説明

マッサージ

【課題】施術される側には美容、健康などに好適で、施術する側には経済的、健康的なマッサージである。
【解決手段】身体表面1aまたは着衣状態1bで身体摩擦用布体3を当て、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体3を加圧摺動する。布10aまたは布手袋10bが、一重以上であり、布10aまたは布手袋10b、及び身体摩擦用布体3は、絹または合成繊維が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、詳しくは、オイルまたはジェル等を用いることなく行うことができ、かつ美容、健康などに好適なマッサージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、単に指や手のひらの押圧あるいは揉みや、さすりという動作だけでなく、例えば揉みや、さすりの際の摩擦抵抗軽減や薬効を得る等の目的で種々の成分を含むオイルを肌に塗った状態でマッサージを行うことがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−125301
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、オイルを塗った施術箇所を直接手により施術しようとすると、オイルによって手が滑りやすく、施術困難となりやすい。そこで、施術箇所に当て布を置いて施術することが考えられる。ところで、オイルが塗られている側の表面は、滑りやすいのでマッサージの際に当て布自体が施術箇所を滑ってしまうことがある。このため、施術の方法も、さする等の滑りやすいような内容ではなく、押圧や揉みなどのように当て布の位置が変わらないようにする内容を採らざるを得ないこともあり、マッサージの内容が単純なものとなる虞がある。
【0004】
マッサージには、指圧や手のひらの押圧などのように一点への集中的な圧力を加えるツボ療法の他に、手のひらで軽く押しながらさする等のように面圧を加える療法がある。
【0005】
後者の場合には、施術範囲を大きくとれることに起因してリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などにおいて前者の療法の2〜3倍以上の効果が期待できるとされている。
【0006】
しかも、指圧などのような一点への集中的な圧力を加えることがないので、筋肉への過剰な負荷による痛み等を生じにくくした施術が行える。しかし、オイルまたはジェル等を塗布したような場合のマッサージに際しては、手のひらなどを軽く抑えながらさするなどの施術が行いにくいのが現状である。
【0007】
また、オイルまたはジェル等を使用したマッサージでは、施術の後「ふきとり」の作業がかかせず、そのため温タオルを何枚か使い、ふき取った後も温タオルふき取り後の蒸発熱が肌をさまし(ひやっとする)、また必ずしも使用したオイルやジェル等が完璧にふき取れず、肌に不快感が残る。また、完璧にふき取れず、肌に残った成分は不自然な熱や蒸れた感じを体に残し、100%心地よい仕上がりにならないことがある。施術者側も、多くのふき取り用熱処理タオルを使用し、その洗濯も多大な量になり、水、電気、洗剤を沢山使用し不経済である。
【0008】
この発明は、かかる点に鑑みなされたもので、オイルまたはジェル等を用いることなく、施術がしやすく、ふき取り作業がなく、かつ経済的で、しかも美容、健康などに好適なマッサージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0010】
請求項1に記載の発明は、身体表面または着衣状態で身体摩擦用布体を当て、
施術者が、布または布手袋を用いて前記身体摩擦用布体を加圧摺動することを特徴とするマッサージである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記布または前記布手袋は、一重以上であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記身体摩擦用布体、及び前記布または前記布手袋は、絹または合成繊維が用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージである。
【発明の効果】
【0013】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0014】
請求項1に記載の発明では、身体表面または着衣状態で身体摩擦用布体を当て、施術者が、布または布手袋を用いて身体摩擦用布体を加圧摺動してマッサージすることで、施術者によって顔や手などそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などによってすべすべしっとりとなり、またさすり等のタッチがやさしく心地よく全身が温かくなり、身体に柔軟性を持たせることができ、美容、健康に好適である。また、オイルまたはジェル等を用いないため、施術がしやすく、ふき取り作業がなく、しかもタオル、水、電気、洗剤それに必要な電気製品の数々が不要で経済的である。
【0015】
