マルチルーメン・カテーテルおよびそのカテーテルの製造方法
【課題】容易な挿入に関する上述したマルチルーメン・カテーテルの有利性と、又血管入り口サイトにおける漏洩の潜在的リスクを防止し、マルチプル・カテーテル組立体の有利性を提供する。
【解決手段】ユニタリー部分12は、概ね丸く又は楕円の断面形状を有する外面を含み、又それを貫通して縦に延びる概ね円形の断面の少なくとも二つの末端管14、16を含む。そのカテーテル組立体5は、その内部を縦に延びるルーメンを有するユニタリー管を押し出し、次いで、その管を、末端管を形成するように、その末端部分で裂くことにより作られ得る。次いで、管は研ぎ磨かれ、ユニタリーな押し出し品の概ね楕円形の断面を組み合わせで保持している仕上げられた管、または仕上られた管は、円形またはその他の断面形状まで仕上ることが出来、あるいは仕上られた管は、その縦方向の長さにわたり断面形状の組み合わせを含み得る。
【解決手段】ユニタリー部分12は、概ね丸く又は楕円の断面形状を有する外面を含み、又それを貫通して縦に延びる概ね円形の断面の少なくとも二つの末端管14、16を含む。そのカテーテル組立体5は、その内部を縦に延びるルーメンを有するユニタリー管を押し出し、次いで、その管を、末端管を形成するように、その末端部分で裂くことにより作られ得る。次いで、管は研ぎ磨かれ、ユニタリーな押し出し品の概ね楕円形の断面を組み合わせで保持している仕上げられた管、または仕上られた管は、円形またはその他の断面形状まで仕上ることが出来、あるいは仕上られた管は、その縦方向の長さにわたり断面形状の組み合わせを含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にマルチルーメン・カテーテル組立体に関し、より特定的には、血管壁挿入サイトに位置するためのスムースな丸みのあるユニタリー(一体化)カテーテル部分と、カテーテライズ(catheterize/カテーテルを挿入、留置)すべき部分内に位置するための独立した、自由に浮動するカテーテル管を有するマルチルーメン・カテーテル組立体に係る。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2001年11月21日提出された合衆国仮特許出願連番60/331,882号 「マルチルーメン・カテーテル」に基づく利益を主張するものである。上記関連出願は、この引用により本出願と一体化するものである。
【0003】
流体の導入または除去のためのカテーテルは、これらの流体の導入または除去のため体全体にわたる種々の静脈位置および腔部に配置することができる。かようなカテーテライゼイション(catheterization/カテーテルの挿入、留置)は、多数のルーメン〈lumen/内腔〉を有する単一のカテーテルを使用して行うことが出来る。マルチプル・ルーメン・カテーテルの典型的な例は、デュアル(dual)・ルーメン・カテーテルで、その一方のルーメンは流体を導入し、他方は流体を除去する。カテーテライゼイションはまた、二つの異なるカテーテライズすべき部位の切開部に挿入された別々の単一ルーメン・カテーテルを使用して行うことが出来る。かようなマルチプル・カテーテル組立体は、テシオ(Tesio)カテーテルとして知られている。また単一の挿入サイトを通じて二つの全く独立した単一ルーメン・カテーテルを挿入する手法は、合衆国特許第5,624,413号に記述されている。
【0004】
一般に、どんなカテーテルでも血管に挿入するには、その血管を、良く知られているセルデインガー(Seldinger)技術に従って長い中空針を用いる吸引により確認する。血液がその針が取り付けられたシリンジに入ると、血管が見出されたことを示し、そこで細い案内ワイヤが典型的にはシリンジ針またはその他の導入具を通じ血管内部に導入される。次いでその導入具は、血管内にその案内ワイヤを残して除去される。この案内ワイヤは、皮膚表面から突き出る。
【0005】
この時点で、医師はカテーテルの配置に関し数種の選択肢を入手する。最も簡単なものは、案内ワイヤに沿い直接カテーテルを血管に通すことである。その後、案内ワイヤは、カテーテルを血管内の位置に残して除去される。しかしながら、この技術は、カテーテルが比較的小さい直径で、硬い材料製で、しかも案内ワイヤよりかなり大きくない、例えば小径のデュアル・ルーメン・カテーテルの挿入のための場合にのみ可能である。挿入すべきカテーテルが案内ワイヤよりかなり大きければ、穴を拡大するために、拡張具が案内ワイヤに沿って先ず通される。その後、カテーテルが案内ワイヤに沿い通され、案内ワイヤおよび拡張具が除去される。
【0006】
マルチプル・カテーテル組立体(例えば、Tesioカテーテル)内で典型的に使われている個別の単一ルーメン・カテーテルの場合、医師は導入シース(鞘〉を使用できる。若し、テシオ・カテーテルが、例えば血液透析の為に使われるならば、各カテーテルは、大腿部静脈のような二つの別々の静脈に挿入される。その代りに、各カテーテルは、上記した内頚静脈のような、同一の静脈の二つの別々の位置に挿入されてもよい。導入シースとは簡単に言えば、大きな硬く薄い壁の管で、そこに置かれる耐久的カテーテルのための一時的な導管として役立つものである。またテヤーアウエイ(Tearaway)シースも利用可能で、これは容易な除去のため裂けて離れるものである。この導入シースは、導入具内部に拡張具を配置し、案内ワイヤに沿い、拡張具と導入具の両方を一緒に通すことにより位置決めされる。上記のように挿入後血管内に残された案内ワイヤおよび拡張具は、その後薄い壁の導入シースをそこに残して取り除かれる。カテーテルは、導入シースを通じて置かれる。組立体内の各カテーテルは、典型的に皮下トンネル内に位置されたカフ(袖)により、あるいは外側でカテーテルを体に外側から取り付ける他の方法により患者の体内に皮下的に保持される。
【0007】
このテシオ・カテーテルはまた、上記した合衆国特許第5,624,413号に記述された技術に従って、血管内にシースを使い単一の挿入点を通じて挿入しても良い。このテシオ・カテーテルは、一旦血管内に挿入されると、カテーテルの外側基端部分の保持のため、二つの皮下トンネル内で患者を通じて別々に掘り進められる。
【0008】
このテシオ・ダブル・カテーテル組立体はまた、患者のためにはその柔らかいデュロメータ(durometer)により快適であり、血液透析の為に効果的なものの、挿入および/または掘り進めのために典型的には、多数の手続きと切開を必要とし、カテーテライゼイション手順に付随するリスクを増大させるものとなる。更に、ある血管内の単一の挿入サイトを通じての二つのカテーテル管の近接した配置の場合、手順の数を最小化できるものの、カテーテル管が血管を通る点におけるカテーテル管の間の漏洩に対する可能性が現れ得る。
【0009】
しかしながら、テシオ・カテーテル組立体は血管内で独立した動きの出来るカテーテル〈複数〉を提供する。このようなカテーテルは、血管内にあるとき、内部で分割されている単一の管により形成されているユニタリー・マルチルーメン・カテーテルに対し、幾つかの有利性を現すものである。テシオ・ダブル・カテーテル組立体の個々の管は、その流体出口で個別に可動であるので、カテーテル管の末端の全周辺を巡って流体取り込みおよび/または帰還流れを提供することが出来る。更に、若し一つの管がブロックされ、あるいは他のことで取り替えを要するとき、他の管と独立して取り除くことが出来る。更に、典型的にはシリコーンまたは類似の材料で作られているこのようなカテーテルのより柔らかなデユロメータは、血管壁損傷のリスクを減少させる。この360°周辺の流れは、ある近接したマルチルーメン・カテーテルの使用に際ししばしば起こるように、圧力差による血管壁に対する吸引が起こり難い、血管内でのより安定した管を提供する。
【0010】
ションら(Schon,etal.)に与えられた合衆国特許第5,718,693号(「ション(Schon)・カテーテル」)は、自己保持型のダブル・カテーテル・システムを開示しているが、そこでは、各カテーテルが織物組織が食い込んだカフ、またはマルチプル・カテーテル組立体内で、個々のカテーテルの両方をスリーブの位置で一緒に取り囲む、保持スリーブを配置した結果として得られた外側の縫合部を使用することなく皮下的に保持され得る。個々のカテーテルは、織物安定カフを要する代りに、皮膚の下に自己固定できるためのハブにより一部分で耐久的に結合され、そのようなカフを随意的なものとする。先端部は、再循環を避けるため、長手方向に適当な距離だけ離してある。この器具は唯一つの切開部を要するだけであるが、この自己保持的特徴を容易にするためには、二つの皮下トンネルを必要とする。このカテーテルは、血管内での個別的に可動な末端部および標準的なテシオの手法における360°周辺の流れを提供する。更に、保持スリーブは血管への入り口の点で、自己保持的特徴を発揮するために置かれたとき血管の外側に位置しているので、カテーテルは標準的なテシオ・カテーテルの手法で近接して置かれるが、血管サイトでカテーテル間の血液漏洩の潜在的リスクを残すものである。
【0011】
合衆国特許第5,947,953号は、ハブおよび当初は、例えば破れ得る膜により離脱可能に一緒に結合されている少なくとも二つの完全に独立したカテーテル管を有する分離可能なマルチプル・カテーテル組立体を開示している。このカテーテルの挿入に際しては単一の皮下トンネルが使用出来、且つこのカテーテル管は、血管への挿入に先立ちカテーテル管を裂くことにより少なくとも部分的に離される。その結果、カテーテルの血管内にある部分は独立して動くことが出来、各管の末端部分からの360°周辺流れを有するものとなる。このカテーテルは、縫合、食い込みまたは他の利用可能な保持具のような標準の保持手段を用いて保持され得る。
【0012】
そのほかのマルチプル・カテーテル組立体が合衆国特許第5,776,111号に、急性のテシオ型カテーテライゼイションのためとして開示されている。この組立体は、急性の手順で組立体を保持するため患者の皮膚表面に取り付けられる概ね平らな円盤によりある位置で一緒にされる二つの独立した単一ルーメン・カテーテルを含むものである。その末端は、再循環を避けるため予め離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】合衆国特許第5,624,413号公報
【特許文献2】合衆国特許第5,718,693号公報
【特許文献3】合衆国特許第5,947,953号公報
【特許文献4】合衆国特許第5,776,111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本技術には、マルチプル・カテーテル組立体に対する要望があり、又単一トンネリング手順による容易な挿入に関する上述したマルチルーメン・カテーテルの有利性を提供することが出来、又血管入り口サイトにおける漏洩の潜在的リスクを防止出来、しかし、血管内での独立した動きおよび良好な流れ特性に関しては、マルチプル・カテーテル組立体の有利性を尚も提供することが出来るような、カテーテル組立体の製作に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、単一トンネリング手順による容易なカテーテル挿入を提供し、又ユニタリー(一体型の)外壁構造の使用による血管入り口サイトにおける漏洩の防止を助けるマルチルーメン・カテーテル組立体である。このカテーテル組立体は、また分離した末端カテーテル管の使用により血管内での独立した自由な浮動を与え、且つカテーテル組立体のルーメン内の効率的な流体流れ特性を提供する。
【0016】
本発明の一側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、外壁、末端、基端、およびユニタリー(一体化)部分を貫通して縦に延びる複数のルーメンを有するユニタリー部分を含むものである。この側面でも又、このカテーテル組立体は、その各々がそれを通じて縦に延びるルーメンを定める複数の末端管をも含み、そこではその末端管のルーメンの各々がユニタリー部分のそれぞれのルーメンと流体的に連通しており、且つその末端管は互いに独立して動き得るものである。本発明のこの側面において、ユニタリー部分の外壁、末端管の外壁、およびルーメンは、その断面が円形、半円形、楕円形のような、しかしこれに限定はされない種々の形状を有し得る。また、このユニタリー部分、末端管、およびルーメンは、その各々のそれぞれの長手方向全長にわたり異なる点で異なる形状又は構成を有し得る。
【0017】
本発明のその他の側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、丸みのある外表面を有するユニタリー・カテーテル、それを貫通して縦に延びる第一のルーメンおよび第二のルーメン、末端、および基端を含むものである;そこで、第一の末端管は。第一の縦に延びる通路を定め、第二の末端管は。第二の縦に延びる通路を定め、この第一および第二の末端管はユニタリー・カテーテルの末端から末端方向に延び、第一の末端管内の第一の通路は第一のルーメンと流体的に連通しており、第二の末端管内の第二の通路は第二のルーメンと流体的に連通しており、且つ第一および第二の末端管は互いに独立した動きが可能である。
【0018】
本発明のその他の側面において、この末端管は、その縦方向長さの全体または部分にわたり互いに離脱可能に取り付けられ、最小限の力の使用により第一および第二の末端管が離れ、それらの縦方向長さの任意の部分で分離することを可能としている。
【0019】
本発明のその他の側面において、この第一および第二の末端管は、互いに離脱可能に取り付けられ、ことによると、ユニタリー・カテーテルの末端から、ユニタリー・カテーテルの末端とカテーテル組立体の末端との間に位置する結合点まで半円形断面の外壁を有し、最小限の力の使用により第一および第二の末端管が、ユニタリー・カテーテルの末端と転移点との間の任意の縦方向の点までに離れることを可能としており、第一および第二の末端管が互いに離れ、且つ転移点からカテーテル組立体の末端まで、ことによると円形の断面を有し、第一および第二の末端管に転移点からカテーテル組立体の末端まで、互いに個別で独立した動きを与える。本発明のこの側面において、このユニタリー・カテーテルは、概ね楕円形の断面を有し得る。
【0020】
本発明のその他の側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、それぞれがその中を縦に延びる丸いルーメンを有し、且つそれぞれが概ね半円形断面の外形を有する二つのカテーテル管を含むものである。この側面において、このカテーテル組立体はまた、二つのカテーテル管を互いに並列的に整列させて保持するハブを含み、この並列的に一緒に整列した管は、その断面が概ね楕円形を有するものである。
【0021】
また、本発明は、マルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法をも提供するものであり、この方法は、基端部分と末端部分、その末端部分は末端を仕切り、且つその基端部分は基端を仕切るものである、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程を含むものであり、そのユニタリー・カテーテル管は、第一のルーメンおよび第二のルーメンを有し、この第一のルーメンおよび第二のルーメンは、それぞれそのユニタリー・カテーテル管を通じて縦に延びるものである。形成されたユニタリー・カテーテル管は次いで、末端部分に沿い縦に裂けて第一の末端管および第二の末端管を形成する。このユニタリー・カテーテル管、末端管およびそれぞれの中のルーメンは、その後所望ならば、それぞれの縦方向長さに沿って一以上の構成あるいは断面形状を有するように仕上られる。
【0022】
本発明の一側面において、末端管は次いでその縦方向長さの一部または全部に沿い離脱可能に取付けられる。その他の側面において、末端管は、転移点(裂けた後、このユニタリー・カテーテルと第一および第二の末端管との間で転移する点)から、この転移点とカテーテル組立体の末端との間に位置している結合点まで離脱可能に取付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第一の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図1a】図1aは、図1のカテーテル組立体の線1a−1aに沿う拡大断面図である。
【図1b】図1bは、図1のカテーテル組立体の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2a】図2a図は、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2b】図2bは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2c】図2cは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2d】図2dは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2e】図2eは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2f】図2fは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1a−1aに沿う拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のハブの拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図4a】図4aは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4a−4aに沿う拡大断面図である。
【図4b】図4bは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4b−4bに沿う拡大断面図である。
【図4c】図44cは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4c−4cに沿う拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の第三の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図5a】図5aは、図5のマルチルーメン・カテーテル組立体の線5a−5aに沿う拡大断面図である。
【図5b】図5bは、図5のマルチルーメン・カテーテル組立体の線5b−5bに沿う拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の第四の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図6a】図6aは、図6のマルチルーメン・カテーテル組立体の線6a−6aに沿う拡大断面図である。
【図6b】図6bは、図6のマルチルーメン・カテーテル組立体の線6b−6bに沿う拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第五の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図7a】図7aは、図7のマルチルーメン・カテーテル組立体の線7a−7aに沿う拡大断面図である。
【図7b】図7bは、図7のマルチルーメン・カテーテル組立体の線7b−7bに沿う拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の第六の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図8a】図8aは、図8のマルチルーメン・カテーテル組立体の線8a−8aに沿う拡大断面図である。
【図8b】図8bは、図8のマルチルーメン・カテーテル組立体の線8b−8bに沿う拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の第七の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図9a】図9aは、図9のマルチルーメン・カテーテル組立体の線9a−9aに沿う拡大断面図である。
【図9b】図9bは、図9のマルチルーメン・カテーテル組立体の線9b−9bに沿う拡大断面図である。
【図10a】図10aは、本発明の一実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体を製造するために用いるユニタリー・カテーテル管の上面図である。
【図10a−dash】図10a−dashは、図10aのユニタリー・カテーテル管の線10a’−10a’に沿う拡大断面図である。
【図10b】図10bは、本発明の一実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体を製造するために用いるユニタリー・カテーテル管の上面図である。
【図10b−dash】図10b−dashは、図10aの一体化カテーテル管の線10b’−10b’に沿う拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
先述の要旨、ならびに本発明のこれから述べる詳細な説明は、ここに添付された図面と関連付けて読まれるとき、より良く理解されるであろう。本発明を解説する目的で、本発明の幾つかの実施例が図面中に示されている。しかしながら、本発明は、ここに示された正確な配置および装備に限られものでないと理解すべきである。図面中、数図を通じて同一の参照番号が同一の要素を指示するために用いられている。
【0025】
図面に示した本発明の実施例を記述するに際し、明快さのためにある特定の用語法が用いられている。しかしながら、本発明は、そのようにして選ばれた特定の用語により限定されるべきでなく、各特定用語は、同様の目的を達成するために同様の仕方で動作する全ての技術的均等物を含むものと理解されるべきである。図面は寸法まで正確に描かれていないことを理解すべきである。図面において、同様の参照番号が数図にわたり同様の要素を指示するために使用されている。
【0026】
以下に、本発明の特定の実施例を記述する。しかしながら、この開示に基づき本発明がここに記述された好ましい実施例によって限定されないことを理解すべきである。一般に、次ぎの開示は、ダブル・ルーメン・カテーテル組立体に言及しているが、3以上のルーメンおよび/または末端管を有するカテーテル組立体も本発明の範囲内に入るものである。更に、下記の本発明のカテーテル組立体の製造方法も、2つより多いルーメンおよび/または末端管を有するカテーテル組立体の製造のために適用できるものである。以下の記述が本発明の二ルーメン実施例に言及しているのは、単に便利さの理由のためだけのものである。
【0027】
本発明のマルチルーメン・カテーテル組立体は、カテーテライズすべき患者の体の部分に、その体からの流体の除去または導入のために挿入される。本発明のカテーテル組立体は、そのカテーテル組立体がカテーテライズされるべき部分に適切に挿入、配置される前に、皮下のような、患者の体の中または上の固定位置に保持される。この方法は、とりわけ慢性的なカテーテライゼイションのために好ましい。その代わりに、急性的なカテーテライゼイションにおいては、本発明のカテーテル組立体は、そのカテーテル組立体がカテーテライズされるべき部分に適切に挿入、配置される前、又は後に、体の外表面に保持されても良い。
【0028】
