説明

マルチメディアファイルを編集する方法およびシステム

【課題】DLNAシステムのプレーヤーを使用することによって、マルチメディアファイルを編集できる方法およびシステムを提供する。
【解決手段】マルチメディアファイルを編集するための方法およびシステムが提供され、そのうち、マルチメディアファイルがサーバーによって提供され、クライアントデバイスにより編集されて再生される。この方法中、サーバーにより提供されるマルチメディアファイルがダウンロードされて再生される。マルチメディアファイルを編集するために少なくとも1つの編集操作が受信される。編集操作がサーバーの識別できる複数の編集コマンドに変換される。編集コマンドがサーバーへ送信されて、それに従いサーバーがマルチメディアファイルを変更するようリクエストされる。変更されたマルチメディアファイルが再びサーバーからダウンロードされるとともに、再生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般にファイルを編集する方法およびシステムに関し、特に、マルチメディアファイルを編集する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルリビングネットワーク連盟(Digital Living Network Alliance = DLNA)は、ユニバーサルプラグアンドプレイ(Universal Plug and Play = UPnP)技術に基づいた1セットの産業標準を提供し、デジタルマルチメディア内容が統合されて、マルチメディアファイル(例えば、ピクチャー・ミュージック・ビデオおよびプレイリストなど)がDLNA認証機器間で便利に共有できる。
【0003】
DLNA認証機器は、デジタルメディアサーバー(Digital Media Servers = DMS)・デジタルメディアプレーヤー(Digital Media Players = DMP)・デジタルメディアコントローラー(Digital Media Controllers = DMC)およびデジタルメディアレンダラ(Digital Media Renderers = DMR)を含む。例えば、DMSがマルチメディアファイルの記述ファイル(description file)をDMPまたはDMCへ送ってDMPを介してマルチメディアファイルを再生あるいはDMCを介してDMR上でマルチメディアファイルを再生する。前記した機器(デバイス)が共通言語において共通チャネルを介して互いにコミュニケートするので、マルチメディアデータがこれらの機器(デバイス)間で如何なる追加的なドライバーをインストールまたは如何なる特殊なケーブルも使用することなく共有できる。
【0004】
現在のDLNA規格に従って、ユーザーは、DMPを使用することによってDMSからマルチメディアファイルを読むことができ、マルチメディアファイル(例えば、ピクチャー・ミュージック・ビデオおよびプレイリストなど)を便利に共有することができる。あるいは、ユーザーは、DMPを使用することによりマルチメディアファイルをアップロードまたはダウンロードすることができ、マルチメディアファイルをDMSもしくは別なDMPにコピーできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、DMPは、上記した全ての情況において如何なるマルチメディアファイルの内容も編集または変更することができないとともに、マルチメディアファイルを単純に読み出し及びコピーすることだけでは、ユーザーの要求を満足させることができない。そこで、DMPは、DLNAシステムの機能性を完全なものとするために、マルチメディアファイルの内容を編集および変更する機能を備えなければならない。
【0006】
そこで、この発明の目的は、デジタルリビングネットワーク連盟(Digital Living Network Alliance = DLNA)システムのプレーヤーを使用することによって、マルチメディアファイルを編集できる方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、マルチメディアファイル編集方法を提供し、そのうち、サーバーにより提供されるマルチメディアファイルがクライアントデバイスによって編集かつ再生される。マルチメディアファイル編集方法中、サーバーにより提供されるマルチメディアファイルが先ずダウンロードかつ再生される。そして、少なくとも1つの編集操作がマルチメディアファイルを変更するために受信されるとともに、編集操作がサーバーの識別できる複数の編集コマンドに変換される。次に、編集コマンドがサーバーへ送信されて、サーバーにマルチメディアファイルを変更するようリクエストされる。結果として、変更されたマルチメディアファイルがサーバーから再びダウンロードされるとともに、再生される。
【0008】
この発明の実施態様に従い、上記した編集操作がサーバーの識別できる複数の編集コマンドに変換されるステップの前に、この方法が更に各編集コマンドの識別コードおよび編集コードを定義し、そのうち、識別コードが編集されるマルチメディアファイルを指示するとともに、編集コードが実行される編集操作を指示する。
【0009】
この発明の実施態様に従い、編集コマンドの各識別コードおよび編集コードを定義するステップが更に編集コマンドの各新規ファイルコードを定義し、そのうち、編集コマンドが実行された後に、新規ファイルコードが新規マルチメディアファイルが生成されてオリジナルマルチメディアファイルに上書きされた否かを指示することを含む。
