説明

マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現する方法及びシステム

本発明は、マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現する方法及びシステムを提供して、従来技術ではマルチメディア広告を介してサーバにアクセスできない不具合を解決する。本発明の方法は、A.ユーザ端末は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析、再生する(S101)。B.ユーザ端末は、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする(S102)。また、本発明は、マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現するシステムを提供する。本発明は、マルチメディアにおけるインタラクティブ情報を介するサーバアクセスに適用し、ユーザの取引操作をより便利、迅速にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信技術分野、特にマルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信の急速な発展に伴い、ユーザ端末の機能は日増しに強化されている。ユーザ端末はオンライン閲覧、デジタル写真撮影、テレビ放送及びネットワークビデオ放送等をサポートし、また、ユーザがユーザ端末を介してネットワーク取引を行い、オンライン振替等の操作を実行できる。
【0003】
目下、多くのインターネットサービス提供業者にとって、広告は主な収入源であるので、多くのユーザ端末で再生されるマルチメディアファイルは広告宣伝情報である。上記ユーザ端末としては、携帯電話、コンピュータやテレビ等が挙げられる。しかしながら、ユーザはこれらのユーザ端末を介してマルチメディアファイルを見るとき、ユーザ端末がマルチメディアファイルの再生のみをサポートし、マルチメディアファイル再生時、ユーザのトリガをサポートしないので、ユーザは該広告情報を見ながらユーザ端末を介して接続して広告関連サービス提供サーバにアクセスすることができない。それどころか、ウェブサイトにログインして展示対象物の関連情報を閲覧するために、手動でウェブサイトアドレスを入力し、購入を決めた後、さらにオンラインバンクにログインして支払いをするためにサーバにアクセスするか、又は別途テレフォンショッピングを行う必要がある。
【0004】
以上を総括すると、従来の技術ではマルチメディア広告を介してサーバにアクセスすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、マルチメディア広告を介してサーバにアクセスできないという従来技術の課題を解決するために、マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現する方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法は、下記ステップを有する。
ステップA.ユーザ端末が、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生する。
B.前記ユーザ端末が、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。
【0007】
ステップAに記載の通信標識を伝達するインタラクティブ情報は、マルチメディアファイルを直接再生することにより表示される。
【0008】
ステップAは下記ステップを有する。
ステップA1.ユーザ端末が、マルチメディアファイルを解析して再生し、解析により通信標識を伝達するインタラクティブ情報を取得し記憶する。
ステップA2.ユーザ端末が、マルチメディアファイルの再生過程中にユーザがインタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したとき、記憶したインタラクティブ情報を第1情報ウィンドウを介して表示する。
【0009】
ステップA1における解析により取得したインタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報及び第2類インタラクティブ情報を含む。ステップA2における第1情報ウィンドウを介して上記インタラクティブ情報を表示するステップは、ユーザ端末が、第1情報ウィンドウ中に第1類インタラクティブ情報を継続的に表示し、又は第1情報ウィンドウ中に第2類インタラクティブ情報を表示し、さらにマルチメディアファイルの再生過程中、現在の第2類インタラクティブ情報を用いて第1情報ウィンドウ中に表示される第2類インタラクティブ情報を更新することを含む。
【0010】
マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式は、TLV形式である。
【0011】
通信標識は、ウェブサイトアドレス情報及び/又は電話番号情報を含む。