本発明のマルチルーメン・カテーテル組立体は、潅流/潅注(perfusion)、点滴、血漿搬出、透析、化学療法等のような、体への体液、薬剤その他の溶液の導入および除去の種々の用途に使えるように適合し得る。本発明のカテーテル組立体は、とりわけ、慢性的透析およびアフェレシス(apheresis)に適している。カテーテライズすべき部位は、好ましくは内頚静脈(Internal jugular vein)のような血管であるが、体内の任意の適当な部位でも良い。このカテーテル組立体が使えるその他の部位には、例えば、大腿部および鎖骨下静脈(femoral and subclavian veins)、全ての膿瘍腔(abscess cavity)、手術後腔(post―operative cavity)、腹膜腔(peritoneal cavity)、および腹腔内(intra-abdominal)、隔膜下および肝臓下部位〈sub―diaphragmatic and sub―hepatic area)を含む体内の他の部位を含む血管が含まれている。これらの部位は、例示的なものであり、本発明のカテーテル組立体が、カテーテライズすべき種々の部位への流体の導入またはそこからの除去に使用できることを理解すべきである。
【0029】
図面に示されている本発明の実施例は、内頚静脈のような血管からの純化すべき血液の取り込み、または除去、および同じ血管への純化した血液の導入のためとりわけ有用である。この血液は、開示されたカテーテル組立体のルーメンと連通するように取り付けられた任意の適当な血液透析装置〈図示せず〉により純化することが出来る。また本発明のカテーテル組立体は、例えばグルコースまたは食塩水を含む薬剤またはその他の流体を、体内に導入するために用い得る。
【0030】
図示した本発明の実施例を説明する目的で、このカテーテル組立体の血液透析の応用を、より特定的には、内頚静脈を通じて流れる血液を純化するための用途に関して述べる。しかしながら、本発明のカテーテル組立体は、各カテーテル組立体内の末端管および/またはルーメンのサイズ(直径または長さ)および/または、数を増減させることにより、このカテーテル組立体が、流体が体に導入および/または体から除去される他の医学的用途に有益であるように構成され、また適用されることも理解すべきことである。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明の一実施例を示すもので、カテーテル組立体5は、少なくとも二つのルーメンを有している。二つのルーメンを図示したが、これは例示的なものであり、本発明の範囲は、二つを越える数のルーメンを有するカテーテルを含むものである。
【0032】
このカテーテル組立体5は、ユニタリー(一体化)カテーテル12、第一の末端管14、第二の末端管16、ハブ18および第一および第二の延伸管20,22を含むものである。このマルチルーメン・カテーテル組立体5は、それを貫通して縦に延びる第一のルーメン24および第二のルーメン26を含み(図1aおよび1b参照)、その第一のルーメン24および第二のルーメン26は、それぞれハブ18内に終わる基端28,30と、第一および第二の末端管14、16の末端32,34に終わる末端32,34を有するものである。
【0033】
第一のルーメン24は、第一の延伸管20と連続してそれに通じており、第二のルーメン26は、第二の延伸管22と連続してそれに通じており、両者は、ハブ18で連結されている。第一および第二の延伸管20、22は、カテーテル組立体5の基端まで導き、それを通じて患者に出入りする物質がカテーテル組立体5に取り入れられ、および/または取り出される。ここで、用語「基」および「末」は、それぞれカテーテル組立体5の挿入端より遠ざかる、および近づく方向を示すものである。
【0034】
想像上の転移点36が、第一および第二のルーメン24、26の縦の長さに沿うある点に存在している。このカテーテル組立体5は、その第一の末端管14および第二の末端管16がそれらの末端32,34で裂け得る(離脱可能に取付けられる)ように、あるいは離れるように、そして、それらの末端32,34からこの転移点36まで(図1で概ね矢印「B」で示した縦の長さにわたり)裂け得るか、または離れるように、提供〈製造〉され得る。裂け得るとは、第一および第二の末端管14、16が、離脱可能に取付けられていると定義され、その管14、16を引き離すが裂くのに僅かな力しか要しないように、接着、結合、溶着その他で取り付けられている事を意味する。ここで、僅かな力とは約1から5ポンドの力と定義される。
【0035】
このカテーテル組立体5の第一および第二のルーメン24、26の基端28,30と転移点36との間の部分(図1で概ね矢印「A」で示した縦の長さにわたり)はユニタリー・カテーテル12を含むものである。このユニタリー・カテーテル12の外側は、畦や溝の無い、滑らかにカーブした概ね中高の表面を含むものである。畦の無い滑らかにカーブした概ね中高の表面をもたらす種々の任意の形状が、本発明において意図されている。
【0036】
図1aに示すように、このユニタリー・カテーテル12の断面は、概ね楕円形状(外輪郭)で良く、図1aは、円形断面(第一および第二のルーメン24、26の外壁39で示すような)を有する第一および第二のルーメン24、26および第一および第二のルーメンの分離部材40を有する概ね楕円形状の外壁38を断面で示している。このユニタリー・カテーテル12の断面の、その他の非限定的な例は、図2fに示されている。楕円形のユニタリー・カテーテル12の外壁38の外形(図1aのような)の内または、より丸みのある、むしろ円形のユニタリー・カテーテル12の外壁38の外形(図2fのような)の内にあるルーメン24,26は、円形、半円形、長円形、三角形、正方形、楕円形またはインゲン豆形のような種々の任意の限定されない形の一つであり得る。
【0037】
このユニタリー・カテーテル12に沿う1点にカフ42が置かれ得る。カフ42はこの技術で知られており、その上に、内部組織が、患者内にカテーテル組立体5を安定させるようにくっつけることの出来る表面を提供する。
【0038】
転移点36は、ルーメン24,26の丁度半分の点(つまり、ルーメン24,26の基端28,30と末端32,34との半分の点、若しルーメン24,26が図1に示すように異なる長さのものであれば、ルーメン24,26の内最長のものを使って測つた半分の点)に置かれて良い。しかしながら、この転移点36は、カテーテル組立体5の縦方向長さに沿う任意の点に置かれても良い。図1において、この転移点36は、例えば、第一のルーメン24の基端28と末端32との間の中点に置かれている。
【0039】
本発明のその他の側面において、この転移点36は、例えば、第一のルーメン24、26の縦方向長さに沿う1点に置かれており、ルーメン24,26の離れあるいは裂け得る部分の縦方向長さ(つまり、概ね矢印「B」で指示されるような、第一および第二の末端管14,16)が、ユニタリー・カテーテル12の縦方向長さ(概ね矢印「A」で指示される)より大きいようになっている。この代りの実施例においては、ルーメン24,26の離れあるいは裂け得る部分(矢印「B」部分)は、ルーメン24,26の内長い方を使って測られている。言い代えれば、第一および第二のルーメン24,26は、それぞれの末端32,34からルーメン24,26上の1点まで、つまり、最長のルーメンの末端からそれぞれの最長のルーメンの基端までで測ったルーメン24,26の長さの少なくとも半分は、互いに離れあるいは裂け得るようにされ(つまり、離脱可能に取付けられ)ている。
【0040】
上述の実施例においては、ルーメン24,26の基端28,30が種々のカテーテルにおいて異なる位置を取り得ることに注意すべきである。上で開示した長さの寸法面において、基端28,30が、当該技術で公知の、ここに開示されあるいは開発されるべきカテーテルに生じ得る全ての位置に組み込まれることは、本発明の範囲内にある。
【0041】
このユニタリー・カテーテル12の滑らかで、カーブした概ね中高の外表面は、患者へのカテーテル組立体5の挿入の間、血管壁の挿入サイトを通過し、その位置に留まる。血管壁は、このユニタリー・カテーテル12の、図1aに断面で示すような、滑らかで、カーブした外表面周辺を、かなり良くシールし、包帯を用いてとりわけ良くシールする。このユニタリー・カテーテル12の外面は、挿入サイトにおいて良好なシールを提供するので、挿入サイトにおけるカテーテル組立体5周辺での血液損失のリスクは、最小限にされる。これは、個々のルーメンが、血管壁の挿入サイトを通過し、そこに残置される状況に関し、とりわけ真実である、と言うのは個々のルーメンの周りの一般に8字型輪郭を有する個々のルーメンの周辺での緊密なシールが困難であるからである(8字型輪郭とは、二つの円形、個々のルーメンの図1bに示すような外側断面に言及したものである)。
【0042】
第一および第二の末端管14,16は、ユニタリー・カテーテル12から転移点36で、それを貫通して連続的な流体流通を有する、第一および第二のルーメン24,26と共に末端方向に延びている。この第一および第二の末端管14,16は、好ましくはユニタリー・カテーテル12の外壁38と連続した外表面を有し、互いに裂けた時、互いに独立した動きが可能なものとなる。
【0043】
この第一および第二の末端管14,16は、当該技術で良く知られたものでも、新しく開発されたものでも良い。図1bにおいて、この第一および第二の末端管14,16は、その第一および第二の末端管14,16の円形の外壁44、第一および第二のルーメン24,26、その第一および第二のルーメン24,26の円形の外壁39、および連結点46により定められている。図2aから図2eまでには、裂け得る第一および第二の末端管14,16の代替的実施例(図1bの実施例の代替物)の断面が示されている。連結点46は、弱い接着剤(図2a,2cおよび2e)により、モールデイング(成形)により、(図2b)、トング・イン・グルーブ(溝とそれに嵌る舌)構造により(図2d)、あるいは、末端管14,16が最小限の力の使用で裂け得るようなその他の方法により、ルーメン間の結合が固定しないように、もたらされる。
【0044】
この第一および第二の末端管14,16、およびその末端管14,16内の第一および第二のルーメン24,26は、本発明の図1の実施例では、図1bに示すように概ね円形の断面を有している。この第一および第二のルーメン24,26は、円形の断面が流体流れ特性に最も貢献するので、外壁39により示すように、円形である。しかしながら、例えばD字型の通路および/またはルーメン(図2c)、卵型、三角形、正方形、楕円形、えんどう豆形の通路および/またはルーメンおよびその他の外輪郭も又、本発明の範囲内に入るものである(その幾つかは、図2aから図2eまでに示されている)。更に、末端管14,16およびルーメン24,26は、好ましくは断面が一致しているが、末端管14,16および/またはルーメンの寸法、形状および/または輪郭を変化させ、末端管および/またはルーメンを小さくしたり、ルーメンおよび末端管の形を、他の薬剤の導入のための第三のより小さなルーメンと相応する末端管を追加するような他の用途に使用できるように、変えることも又、本発明の範囲内に入るものである。
【0045】
図3は図1のハブ18の断面を示すもので、このハブ18は、第一および第二のルーメン24,26の基端28,30を仕切り、また延伸管20,22の末端を仕切るための強化部分を提供する。又このハブは、所望ならば、このカテーテル組立体を体に保持するための1以上の縫合翼を含むものであっても良い。この他のハブの輪郭の使用および脱着自在なハブの使用も本発明のために描かれる。
【実施例2】
【0046】
図4は、本発明の第二実施例のカテーテル組立体6で、図1のカテーテル組立体5に関し追加的限定を有する実施例を示す。図4のカテーテル組立体6は、主として図1のカテーテル組立体5と、カテーテル組立体6の末端32,34と転移点36との間の部分にわたり(図4中、大まかに矢印「B」で示されるカテーテル組立体6の縦方向長さの部分にわたり)区別される。図4の実施例のある側面において、転移点36は,ルーメン24,26の縦方向長さに沿うある点に、第一および第二の末端管14,16の長い方の長さ(矢印「B」部分)が、ユニタリー・カテーテル12の長さ(矢印「A」部分)より大きくなるように、置かれている。
【0047】
図4の実施例で、第一および第二の末端管14,16の外壁44は、転移点36から想像上の結合点48まで(図4中、大まかに「矢印B1」で示される縦方向長さにわたり)離脱可能に取付けられている。この第一および第二の末端管14,16の転移点36から結合点48までの離脱可能な取付けは、この第一および第二の末端管14,16が、転移点36と結合点48との間の任意に選ばれた縦方向長さの点まで、最小限の力の使用により、裂けることを可能とする。
【0048】
転移点36と結合点48との間で、この第一および第二の末端管14,16の断面(図4b)は、この第一および第二の末端管14,16の「矢印B1」の長さにわたる外輪郭が、ユニタリー・カテーテル12のそれ(つまり、滑らかにカーブした、概ね楕円型)に類似していることを説明している。また図4bは、第一および第二の末端管14,16が、それらを個別に見たとき、半円形で、それぞれ概ね「D」字形の外壁44を有し、その「D」字形の外壁44の平らな側部間に弱い接着剤の接合点46を有し、その弱い接着剤が、最小限の力の使用により裂ける可能性を提供していることも説明している。図4bにおいて、この平らな側部は互いに対面しており、カテーテル組立体6のカニューレテイング部分(挿入管部分)が丸みのある、ほぼ楕円型の断面を保持するように、互いに一致する。
【0049】
この平らな側部は、末端管のために全体として概ね楕円形の外輪郭を提供するように背中合わせに置かれたとき、管の間に血液がそこを通るような丸みのある又は溝のある表面が存在しないので、血液が管の間を流れることを防止するのを手助けする。この管の平らな側部は、その管が、あたかも決して離れず、その外形において未だに一体であるように、一緒に戻り合されること(若し、離れた場合、個々の管は望まれない)を許容する。
【0050】
このカテーテル組立体6は、管14,16間の離脱可能な取付けを提供するため、接着剤、または裂け得る膜を含むものである。この接着剤は、第一および第二の末端管14,16の対向するほぼ平らな側部の間に縦に広がり、且つこれらを接合する(図4b)。この接着剤(図面には示さず)は、この末端管14,16の平らな側部の中心線に沿い縦に延びることが出来、寸法安定性を与える。しかしながら、この接着剤は、この末端管14,16の平らな側部の端部間、あるいは平らな側部の他の領域間、あるいは管14,16丸みのある壁部分に広がっていても良い。
【0051】
この接着剤、または裂け得る膜は、多数の機能を果たす。第一には、この膜は管14,16を、その管14,16が、とりわけ膜が破られない場合、容易に操作出来るように結合する。この膜が完全に無傷である場合、カテーテル組立体6は、単一のカテーテル(例えば、ユニタリー・カテーテル12)のように操作できる。第二に、この膜は、この第一および第二の末端管14,16を互いに、その末端管14,16の外壁44を損なうことなしに、少なくとも部分的に縦に裂き離すことを許容して、血管またはカテーテライズすべき他の部位に在る裂けた部分の独立した動きを許す。この膜は、この第一および第二の末端管14,16が互いに分離した時、容易に裂けるように構成されており、それによりこの末端管14,16に加えられた反対の力が、それに対する損傷をもたらすのに充分なレベルに到達する前に、破け、または裂けるようになっている。しかしながら、この膜は、カテーテル組立体5の普通の取り扱いの間は、破れに抵抗するのに充分な強さを有すべきである。
【0052】
この結合点48から、第一および第二のルーメン24,26の末端32,34まで、第一および第二の末端管14,16は、(図4中、概ね矢印「B2」で示されている縦方向長さにわたり)分離(非結合)し、且つ独立している。本発明の一側面において、第一および第二の末端管14,16の断面(図4c)は、第一および第二の末端管14,16の外壁44が、矢印「B2」の長さにわたり丸みをつけられていることを説明している。図4a,4bおよび4cに示すように、この第一および第二のルーメン24,26の外壁39は、このルーメン24,26のための円形断面を説明している。
【実施例3】
【0053】
図5は、本発明の第三実施例である、カテーテル組立体7を示すものである。図5のカテーテル組立体7は、図1のカテーテル組立体5と、主としてカテーテル組立体7の末端32,34と転移点36との間の部分にわたり(図5中矢印「B」で大まかに指示されるカテーテル組立体7の部分にわたり)識別される。
【0054】
図5の実施例において、第一および第二の末端管14,16の外壁44は、図5bに示すように、転移点36から末端32,34まで(図5中矢印「B」の縦方向全長にわたり)、分離(非結合)しており、且つ独立している。この第一および第二の末端管14,16の断面(図5b)は、この第一および第二の末端管14,16の外壁44が、第一および第二のルーメン24,26の外壁39と共に、矢印「B」の長さにわたり、丸められているか、円形であることを説明している。
【0055】
このカテーテル組立体7の第一および第二のルーメン24,26の基端28,30と転移点36との間の部分は、(図5中概ね矢印「A」で示される縦方向長さわたり)ユニタリー・カテーテル12を含むものである。図1および4の実施例におけるものと同様に、このユニタリー・カテーテル12の外側は、滑らかでカーブした概ね中高の表面を含む。図5aに示すように、このユニタリー・カテーテル12の断面は、ほぼ楕円形で、図5aは、このユニタリー・カテーテル12の概ね楕円形の外壁38と第一および第二のルーメン24,26の円形外壁39を断面で説明している。
【実施例4】
【0056】
図6は、本発明の第四実施例である、カテーテル組立体8を示すものである。図6のカテーテル組立体8は、はっきりしたユニタリー・カテーテル12部分を含まず、むしろ、このカテーテル組立体8のほぼ全長にわたり(図6中、概ね矢印「B」で示される縦の長さにわたり)延びる第一および第二の末端管14,16を含むものである。図6のカテーテル組立体8は、はっきりしたユニタリー・カテーテル12を含まないものの、第一および第二の末端管14,16の基端部分は(第一および第二の末端管14,16のハブ18内にある基端の終点を通じ、また、これを含めて)、滑らかで、丸みのあるほぼ楕円形の周辺を有する外輪郭を含む。ハブ18は、図3中断面で示したものと同様である。
【0057】
図6aに示すように、カテーテル組立体8の、図6中、概ね矢印「A」で示される縦の長さ部分にわたる断面は、ほぼ楕円であり、図6aは、ほぼ楕円形の外壁38および、第一および第二のルーメン24,26の円形外壁39を説明している。本発明の図6の実施例において、カテーテル組立体8の矢印「A」部分の断面は、単一の楕円形部分(図6aに示すような)、あるいは(半円形が、その平らな部分で、図2eおよび4bに示すように合わさって)背中合わせでその平らな部分が、互いにおそらく適切な接着剤を用いて耐久的に結合されて置かれた二つの半円形(「D」字形)状の末端管14,16を含むものであって良い。
【0058】
この第一および第二の末端管14,16の外壁44は、図6のカテーテル組立体8の縦の長さの矢印「B」部分にわたり、分離(非結合)であり得るし、この第一および第二の末端管14,16のこの長さにわたり、離脱可能に取付け(裂け得るように)られていても良い。何れの場合でも、この第一および第二の末端管14,16の断面は、図6bに示すように、この第一および第二の末端管14,16の外壁44ならびに、第一および第二のルーメン24,26の外壁39が、丸み付けられているか円形であることを説明している。
【0059】
更に、この第一および第二の末端管14,16は、図2aから図2eまでに示されてもののような、しかもこれに限定されない、又本発明の第一実施例に関して記述されたような、その他の特徴を有し得ることが描かれる。
【実施例5】
【0060】
図7は、本発明の第五実施例である、カテーテル組立体9を示すものである。図7のカテーテル組立体9は、図6のカテーテル組立体8と同様で、別のハブ18を含むことだけで区別される。
【0061】
ハブは、それぞれ延伸管の末端と連通する第一および第二のルーメン24,26の基端28,30のための強化部分を提供する。またこのハブは、1以上のルーメンを互いに保持する手段も提供し、それにより、ルーメンの分離したり裂けたりする能力を限定している。したがって、本発明は、上記事項を達成する任意の型の、当該技術で既知のもの又はこれから開発すべき、着脱自在なハブ器具を含む、ハブの使用を目論むものである。
【0062】
この技術で既知の様に、ハブ18は、延伸管(又は、エクステンダー)の末端および管またはルーメンの基端に、結合、接着、熱成形その他の取付け手段で、シールされていて良い。本発明の一側面において、延伸管は、恐らく熱成形による外層でコーテイングされた二つの別々のルーメンの基端部分で、この組立体のユニタリー・ボデイ部分を形成するためのものである。したがって、この延伸管は、ルーメンの基端と連続しており、ハブ18は、単純に成形されて良く、又は、ルーメンの基端および延伸管の末端の周りに他の手段で接着されて良い。本発明の別の側面において、このハブ18(外層)は、第一および第二の管またはルーメンの中点付近の部分の周りに成形その他の手段で接着して、管あるいはルーメンの1セットから延伸管とカテーテル組立体を作り出している。若し、上記の何れかの側面が、図7のカテーテル組立体9に組み込まれたハブ18の実施例であれば、第一および第二のルーメン24,26の基端28,30が、その延伸管20,22がハブ18から対角線的に広がる点で、生じることを理解すべきである。
【実施例6】
【0063】
図8は、本発明の第六実施例である、カテーテル組立体10を示すものである。図8のカテーテル組立体10は、図6のカテーテル組立体8に類似しているが、カテーテル組立体10のほとんどの長さにわたり(図8中矢印「B」で概ね示す全縦方向長さにわたり)分離(非結合)し且つ独立している第一および第二の末端管14,16を含むものである。図8bは、この第一および第二の末端管14,16の断面を示しており、第一および第二の末端管14,16のための円形の外壁44、ならびに第一および第二のルーメン24,26のための円形の外壁39を説明している。
【0064】
図8のカテーテル組立体10は、第一および第二の末端管14,16の、滑らかで、丸みのある、ほぼ長円形の周辺を有する外輪郭の基端部分を同様に含むものである。図8aに示すように、カテーテル組立体10の、縦方向長さの矢印「A」部分にわたる断面は、その形状が概ね楕円であり、図8aは、この概ね楕円形の外壁38と第一および第二のルーメン24,26のための円形の外壁39を示している。更に、このカテーテル組立体10の矢印「A」部分の断面は、単一の、楕円形部分(図8aに示すような)または、二つの半円形(「D」字型)の、背中合わせに置かれ、互いに部分的に耐久的に結合された(つまり、図2eおよび4bに示すように、その半円形の平らな部分で)末端管14,16を含み得るものである。この図8のカテーテル組立体10のハブ18は、図3で詳細に説明したハブ18である。
【実施例7】
【0065】
図9は、本発明の第七実施例である、カテーテル組立体11を示すものである。図9のカテーテル組立体11は、図8のカテーテル組立体10と同様であるが、代りのハブ18と組み合わせられたことにより区別される。本発明が、当該技術で公知の任意のハブ、ここに記述された任意のハブまたは開発されるべき任意のハブと組み合わせ得ることは予想できる。
【0066】
<本発明の一般的および代替的な側面>
