説明

マッサージ枕の組立セット

【課題】 軽量で、かつ、安価にでき、しかも大量生産が容易であり、購入者には組み立てを楽しむことができるマッサージ枕の組立セットを提供する。
【解決手段】 本発明のマッサージ枕10の組立セットは、2枚の正六角形の側板12と、正六角柱における同一向きの辺間に架設され、一対の指圧突起11a、11aを備えた2枚の指圧板11と、正六角柱の同一向きの辺間に架設される3枚の補強板13と、1枚の設置板14と、を有し、指圧板11と補強板13と設置板14とで正六角形の2枚の側板の全ての辺を結合し、指圧突起が正六角柱の柱から側方に突出するように組み立てるマッサージ枕の組立セットであって、側板、指圧板、補強板、設置板の少なくとも1つ以上が、表板と裏板とを貼り合わせるように構成され、表板と裏板とを貼り合わせたとき、表板と裏板との間に空間が形成される構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首や頭の凝りをほぐすためのマッサージ枕に関し、特に、購入者が簡単に組み立てることができるマッサージ枕の組立セットに関する。
【背景技術】
【0002】
首や頭の凝りをほぐすマッサージ枕として、例えば、特許文献1(特開2001−186973号)が知られている。これは、枕の上面に、ほぼ球状の突起を2つ近接して配置したものである。球状の突起を首筋に当てて寝ると、頭の重さで指圧できるようになっている。
【0003】
また、特許文献2(登録実用新案第3004119号)では、指圧用の突起に加えて芳香が出るようにしたものもある。芳香によって、気分を爽快にすることができる。
【0004】
また、本願の発明者が創作した非特許文献1(登録意匠第1342394号)では、正六角柱の三辺に、厚い板を取り付け、厚い板の2つには、U字状の突起を形成したマッサージ枕を提案している。マッサージ枕を床上に置き、頭や首が突起の上に載るようにする。突起により頭や首のつぼを指圧することで、マッサージ効果が生じる。2片の突起は、その間隔が相違しており、太い首や細い首又は頭の大きさの違いに対応したり、指圧する位置を変えることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−186973号
【特許文献2】登録実用新案第3004119号
【非特許文献1】登録意匠第1342394号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の枕は、突起の形や位置や大きさや角度が一定であり、それによる指圧の強さも一定であり、太い首や細い首に対応できない。さらに、構成も複雑であり、製造コストが高くなる、という問題があった。
【0007】
非特許文献1に記載のマッサージ枕は、突起の間隔を相違させたものを設けるので、太い首にも細い首にも又は頭の大きさの違いにも対応できる。又は指圧する位置を変えることができるようにしている。しかし、材料が木製又は合成樹脂製で、中空ではなく中実なので重くなり、コストも高くなるという問題があった。
【0008】
さらに、上記いずれの枕も、完成したものを購入するので、購入者には、楽しみながら組み立てるといったことは全く考慮されていない。また、特許文献1及び特許文献2の枕は、幾何的な美しい形、美感をしていないので、枕を組み立てたいという意欲も湧いてこない。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、軽量で、かつ、安価にでき、しかも大量生産が容易であり、購入者には組み立てを楽しむことができるマッサージ枕の組立セットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明のマッサージ枕の組立セットは、先ず、仮想の、質量のない、空洞の多角柱を仮定し、その多角柱以内において、それに内接して相互に離間して、表板が丁度真外側になるようにして、向きを揃えて平行に配置された、複数の多角形の側板と、多角柱における同一向きの辺間に架設され、一対の指圧突起を備えた1枚又は2枚以上の指圧板と、多角柱における同一向きの辺間に架設される1枚又は2枚以上の補強板と、を有し、前記指圧突起が多角柱の柱から側方に突出するように組み立てるマッサージ枕の組立セットであって、前記側板、指圧板、補強板の少なくとも1つ以上が、表板と裏板とを貼り合わせるように構成され、表板と裏板とを貼り合わせたとき、前記表板と裏板との間に空間が形成されることを特徴としている。
【0011】
