説明

マルチ作業機

【課題】マルチフィルムの巻径が減少しても、フィルム経路を一定に保持する中間ガイドローラを備えたマルチ作業機において、畦面に被覆されるマルチフィルムに発生するしわを無くすか、或いは極力少なく(小さく)することである。
【解決手段】フィルムロール15を形成するマルチフィルムFの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラR1と、前記フィルムロール15から繰り出されたマルチフィルムFの幅方向Qの中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラ22と、前記フィルムロール15から繰り出されて被覆直前のフィルムFの幅方向Qの両端部を踏圧するための踏圧輪32とを備えたマルチ作業機Mであって、前記中間ガイドローラR1は、軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体R12は、平面視において外端がマルチ作業機Mの進行方向の側を向くように傾斜配置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体の進行によりフィルムロールから終始ほぼ一定張力で繰り出されたマルチフィルムにより畦面を被覆するマルチ作業機に関するものであり、更に詳しくは、畦面に被覆されるマルチフィルムに発生するしわを無くすか、或いは極力少なくしたマルチ作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチ作業機は、特許文献1に記載されているように、所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪とを備え、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成の農用作業機である。
【0003】
上記したマルチ作業機は、フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、中間ガイドローラを介して弛み吸収ローラに巻き掛けられていて、該中間ガイドローラと弛み吸収ローラとの間隔は不変である。このため、マルチ作業が進行してマルチフィルムの巻径が変化しても、マルチフィルムが中間ガイドローラの両端に巻き掛けられる部分と、同じく弛み吸収ローラの両端に巻き掛けられる部分、及び踏圧輪により踏圧される部分の各間隔は不変であって、即ち、中間ガイドローラよりも下流側のフィルム経路は、マルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定に保持され、中間ガイドローラ、弛み吸収ローラ、及び一対の踏圧輪で保持される部分においてマルチフィルムに作用する張力は一定である。従って、フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に、畦面に被覆される直前のマルチフィルムの幅方向及び前後方向の各張力は終始ほぼ一定する。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のマルチ作業機は、フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に、畦面に被覆される直前のマルチフィルムの幅方向及び前後方向の各張力は終始ほぼ一定するという利点がある反面、中間ガイドローラがストレート状であるため、弛み吸収ローラによりマルチフィルムが巻き掛けられることにより、当該マルチフィルムは、中間ガイドローラの部分において、幅方向の両側部から当該中間ガイドローラの軸方向の中心部の側に寄せ集められるような力が作用し、この力が原因となって、畦面に被覆されるマルチフィルムにしわが発生し易いという不具合があった。
【0005】
マルチフィルムにしわが発生した状態で畦面に被覆されると、強風によりマルチフィルムが踊って「ばたばた」し、これが繰り返されることにより、覆土されているマルチフィルムの裾部が外される結果、畦面からマルチフィルムが外されてしまう問題があった。マルチフィルムは、一箇所でも外れてしまうと、畦に沿って全体が容易に外れてしまい、外されたマルチフィルムの修復は極めて面倒であった。また、畦面に被覆されたマルチフィルムにしわが発生していると、しわの部分において雑草が発生し易くなって、雑草の発生を助けるという問題もあった。