本発明は、二つの自由に且つ独立して動き得る末端32,34を有するマルチプル・カテーテル組立体の側面を提供し、又単一の挿入方法、および唯一つのトンネリング手順で、ユニタリー・カテーテル12の基端部分を容易に操作する能力の側面をも提供している。この滑らかで、概ね中高の外表面を有するユニタリー・カテーテル12は、挿入サイトを容易に通過する。血管壁は、このユニタリー・カテーテル12の滑らかで、カーブした表面の周りを容易にシールすることが出来る。若し、丸い個別の末端管14,16が、この挿入サイトに置かれているならば、その血管は、あたかも単一の、丸い概ね楕円または円形のユニタリー・カテーテル12型外形が使用されているのとは、多数の丸みのある末端管の周辺またはその間には、その「8字」外輪郭により潜在的な漏洩のリスクがあるので、容易にシールすることは無く、または、それ程緊密にはシール可能とはならない。
【0067】
このカテーテル組立体の離脱可能に取付けられた(つまり、裂け得る)部分(例えば、図6の矢印「B1」部分、転移点36と結合点48との間の部分)は、任意の与えられた患者に対し、それぞれのカテーテル組立体の使用および挿入の、より以上の適応性と柔軟性を提供するものである。その患者の身長および体重はそれぞれ、カテーテル組立体のユニタリー・カテーテル部分の、カテーテル組立体の残りの部分に関しての望ましい長さを、カテーテル組立体の滑らかで、概ね楕円の断面形状が血管壁挿入サイトに置かれることを保証するように、決めることに影響する結果を有している。カテーテル組立体の裂け得る部分は、カテーテル組立体の挿入時に、(本発明のユニタリー・カテーテルによって提供されるような)滑らかで、概ね楕円の断面形状の理想的な長さ、および独立(分離)した、自由に浮動する末端管の理想的な長さを決定する際に、柔軟性を提供する。
【0068】
本発明で接着剤を使った離脱可能な取付けが採用されるならば、管の外表面は、管を構成する材料に関して、その接着剤の粘着力より大きい接着強度の接着剤を用いて接合されることが合理的である。この接着剤は、極めて薄い層またはコーテイングとして塗られるので、図面には示されていない。しかしながら、当該技術で通常の熟練を有する者にとっては、この開示に基づき、この接着剤が、管14,16の外壁44の片方または両方上に、部分的又は完全なコーテイングとして塗られており、管14,16を一緒に圧されたら、外壁44がくっ付くようになることを理解するだろう。それ自身より管により強く接着する接着剤を使用した結果、その接着剤は、当初はカテーテル組立体の所望の部分を一緒に保持するものであり、このカテーテル組立体のユニタリー・マルチルーメン・カテーテルと同様な手法での操作を可能とする。しかしながら、その末端部分および/または末端32,34に反対の横切る力が印加されると、この接着剤はその粘着力を失い、管14,16が少なくとも部分的に縦に裂けるように、カテーテル組立体に沿い縦に分離させる。
【0069】
この裂けの長さは、所望の用途に依存して変化し得る。例えば、カテーテル組立体がカテーテライズすべき部位に挿入される血液透析型の用途に対しては、管14,16を、カテーテライズされる部位内での独立した動きを容易にするに要する程度においてのみ裂くことが望まれ得る。血液流およびその他の流体の流れの用途では、流体が、カテーテライズすべき部位から、カテーテル組立体の管14,16の間を通過して逃げる可能性を避けるような部分的な裂けが望まれるだろう。ここに述べた接着剤は、離脱可能な取付けを与えるものであるが、管14,16を離脱可能に合わせるため、破れ可能な超音波溶接、管14,16の間に成形された薄いポリマーの破れ可能な層あるいはその他の同様な構造のような、他の適当な技術も、管14,16が僅かな手の力で縦に裂け得る侭である限り、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用可能であることを理解すべきである。これまで各所で述べた離脱可能な取付け、裂け得る層、コーテイング、接着剤および/または膜の使用により、管14,16は、管14,16の裂ける間に、ゆがんだり、伸びたり、その他構造的に変化することは無い。
【0070】
本発明のカテーテル組立体のおのおのは、その表面にクロッテイング(塞栓)を促すような突起部を持たない滑らかで、丸みのある末端32,34を有することが出来る。粗い外表面は、クロッテイングが始まる点となり得る突起部を与える。血管内で自由に浮動する滑らかで、丸みのある外表面を有する末端32,34はクロット形成の源を与えない。本発明の自由に浮動する末端は、血管壁の内面に対し吸引の傾向が無く、ステノシス(狭窄症)の傾向を最小限にすることを含む個々のカテーテル管の側面を提供する。また本発明のカテーテル組立体は、そのユニタリー・カテーテル型の外輪郭が、その壁の厚みおよび断面による、又分離した末端管の滑らかさによる多大の支援を提供しているので、よじれる傾向が小さい。
【0071】
上記で言及した実施例に示すように、この第一および第二の末端管14,16および第一および第二のルーメン24,26は、円形の断面が流体流れ特性に対し最も伝導性があるので、概ね円形の断面を有している。しかしながら、「D」字型、長円、三角、楕円、えんどう豆型その他の形状の様な、他の形もまた、本発明の範囲内にある。更に、この末端管14,16およびルーメン24,26は、その断面が一致していることが好ましいが、末端管およびルーメンの断面における寸法、形状あるいは構成を変えることも本発明の範囲内であり、それにより、より小さい管および/またはルーメン、あるいは、ルーメンおよび末端管の変化する型も、薬剤の導入のための第三の小さなルーメンと相応する末端管の追加のような、その他の応用のために使用可能である。
【0072】
更に、この末端管が、当該技術で公知、またはこれから開発されるように、変化する直径または末端形状を有することもまた本発明の範囲内にある。例えば、この末端管は、ユニタリー・カテーテル近くでより大きな直径を有し、それが管の末端に近くなるに従い急激に、あるいは徐々により小さい直径に転移するものでも良い。その代りに、変化する用途にために、より先細で、円錐または角度付きの末端管も提供し得る。しかしながら、このカテーテル組立体のためには、好ましくは柔らかいデユロメータの材料で形成された鈍い末端が好ましく、それが患者にやすらぎを与え、血管壁トラウマおよび狭窄症を避ける。
【0073】
各末端32,34における末端孔49に加え、この第一および第二の末端管14,16は、末端管14,16の第一および第二のルーメン24,26の末端32,34近くの外表面を通じて延びる複数の側孔50を(種々の図面で示したように)有し得る。この側孔50は、管14,16の外側の部位から管14,16の内側の部位に流れる、およびその逆に流れる流体のための追加的あるいは代替的な流路を提供する。この側孔50は、最適な流れ特性を与えるため、また血管壁のようなカテーテライズすべき部位に対する末端管14,16の吸引を避けるため、末端管14,16のまわりに周辺的におよび螺旋的に配置することが出来る。この側孔50は、種々の形状で良いが、典型的には、円または楕円であり、あるいは、それらの幾つかの組み合わせである。
【0074】
またこの側孔50は、末端管14,16の短い方と長い方との間で、数を変えても良い。本発明のある側面において、図4のカテーテル組立体は、6個の側孔50を第二の末端管16の第一の末端管14に面する側にらせん状に含んでおり、第一の末端管14上には5個の側孔50が、楕円である第一の末端管14上で最も根元にも近い孔を除き全ての側孔が円形として、含まれている。本発明のこの側面において、側孔50は、360°のらせん上に60°離されて配置されている。
【0075】
この側孔50は、その側孔50を通じる取込みおよび戻り流れの乱れを平準化することにより、この末端管14,16の振動的な動き最小限にする。振動的な動きを最小限にすることは、狭窄症の防止を助ける。またこの側孔50は、末端32,34の端孔49の一方または両方で流れが止められても、取り替え用のカテーテル組立体が用意されるまで透析を続けることが出来るように、末端管14,16の代替的開口を提供する。また本発明は、側孔50が無く、末端32,34に端孔49のみを有する実施例も目論むものであることを理解すべきである。
【0076】
<本発明を形成する材料>
本発明のカテーテル組立体は、バイオコンパチブル(生物学的に共存し得る)プラスチックまたはエラストマー、好ましくはバイオコンパチブル・エラストマーから作ることが出来る。適当なバイオコンパチブル・プラスチックは、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル・コポリマーのような酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリ塩化ビニル類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、エチレン・グリコール・ジメタクリレート、エチレン・ジメタクリレートおよびヒドロキシメチル・メタクリレートのようなアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリウレタン類、ポリビニルピロリドン、2−ピロリドン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン、ポリカーボネイト類、ポリアミド類、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニル・フルオライドのホモポリマーおよびコポリマー類のようなフルオロポリマー類、ポリスチレン類、スチレン・アクリロニトリルのホモポリマーおよびコポリマー類、酢酸セルローズ、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリメチルペンテン、ポリスルフオン類、ポリエステル類、ポリイミド類、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、および当該技術に熟達した者に知られた同様な化合物のような物質から選んで良い。これらの可能なバイオコンパチブル・ポリマーは、例示の目的で上記に含まれているもので、限定的に解釈すべきでないことを理解すべきである。
【0077】
若しバイオコンパチブル・ポリメリック材料がこのユニタリー・カテーテル12を形成するために使用されるならば、その末端管14,16および延伸管20,22が、以下に特記するように柔らかいデユロメータ(durometer)を有するポリウレタン・ポリマーまたは、ポリオレフイン・ポリメリック材料を含むポリメリック材料であることが好ましい。
【0078】
この延伸管20,22は、ユニタリー・カテーテル12および末端管14,16とは別につくられていて良く、ポリウレタンまたはポリ塩化ビニル・ポリマーまたはエラストマーのような材料で作られていて良い。しかしながら、この延伸管20,22が、そのユニタリー・カテーテル12および末端管14,16と同じ物質で作られていることが好ましい。
【0079】
本発明の全ての構成部材に、バイオコンパチブル・エラストマーを使うことが最も好ましい。このユニタリー・カテーテル12、末端管14,16そして好ましくは延伸管20,22を形成するために適当で、好ましいバイオコンパチブル・エラストマー類には、医療用級のシリコン・ラバー類、ポリ塩化ビニル・エラストマー類、ポリオレフイン・ホモポリメリックおよびコポリメリック・エラストマー類、ウレタン・ベース・エラストマー類、および天然ゴムあるいはその他の合成ゴム類のようなバイオコンパチブル・エラストマーが含まれる。好ましくは、このユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、エラストメリック材料で作られ、それにより、それらがしなやかで、耐久性があり、柔軟で、且つ患者内の挿入または掘削個所に関して、カテーテライズすべき部位および/または皮下の部位の形状に容易に適合するようになる。更に、これらの材料は、血管壁への損傷の危険を最小限にする。
【0080】
若し、本発明のカテーテル組立体を血液透析用途に用いるならば、そのユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、ショアー・デユロメータ・スケール(Shore durometer scale)で、約75−Aから約85−Aの硬度を有する柔らかいシリコン・エラストマーで形成されるのが最も好ましい。適当で好ましいエラストマーには、シリコーンまたはポリウレタアン・エラストマーが含まれ、最も好ましくは、例えばダウ・コーニング社から入手可能であるペレタン(Pelletane、登録商標)、またはサーメチックス(Thermetics)社から入手可能なテコタン(Tecothane),カーボタン(Carbothane)又はテコフレックス〈Tecoflex〉(何れも登録商標)のようなポリウレタン・エラストマーである。
【0081】
本発明の全ての構成部品は、若し必要ならば、ラジオパシテイ(radiopacity)を備えるため、そのエラストマー中に20%の硫酸バリウムを含むように作られ得る。若し、バイオコンパチブル・エラストマーが特に血液透析に用いられるなら、上記ショアー−A・デユロメー範囲のショアー−A・デユロメータ硬度を持たせるか、あるいは幾らかより柔らかい材料が好ましいが、若し特定の用途で要求されるなら、本発明の精神を逸脱することなく、この範囲外のより低いショアー−A・デユロメータ硬度を有するエラストマー,とりわけより硬い材料の一つを使うことも可能である。又、このハブは、エラストメリック材料で作られるが好ましく、カテーテルのその余の部品と同じ材料で作られることが最も好ましい。しかしながら、このハブは、幾らかフレキシブルであることが好ましいが、又カテーテルのその他の部品より幾らか、ショアー=A・デユロメータ・スケールで約5−10ポイント分、硬く固いものであることが好ましい。この開示に基づき、この柔らかさまたは固さは異なる用途に依り、変わり得ることを理解すべきである。
【0082】
本発明の一側面において、そのユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、すべて85−A・デユロメータのカーボタン(登録商標)により形成されている。その代わりに、ユニタリー・カテーテル12と末端管14,16とを約80−Aのデユロメータを有するテコフレックス(登録商標)で、そしてハブ18と延伸管20,22とを約80−Aのデユロメータを有するペレタン(登録商標)でと言う組み合わせも好ましい。ルエル(luers)、コネクタ類などの、透析その他の装置に取り付けるための追加的部品は、アセタール、シリコーン80−A又はポリ塩化ビニルのようなポリメリックおよび/またはエラストメリック材料で作られることが好ましい。しかしながら、このようなコネクタ類は、当該技術において、このようなコネクタおよび/またはアダプター部品を形成ために公知あるいは開発されるべき任意の適当な材料から作られても良い。
【0083】
<本発明の製造方法>
本発明は、更に、上述のマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法も含むものである。さて図10aおよび10bを参照すると、この方法は、、基端部分62、末端部分64を有するユニタリー・カテーテル管60を形成することを含み、末端部分64は末端先66で仕切られる。図10aに示すように、このユニタリー・カテーテル管60は、射出成形、膨張/圧縮成形および押し出しを含む任意の適当な熱成形工程を使って形成されて良い。
【0084】
本発明の一側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、図10a−dashに示すような内部ルーメンを形成するようにダイスを通じる押し出しにより形成される。この実施例において、ルーメンは、寸法および輪郭において、ほぼ同一且つほぼ一致するものである。この内部に縦に延びるルーメンを有するユニタリー・カテーテル管60は又、内部ルーメンの形状を有する金属棒の周りに管60を射出成形することにより形成されても良い。
【0085】
さて図10bを参照すると、このユニタリー・カテーテル管60は、次いで、そのカテーテルのために要する特定の寸法により予め定められた距離にわたり,熱いナイフ又はかみそり刃(図示せず)のような鋭利な刃先を使って、管60の末端部分64に沿い縦に裂かれる。本発明の一側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、その管60の全長の少なくとも半分に等しい縦の長さだけ裂かれる。本発明の他の側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、その管60の全長の半分より大きい縦の長さだけ裂かれる。
【0086】
このカテーテル管60は、(図10bおよび図10b−dashに示すように)内部隔壁70に沿い、二つのルーメン間で出来るだけ均等に裂かれることが好ましい。若しカテーテル組立体内に2つを越えるルーメンがあるなら、そのユニタリー・カテーテル管は、好ましくは、その管の裂けた部分の各々を取り囲む、ほぼ等しい量のチュービング材料をもって、各内部隔壁に沿い均等に裂かれることになる。
【0087】
このユニタリー・カテーテル管60を裂くことにより、第一の末端管72および第二の末端管74が形成される。第二の末端管74は、次いで、一方の末端管が他方よりその長さで大きいことが望ましいならば、第一の末端管72に関して寸法を切摘められても良い。末端管の別々の長さは、カテーテライズすべき部位内で、その管に入る、および、そこから去る流体の再循環を避けることを助ける。
【0088】
このユニタリー・カテーテル管60および末端管72、74を形成した後、そのユニタリー・カテーテル管60の外表面および末端管72、74の外表面が、滑らかな表面になるまで、研ぎ磨かれる。この滑らかな表面を与え得るため、ラジオ周波数(RF)チッピングが使用できる。ラジオ周波数(RF)チッピングは、外表面を、幾らか融解するまで再加熱し、その表面を研ぎ磨くためにラジオ周波数(RF)エネルギーを使用する。
【0089】
更に、このユニタリー・カテーテル管60および末端管72、74は、マンドレル(芯金)上でのラジオ周波数(RF)チッピングに耐え、これらの管が、所望ならば、内部通路(ルーメン)において、又外表面上の両方で、概ね円形の横断面を持つように再形成されるようになる。本発明の一側面(図1参照)において、末端管の外表面は、転移点36から末端32,34まで(矢印「B」部分)円形断面にまで丸められている。本発明の別の側面(図4参照)において、末端管の外表面は、結合点48から末端32,34まで(矢印「B2」部分)円形断面にまで丸められている。
【0090】
これらの表面が形成され、滑らかにされた後、若し所望ならば、当該技術で公知の技術で、末端管に孔が形成される。孔の数、寸法、形状および間隔は、個別に好ましいものとされるが、幾らかの一般的および特定的側面は、上述した。
【0091】
若し所望ならば、分割されたカテーテルの部分は、弱い接着剤で末端管の外表面の部分を結合することにより、離脱可能に取付けられても良い。本発明の一側面(図1参照)において、末端管の外表面の一部は、カテーテル組立体5の基端部分、又は矢印「B」部分の全部にわたり(つまり、転移点36に始まり末端32,34に向かい延びる長さ、あるいは、転移点36に始まり末端32,34に向かい延びる全体の長さにわたり)接着され(離脱可能に取付けられ)ても良い。本発明の別の側面(図4参照)において、末端管の外表面の一部は、管の転移点36に始まり結合点48に向かい延びる全長(矢印「B1」部分)にわたり接着され(離脱可能に取付けられ)ている。
【0092】
このユニタリー・カテーテル管60を裂く代わりに、管60を形成した後、前もって押し出し又は熱成形されていても良い個々の末端管は、ユニタリー・カテーテル管60上に溶着されても良い。この末端管は、それらがそれぞれを貫通して縦に延びる、縦の通路(ルーメン)を有するように形成され、又ユニタリー・カテーテル管60の末端への取付けに先だって、あるいはユニタリー・カテーテル管60の末端へ取付けた後、複数の孔を含むように形成されても良い。この末端管は、所望により種々の断面形状に形成されても良いが、幾らかの一般的および特定的な側面は上述した。
【0093】
形成された末端管の各々は、次いで、適当な熱成形方法により、または接着剤、超音波溶接、又は当該技術で知られたその他の方法のような他の取付け方で、ユニタリー・カテーテル管60の末端に取付けられ、第一の末端管の第一の通路がユニタリー・カテーテル管の第一のルーメンと流体的に連通し、第二の末端管の第二の通路がユニタリー・カテーテル管の第二のルーメンと流体的に連通するようにされる。本発明の一側面においては、熱融着が、末端管を取り付けるのに使われ、この融着は、管と末端配管長部分が出会うところに滑らかな融着部分が生じるように、ユニタリー・カテーテル管および成形されたメス空洞内の末端配管長部分に加えられた熱を用いて行われる。
【0094】
図4のカテーテル組立体6を作るには、若し個々の末端管のユニタリー・カテーテル管への溶着を用いるならば、僅かな変更を要する。楕円形断面の外形を有するユニタリー・カテーテル管60は、丸い末端管の分割されたユニタリー・カテーテル管の末端への溶着に先立ち、尚も分割することが出来る、というのは図4のカテーテル組立体6の転移点36と結合点48との間の部分(矢印「B1」部分)は、図4bに示すように二つの半円断面(ダブル「D」)を有する外形を有しているからである。それゆえ、個々の末端管のユニタリー・カテーテル管の末端への溶着に先立ち、このユニタリー・カテーテル管は、カテーテル組立体6の矢印「B1」部分に要した距離にわたり、切断(分割)を必要とする。その代わりに、異なる断面の管の二つの溶着を行うことも、上述したように、一つの管を溶着して、その一部を研ぎ磨くことのように、可能である。
【0095】
一般的に、延伸管20,22は、押し出しするか、あるいは、末端管の形成について上述したのとよう同様の技術を用いて、ユニタリー・カテーテル管60を形成するとき当初から延伸管を成形することにより設けられる。しかしながら、この延伸管は、ハブを使ってユニタリー・カテーテル管の基端に取付けることが好ましい。
【0096】
本発明の製造のため上述した方法の、その他の代替方法には、第一のカテーテル管と第二のカテーテル管とを概ね縦に平行した配列で整えることが含まれ、好ましくは互いに並列させられるが、カテーテル管同志間には隙間が在るようにされる。更に、2より多いカテーテル管も用いることが出来、同様に配列される。カテーテル管の各々は単一ルーメン・カテーテルであることが好ましいが、ある用途のたあめには、マルチルーメン・カテーテルもまた使用できる。第一および第二のカテーテル管の各々は、それぞれの末端、末端部分、および、各カテーテル管内にそれを貫通して縦に延びる少なくとも一本のルーメンを有する。
【0097】
第一および第二のカテーテル管の、カテーテル末端部分に近接した外表面の全長の少なくとも一部の周りに外層(シート)が形成される。この外層は、カテーテル管の周りに押し出されることが好ましい。しかしながら、カテーテル管の配列と外層の形成は、カテーテル管のダイスを通じる同時的押し出しにより、カテーテル管の周りに外層を共に押し出しながら、形成しても良い。しかしながら、この外層は、カテーテル管の末端部分に近接した外表面の長さの一部だけにわたり共に押し出される。
【0098】
一旦、この外層が形成されると、第一および第二のカテーテル管を一緒に熱成形するのに充分な熱成形能が、加えられて良い。カテーテル管内のルーメン/通路は、概ね縦方向に平行で、カテーテル管は、並列した関係で共に熱成形され、外層内に固定される。
【0099】
このカテーテル管の末端部分は、外層内にある第一および第二のカテーテル管の外表面の長さの部分から、外向き且つ末端に向かい延びている。この末端部分は接続されていないので、それらは自由に浮遊し、独立の動きが可能である。第一および第二のカテーテル管の間に、一旦外層が形成されたらカテーテルの周りに滑らかな楕円形外表面が成形されることを確保するため、充填材を熱成形するのも本発明の範囲内である。