【0010】
この発明の実施態様に従い、編集コマンドを前記サーバーへ送信して、サーバーにマルチメディアファイルを変更するようリクエストするステップの後で、更に管理コマンドをサーバーに送信してサーバーが編集コマンドの実行を終了したか否か質問するとともに、サーバーが前記編集コマンドの実行を終了した時、サーバーから変更されたマルチメディアファイルを再びダウンロードおよび再生することを含む。
【0011】
この発明の実施態様に従い、サーバーによって提供されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するステップが、クライアントデバイスのデジタルメディアコントローラー(DMC)を使用することによって、デジタルメディアレンダラ(DMR)をコントロールしてサーバーにより提供されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生することを含む。
【0012】
この発明の実施態様に従い、編集コマンドをサーバーへ送信してサーバーにマルチメディアファイルを変更するようリクエストするステップが、クライアントデバイスのDMCを使用することによって、DMRをコントロールして編集コマンドをサーバーへ送信して、前記サーバーにマルチメディアファイルを変更するようリクエストすることを含む。
【0013】
この発明の実施態様に従い、サーバーから変更されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するステップが、クライアントデバイスのDMCを使用することによって、DMRをコントロールして変更されたマルチメディアファイルをサーバーから再びダウンロードかつ再生することを含む。
【0014】
この発明は、サーバーとクライアントデバイスとを含むマルチメディアファイル編集システムを提供する。サーバーが複数のマルチメディアファイルを保存し、マルチメディアファイルに対応する再生リクエストに基づいてマルチメディアファイルの1つを提供する。クライアントデバイスがネットワークユニットと再生(プレイ)ユニットと変換ユニットとを含む。ネットワークユニットがネットワーク介してサーバーに接続される。再生(プレイ)ユニットがネットワークを介してサーバーへ再生リクエストへ送信し、サーバーにより提供されるマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する。入力ユニットがマルチメディアファイルを変更するための少なくとも1つの編集操作を受信する。変換ユニットが編集操作を前記サーバーの識別できる複数の編集コマンドに変換する。ここで、編集コマンドがネットワークを介してサーバーへ送信されて、サーバーにマルチメディアファイルを変更するようリクエストするとともに、再生(プレイ)ユニットがネットワークを介して変更されたマルチメディアファイルをサーバーから再びダウンロードかつ再生する。
【0015】
この発明の実施態様に従い、変換ユニットが更に各編集コマンドの識別コードおよび編集コードを定義し、そのうち、識別コードが編集されるべきマルチメディアファイルを指示しするとともに、編集コードが実行されるべき編集操作を指示する。
【0016】
この発明の実施態様に従い、変換ユニットが更に編集コマンドの新しい各ファイルコードを指示し、そのうち、新しいファイルコードが編集コマンドが実行された後で新しいマルチメディアファイルを生成して元のマルチメディアファイルに上書きするか否かを指示する。
【0017】
この発明の実施態様に従い、再生ユニットが更に管理コマンドをネットワークを介してサーバーへ送信してサーバーが編集コマンドの実行を終了したか否か質問するとともに、サーバーが編集コマンドの実行を終了した時、再生ユニットが更にサーバーから再び変更されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する。
【0018】
この発明の実施態様に従い、クライアントデバイスがDMRとDMCとを備え、DMRがマルチメディアファイルを再生し、DMCがDMRをコントロールしてサーバーによって提供されるマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する。
【0019】
この発明の実施態様に従い、DMCが更にDMRをコントロールして編集コマンドをサーバーへ送信し、マルチメディアファイルを変更するようリクエストする。
【0020】
この発明の実施態様に従い、DMCが、更に、DMRをコントロールしてサーバーから変更されたマルチメディアファイルを再びダウンロードするとともに再生する。
【0021】
この発明の実施態様に従い、編集コマンドがサーバーにマルチメディアファイルに対してサイズ変更・回転・輝度調整・色収差調整・画像処理または画像切り取りを実施するよう指示する。
【0022】
