説明

マッサージ機構とそれを備えたマッサージ機

【課題】 たたき動作ともみ動作とによる多様な動作をアームに安定して伝達できるマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機を提供すること。
【解決手段】 施療子8を設けたアーム9を支持し、このアーム9にもみ軸20のもみ動作を伝達するもみコンロッド10と、たたき軸16のたたき動作を伝達するたたきコンロッド14とを設け、このたたきコンロッド14ともみコンロッド10とを、たたき軸16の軸芯方向と交差する方向の全周に球面座を有する自在継手15で連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の身体を施療するマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機に関し、詳しくは、もみ・たたき機構を工夫したマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えるマッサージ機が広く知られている。かかるマッサージ機には、椅子型、マットレス型等多様な種類が存在するが、その中でも椅子型マッサージ機は、被施療者にリラックスした姿勢をとらせた状態でマッサージを行うことができる。このような従来の椅子型マッサージ機の多くは、主として被施療者の背中及び肩に対して施療子で前記刺激を与える構成となっている。
【0003】
このマッサージ機の施療子は、前記刺激を被施療者の背中及び肩に対して与えるように被施療者の背中の上下方向に位置変更が可能なように構成されている。また、施療子は、一般的に施療子を被施療者の背中に対して直交する方向から支持するアームにもみ動作やたたき動作を与えることにより、被施療者に対して種々の施療を行うマッサージ機構に設けられている。
【0004】
このマッサージ機構に設けられる施療子としては、一般的に、被施療者の身体中心の左右両側に複数の施療子がそれぞれ設けられ、これらの施療子を被施療者の背中から肩にかけて身長方向に移動させながら被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えている。例えば、上下に2つの施療子を備えたアームがマッサージ機構の左右両側に設けられ、これら4つの施療子によって被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えて種々のマッサージを行うものがある。
【0005】
この施療子を支持するアームに関する従来技術としては、本出願人が先に出願した、繊維強化プラスチックによって形成した支持アームがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、他の従来技術として、たたき軸のブラケットに設けられたロッド先端の球状頭部をもみ軸のレバーに枢支し、たたき軸のたたき動作をこのもみ軸のレバーを介してアームに伝えるようにしたマッサージ機がある(例えば、特許文献2,3参照。)。
【特許文献1】特開2004−337360号公報(第5頁、図2)
【特許文献2】特開2000−237257号公報(第2頁、図7,10)
【特許文献3】特開2005−687号公報(第6,7頁、図7,10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記した上下に2つの施療子を備えたアームを左右両側に設けたマッサージ機構以外に、例えば、1つの施療子を備えたアームを左右両側に設けたマッサージ機構もある。
【0008】
しかしながら、1つの施療子を備えたアームの場合には、左右各1つの施療子によって被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の複数の刺激を与えなければならないため、上下に2つの施療子を備えたアームとは異なった構成でアームを駆動するマッサージ機構としなければならない。
【0009】
例えば、アームの上下に2つの施療子を備えている場合、上下両方の施療子の動作によって被施療者の背中に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えることができるようにアームを動作させるが、1つの施療子の場合には、その施療子の動作のみによって被施療者の背中に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えることができるようにアームを動作させなければならないので、アームを駆動する方向や範囲、動力の大きさを適した構成に変更しなければならない。
【0010】
また、上下に2つの施療子を備えていれば、上下の施療子を被施療者の背中に当接させた状態から、その施療子の挙動によるアームの傾きで被施療者の指圧ポイント等を検出することができるが、1つの施療子の場合には、その1つの施療子の挙動によるアームの傾きから被施療者の指圧ポイント等を検出しなければならないので、アームの揺動方向や揺動範囲も適した構成にしなければならない。
【0011】
なお、前記特許文献1はアームの材質に特徴がある発明であり、このアームを動作させるマッサージ機構については何ら記載されていない。
【0012】
また、前記特許文献2,3は、被施療者が施療子に凭れた時の荷重が、もみ軸のレバーとロッドの球状頭部とを押し付ける方向に作用する構成のみを対象としており、施療子を駆動する構成が異なるとともに、多様なたたき動作及びもみ動作を安定して伝えるのは難しい。