【0012】
インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含む。
【0013】
取引情報は、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含む。
【0014】
本発明のシステムは、ユーザ端末及びサーバを備える。ユーザ端末は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生し、さらにユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。 サーバは、ユーザ端末にアクセス接続を提供する。ユーザ端末は、マルチメディアファイル記憶ユニット、マルチメディアプレーヤ及びインタラクティブ情報記憶ユニットを備える。マルチメディアファイル記憶ユニットは、マルチメディアファイルを記憶する。
【0015】
マルチメディアプレーヤは、マルチメディアファイルを解析して再生し、解析によって取得したインタラクティブ情報を表示すると共に、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。インタラクティブ情報記憶ユニットは、マルチメディアファイルを解析して取得した通信標識を伝達するインタラクティブ情報を記憶する。マルチメディアプレーヤは、解析手段、運行手段及びインタラクティブ手段を備える。解析手段はマルチメディアファイルを解析する。運行手段は、マルチメディアファイルを再生し、マルチメディアファイルの再生過程中に、ユーザがインタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したとき、インタラクティブ情報記憶ユニットからユーザが表示を要求するインタラクティブ情報を読取り、第1情報ウィンドウを介してインタラクティブ情報を表示する。インタラクティブ手段は、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。
【0016】
インタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報及び第2類インタラクティブ情報を含む。インタラクティブ情報記憶ユニットは、第1類インタラクティブ情報を記憶するための第1記憶手段と、第2類インタラクティブ情報を記憶するための第2記憶手段とを備える。解析手段は、さらに、マルチメディアファイルの解析過程中に解析により取得した現在の第2類インタラクティブ情報を用いて、第2記憶手段中に既に記憶してあった第2類インタラクティブ情報を更新する。運行手段は、第1情報ウィンドウ中に第1類インタラクティブ情報を継続的に表示し、又は第1情報ウィンドウ中に第2類インタラクティブ情報を表示し、さらにマルチメディアファイルの再生過程中に、現在の第2類インタラクティブ情報を用いて、第1情報ウィンドウ中に表示される第2類インタラクティブ情報を更新する。
【0017】
マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式は、TLV形式である。
【0018】
通信標識は、ウェブサイトアドレス及び/又は電話番号情報を含む。
【0019】
インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含む。
【0020】
取引情報は決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザ端末が、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を含むマルチメディアファイルを解析して再生する。そして、ユーザ端末が、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。これにより、ユーザ端末が、サーバにアクセスすることを可能とし、ユーザの取引操作をより便利かつ迅速なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の方法に係る実施形態のフローチャート。
【図3】本発明のシステムに係る実施形態の構成を示す概略図。
【図4】本発明のインタラクティブ情報記憶ユニットにおいて、インタラクティブ情報が記憶される構造を示す略図。
【図5】本発明のインタラクティブ情報記憶ユニットにおいて、AVI形式のインタラクティブ情報が記憶される構造を示す略図。