この発明の実施態様に従い、サーバーがデジタルリビングネットワーク連盟(DLNA)のデジタルメディアサーバー(DMS)であり、クライアントデバイスがDLNAシステムのデジタルメディアプレーヤー(DMP)またはDMCである。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、この発明により提供されるマルチメディアファイルを編集するための方法およびシステムにおいて、ユーザーがマルチメディアファイルに対して実施した編集操作がサーバーの識別できる編集コマンドに変換され、かつ編集コマンドがサーバーへ送信されて、サーバーがマルチメディアファイルを変更するよう指示する。それにより、DLNAシステム中のDMPがマルチメディアファイルを編集することを許される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の第1実施形態に係るマルチメディアファイル編集システムを示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集法を示す流れ図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる編集コードマッピングテーブルを示す説明図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる編集コマンドの見本を示す説明図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる管理コードマッピングテーブルを示す説明図である。
【図6】この発明の実施形態にかかるフォーマットコードマッピングテーブルを示す説明図である。
【図7】この発明の実施形態にかかるファイル変換コマンドの見本を示す説明図である。
【図8】この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集システムを示すブロック図である。
【図9】この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
この発明は、デジタルリビングネットワーク連盟(Digital Living Network Alliance = DLNA)システムのそれとは異なる共有概念を提供し、そのうち、DLNA認証デジタルメディアプレーヤー(Digital Media Players = DMP)がマルチメディアファイル編集機能の提供を許されるとともに、ユーザーが実際の必要性に従ってマルチメディアファイルの内容を変更でき、かつマルチメディアファイルを他のユーザーと共有できる。それにより、マルチメディアファイル管理の目的が達成される。
【0026】
図1は、この発明の第1実施形態にかかるマルチメディアファイル編集システムを示すブロック図である。図1において、この実施形態のマルチメディアファイル編集システム100は、例えば、DLNAシステムであるとともに、それがサーバー110とクライアントデバイス120とを含む。サーバー110およびクライアントデバイス120の機能は、それぞれ以下に説明する。
【0027】
サーバー110は、例えば、DLNA認証デジタルメディアサーバー(Digital Media Server = DMS)である。サーバー110が任意の形式の固定またはランダムアクセスメモリー(Random Access Memory = RAM)・リードオンリーメモリー(Read-only Memory = ROM)・フラッシュメモリー(Flash Memory)・ハードディスクあるいは類似した装置を含むとともに、複数のマルチメディアファイルを保存し、マルチメディアファイルがイメージファイル・オーディオファイルおよびビデオファイルを含む。サーバー110は、クライアントデバイス120から受信したプレイリクエストに従って、保存したマルチメディアファイルをサーチし、かつマルチメディアファイルをクライアントデバイス120へ提供して再生させる。
【0028】
クライアントデバイス120は、例えば、DLNA認証DMP(Digital Media Player)・デジタルメディアコントローラー(Digital Media Controller = DMC)・モバイルDMP(MDMP)または類似の機能を有するプレーヤーおよびコントローラーである。クライアントデバイス120がネットワークユニット122と再生ユニット124と入力ユニット126と変換ユニット128とを含む。ネットワークユニット122は、ネットワークを介してサーバー110に接続される。再生ユニット124は、サーバー110にリクエストされた再生をネットワークを介して送信して、マルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するよう構成されている。入力ユニット126は、例えば、マウス・キーボードまたはリモートコントローラーであるとともに、ユーザーによりマルチメディアファイルに対して実施された編集操作を受信するよう構成されている。変換ユニット128は、編集操作をサーバー110が識別できる複数の編集コマンドに変換するように構成されている。前記編集コマンドは、ネットワークを介してサーバー110へ送信されて、それに従いサーバー110にマルチメディアファイルを変更するよう指示する。サーバー110がマルチメディアファイルの変更を終了した後、再生ユニット124がネットワークを介してサーバー110から変更されたマルチメディアファイルをダウンロードするとともに、変更されたマルチメディアファイルを再び再生する。
【0029】