【0013】
そこで本発明は、たたき動作ともみ動作とによる多様な動作をアームに安定して伝達できるマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明のマッサージ機構は、施療子を設けたアームを支持し、該アームにもみ軸のもみ動作を伝達するもみコンロッドと、たたき軸のたたき動作を伝達するたたきコンロッドとを設け、該たたきコンロッドと前記もみコンロッドとを、たたき軸の軸芯方向と交差する方向の全周に球面座を有する自在継手で連結している。このように、たたきコンロッドともみコンロッドとの連結を、たたき軸の軸芯方向と交差する方向の力を、球面座を全周に有する自在継手で受けることにより、たたき軸の押す方向及び引く方向を含む多様な動作を、全周方向の球面座による支持で確実に受けて、多様な動作の動力伝達を安定して行うことができる。
【0015】
また、前記たたきコンロッドを、前記自在継手を設けた継手側部と、前記たたき軸の端部を支持する軸側部とで構成し、該軸側部と継手側部との間に、たたき軸の軸芯方向に所定角度の範囲で屈曲する屈曲部を設ければ、たたきコンロッド自体が屈曲して変位する自由度が増し、異なる動作をするたたき軸ともみ軸との間での動力伝達をよりスムーズに行うことができる。
【0016】
さらに、前記自在継手を、たたきコンロッドに設けた球面座と、該球面座でたたき軸の軸芯方向と交差する方向の全周を支持する球状部材と、該球状部材からたたき軸の軸芯方向に突出した支持軸とで構成してもよい。このようにすれば、自在継手を小さく形成できるとともに、その小さな自在継手で安定した動力伝達ができる。
【0017】
また、前記アームを前記もみコンロッドで揺動可能に支持し、該アームともみコンロッドとの間に、該アームが下向きに揺動するように付勢する付勢部材を設けるとともに、該アームの上向きの揺動を所定角度で制限するアーム係止部材を設けてもよい。このようにすれば、もみコンロッドによってアームの揺動範囲を所定角度で制限して、アームに設けた施療子を確実に被施療者に当接させてマッサージを行うことができる。
【0018】
一方、本発明のマッサージ機は、これらいずれかのマッサージ機構を背凭れ部に備え、該マッサージ機構を駆動制御する制御装置を設けている。このマッサージ機によれば、たたき軸によるたたき動作ともみ軸によるもみ動作とを安定してアームへ伝え、施療子による安定したマッサージを行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明したような手段により、たたき軸によるたたき動作を自在継手を介してもみコンロッドからアームに安定して伝えることができるので、施療子を備えたアームに、たたき動作ともみ動作とによる多様な動作を安定して伝達してマッサージを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るマッサージ機構を備えた椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。まず、本発明のマッサージ機構が用いられる椅子型マッサージ機の全体構成の一例を説明する。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、椅子型マッサージ機1に着座した被施療者から見たときの方向を基準として前後左右を用いる。例えば、前側は着座した被施療者の前方、左側は同被施療者の左方、右側は同被施療者の右方をいう。
【0021】
図1に示すように、この実施の形態に係る椅子型マッサージ機1は、座部2,背凭れ部3,フットレスト4,及びアームレスト5から主として構成されている。座部2は、図示しない基台の上部に配置されており、この基台は、下部両側に設けられた脚部2aで支持されている。また、アームレスト5の近傍に操作リモコン6が設けられている。
【0022】
前記座部2の後部に設けられた背凭れ部3は、被施療者の上半身を支持すべく、被施療者が座部2に着座した際に身体の一部がその外部にはみ出ない程度の大きさとされており、その前面視が縦長の略長方形になっている。背凭れ部3の下端部は、座部2の後部横方向に設けられた図示しない支持軸によって前記基台に支持されている。背凭れ部3は、この支持軸を中心に回動して、前後にリクライニングが可能なように構成されている。そして、この背凭れ部3の内部に、着座した被施療者の背中側に刺激を与えるマッサージ機構7が設けられている。
【0023】
図2は、図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の動作原理を説明するためにマッサージ機構の構成を模式的に示した分解斜視図であり、図3は、同マッサージ機構によるもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図である。
【0024】
図2に示すように、前記マッサージ機構7は、被施療者の身体に機械的刺激を与える複数(この図では左右各1つで、合計2つ)のローラ状の施療子(施療部)8を備えている。これらの施療子8は、マッサージ機構7の前方に出るように設けられた左右のアーム9の先端にそれぞれ取り付けられている。それぞれのアーム9は、中間部9aがそれぞれもみコンロッド10の一端に設けられた支持穴10aに支持軸11で回動可能に支持されている。このもみコンロッド10とアーム9との間には、付勢部材たるスプリング12が設けられており、このスプリング12によって、アーム9は常に前方下向きに揺動するように付勢されている。もみコンロッド10の他端には嵌合穴10bが設けられている。
