説明

マンコンベアおよびその踏み段ガイド装置並びにその運転方法

【課題】この発明は、踏み段を取り外した状態で運転しても、踏み段が取り外された駆動ローラの幅方向の移動を規制して、安定な走行を可能とし、保守点検の作業効率の低下を抑制できるマンコンベア、およびその踏み段ガイド装置、ならびにその運転方法を得る。
【解決手段】ガイド体30は、駆動軸23の端部に外嵌状態に嵌着されるボス部31と、ボス部31を駆動軸21に締着固定する固定ボルト34と、ボス部31と同軸に配置され、一端面を摺接面とするリング状のガイド部32と、ボス部31とガイド部32とを連結一体化するディスク33と、を備える。そして、駆動軸23の端部に外嵌状態に嵌着されたボス部31を固定ボルト34により駆動軸23に締着固定し、踏み段チェーン17の循環走行時に、ガイド部32の摺接面が駆動ローラ案内レール26の側面に摺接して駆動ローラ24の走行をガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マンコンベアおよびその踏み段ガイド装置並びにその運転方法に関し、特に踏み段ユニットの駆動ローラの軸方向の変位を規制するガイド構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマンコンベアにおいて、ガイドシューを踏み段の両側面部に設けられた穴部にスカートガードパネルに向う方向に移動自在に挿入し、弾性体をガイドシューをスカートガードパネルに向う方向に付勢するように穴部に配設して、踏み段の幅方向の移動時にガイドシューがスカートガードパネルに接触して踏み段の両側面部とスカートガードパネルとの間に僅かな隙間を確保できるようにした踏み段装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−95571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマンコンベアにおいて、一部の踏み段を取り外した場合、踏み段が取り外された領域における踏み段ローラの幅方向の移動は、踏み段が取り外された領域の前後の踏み段におけるガイドシューとスカートガードパネルとの接触により規制される。そこで、保守点検時、傾斜部などの中間部で一部の踏み段を取り外して運転した場合、踏み段を取り外した領域の前後の踏み段におけるガイドシューとスカートガードパネルとの接触部に過度の荷重が加わり、安定した走行が行われなくなり、保守点検の作業効率が低下するという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、踏み段を取り外した状態で運転しても、踏み段が取り外された駆動ローラの幅方向の移動を規制して、安定な走行を可能とし、保守点検の作業効率の低下を抑制できるマンコンベア、およびその踏み段ガイド装置、ならびにその運転方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマンコンベアの踏み段ガイド装置は、それぞれ、リンクを連結して無端状に構成され、かつ駆動ローラが該リンクの継ぎ目のそれぞれに回転可能に配設されており、水平方向に所定距離離れた2つの沿直面内に相対して配設されて、同期して循環走行する一対の踏み段チェーンと、それぞれ、上記一対の踏み段チェーンの循環走行方向に沿って延設され、該一対の踏み段チェーンの循環走行にともない、上記駆動ローラが走行する一対の駆動ローラ案内レールと、それぞれ、踏み板およびライザがフレームに固定されて構成される踏み段、および該フレームに着脱可能に取付けられた駆動軸を備え、該駆動軸の両端を上記一対の踏み段チェーンの相対する上記駆動ローラに連結されて無端状に連結され、上記一対の踏み段チェーンの循環走行に連動して循環走行する踏み段ユニットと、を備えたマンコンベアの踏み段ガイド装置であって、上記駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着されるボス部と、上記ボス部を上記駆動軸に締着固定する第1締着手段と、上記ボス部と同軸に配置され、一端面を摺接面とするリング状のガイド部と、上記ボス部と上記ガイド部とを連結一体化する連結部と、を備え、上記駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着された上記ボス部を上記第1締着手段により該駆動軸に締着固定して装着され、上記踏み段チェーンの循環走行時に、上記ガイド部の摺接面が上記駆動ローラ案内レールの側面に摺接して上記駆動ローラの走行をガイドする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ボス部が駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着されて第1締着手段により駆動軸に締着固定され、踏み段チェーンの循環走行時に、ガイド部の摺接面が駆動ローラ案内レールの側面に摺接して駆動ローラの走行をガイドするので、駆動ローラの駆動軸の軸方向の移動が規制される。