注意すべきことは、この実施形態中、クライアントデバイス120により発行された編集コマンドに対応してサーバー110がマルチメディアファイル編集機能を提供するとともに、DLNAシステムの仕様書に基づいて、サーバー110は、例えば、DMP(Digital Media Player)またはDMC(Digital Media Controller)であることである。この発明は、2タイプのサーバーそれぞれに対応するマルチメディアファイル編集方法を提供するものであり、以下、マルチメディアファイル編集方法がそれぞれ実施形態を参考にしながら詳細に記述される。
【0030】
図2は、この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集方法を示す流れ図である。図2において、この実施形態中、マルチメディアファイル編集方法は、図1に説明したマルチメディアファイル編集システム100に適用できるものであり、クライアントデバイス120がDMP(Digital Media Player)であるとともに、マルチメディアファイルをサーバー110からダウンロードし、かつマルチメディアファイルを外部ディスプレイにおいて再生する。以下、この実施形態のマルチメディアファイル編集方法は、図1を参考として詳細に記述される。
【0031】
先ず、ネットワークを介してネットワークユニット122によりクライアントデバイス120がサーバー110に接続されるとともに、再生ユニット124がネットワークを介して再生リクエストをサーバー110に送って、サーバー110により提供されるマルチメディアファイルがダウンロードかつ再生される(ステップS202)。ここで、再生リクエストを送信する前に、クライアントデバイス120は、例えば、先にサーバー110がマルチメディアファイル編集機能を支援するか否か又はそのような機能を支援する範囲を問い合わせして、ユーザーによって実行される編集操作がサーバー110により受け入れられるか否か確定する。
【0032】
そして、入力ユニット126がサーバー110からマルチメディアファイルを変更するための少なくとも1つの編集操作を受信する(ステップS204)とともに、変換ユニット128が編集操作をサーバー110の識別できる複数の編集コマンドに変換する(ステップS206)。この実施形態中、多くのコマンドがDLNAプロトコルに加えられているとともに、ユーザーがDMP(Digital Media Player)上でイメージ・ミュージックまたはビデオを編集する時、DMPがユーザーの操作をサーバー110の識別できる1セットの編集コマンドに変換し、かつ実行されるべき1セットの編集コマンドをサーバー110に提供する。
【0033】
具体的には、変換ユニット128が各編集コマンドのために識別コードおよび編集コードを定義し、そのうち、識別コードが編集されるべきマルチメディアファイルを指示するとともに、編集コードが実行されるべき編集操作を指示する。また、変換ユニット128が各編集コマンドのために新しいファイルコードを定義し、そのうち、新しいファイルコードは、編集コマンドが実行された後に新しいマルチメディアファイルを生成して元のマルチメディアファイルに上書きするか否かを指示する。ここで、編集コマンドの編集コードがマルチメディアファイル上でサーバー110により実施される複数の編集機能を指示する。
【0034】
図3は、この発明の実施形態にかかる編集コードマッピングテーブルを示す説明図である。図3において、この実施形態中のマッピングテーブル300は、編集コード0003-0303に対応して順番にサイズ変更(resizing)・回転(rotating)・輝度調整(brightness adjustment)・色収差調整(chromatic aberration adjustment)・画像処理(image processing)および画像切り取り(image clipping)機能を列挙している。図4は、この発明の実施形態にかかる編集コマンドの見本を示す説明図である。図4において、この実施形態の編集コマンド400中、マルチメディアファイルの識別コード(即ち、object ID)が8/12と命名されたイメージファイルとして設定され、その編集コード(即ち、Action Value)が90°時計回りに対応する0005および輝度5度増加に対応する0008、ならびに新しいファイルコード(即ち、CreateNewObject)が0(ゼロ)に設定される(元のイメージファイルが変更されたイメージファイルによって上書きされることが指示されている)。
【0035】
ある実施形態中、ユーザーがDMP(Digital Media Player)を使ってDMS(Digital Media Servers)上でイメージを見る時、もしもユーザーがイメージを90°回転させ、イメージを鮮明にし、イメージの輝度を増加させ、ペイントブラシの色を調整し、または特定エリアの色を変えたいならば、DMP(Digital Media Player)が先ずディスプレイ上に対応して変更されたイメージ効果をディスプレイする。ユーザーは、ディスプレイ上の編集効果を見ることができるとともに、現在の編集結果を保持するか又はイメージの元の状態を回復させるか決定する。
【0036】
別な実施形態中、ユーザーがDMPを使ってDMS上でミュージックを再生する時、もしもユーザーがミュージックの一部を削除するとともに、他のミュージックの断片をコピーしたいならば、DMPが最初に対応する変更されたミュージック効果を再生する。ユーザーは、編集結果を聴くことができるとともに、現在の編集結果を保持するか又は元の状態のミュージックを回復するかを決定することができる。