【図6】本発明のインタラクティブ情報記憶ユニットにおいてインタラクティブ情報中の取引情報サブTLVが記憶される構造を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の主要概念は、ユーザ端末が、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生し、さらにユーザ端末は、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスすることである。さらに、マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式は、TLV形式である。また、通信標識は、ウェブサイトアドレス情報及び/又は電話番号情報を含む。また、インタラクティブ情報は、マルチメディアファイルのヘッダ中、及び/又はマルチメディアファイルの本体中に含有される。また、インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含む。また、取引情報は、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含む。
【0024】
図1に示すように、本発明の方法は、以下のS101.、S102.のステップを有する。
【0025】
S101.ユーザ端末は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生する。
【0026】
ユーザ端末は、例えばGPRS携帯電話、3G携帯電話、4G携帯電話、コンピュータ、PDA、デジタルテレビ等である。ユーザ端末は、オンライン決済、インタネットに基づくユーザ身分認証、ユーザサイン及び電子決済をサポートする。ユーザ端末は、物理ボタン又は論理ボタンをトリガとする広告に関係づけられたポップアップ画面をサポートする。
【0027】
物理ボタンは、それぞれのユーザ端末ごとに異なるものであってもよく、携帯電話の場合は、携帯電話キーボードの1つ又は複数の特定キー、デジタルテレビの場合、リモートコントローラ上の1つ又は複数の物理ボタン、コンピュータの場合、キーボードの1つのファンクションキー又は複数キーの組み合わせ又はマウスのファンクションキーである。論理ボタンは、メディアプレーヤのインターフェース画面上の論理ボタンであり、その機能は、マルチメディアファイルの再生時に、広告中の提示対象の決済画面、広告の選択画面又はメニュ選択画面をポップアップ表示させることである。
【0028】
マルチメディアファイルの形式は、JPEG、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4、MPEG−7、MPEG−21、H.263、H.264又はAVI等である。
【0029】
ユーザ端末によって再生されるマルチメディアファイル中に含有されるインタラクティブ情報は、マルチメディアファイルの作成中に符号化され、マルチメディアファイルの中に書き込まれる。好ましくは、通信標識を伝達するインタラクティブ情報は、マルチメディアファイルの再生時に、第1情報ウィンドウに直接表示される。好ましくは、ユーザ端末は、マルチメディアファイルを解析して再生し、解析により取得した通信標識を伝達するインタラクティブ情報を記憶し、ユーザ端末が、マルチメディアファイルの再生過程中にユーザがインタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したとき、記憶したインタラクティブ情報を第1情報ウィンドウを介して表示する。
【0030】
解析により取得したインタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報及び/又は第2類インタラクティブ情報を含む。そして、第1情報ウィンドウにインタラクティブ情報を表示するステップは、第1類インタラクティブ情報が、第1情報ウィンドウ中に継続的に表示され、第1類インタラクティブ情報の再生過程中に、第2類インタラクティブ情報が、現在第2類インタラクティブ情報を用いて更新され第1情報ウィンドウ中に表示されるステップを含んでいる。
【0031】
マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式は、TLV形式である。通信標識は、ウェブサイトアドレス情報及び/又は電話番号情報を含む。
【0032】
S102.ユーザ端末は、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。
【0033】
ユーザ端末は、第1情報ウィンドウからユーザによってトリガされたインタラクティブ情報を受信し、受信したインタラクティブ情報中に伝達される通信標識を用いてサーバにアクセスする。ユーザ端末は、ユーザによってトリガされた電話番号情報に応じて通話接続を構築するか、又はユーザによってトリガされたウェブサイト情報に応じてサーバにログインする。
【0034】
インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含む。取引情報は、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含む。
【0035】
図2に示すように、本発明の方法に係る実施形態は、以下のS201.乃至S205.のステップを有する。
【0036】
S201.インタラクティブ情報をビデオファイルに符号化して書き込む。
【0037】