前記表板と裏板の間の空間に表板と裏板との間隔を保持する補強柱を設けた構成としたり、前記補強柱が、表板と裏板のいずれか一方に形成された凹型柱と、表板と裏板のいずれか他方に形成された凸型柱とからなり、凹型柱と凸型柱とが嵌合する構成としたり、前記凸型柱が多角柱であり、前記凹型柱が前記多角柱と嵌合する多角形の穴の内部構造である構成としたり、前記指圧板が複数枚あり、各指圧板の前記一対の指圧突起の間隔が異なる構成としたり、前記指圧板、側板、補強板の全てが、透明な合成樹脂製である構成としたり、前記一部の補強板が設置板であり、該設置板が、その一端を前記段落0009で提示した仮定の多角柱の柱の側方に突出させている構成としたりすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マッサージ枕がプラモデルのような組立セットになっているので、単に使用するだけでなく、キットを購入して組み立てることで、購入者は組み立て作業を楽しむことができる。また、マッサージ枕全体が幾何学的な美しい形、美感をしているので、マッサージ枕を組み立てたいという意欲も湧いてくる構造となっている。さらに、プラモデル同様に、一度金型を作ってしまえば、大量生産を容易にすることができる性質を備える。さらに、組み立てを購入者が行うので、その分製造コストを安価にすることができる。また、表板と裏板との間に空間が形成される構成なので、マッサージ枕を軽量にすることができ、材料費を減少して製造コストを安価にすることができる、という優れた効果を奏する。
【0013】
表板と裏板の間の空間に表板と裏板との間隔を保持する補強柱を設けることで、表板と裏板との間の空間を大きくしても強度を確保でき、さらにコストダウンを図ることができる。また、その間隔を変えることで、指圧板・設置板の押圧の強さを調整できる。
【0014】
また、空間により重量が低下することから、熱容量が小さくなり、指圧突起部分等も首等に接触すると短時間で体温まで温められ、冷たい等の違和感を和らげることができる。
【0015】
補強柱を凹型柱と凸型柱とが適切に嵌合する構造にすることで、位置決めや組み立てを容易かつ確実にすることができる。さらに、凸型柱と凹型柱の穴とを同じ多角形にすれば、表板と裏板の位置合わせや組立も容易かつ確実になり、組み立て易くなる。
【0016】
指圧板が複数枚あり、各指圧板の前記一対の指圧突起の間隔が異なる構成にすることで、1つのマッサージ枕で太い首にも細い首にも又は頭の大きさの違いにも対応できる。又は、指圧する位置を変更できる。
【0017】
指圧板、側板、補強板及び設置板の全てを、透明な合成樹脂製にすることで、マッサージ枕の美感が向上し、インテリアとしても利用できるようになる。また、マッサージ枕を組み立てたいという意欲をかき立てる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のマッサージ枕を組み立てた状態を示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のAから見た図である。
【図2】指圧板の表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図3】指圧板の裏板の図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図4】表板と裏板とを貼り合わせて指圧板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図5】側板の表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図6】側板の裏板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図7】表板と裏板とを貼り合わせて側板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図8】補強板の表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図9】補強板の裏板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図10】表板と裏板とを貼り合わせて補強板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図11】設置板の表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図12】設置板の裏板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【図13】表板と裏板とを貼り合わせて設置板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明のマッサージ枕を組み立てた状態を示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のAから見た図である。