【0100】
前述のように、延伸管は、若しその外層がカテーテル管の基端まで延びるように形成されれば、そのカテーテル管の端部に設けられ得る。そうでなければ、その外層は、その外層内の部分から延伸管を形成するように延びる別々の独立した基端を残しながら、カテーテル管の長さの一部のみにわたり形成され得る。この場合は、図1で示した延伸管20,22の手法で、延伸管として役立つ基端部分は、図1のユニタリー・カテーテル12を提供するようにカテーテル管の周りに形成された外層の基端から基端方向に伸びる。
【0101】
次いで、ハブが、この外層の基端およびその外層に隣接した基端方向へ延びるカテーテル管の末端の周りに成形される。そのユニタリー・カテーテルと延伸管とをその位置に維持するため、このハブの成形体は管を受け入れるための空洞を有するか、あるいはルーメンの形状を保持し、その管を定位置に保持するため、延伸管および形成されたユニタリー・カテーテル部分内のルーメンを通じて挿入された金属棒を有することが好ましい。複数の孔が、カテーテル管の末端部分に備えられても良い。
【0102】
当該技術に熟達した者にとって、上に述べた実施例に、この広い発明概念から逸脱することなく、変更が加え得ることは理解し得ることであろう。それゆえ、本発明は、同封した特定の実施例に限定されることなく、意図した特許請求の範囲により定義された本発明の領域および範囲内の変形・改良をカバーすることを意図していることを理解すべきである。
【0103】
以下、本発明の好ましい態様を示す。
(態様1)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
外壁、末端、基端、およびそれを貫通して縦に延びる複数のルーメンを有するユニタリー(一体化)部分;および
その各々がそれを貫通して縦に延びるルーメンを定める複数の末端管、そこではその末端管のルーメンの各々がユニタリー部分のそれぞれのルーメンと流体的に連通しており、且つその末端管は互いに独立して動き得るものである。
(態様2)
その末端管の各々が概ね半円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様3)
そのユニタリー部分の外壁が概ね円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様4)
そのユニタリー部分の外壁が概ね楕円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様5)
そのユニタリー・カテーテルのルーメンが概ね円形の断面である態様4に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様6)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
その各々がそれを貫通して縦に延びる丸いルーメンを有し、且つその各々が概ね半円形断面形状の外面を有する二つのカテーテル管;および
この二つのカテーテル管を互いに並べて整列させて保持するハブ、ここで一緒に並べてられて整列状態の管は、概ね楕円形の断面を有している。
(態様7)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
概ね楕円形断面の外表面、それを貫通して縦に延びる第一および第二のルーメン、末端および基端を有するユニタリー(一体化)部分;および
第一の縦に延びる通路を定める第一の末端管および第二の縦に延びる通路を定める第二の末端管、
ここで、この第一および第二の末端管は、ユニタリー部分の末端から末端方向に延び、且つ互いに独立した動きが可能である、第一の末端管内の第一の通路は第一のルーメンと流体的に連通しており、第二の末端管内の第二の通路は第二のルーメンと流体的に連通している。
(態様8)
そのルーメンおよび通路が概ね円形の断面を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様9)
その第一および第二の末端管の各々が、その縦方向の長さの一部にわたり、概ね半円形断面の外形を有し、且つその縦方向の長さの残りの部分にわたり、概ね円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様10)
その概ね半円形断面の外形を有している第一および第二の末端管の部分が、離脱可能に取付けられている態様9に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様11)
その離脱可能に取付けられている第一および第二の末端管の部分が、最小限の力を用いて裂け得る態様10に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様12)
その最小限の力が1ポンドと5ポンドとの間である態様11に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様13)
その第一および第二の末端管の少なくとも一つが、長さを縦方向で測って、ユニタリー・カテーテルより長い態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様14)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様15)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね半円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様16)
その第一および第二の末端管が、それらの管が一緒に概ね楕円形断面の外形を有するように、整列させられている態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様17)
その第一および第二の末端管が、それらの縦方向長さの少なくとも一部で離脱可能に取付けられている態様16に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様18)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね「D字」型断面の外面を有し、その「D字」型が、概ね平らな外面部分と丸みのある外面部分とを定めるものである態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様19)
その第一および第二の末端管が、その各々の平らな外面部分に沿い縦方向長さの少なくとも一部で、互いに隣接させられている態様18に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様20)
その隣接させられている第一および第二の末端管が、一緒になって概ね丸い断面の外面を有する態様19に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様21)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
概ね楕円形の横断面を有する滑らかで、丸みのある外表面を有するユニタリー・カテーテル、そのユニタリー・カテーテルは末端および基端を有している;および
そのユニタリー・カテーテルの末端から末端方向に延びる第一および第二の末端管、その末端管の各々が末端チップで終わる末端部分および基端チップで終わる基端部分を有するものである、
ここで、その第一および第二の末端管の少なくとも一つが、そのユニタリー・カテーテルより縦方向に長い、
ここで、その第一および第二の末端管が、それらの基端チップから基端部分の長さにわたり離脱可能に取付けられ、それらの末端チップから末端部分の長さにわたり分離するものである、
ここで、その第一および第二の末端管の各々が、その離脱可能に取付けられた部分にわたり概ね「D字」形の横断面であり、その分離部分にわたっては概ね円形の横断面である。
(態様22)
次記の工程を具備したマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法:
末端に終わる末部分と末端部分,基端に終わる基端部分、および第一のルーメンおよび弟ニのルーメン、この第一および弟ニのルーメンの各々は、ユニタリー・カテーテル管を貫通して縦に延びている、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程、および
このユニタリー・カテーテル管を、第一および第二の末端管を形成するために、そのユニタリー・カテーテル管の末端部分に沿い縦に裂く工程。
(態様23)
そのユニタリー・カテーテル管の外面が概ね楕円形の断面を有する態様22に係る方法。
(態様24)
その第一および第二のルーメンが円形の断面を有する態様23に係る方法。
(態様25)
その第一および第二の末端管の外面が概ね半円形の断面を有する態様22に係る方法。
(態様26)
更に、その第一および第二の末端管の外面が、その第一および第二の末端管の縦方向の長さの一部にわたり、概ね半円形の断面を有するように仕上る工程を含む態様22に係る方法、ここで第一および第二の末端管は縦方向の長さの残りの部分にわたっては概ね円形の断面を有している。
(態様27)
更に、その第一および第二の末端管を、その第一および第二の末端管が概ね半円形断面を有している縦方向の長さの一部にわたり離脱可能に取付ける工程を含む態様26に係る方法。
(態様28)
更に、その第一および第二の末端管を、その縦方向の長さの少なくとも一部にわたり互いに離脱可能に取付け、それにより、その第一および第二の末端管を、その離脱可能に取付けられた部分にわたり最小限の力で裂け得るようにする工程を含む態様22に係る方法。
(態様29)
その第一および第二の末端管が、その第一および第二の末端管が、ユニタリー・カテーテル管から延び始める点で始まってその縦方向の長さの基端部分にわたり続いて、離脱可能に取付られており、それらの縦方向長さの末端部分にわたり末端で分離する態様28に係る方法。
(態様30)
裂けた後、その第一および第二の末端管の少なくとも一つの長さが、そのユニタリー・カテーテル管の残りの部分の長さより大きい態様22に係る方法。
(態様31)
更に、その第一および第二の末端管を、その第一および第二の末端管の各々に概ね滑らかな外表面を与えるように、研ぎ磨く工程を含む態様22に係る方法。
(態様32)
その第一および第二の末端管の各々の外面が、研ぎ磨いた後、円形断面である態様31に係る方法。
(態様33)
そのユニタリー・カテーテル管の形成が、熱成形工程である態様22に係る方法。
(態様34)
その熱成形工程が押し出しである態様33に係る方法。
(態様35)
次記の工程を具備したマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法:
末端に終わる末部分と末端部分,基端に終わる基端部分、および第一のルーメンおよび弟ニのルーメン、この第一および弟ニのルーメンの各々は、ユニタリー・カテーテル管を貫通して縦に延びている、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程、
このユニタリー・カテーテル管を、第一および第二の末端管を形成するために、その末端部分に沿い縦に裂き、それにより、そのユニタリー・カテーテル管の裂けた部分と裂けてない部分との間に転移する点を作り出す工程、そこでは、この転移する点から末端までの長さとして定義される、ユニタリー・カテーテル管の裂けた部分の長さが、ユニタリー・カテーテル管の基端からこの転移点までの長さより大きい、および
第一および第二の末端管を、それらの縦方向の長さの一部分に沿い、互いに離脱可能に取り付ける工程、この第一および第二の末端管は、その転移点から、その転移点と末端との間にある結合点まで離脱可能に取り付けられており、この第一および第二の末端管は、その転移点から末端まで分離しており、それにより、この第一および第二の末端管は、その転移点から結合点まで、最小限の力で裂け得て、その結合点から末端まで独立に自由浮遊するようにされている。
【符号の説明】
【0104】
5 カテーテル組立体
12 ユニタリー(一体化)カテーテル
14 第一の末端管
16 第二の末端管
18 ハブ
20 第一の延伸管
22 第一の延伸管
24 第一のルーメン
26 第二のルーメン
28,30 基端
32,34 末端
36 転移点
38,39 外壁
41 カフ
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にマルチルーメン・カテーテル組立体に関し、より特定的には、血管壁挿入サイトに位置するためのスムースな丸みのあるユニタリー(一体化)カテーテル部分と、カテーテライズ(catheterize/カテーテルを挿入、留置)すべき部分内に位置するための独立した、自由に浮動するカテーテル管を有するマルチルーメン・カテーテル組立体に係る。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2001年11月21日提出された合衆国仮特許出願連番60/331,882号 「マルチルーメン・カテーテル」に基づく利益を主張するものである。上記関連出願は、この引用により本出願と一体化するものである。
【0003】
流体の導入または除去のためのカテーテルは、これらの流体の導入または除去のため体全体にわたる種々の静脈位置および腔部に配置することができる。かようなカテーテライゼイション(catheterization/カテーテルの挿入、留置)は、多数のルーメン〈lumen/内腔〉を有する単一のカテーテルを使用して行うことが出来る。マルチプル・ルーメン・カテーテルの典型的な例は、デュアル(dual)・ルーメン・カテーテルで、その一方のルーメンは流体を導入し、他方は流体を除去する。カテーテライゼイションはまた、二つの異なるカテーテライズすべき部位の切開部に挿入された別々の単一ルーメン・カテーテルを使用して行うことが出来る。かようなマルチプル・カテーテル組立体は、テシオ(Tesio)カテーテルとして知られている。また単一の挿入サイトを通じて二つの全く独立した単一ルーメン・カテーテルを挿入する手法は、合衆国特許第5,624,413号に記述されている。
【0004】
一般に、どんなカテーテルでも血管に挿入するには、その血管を、良く知られているセルデインガー(Seldinger)技術に従って長い中空針を用いる吸引により確認する。血液がその針が取り付けられたシリンジに入ると、血管が見出されたことを示し、そこで細い案内ワイヤが典型的にはシリンジ針またはその他の導入具を通じ血管内部に導入される。次いでその導入具は、血管内にその案内ワイヤを残して除去される。この案内ワイヤは、皮膚表面から突き出る。
【0005】
この時点で、医師はカテーテルの配置に関し数種の選択肢を入手する。最も簡単なものは、案内ワイヤに沿い直接カテーテルを血管に通すことである。その後、案内ワイヤは、カテーテルを血管内の位置に残して除去される。しかしながら、この技術は、カテーテルが比較的小さい直径で、硬い材料製で、しかも案内ワイヤよりかなり大きくない、例えば小径のデュアル・ルーメン・カテーテルの挿入のための場合にのみ可能である。挿入すべきカテーテルが案内ワイヤよりかなり大きければ、穴を拡大するために、拡張具が案内ワイヤに沿って先ず通される。その後、カテーテルが案内ワイヤに沿い通され、案内ワイヤおよび拡張具が除去される。
【0006】
マルチプル・カテーテル組立体(例えば、Tesioカテーテル)内で典型的に使われている個別の単一ルーメン・カテーテルの場合、医師は導入シース(鞘〉を使用できる。若し、テシオ・カテーテルが、例えば血液透析の為に使われるならば、各カテーテルは、大腿部静脈のような二つの別々の静脈に挿入される。その代りに、各カテーテルは、上記した内頚静脈のような、同一の静脈の二つの別々の位置に挿入されてもよい。導入シースとは簡単に言えば、大きな硬く薄い壁の管で、そこに置かれる耐久的カテーテルのための一時的な導管として役立つものである。またテヤーアウエイ(Tearaway)シースも利用可能で、これは容易な除去のため裂けて離れるものである。この導入シースは、導入具内部に拡張具を配置し、案内ワイヤに沿い、拡張具と導入具の両方を一緒に通すことにより位置決めされる。上記のように挿入後血管内に残された案内ワイヤおよび拡張具は、その後薄い壁の導入シースをそこに残して取り除かれる。カテーテルは、導入シースを通じて置かれる。組立体内の各カテーテルは、典型的に皮下トンネル内に位置されたカフ(袖)により、あるいは外側でカテーテルを体に外側から取り付ける他の方法により患者の体内に皮下的に保持される。
【0007】
このテシオ・カテーテルはまた、上記した合衆国特許第5,624,413号に記述された技術に従って、血管内にシースを使い単一の挿入点を通じて挿入しても良い。このテシオ・カテーテルは、一旦血管内に挿入されると、カテーテルの外側基端部分の保持のため、二つの皮下トンネル内で患者を通じて別々に掘り進められる。
【0008】
このテシオ・ダブル・カテーテル組立体はまた、患者のためにはその柔らかいデュロメータ(durometer)により快適であり、血液透析の為に効果的なものの、挿入および/または掘り進めのために典型的には、多数の手続きと切開を必要とし、カテーテライゼイション手順に付随するリスクを増大させるものとなる。更に、ある血管内の単一の挿入サイトを通じての二つのカテーテル管の近接した配置の場合、手順の数を最小化できるものの、カテーテル管が血管を通る点におけるカテーテル管の間の漏洩に対する可能性が現れ得る。
【0009】
しかしながら、テシオ・カテーテル組立体は血管内で独立した動きの出来るカテーテル〈複数〉を提供する。このようなカテーテルは、血管内にあるとき、内部で分割されている単一の管により形成されているユニタリー・マルチルーメン・カテーテルに対し、幾つかの有利性を現すものである。テシオ・ダブル・カテーテル組立体の個々の管は、その流体出口で個別に可動であるので、カテーテル管の末端の全周辺を巡って流体取り込みおよび/または帰還流れを提供することが出来る。更に、若し一つの管がブロックされ、あるいは他のことで取り替えを要するとき、他の管と独立して取り除くことが出来る。更に、典型的にはシリコーンまたは類似の材料で作られているこのようなカテーテルのより柔らかなデユロメータは、血管壁損傷のリスクを減少させる。この360°周辺の流れは、ある近接したマルチルーメン・カテーテルの使用に際ししばしば起こるように、圧力差による血管壁に対する吸引が起こり難い、血管内でのより安定した管を提供する。
【0010】
ションら(Schon,etal.)に与えられた合衆国特許第5,718,693号(「ション(Schon)・カテーテル」)は、自己保持型のダブル・カテーテル・システムを開示しているが、そこでは、各カテーテルが織物組織が食い込んだカフ、またはマルチプル・カテーテル組立体内で、個々のカテーテルの両方をスリーブの位置で一緒に取り囲む、保持スリーブを配置した結果として得られた外側の縫合部を使用することなく皮下的に保持され得る。個々のカテーテルは、織物安定カフを要する代りに、皮膚の下に自己固定できるためのハブにより一部分で耐久的に結合され、そのようなカフを随意的なものとする。先端部は、再循環を避けるため、長手方向に適当な距離だけ離してある。この器具は唯一つの切開部を要するだけであるが、この自己保持的特徴を容易にするためには、二つの皮下トンネルを必要とする。このカテーテルは、血管内での個別的に可動な末端部および標準的なテシオの手法における360°周辺の流れを提供する。更に、保持スリーブは血管への入り口の点で、自己保持的特徴を発揮するために置かれたとき血管の外側に位置しているので、カテーテルは標準的なテシオ・カテーテルの手法で近接して置かれるが、血管サイトでカテーテル間の血液漏洩の潜在的リスクを残すものである。
【0011】
合衆国特許第5,947,953号は、ハブおよび当初は、例えば破れ得る膜により離脱可能に一緒に結合されている少なくとも二つの完全に独立したカテーテル管を有する分離可能なマルチプル・カテーテル組立体を開示している。このカテーテルの挿入に際しては単一の皮下トンネルが使用出来、且つこのカテーテル管は、血管への挿入に先立ちカテーテル管を裂くことにより少なくとも部分的に離される。その結果、カテーテルの血管内にある部分は独立して動くことが出来、各管の末端部分からの360°周辺流れを有するものとなる。このカテーテルは、縫合、食い込みまたは他の利用可能な保持具のような標準の保持手段を用いて保持され得る。
【0012】
そのほかのマルチプル・カテーテル組立体が合衆国特許第5,776,111号に、急性のテシオ型カテーテライゼイションのためとして開示されている。この組立体は、急性の手順で組立体を保持するため患者の皮膚表面に取り付けられる概ね平らな円盤によりある位置で一緒にされる二つの独立した単一ルーメン・カテーテルを含むものである。その末端は、再循環を避けるため予め離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】合衆国特許第5,624,413号公報
【特許文献2】合衆国特許第5,718,693号公報
【特許文献3】合衆国特許第5,947,953号公報
【特許文献4】合衆国特許第5,776,111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本技術には、マルチプル・カテーテル組立体に対する要望があり、又単一トンネリング手順による容易な挿入に関する上述したマルチルーメン・カテーテルの有利性を提供することが出来、又血管入り口サイトにおける漏洩の潜在的リスクを防止出来、しかし、血管内での独立した動きおよび良好な流れ特性に関しては、マルチプル・カテーテル組立体の有利性を尚も提供することが出来るような、カテーテル組立体の製作に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、単一トンネリング手順による容易なカテーテル挿入を提供し、又ユニタリー(一体型の)外壁構造の使用による血管入り口サイトにおける漏洩の防止を助けるマルチルーメン・カテーテル組立体である。このカテーテル組立体は、また分離した末端カテーテル管の使用により血管内での独立した自由な浮動を与え、且つカテーテル組立体のルーメン内の効率的な流体流れ特性を提供する。
【0016】
本発明の一側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、外壁、末端、基端、およびユニタリー(一体化)部分を貫通して縦に延びる複数のルーメンを有するユニタリー部分を含むものである。この側面でも又、このカテーテル組立体は、その各々がそれを通じて縦に延びるルーメンを定める複数の末端管をも含み、そこではその末端管のルーメンの各々がユニタリー部分のそれぞれのルーメンと流体的に連通しており、且つその末端管は互いに独立して動き得るものである。本発明のこの側面において、ユニタリー部分の外壁、末端管の外壁、およびルーメンは、その断面が円形、半円形、楕円形のような、しかしこれに限定はされない種々の形状を有し得る。また、このユニタリー部分、末端管、およびルーメンは、その各々のそれぞれの長手方向全長にわたり異なる点で異なる形状又は構成を有し得る。
【0017】