ビデオファイルは、如何なる形式のマルチメディアファイルであっても良く、本実施形態ではAVI形式のファイルを例にして説明する。インタラクティブ情報の各々の項目が、TLV(Type-Length-Value)形式でマルチメディアファイルに保存され、また、全ての広告情報が1つのインタラクティブ情報TLV中に集約可能である。
【0038】
インタラクティブ情報は、以下のコンテンツを有する。
業者記述情報:タイプは1バイトの数字、例えば0に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは4バイトの’DISC’に表示されうる。ここでAVI中の英語記述形式をそのまま使用し、`DISC`が英文のvendor descriptionから由来する。
取引情報:タイプは1バイトの数字、例えば1に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは英文記述のbuy addressから由来する4バイトの`BUYA`に表示されうる。このTLVはさらに幾つかのサブTLV、例えば業者アドレス、提示対象の単価や問合せ担当者名(総合司会者名)等のサブTLVを含んでも良い。
販売場所を紹介するウェブサイトアドレス:タイプは1バイトの数字、例えば2に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは英文のpurchaseから由来する4バイトの`PURC`に示されうる。
提示対象詳細情報の掲載ウェブサイトアドレス:タイプは1バイトの数字、例えば3に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは英文のinformationから由来する4バイトの`INFO`に示されうる。
割引販促情報の掲載ウェブサイトアドレス:タイプは1バイトの数字、例えば4に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは英文のdiscountから由来する4バイトの`DCNT`に示されうる。
電話番号情報:タイプは1バイトの数字、例えば5に定義されるか、又は固定長の文字列に定義される。例えば、AVIファイル構造につき、このサブTLVのタイプは英文のtelephone numberから由来する`TELN`に示されうる;電話回線によるダイヤルアップ接続機能をサポートしないユーザ端末については、該項目が自動的に隠され、表示されない。
【0039】
上記全てのインタラクティブ情報が結合して1つのTLVを構成し、そのタイプはインタラクティブ情報TLVである。AVIファイルにつき、インタラクティブ情報はAVIヘッダ中に1つの`COMC`タイプのTLV(又はAVIの呼び方に応じこれをlistと称する)を追加しても良い。このインタラクティブ情報TLVは、各々のサブTLVを含有しても良く、そのうち、業者記述情報サブTLVが、各業者にとって必要不可欠で、同一業者の各サブTLVの中で、第1の位置に置かなければならない。他のサブTLVはオプションであるが、通常各業者には少なくとも1つの他のタイプのサブTLVが必要である。
【0040】
TLV全体は、字幕の書き込み方式のように、ビデオファイルのヘッダ部か、又はビデオファイルの本体中に書き込まれる。TLV全体をビデオファイルヘッダ部に書き込む方式は、簡素であるが、1つのビデオファイルが1つ又は限られた複数の提示対象やサービス情報の広告しかサポートできず、柔軟性に欠ける。TLV全体をビデオファイルの本体中に書き込む方式を採用すると、書き込まれたインタラクティブ情報をビデオファイルの再生に伴いインタラクティブ情報のコンテンツによって更新可能であり、柔軟性がより強くなる。なお、異なるマルチメディアファイルにつき、インタラクティブ情報が異なる書き込み方式を有しても良い。
【0041】
実際には、ビデオファイルがこの両種の書き込み方式をサポートするものとしてもよい。この場合、ビデオファイルのヘッダ部に書き込まれたインタラクティブ情報は、ビデオファイル再生のライフサイクル中に有効であり、ビデオファイルの本体中に書き込まれたインタラクティブ情報は、ビデオファイルの再生に伴い絶えず更新される。
【0042】
S202.ビデオファイル及び該ビデオファイル中に伝達されたインタラクティブ情報を解析する。
【0043】
ビデオファイル中に符号化され書き込まれたインタラクティブ情報は、ビデオファイルごとにユーザ端末のメディアプレーヤによってビデオファイルの再生中に解析され、その解析結果がユーザ端末のインタラクティブ情報記憶ユニットに送信される。
【0044】
S203.インタラクティブ情報中に伝達された業者記述情報を読取り、これを表示する。
【0045】
ユーザに購入意向があるか、又は関連する提示対象又はサービス情報をさらに探したい意向があるとき、ユーザがトリガキーを押下すると、ユーザ端末には1つのインタラクティブインターフェース画面が表示され、ユーザ端末のメディア再生プログラムがインタラクティブ情報記憶ユニット中のコンテンツを読取り、これをインタラクティブインターフェース画面上に表示する。
【0046】