この図に示すマッサージ枕10は、2枚の指圧板11と2枚の側板12と、3枚の補強板13と、この補強板より大きな補強板である1枚の設置板14とから組み立てられる。これら指圧板11から設置板14まで、全て透明の合成樹脂で形成されている。透明であれば無色でも有色でもよい。合成樹脂としては、透明であればよいが、アクリルが透明度も高く、綺麗であることから望ましい。
【0020】
指圧板11は、長辺の一方側が曲線で形成され、中央に2つの指圧突起11a、11aが所定の間隔を開けて形成されている。六角の側板12、12は、正六角形の板状で、本発明の実施例では、マッサージ枕10の両端に2枚であるが、中間に1枚又は複数枚いれてもよい。また、多角形であれば、六角形以外の三角、四角、五角、等何でもよい。勿論正多角形である必要もない。さらに、前期側板12,12は、必ずしもマッサージ枕10の両端でなければならないわけではなく、マッサージ枕10の内側寄りに配置させてもよい。
【0021】
補強板13は、側板12、12の同じ向きの辺間に架設されている。補強板13は、指圧板11と指圧板11の間、及び指圧板11と設置板14の間に合計3枚設けられ、マッサージ枕10の強度を確保している。また、指圧板11と補強板13と設置板14で側板間の六つの辺の全てを結合し、かつ前記の仮定の多角柱の全ての面を閉塞して、枕内部にごみなどが入らないようにしている。ただし、多角形の全ての辺を結合したり、前記の仮定の多角柱の全ての面を閉塞することは必須ではなく、一部の辺の結合をしなかったり、前記の仮定の多角柱の一部の面を閉塞しなかったりしてもよい。
【0022】
補強板を兼ねる設置板14は、マッサージ枕10を床等に載置する際に床等に接地される部分で、他の補強板13より短辺側が長く、一方が正六角柱の柱より側方に突出した状態である。このように正六角柱の柱より側方に突出するようにして板を大きくし、マッサージ枕10を床等に安定して載置できるようにしている。
【0023】
図2から図4は、指圧板11の分解図で、図2は指圧板の表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図3は指圧板の裏板の図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図4は表板と裏板とを貼り合わせて指圧板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【0024】
これらの図に示すように、指圧板11は、表板11’と裏板11”とから構成されている。表板11’と裏板11”とは、合成樹脂の射出成型などにより製造することができる。表板11’と裏板11”はほぼ同じ形状で、特に貼り合わせ面は、同一形状で、ほぼ矩形のベース部分に曲線形状をした指圧突起11a、11aが形成されている。指圧突起11aは、表板11’と裏板11”を重ね合わせたとき、先端がほぼ半球形状となる。指圧突起11a,11a間の距離Dは、首や頭の両側のツボを指圧することができる距離である。この実施例では、図1に示すように2枚の指圧板11、11を使用しているが、各指圧板11の指圧突起11a間の距離は、D1とD2とで相違して形成されている。これは、短い距離の方が細い首又は小さい頭用、長い距離の方が太い首又は大きい頭用として使用するか、又は、指圧する位置を変えることができるようにするためである。マッサージ枕を、たとえば、S、M、Lの3段階のサイズで作成する等により、万人が自分の体に合ったマッサージ枕を手にすることができるようになる。指圧板11の構成板が合成樹脂製の射出成型などにより製造することができることは、以下に記載する他の部品についても同じである。
【0025】
表板11’と裏板11”は、図の下辺以外の周辺にリブ11bが立設され、表裏のリブ11bが重なり合うようになっている。また、表板11’には、中央に1本と両側に各2本、合計5本の凹型柱11cが立設され、裏板11”には、凹型柱11cに嵌合する5本の凸型柱11dが立設されている。これらの凹型柱11cと凸型柱11dとで、補強柱を構成している。