【特許文献1】特開平10−327683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、マルチフィルムの巻径が減少しても、フィルム経路を一定に保持する中間ガイドローラを備えたマルチ作業機において、畦面に被覆されるマルチフィルムに発生するしわを無くすか、或いは極力少なく(小さく)することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、前記中間ガイドローラは、軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体は、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体が、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置されているため、フィルムロールから繰り出されて中間ガイドローラに巻き掛けられたマルチフィルムは、弛み吸収ローラにより斜前下方に引っ張られる際に、幅方向の両側に僅かに引っ張られた状態で空中を走行して、機体の進行により、当該マルチフィルムは、被覆直前の幅方向の両端部が各踏圧輪で踏圧されることにより、フィルムロールから繰り出されて、成形直後の畦面に被覆される。このように、マルチフィルムが中間ガイドローラの部分を走行する際に、幅方向の両側に引っ張られた状態になってしわが発生しにくくなるので、畦面に被覆されるマルチフィルムにしわが発生するのが抑制される。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、軸方向の両端部に配置される一対の分割ローラ体は、外端が低くなるように配置されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、軸方向の両端部に配置される一対の分割ローラ体は、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置されていることに加え、外端が低くなるように背面視においても傾斜配置されていて背面視における傾斜配置は、マルチフィルムが流れを助けるので、空中走行するマルチフィルムにしわが発生するのが一層抑制されて、畦面に被覆されたマルチフィルムには、しわの発生がなくなる。
【0011】
また、請求項3の発明は、所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、前記中間ガイドローラは、中央部ローラ体と、左右一対の両端部ガイド体とに分割されて、前記中央部ローラ体は回転可能であると共に、前記一対の両端部ガイド体は、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置された非回転体で構成されていることを特徴としている。
【0012】
中間ガイドローラの中央部分に巻き掛けられるマルチフィルムの幅方向に沿った中央部分は、弛み吸収ローラに巻き掛けられる部分であるため、回転体に巻き掛けて繰り出す必要があるが、マルチフィルムにおける中間ガイドローラの両端部に巻き掛けられる部分は、当該中間ガイドローラの中央部に巻き掛けられる部分に比較して張力が小さくなるので、非回転体構造であっても差し支えない。そこで、請求項3の発明のように、中間ガイドローラを構成する一対の両端部ガイド体は、平面視において外端が機体の進行方向の側を向くように傾斜配置された非回転体で構成しても、マルチフィルムにしわが発生するのを抑制できる。
【0013】
また、請求項4の発明は、所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、前記中間ガイドローラは、中央部から両端に向けて外径が小さくなっている形状であることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、中間ガイドローラは、中央部から両端に向けて外径が小さくなっている形状であると、マルチフィルムが巻き掛けられる観点からは、軸方向の両端部に配置される一対の分割ローラ体が、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置されている場合と同様の作用効果が奏される。即ち、フィルムロールから繰り出されて中間ガイドローラに巻き掛けられたマルチフィルムは、弛み吸収ローラにより斜前下方に引っ張られる際に、幅方向の両側に僅かに引っ張られた状態で空中を走行するため、畦面に覆われるマルチフィルムにしわが発生するのを抑制できる。
【0015】
また、請求項5の発明は、所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、前記中間ガイドローラは、軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体は、中央部に配置された1ないし複数の分割ローラ体に対して進行方向に沿って僅かに前側に配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明のように、中間ガイドローラが軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体は、中央部に配置された1ないし複数の分割ローラ体に対して進行方向に沿って僅かに前側に配置された構成にしても、フィルムロールから繰り出されて中間ガイドローラに巻き掛けられたマルチフィルムは、弛み吸収ローラにより斜前下方に引っ張られる際に、幅方向の両側に僅かに引っ張られた状