本発明のその他の側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、丸みのある外表面を有するユニタリー・カテーテル、それを貫通して縦に延びる第一のルーメンおよび第二のルーメン、末端、および基端を含むものである;そこで、第一の末端管は。第一の縦に延びる通路を定め、第二の末端管は。第二の縦に延びる通路を定め、この第一および第二の末端管はユニタリー・カテーテルの末端から末端方向に延び、第一の末端管内の第一の通路は第一のルーメンと流体的に連通しており、第二の末端管内の第二の通路は第二のルーメンと流体的に連通しており、且つ第一および第二の末端管は互いに独立した動きが可能である。
【0018】
本発明のその他の側面において、この末端管は、その縦方向長さの全体または部分にわたり互いに離脱可能に取り付けられ、最小限の力の使用により第一および第二の末端管が離れ、それらの縦方向長さの任意の部分で分離することを可能としている。
【0019】
本発明のその他の側面において、この第一および第二の末端管は、互いに離脱可能に取り付けられ、ことによると、ユニタリー・カテーテルの末端から、ユニタリー・カテーテルの末端とカテーテル組立体の末端との間に位置する結合点まで半円形断面の外壁を有し、最小限の力の使用により第一および第二の末端管が、ユニタリー・カテーテルの末端と転移点との間の任意の縦方向の点までに離れることを可能としており、第一および第二の末端管が互いに離れ、且つ転移点からカテーテル組立体の末端まで、ことによると円形の断面を有し、第一および第二の末端管に転移点からカテーテル組立体の末端まで、互いに個別で独立した動きを与える。本発明のこの側面において、このユニタリー・カテーテルは、概ね楕円形の断面を有し得る。
【0020】
本発明のその他の側面において、このマルチルーメン・カテーテル組立体は、それぞれがその中を縦に延びる丸いルーメンを有し、且つそれぞれが概ね半円形断面の外形を有する二つのカテーテル管を含むものである。この側面において、このカテーテル組立体はまた、二つのカテーテル管を互いに並列的に整列させて保持するハブを含み、この並列的に一緒に整列した管は、その断面が概ね楕円形を有するものである。
【0021】
また、本発明は、マルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法をも提供するものであり、この方法は、基端部分と末端部分、その末端部分は末端を仕切り、且つその基端部分は基端を仕切るものである、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程を含むものであり、そのユニタリー・カテーテル管は、第一のルーメンおよび第二のルーメンを有し、この第一のルーメンおよび第二のルーメンは、それぞれそのユニタリー・カテーテル管を通じて縦に延びるものである。形成されたユニタリー・カテーテル管は次いで、末端部分に沿い縦に裂けて第一の末端管および第二の末端管を形成する。このユニタリー・カテーテル管、末端管およびそれぞれの中のルーメンは、その後所望ならば、それぞれの縦方向長さに沿って一以上の構成あるいは断面形状を有するように仕上られる。
【0022】
本発明の一側面において、末端管は次いでその縦方向長さの一部または全部に沿い離脱可能に取付けられる。その他の側面において、末端管は、転移点(裂けた後、このユニタリー・カテーテルと第一および第二の末端管との間で転移する点)から、この転移点とカテーテル組立体の末端との間に位置している結合点まで離脱可能に取付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第一の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図1a】図1aは、図1のカテーテル組立体の線1a−1aに沿う拡大断面図である。
【図1b】図1bは、図1のカテーテル組立体の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2a】図2a図は、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2b】図2bは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2c】図2cは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2d】図2dは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2e】図2eは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1b−1bに沿う拡大断面図である。
【図2f】図2fは、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のその他の実施例の線1a−1aに沿う拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のマルチルーメン・カテーテル組立体のハブの拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図4a】図4aは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4a−4aに沿う拡大断面図である。
【図4b】図4bは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4b−4bに沿う拡大断面図である。
【図4c】図44cは、図4のマルチルーメン・カテーテル組立体の線4c−4cに沿う拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の第三の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図5a】図5aは、図5のマルチルーメン・カテーテル組立体の線5a−5aに沿う拡大断面図である。
【図5b】図5bは、図5のマルチルーメン・カテーテル組立体の線5b−5bに沿う拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の第四の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図6a】図6aは、図6のマルチルーメン・カテーテル組立体の線6a−6aに沿う拡大断面図である。
【図6b】図6bは、図6のマルチルーメン・カテーテル組立体の線6b−6bに沿う拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第五の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図7a】図7aは、図7のマルチルーメン・カテーテル組立体の線7a−7aに沿う拡大断面図である。
【図7b】図7bは、図7のマルチルーメン・カテーテル組立体の線7b−7bに沿う拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の第六の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図8a】図8aは、図8のマルチルーメン・カテーテル組立体の線8a−8aに沿う拡大断面図である。
【図8b】図8bは、図8のマルチルーメン・カテーテル組立体の線8b−8bに沿う拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の第七の実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体の上面図である。
【図9a】図9aは、図9のマルチルーメン・カテーテル組立体の線9a−9aに沿う拡大断面図である。
【図9b】図9bは、図9のマルチルーメン・カテーテル組立体の線9b−9bに沿う拡大断面図である。
【図10a】図10aは、本発明の一実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体を製造するために用いるユニタリー・カテーテル管の上面図である。
【図10a−dash】図10a−dashは、図10aのユニタリー・カテーテル管の線10a’−10a’に沿う拡大断面図である。
【図10b】図10bは、本発明の一実施例によるマルチルーメン・カテーテル組立体を製造するために用いるユニタリー・カテーテル管の上面図である。
【図10b−dash】図10b−dashは、図10aの一体化カテーテル管の線10b’−10b’に沿う拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
先述の要旨、ならびに本発明のこれから述べる詳細な説明は、ここに添付された図面と関連付けて読まれるとき、より良く理解されるであろう。本発明を解説する目的で、本発明の幾つかの実施例が図面中に示されている。しかしながら、本発明は、ここに示された正確な配置および装備に限られものでないと理解すべきである。図面中、数図を通じて同一の参照番号が同一の要素を指示するために用いられている。
【0025】
図面に示した本発明の実施例を記述するに際し、明快さのためにある特定の用語法が用いられている。しかしながら、本発明は、そのようにして選ばれた特定の用語により限定されるべきでなく、各特定用語は、同様の目的を達成するために同様の仕方で動作する全ての技術的均等物を含むものと理解されるべきである。図面は寸法まで正確に描かれていないことを理解すべきである。図面において、同様の参照番号が数図にわたり同様の要素を指示するために使用されている。
【0026】
以下に、本発明の特定の実施例を記述する。しかしながら、この開示に基づき本発明がここに記述された好ましい実施例によって限定されないことを理解すべきである。一般に、次ぎの開示は、ダブル・ルーメン・カテーテル組立体に言及しているが、3以上のルーメンおよび/または末端管を有するカテーテル組立体も本発明の範囲内に入るものである。更に、下記の本発明のカテーテル組立体の製造方法も、2つより多いルーメンおよび/または末端管を有するカテーテル組立体の製造のために適用できるものである。以下の記述が本発明の二ルーメン実施例に言及しているのは、単に便利さの理由のためだけのものである。
【0027】
本発明のマルチルーメン・カテーテル組立体は、カテーテライズすべき患者の体の部分に、その体からの流体の除去または導入のために挿入される。本発明のカテーテル組立体は、そのカテーテル組立体がカテーテライズされるべき部分に適切に挿入、配置される前に、皮下のような、患者の体の中または上の固定位置に保持される。この方法は、とりわけ慢性的なカテーテライゼイションのために好ましい。その代わりに、急性的なカテーテライゼイションにおいては、本発明のカテーテル組立体は、そのカテーテル組立体がカテーテライズされるべき部分に適切に挿入、配置される前、又は後に、体の外表面に保持されても良い。
【0028】
本発明のマルチルーメン・カテーテル組立体は、潅流/潅注(perfusion)、点滴、血漿搬出、透析、化学療法等のような、体への体液、薬剤その他の溶液の導入および除去の種々の用途に使えるように適合し得る。本発明のカテーテル組立体は、とりわけ、慢性的透析およびアフェレシス(apheresis)に適している。カテーテライズすべき部位は、好ましくは内頚静脈(Internal jugular vein)のような血管であるが、体内の任意の適当な部位でも良い。このカテーテル組立体が使えるその他の部位には、例えば、大腿部および鎖骨下静脈(femoral and subclavian veins)、全ての膿瘍腔(abscess cavity)、手術後腔(post―operative cavity)、腹膜腔(peritoneal cavity)、および腹腔内(intra-abdominal)、隔膜下および肝臓下部位〈sub―diaphragmatic and sub―hepatic area)を含む体内の他の部位を含む血管が含まれている。これらの部位は、例示的なものであり、本発明のカテーテル組立体が、カテーテライズすべき種々の部位への流体の導入またはそこからの除去に使用できることを理解すべきである。
【0029】
図面に示されている本発明の実施例は、内頚静脈のような血管からの純化すべき血液の取り込み、または除去、および同じ血管への純化した血液の導入のためとりわけ有用である。この血液は、開示されたカテーテル組立体のルーメンと連通するように取り付けられた任意の適当な血液透析装置〈図示せず〉により純化することが出来る。また本発明のカテーテル組立体は、例えばグルコースまたは食塩水を含む薬剤またはその他の流体を、体内に導入するために用い得る。
【0030】
図示した本発明の実施例を説明する目的で、このカテーテル組立体の血液透析の応用を、より特定的には、内頚静脈を通じて流れる血液を純化するための用途に関して述べる。しかしながら、本発明のカテーテル組立体は、各カテーテル組立体内の末端管および/またはルーメンのサイズ(直径または長さ)および/または、数を増減させることにより、このカテーテル組立体が、流体が体に導入および/または体から除去される他の医学的用途に有益であるように構成され、また適用されることも理解すべきことである。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明の一実施例を示すもので、カテーテル組立体5は、少なくとも二つのルーメンを有している。二つのルーメンを図示したが、これは例示的なものであり、本発明の範囲は、二つを越える数のルーメンを有するカテーテルを含むものである。
【0032】
このカテーテル組立体5は、ユニタリー(一体化)カテーテル12、第一の末端管14、第二の末端管16、ハブ18および第一および第二の延伸管20,22を含むものである。このマルチルーメン・カテーテル組立体5は、それを貫通して縦に延びる第一のルーメン24および第二のルーメン26を含み(図1aおよび1b参照)、その第一のルーメン24および第二のルーメン26は、それぞれハブ18内に終わる基端28,30と、第一および第二の末端管14、16の末端32,34に終わる末端32,34を有するものである。
【0033】
第一のルーメン24は、第一の延伸管20と連続してそれに通じており、第二のルーメン26は、第二の延伸管22と連続してそれに通じており、両者は、ハブ18で連結されている。第一および第二の延伸管20、22は、カテーテル組立体5の基端まで導き、それを通じて患者に出入りする物質がカテーテル組立体5に取り入れられ、および/または取り出される。ここで、用語「基」および「末」は、それぞれカテーテル組立体5の挿入端より遠ざかる、および近づく方向を示すものである。
【0034】
想像上の転移点36が、第一および第二のルーメン24、26の縦の長さに沿うある点に存在している。このカテーテル組立体5は、その第一の末端管14および第二の末端管16がそれらの末端32,34で裂け得る(離脱可能に取付けられる)ように、あるいは離れるように、そして、それらの末端32,34からこの転移点36まで(図1で概ね矢印「B」で示した縦の長さにわたり)裂け得るか、または離れるように、提供〈製造〉され得る。裂け得るとは、第一および第二の末端管14、16が、離脱可能に取付けられていると定義され、その管14、16を引き離すが裂くのに僅かな力しか要しないように、接着、結合、溶着その他で取り付けられている事を意味する。ここで、僅かな力とは約1から5ポンドの力と定義される。
【0035】
このカテーテル組立体5の第一および第二のルーメン24、26の基端28,30と転移点36との間の部分(図1で概ね矢印「A」で示した縦の長さにわたり)はユニタリー・カテーテル12を含むものである。このユニタリー・カテーテル12の外側は、畦や溝の無い、滑らかにカーブした概ね中高の表面を含むものである。畦の無い滑らかにカーブした概ね中高の表面をもたらす種々の任意の形状が、本発明において意図されている。
【0036】
図1aに示すように、このユニタリー・カテーテル12の断面は、概ね楕円形状(外輪郭)で良く、図1aは、円形断面(第一および第二のルーメン24、26の外壁39で示すような)を有する第一および第二のルーメン24、26および第一および第二のルーメンの分離部材40を有する概ね楕円形状の外壁38を断面で示している。このユニタリー・カテーテル12の断面の、その他の非限定的な例は、図2fに示されている。楕円形のユニタリー・カテーテル12の外壁38の外形(図1aのような)の内または、より丸みのある、むしろ円形のユニタリー・カテーテル12の外壁38の外形(図2fのような)の内にあるルーメン24,26は、円形、半円形、長円形、三角形、正方形、楕円形またはインゲン豆形のような種々の任意の限定されない形の一つであり得る。
【0037】
このユニタリー・カテーテル12に沿う1点にカフ42が置かれ得る。カフ42はこの技術で知られており、その上に、内部組織が、患者内にカテーテル組立体5を安定させるようにくっつけることの出来る表面を提供する。
【0038】
転移点36は、ルーメン24,26の丁度半分の点(つまり、ルーメン24,26の基端28,30と末端32,34との半分の点、若しルーメン24,26が図1に示すように異なる長さのものであれば、ルーメン24,26の内最長のものを使って測つた半分の点)に置かれて良い。しかしながら、この転移点36は、カテーテル組立体5の縦方向長さに沿う任意の点に置かれても良い。図1において、この転移点36は、例えば、第一のルーメン24の基端28と末端32との間の中点に置かれている。
【0039】
本発明のその他の側面において、この転移点36は、例えば、第一のルーメン24、26の縦方向長さに沿う1点に置かれており、ルーメン24,26の離れあるいは裂け得る部分の縦方向長さ(つまり、概ね矢印「B」で指示されるような、第一および第二の末端管14,16)が、ユニタリー・カテーテル12の縦方向長さ(概ね矢印「A」で指示される)より大きいようになっている。この代りの実施例においては、ルーメン24,26の離れあるいは裂け得る部分(矢印「B」部分)は、ルーメン24,26の内長い方を使って測られている。言い代えれば、第一および第二のルーメン24,26は、それぞれの末端32,34からルーメン24,26上の1点まで、つまり、最長のルーメンの末端からそれぞれの最長のルーメンの基端までで測ったルーメン24,26の長さの少なくとも半分は、互いに離れあるいは裂け得るようにされ(つまり、離脱可能に取付けられ)ている。
【0040】
上述の実施例においては、ルーメン24,26の基端28,30が種々のカテーテルにおいて異なる位置を取り得ることに注意すべきである。上で開示した長さの寸法面において、基端28,30が、当該技術で公知の、ここに開示されあるいは開発されるべきカテーテルに生じ得る全ての位置に組み込まれることは、本発明の範囲内にある。
【0041】
このユニタリー・カテーテル12の滑らかで、カーブした概ね中高の外表面は、患者へのカテーテル組立体5の挿入の間、血管壁の挿入サイトを通過し、その位置に留まる。血管壁は、このユニタリー・カテーテル12の、図1aに断面で示すような、滑らかで、カーブした外表面周辺を、かなり良くシールし、包帯を用いてとりわけ良くシールする。このユニタリー・カテーテル12の外面は、挿入サイトにおいて良好なシールを提供するので、挿入サイトにおけるカテーテル組立体5周辺での血液損失のリスクは、最小限にされる。これは、個々のルーメンが、血管壁の挿入サイトを通過し、そこに残置される状況に関し、とりわけ真実である、と言うのは個々のルーメンの周りの一般に8字型輪郭を有する個々のルーメンの周辺での緊密なシールが困難であるからである(8字型輪郭とは、二つの円形、個々のルーメンの図1bに示すような外側断面に言及したものである)。
【0042】
第一および第二の末端管14,16は、ユニタリー・カテーテル12から転移点36で、それを貫通して連続的な流体流通を有する、第一および第二のルーメン24,26と共に末端方向に延びている。この第一および第二の末端管14,16は、好ましくはユニタリー・カテーテル12の外壁38と連続した外表面を有し、互いに裂けた時、互いに独立した動きが可能なものとなる。
【0043】
この第一および第二の末端管14,16は、当該技術で良く知られたものでも、新しく開発されたものでも良い。図1bにおいて、この第一および第二の末端管14,16は、その第一および第二の末端管14,16の円形の外壁44、第一および第二のルーメン24,26、その第一および第二のルーメン24,26の円形の外壁39、および連結点46により定められている。図2aから図2eまでには、裂け得る第一および第二の末端管14,16の代替的実施例(図1bの実施例の代替物)の断面が示されている。連結点46は、弱い接着剤(図2a,2cおよび2e)により、モールデイング(成形)により、(図2b)、トング・イン・グルーブ(溝とそれに嵌る舌)構造により(図2d)、あるいは、末端管14,16が最小限の力の使用で裂け得るようなその他の方法により、ルーメン間の結合が固定しないように、もたらされる。
【0044】
この第一および第二の末端管14,16、およびその末端管14,16内の第一および第二のルーメン24,26は、本発明の図1の実施例では、図1bに示すように概ね円形の断面を有している。この第一および第二のルーメン24,26は、円形の断面が流体流れ特性に最も貢献するので、外壁39により示すように、円形である。しかしながら、例えばD字型の通路および/またはルーメン(図2c)、卵型、三角形、正方形、楕円形、えんどう豆形の通路および/またはルーメンおよびその他の外輪郭も又、本発明の範囲内に入るものである(その幾つかは、図2aから図2eまでに示されている)。更に、末端管14,16およびルーメン24,26は、好ましくは断面が一致しているが、末端管14,16および/またはルーメンの寸法、形状および/または輪郭を変化させ、末端管および/またはルーメンを小さくしたり、ルーメンおよび末端管の形を、他の薬剤の導入のための第三のより小さなルーメンと相応する末端管を追加するような他の用途に使用できるように、変えることも又、本発明の範囲内に入るものである。
【0045】
図3は図1のハブ18の断面を示すもので、このハブ18は、第一および第二のルーメン24,26の基端28,30を仕切り、また延伸管20,22の末端を仕切るための強化部分を提供する。又このハブは、所望ならば、このカテーテル組立体を体に保持するための1以上の縫合翼を含むものであっても良い。この他のハブの輪郭の使用および脱着自在なハブの使用も本発明のために描かれる。
【実施例2】
【0046】
図4は、本発明の第二実施例のカテーテル組立体6で、図1のカテーテル組立体5に関し追加的限定を有する実施例を示す。図4のカテーテル組立体6は、主として図1のカテーテル組立体5と、カテーテル組立体6の末端32,34と転移点36との間の部分にわたり(図4中、大まかに矢印「B」で示されるカテーテル組立体6の縦方向長さの部分にわたり)区別される。図4の実施例のある側面において、転移点36は,ルーメン24,26の縦方向長さに沿うある点に、第一および第二の末端管14,16の長い方の長さ(矢印「B」部分)が、ユニタリー・カテーテル12の長さ(矢印「A」部分)より大きくなるように、置かれている。
【0047】
図4の実施例で、第一および第二の末端管14,16の外壁44は、転移点36から想像上の結合点48まで(図4中、大まかに「矢印B1」で示される縦方向長さにわたり)離脱可能に取付けられている。この第一および第二の末端管14,16の転移点36から結合点48までの離脱可能な取付けは、この第一および第二の末端管14,16が、転移点36と結合点48との間の任意に選ばれた縦方向長さの点まで、最小限の力の使用により、裂けることを可能とする。
【0048】