そこで、保守点検時に、踏み段が取り外された駆動軸に踏み段ガイド装置を装着すれば、踏み段を取り外した状態で運転しても、マンコンベアの走行が安定し、保守点検の作業効率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るマンコンベアの全体構造を模式的に示す断面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の取付状態を説明する要部側面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の取付状態を説明する要部断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のマンコンベアの踏み段ガイド装置の好適な実施の形態としてエスカレータに適用した実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るマンコンベアの全体構造を模式的に示す断面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図2のA部拡大図、図4はこの発明の実施の形態1に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置を示す断面図、図5はこの発明の実施の形態1に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の取付状態を説明する要部側面図である。なお、図4では踏み段ガイド装置の軸心の上側のみを示している。
【0011】
図1乃至図5において、マンコンベア1は、上下階間に架設された主枠2と、無端状に連結され、主枠2に循環走行可能に配設された踏み段ユニット3と、踏み段ユニット3を挟むように主枠2に立設された一対の欄干4と、各欄干4の周縁部に装着された無端状の移動手摺り5と、を備えている。
【0012】
主枠2の上部機械室6には、駆動モータ8および一対の上部踏み段スプロケット9が設置され、主枠2の下部機械室7には、一対の下部踏み段スプロケット10が設置されている。そして、一対の上部踏み段スプロケット9は、回転軸に軸方向に所定距離離れて固着されている。駆動チェーン11が上部踏み段スプロケット9の回転軸に固着された駆動スプロケット12と駆動モータ8とに巻き掛けられている。移動手摺り駆動チェーン13が上部踏み段スプロケット9の回転軸に固着された移動手摺り駆動スプロケット14と移動手摺り中間スプロケット15とに巻き掛けられている。
【0013】
踏み段ユニット3は、乗客が乗る踏み面を構成する踏み板21とライザ22とがフレーム20に取り付けられて構成される踏み段と、軸方向を幅方向としてフレーム20の反ライザ22側に着脱可能に、かつ軸周りに回転可能に取り付けられる駆動軸23と、駆動軸23の両端に取り付けられた駆動ローラ24と、フレーム20のライザ22側の両側に取り付けられた従動ローラ25と、を備えている。
【0014】
踏み段チェーン17は、リンク18を連結して無端状に構成され、駆動ローラ24がリンク18の継ぎ目に回転可能に配設されている。踏み段チェーン17は、一対の上部踏み段スプロケット9と一対の下部踏み段スプロケット10とに巻き掛けられている。これにより、一対の踏み段チェーン17が、水平方向(幅方向)に所定距離離れた2つの鉛直面内に相対して、かつ同期して循環走行可能に配設されている。そして、踏み段ユニット3は、それぞれ、駆動軸23の両端を幅方向に相対する駆動ローラ24に連結されて、無端状に連結される。
【0015】
また、主枠2には、駆動ローラ24を案内する駆動ローラ案内レール26と、従動ローラ25を案内する従動ローラ案内レール27とが、一対の上部踏み段スプロケット9から一対の下部踏み段スプロケット10に至るように延設されている。そして、駆動ローラ24が駆動ローラ案内レール26に案内され、従動ローラ25が従動ローラ案内レール27に案内されて、踏み段ユニット3が循環走行可能となっている。
【0016】
踏み段ガイド装置としてのガイド体30は、円筒状のボス部31と、ボス部31に同軸に配置され、一端面を摺接面とする円形のリング状のガイド部32と、ボス部31とガイド部32とを連結一体化する連結部としてのディスク33と、を備えている。このガイド体30は、各踏み段ユニット3において、ボス部31を駆動軸23の両端側に外嵌状態に装着され、ガイド部32の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するように位置調整され、ボス部31に形成された雌ねじ部31aに螺着された固定ボルト34により駆動軸23を緊締し、駆動ローラ24の内側に配設されている。なお、雌ねじ部31aおよび固定ボルト34が第1締着手段を構成する。
