常用者という）がメガネを掛けた状態でマスクを装着した場合、マスクの接顔部とメガネの弦及び顔面接触部分に隙間が生じ気密保持の障害となるため、マスクを装着することが出来ない。
メガネ常用者がマスクを装着する場合、次の方法を選択している。
その１、メガネを外してマスクを装着する。
その２、コンタクトレンズを使用し、マスクを装着する。
その３、マスク内に使用者の視力に合わせた特製の矯正メガネレンズを入れた枠を嵌め込んだマスクを装着する。
【０００３】
前記の水中マスクも潜水時に水の浸入を防止するため顔面に密着させ気密を保持する必要があり、上述の呼吸器用マスクと同様にメガネ常用者がメガネを掛けた状態でマスクを装着することは出来ない。
メガネ常用者がマスクを装着する場合、次の方法を選択している。
その１、呼吸器用マスクと同様にメガネを外して装着する。
その２、コンタクトレンズを使用し、マスクを装着する。
その３、マスク本体の前面ガラスを使用者の視力に合わせた矯正レンズに替えた特製マスクを使用する。
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−２６７２３５号公報
【非特許文献１】「労働安全衛生保護具・機器総合カタログ２００２」、株式会社重松製作所
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上に述べた従来の呼吸器用マスク及び水中マスクは、メガネ常用者が装着する場合メガネを外す必要があるが、裸眼でマスクを使用すると視力の低下により安全な活動及び作業の効率化等に支障を生じる恐れがある。
【０００６】
一方、工場等に災害防御用器材として常設されている呼吸器のマスクは、災害発生等の緊急時に会社の自衛消防隊員及び技術者等の不特定の関係者が共同で使用するため、個人差のある矯正メガネレンズ枠を入れた特製マスクは通常設置されない。
又、全国中小都市の交替制勤務の消防隊員が火災現場等で使用する消防車積載の呼吸器のマスクは共同使用する場合が多いため、特製マスクは積載していない。そのためメガネ常用者は呼吸器用マスクの装着に備えてコンタクトレンズ又は矯正メガネレンズを入れた枠を常時準備したおく必要がある。
【０００７】
水中マスクについても、コンタクトレンズの使用又は個人が所有するマスク本体の前面ガラスを使用者の矯正視力に合わせた特製マスクを使用する場合は別として、例えば、消防救助隊が水難事故に備えて救助車に積載しているアクアラング用水中マスクは、災害出動した救助隊員が現場で共同使用するため、前面ガラスを矯正レンズに替えた特製マスクは原則として積載をしていない。
又、海水浴場等においてメガネを掛けた状態でレジャー用の簡易水中マスク等を装着している人は見かけない。
【０００８】
本発明は、メガネ常用者が常用するメガネを掛けた状態で各種マスクを装着し、気密保持などマスクの機能を維持しつつ、安全かつ効率的な作業及び活動（レジャーを含む）の実施を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
そして、本発明は上記目的を達成するために、弾力性を有する天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、ウレタンエラストマーなどの素材を採用したメガネ保持のアタッチメントを製作する。
【００１０】
上記アタッチメントは常用するメガネの弦に取付け、マスク装着時にマスクの接顔部と弦及び顔面部の気密を確保する。なお、適正な気密確保はマスクの締め付けバンドで調整実施する。
【発明の効果】
【００１１】
上述したように本発明は、メガネ常用者が呼吸器用マスク又は水中マスクを装着する際に常用するメガネの使用が可能となり、マスクを装着した状態での活動及び作業時に矯正視力を確保して安全かつ効率的な行動が出来る。
【００１２】
したがって、各マスクをメガネ常用者と非使用者の共同使用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の形態を図１〜図５に基づいて説明をする。
【００１４】
図１は本発明のアタッチメントにメガネの弦に通したもの、図２は切込みを入れたアタッチメントにメガネの弦を嵌め込んだもので、マスク装着に際してはアタッチメントを左右の弦に付けた状態でメガネをかけ、マスクを装着しマスクの締付けバンドを締め付けて顔面に密着させ気密を保持する。
【００１５】
図３はメガネの左右の弦にアタッチメントを取付けて水中マスクの接顔部に合わせた図で、マスクを装着した際、接顔部とアタッチメントが重なるようにする。
【００１６】
図４はメガネの弦にアタッチメントを取付けて水中マスクを装着した図で、アタッチメントはマスク本体の内側に位置し、外部から見えないため点線で表示した。
【００１７】
図５はメガネの弦にアタッチメントを取付けて呼吸器用マスクを装着した図で、アタッチメントはマスク本体の内側に位置し外部から見えない。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明のメガネの弦を通す形式のアタッチメントの拡大図
【図２】メガネの弦を嵌め込む切込みを入れた形式のアタッチメントの拡大図
【図３】マスクの顔部側から見た裏面図で、メガネの弦にアタッチメントを付けて水中マスクに合わせた図
【図４】アタッチメントを使用しメガネを掛けた状態で水中マスクを装着した側面図で、アタッチメントは外部からは見えないため点線表示した
【図５】アタッチメントを使用しメガネを掛けた状態で呼吸器用マスクを装着した側面図
【符号の説明】
【００１９】
１メガネの弦
２メガネ保持のアタッチメント
３メガネの弦を通す穴
４メガネの弦を嵌め込む切込み
５マスク本体
６マスク本体の締付けバンド

【特許請求の範囲】
【請求項１】
弾力性を有する天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、ウレタンエラストマーなどの素材からなるメガネ保持アタッチメントにメガネの弦を通す穴を形成し、呼吸器用マスク又は水中マスクを装着する際に穴に弦を通したメガネをかけて装着することにより、マスクの接顔部と弦及び顔面の隙間を埋めて密着させ、気密を保持することを特徴とするメガネ保持アタッチメント。
【請求項２】
前記のメガネ保持アタッチメントの弦を通す穴に替えて弦を嵌め込む切込みを形成したことを特徴とする請求項１に記載のメガネ保持アタッチメント。

【図１】