【0025】
このもみコンロッド10のもみコンロッド本体10eは、対向するように設けられた2枚の板材で構成され、中間部の上側に、たたきコンロッド14側に向けて膨出する部分が形成されている。この膨出する部分に、たたきコンロッド支持穴10dが設けられ、このたたきコンロッド支持穴10dに、たたきコンロッド14の一端が自在継手15を介して支持されている。
【0026】
自在継手15は、後述するたたき軸16によるたたき動作を伝達するたたきコンロッド14と、後述するもみ軸20(回転軸)によるもみ動作を伝達するもみコンロッド10とを連結するため、これらからの多様な動作を受けながら連結状態を保てるように構成されている。この実施の形態では、たたきコンロッド14の下部に、もみコンロッド本体10eと連結するボールジョイントが設けられている。自在継手15をボールジョイントで構成して、もみコンロッド本体10eにたたきコンロッド14の端部を連結することにより、自在継手15で、たたき荷重が作用する押す方向及び引く方向を含む全周方向で球面支持ができるようにしている。この自在継手15としては、たたき軸16によるたたき動作ともみ軸20によるもみ動作とを受けながら連結状態を保てるフレキシブルなジョイントで構成されていればよい。
【0027】
一方、左右に設けられたこれらのコンロッド10,14の間に位置するように、左右方向に延びるたたき軸16ともみ軸20とが上下に配置されている。この実施の形態では、上側にたたき軸16及びたたたきコンロッド14、下側にもみ軸20及びもみコンロッド10が配置されている。
【0028】
上側に配置されたたたき軸16には、その両端に偏心軸部17が形成されている。この偏心軸部17は、たたき軸16の軸芯と平行な軸芯を有し、左右で位相がずれるように形成されている。前記たたきコンロッド14には、対向するように横方向の嵌合穴14aが設けられている。そして、たたき軸16の両端部に形成された偏芯軸部17が、この嵌合穴14aに軸受(図示省略)を介して回動可能に支持されている。また、このたたき軸16には、左右方向の一方(図では左側)に偏った位置にプーリ16aが同軸的に設けられており、このプーリ16aは、プーリ18aを備えたDCサーボモータ等のモータ18と、ベルト19によって連結されている。
【0029】
従って、モータ18の回転力はベルト19を介してたたき軸16に伝達されてたたき軸16を回転させ、このたたき軸16の両端の偏芯軸部17の公転によってたたきコンロッド14が略上下方向に移動する。この結果、たたきコンロッド14がもみコンロッド本体10eを、嵌合穴10bを中心にアーム9側を揺動させる。これにより、もみコンロッド10がアーム9を揺動させて、施療子8が弧を描くように略上下方向に往復移動させられる。モータ18を一定速度で回転させたときには、一定の周期で施療子8が往復移動することとなり、これが施療子8のたたき動作となる。また、モータ18をその回転速度を変化させながら回転させたときには、変則的な周期で施療子8が往復移動することとなり、これが施療子8の指圧動作となる。
【0030】
また、下側に配置されたもみ軸20には、その両端に傾斜軸部21が形成された傾斜軸部材23が固定ピン37で固定されている。この傾斜軸部21が、前記もみコンロッド10に設けられた嵌合穴10bに軸受(図示省略)を介して回動可能に支持される。
【0031】
前記傾斜軸部21は、左右共、もみ軸本体22の軸芯aに対して同一方向に所定角度θで傾斜した軸芯cで形成されている。この傾斜軸部21を傾斜させる角度θがもみ感覚に大きく影響する。傾斜軸部21を前記もみコンロッド10の嵌合穴10bに挿入してもみ軸20を回転させると、角度θによって傾斜軸部21の軸芯が描く円錐運動の大きさが異なり、角度θが大きいと施療子8が被施療者の背中に対して交差する方向に大きな動作をする刺激を被施療者に与え、角度θが小さいと施療子8が被施療者の背中に対して交差する方向に小さな動作をする刺激を被施療者に与える。
【0032】
つまり、図3のもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図に示すように、もみ動作時には、施療子8が幅方向wと垂直方向hと紙面直交方向(図4に示す前後方向f)とに3次元的な挙動を左右対称で行うが、この施療子8の挙動範囲が、もみ軸20の両端に形成された傾斜軸部21の傾斜角度θによって決まり、この施療子8の動作範囲によってもみ感覚が決まる。
【0033】
さらに、図2に示すように、前記もみ軸本体22の左右方向の中央部分には、ウォームホイール25が取付けられている。このウォームホイール25は、この実施の形態ではヘリカルギヤで形成されている。このウォームホイール25と噛合するように、ウォーム26が回転軸芯を上下方向にして設けられている。このウォームホイール25とウォーム26とで、ウォーム歯車機構30が構成されている。
【0034】
また、ウォーム26の軸下端部には、プーリ26aが同軸的に設けられており、このプーリ26aは、プーリ27aを備えたDCサーボモータ等のモータ27とベルト28によって連結されている。なお、29は、ウォーム26の回転状態を検出する回転センサの一部である検知板を示しており、ウォーム26の軸上端部に設けられている。このセンサとしては、ホールセンサ(磁気近接スイッチ)や光センサ等が用いられる。