転移点36と結合点48との間で、この第一および第二の末端管14,16の断面(図4b)は、この第一および第二の末端管14,16の「矢印B1」の長さにわたる外輪郭が、ユニタリー・カテーテル12のそれ(つまり、滑らかにカーブした、概ね楕円型)に類似していることを説明している。また図4bは、第一および第二の末端管14,16が、それらを個別に見たとき、半円形で、それぞれ概ね「D」字形の外壁44を有し、その「D」字形の外壁44の平らな側部間に弱い接着剤の接合点46を有し、その弱い接着剤が、最小限の力の使用により裂ける可能性を提供していることも説明している。図4bにおいて、この平らな側部は互いに対面しており、カテーテル組立体6のカニューレテイング部分(挿入管部分)が丸みのある、ほぼ楕円型の断面を保持するように、互いに一致する。
【0049】
この平らな側部は、末端管のために全体として概ね楕円形の外輪郭を提供するように背中合わせに置かれたとき、管の間に血液がそこを通るような丸みのある又は溝のある表面が存在しないので、血液が管の間を流れることを防止するのを手助けする。この管の平らな側部は、その管が、あたかも決して離れず、その外形において未だに一体であるように、一緒に戻り合されること(若し、離れた場合、個々の管は望まれない)を許容する。
【0050】
このカテーテル組立体6は、管14,16間の離脱可能な取付けを提供するため、接着剤、または裂け得る膜を含むものである。この接着剤は、第一および第二の末端管14,16の対向するほぼ平らな側部の間に縦に広がり、且つこれらを接合する(図4b)。この接着剤(図面には示さず)は、この末端管14,16の平らな側部の中心線に沿い縦に延びることが出来、寸法安定性を与える。しかしながら、この接着剤は、この末端管14,16の平らな側部の端部間、あるいは平らな側部の他の領域間、あるいは管14,16丸みのある壁部分に広がっていても良い。
【0051】
この接着剤、または裂け得る膜は、多数の機能を果たす。第一には、この膜は管14,16を、その管14,16が、とりわけ膜が破られない場合、容易に操作出来るように結合する。この膜が完全に無傷である場合、カテーテル組立体6は、単一のカテーテル(例えば、ユニタリー・カテーテル12)のように操作できる。第二に、この膜は、この第一および第二の末端管14,16を互いに、その末端管14,16の外壁44を損なうことなしに、少なくとも部分的に縦に裂き離すことを許容して、血管またはカテーテライズすべき他の部位に在る裂けた部分の独立した動きを許す。この膜は、この第一および第二の末端管14,16が互いに分離した時、容易に裂けるように構成されており、それによりこの末端管14,16に加えられた反対の力が、それに対する損傷をもたらすのに充分なレベルに到達する前に、破け、または裂けるようになっている。しかしながら、この膜は、カテーテル組立体5の普通の取り扱いの間は、破れに抵抗するのに充分な強さを有すべきである。
【0052】
この結合点48から、第一および第二のルーメン24,26の末端32,34まで、第一および第二の末端管14,16は、(図4中、概ね矢印「B2」で示されている縦方向長さにわたり)分離(非結合)し、且つ独立している。本発明の一側面において、第一および第二の末端管14,16の断面(図4c)は、第一および第二の末端管14,16の外壁44が、矢印「B2」の長さにわたり丸みをつけられていることを説明している。図4a,4bおよび4cに示すように、この第一および第二のルーメン24,26の外壁39は、このルーメン24,26のための円形断面を説明している。
【実施例3】
【0053】
図5は、本発明の第三実施例である、カテーテル組立体7を示すものである。図5のカテーテル組立体7は、図1のカテーテル組立体5と、主としてカテーテル組立体7の末端32,34と転移点36との間の部分にわたり(図5中矢印「B」で大まかに指示されるカテーテル組立体7の部分にわたり)識別される。
【0054】
図5の実施例において、第一および第二の末端管14,16の外壁44は、図5bに示すように、転移点36から末端32,34まで(図5中矢印「B」の縦方向全長にわたり)、分離(非結合)しており、且つ独立している。この第一および第二の末端管14,16の断面(図5b)は、この第一および第二の末端管14,16の外壁44が、第一および第二のルーメン24,26の外壁39と共に、矢印「B」の長さにわたり、丸められているか、円形であることを説明している。
【0055】
このカテーテル組立体7の第一および第二のルーメン24,26の基端28,30と転移点36との間の部分は、(図5中概ね矢印「A」で示される縦方向長さわたり)ユニタリー・カテーテル12を含むものである。図1および4の実施例におけるものと同様に、このユニタリー・カテーテル12の外側は、滑らかでカーブした概ね中高の表面を含む。図5aに示すように、このユニタリー・カテーテル12の断面は、ほぼ楕円形で、図5aは、このユニタリー・カテーテル12の概ね楕円形の外壁38と第一および第二のルーメン24,26の円形外壁39を断面で説明している。
【実施例4】
【0056】
図6は、本発明の第四実施例である、カテーテル組立体8を示すものである。図6のカテーテル組立体8は、はっきりしたユニタリー・カテーテル12部分を含まず、むしろ、このカテーテル組立体8のほぼ全長にわたり(図6中、概ね矢印「B」で示される縦の長さにわたり)延びる第一および第二の末端管14,16を含むものである。図6のカテーテル組立体8は、はっきりしたユニタリー・カテーテル12を含まないものの、第一および第二の末端管14,16の基端部分は(第一および第二の末端管14,16のハブ18内にある基端の終点を通じ、また、これを含めて)、滑らかで、丸みのあるほぼ楕円形の周辺を有する外輪郭を含む。ハブ18は、図3中断面で示したものと同様である。
【0057】
図6aに示すように、カテーテル組立体8の、図6中、概ね矢印「A」で示される縦の長さ部分にわたる断面は、ほぼ楕円であり、図6aは、ほぼ楕円形の外壁38および、第一および第二のルーメン24,26の円形外壁39を説明している。本発明の図6の実施例において、カテーテル組立体8の矢印「A」部分の断面は、単一の楕円形部分(図6aに示すような)、あるいは(半円形が、その平らな部分で、図2eおよび4bに示すように合わさって)背中合わせでその平らな部分が、互いにおそらく適切な接着剤を用いて耐久的に結合されて置かれた二つの半円形(「D」字形)状の末端管14,16を含むものであって良い。
【0058】
この第一および第二の末端管14,16の外壁44は、図6のカテーテル組立体8の縦の長さの矢印「B」部分にわたり、分離(非結合)であり得るし、この第一および第二の末端管14,16のこの長さにわたり、離脱可能に取付け(裂け得るように)られていても良い。何れの場合でも、この第一および第二の末端管14,16の断面は、図6bに示すように、この第一および第二の末端管14,16の外壁44ならびに、第一および第二のルーメン24,26の外壁39が、丸み付けられているか円形であることを説明している。
【0059】
更に、この第一および第二の末端管14,16は、図2aから図2eまでに示されてもののような、しかもこれに限定されない、又本発明の第一実施例に関して記述されたような、その他の特徴を有し得ることが描かれる。
【実施例5】
【0060】
図7は、本発明の第五実施例である、カテーテル組立体9を示すものである。図7のカテーテル組立体9は、図6のカテーテル組立体8と同様で、別のハブ18を含むことだけで区別される。
【0061】
ハブは、それぞれ延伸管の末端と連通する第一および第二のルーメン24,26の基端28,30のための強化部分を提供する。またこのハブは、1以上のルーメンを互いに保持する手段も提供し、それにより、ルーメンの分離したり裂けたりする能力を限定している。したがって、本発明は、上記事項を達成する任意の型の、当該技術で既知のもの又はこれから開発すべき、着脱自在なハブ器具を含む、ハブの使用を目論むものである。
【0062】
この技術で既知の様に、ハブ18は、延伸管(又は、エクステンダー)の末端および管またはルーメンの基端に、結合、接着、熱成形その他の取付け手段で、シールされていて良い。本発明の一側面において、延伸管は、恐らく熱成形による外層でコーテイングされた二つの別々のルーメンの基端部分で、この組立体のユニタリー・ボデイ部分を形成するためのものである。したがって、この延伸管は、ルーメンの基端と連続しており、ハブ18は、単純に成形されて良く、又は、ルーメンの基端および延伸管の末端の周りに他の手段で接着されて良い。本発明の別の側面において、このハブ18(外層)は、第一および第二の管またはルーメンの中点付近の部分の周りに成形その他の手段で接着して、管あるいはルーメンの1セットから延伸管とカテーテル組立体を作り出している。若し、上記の何れかの側面が、図7のカテーテル組立体9に組み込まれたハブ18の実施例であれば、第一および第二のルーメン24,26の基端28,30が、その延伸管20,22がハブ18から対角線的に広がる点で、生じることを理解すべきである。
【実施例6】
【0063】
図8は、本発明の第六実施例である、カテーテル組立体10を示すものである。図8のカテーテル組立体10は、図6のカテーテル組立体8に類似しているが、カテーテル組立体10のほとんどの長さにわたり(図8中矢印「B」で概ね示す全縦方向長さにわたり)分離(非結合)し且つ独立している第一および第二の末端管14,16を含むものである。図8bは、この第一および第二の末端管14,16の断面を示しており、第一および第二の末端管14,16のための円形の外壁44、ならびに第一および第二のルーメン24,26のための円形の外壁39を説明している。
【0064】
図8のカテーテル組立体10は、第一および第二の末端管14,16の、滑らかで、丸みのある、ほぼ長円形の周辺を有する外輪郭の基端部分を同様に含むものである。図8aに示すように、カテーテル組立体10の、縦方向長さの矢印「A」部分にわたる断面は、その形状が概ね楕円であり、図8aは、この概ね楕円形の外壁38と第一および第二のルーメン24,26のための円形の外壁39を示している。更に、このカテーテル組立体10の矢印「A」部分の断面は、単一の、楕円形部分(図8aに示すような)または、二つの半円形(「D」字型)の、背中合わせに置かれ、互いに部分的に耐久的に結合された(つまり、図2eおよび4bに示すように、その半円形の平らな部分で)末端管14,16を含み得るものである。この図8のカテーテル組立体10のハブ18は、図3で詳細に説明したハブ18である。
【実施例7】
【0065】
図9は、本発明の第七実施例である、カテーテル組立体11を示すものである。図9のカテーテル組立体11は、図8のカテーテル組立体10と同様であるが、代りのハブ18と組み合わせられたことにより区別される。本発明が、当該技術で公知の任意のハブ、ここに記述された任意のハブまたは開発されるべき任意のハブと組み合わせ得ることは予想できる。
【0066】
<本発明の一般的および代替的な側面>
本発明は、二つの自由に且つ独立して動き得る末端32,34を有するマルチプル・カテーテル組立体の側面を提供し、又単一の挿入方法、および唯一つのトンネリング手順で、ユニタリー・カテーテル12の基端部分を容易に操作する能力の側面をも提供している。この滑らかで、概ね中高の外表面を有するユニタリー・カテーテル12は、挿入サイトを容易に通過する。血管壁は、このユニタリー・カテーテル12の滑らかで、カーブした表面の周りを容易にシールすることが出来る。若し、丸い個別の末端管14,16が、この挿入サイトに置かれているならば、その血管は、あたかも単一の、丸い概ね楕円または円形のユニタリー・カテーテル12型外形が使用されているのとは、多数の丸みのある末端管の周辺またはその間には、その「8字」外輪郭により潜在的な漏洩のリスクがあるので、容易にシールすることは無く、または、それ程緊密にはシール可能とはならない。
【0067】
このカテーテル組立体の離脱可能に取付けられた(つまり、裂け得る)部分(例えば、図6の矢印「B1」部分、転移点36と結合点48との間の部分)は、任意の与えられた患者に対し、それぞれのカテーテル組立体の使用および挿入の、より以上の適応性と柔軟性を提供するものである。その患者の身長および体重はそれぞれ、カテーテル組立体のユニタリー・カテーテル部分の、カテーテル組立体の残りの部分に関しての望ましい長さを、カテーテル組立体の滑らかで、概ね楕円の断面形状が血管壁挿入サイトに置かれることを保証するように、決めることに影響する結果を有している。カテーテル組立体の裂け得る部分は、カテーテル組立体の挿入時に、(本発明のユニタリー・カテーテルによって提供されるような)滑らかで、概ね楕円の断面形状の理想的な長さ、および独立(分離)した、自由に浮動する末端管の理想的な長さを決定する際に、柔軟性を提供する。
【0068】
本発明で接着剤を使った離脱可能な取付けが採用されるならば、管の外表面は、管を構成する材料に関して、その接着剤の粘着力より大きい接着強度の接着剤を用いて接合されることが合理的である。この接着剤は、極めて薄い層またはコーテイングとして塗られるので、図面には示されていない。しかしながら、当該技術で通常の熟練を有する者にとっては、この開示に基づき、この接着剤が、管14,16の外壁44の片方または両方上に、部分的又は完全なコーテイングとして塗られており、管14,16を一緒に圧されたら、外壁44がくっ付くようになることを理解するだろう。それ自身より管により強く接着する接着剤を使用した結果、その接着剤は、当初はカテーテル組立体の所望の部分を一緒に保持するものであり、このカテーテル組立体のユニタリー・マルチルーメン・カテーテルと同様な手法での操作を可能とする。しかしながら、その末端部分および/または末端32,34に反対の横切る力が印加されると、この接着剤はその粘着力を失い、管14,16が少なくとも部分的に縦に裂けるように、カテーテル組立体に沿い縦に分離させる。
【0069】
この裂けの長さは、所望の用途に依存して変化し得る。例えば、カテーテル組立体がカテーテライズすべき部位に挿入される血液透析型の用途に対しては、管14,16を、カテーテライズされる部位内での独立した動きを容易にするに要する程度においてのみ裂くことが望まれ得る。血液流およびその他の流体の流れの用途では、流体が、カテーテライズすべき部位から、カテーテル組立体の管14,16の間を通過して逃げる可能性を避けるような部分的な裂けが望まれるだろう。ここに述べた接着剤は、離脱可能な取付けを与えるものであるが、管14,16を離脱可能に合わせるため、破れ可能な超音波溶接、管14,16の間に成形された薄いポリマーの破れ可能な層あるいはその他の同様な構造のような、他の適当な技術も、管14,16が僅かな手の力で縦に裂け得る侭である限り、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用可能であることを理解すべきである。これまで各所で述べた離脱可能な取付け、裂け得る層、コーテイング、接着剤および/または膜の使用により、管14,16は、管14,16の裂ける間に、ゆがんだり、伸びたり、その他構造的に変化することは無い。
【0070】
本発明のカテーテル組立体のおのおのは、その表面にクロッテイング(塞栓)を促すような突起部を持たない滑らかで、丸みのある末端32,34を有することが出来る。粗い外表面は、クロッテイングが始まる点となり得る突起部を与える。血管内で自由に浮動する滑らかで、丸みのある外表面を有する末端32,34はクロット形成の源を与えない。本発明の自由に浮動する末端は、血管壁の内面に対し吸引の傾向が無く、ステノシス(狭窄症)の傾向を最小限にすることを含む個々のカテーテル管の側面を提供する。また本発明のカテーテル組立体は、そのユニタリー・カテーテル型の外輪郭が、その壁の厚みおよび断面による、又分離した末端管の滑らかさによる多大の支援を提供しているので、よじれる傾向が小さい。
【0071】
上記で言及した実施例に示すように、この第一および第二の末端管14,16および第一および第二のルーメン24,26は、円形の断面が流体流れ特性に対し最も伝導性があるので、概ね円形の断面を有している。しかしながら、「D」字型、長円、三角、楕円、えんどう豆型その他の形状の様な、他の形もまた、本発明の範囲内にある。更に、この末端管14,16およびルーメン24,26は、その断面が一致していることが好ましいが、末端管およびルーメンの断面における寸法、形状あるいは構成を変えることも本発明の範囲内であり、それにより、より小さい管および/またはルーメン、あるいは、ルーメンおよび末端管の変化する型も、薬剤の導入のための第三の小さなルーメンと相応する末端管の追加のような、その他の応用のために使用可能である。
【0072】
更に、この末端管が、当該技術で公知、またはこれから開発されるように、変化する直径または末端形状を有することもまた本発明の範囲内にある。例えば、この末端管は、ユニタリー・カテーテル近くでより大きな直径を有し、それが管の末端に近くなるに従い急激に、あるいは徐々により小さい直径に転移するものでも良い。その代りに、変化する用途にために、より先細で、円錐または角度付きの末端管も提供し得る。しかしながら、このカテーテル組立体のためには、好ましくは柔らかいデユロメータの材料で形成された鈍い末端が好ましく、それが患者にやすらぎを与え、血管壁トラウマおよび狭窄症を避ける。
【0073】
各末端32,34における末端孔49に加え、この第一および第二の末端管14,16は、末端管14,16の第一および第二のルーメン24,26の末端32,34近くの外表面を通じて延びる複数の側孔50を(種々の図面で示したように)有し得る。この側孔50は、管14,16の外側の部位から管14,16の内側の部位に流れる、およびその逆に流れる流体のための追加的あるいは代替的な流路を提供する。この側孔50は、最適な流れ特性を与えるため、また血管壁のようなカテーテライズすべき部位に対する末端管14,16の吸引を避けるため、末端管14,16のまわりに周辺的におよび螺旋的に配置することが出来る。この側孔50は、種々の形状で良いが、典型的には、円または楕円であり、あるいは、それらの幾つかの組み合わせである。
【0074】
またこの側孔50は、末端管14,16の短い方と長い方との間で、数を変えても良い。本発明のある側面において、図4のカテーテル組立体は、6個の側孔50を第二の末端管16の第一の末端管14に面する側にらせん状に含んでおり、第一の末端管14上には5個の側孔50が、楕円である第一の末端管14上で最も根元にも近い孔を除き全ての側孔が円形として、含まれている。本発明のこの側面において、側孔50は、360°のらせん上に60°離されて配置されている。
【0075】
この側孔50は、その側孔50を通じる取込みおよび戻り流れの乱れを平準化することにより、この末端管14,16の振動的な動き最小限にする。振動的な動きを最小限にすることは、狭窄症の防止を助ける。またこの側孔50は、末端32,34の端孔49の一方または両方で流れが止められても、取り替え用のカテーテル組立体が用意されるまで透析を続けることが出来るように、末端管14,16の代替的開口を提供する。また本発明は、側孔50が無く、末端32,34に端孔49のみを有する実施例も目論むものであることを理解すべきである。
【0076】
<本発明を形成する材料>
本発明のカテーテル組立体は、バイオコンパチブル(生物学的に共存し得る)プラスチックまたはエラストマー、好ましくはバイオコンパチブル・エラストマーから作ることが出来る。適当なバイオコンパチブル・プラスチックは、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル・コポリマーのような酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリ塩化ビニル類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、エチレン・グリコール・ジメタクリレート、エチレン・ジメタクリレートおよびヒドロキシメチル・メタクリレートのようなアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリウレタン類、ポリビニルピロリドン、2−ピロリドン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン、ポリカーボネイト類、ポリアミド類、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニル・フルオライドのホモポリマーおよびコポリマー類のようなフルオロポリマー類、ポリスチレン類、スチレン・アクリロニトリルのホモポリマーおよびコポリマー類、酢酸セルローズ、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンのホモポリマーおよびコポリマー類、ポリメチルペンテン、ポリスルフオン類、ポリエステル類、ポリイミド類、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、および当該技術に熟達した者に知られた同様な化合物のような物質から選んで良い。これらの可能なバイオコンパチブル・ポリマーは、例示の目的で上記に含まれているもので、限定的に解釈すべきでないことを理解すべきである。
【0077】
若しバイオコンパチブル・ポリメリック材料がこのユニタリー・カテーテル12を形成するために使用されるならば、その末端管14,16および延伸管20,22が、以下に特記するように柔らかいデユロメータ(durometer)を有するポリウレタン・ポリマーまたは、ポリオレフイン・ポリメリック材料を含むポリメリック材料であることが好ましい。
【0078】
この延伸管20,22は、ユニタリー・カテーテル12および末端管14,16とは別につくられていて良く、ポリウレタンまたはポリ塩化ビニル・ポリマーまたはエラストマーのような材料で作られていて良い。しかしながら、この延伸管20,22が、そのユニタリー・カテーテル12および末端管14,16と同じ物質で作られていることが好ましい。
【0079】
本発明の全ての構成部材に、バイオコンパチブル・エラストマーを使うことが最も好ましい。このユニタリー・カテーテル12、末端管14,16そして好ましくは延伸管20,22を形成するために適当で、好ましいバイオコンパチブル・エラストマー類には、医療用級のシリコン・ラバー類、ポリ塩化ビニル・エラストマー類、ポリオレフイン・ホモポリメリックおよびコポリメリック・エラストマー類、ウレタン・ベース・エラストマー類、および天然ゴムあるいはその他の合成ゴム類のようなバイオコンパチブル・エラストマーが含まれる。好ましくは、このユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、エラストメリック材料で作られ、それにより、それらがしなやかで、耐久性があり、柔軟で、且つ患者内の挿入または掘削個所に関して、カテーテライズすべき部位および/または皮下の部位の形状に容易に適合するようになる。更に、これらの材料は、血管壁への損傷の危険を最小限にする。
【0080】
若し、本発明のカテーテル組立体を血液透析用途に用いるならば、そのユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、ショアー・デユロメータ・スケール(Shore durometer scale)で、約75−Aから約85−Aの硬度を有する柔らかいシリコン・エラストマーで形成されるのが最も好ましい。適当で好ましいエラストマーには、シリコーンまたはポリウレタアン・エラストマーが含まれ、最も好ましくは、例えばダウ・コーニング社から入手可能であるペレタン(Pelletane、登録商標)、またはサーメチックス(Thermetics)社から入手可能なテコタン(Tecothane),カーボタン(Carbothane)又はテコフレックス〈Tecoflex〉(何れも登録商標)のようなポリウレタン・エラストマーである。
【0081】