【0026】
ただし、この補強柱は必須ではない。表板11’と裏板11”の厚さが充分であれば、補強柱は不要になる。しかし、補強柱を設けることで、表板11’と裏板11”の厚さを薄くして材料を節約することができる。また、補強柱の構成も実施例のものに限定されず、多様な構成を採用できる。勿論、補強柱の数も実施例に限定されるものではなく、増減可能なものである。
【0027】
指圧板11は、表板11’と裏板11”を重ね合わせることで組み立てられる。すなわち、裏板11”の凸型柱11dに接着剤を塗布して表板11’と重ね合わせる。凸型柱11dが凹型柱11c内に入り、リブ11b同士が重なり合い、接着剤の作用により接着される。このとき、リブ11b同士も接着剤で接着してもよい。また、凹型柱11cと凸型柱11dの配置を適切にすることで、表板11’と裏板11”との位置合わせを簡単で、かつ確実なものにすることができる。凹型柱11cの先端にも接着剤を塗布してもよい。
また、この凹型柱11cの先端への接着剤の使用については、以下に記載する他の部品についても同じである。
【0028】
図4(a)に示すように、組み立てられた指圧板11は、表板11’と裏板11”との間に空間が形成されており、下端が正六角形の側板12に合わせて傾斜している。また、指圧板11の下方は開放された状態となっている。
【0029】
図示の実施例では表板11’に凹型柱11cを形成し、裏板11”に凸型柱11dを形成している。しかし、逆に、表板11’に凸型柱11dを形成し、裏板11”に凹型柱11cを形成してもよい。ただし、接着剤で表板11’と裏板11”とを接着する場合、凸型柱11dの先端に接着剤を塗布し、凹型柱11c内に嵌合させるが、余分な接着剤が凹型柱11cの先端側に漏れ出てきて、硬化する。接着剤の硬化したものは、透明度や形が悪いので、接着剤が表板に付かないようにすることが望ましい。そのような理由から、図示の実施例では、表板11’側に凹型柱11cを形成している。この表板側に凹型柱を形成している理由は、以下に記載する他の部品についても同じである。
【0030】
図5から図7は、側板12の分解図で、図5は表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図6は裏板の図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図7は表板と裏板とを貼り合わせて側板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【0031】
これらの図に示すように、側板12は、表板12’と裏板12”とから構成されている。表板12’と裏板12”は同じ大きさで、正面は正六角形である。
【0032】
表板12’と裏板12”は、周辺全体にリブ12aが立設され、表裏のリブ12aが重なり合うようになっている。また、表板12’には、中央に1本の凹型柱12cが立設され、裏板12”には、凹型柱12cに対応して1本の凸型柱12dが立設されている。
【0033】
側板12は、表板12’と裏板12”を重ねることで組み立てられる。すなわち、表板12’と裏板12”のリブ12aの頂面と、凸型柱12dとに接着剤を塗布して重ね合わせる。凸型柱12dが凹型柱12c内に入り、リブ12a同士が重なり合い、接着剤により接着される。このとき、凹型柱12cの穴と凸型柱12dの形状を四角等の多角形にしておいたり、凹型柱12cと凸型柱12dの配置や方向を適切にしておくことで、表板12’と裏板12”との位置合わせや方向の一致を簡単で、かつ確実なものにすることができる。
【0034】
図7(a)に示すように、組み立てられた側板12は、表板12’と裏板12”との間に空間が形成されており、凹型柱12cと凸型柱12dとで、補強柱を構成している。補強柱の構成を変えたり、数量を増減したり、省略できる場合があることは指圧板11の場合と同じである。
【0035】
図8から図10は、補強板の分解図で、図8は表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図9は裏板の図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図10は表板と裏板とを貼り合わせて補強板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【0036】