【0035】
従って、モータ27の回転力はベルト28を介してウォーム26へ伝達され、ウォーム26の回転によってウォームホイール25を介してもみ軸20が回転させられる。そして、もみ軸20の回転に伴い、傾斜軸部21が円錐形の軌跡を描くように回転し、これによってもみコンロッド10が規則的に動作して、左右の施療子8が近接及び離反するように左右及び上下方向へ略楕円軌道に沿った移動動作をするようになっている。このような移動動作が、施療子8のもみ動作となる。この施療子8のもみ動作には、左右の施療子8が近接するときに前方(被施療者側)へ移動し、左右の施療子8が離反するときに後方へ移動する動作も含まれる。
【0036】
図4は、図2に示すマッサージ機構におけるたたきコンロッドの構成を示す斜視図であり、図5は、同たたきコンロッドの構成を示す一部断面した側面図、図6(a),(b) は、図5に示すたたきコンロッドの屈曲状態を示す側面図である。
【0037】
図4,5に示すように、前記たたきコンロッド14は、たたき軸16の端部に形成された偏芯軸部17を挿入する嵌合穴14aが設けられた軸側部60と、もみコンロッド10に設けられた2枚の板状のもみコンロッド本体10eとを自在継手15で連結する継手側部61とで構成されている。
【0038】
軸側部60には、たたき軸16の偏芯軸部17を回転可能に支持する軸受60aが設けられるとともに、継手側部61側に突出する連結部60bが形成されている。この軸側部60は、樹脂製の中央部材60cを両側から金属製の側部部材60dで挟み、これらを複数のボルト60e(この例では3本)で一体的に固定したものである。
【0039】
継手側部61には、軸側部60側に突出する連結支持部61aと、前記もみコンロッド本体10eに自在継手15を介して連結する継手部61bとが形成されている。これら連結支持部61aと継手部61bとは、L字状に屈曲させた板材で形成されている。この継手側部61も、樹脂製の中央部材61cを両側から金属製の継手部61bで挟むように構成されている。この両側の継手部61bの反軸側部側には係止爪61dがそれぞれ設けられており、これらの係止爪61dを係合させた状態で軸側部をボルト61eで固定すれば、中央部材61cと両側部の継手部61bとが一体的に固定されている。
【0040】
そして、これら軸側部60と継手側部61とは、軸側部60の連結部60bと継手側部61の連結支持部61aとが、たたき軸16の軸芯と直交する方向に軸芯を有する屈曲軸62で連結されている。この屈曲軸62が屈曲部であり、この屈曲軸62によってたたきコンロッド14の軸側部60と継手側部61との間の部分が、たたき軸16の軸芯方向に所定角度の範囲で屈曲自在なように構成されている。なお、この屈曲部の位置は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0041】
一方、図5にも示すように、前記継手側部61の継手部61bには、樹脂製の中央部材61cに球面座63が形成されている。この球面座63は、たたき軸16の軸芯方向と交差する方向の全周に球面座63を有するように形成されている。このたたき軸16の軸芯方向と交差する方向とは、たたき軸16の軸芯方向とほぼ直交する方向である。そして、この球面座63に、前記自在継手15の球状部材15aが回動可能に支持されている。この球状部材15aは金属で形成されており、たたき軸16の軸芯方向に突出する支持軸15bが両側部に設けられている。この実施の形態では、支持軸15bの両端にネジ部15d(図4)が設けられており、もみコンロッド10のもみコンロッド本体10eに設けられたたたきコンロッド支持穴10dにナット15cで固定されている。
【0042】
これにより、たたき軸16を回転させることにより、偏心軸部17からたたきコンロッド14に伝わるたたき動作による図示する紙面上下方向に作用する押し引き方向の動力を含めた周方向の動力(動作)を、たたきコンロッド14のたたき軸16の軸芯方向と交差する方向に形成された球面座63の全周で、球状部材15aが受けるようにしている。したがって、球面座63の全周で、たたき軸16の軸芯方向と交差する方向に作用するたたき動作を、このたたき動作の負荷が作用する押し引きする方向を含む全周で安定して受けることができ、たたき軸16の動作を安定してもみコンロッド10に伝達することができる。しかも、自在継手15を、このような球状部材15aと球面座63との組合わせとすることにより、小さな自在継手15で安定した動力伝達ができるようにしている。
【0043】
図6(a),(b) に示すように、前記たたきコンロッド14は、軸側部60と継手側部61とが屈曲軸62で連結された状態で、軸側部60に対して継手側部61がたたき軸の軸芯方向に屈曲自在となっている。このように、たたきコンロッド14に屈曲部を設けることにより、たたき軸16のたたき動作ともみ軸20のもみ動作とが合成されたような多様な動作でも、屈曲軸廻りで屈曲することによってスムーズに動力伝達ができるようにしている。
【0044】
また、このようにたたきコンロッド14の中間部分で屈曲できるとともに、自在継手15の部分では、球状部材15aが球面座63に沿って揺動可能であるため、この自在継手15と連結されたもみコンロッド本体10eは、球状部材15aを中心に任意の方向に所定角度の範囲で揺動することが可能となっている。この自在継手15の球状部材15aはその揺動方向は制限されないが、もみコンロッド本体10eの揺動方向はもみコンロッド10の動作に制限され、その動作に合うように揺動する。図では、屈曲軸62と自在継手15とで逆方向に屈曲した状態を示している。