本発明の全ての構成部品は、若し必要ならば、ラジオパシテイ(radiopacity)を備えるため、そのエラストマー中に20%の硫酸バリウムを含むように作られ得る。若し、バイオコンパチブル・エラストマーが特に血液透析に用いられるなら、上記ショアー−A・デユロメー範囲のショアー−A・デユロメータ硬度を持たせるか、あるいは幾らかより柔らかい材料が好ましいが、若し特定の用途で要求されるなら、本発明の精神を逸脱することなく、この範囲外のより低いショアー−A・デユロメータ硬度を有するエラストマー,とりわけより硬い材料の一つを使うことも可能である。又、このハブは、エラストメリック材料で作られるが好ましく、カテーテルのその余の部品と同じ材料で作られることが最も好ましい。しかしながら、このハブは、幾らかフレキシブルであることが好ましいが、又カテーテルのその他の部品より幾らか、ショアー=A・デユロメータ・スケールで約5−10ポイント分、硬く固いものであることが好ましい。この開示に基づき、この柔らかさまたは固さは異なる用途に依り、変わり得ることを理解すべきである。
【0082】
本発明の一側面において、そのユニタリー・カテーテル12、末端管14,16および延伸管20,22は、すべて85−A・デユロメータのカーボタン(登録商標)により形成されている。その代わりに、ユニタリー・カテーテル12と末端管14,16とを約80−Aのデユロメータを有するテコフレックス(登録商標)で、そしてハブ18と延伸管20,22とを約80−Aのデユロメータを有するペレタン(登録商標)でと言う組み合わせも好ましい。ルエル(luers)、コネクタ類などの、透析その他の装置に取り付けるための追加的部品は、アセタール、シリコーン80−A又はポリ塩化ビニルのようなポリメリックおよび/またはエラストメリック材料で作られることが好ましい。しかしながら、このようなコネクタ類は、当該技術において、このようなコネクタおよび/またはアダプター部品を形成ために公知あるいは開発されるべき任意の適当な材料から作られても良い。
【0083】
<本発明の製造方法>
本発明は、更に、上述のマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法も含むものである。さて図10aおよび10bを参照すると、この方法は、、基端部分62、末端部分64を有するユニタリー・カテーテル管60を形成することを含み、末端部分64は末端先66で仕切られる。図10aに示すように、このユニタリー・カテーテル管60は、射出成形、膨張/圧縮成形および押し出しを含む任意の適当な熱成形工程を使って形成されて良い。
【0084】
本発明の一側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、図10a−dashに示すような内部ルーメンを形成するようにダイスを通じる押し出しにより形成される。この実施例において、ルーメンは、寸法および輪郭において、ほぼ同一且つほぼ一致するものである。この内部に縦に延びるルーメンを有するユニタリー・カテーテル管60は又、内部ルーメンの形状を有する金属棒の周りに管60を射出成形することにより形成されても良い。
【0085】
さて図10bを参照すると、このユニタリー・カテーテル管60は、次いで、そのカテーテルのために要する特定の寸法により予め定められた距離にわたり,熱いナイフ又はかみそり刃(図示せず)のような鋭利な刃先を使って、管60の末端部分64に沿い縦に裂かれる。本発明の一側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、その管60の全長の少なくとも半分に等しい縦の長さだけ裂かれる。本発明の他の側面において、このユニタリー・カテーテル管60は、その管60の全長の半分より大きい縦の長さだけ裂かれる。
【0086】
このカテーテル管60は、(図10bおよび図10b−dashに示すように)内部隔壁70に沿い、二つのルーメン間で出来るだけ均等に裂かれることが好ましい。若しカテーテル組立体内に2つを越えるルーメンがあるなら、そのユニタリー・カテーテル管は、好ましくは、その管の裂けた部分の各々を取り囲む、ほぼ等しい量のチュービング材料をもって、各内部隔壁に沿い均等に裂かれることになる。
【0087】
このユニタリー・カテーテル管60を裂くことにより、第一の末端管72および第二の末端管74が形成される。第二の末端管74は、次いで、一方の末端管が他方よりその長さで大きいことが望ましいならば、第一の末端管72に関して寸法を切摘められても良い。末端管の別々の長さは、カテーテライズすべき部位内で、その管に入る、および、そこから去る流体の再循環を避けることを助ける。
【0088】
このユニタリー・カテーテル管60および末端管72、74を形成した後、そのユニタリー・カテーテル管60の外表面および末端管72、74の外表面が、滑らかな表面になるまで、研ぎ磨かれる。この滑らかな表面を与え得るため、ラジオ周波数(RF)チッピングが使用できる。ラジオ周波数(RF)チッピングは、外表面を、幾らか融解するまで再加熱し、その表面を研ぎ磨くためにラジオ周波数(RF)エネルギーを使用する。
【0089】
更に、このユニタリー・カテーテル管60および末端管72、74は、マンドレル(芯金)上でのラジオ周波数(RF)チッピングに耐え、これらの管が、所望ならば、内部通路(ルーメン)において、又外表面上の両方で、概ね円形の横断面を持つように再形成されるようになる。本発明の一側面(図1参照)において、末端管の外表面は、転移点36から末端32,34まで(矢印「B」部分)円形断面にまで丸められている。本発明の別の側面(図4参照)において、末端管の外表面は、結合点48から末端32,34まで(矢印「B2」部分)円形断面にまで丸められている。
【0090】
これらの表面が形成され、滑らかにされた後、若し所望ならば、当該技術で公知の技術で、末端管に孔が形成される。孔の数、寸法、形状および間隔は、個別に好ましいものとされるが、幾らかの一般的および特定的側面は、上述した。
【0091】
若し所望ならば、分割されたカテーテルの部分は、弱い接着剤で末端管の外表面の部分を結合することにより、離脱可能に取付けられても良い。本発明の一側面(図1参照)において、末端管の外表面の一部は、カテーテル組立体5の基端部分、又は矢印「B」部分の全部にわたり(つまり、転移点36に始まり末端32,34に向かい延びる長さ、あるいは、転移点36に始まり末端32,34に向かい延びる全体の長さにわたり)接着され(離脱可能に取付けられ)ても良い。本発明の別の側面(図4参照)において、末端管の外表面の一部は、管の転移点36に始まり結合点48に向かい延びる全長(矢印「B1」部分)にわたり接着され(離脱可能に取付けられ)ている。
【0092】
このユニタリー・カテーテル管60を裂く代わりに、管60を形成した後、前もって押し出し又は熱成形されていても良い個々の末端管は、ユニタリー・カテーテル管60上に溶着されても良い。この末端管は、それらがそれぞれを貫通して縦に延びる、縦の通路(ルーメン)を有するように形成され、又ユニタリー・カテーテル管60の末端への取付けに先だって、あるいはユニタリー・カテーテル管60の末端へ取付けた後、複数の孔を含むように形成されても良い。この末端管は、所望により種々の断面形状に形成されても良いが、幾らかの一般的および特定的な側面は上述した。
【0093】
形成された末端管の各々は、次いで、適当な熱成形方法により、または接着剤、超音波溶接、又は当該技術で知られたその他の方法のような他の取付け方で、ユニタリー・カテーテル管60の末端に取付けられ、第一の末端管の第一の通路がユニタリー・カテーテル管の第一のルーメンと流体的に連通し、第二の末端管の第二の通路がユニタリー・カテーテル管の第二のルーメンと流体的に連通するようにされる。本発明の一側面においては、熱融着が、末端管を取り付けるのに使われ、この融着は、管と末端配管長部分が出会うところに滑らかな融着部分が生じるように、ユニタリー・カテーテル管および成形されたメス空洞内の末端配管長部分に加えられた熱を用いて行われる。
【0094】
図4のカテーテル組立体6を作るには、若し個々の末端管のユニタリー・カテーテル管への溶着を用いるならば、僅かな変更を要する。楕円形断面の外形を有するユニタリー・カテーテル管60は、丸い末端管の分割されたユニタリー・カテーテル管の末端への溶着に先立ち、尚も分割することが出来る、というのは図4のカテーテル組立体6の転移点36と結合点48との間の部分(矢印「B1」部分)は、図4bに示すように二つの半円断面(ダブル「D」)を有する外形を有しているからである。それゆえ、個々の末端管のユニタリー・カテーテル管の末端への溶着に先立ち、このユニタリー・カテーテル管は、カテーテル組立体6の矢印「B1」部分に要した距離にわたり、切断(分割)を必要とする。その代わりに、異なる断面の管の二つの溶着を行うことも、上述したように、一つの管を溶着して、その一部を研ぎ磨くことのように、可能である。
【0095】
一般的に、延伸管20,22は、押し出しするか、あるいは、末端管の形成について上述したのとよう同様の技術を用いて、ユニタリー・カテーテル管60を形成するとき当初から延伸管を成形することにより設けられる。しかしながら、この延伸管は、ハブを使ってユニタリー・カテーテル管の基端に取付けることが好ましい。
【0096】
本発明の製造のため上述した方法の、その他の代替方法には、第一のカテーテル管と第二のカテーテル管とを概ね縦に平行した配列で整えることが含まれ、好ましくは互いに並列させられるが、カテーテル管同志間には隙間が在るようにされる。更に、2より多いカテーテル管も用いることが出来、同様に配列される。カテーテル管の各々は単一ルーメン・カテーテルであることが好ましいが、ある用途のたあめには、マルチルーメン・カテーテルもまた使用できる。第一および第二のカテーテル管の各々は、それぞれの末端、末端部分、および、各カテーテル管内にそれを貫通して縦に延びる少なくとも一本のルーメンを有する。
【0097】
第一および第二のカテーテル管の、カテーテル末端部分に近接した外表面の全長の少なくとも一部の周りに外層(シート)が形成される。この外層は、カテーテル管の周りに押し出されることが好ましい。しかしながら、カテーテル管の配列と外層の形成は、カテーテル管のダイスを通じる同時的押し出しにより、カテーテル管の周りに外層を共に押し出しながら、形成しても良い。しかしながら、この外層は、カテーテル管の末端部分に近接した外表面の長さの一部だけにわたり共に押し出される。
【0098】
一旦、この外層が形成されると、第一および第二のカテーテル管を一緒に熱成形するのに充分な熱成形能が、加えられて良い。カテーテル管内のルーメン/通路は、概ね縦方向に平行で、カテーテル管は、並列した関係で共に熱成形され、外層内に固定される。
【0099】
このカテーテル管の末端部分は、外層内にある第一および第二のカテーテル管の外表面の長さの部分から、外向き且つ末端に向かい延びている。この末端部分は接続されていないので、それらは自由に浮遊し、独立の動きが可能である。第一および第二のカテーテル管の間に、一旦外層が形成されたらカテーテルの周りに滑らかな楕円形外表面が成形されることを確保するため、充填材を熱成形するのも本発明の範囲内である。
【0100】
前述のように、延伸管は、若しその外層がカテーテル管の基端まで延びるように形成されれば、そのカテーテル管の端部に設けられ得る。そうでなければ、その外層は、その外層内の部分から延伸管を形成するように延びる別々の独立した基端を残しながら、カテーテル管の長さの一部のみにわたり形成され得る。この場合は、図1で示した延伸管20,22の手法で、延伸管として役立つ基端部分は、図1のユニタリー・カテーテル12を提供するようにカテーテル管の周りに形成された外層の基端から基端方向に伸びる。
【0101】
次いで、ハブが、この外層の基端およびその外層に隣接した基端方向へ延びるカテーテル管の末端の周りに成形される。そのユニタリー・カテーテルと延伸管とをその位置に維持するため、このハブの成形体は管を受け入れるための空洞を有するか、あるいはルーメンの形状を保持し、その管を定位置に保持するため、延伸管および形成されたユニタリー・カテーテル部分内のルーメンを通じて挿入された金属棒を有することが好ましい。複数の孔が、カテーテル管の末端部分に備えられても良い。
【0102】
当該技術に熟達した者にとって、上に述べた実施例に、この広い発明概念から逸脱することなく、変更が加え得ることは理解し得ることであろう。それゆえ、本発明は、同封した特定の実施例に限定されることなく、意図した特許請求の範囲により定義された本発明の領域および範囲内の変形・改良をカバーすることを意図していることを理解すべきである。
【0103】
以下、本発明の好ましい態様を示す。
(態様1)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
外壁、末端、基端、およびそれを貫通して縦に延びる複数のルーメンを有するユニタリー(一体化)部分;および
その各々がそれを貫通して縦に延びるルーメンを定める複数の末端管、そこではその末端管のルーメンの各々がユニタリー部分のそれぞれのルーメンと流体的に連通しており、且つその末端管は互いに独立して動き得るものである。
(態様2)
その末端管の各々が概ね半円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様3)
そのユニタリー部分の外壁が概ね円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様4)
そのユニタリー部分の外壁が概ね楕円形の断面である態様1に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様5)
そのユニタリー・カテーテルのルーメンが概ね円形の断面である態様4に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様6)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
その各々がそれを貫通して縦に延びる丸いルーメンを有し、且つその各々が概ね半円形断面形状の外面を有する二つのカテーテル管;および
この二つのカテーテル管を互いに並べて整列させて保持するハブ、ここで一緒に並べてられて整列状態の管は、概ね楕円形の断面を有している。
(態様7)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
概ね楕円形断面の外表面、それを貫通して縦に延びる第一および第二のルーメン、末端および基端を有するユニタリー(一体化)部分;および
第一の縦に延びる通路を定める第一の末端管および第二の縦に延びる通路を定める第二の末端管、
ここで、この第一および第二の末端管は、ユニタリー部分の末端から末端方向に延び、且つ互いに独立した動きが可能である、第一の末端管内の第一の通路は第一のルーメンと流体的に連通しており、第二の末端管内の第二の通路は第二のルーメンと流体的に連通している。
(態様8)
そのルーメンおよび通路が概ね円形の断面を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様9)
その第一および第二の末端管の各々が、その縦方向の長さの一部にわたり、概ね半円形断面の外形を有し、且つその縦方向の長さの残りの部分にわたり、概ね円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様10)
その概ね半円形断面の外形を有している第一および第二の末端管の部分が、離脱可能に取付けられている態様9に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様11)
その離脱可能に取付けられている第一および第二の末端管の部分が、最小限の力を用いて裂け得る態様10に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様12)
その最小限の力が1ポンドと5ポンドとの間である態様11に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様13)
その第一および第二の末端管の少なくとも一つが、長さを縦方向で測って、ユニタリー・カテーテルより長い態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様14)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様15)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね半円形断面の外形を有している態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様16)
その第一および第二の末端管が、それらの管が一緒に概ね楕円形断面の外形を有するように、整列させられている態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様17)
その第一および第二の末端管が、それらの縦方向長さの少なくとも一部で離脱可能に取付けられている態様16に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様18)
その第一および第二の末端管の各々が、概ね「D字」型断面の外面を有し、その「D字」型が、概ね平らな外面部分と丸みのある外面部分とを定めるものである態様7に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様19)
その第一および第二の末端管が、その各々の平らな外面部分に沿い縦方向長さの少なくとも一部で、互いに隣接させられている態様18に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様20)
その隣接させられている第一および第二の末端管が、一緒になって概ね丸い断面の外面を有する態様19に係るマルチルーメン・カテーテル組立体。
(態様21)
次記要素を含むマルチルーメン・カテーテル組立体:
概ね楕円形の横断面を有する滑らかで、丸みのある外表面を有するユニタリー・カテーテル、そのユニタリー・カテーテルは末端および基端を有している;および
そのユニタリー・カテーテルの末端から末端方向に延びる第一および第二の末端管、その末端管の各々が末端チップで終わる末端部分および基端チップで終わる基端部分を有するものである、
ここで、その第一および第二の末端管の少なくとも一つが、そのユニタリー・カテーテルより縦方向に長い、
ここで、その第一および第二の末端管が、それらの基端チップから基端部分の長さにわたり離脱可能に取付けられ、それらの末端チップから末端部分の長さにわたり分離するものである、
ここで、その第一および第二の末端管の各々が、その離脱可能に取付けられた部分にわたり概ね「D字」形の横断面であり、その分離部分にわたっては概ね円形の横断面である。
(態様22)
次記の工程を具備したマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法:
末端に終わる末部分と末端部分,基端に終わる基端部分、および第一のルーメンおよび弟ニのルーメン、この第一および弟ニのルーメンの各々は、ユニタリー・カテーテル管を貫通して縦に延びている、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程、および
このユニタリー・カテーテル管を、第一および第二の末端管を形成するために、そのユニタリー・カテーテル管の末端部分に沿い縦に裂く工程。
(態様23)
そのユニタリー・カテーテル管の外面が概ね楕円形の断面を有する態様22に係る方法。
(態様24)
その第一および第二のルーメンが円形の断面を有する態様23に係る方法。
(態様25)
その第一および第二の末端管の外面が概ね半円形の断面を有する態様22に係る方法。
(態様26)
更に、その第一および第二の末端管の外面が、その第一および第二の末端管の縦方向の長さの一部にわたり、概ね半円形の断面を有するように仕上る工程を含む態様22に係る方法、ここで第一および第二の末端管は縦方向の長さの残りの部分にわたっては概ね円形の断面を有している。
(態様27)
更に、その第一および第二の末端管を、その第一および第二の末端管が概ね半円形断面を有している縦方向の長さの一部にわたり離脱可能に取付ける工程を含む態様26に係る方法。
(態様28)
更に、その第一および第二の末端管を、その縦方向の長さの少なくとも一部にわたり互いに離脱可能に取付け、それにより、その第一および第二の末端管を、その離脱可能に取付けられた部分にわたり最小限の力で裂け得るようにする工程を含む態様22に係る方法。
(態様29)
その第一および第二の末端管が、その第一および第二の末端管が、ユニタリー・カテーテル管から延び始める点で始まってその縦方向の長さの基端部分にわたり続いて、離脱可能に取付られており、それらの縦方向長さの末端部分にわたり末端で分離する態様28に係る方法。
(態様30)
裂けた後、その第一および第二の末端管の少なくとも一つの長さが、そのユニタリー・カテーテル管の残りの部分の長さより大きい態様22に係る方法。
(態様31)
更に、その第一および第二の末端管を、その第一および第二の末端管の各々に概ね滑らかな外表面を与えるように、研ぎ磨く工程を含む態様22に係る方法。
(態様32)
その第一および第二の末端管の各々の外面が、研ぎ磨いた後、円形断面である態様31に係る方法。
(態様33)
そのユニタリー・カテーテル管の形成が、熱成形工程である態様22に係る方法。
(態様34)
その熱成形工程が押し出しである態様33に係る方法。
(態様35)
次記の工程を具備したマルチルーメン・カテーテル組立体の製造方法:
末端に終わる末部分と末端部分,基端に終わる基端部分、および第一のルーメンおよび弟ニのルーメン、この第一および弟ニのルーメンの各々は、ユニタリー・カテーテル管を貫通して縦に延びている、を有するユニタリー・カテーテル管を形成する工程、
このユニタリー・カテーテル管を、第一および第二の末端管を形成するために、その末端部分に沿い縦に裂き、それにより、そのユニタリー・カテーテル管の裂けた部分と裂けてない部分との間に転移する点を作り出す工程、そこでは、この転移する点から末端までの長さとして定義される、ユニタリー・カテーテル管の裂けた部分の長さが、ユニタリー・カテーテル管の基端からこの転移点までの長さより大きい、および
第一および第二の末端管を、それらの縦方向の長さの一部分に沿い、互いに離脱可能に取り付ける工程、この第一および第二の末端管は、その転移点から、その転移点と末端との間にある結合点まで離脱可能に取り付けられており、この第一および第二の末端管は、その転移点から末端まで分離しており、それにより、この第一および第二の末端管は、その転移点から結合点まで、最小限の力で裂け得て、その結合点から末端まで独立に自由浮遊するようにされている。
【符号の説明】
【0104】
5 カテーテル組立体
12 ユニタリー(一体化)カテーテル
14 第一の末端管
16 第二の末端管
18 ハブ
20 第一の延伸管
22 第一の延伸管
24 第一のルーメン
26 第二のルーメン
28,30 基端
32,34 末端
36 転移点
38,39 外壁
41 カフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニタリー部分と、少なくとも第1及び第2の末端管とを備えているマルチルーメン・カテーテル組立体であって、
上記ユニタリー部分は、
全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、
末端と、
基端と、