【0037】
変換ユニット128によって変換される編集コマンドは、ネットワークを介してサーバー110に送られ、それに従ってサーバー110にマルチメディアファイルの変更が指示される(ステップS208)。ここで、サーバー110が編集コマンドを受信した後、編集コマンドの識別コードに従い保存された対応するマルチメディアファイルを発見するとともに、編集コマンドの編集コードに従って対応する編集操作を実行する。
【0038】
サーバー110が編集コマンドの実行を終了した後、再生ユニット124がサーバー110から変更されたマルチメディアファイルをダウンロードするとともに、変更されたマルチメディアファイルを再び再生する(ステップS210)。具体的には、再生ユニット124が管理コマンドをサーバー110へ送って、サーバー110が編集コマンドの実行を終了したか否か質問するとともに、もしも編集コマンドが実行されたと確認されたら、再生ユニット124が変更されたマルチメディアファイルをサーバー110から再びダウンロードし、かつ再生する。ここで、再生ユニット124は、例えば、一定間隔で編集コマンドの完了するまでサーバー110へ管理コマンドを送ってサーバー110が編集コマンドの実行を終了したか否か質問する。その後、再生ユニット124が変更されたマルチメディアファイル再びサーバー110からダウンロードするとともに、再生する。
【0039】
詳細には、マルチメディアファイルの内容を管理するために、この実施形態中、管理コマンドがDLNAプロトコルに加えられる。管理コマンドは、例えば、識別コードおよび管理コードを含み、そのうち、識別コードが編集されるマルチメディアファイルを指示し、かつ管理コードが実行される管理操作を指示する。
【0040】
図5は、この発明の実施形態にかかる管理コードマッピングテーブルを示す説明図である。図5において、この実施形態中のマッピングテーブル500は、順番に異なる管理コードに対応する管理操作を列挙しており、そのうち、管理コード0000がDMS(Digital Media Servers)上のフォルダーおよびファイルを閲覧する(browsing)権限を与えられること、共有されるプロパティーを増加すること又は共有されるプロパティーを削除することを表し;管理コード0001が先の編集操作を取り消しマルチメディアファイルをその元の状態に回復させることを表す。管理コード0002がDMSに編集操作を終了したか否かを質問して、マルチメディアファイルを再び同期してマルチメディアファイルを再生するか否かを確認することを表す。管理コード0003がその支援する編集操作のタイプを回答するようにリクエストして、ユーザーがそれに従ってマルチメディアファイルを編集できるようにする。管理コード0004が十分な権限を前提に共有するサーバー内容の管理を表す。管理コード0005が十分な権限を前提に各プレーヤーまたはレンダラ(renderer 呈示器)に対するサーバーの権限管理を表す。管理コード0006が十分な権限を前提にマルチメディアファイルのフォーマットを編集することを表す。前記した管理コマンドを通じて、ユーザーは、実際の必要性に従い常に異なる管理操作(例えば、権限設定、先の変更を取り消すこと、編集コマンドの実行が終了したか否か質問すること及びサーバーにおけるマルチメディアファイルの共有を管理すること)を実施することができる。
【0041】
ある実施形態中、DMS(Digital Media Servers)がマルチメディアファイルの変換をサポートする時、DMP(Digital Media Player)は、DMSにマルチメディアファイル(例えば、イメージ、ミュージック、ビデオまたは再生リスト)を変換するよう請求できる。具体的には、DMP(Digital Media Player)は、図3の編集コード0303および図6のフォーマットコードをDMSへ送られる編集コマンドに加えて、DMSにマルチメディアファイルの変換を指示する。ここで、フォーマットコードA001-A999がフォーマットを表し、フォーマットコードB001-B999が解像度を表し、フォーマットコードC001-C999がビットレート(ビット転送速度)を表す。
【0042】
図7は、この発明の実施形態にかかるファイル変換コマンドの見本を示す説明図である。図7において、この実施形態の編集コマンド700中、マルチメディアファイルの識別コード(つまり、object ID)が10/25/40と名付けたイメージファイルに設定され、その編集コードがファイル変換機能に対応する0303に設定され、そのフォーマットコードがMP4フォーマットならびに720Pの解像度に対応するA001に設定され、その新しいファイルコード(つまり、CreateNewObject)が1(元のイメージファイルに上書きしないを指示する)に設定される。
【0043】
注意すべきことは、別な実施形態中、クライアントデバイスが例えば更にDMC(Digital Media Controller)またはDMR(Digital Media Render)に分類され、そのうち、DMCがDMRをコントロールしてサーバーにより提供されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する。これについては、以下、他の実施形態を参照して詳細に記述する。
【0044】