態で空中を走行するため、畦面に覆われるマルチフィルムにしわが発生するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フィルムロールから繰り出されるマルチフィルムの巻径が減少しても、当該マルチフィルムの走行経路を不変とするための中間ガイドローラの平面形状の工夫によって、畦面に被覆されるマルチフィルムにしわが発生するのを効果的に防止、或いは抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明を実施したマルチ作業機Mの後方からの斜視図、図2は、トラクタTに連結されたマルチ作業機Mの一部を破断した側面図、図3は、同じく平面図、図4は、同じく背面図、図5は、畦成形板23の斜視図である。
【0020】
最初に、マルチ作業機Mの全体構成について説明し、その後に、本発明に係る中間ガイドローラR1 〜R5 について説明する。図1及び図2に示されるように、本発明のマルチ作業機Mは、牽引車の一例であるトラクタT(図2参照)の後方に、三点ヒッチリンクHを構成する1本の上側リンク1と2本の下側リンク2を介して連結されている。前記マルチ作業機Mの前部(トラクタTと相対向する部分)には、圃場を膨軟にするためのロータリー装置3が配設されている。該ロータリー装置3の各ロータリー刃3aは、トラクタTのPTO軸(図示せず)からユニバーサルジョイント4を介して伝達される動力によって所定方向に連続回転される。トラクタTに牽引されたマルチ作業機Mは、前記トラクタTの前進に伴い、矢印Pの方向に前進される。なお、図2において、6はトラクタTの後輪であり、7は運転席である。
【0021】
マルチ作業機Mを構成するフレームKは、前述したロータリー装置3の直後で、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿って配設された水平機枠8と、該水平機枠8から垂下された一対の垂直機枠9を備えている。前記ロータリー装置3は、2本の連結ブラケット11を介して前記水平機枠8に連結されている。前記一対の垂直機枠9から後方に向かって、平面視においてわん曲状態を呈する一対の連結部材12が延設されている。各連結部材12の後端部には、それぞれ角筒状の後方機枠13が固着されていて、各後方機枠13には各フィルムロール支持部材14が挿入されている。各後方機枠13に対する各フィルムロール支持部材14の挿入長さを調整することにより、異なる長さのフィルムロール15を装着することができる。圃場に成形された畦A1 の全面を被覆するマルチフィルム(以下、単に「フィルム」と略す場合もある)Fは、ローラ状に巻回されたフィルムロール15となって前記各フィルムロール支持部材14に回転可能に支持されている。即ち、図3及び図4に示されるように、各フィルムロール支持部材14の上端部には、圧縮ばね16が弾装された紙管チャック17が取付けられていて、前記フィルムロール15は、その両端部が対応する紙管チャック17に挿入されている。そして、前記各圧縮ばね16による所定の付勢力(ブレーキトルク)が加えられた状態で回転され、フィルムロール15からフィルムFが繰り出される。
【0022】
前記水平機枠8の背面部には、マルチ作業機Mの幅方向Qに所定の間隔をおいて複数本(実施例では4本)の中間ガイドローラ支持部材18が取付けられている。中央の2本の中間ガイドローラ支持部材18には、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿って第1支承軸18aが支持されていると共に、両端の2本1組となった各中間ガイドローラ支持部材18には、平面視において外側が前方に位置されるように傾斜配置された第2支承軸18bがそれぞれ支持されている。第1及び第2の各支承軸18a,18bには、それぞれ中間ガイドローラR1 を構成する分割ローラ体R11が回転可能に支持されている。中間ガイドローラR1 は、フィルムロール15のほぼ直下に配置されている。また、前記水平機枠8の背面部で、マルチ作業機Mの幅方向Qのほぼ中央部には、弛み吸収ローラ支持部材21が後方に張り出した状態で固着されている。該弛み吸収ローラ支持部材21は、側面視において略L字状であり、フィルムロール15と干渉しないように、該フィルムロール15の上方を通ってその背後に回り込む形態で取付けられている。そして、前記弛み吸収ローラ支持部材21には、高さ位置を調整可能にして弛み吸収ローラ22が、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿って取付けられている。該弛み吸収ローラ22は、マルチ作業機Mの幅方向Qのほぼ中央部であって、しかも前記各中間ガイドローラR1 の下方で、かつ僅かに前方(斜下前方)に配置されている。前記弛み吸収ローラ22は、フィルムロール15から繰り出され、各中間ガイドローラR1 にガイドされたフィルムFの弛みを吸収するためのものであり、前記弛み吸収ローラ22の直下に配設された畦成形板23(後述)によって成形される畦A1 の上面部A1aの幅に対応する長さを有している。