【0045】
図7は、図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるアームの動作を示す側面図であり、図8は、同マッサージ機構の組立状態における斜視図である。
【0046】
図7に示すように、前記たたき軸16ともみ軸20との端部17,21が、前記たたきコンロッド14の嵌合穴14aともみコンロッド10の嵌合穴10bとに軸受14b,10fを介して支持されている。もみコンロッド10の嵌合穴10bの位置には、もみコンロッド本体10eの間にもみコンロッドハウス10gが設けられ、このもみコンロッドハウス10gに軸受10fが設けられている。また、前記もみコンロッド10の支持穴10aに支持軸11で揺動可能に支持された板状のアーム9は、所定厚のアームガイド9eとカバー9f(図8参照)とともに、2枚のもみコンロッド本体10eの間に設けられている。
【0047】
さらに、もみコンロッド本体10eの間の下部には、アーム9の揺動を所定角度の範囲で制限するアーム係止部材13が設けられている。このアーム係止部材13は、両側部がもみコンロッド本体10eに接して中央部に開口部13aが形成され、この開口部13aの反アーム側に支持壁13dが形成されている。このアーム係止部材13は、支持部13bと係止ピン13cとによってもみコンロッド本体10eに支持されている。
【0048】
そして、前記アーム9の後端部9cは、もみコンロッド本体10eの間に設けられたアーム係止部材13の開口部13aを通るように、側面視が細幅に形成されている。この開口部13aを通るアーム9の後端部9cが、アーム係止部材13の支持壁13dに当接した状態でアーム9が係止されている。
【0049】
したがって、無負荷状態のアーム9は、中間部9aが支持軸11に支持され、その下部に設けられた係止ピン9bともみコンロッド10の下部に設けられたアーム係止部材13の係止ピン13cとに掛けられた付勢部材たるスプリング12によって先端側に設けた施療子8が常に前方下向きに付勢され、後端部9cがアーム係止部材13の支持壁13dに当接した状態となっている。これにより、施療子8は、この施療子8の前部に座る被施療者側に向けて常に付勢されている。このように、付勢部材たるスプリング12によって常にアーム9を被施療者に向けて付勢することにより、左右各1つの施療子8であっても、確実に被施療者に当接させて安定したマッサージができるようにしている。付勢部材としては、他の構成であってもよい。
【0050】
このように支持されたアーム9の揺動範囲は、アーム9の後端部9cが前記スプリング12の付勢力でアーム係止部材13の支持壁13dに当接した実線の状態(下限位置)から、施療子8が押されてアーム9が揺動し、このアーム9の後端部9cの施療子側に設けられた当接部材9dが、アーム係止部材13の係止部13eに当接した二点鎖線で示す状態(上限位置)の範囲に制限されている。sは、施療子8のストロークを示している。
【0051】
なお、前記アーム係止部材13としては、エンジニアリングプラスチックのポリアミド樹脂(PA)等が用いられる。このアーム係止部材13を樹脂で形成することにより、アーム当接時の衝撃を和らげている。
【0052】
また、もみコンロッド10のコンロッド本体10eには、アーム9の後端部9cの存否を検出するセンサ39が設けられている。このセンサ39は、アーム9の揺動状態を検出するためのものであり、この実施の形態では、もみコンロッド本体10eからアーム9の後端部9cに向けて光を放つ光センサで構成されている。この光センサは、図示する紙面直交方向に光を放つように構成されており、アーム9がスプリング12の力で前方下向きに付勢されて後端部9cでセンサ39の前部を閉ざした状態と、アーム9がスプリング12の力に抗して上向きに揺動させられて後端部9cがセンサ39の前部を開放した状態とを検出できるように構成されている。なお、センサ39としては、アーム9の揺動状態を検出できるセンサであればよく、ホールセンサ(磁気近接スイッチ)等、他のセンサであってもよい。
【0053】
このセンサ39によれば、例えば、被施療者が座部2に座って凭れることによって施療子8を押してアーム9が揺動して後端部9cがセンサ39の前部を開放した状態から、施療子8が被施療者側に移動してアーム9の後端部9cがセンサ39の前部を閉ざした状態への変化を検出することができ、例えば、被施療者の肩位置を検出することができる。
【0054】
図8にも示すように、このように構成されたマッサージ機構のアーム部は、施療子8を設けたアーム9を支持するもみコンロッド10の前部と、もみ軸20を挿入するもみコンロッドハウス10gを設けたもみコンロッド10の後部との中間部において、上部に位置するたたきコンロッド14の下部がもみコンロッド本体10eの間に位置した状態で、このたたきコンロッド14の下部に設けられた自在継手15がもみコンロッド本体10eに固定された状態となる。このように、たたきコンロッド14ともみコンロッド10とは、もみコンロッド本体10eにナット15cで支持軸15bが固定された自在継手15の球状部材15aを介して連結されており、球状部材15aは、たたきコンロッド14側に設けられた球面座63と全周で接するように構成されている。したがって、たたき軸16のたたき動作による押し引きする両方向の力を、この球面座63と球状部材15aとの接触面で確実に受けて、多様な動作の動力伝達を安定して行えるようにしている。