請求項2に記載の発明では、布または布手袋は、一重以上であり、身体の何処でも特に限定されることなく、布または布手袋によって顔や手などに当てた身体摩擦用布体をそっとなでることで、例えば、衣服の上からのマッサージにおいても衣服の上からリンパ液を流すのはごわごわして上手に流されていないが、普通にマッサージをうけるときと同じ衣服の上からでもスルスルとすべりがよく、リンパ液を流すことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、身体摩擦用布体、及び布または布手袋は、絹または合成繊維が用いられることで、施術者の手の滑りを良くすると共に被施術者側では滑りにくいことで施術箇所との間での不用意な位置ずれをなくして快適な施術を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明のマッサージの実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態のマッサージを、図1に示す。図1はマッサージを施す状態を示す図である。被施術者1が寝台2上に寝ね、この状態で被施術者1の身体表面1a及び着衣状態1bで身体摩擦用布体3、4を当てる。この身体摩擦用布体3、4は、一重以上であればよい。身体摩擦用布体3を当てた部分は、被施術者1の腿から上で胸までの部分である。また、身体摩擦用布体4を当てた部分は、被施術者1の膝の部分である。
【0018】
この実施の形態では、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体3を加圧摺動する。この身体摩擦用布体3では、その外側から内側に矢印方向に加圧摺動し、その内側では矢印方向に回転しながら加圧摺動し、この繰り返しで加圧摺動する。
【0019】
このように、身体表面1a及び着衣状態1bで身体摩擦用布体3を当て、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体3を加圧摺動してマッサージし、被施術者1の全身をそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などですべすべしっとりとなり、またさすり等のタッチがやさしく心地よく全身が温かくなり、全身に柔軟性を持たせることができ、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
【0020】
また、身体摩擦用布体4を当てた部分も同様に、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体4を加圧摺動する。この身体摩擦用布体4では、矢印方向に加圧摺動し、この繰り返しで加圧摺動する。
【0021】
このように、身体表面1aの膝に身体摩擦用布体4を当て、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体4を加圧摺動してマッサージし、被施術者1のそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などですべすべしっとりとなり、またさすり等のタッチがやさしく、心地よく、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
【0022】
また、オイルまたはジェル等を用いないため、施術がしやすく、ふき取り作業がなく、しかもタオル、水、電気、洗剤それに必要な例えばホットキャビネット、消毒器、洗濯機、乾燥機などの電気製品の数々が不要で経済的である。
【0023】
この布10aまたは布手袋10bは、一重以上であり、布手袋10bとしてミトンが用いられる。布10aまたは布手袋10bが一重以上であることで、身体の何処でも特に限定されることなく、布10aまたは布手袋10bによってそっとなでることができる。例えば、衣服の上からのマッサージにおいても衣服の上からリンパ液を流すのはごわごわして上手に流されていないが、普通にマッサージをうけるときと同じ衣服の上からでもスルスルとすべりがよく、リンパ液を流すことができる。
【0024】
また、布10aまたは布手袋10b、及び身体摩擦用布体3,4には、絹または合成繊維が用いられる。身体摩擦用布体3,4を、身体表面または着衣状態に当て、布10aまたは布手袋10bによってマッサージすることで、施術者の布10aまたは布手袋10bの滑りを良くすると共に被施術者側では滑りにくいため、施術箇所との間での不用意な位置ずれをなくして快適な施術を可能にすることができる。
【0025】
このように、布10aまたは布手袋10b、及び身体摩擦用布体3,4は、繊維材料として以下のようなものが用いられる。つまり、繊維材料は、天然繊維である絹に加えて、ポリエステル、アクリルおよびアクリル系、ナイロン、アラミド、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリウレタン、ポリアリレート系繊維、エチレンビニル、アルコール繊維、アクリレート系繊維、pbo繊維、ポリ乳酸繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート、トリアセテート、ガラス繊維、炭素繊維等の合成繊維等が用いられる。
【0026】