【0023】
次に、接地輪24について説明する。前述した一対の連結ブラケット11には、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿って支持軸25が回動自在に取付けられていて、該支持軸25の両端部に一対の接地輪支持ロッド26が取付けられている。各接地輪支持ロッド26は、一対の垂直機枠9の側方に配置されていて、それらの先端部には、それぞれ接地輪24が回転可能に支承されている。また、前記接地輪支持ロッド26の軸方向のほぼ中央部には、高さ調整ロッド27が取付けられている。前記高さ調整ロッド27の上端部に設けられたハンドル27aを回転させることにより、高さ調整ロッド27の長さが変化し、それに伴って支持軸25が回動される。これにより、各接地輪支持ロッド26の高さ位置が変化し、各接地輪24の高さ方向の取付位置が調整される。
【0024】
次に、畦成形板23について説明する。前述したように、マルチ作業機MのフレームKを構成する水平機枠8及び一対の垂直機枠9の直後方の部分には、畦成形板23が配設されている。図5に示されるように、本実施例の畦成形板23は、後方に向かって上面部が切除され、断面略放物線形状にわん曲された一対の主成形板部28と、各主成形板部28の内側面部に取付けられた上面成形板部29と、前記一対の主成形板部28の前端部に取付けられた一対の誘導板部30と、同じく主成形板部28の後方下端部から斜め後方外側に張り出して取付けられた一対の狭溝成形板部31とから成る。即ち、前記一対の主成形板部28の前端部には、前端周縁の全長に亘って前記各主成形板部28の外方に向けて一対の誘導板部30が平面視で緩やかなハの字状となって、しかも、各主成形板部28の前端周縁よりも外方の部分を周囲から取り囲むように取付けられている。一対の誘導板部30は、前方のロータリー装置3により膨軟にされた土壌を畦中央に寄せ集めると共に、全土壌を畦成形に寄与すべく、畦成形予定部以外の部分に土壌が残存するのを防止している。そして、前記各主成形板部28と各狭溝成形板部31との間には、一対の踏圧輪32(後述)を当接するための当接板33が固着されている。
【0025】
次に、踏圧輪32について説明する。前述した一対の後方機枠13における内側の端部には、側面視において略台形状の一対の第1支持板34が、マルチ作業機Mの幅方向Qに所定の間隔をおいて取付けられている。各後方機枠13における一対の第1支持板34の取付位置は、調整可能である。一対の第1支持板34の後端部には、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿って回動支点ピン35が挿通されていて、該回動支点ピン35に断面略逆U字形状の第2支持板36と踏圧輪支持ロッド37が、一体となって回動可能に支承されている。また、前記第2支持板36の両側壁部には、マルチ作業機Mの幅方向Qに沿ってばね支持ピン36aが突出されていると共に、踏圧輪支持ロッド37の上面部には、ばね支持部材37aが取付けられていて、前記ばね支持ピン36aと前記ばね支持部材37aとの間に2本の引張りばね38が弾装されている。なお、図4及び図5では、ばね支持部材37a及び引張りばね38の図示を省略してある。
【0026】
各踏圧輪支持ロッド37の先端部で、それらの内側部分には、それぞれ踏圧輪32が回転可能に支承されていると共に、同じく外側部分には、覆土具の一例である各覆土輪39が取付けられている。前記一対の踏圧輪32は、フィルムロール15から繰り出されたフィルムFの幅方向Qの両端部F1 を踏圧して、畦成形板23によって圃場に形成された畦A1 の両裾部A1bに押し付けるという機能を有しており、それらの前部を僅かに内側に向けて配置されている。また、前記一対の覆土輪39は、前記一対の踏圧輪32によって畦A1 の両裾部A1bに押し付けられたフィルムFの幅方向Qの両端部F1 を覆土するという機能を有しており、各踏圧輪32の後方でそれらの前部を少し外側に向けて配置されている。そして、後方機枠13に対する第1支持板34の取付位置を調整することにより、一対の踏圧輪32及び一対の覆土輪39どうしの間隔を調整することができる。
【0027】
圃場にマルチ作業が行われている状態で、各踏圧輪支持ロッド37は、自重により、回動支点ピン35の軸心を中心に下方(当接板33に接近する方向)に向かって回動されている。これにより、フィルムFの幅方向Qの両端部F1 が、畦A1 の両裾部A1bに押し付けられる。更に、各引張りばね38の弾性復元力により、前記フィルムFの幅方向Qの両端部F1 は畦A1 の両裾部A1bに、より強く押し付けられる。
【0028】