【0055】
図9は、本発明のマッサージ機構の他の例における、組立状態のアームの動作を示す側面図である。このマッサージ機構は、図7に示すマッサージ機構とは、たたきコンロッド14ともみコンロッド10とを連結する構成が異なっている。なお。図7に示す構成と同一の構成には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図示するように、前記たたき軸16ともみ軸20との端部17,21が、たたきコンロッド14の嵌合穴14aともみコンロッド10の嵌合穴10bとに軸受14b,10fを介して支持されている。また、もみコンロッド10に支持軸11で揺動可能に支持された板状のアーム9は、このアーム9の中間部9aから後方に向けて形成された凹状の後端部9cにもみコンロッド本体10eの先端が入り込んだ状態で、アーム9に設けられた係止ピン9bがもみコンロッド本体10eに当接して支持されている。
【0057】
このアーム9は、支持軸11に支持された状態で、前記係止ピン9bともみコンロッド10の下部に設けられた係止ピン10cとに掛けられた付勢部材たるスプリング12によって、先端側に設けた施療子8が常に前方下向きに付勢されている。
【0058】
このアーム9の揺動範囲は、アーム9の係止ピン9bが前記スプリング12の付勢力でもみコンロッド本体10eに当接した実線の状態(下限位置)から、施療子8が押されてアーム9が揺動し、アーム9の上部に設けられた当接部材9dがもみコンロッド10の上面(この例では、もみコンロッド10がアーム係止部材を兼ねている。)に当接する二点鎖線で示す状態(上限位置)の範囲に設定されている。
【0059】
この例では、アーム9の係止を、もみコンロッド10の上面に沿うようにアーム9に設けた2つの当接部材9dをもみコンロッド10に当接させることにより、荷重を分散してもみコンロッド10で安定したアーム支持ができるようにしている。また、コンロッド10の当接部を樹脂で形成することにより、当接時の衝撃を和らげている。さらに、もみコンロッド10のコンロッド本体10eには、アーム9の凹状部9cに向けて突出するようにセンサ39が設けられており、このセンサ39でアーム9の揺動状態を検出できるようにしている。
【0060】
また、もみコンロッド10のもみ軸20を挿入する嵌合穴10bの位置には、ボルト38bによってもみコンロッド本体10eに固定された連結部材38が設けられ、この連結部材38の上部には突出部38aが形成されている。この突出部38aに、前記たたきコンロッド14の下部に設けられた自在継手15の支持軸15bが固定されている。
【0061】
この構成によれば、たたき軸16の力がたたきコンロッド14から連結部材38を介してもみコンロッド10に伝達され、このもみコンロッド10がアーム9を揺動させて、施療子8がたたき動作させられる。また、もみ軸20を回転させれば、もみコンロッド10がアーム9を揺動させて、施療子8がもみ動作させられる。施療子8による他の動作は、前記図7に示す構成と同様である。
【0062】
なお、この図9に示すたたきコンロッド14ともみコンロッド10とを連結する構成も一例であり、他の構成であってもよい。
【0063】
図10は、図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるもみ・たたきユニットを一部断面した正面図である。図2に示す構成には、図2の符号を付して示す。
【0064】
図示するように、前記マッサージ機構7のもみ動作とたたき動作を行う構成は、もみ・たたきユニット31として一体的に構成されている。図示する状態は、図2に示す施療子8、アーム9、もみコンロッド10、たたきコンロッド14に関する構成を除いた状態で示している。もみ・たたきユニット31のケーシング32は、上部にたたき軸16、下部にもみ軸20を配置するように形成されている。
【0065】
ケーシング32の上部には、軸受33によってたたき軸16が回転可能に支持され、下部には、軸受34によってもみ軸20が回転可能に支持されている。たたき軸16は、ケーシング32の壁面とカバー35とによって軸方向の移動が抑止された軸受33によって位置決めされている。もみ軸20は、ケーシング32に固定されたカバー36によって軸方向の移動が抑止された軸受34によって位置決めされている。なお、これらもみ軸20とたたき軸16とを支持する軸受34,33と、軸受カバー36及びカバー35との間には、リングカラー65と非金属ワッシャ66とが設けられている。
【0066】
また、たたき軸16の一端側には前記プーリ16aが設けられており、このプーリ16aをベルト19を介してモータ18(図2)で回転させることによってたたき軸16が回転駆動される。もみ軸20の中央部にはウォームホイール25が設けられており、このウォームホイール25と噛合するウォーム26が図示する紙面奥側に設けられている。このウォーム26のプーリ26aを、ベルト28を介してモータ27(図2)で回転させることによってもみ軸20が回転駆動される。このように、たたき軸16ともみ軸20との関係がユニット化されている。
【0067】