インタラクティブインターフェース画面は、1つのメニューか又は図形選択インターフェースである。このインターフェース又はメニューの具体的なコンテンツは、ステップS201.で符号化され書き込まれたビデオファイルのインタラクティブ情報に依存している。また、インタラクティブインターフェース画面は、多数のレベルのメニュー又はインターフェースであってもよく、この場合、インタラクティブ画面の第1レベルのインターフェースに表示されるものは、業者記述情報、即ち各業者の業者記述情報サブTLV中のコンテンツである。
【0047】
S204.インタラクティブ情報中に伝達された取引情報、販売サイトを紹介するウェブサイトアドレス、提示対象の詳細情報を掲載するウェブサイトアドレス、割引販促の情報を掲載するウェブサイトアドレス及び電話番号情報を読取り、これを表示する。
【0048】
ユーザが1つの業者の業者記述情報を選択した場合、インタラクティブインターフェース画面には第2レベルのメニュー又はインターフェースがポップアップ表示される。第2レベルのメニュー又はインターフェース中のコンテンツは、取引情報、販売サイトを紹介するウェブサイトアドレス、より多くの商品情報を掲載するウェブサイトアドレス、割引販促の情報を掲載するウェブサイトアドレス及び電話番号情報等である。
【0049】
S205.サーバにログインして、オンライン取引を遂行する。
【0050】
ユーザがインタラクティブインターフェース画面の第2レベルのメニュー又はインターフェースから、ある特定の提示対象又はサービス情報に対する操作を選択した後、ユーザ端末はトリガされ、対応する決済銀行のウェブサイト、商品情報を掲載するウェブサイト等に接続されると、インタラクティブインターフェース画面にはブラウザインターフェースが自動的に表示される。これは、ブラウザのウェブサイトアドレスがユーザ端末によって自動的に入力され、ブラウザがインターネットを介して自動的に対応するインターネットウェブサイトにログインすることにより実現される。これにより、ユーザは、表示されたブラウザインターフェースを介して対応する操作を実行でき、オンライン取引を遂行できる。
【0051】
電話に対するダイヤリングをサポートするユーザ端末については、さらにユーザによってトリガされた電話番号情報により直接通話接続を構築可能となる。
【0052】
図3に示すように、本発明のシステムは、ユーザ端末30及びサーバ31を具備する。
ユーザ端末30は、マルチメディアファイル記憶ユニット301、メディア(媒体)プレーヤ302及びインタラクティブ(インタラクション)情報記憶ユニット303を備える。メディアプレーヤ302は、解析手段3021、運行手段3022及びインタラクティブ(インタラクション)手段3023を備える。 インタラクティブ情報記憶ユニット303は、第1記憶手段3031及び/又は第2記憶手段3032を備える。
【0053】
ユーザ端末30は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生し、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバ31にアクセスする。サーバ31は、ユーザ端末30にアクセス接続を提供する。
【0054】
マルチメディアファイル記憶ユニット301は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを記憶する。本システムの実施形態では、マルチメディアファイルは、AVIファイル形式のビデオファイルである。現在のところマルチメディアファイルは、通常TLV構造又はTLVに類似する構造が採用されているので、各種類のマルチメディアファイルは、インタラクティブ情報の記憶に適合する。インタラクティブ情報は、ビデオファイルのヘッダ中、及び/又はビデオファイルの本体中に含有される。
【0055】
AVI形式のビデオファイルについて、インタラクティブ情報をマルチメディアファイル中に書き込むために、以下に示す2つの方策を適用することができる。
【0056】
方策1:インタラクティブ情報をビデオファイルのヘッダ中に書き込み、インタラクティブ情報が1つの新規リスト(AVIファイル形式においてTLVは`COMC`リストと称され、`COMC`リストはAVIの`hdrl`リスト中の`avih` チャンクの後に書き込まれる)を構成し、この手法においては、ビデオファイル全体の再生過程中に、インタラクティブ情報は固定されており、ビデオファイルの再生に伴い変化することがない。
【0057】
方策2:字幕表示用の`txts`ストリームと類似する手法で、インタラクティブ情報をビデオファイルの本体中に書き込み、インタラクティブ情報に対して1つの広告情報ストリームを追加することができる。広告情報ストリームは、`txts`ストリームのように動的に変更可能であり、広告情報ストリームは、インタラクティブ情報によって構成されるTLVをロードするために用いられる。この様式によってサポートされるインタラクティブ情報は、ビデオファイルの再生過程中に動的に変化する。
【0058】