これらの図に示すように、補強板13は、表板13’と裏板13”とから構成されている。表板13’と裏板13”は共に矩形であり、表板13’の断面形状は台形状になっている。補強板13の裏板13”は概ね薄い台形の板状で、その長さはマッサージ枕10の長さと同じで、底面の幅は、多角形の側板12の一辺の長さと指圧板及び設置板の開放された下面を覆う長さである。
【0037】
表板13’は、周辺全体にリブ13aが立設され、裏板13”の周縁部ときれいに丁度重なり合うようになっている。また、表板13’には、中央に2本と両側に各2本、合計6本の凹型柱13cが立設され、裏板13”には、凹型柱13cに対応して6本の凸型柱13dが立設されている。
【0038】
補強板13は、表板13’と裏板13”を重ねることで組み立てられる。すなわち、表板13’のリブ13aの頂面と、凸型柱13dとに接着剤を塗布して重ね合わせる。凸型柱13dが凹型柱13c内に入り、リブ13aが裏板13”の周縁部ときれいに丁度重なり合い、接着剤により接着される。このとき、凹型柱13cと凸型柱13dの配置を適切にしておくことで、表板13’と裏板13”との位置合わせを簡単で、かつ確実にすることができる。
【0039】
図10(a)に示すように、組み立てられた補強板13は、表板13’と裏板13”との間に空間が形成されており、凹型柱13cと凸型柱13dとで、補強柱を構成している。補強柱の構成を変えたり、数量を増減したり、省略できる場合があることは指圧板11の場合と同じである。
【0040】
図11から図13は、設置板の分解図で、図11は表板の図で(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図12は裏板の図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。図13は表板と裏板とを貼り合わせて設置板とした図で、(a)は中央断面図、(b)は正面図である。
【0041】
これらの図に示すように、設置板14は、表板14’と裏板14”とから構成されている。表板14’と裏板14”は共に概ね矩形である。
【0042】
表板14’と裏板14”は、下辺を除く3辺にリブ14aが立設され、表裏のリブ14aが重なり合うようになっている。また、表板14’には、図示のように8本の凹型柱14cが立設され、裏板14”には、凹型柱14cに対応して8本の凸型柱14dが立設されている。
【0043】
設置板14は、表板14’と裏板14”を重ねることで組み立てられる。すなわち、表板14’と裏板14”のリブ14aの頂面と、凸型柱14dとに接着剤を塗布して重ね合わせる。凸型柱14dが凹型柱14c内に入り、リブ14a同士が重なり合い、接着剤により接着される。このとき、凹型柱14cと凸型柱14dの配置を適切にしておくことで、表板14’と裏板14”との位置合わせを簡単で、確実にすることができる。
【0044】
図13(a)に示すように、組み立てられた設置板14は、表板14’と裏板14”との間に空間が形成されており、凹型柱14cと凸型柱14dとで、補強柱を構成している。補強柱の構成を変えたり、数量を増減したり、省略できる場合があることは指圧板11の場合と同じである。また、組み立てられた設置板14は、矩形の上辺が閉じられ、半円筒形状になっていて、下辺は、開放されている。
【0045】
マッサージ枕10の組み立て方は、以下の通りである。まず、指圧板11、側板12、補強板13、設置板14を上述したように表板と裏板とに接着剤を塗布して重ね合わせて接着しておく。
【0046】
次に、先ず、仮想の、質量のない、空洞の正六角柱を仮定し、その正六角柱以内において、それに内接して相互に離間して、表板が丁度真外側になるようにして、正六角柱の両端で向きを揃えて平行に配置された、2枚の正六角形の側板12、12と、正六角柱における同一向きの辺間に架設され、一対の指圧突起を備えた2枚の指圧板11、11を架設する。2枚の指圧板11、11は、正六角柱の隣接する辺ではなく1辺開けた辺に架設する。2枚の指圧板11、11の間の辺には、補強板13を貼り付ける。補強板13は、正六角柱の1辺おきに3枚貼り付ける。最後に残った1辺に、補強板13より大きな補強板である設置板14を貼り付ける。
【0047】
2枚の指圧板11と1枚の設置板14は、それぞれ下方が開放されているが、この開放部分は3枚の補強板13によって封止される。
【0048】