次に、一対の接地輪24と一対の踏圧輪32の高さ方向の取付位置の関係について説明する。図2に示されるように、一対の接地輪24の高さ方向の取付位置は、該一対の接地輪24が圃場に接地されたとき、一対の踏圧輪32が畦成形板23に設けられた当接板33から少し離れた状態で接地されるように調整される。例えば、マルチ作業機Mが上昇されて、一対の踏圧輪支持ロッド37が回動自由な状態に配置されたとき、一対の踏圧輪32は、畦成形板23の当接板33に当接した状態で停止する。この状態で、一対の接地輪24の最下端部は、停止状態の一対の踏圧輪32の最下端部よりも少し上方に配置される。このため、マルチ作業機Mが下降されると、一対の踏圧輪32は一対の接地輪24よりも先に圃場に接地され、一対の踏圧輪支持ロッド37は上方に回動される。この結果、一対の接地輪24が圃場に接地された状態で、一対の踏圧輪32と対応する当接板33との間に隙間Vが形成され、フィルムロール15から繰り出されたフィルムFが、踏圧輪32と当接板33との間を通過可能である。
【0029】
本実施例のマルチ作業機Mの一般的な作用について説明する。図2に示されるように、圃場において、矢印Pの方向に沿ってマルチ作業機Mを前進させ、ロータリー装置3によって膨軟にされた土を、畦成形板23によってかき寄せながら成形した畦A1 の全面にフィルムFを被覆する(マルチ作業)。即ち、図4に示されるように、マルチ作業機Mが前進すると、一対の踏圧輪32がフィルムロール15から繰り出されているフィルムFの幅方向Qの両端部F1 を踏圧しながら従動回転される。一対の踏圧輪32とフィルムFの幅方向Qの両端部F1 との間に作用する摩擦力により、前記フィルムFは、フィルムロール支持部材14の部分におけるブレーキトルク(圧縮ばね16の付勢力)に抗して繰り出される。そして、図6(a),(b)に示されるように、フィルムFは、各中間ガイドローラR1 に巻き掛けられると共に、当該中間ガイドローラR1 よりも長さの相当に短い弛み吸収ローラ22に前記中間ガイドローラR1 に対する巻き掛け方向と逆方向に巻き掛けられた状態で、フィルムロール15から繰り出される。即ち、高さ方向に沿って中間ガイドローラR1 と畦A1 の上面部A1aとの間に配置された弛み吸収ローラ22がフィルムFの幅方向Qの中央部を前方に押し出すように作用することにより、空中部を走行中のフィルムFの幅方向Qの両端部F1 に発生する弛みを吸収すると共に、当該フィルムFに走行方向及び幅方向の双方の張力が付与された状態で、当該フィルムFはフィルムロール15から繰り出されて、畦成形板23によって断面略放物線形状に成形された畦A1 の上面部A1aを覆う。この状態で、フィルムFの幅方向Qの両端部F1 は、一対の踏圧輪32に踏圧されているため、該フィルムFは、幅方向Qに一定の張力が付与された状態で畦A1 の上面部A1aと両裾部A1bを被覆する。そして、前記フィルムFの幅方向Qの両端部F1 は、一対の踏圧輪32の直後に配設された各覆土輪39によって覆土41がされる。
【0030】
ここで、図7に詳細に示されているように、中間ガイドローラR1 は、中央に配置される分割ローラ体R11と、両端部に配置される一対の分割ローラ体R12とに分割されて、中央の分割ローラ体R11の軸心は、マルチ作業機Mの進行方向である矢印Pの方向と直交する方向に沿って配置されているが、両端の2本の分割ローラ体R12の軸心は、外端がマルチ作業機Mの前側を向くように平面視において角度(α1)だけ傾斜して水平に配置されている。このため、中間ガイドローラR1 を構成する3本の分割ローラ体R11,R12のうち両端の一対の分割ローラ体R12が上記したように傾斜配置されているため、フィルムロール15から繰り出されて中間ガイドローラR1 に巻き掛けられたフィルムFは、弛み吸収ローラ22により斜前下方に引っ張られる際に、幅方向Qの両側に僅かに引っ張られた状態で空中を走行して、マルチ作業機Mの進行により、当該フィルムFは、被覆直前の幅方向Qの両端部F1 が各踏圧輪32で踏圧されることにより、フィルムロール15から繰り出されて、成形直後の畦A1 に被覆される。このように、フィルムFが中間ガイドローラR1 の部分を走行する際に、幅方向Qの両側に引っ張られた状態になってしわが発生しにくくなるので、畦A1 に被覆されるフィルムFにしわが発生するのが抑制される。
【0031】
このため、図8に示されるように、畦A1 にはフィルムFが被覆されて、当該フィルムFの幅方向Qの両端部F1 は、各覆土輪39による覆土41により覆われる。そして、フィルムFのうち、特に畦A1 の上面部A1aを覆う部分にはしわが発生しなくなるので、強風が発生してもフィルムFは畦面に密着していて、当該フィルムFの両端部(裾部)F1 が簡単には外れなくなって、フィルムFは、畦面に対する被覆状態を維持している。なお、図8及び図13では、フィルムFは畦A1 〜A3 の畦面に密着しているが、畦面とフィルムFとの双方を図示可能にするために、畦面に対して僅かに隙間を設けてフィルムFを図示してある。
【実施例2】
【0032】