メディアプレーヤ302は、マルチメディアファイルを解析して再生し、解析によって取得したインタラクティブ情報を表示し、自動的又はユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバ31にアクセスする。インタラクティブ情報記憶ユニット303は、マルチメディアファイルを解析して取得した通信標識を伝達するインタラクティブ情報を記憶する。
【0059】
図4は、インタラクティブ情報記憶ユニット303に記憶されているインタラクティブ情報の構造の概略を示す。図5は、AVI形式におけるインタラクティブ情報の記憶構造の概略を示す。本実施形態では、インタラクティブ情報は、業者記述情報、取引情報、割引情報、クーポン発行情報及び販売アドレス情報を含む。
【0060】
取引情報は、銀行のウェブサイトアドレス情報、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称、提示対象の単価情報及び電話番号情報を含む。取引情報サブTLVの構造は、図6に示される。複数のサブTLVは、取引情報サブTLVに包含される。オンライン銀行のウェブサイトアドレスのサブTLVのAVIタイプは、BKAD(bank Address)である。銀行口座サブTLVのAVIタイプは、BKAC(bank Account)である。業者名称サブTLVのAVIタイプは、VEND(vendor)である。提示対象の名称サブTLVのAVIタイプは、PROD(product)である。提示対象の単価サブTLVの AVIタイプは、PRIC(price)である。
【0061】
インタラクティブ情報記憶ユニット303中のコンテンツを修正するとき、ロックを条件とする必要がある。このとき、如何なるプログラムもコンテンツへのアクセスを許されず、待つほかはない。メディアプレーヤ302のみがインタラクティブ情報記憶ユニット303中のコンテンツを修正する権限を有する。
【0062】
インタラクティブ情報記憶ユニット303は如何なる記憶媒体に配置されていてもよく、記憶容量のサイズは、広告情報をサポートする項目数に依存し、記憶領域は、各項目によって占められる。インタラクティブ情報は、マルチメディアファイルに書き込まれる様式の相違に応じて、第1類インタラクティブ情報と第2類インタラクティブ情報に分類される。マルチメディアファイルのヘッダ中に書き込まれたインタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報とされ、マルチメディアファイルの本体中に書き込まれたインタラクティブ情報は、第2類インタラクティブ情報とされる。
【0063】
解析手段3021は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するビデオファイルを解析し、解析後の通信標識を伝達するインタラクティブ情報をインタラクティブ情報記憶ユニット303に送信する。このとき、解析により取得した第1類インタラクティブ情報は、第1記憶手段3031に送信され、解析により取得した第2類インタラクティブ情報は、第2記憶手段3032に送信される。
【0064】
第1記憶手段3031は、解析後の第1類インタラクティブ情報を記憶する。この第1類インタラクティブ情報は、解析手段3021がビデオファイルの解析を開始する時点で、解析されて記憶される。第2記憶手段3032は、解析後の第2類インタラクティブ情報を記憶し、自らが記憶した第2類インタラクティブ情報を、現在受信した解析後の第2類インタラクティブ情報に応じて更新する。
【0065】
運行手段3022は、マルチメディアファイルを再生すると共に、マルチメディアファイルの再生過程中に、ユーザがインタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したとき、インタラクティブ情報記憶ユニット30からユーザが表示を要求するインタラクティブ情報を読み取り、第1情報ウィンドウを介してそのインタラクティブ情報を表示する。さらに、第1情報ウィンドウ中に第1類インタラクティブ情報を継続的に表示するか、第1情報トリガウィンドウ中に第2類インタラクティブ情報を表示する。さらにマルチメディアファイルの再生過程中に、第1情報トリガウィンドウ中に表示される第2類インタラクティブ情報を、現在の第2類インタラクティブ情報を用いて更新する。第1類インタラクティブ情報と第2類インタラクティブ情報は、必要に応じて単独に存在してもよい。また、詳細な具体例は、上述したものと同様なので、ここで説明を省略する。
【0066】
インタラクティブ手段3023は、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバ31にアクセスする。例えば、ユーザがインタラクティブ手段3023を介して決済銀行のウェブサイトにアクセスした後、運行手段3022が製造者又は業者の名称、商品名称、商品単価、購入個数及び銀行口座等が示されるオンライン銀行の電子決済インターフェース画面を表示させる。これにより、ユーザは、購入個数等の情報の入力だけを要求される。
【0067】