このようなもみ・たたきユニット31によれば、前記したように、モータ18の駆動によって施療子8のたたき動作及び指圧動作が行われ、モータ27の駆動によって施療子8のもみ動作が行われ、モータ18,27を同時に駆動することにより、施療子8のたたき動作及びもみ動作、又は指圧動作及びもみ動作が合成されて行われることとなる。もちろん、各動作を独立に行うことも可能である。
【0068】
図11は、図1に示す椅子型マッサージ機1に備えられたマッサージ機構7の構成を示す前面側の斜視図である。図1に示すように、椅子型マッサージ機1の背凭れ部3内には、座部2の後部から背凭れ部3の上部まで延びる略矩形状の枠体54が設けられており、この枠体54に沿って昇降する枠状の昇降台40に前記マッサージ機構7が設けられている。これにより、このマッサージ機構7は、背凭れ部3内で被施療者の身長方向に上昇動及び下降動が可能なように構成されている。
【0069】
図11に示すように、このマッサージ機構7は、昇降台40に支持されたフレームステー41に設けられた揺動フレーム42を備えている。揺動フレーム42は左右に設けられ、これら左右の揺動フレーム42にボルト43aで固定されたI形の支持プレート43の中央背面側に、マッサージ機構7のもみ・たたきユニット31のケーシング32がボルト32aで固定されている。
【0070】
また、この実施の形態では、揺動フレーム42の上端にラック44が設けられている。このラック44は、その上部に形成された歯と噛合する中間アイドル減速ユニット45のピニオンギヤ45aの回動によって、フレームステー41を中心に揺動フレーム42を前後方向に揺動させるように構成されている。中間アイドル減速ユニット45のピニオンギヤ45aは、昇降台40に軸受57で支持された前後駆動軸58に設けられたギヤ(図示省略)によって回動させられる。この前後駆動軸58は、昇降台40の図示する左側上部に設けられたウォーム減速機46を介して、前後動用モータ47で駆動される。58aは、中間アイドル減速ユニット45の支持軸であり、両端が昇降台40に固定されている。
【0071】
昇降台40の左右の側部には、それぞれ5つのガイドローラ48,49が設けられている。図示する例では、昇降台40の左右方向移動を規制するガイドローラ48が上下部に計2つ、前後方向移動を規制するガイドローラ49が上下部と中間部とに計3つが設けられている。
【0072】
また、昇降台40の下部両側部には、ピニオンギヤ50が設けられている(右側のみ図示)。このピニオンギヤ50は、昇降台40に軸受51aを介して設けられた昇降駆動軸51の両端に設けられており、この昇降駆動軸51は減速機52を介して昇降用モータ53で駆動されている。
【0073】
一方、前記枠体54には、所定間隔を隔てて左右に配置されて背凭れ部3に沿って上下方向へ延びるガイドレール54aが設けられている。このガイドレール54aの背面には、ラック55が設けられている。これらガイドレール54aとラック55は、昇降台40が移動する上下方向の全長に設けられている。
【0074】
そして、前記昇降台40のガイドローラ48,49がガイドレール54aの内面に沿って上下方向に移動可能なように設けられている。また、この昇降台40の下部両側部に設けられたピニオンギヤ50がラック55と噛合し、このピニオンギヤ50を昇降用モータ53で駆動することにより、昇降台40が背凭れ部3の上下方向に昇降する。
【0075】
これらのモータ18,27,47,53の回転数や回転方向、アーム9の位置や回動状態、その他を制御する制御装置56は、図1に示すように、マッサージ機1の座部2の内部に設けられている。この制御装置56としては、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェース等から構成されている。また、この制御装置56には、被施療者が操作する操作リモコン6からの信号も入力され、マッサージ機1が所望の動作をするように各部が駆動制御される。
【0076】
このような構成により、被施療者が背凭れ部3に上半身を凭れかけた状態でマッサージ機構7を備えた昇降台40を背凭れ部3の上下方向に昇降させることで、マッサージ機構7の施療子8を被施療者の背中の上下方向に移動させてマッサージ動作を行うことができる。
【0077】
以上のように構成されたマッサージ機構7によれば、施療子8が設けられたアーム9を支持するもみコンロッド10と、たたき軸16の動力を伝達するたたきコンロッド14との連結部において、球面座63の全周の座面で自在継手15が動力を受けることができるので、安定した動力伝達ができ、施療子8を高速でたたき動作をさせる場合や、もみ動作に合成してたたき動作をさせる場合等でも、安定した動力伝達が可能となる。
【0078】
また、例えば、アーム9に設けられる施療子8が左右各1つでも、施療子8が前方下部へ向くようにアーム9を安定して揺動させることができるので、被施療者の血行促進、疲労回復、リラックス等の効果を得るために種々のマッサージ動作を安定させて行わせることができる。
【0079】
なお、前記実施の形態は一例であり、アーム9に設けられる施療子8は各1つに限られるものではなく、各2つを設けた構成であっても適用可能である。また、前記実施の形態は一例であり、たたき軸16との配置構成やアーム9の形状、施療子8の数等は前記実施の形態に限定されるものではない。
【0080】
また、前記実施の形態では、上側にたたき軸16及びたたたきコンロッド14、下側にもみ軸20及びもみコンロッド10が配置されているが、逆の構成においても本発明を適用することはできる。