特に、布10aまたは布手袋10bと、身体摩擦用布体3,4に絹を用いると、絹は人の肌とタンパク成分がほぼ同じでアレルギーを起こす人が非常に少なく好ましい。例えば、マッサージにオイルやジェルを塗布すると、その成分によってアレルギーを起こす人が目立つが、絹の身体摩擦用布体3,4を用い、布10aまたは布手袋10bを用いて絹の身体摩擦用布体3,4を介してマッサージすることでアレルギーを起こすことがなくなる。また、人の肌とほぼ同じたんぱく組成である絹の布は、直接素肌に施術すると肌のきめが細かくなり施術が度重なると、きめの細かいつやの良い肌になる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態のマッサージを、図2に示す。図2はマッサージを施す状態を示す図である。被施術者1の身体表面1aである頬に身体摩擦用布体5を当てる。この身体摩擦用布体5を当てた部分に、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体5を加圧摺動する。この実施の形態でも、身体摩擦用布体5は、その外側から矢印方向に回転しながら加圧摺動し、この繰り返しで顔全体から首に掛けて加圧摺動する。このようにして顔全体から首に掛けてマッサージし、被施術者1のそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などですべすべしっとりとなり、またさすり等のタッチがやさしく、心地よく、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態のマッサージを、図3及び図4に示す。図3はマッサージを施す状態を示す正面図、図4はマッサージを施す状態を示す側面図である。この実施の形態では、被施術者1の身体表面1aである頭に身体摩擦用布体6を当て、また身体表面1aである上半身に身体摩擦用布体7を当てる。また、図4においては、身体表面1aである左肘に身体摩擦用布体8を当てる。
【0027】
この身体摩擦用布体6を当てた部分に、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体6を加圧摺動する。この身体摩擦用布体6の上下、左右および前後の矢印方向に加圧摺動し、頭に沿って全体を加圧摺動する。このようにしてマッサージし、被施術者1のそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などで脳がリラックスした状態になり心地よく、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
【0028】
また、この身体摩擦用布体7を当てた部分に、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体7を加圧摺動する。この身体摩擦用布体7の矢印方向に加圧摺動し、上半身に沿って全体を加圧摺動する。このようにしてマッサージし、被施術者1のそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などで上半身がリラックスした状態になり、肩こりも軽減されて心地よく、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
【0029】
また、この身体摩擦用布体8を当てた部分に、施術者が布10aまたは布手袋10bを用いて身体摩擦用布体8を加圧摺動する。この身体摩擦用布体8の外側から矢印方向に回転しながら加圧摺動し、この繰り返しで加圧摺動する。このようにしてマッサージし、被施術者1のそっとなでたところではリンパの流れがよくなり、老廃物の除去や筋肉に溜まる疲労物質の排除などですべすべしっとりとなり、またさすり等のタッチがやさしく、心地よく、きめの細かいつやの良い肌になり、美容、健康に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明は、美容、健康などに好適なマッサージに適用可能であり、施術がしやすい上に軽くそっとなでる(さする)だけでいいので、施術者の体に負担なく施術者にとっても、健康的であり、またオイルまたはジェル等など無駄にする必要とするものがないので経済的であり、かつ面倒がなくなり、施術される側には美容、健康などに好適で、施術する側には経済的、健康的である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施の形態のマッサージを施す状態を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のマッサージを施す状態を示す図である。
【図3】第3の実施の形態のマッサージを施す状態を示す正面図である。
【図4】第3の実施の形態のマッサージを施す状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 被施術者
1a 身体表面
1b 着衣状態
2 寝台
3,4 ,5,6,7,8身体摩擦用布体
10a 布
10b 布手袋



【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体表面または着衣状態で身体摩擦用布体を当て、
施術者が、布または布手袋を用いて前記身体摩擦用布体を加圧摺動することを特徴とするマッサージ。
【請求項2】
前記布または前記布手袋は、一重以上であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ。
【請求項3】
前記身体摩擦用布体、及び前記布または前記布手袋は、絹または合成繊維が用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−28387(P2009−28387A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196927(P2007−196927)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(507255949)
【Fターム(参考)】