以上を総括すると、本発明は、インタラクティブ情報に提示対象又はサービスの情報に関連するインタラクティブ情報、例えば取引情報、売り主のウェブサイトアドレス、割引ウェブサイト、問合せ電話等を追加する。これらのインタラクティブ情報を通じて、ユーザは、インターネット又は電話を介して便利に、業者、製造者又はサービスプロバイダー(ウェブサービスプロバイダーや銀行等を含む)と直接連絡でき、ユーザの操作が非常に容易なもののとなる。この点が従来の広告形態と相違している。従来の広告形態は、通常一方的となり、広告コンテンツが純粋な広告であり、ユーザが広告を見た後、興味のあるコンテンツにつき記憶又は記録する必要があり、ユーザにとって、広告の観賞と広告中の提示対象に対する支払いが別々の操作となっている。
【0068】
本発明によるメディアプレーヤは、一方では新規に追加された広告情報TLVを解析しつつ、他方では、ユーザによるトリガをサポートし、ユーザは購入意欲があるか又は提示対象についてさらなる情報を見つけ出す意向があるとき、ユーザ端末のキー押下、表示ディスプレイへのタッチ、メディアプレーヤにおけるファンクションキーのクリック、又はこれらの動作の組み合わせによって、メディアプレーヤに自動的に選択インターフェース画面をポップアップ表示させる。この選択インターフェース画面は、メニュー選択インターフェース画面であっても良く、パネル選択インターフェース画面であっても良い。
【0069】
ユーザが選択インターフェース画面を介して1回又は複数回の選択を行った後、選択インターフェース画面には自動的にブラウザがサーバにログインする画面が表示され、ユーザが関連するオンライン決済又はウェブアクセスを行うことができるようになる。携帯電話等のユーザ端末については、さらに通話接続を設立できる。従って、本発明の技術手法によると、ユーザがウェブサイト情報又は電話番号を手動で入力する必要がなくなり、ユーザの操作を容易なものとすることができる。
【0070】
本発明によれば、メディア広告とユーザによる電子決済とが結合される。割引セール情報を見た後、ユーザが直ぐに購入を決意することができる。関連づけられた広告コンテンツの観賞から購入決定、決済までのプロセス全体が迅速に完成可能となる。購入意欲又は提示対象についてさらなる情報を見つけ出す意向のないユーザに関しては、再生過程中にマルチメディアファイルは、如何なるコンテンツもポップアップ表示しない。これにより、本発明の技術手法を用いることにより、ユーザの購入操作をより一層便利なものとすることができる。
【0071】
本分野の技術者が本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明に対して種々の修飾や変形を行うことは可能であるが、本発明に対するこれらの修飾や変形は、本発明の請求項の技術範囲内にあり同等であれば、本発明はこれらの修飾や変形を含むのは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現する方法において、以下のステップを有することを特徴とする方法。
ステップA.ユーザ端末が、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生する。
ステップB.前記ユーザ端末が、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスする。
【請求項2】
前記ステップAにおける前記通信標識を伝達するインタラクティブ情報は、前記マルチメディアファイルの再生時に直接第1情報ウィンドウに表示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップAは、以下のステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
ステップA1.前記ユーザ端末が、前記マルチメディアファイルを解析して再生し、解析により前記通信標識を伝達するインタラクティブ情報を取得し記憶する。
ステップA2.前記ユーザ端末が、前記マルチメディアファイルの再生過程中にユーザが前記インタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したとき、記憶した前記インタラクティブ情報を第1情報ウィンドウを介して表示する。
【請求項4】
前記インタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報及び/又は第2類インタラクティブ情報を含み、
前記第1類インタラクティブ情報は、前記第1情報ウィンドウ中に継続的に表示され、
前記第2類インタラクティブ情報は、前記マルチメディアファイルの再生過程中に、現在の第2類インタラクティブ情報によって更新され、第1情報ウィンドウ中に表示されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式は、TLV形式であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記通信標識は、ウェブサイトアドレス情報及び/又は電話番号情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記取引情報は、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