【0017】
このように構成されたマンコンベア1では、駆動モータ8の回転トルクが駆動チェーン11を介して駆動スプロケット12に伝達され、駆動スプロケット12とともに回転軸に固着された一対の上部踏み段スプロケット9および移動手摺り駆動スプロケット14が回転駆動される。そして、一対の上部踏み段スプロケット9の回転により一対の踏み段チェーン17が同期して循環走行され、駆動ローラ24が駆動ローラ案内レール26に案内され、従動ローラ25が従動ローラ案内レール27に案内されて、踏み段ユニット3が循環走行される。また、移動手摺り駆動スプロケット14の回転トルクが移動手摺り駆動チェーン13を介して移動手摺り中間スプロケット15に伝達され、移動手摺り駆動装置16が駆動され、移動手摺り5が踏み段ユニット3に同期して循環走行する。
【0018】
ここで、踏み段ユニット3を幅方向一側に変位させる力が作用すると、踏み段ユニット3が幅方向一側に僅かに移動し、駆動軸23の軸方向一側に装着されているガイド体30のガイド部32の摺接面が駆動ローラ案内レール26の内側側面に摺接し、それ以上の踏み段ユニット3の幅方向一側の移動が阻止される。
【0019】
また、保守点検時には、フレーム20に対する駆動軸23の固定を解除し、連続する複数の踏み段を取り外し、マンコンベア1を運転させて、保守点検作業を実施する。このとき、踏み段が取り外された領域では、駆動軸23は駆動ローラ24に連結されて残っているので、一部の踏み段を取り外した状態で運転しても、踏み段を取り外した領域における駆動ローラ24の幅方向の移動は規制される。
【0020】
この実施の形態1では、ガイド体30がガイド部32の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するように駆動軸23に取り付けられている。そこで、踏み段ユニット3に幅方向に変位させる力が作用し、踏み段ユニット3が幅方向に僅かに移動すると、ガイド部32の摺接面が駆動ローラ案内レール26の内側側面に接し、それ以上の踏み段ユニット3の幅方向の移動が阻止される。このように、踏み段ユニット3の幅方向の移動が規制されるので、安定した走行が可能となるマンコンベア1を実現できる。
【0021】
また、ガイド体30が駆動軸23に締着固定されるようになっているので、駆動ローラ案内レール26の芯出し状況に応じて、ガイド体30の取付位置を適正な位置に調整できる。
さらに、一部の踏み段を取り外した状態で運転しても、踏み段を取り外した領域における駆動ローラ24の幅方向の移動が規制されるので、踏み段チェーン17の安定した走行が行われ、保守点検の作業効率が高められる。
【0022】
つぎに、本ガイド体30を用いた既設のマンコンベアの保守点検時の運転方法について説明する。なお、既設のマンコンベアは、例えば、特許文献1に記載の踏み段装置を備えているものとする。
【0023】
従来のマンコンベアの保守点検時において、まず、連続する複数の踏み段を取り外す。ついで、踏み段が取り外された駆動軸23のそれぞれに対し、ボス部31を駆動軸23の両端側に外嵌状態に装着し、ガイド部32の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するように位置調整し、ボス部31に形成された雌ねじ部31aに螺着された固定ボルト34により駆動軸23を緊締し、ガイド体30を取り付ける。ついで、マンコンベアを運転し、保守点検を行う。
【0024】
このように、踏み段が取り外された領域における駆動ローラ24の幅方向の移動が規制されるので、踏み段を取り外した領域の前後の踏み段におけるガイドシューとスカートガードパネルとの接触部に発生する摩擦力の増大が抑えられ、安定した走行が行われる。したがって、既設のマンコンベアにおいても、本ガイド体30を用いることで、保守点検の作業効率を向上させることができる。
【0025】
この実施の形態1において、図示していないが、ボス部31と駆動軸23との間の隙間を塞ぐように、閉塞部材としてのパッキンをボス部31と駆動軸23との間に介装させてもよい。この場合、踏み段チェーン17に塗布された機械油が駆動軸23を伝わってフレーム20側に漏れ出ることがパッキンにより阻止され、踏み段ユニット3が油で汚れるような事態が回避される。
【0026】
また、実施の形態1において、図示していないが、ガイド部32の摺接面に、ガイド部32より摩擦係数の小さい低摩擦材、例えばテフロン(登録商標)を装着してもよい。これにより、ガイド部32と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に発生する摩擦力が低減されるので、踏み段チェーン17のより安定した走行が行われる。