図9に示される実施例2の中間ガイドローラR2 は、中央に配置される1本の分割ローラ体R21と、両側に配置される一対の分割ローラ体R22の計3本の分割ローラ体で構成される。中央の分割ローラ体R21は、矢印Pと直交する方向に水平に配置されている。両側に配置される一対の分割ローラ体R22は、いずれも平面視において外端がマルチ作業機Mの前側となるように角度(α2)だけ傾斜し、しかも背面視において外端が僅かに低くなるように角度(β2)だけ傾斜して配置されている。このため、平面視における両側の分割ローラ体R22の傾斜は、フィルムFが中間ガイドローラR2 の部分を走行する際に、当該フィルムFが幅方向Qの両側に引っ張られるように作用すると共に、背面視における傾斜配置は、フィルムFの流れを助けるので、中間ガイドローラR2 及び弛み吸収ローラ22に巻き掛けられた後に空中走行するフィルムFにしわが発生するのが一層抑制されて、畦A1 に被覆されるフィルムFにしわが一層発生しにくくなる。
【実施例3】
【0033】
図10に示される実施例3の中間ガイドローラR3 は、外端がマルチ作業機Mの前側を向くように平面視で角度(α3)だけ傾斜配置された一対の分割ローラ体R31で構成される。この中間ガイドローラR3 は、巻き掛けられるフィルムFの全部分が幅方向Qの両側に引っ張られるように作用するため、フィルムFにしわが発生するのを抑制する効果が高まる。
【実施例4】
【0034】
図11に示される実施例4の中間ガイドローラR4 は、中央部は外径が等しくなっているが、両端部は、両端に向けて外径が小さくなるようなテーパー形状を有している。このため、フィルムFが巻き掛けられる観点からは、軸方向の両端部に配置される一対の分割ローラ体が、平面視において外端がマルチ作業機Mの前側を向くように傾斜配置されている場合と同様の作用効果が奏される。即ち、フィルムロール15から繰り出されて中間ガイドローラR4 に巻き掛けられたフィルムFは、弛み吸収ローラ22により斜前下方に引っ張られる際に、幅方向Qの両側に僅かに引っ張られた状態で空中を走行するため、1本構造の中間ガイドローラR4 であっても、畦A1 に覆われるフィルムFにしわが発生するのを抑制できる。
【0035】
また、上記した中間ガイドローラR4 は、軸心方向に沿った中央部の所定長の部分が同一径となっているが、軸心方向の中央から両端に向けて外径が小さくなるように、軸心方向に沿った全ての部分をテーパー状に形成しても、同様の作用効果が奏される。
【実施例5】
【0036】
図12に示される実施例5の中間ガイドローラR5 は、マルチ作業機Mの進行方向である矢印Pと直交する水平な方向(フィルムFの幅方向Q)に沿って水平に配置された中央の分割ローラ体R51と、両端の一対の分割ローラ体R52との計3本の分割ローラ体で構成され、両端の一対の分割ローラ体R52が中央の分割ローラ体R51よりも僅かにマルチ作業機Mの前側に配置された構成である。この構成によっても、中間ガイドローラR5 に巻き掛けられるフィルムFは、幅方向Qに僅かに引っ張られるので、フィルムFにしわが発生するのを防止又は抑制できる。
【0037】
また、上記した各中間ガイドローラR1 〜R5 のうち、全体が1本構造の中間ガイドローラR4 を除く残り全ての中間ガイドローラR1 〜R3 ,R5 において、中央の分割ローラ体のみ回転構造にして、両端に配置される分割ローラ体は非回転構造にしても、中間ガイドローラとしての機能を果たし得る。更に、上記各実施例において、中間ガイドローラの分割本数は、3以上であってもよく、例えば5分割の場合には、両端の一対(2本)の分割ローラ体のみを平面視において外端がマルチ作業機Mの前側に配置されるように傾斜させればよい。
【0038】
また、畦面の形状の観点からは、図13(a),(b)に示されるような上面が平面状となった畦A2 ,A3 の方が、上面が曲面状をした前記畦A1 よりも、被覆されたフィルムFにしわが発生し易いが、本発明によれば、上面が平面状となった畦A2 ,A3 においてもしわの発生を無くすか、或いは抑制できる。
【0039】
また、フィルムロール15の幅に対する中間ガイドローラR1 〜R5 の長さに関しては、図13(a),(b)に示されるような上面が平面状となった畦A2 ,A3 の場合には、中間ガイドローラR1 〜R5 の全長は、フィルムロール15の幅と等しいか、或いはこれに近づくが、図8に示されるような上面が曲面状をした畦A1 の場合には、中間ガイドローラR1 〜R5 の全長は、フィルムロール15の幅に対して短くなる。上面が平面状となった畦A2 ,A3 に対応する中間ガイドローラにおいても、上記各実施例1〜5と同様に、分割構造にして、両端の分割ローラ体、或いは両端部ガイド体をマルチ作業機の前側を向くように傾斜配置すると、同様の作用効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を実施したマルチ作業機Mの後方からの斜視図である。
【図2】トラクタTに連結されたマルチ作業機Mの一部を破断した側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】同じく背面図である。
【図5】畦成形板23の斜視図である。
【図6】(a),(b)は、それぞれ畦A1 にフィルムFが被覆される状態を示す平面図、及び側面図である。