上記ユニタリー部分を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割し、概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを備えていて、
上記第1及び第2のルーメンは、上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部で上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に伸び、
上記末端管の各々は、該末端管を貫通して縦方向に延びる末端管ルーメンを形成する外表面と、基端部分と、末端部分とを有し、
上記第1及び第2の末端管の基端部分において、各末端管ルーメンは、上記ユニタリー部分の第1及び第2のルーメンの各々との流体連通のため、上記ユニタリー部分の上記末端で上記ユニタリー部分の上記第1及び第2のルーメンの各々に取り付けられ、
上記第1及び第2の末端管は、上記縦方向に延びる面の各側部に配置され、
上記少なくとも2つの末端管は、互いに独立して移動することができることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項2】
上記ユニタリー部分の上記外壁は、滑らかであり、湾曲し、かつ突起部を有しないことを特徴とする、請求項1に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項3】
上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第1のルーメンはD字形の断面を有し、かつ上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第2のルーメンはD字形の断面を有することを特徴とする、請求項2に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項4】
上記各末端管の末端部分は開いていて、上記外表面は、上記各末端管の末端部分に、上記各末端管の末端管ルーメンと連通する複数の穴を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項5】
少なくとも1つの穴は、上記縦方向に延びる面と隣り合う、上記第1の末端管の外表面の一部に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項6】
上記第1の末端管は上記第2の末端管より長いことを特徴とする、請求項5に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項7】
ユニタリー部分と、少なくとも第1及び第2の末端管とを備えているマルチルーメン・カテーテル組立体であって、
上記ユニタリー部分は、
全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、
末端と、
基端と、
上記ユニタリー部分を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割し、概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを備えていて、
上記第1及び第2のルーメンは、上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部で上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に伸び、
上記末端管の各々は、該末端管を貫通して縦方向に延びる末端管ルーメンを形成する外表面と、基端部分と、末端部分とを有し、
上記第1及び第2の末端管の基端部分において、各末端管ルーメンは、上記ユニタリー部分の第1及び第2のルーメンの各々との流体連通のため、上記ユニタリー部分の上記末端で上記ユニタリー部分の上記第1及び第2のルーメンの各々に接続され、
上記第1及び第2の末端管は、上記縦方向に延びる面の各側部に配置され、
上記第1及び第2の末端管は、各末端管の長さの一部で互いに離脱可能に接着されていることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項8】
上記ユニタリー部分の上記外壁は、滑らかであり、湾曲し、かつ突起部を有しないことを特徴とする、請求項7に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項9】
上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第1のルーメンはD字形の断面を有し、かつ上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第2のルーメンはD字形の断面を有することを特徴とする、請求項8に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項10】
上記各末端管の外表面は、湾曲部分と、上記各末端管に沿って縦方向に延びる平らな平面部分とを備えていて、上記湾曲部分及び上記平面部分はD字形の断面を形成していることを特徴とする、請求項9に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項11】
上記第1の末端管の平らな平面部分の第1の部分は、上記第2の末端管の平らな平面部分の第1の部分に離脱可能に接着されていることを特徴とする、請求項10に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項12】
上記各末端管の末端部分は開いていて、上記外表面は、上記各末端管の末端部分に、上記各末端管の末端管ルーメンと連通する複数の穴を備えていることを特徴とする、請求項11に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項13】
少なくとも1つの穴は、上記第1の末端管の外表面の平らな平面部分に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項14】
上記第1の末端管は上記第2の末端管より長いことを特徴とする、請求項13に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項15】
末端に終わる末端部分と、基端に終わる基端部分と、全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、ユニタリー・カテーテル管を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割して概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを有し、上記第1及び第2のルーメンは上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部でユニタリー・カテーテル管を貫通して縦方向に延びているユニタリー・カテーテル管を形成する工程と、
単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの一部分を上記縦方向に延びる面に沿って縦方向に切って第1の末端管及び第2の末端管を形成し、これにより上記ユニタリー・カテーテル管の裂かれた部分と裂かれていない部分との間に転移点を生成することより上記ユニタリー・カテーテル管の一部分を裂く工程であって、上記転移点から上記末端部分までの上記ユニタリー・カテーテル管の裂かれた部分の長さを、上記基端部分から上記転移点までの上記ユニタリー・カテーテル管の長さより長くする工程と、
上記第1及び第2の末端管を、両末端間の縦方向の長さの一部分に沿って互いに離脱可能に接着する工程とを備えていて、
上記第1及び第2の末端管は、上記転移点から、上記転移点と上記末端部分との間に位置する接着点まで離脱可能に接着することができ、
上記第1及び第2の末端管は、上記転移点から上記接着点まで最小限の力を加えることにより裂くことができ、
上記第1及び第2の末端管は、上記接着点から上記末端部分まで独立して自由浮遊することができることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体を製造する方法。
【請求項16】
単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの一部分を縦方向に切ることにより上記ユニタリー・カテーテル管の上記一部分を裂く工程が、さらに
鋭利な刃先を用いて、単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの上記一部分を上記縦方向に延びる面に沿って切り、上記縦方向に延びる平らな壁部の長さの上記一部分を2つに分割して上記第1及び第2の末端管を形成する工程を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記第1及び第2の末端管を離脱可能に接着する工程が、さらに
上記第1及び第2の末端管の縦方向の上記一部分に対して接着剤を塗布する工程を備えていて、上記第1及び第2の末端管を形成する材料に対する上記接着剤の相対的な接着強度が、上記接着剤の粘着力より大きいことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記第1及び第2の末端管を離脱可能に接着する工程が、さらに
上記接着剤を塗布して、上記第1及び第2の末端管の外壁の一方又は両方を部分的又は全体的に上記接着剤で被覆する工程と、
両末端管を互いに押し付けて、上記第1及び第2の末端管の外壁を互いに接着させる工程とを備えていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
末端に終わる末端部分と、基端に終わる基端部分と、全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、ユニタリー・カテーテル管を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割して概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを有し、上記第1及び第2のルーメンは上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部でユニタリー・カテーテル管を貫通して縦方向に延びているユニタリー・カテーテル管を形成する工程と、
縦方向に貫通して延びる第1の通路を有する第1の末端管を形成する工程と、
縦方向に貫通して延びる第2の通路を有する第2の末端管を形成する工程と、
上記第1及び第2の末端管を、上記ユニタリー・カテーテル管の末端で、上記ユニタリー・カテーテル管の上記第1及び第2のルーメンの各々に接続し、上記第1の末端管内の上記第1の通路と上記ユニタリー・カテーテル管内の上記第1のルーメンとの間の流体連通と、上記第2の末端管内の上記第2の通路と上記ユニタリー・カテーテル管内の上記第2のルーメンとの間の流体連通とを生じさせる工程とを備えていることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体を製造する方法。
【請求項1】
ユニタリー部分と、少なくとも第1及び第2の末端管とを備えているマルチルーメン・カテーテル組立体であって、
上記ユニタリー部分は、
全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、
末端と、
基端と、
上記ユニタリー部分を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割し、概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを備えていて、
上記第1及び第2のルーメンは、上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部で上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に伸び、
上記末端管の各々は、該末端管を貫通して縦方向に延びる末端管ルーメンを形成する外表面と、基端部分と、末端部分とを有し、
上記第1及び第2の末端管の基端部分において、各末端管ルーメンは、上記ユニタリー部分の第1及び第2のルーメンの各々との流体連通のため、上記ユニタリー部分の上記末端で上記ユニタリー部分の上記第1及び第2のルーメンの各々に取り付けられ、
上記第1及び第2の末端管は、上記縦方向に延びる面の各側部に配置され、
上記少なくとも2つの末端管は、互いに独立して移動することができることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項2】
上記ユニタリー部分の上記外壁は、滑らかであり、湾曲し、かつ突起部を有しないことを特徴とする、請求項1に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項3】
上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第1のルーメンはD字形の断面を有し、かつ上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第2のルーメンはD字形の断面を有することを特徴とする、請求項2に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項4】
上記各末端管の末端部分は開いていて、上記外表面は、上記各末端管の末端部分に、上記各末端管の末端管ルーメンと連通する複数の穴を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項5】
少なくとも1つの穴は、上記縦方向に延びる面と隣り合う、上記第1の末端管の外表面の一部に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項6】
上記第1の末端管は上記第2の末端管より長いことを特徴とする、請求項5に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項7】
ユニタリー部分と、少なくとも第1及び第2の末端管とを備えているマルチルーメン・カテーテル組立体であって、
上記ユニタリー部分は、
全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、
末端と、
基端と、
上記ユニタリー部分を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割し、概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを備えていて、
上記第1及び第2のルーメンは、上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部で上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に伸び、
上記末端管の各々は、該末端管を貫通して縦方向に延びる末端管ルーメンを形成する外表面と、基端部分と、末端部分とを有し、
上記第1及び第2の末端管の基端部分において、各末端管ルーメンは、上記ユニタリー部分の第1及び第2のルーメンの各々との流体連通のため、上記ユニタリー部分の上記末端で上記ユニタリー部分の上記第1及び第2のルーメンの各々に接続され、
上記第1及び第2の末端管は、上記縦方向に延びる面の各側部に配置され、
上記第1及び第2の末端管は、各末端管の長さの一部で互いに離脱可能に接着されていることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項8】
上記ユニタリー部分の上記外壁は、滑らかであり、湾曲し、かつ突起部を有しないことを特徴とする、請求項7に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項9】
上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第1のルーメンはD字形の断面を有し、かつ上記ユニタリー部分を貫通して縦方向に延びる上記第2のルーメンはD字形の断面を有することを特徴とする、請求項8に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項10】
上記各末端管の外表面は、湾曲部分と、上記各末端管に沿って縦方向に延びる平らな平面部分とを備えていて、上記湾曲部分及び上記平面部分はD字形の断面を形成していることを特徴とする、請求項9に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項11】
上記第1の末端管の平らな平面部分の第1の部分は、上記第2の末端管の平らな平面部分の第1の部分に離脱可能に接着されていることを特徴とする、請求項10に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項12】
上記各末端管の末端部分は開いていて、上記外表面は、上記各末端管の末端部分に、上記各末端管の末端管ルーメンと連通する複数の穴を備えていることを特徴とする、請求項11に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項13】
少なくとも1つの穴は、上記第1の末端管の外表面の平らな平面部分に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項14】
上記第1の末端管は上記第2の末端管より長いことを特徴とする、請求項13に記載のマルチルーメン・カテーテル組立体。
【請求項15】
末端に終わる末端部分と、基端に終わる基端部分と、全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、ユニタリー・カテーテル管を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割して概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを有し、上記第1及び第2のルーメンは上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部でユニタリー・カテーテル管を貫通して縦方向に延びているユニタリー・カテーテル管を形成する工程と、
単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの一部分を上記縦方向に延びる面に沿って縦方向に切って第1の末端管及び第2の末端管を形成し、これにより上記ユニタリー・カテーテル管の裂かれた部分と裂かれていない部分との間に転移点を生成することより上記ユニタリー・カテーテル管の一部分を裂く工程であって、上記転移点から上記末端部分までの上記ユニタリー・カテーテル管の裂かれた部分の長さを、上記基端部分から上記転移点までの上記ユニタリー・カテーテル管の長さより長くする工程と、
上記第1及び第2の末端管を、両末端間の縦方向の長さの一部分に沿って互いに離脱可能に接着する工程とを備えていて、
上記第1及び第2の末端管は、上記転移点から、上記転移点と上記末端部分との間に位置する接着点まで離脱可能に接着することができ、
上記第1及び第2の末端管は、上記転移点から上記接着点まで最小限の力を加えることにより裂くことができ、
上記第1及び第2の末端管は、上記接着点から上記末端部分まで独立して自由浮遊することができることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体を製造する方法。
【請求項16】
単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの一部分を縦方向に切ることにより上記ユニタリー・カテーテル管の上記一部分を裂く工程が、さらに
鋭利な刃先を用いて、単一の縦方向に延びる平らな壁部の長さの上記一部分を上記縦方向に延びる面に沿って切り、上記縦方向に延びる平らな壁部の長さの上記一部分を2つに分割して上記第1及び第2の末端管を形成する工程を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記第1及び第2の末端管を離脱可能に接着する工程が、さらに
上記第1及び第2の末端管の縦方向の上記一部分に対して接着剤を塗布する工程を備えていて、上記第1及び第2の末端管を形成する材料に対する上記接着剤の相対的な接着強度が、上記接着剤の粘着力より大きいことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記第1及び第2の末端管を離脱可能に接着する工程が、さらに
上記接着剤を塗布して、上記第1及び第2の末端管の外壁の一方又は両方を部分的又は全体的に上記接着剤で被覆する工程と、
両末端管を互いに押し付けて、上記第1及び第2の末端管の外壁を互いに接着させる工程とを備えていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
末端に終わる末端部分と、基端に終わる基端部分と、全地点において連続的に凸状である形状をなす断面を有する外面を備えている外壁と、ユニタリー・カテーテル管を縦方向に延びる面に沿って全体的に2つに分割して概ね等しい断面を有する少なくとも第1及び第2のルーメンを形成する単一の縦方向に延びる平らな壁部とを有し、上記第1及び第2のルーメンは上記縦方向に延びる平らな壁部の互いに背向する両側部でユニタリー・カテーテル管を貫通して縦方向に延びているユニタリー・カテーテル管を形成する工程と、
縦方向に貫通して延びる第1の通路を有する第1の末端管を形成する工程と、
縦方向に貫通して延びる第2の通路を有する第2の末端管を形成する工程と、
上記第1及び第2の末端管を、上記ユニタリー・カテーテル管の末端で、上記ユニタリー・カテーテル管の上記第1及び第2のルーメンの各々に接続し、上記第1の末端管内の上記第1の通路と上記ユニタリー・カテーテル管内の上記第1のルーメンとの間の流体連通と、上記第2の末端管内の上記第2の通路と上記ユニタリー・カテーテル管内の上記第2のルーメンとの間の流体連通とを生じさせる工程とを備えていることを特徴とするマルチルーメン・カテーテル組立体を製造する方法。
【図1】
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10a−dash】
【図10b】
【図10b−dash】
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10a−dash】
【図10b】
【図10b−dash】
【公開番号】特開2010−104795(P2010−104795A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293109(P2009−293109)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【分割の表示】特願2003−546963(P2003−546963)の分割
【原出願日】平成14年11月21日(2002.11.21)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【分割の表示】特願2003−546963(P2003−546963)の分割
【原出願日】平成14年11月21日(2002.11.21)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】
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