図8は、この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集システムを示すブロック図である。図9は、この発明の実施形態にかかるマルチメディアファイル編集方法を示す流れ図である。先ず、図8において、この実施形態中、マルチメディアファイル編集システム800は、サーバー810とクライアントデバイス820とを含み、そのうち、サーバー810がDMS(Digital Media Servers)であり、クライアントデバイス820がDMC(Digital Media Controller)822とDMR(Digital Media Renderer)824とを含む。以下、この実施形態のマルチメディアファイル編集方法(図9)は、図8を参考に詳細を記述する。
【0045】
先ず、DMC822がDMR824をコントロールしてサーバー810によって提供されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する(Sステップ902)。そして、DMC822がマルチメディアファイルに対してユーザーにより実施された少なくとも1つの編集操作を受信する(Sステップ904)とともに、編集操作をサーバー810が識別できる複数の編集コマンドに変換する(Sステップ906)。
【0046】
次に、DMC(Digital Media Controller)822がDMR(Digital Media Renderer)824をコントロールしてサーバー810へ編集コマンドを送信して、それに従いサーバー810がマルチメディアファイルを変更するよう指示する(Sステップ908)。即ち、DMC822が編集コマンドをDMR824へ送信するとともに、DMR824が編集コマンドをサーバー810へリレー(中継)して、サーバー810がマルチメディアファイルを変更するよう指示する。注意すべきことは、別な実施形態中、DMR824のリレー(中継)が例えば省略されて、DMC822自体が例えば編集コマンドをサーバー810へ直接送信してサーバー810への指示と同じ目的を達成し、マルチメディアファイルを変更する。
【0047】
最後に、DMC(Digital Media Controller)822がDMR(Digital Media Renderer)824をコントロールして変更されたマルチメディアファイルをサーバー810からダウンロードするとともに、それを再び再生する(Sステップ910)。具体的には、DMC822が管理コマンドをDMR824へ送信し、かつDMR824が管理コマンドをサーバー810へリレー(中継)して、サーバー810が編集コマンドの実行を終了したか否か質問する。サーバー810が編集コマンドを終了した後、DMR(Digital Media Renderer)824が変更されたマルチメディアファイルを再びダウンロードかつ再生する。
【0048】
注意すべきことは、他の実施形態中、DMC822がDMR824を通過することなく編集コマンドをサーバー810へ直接送信し、それに従ってサーバー810にマルチメディアファイルを変更するよう指示することもできることである。また、DMC822もまた編集コマンドをサーバー810へ直接送信して、編集コマンドの実行が終了されたか否か質問することができる。要するに、DMC822のコントロールのもとDMR824およびサーバー810間で実行されるコミュニケーション操作もまたDMC822自体によって実行されることもできる。しかし、この実施形態において実行する対象を限定するものではない。
【0049】
例えば、ピクチャーを編集するために、DMC(Digital Media Controller)がDMR(Digital Media Render)をコントロールしてDMS(Digital Media Server)からピクチャーをダウンロードするとともに、編集モードを起動してコマンドをDMRへ送信する。編集操作が完了した後、DMCが編集コマンドセットを産出するとともに、DMRを通じて編集コマンドをDMSへ送信(または、編集コマンドをDMSへ直接送信)し、DMSをコントロールしてデータをアップデート(更新)する。その結果、DMCまたはDMRがDMSによってアップデート(更新)されたデータを同期させる。
【0050】
ピクチャーを回転させるために、DMP(Digital Media Player)またはDMC(Digital Media Controller)がDMS(Digital Media Server)からピクチャー情報セットを取得するが、そのうち、ピクチャー情報が各ピクチャーのサムネイル(thumbnail 縮小画像)を含む。次に、DMPまたはDMCが複数のピクチャーに対してユーザーにより実施された回転操作を受信するとともに、ピクチャーに対応する回転コマンドをDMSへ発行する。最後に、DMSがピクチャーの回転を終了した後、DMPまたはDMCがDMSによって回転されたピクチャーを同期する。
【0051】
ビデオのフォーマットを変換するために、DMP(Digital Media Player)がファイル変換コマンドをDMS(Digital Media Server)へ発行してDMSにビデオを欲するフォーマットまたは解像度へ変換するようリクエストするとともに、変換されたビデオファイルを生成する。それに従って、このビデオファイルがDMSにより提供されたマルチメディアファイルを含むとともに、選択することができ、DMPによってダウンロードされ、かつ再生される。