【図7】(a),(b),(c)は、それぞれ中間ガイドローラR1 の平面図、背面図及び畦A1 がフィルムFで被覆される状態の側面図である。
【図8】畦A1 がフィルムFで覆われる状態の断面図である。
【図9】(a),(b),(c)は、それぞれ中間ガイドローラR2 の平面図、背面図及び畦A1 がフィルムFで被覆される状態の側面図である。
【図10】(a),(b),(c)は、それぞれ中間ガイドローラR3 の平面図、背面図及び畦A1 がフィルムFで被覆される状態の側面図である。
【図11】(a),(b),(c)は、それぞれ中間ガイドローラR4 の平面図、背面図及び畦A1 がフィルムFで被覆される状態の側面図である。
【図12】(a),(b),(c)は、それぞれ中間ガイドローラR5 の平面図、背面図及び畦A1 がフィルムFで被覆される状態の側面図である。
【図13】(a),(b)は、それぞれ上面が平面状となった畦A2 ,A3 にフィルムFを被覆した状態の断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 〜A3 :畦
1a:畦の上面部
F:マルチフィルム
M:マルチ作業機(機体)
Q:フィルムの幅方向
1 〜R5 :中間ガイドローラ
R11,R12,R21,R22,R31,R51,R52:分割ローラ体
α123 :平面視における分割ローラ体の傾斜角度
β2 :背面視における分割ローラ体の傾斜角度
15:フィルムロール
22:弛み吸収ローラ
23:畦成形板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、
前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、
前記中間ガイドローラは、軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体は、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置されていることを特徴とするマルチ作業機。
【請求項2】
軸方向の両端部に配置される一対の分割ローラ体は、外端が低くなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチ作業機。
【請求項3】
所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、
前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、
前記中間ガイドローラは、中央部ローラ体と、左右一対の両端部ガイド体とに分割されて、前記中央部ローラ体は回転可能であると共に、前記一対の両端部ガイド体は、平面視において外端が進行方向の側を向くように傾斜配置された非回転体で構成されていることを特徴とするマルチ作業機。
【請求項4】
所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、
前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、
前記中間ガイドローラは、中央部から両端に向けて外径が小さくなっている形状であることを特徴とするマルチ作業機。
【請求項5】
所定のブレーキトルクが加えられた状態で、両端部がフレームに支持されたフィルムロールと、当該フィルムロールよりも下方に配置されて、当該フィルムロールを形成するマルチフィルムの巻径の減少とは無関係に一定のフィルム経路を形成するための中間ガイドローラと、当該中間ガイドローラの下方であって、しかも機体の進行方向に対して前方に配置されて、前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムの幅方向の中央部のみを部分的に巻き掛ける弛み吸収ローラと、前記フィルムロールから繰り出されて被覆直前のフィルムの幅方向の両端部を踏圧するための踏圧輪と、当該踏圧輪により踏圧された状態の前記フィルムの幅方向の両端部を覆土するための覆土輪とを備え、
前記フィルムロールから繰り出されたマルチフィルムは、前記中間ガイドローラ、及び前記弛み吸収ローラに巻き掛けて、該マルチフィルムの幅方向の両端縁を前記踏圧輪で踏圧した状態で、機体を進行させることにより、フィルムロールからマルチフィルムを繰り出して、畦成形板により成形された直後の畦面に該マルチフィルムを被覆する構成のマルチ作業機であって、
前記中間ガイドローラは、軸方向に沿って複数に分割されて、軸方向の両端部に配置される分割ローラ体は、中央部に配置された1ないし複数の分割ローラ体に対して進行方向に沿って僅かに前側に配置されていることを特徴とするマルチ作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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