【0081】
さらに、前述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係るマッサージ機構は、たたき軸のたたき動作ともみ軸のもみ動作とをより安定してアームに伝達したいマッサージ機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係るマッサージ機構を備えた椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の動作原理を説明するためにマッサージ機構の構成を模式的に示した分解斜視図である。
【図3】図2に示すマッサージ機構によるもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図である。
【図4】図2に示すマッサージ機構におけるたたきコンロッドの構成を示す斜視図である。
【図5】図2に示すマッサージ機構におけるたたきコンロッドの構成を示す一部断面した側面図である。
【図6】(a),(b) は、図5に示すたたきコンロッドの屈曲状態を示す側面図である。
【図7】図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるアームの動作を示す側面図である。
【図8】図7に示すマッサージ機構の組立状態における斜視図である。
【図9】本発明のマッサージ機構の他の例における組立状態のアームの動作を示す側面図である。
【図10】図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるもみ・たたきユニットを一部断面した正面図である。
【図11】図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の構成を示す前面側の斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1 椅子型マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4 フットレスト(脚載置台)
5 アームレスト
6 操作リモコン
7 マッサージ機構
8 施療子
9 アーム
10 もみコンロッド
11 支持軸
12 スプリング
13 アーム係止部材
14 たたきコンロッド
15 自在継手
15a 球状部材
16 たたき軸
17 偏芯軸部
18 モータ
19 ベルト
20 もみ軸
21 傾斜軸部
22 もみ軸本体
23 傾斜軸部材
25 ウォームホイール
26 ウォーム
27 モータ
28 ベルト
29 回転センサ
30 ウォーム歯車機構
31 もみ・たたきユニット
32 ケーシング
33,34 軸受
35,36 カバー
37 固定ピン
38 連結部材
39 センサ
40 昇降台
41 フレームステー
42 揺動フレーム
43 支持プレート
44 ラック
45 中間アイドル減速ユニット
46 ウォーム減速機
47 前後駆動モータ
48,49 ガイドローラ
50 ピニオンギヤ
51 昇降駆動軸
52 減速機
53 昇降用モータ
54 枠体
55 ラック
56 制御装置
57 軸受
58 前後駆動軸
60 軸側部
61 継手側部
62 屈曲軸
63 球面座
65 リングカラー
66 非金属ワッシャ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子を設けたアームを支持し、該アームにもみ軸のもみ動作を伝達するもみコンロッドと、
たたき軸のたたき動作を伝達するたたきコンロッドとを設け、
該たたきコンロッドと前記もみコンロッドとを、たたき軸の軸芯方向と交差する方向の全周に球面座を有する自在継手で連結したマッサージ機構。
【請求項2】
前記たたきコンロッドを、前記自在継手を設けた継手側部と、前記たたき軸の端部を支持する軸側部とで構成し、該軸側部と継手側部との間に、たたき軸の軸芯方向に所定角度の範囲で屈曲する屈曲部を設けた請求項1に記載のマッサージ機構。
【請求項3】
前記自在継手を、たたきコンロッドに設けた球面座と、該球面座でたたき軸の軸芯方向と交差する方向の全周を支持する球状部材と、該球状部材からたたき軸の軸芯方向に突出した支持軸とで構成した請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機構。
【請求項4】
前記アームを前記もみコンロッドで揺動可能に支持し、該アームともみコンロッドとの間に、該アームが下向きに揺動するように付勢する付勢部材を設けるとともに、該アームの上向きの揺動を所定角度で制限するアーム係止部材を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機構。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機構を背凭れ部に備え、該マッサージ機構を駆動制御する制御装置を設けたマッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−14366(P2007−14366A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195863(P2005−195863)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】