【0027】
なお、上記実施の形態1では、ガイド部32の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するようにガイド体30を駆動軸23に取り付けるものとしているが、ガイド部32の摺接面を駆動ローラ案内レール26の内側側面に接するようにガイド体30を駆動軸23に取り付けてもよい。
また、上記実施の形態1では、ディスク33によりガイド部32をボス部31に連結するものとしているが、連結部としてスポークを用いてガイド部32をボス部31に連結してもよい。
【0028】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の取付状態を説明する要部断面図である。
【0029】
図6において、ガイド体30は、ガイド部33の摺接面と駆動ローラ案内レール26の外側側面との間に微小な隙間を有するように、駆動ローラ24からの駆動軸23の延出部に装着されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0030】
この実施の形態2においても、ガイド体30がガイド部32の摺接面と駆動ローラ案内レール26の外側側面との間に微小な隙間を有するように駆動軸23に取り付けられている。そこで、踏み段ユニット3に幅方向に変位させる力が作用し、踏み段ユニット3が幅方向に僅かに移動すると、ガイド部32の摺接面が駆動ローラ案内レール26の外側側面に接し、それ以上の踏み段ユニット3の幅方向の移動が阻止される。したがって、踏み段ユニット3の幅方向の移動が規制されるので、安定した走行が可能となるマンコンベア1を実現できる。
【0031】
また、ガイド体30が駆動軸23に締着固定されるようになっているので、駆動ローラ案内レール26の芯出し状況に応じて、ガイド体30の取付位置を適正な位置に調整できる。
さらに、一部の踏み段を取り外した状態で運転しても、踏み段を取り外した領域における駆動ローラ24の幅方向の移動が規制されるので、安定した走行が行われ、保守点検の作業効率が高められる。
【0032】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係るマンコンベアにおける踏み段ガイド装置の構成を説明する図であり、図7の(a)は側面図、図7の(b)は正面図、図7の(c)は背面図である。
【0033】
図7において、ガイド体40は、軸心を含む平面で2分割された第1ガイド体41と第2ガイド体42とを備える。第1ガイド体41および第2ガイド体42は、それぞれ半円筒状のボス部43と、ボス部43に同軸に配置され、一端面を摺接面とする半円形の半リング状のガイド部44と、ボス部43とガイド部44とを連結一体化する連結部として半円板状のディスク45と、ディスク45の他面に突設されたフランジ部46と、を備えている。さらに、雌ねじ部47がボス部43に形成され、貫通穴49がフランジ部46に形成されている。
【0034】
ここで、ガイド体40を駆動軸23に取り付けるには、まず、ボス部43内に駆動軸23を収納し、かつフランジ部46同士を向き合わせるように第1ガイド体41と第2ガイド体42とを突き合わせる。ついで、固定ボルト50を貫通穴49に通し、固定ボルト50とナット51によりフランジ部46同士を緊締し、第1ガイド体41と第2ガイド体42とを一体化する。ついで、リング状に連結されたガイド部44の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するように位置決めし、雌ねじ部47に螺着した固定ボルト48によりボス部43を駆動軸23に緊締する。これにより、ガイド体40が駆動軸23に装着される。なお、雌ねじ部47および固定ボルト48が第1締着手段を構成し、固定ボルト50およびナット51が第2締着手段を構成する。
【0035】
この実施の形態3においても、ガイド体40がガイド部44の摺接面と駆動ローラ案内レール26の内側側面との間に微小な隙間を有するように駆動軸23に締着固定されるようになっているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0036】
この実施の形態3によれば、ガイド体40が第1ガイド体41と第2ガイド体42とに分割構成されているので、駆動ローラ24が装着された状態で駆動軸23にガイド体40を簡易に装着できる。そこで、既設のマンコンベアにおいて、踏み段を取り外した後、駆動ローラ24が装着された駆動軸23にガイド体40を簡易に装着できる。そこで、既設のマンコンベアにおいても、保守点検時に、踏み段が取り外された駆動軸23にガイド体40を装着することで、既設のマンコンベアを安定して運転でき、保守点検の作業効率が向上される。