【0052】
ファイルを開くために権限を管理する時、DMPは、DMSを管理する権限(アカウント/パスワード)を占有する。もしもDMPのユーザーがDMS上の特定ピクチャーを他人と共有したくなければ、DMPは、DMSへ権利管理コマンドを発行してピクチャーの共有されたプロパティーを除去することができる。ユーザーがDMPを使用することによりピクチャーを再び見る時、ユーザーは、ピクチャーの共有が取り消されたことを知る。
【0053】
以上のように、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0054】
100,800 マルチメディアファイル編集システム
110,810 サーバー
120,820 クライアントデバイス
122 ネットワークユニット
124 再生ユニット
126 入力ユニット
128 変換ユニット
300 編集コードマッピングテーブル
400 編集コマンド
500 管理コードマッピングテーブル
600 フォーマットコードマッピングテーブル
700 編集コマンド
812 デジタルメディアサーバー(DMS)
822 デジタルメディアコントローラー(DMC)
824 デジタルメディレンダラ(DMR)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーにより提供されたマルチメディアファイルがクライアントデバイスによって編集かつ再生されるマルチメディアファイル編集方法であり、該方法が、
前記サーバーにより提供された前記マルチメディアファイルがダウンロードおよび再生されるステップと、
前記マルチメディアファイルを変更するために少なくとも1つの編集操作が受信されるステップと、
前記編集操作が前記サーバーに識別できる多数の編集コマンドに変換されるステップと、
前記編集コマンドを前記サーバーへ送信して、前記サーバーに前記マルチメディアファイルを変更するようにリクエストするステップと、
前記変更されたマルチメディアファイルを前記サーバーから再びダウンロードおよび再生するステップと、
を含むマルチメディアファイル編集方法。
【請求項2】
前記編集操作が前記サーバーに識別できる多数の編集コマンドに変換されるステップの前に、マルチメディアファイル編集方法が更に、
前記編集コマンドの各識別コードおよび編集コードを定義し、そのうち、前記識別コードが編集されるべき前記マルチメディアファイルを指示するとともに、前記編集コードが実行されるべき前記編集操作を指示するステップを含む請求項1記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項3】
前記編集コマンドの各識別コードおよび編集コードを定義するステップが更に、
前記編集コマンドの各新規ファイルコードを定義し、そのうち、前記編集コマンドが実行された後に、前記新規ファイルコードが新規マルチメディアファイルが生成されてオリジナルマルチメディアファイルに上書きされた否かを指示するステップを含む請求項2記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項4】
前記編集コマンドが前記サーバーに前記マルチメディアファイルに対してサイズ変更・回転・輝度調整・色収差調整・画像処理または画像切り取りを実施するよう指示する請求項1記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項5】
前記編集コマンドを前記サーバーへ送信して、前記サーバーに前記マルチメディアファイルを変更するようにリクエストするステップの後で、更に、
管理コマンドを前記サーバーに送信して前記サーバーが前記編集コマンドの実行を終了したか否か質問するとともに、前記サーバーが前記編集コマンドの実行を終了した時、前記サーバーから前記変更されたマルチメディアファイルを再びダウンロードおよび再生するステップを含む請求項1記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項6】
前記サーバーによって提供されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するステップが、
前記クライアントデバイスのデジタルメディアコントローラー(DMC)を使用することによって、デジタルメディアレンダラ(DMR)をコントロールして前記サーバーにより提供された前記マルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するステップを含む請求項1記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項7】
前記編集コマンドを前記サーバーへ送信して前記サーバーに前記マルチメディアファイルを変更するようリクエストするステップが、
前記クライアントデバイスの前記DMCを使用することによって、前記DMRをコントロールして前記編集コマンドを前記サーバーへ送信して、前記サーバーに前記マルチメディアファイルを変更するようリクエストするステップを含む請求項6記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項8】
前記サーバーから再び前記変更されたマルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するステップが、