以上でマッサージ枕10が完成する。完成したマッサージ枕10は、中空構造で、全てが封止された構造となる。実施例では、指圧板11を2枚使用しており、指圧突起11a、11aの間隔D1、D2を相違させ、太い首と細い首又は頭の大きさの違いに対応させたり、指圧する位置を変更したりすることができるようにしている。設置板14を床に接地させて頭を載せると、D1の方が首や後頭部に当たるようになる。D1の方の指圧板11を接地させて、頭を載せると、D2の方が首や後頭部に当たる。D1とD2のうち、使用する人の首や後頭部のつぼに合った方を使用することになる。載せた頭や首を自由に振ることで、マッサージ効果を高くすることができる。但し、D1>D2としておき、設置板が下に来たときに首の太い人、又は頭の大きな人がD1を使えるようにしておくことが、安定感があって望ましい。しかし、指圧突起11aは、その二つの突起部分の内の片方だけを使って頭や首を指圧することも当然できる。そして、この指圧についても下記段落0048で述べることが全て実行できる。
【0049】
マッサージ枕10を回転させて床に対する設置角度や位置を変え、マッサージ枕を手等で支えることで、後頭部をマッサージ枕が支えるために、簡単に指圧突起11aの高さを変えることができ、首や後頭部のツボを押圧する力を調節することができる。このようにすることで、押圧する位置や強さ、角度を自在に調整できる。また、指圧突起11aに載せた首や頭を自由に振れば、さらにマッサージ効果を上げることができる。さらに、軽量なため、簡単にマッサージ枕を回転でき、すると単なる枕としても使える為、マッサージと休憩との切替が容易にできるというメリットもある。
なお、上記とは逆向きに、マッサージ枕10を回転させて床に対する設置角度や位置を変え、マッサージ枕を手等で支えることで、首や後頭部のツボを押圧する力をより一層強くし、またその位置や角度をも変更することが可能である。
【0050】
指圧突起11aによる押圧力が大きすぎる場合は、タオル等を被せて使用するとよい。これによって、清潔さも保つことができる。また、アクリル製等で内部が空洞になっているので、直接首や後頭部を押し当てても、指圧突起11aが短時間で体温まで上昇するので、冷たい等の違和感を感じる時間を短くすることができる。
【0051】
また、設置板14が首や後頭部に当たるようにすることもできる。設置板14の半円筒の先端縁で押圧することも可能となる。首や頭を自由に振ることでマッサージ効果を高めることができる。さらに、上記同様に設置板は内部が空洞になっているので、直接首や後頭部を押し当てても、設置板の接触部分が短時間で体温まで上昇するので、冷たい等の違和感を感じる時間を短くすることができる。
また、上記段落0048で述べたことが、この設置板による押圧についても全て実行できる。この場合も、設置板の先端縁による押圧力が大きすぎる場合は、タオル等を被せて使用するとよい。これによって、清潔さも保つことができる。
【0052】
あるいは、マッサージ枕10を立てて使用してもよい。この場合、マッサージ枕を手等で支え、必要なら側板等の側面の一部に後頭部や首を載せながらマッサージ枕10の角が首や頭のツボを押して指圧効果を得ることもでき、またマッサージ枕10の床に対する位置や角度やその角を変えることで、指圧の位置や角度や強さを自在に調整できる。さらに、上記同様にマッサージ枕10は内部が空洞になっているので、直接首や後頭部を押し当てても、マッサージ枕10の接触部分が短時間で体温まで上昇するので、冷たい等の違和感を感じる時間を短くすることができる。さらに首や頭を自由に振ることによってマッサージ効果を高めることができる。さらに、軽量なため、簡単にマッサージ枕10を自由に動かせられ、すると単なる枕としても使える為、マッサージと休憩をとの切替が容易にできるというメリットもある。なお、マッサージ枕の長さを適当なものにしておけば、横になってテレビを見る場合の枕として使用することもできる。この場合も、枕との接触によって痛いなどの違和感を感じるのならば、タオルを被せて使用するとよい。これによって、清潔さも保つことができる。
【0053】
本発明のマッサージ枕10は、電気エネルギーを使用していないので、二酸化炭素の排出も無い。また、中空構造なので、軽量であり、持ち運びが楽にでき、横になる場所さえあれば、どこでも使用することができる。
【0054】