マルチメディアを介してインタラクティブ情報を実現するシステムにおいて、
ユーザ端末及びサーバを備え、
前記ユーザ端末は、通信標識を伝達するインタラクティブ情報を有するマルチメディアファイルを解析して再生し、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、サーバにアクセスし、
前記サーバは、前記ユーザ端末にアクセス接続を提供することを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記ユーザ端末は、マルチメディアファイル記憶ユニット、メディアプレーヤ及びインタラクティブ情報記憶ユニットを備え、
前記マルチメディアファイル記憶ユニットは、マルチメディアファイルを記憶し、
前記メディアプレーヤは、前記マルチメディアファイルを解析して再生し、解析によって取得したインタラクティブ情報を表示すると共に、ユーザによるインタラクティブ情報中に伝達された通信標識のトリガに基づいて、前記サーバにアクセスする。
前記インタラクティブ情報記憶ユニットは、前記マルチメディアファイルを解析して取得した通信標識を伝達するインタラクティブ情報を記憶することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記メディアプレーヤは、解析手段、運行手段及びインタラクティブ手段を備え、
前記解析手段は、マルチメディアファイルを解析し、
前記運行手段は、前記マルチメディアファイルを再生し、前記マルチメディアファイルの再生過程中に、自動的に又はユーザが前記インタラクティブ情報の表示を要求する旨のトリガ信号を受信したときに、インタラクティブ情報記憶ユニットからユーザが表示を要求する前記インタラクティブ情報を読取り、第1情報ウィンドウを介して前記インタラクティブ情報を表示し、
前記インタラクティブ手段は、ユーザによる前記インタラクティブ情報中に伝達された前記通信標識のトリガに基づいて、前記サーバにアクセスすることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記インタラクティブ情報は、第1類インタラクティブ情報及び/又は第2類インタラクティブ情報を含み、
前記インタラクティブ情報記憶ユニットは、前記第1類インタラクティブ情報を記憶するための第1記憶手段及び/又は前記第2類インタラクティブ情報を記憶するための第2記憶手段を備え、
前記解析手段は、さらにマルチメディアファイルの解析過程中に、第1類インタラクティブ情報を記憶し、及び/又は解析により取得した現在の第2類インタラクティブ情報を用いて前記第2記憶手段に既に記憶してあった第2類インタラクティブ情報を更新し、
前記運行手段は、前記第1情報ウィンドウ中に第1類インタラクティブ情報を継続的に表示し、及び/又は前記第1情報ウィンドウ中に前記第2類インタラクティブ情報を表示すると共に、マルチメディアファイルの再生過程中に、現在の第2類インタラクティブ情報を用いて第1情報ウィンドウ中に表示される第2類インタラクティブ情報を更新することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マルチメディアファイル中のインタラクティブ情報の形式はTLV形式であることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記通信標識は、ウェブサイトアドレス及び/又は電話番号情報を含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記インタラクティブ情報は、さらに業者記述情報、取引情報、割引情報及びクーポン発行情報の中から1種又は数種を含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記取引情報は、決済銀行の口座情報、業者名称、提示対象の名称及び提示対象の単価情報の中から1種又は数種を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−515309(P2010−515309A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543326(P2009−543326)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/CN2007/003446
【国際公開番号】WO2008/080293
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(507287744)北京握奇数据系統有限公司 (5)
【氏名又は名称原語表記】BEIJING WATCH DATA SYSTEM CO, LTD.
【Fターム(参考)】