前記クライアントデバイスの前記DMCを使用することによって、前記DMRをコントロールして変更された前記マルチメディアファイルを前記サーバーから再びダウンロードかつ再生するステップを含む請求項6記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項9】
前記サーバーがデジタルリビングネットワーク連盟(DLNA)のデジタルメディアサーバー(DMS)であり、前記クライアントデバイスが前記DLNAシステムのデジタルメディアプレーヤー(DMP)またはDMCである請求項1記載のマルチメディアファイル編集方法。
【請求項10】
複数のマルチメディアファイルを保存し、前記マルチメディアファイルに対応する再生リクエストに基づいて前記マルチメディアファイルの1つを提供するサーバーと、
クライアントデバイスと、を含み、
前記クライアントデバイスは、
ネットワークを介して前記サーバーに接続するネットワークユニットと、
前記再生リクエストを前記ネットワークを介して前記サーバーへ送信することに適しており、前記サーバーによって提供される前記マルチメディアファイルをダウンロードかつ再生する再生ユニットと、
前記マルチメディアファイルを変更するための少なくとも1つの編集操作を受信することに適した入力ユニットと、
前記編集操作を前記サーバーの識別できる複数の編集コマンドに変換することに適した変換ユニットと、を備え、そのうち、
前記編集コマンドが前記ネットワークを介して前記サーバーへ送信されて、前記サーバーに前記マルチメディアファイルを変更するようリクエストするとともに、前記再生ユニットが前記ネットワークを介して変更された前記マルチメディアファイルを前記サーバーから再びダウンロードかつ再生する、マルチメディアファイル編集システム。
【請求項11】
前記変換ユニットが更に各編集コマンドの識別コードおよび編集コードを定義し、そのうち、前記識別コードが編集されるべき前記マルチメディアファイルを指示しするとともに、前記編集コードが実行されるべき前記編集操作を指示する請求項10記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項12】
前記変換ユニットが更に前記編集コマンドの新しい各ファイルコードを指示し、そのうち、前記新しいファイルコードが前記編集コマンドが実行された後で新しいマルチメディアファイルを生成して元のマルチメディアファイルに上書きするか否かを指示する請求項11記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項13】
前記編集コマンドが前記サーバーに前記マルチメディアファイルに対してサイズ変更・回転・輝度調整・色収差調整・画像処理または画像切り取りを実施するよう指示する請求項10記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項14】
再生ユニットが更に管理コマンドを前記ネットワークを介して前記サーバーへ送信して前記サーバーが前記編集コマンドの実行を終了したか否か質問するとともに、前記サーバーが前記編集コマンドの実行を終了した時、再生ユニットが更に前記サーバーから再び変更された前記マルチメディアファイルをダウンロードするとともに、再生する請求項10記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項15】
前記クライアントデバイスが、
前記マルチメディアファイルを再生するためのDMRと、
前記DMRをコントロールして前記サーバーによって提供される前記マルチメディアファイルをダウンロードかつ再生するDMCと、
を備える請求項10記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項16】
前記DMCが更に前記DMRをコントロールして前記編集コマンドを前記サーバーへ送信し、前記マルチメディアファイルを変更するようリクエストする請求項15記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項17】
前記DMCが、更に、前記DMRをコントロールして前記サーバーから変更されたマルチメディアファイルを再びダウンロードするとともに再生する請求項15記載のマルチメディアファイル編集システム。
【請求項18】
前記サーバーがデジタルリビングネットワーク連盟(DLNA)のデジタルメディアサーバー(DMS)であり、前記クライアントデバイスが前記DLNAシステムのデジタルメディアプレーヤー(DMP)またはDMCである請求項10記載のマルチメディアファイル編集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−120146(P2012−120146A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−100464(P2011−100464)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(511107371)正文科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】Gemtek Technology Co., Ltd,
【Fターム(参考)】