さらに、マッサージ枕がプラモデルのような組立セットになっているので、単に使用するだけでなく、キットを購入して組み立てることで、購入者は組み立て作業を楽しむことができる。また、マッサージ枕全体が幾何学的な美しい形、美感をしているので、マッサージ枕を組み立てたいという意欲も湧いてくる構造となっている。さらに、プラモデル同様に、一度金型を作ってしまえば、大量生産を容易にすることができる性質を備える。さらに、組み立てを購入者が行うので、その分製造コストを安価にすることができる。また、表板と裏板との間に空間が形成される構成なので、マッサージ枕を軽量にすることができ、材料費を減少して製造コストを安価にすることができる、という優れた効果を奏する。
【0055】
指圧板、側板、補強板及び設置板の全てを、透明な合成樹脂製にすることで、マッサージ枕の美感が向上し、インテリアとしても利用できるようになる。また、マッサージ枕を組み立てたいという意欲をかき立てる。
【0056】
なお、実施例では、組み立てには、接着剤を使用したが、ねじや嵌め込み等で組み立てるようにしてもよく、ねじと嵌め込みと接着剤を併用することでもよい。また、上記実施例では、側板、指圧板、補強板及び設置板の全てを表板と裏板の貼り合わせ構造としているが、一部のものを貼り合わせない中実材としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 マッサージ枕
11 指圧板
11’ (指圧板の)表板
11” (指圧板の)裏板
11a 指圧突起
11c 凹型柱(補強柱)
11d 凸型柱(補強柱)
12 側板
12’ (側板の)表板
12” (側板の)裏板
12c 凹型柱(補強柱)
12d 凸型柱(補強柱)
13 補強板
13’ (補強板の)表板
13” (補強板の)裏板
13c 凹型柱(補強柱)
13d 凸型柱(補強柱)
14 設置板
14’ (設置板の)表板
14” (設置板の)裏板
14c 凹型柱(補強柱)
14d 凸型柱(補強柱)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離間して、表板が外側になるようにして、向きを揃え、かつ多角柱の柱を構成できるように平行に配置された複数の多角形の側板と、各側板の同一向きの辺間に架設され、一対の指圧突起を備えた1枚又は2枚以上の指圧板と、各側板の同一向きの辺間に架設される1枚又は2枚以上の補強板と、を有し、前記指圧突起が前記多角形の側板間で形成される多角柱の柱から側方に突出するように組み立てるマッサージ枕の組立セットであって、前記側板、指圧板、補強板の少なくとも1つ以上が、表板と裏板とを貼り合わせるように構成され、表板と裏板とを貼り合わせたとき、前記表板と裏板との間に空間が形成されることを特徴とするマッサージ枕の組立セット。
【請求項2】
前記表板と裏板の間の空間に表板と裏板との間隔を保持する補強柱を設けたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ枕の組立セット。
【請求項3】
前記補強柱が、前記表板と裏板のいずれか一方に形成された凹型柱と、表板と裏板のいずれか他方に形成された凸型柱とからなり、凹型柱と凸型柱とが嵌合することを特徴とする請求項2に記載のマッサージ枕の組立セット。
【請求項4】
前記凸型柱が多角柱であり、前記凹型柱が前記多角柱と嵌合する多角形の穴の内部構造であることを特徴とする請求項3に記載のマッサージ枕の組立セット。
【請求項5】
前記指圧板が複数枚あり、各指圧板の前記一対の指圧突起の間隔が異なることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマッサージ枕の組立セット。
【請求項6】
前記指圧板、側板、補強板の全てが、透明な合成樹脂製であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマッサージ枕の組立セット。
【請求項7】
前記一部の補強板が設置板であり、該設置板が、その一端を前記多角柱の柱の側方に突出させていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマッサージ枕の組立セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−207305(P2010−207305A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54467(P2009−54467)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(509068345)
【Fターム(参考)】