【0037】
なお、上記各実施の形態では、エスカレータに適用するものとして説明しているが、本発明は、エスカレータ以外のマンコンベア、例えば動く歩道に適用しても、同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、ガイド部が円形のリング状に形成されているものとしているが、ガイド部は必ずしも円形に限定されず、ガイド体の回転位置に拘らず、摺接面が駆動ローラ案内レールの側面に常に摺接できれば、多角形のリング状でもよい。
【0038】
また、上記各実施の形態では、ボス部に形成された雌ねじ部と固定ボルトにより第1締着手段を構成しているが、第1締着手段は、ボス部を駆動軸に締着固定できればよく、この構成に限定されない。
また、上記実施の形態2では、固定ボルトとナットにより第2締着手段を構成しているが、第2締着手段は、第1ガイド体と第2ガイド体のフランジ部同士を締着固定できればよく、この構成に限定されない。
【符号の説明】
【0039】
3 踏み段ユニット、17 踏み段チェーン、18 リンク、24 駆動ローラ、26 駆動ローラ案内レール、20 フレーム、21 踏み板、22 ライザ、23 駆動軸、30 ガイド体(踏み段ガイド装置)、31 ボス部、31a 雌ねじ部(第1締着手段)、32 ガイド部、33 ディスク(連結部)、34 固定ボルト(第1締着手段)、40 ガイド体(踏み段ガイド装置)、41 第1ガイド体、42 第2ガイド体、43 ボス部、44 ガイド部、45 ディスク(連結部)、46 フランジ部、47 雌ねじ部(第1締着手段)、48 固定ボルト(第1締着手段)、50 固定ボルト(第2締着手段)、51 ナット(第2締着手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、リンクを連結して無端状に構成され、かつ駆動ローラが該リンクの継ぎ目のそれぞれに回転可能に配設されており、水平方向に所定距離離れた2つの沿直面内に相対して配設されて、同期して循環走行する一対の踏み段チェーンと、
それぞれ、上記一対の踏み段チェーンの循環走行方向に沿って延設され、該一対の踏み段チェーンの循環走行にともない、上記駆動ローラが走行する一対の駆動ローラ案内レールと、
それぞれ、踏み板およびライザがフレームに固定されて構成される踏み段、および該フレームに着脱可能に取付けられた駆動軸を備え、該駆動軸の両端を上記一対の踏み段チェーンの相対する上記駆動ローラに連結されて無端状に連結され、上記一対の踏み段チェーンの循環走行に連動して循環走行する踏み段ユニットと、を備えたマンコンベアの踏み段ガイド装置であって、
上記駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着されるボス部と、
上記ボス部を上記駆動軸に締着固定する第1締着手段と、
上記ボス部と同軸に配置され、一端面を摺接面とするリング状のガイド部と、
上記ボス部と上記ガイド部とを連結一体化する連結部と、を備え、
上記駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着された上記ボス部を上記第1締着手段により該駆動軸に締着固定して装着され、上記踏み段チェーンの循環走行時に、上記ガイド部の摺接面が上記駆動ローラ案内レールの側面に摺接して上記駆動ローラの走行をガイドすることを特徴とするマンコンベアの踏み段ガイド装置。
【請求項2】
上記連結部により連結一体化された上記ボス部および上記ガイド部は、該ボス部の軸心を含む平面で第1ガイド体と第2ガイド体とに分割構成され、
上記第1ガイド体と上記第2ガイド体とを締着一体化する第2締着手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のマンコンベアの踏み段ガイド装置。
【請求項3】
上記駆動軸の端部に外嵌状態に嵌着された上記ボス部と該駆動軸との間の隙間を塞ぐ閉塞部材を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマンコンベアの踏み段ガイド装置。
【請求項4】
それぞれ、リンクを連結して無端状に構成され、かつ駆動ローラが該リンクの継ぎ目のそれぞれに回転可能に配設されており、水平方向に所定距離離れた2つの沿直面内に相対して配設されて、同期して循環走行する一対の踏み段チェーンと、
それぞれ、上記一対の踏み段チェーンの循環走行方向に沿って延設され、該一対の踏み段チェーンの循環走行にともない、上記駆動ローラが走行する一対の駆動ローラ案内レールと、
それぞれ、踏み板およびライザがフレームに固定されて構成される踏み段、および該フレームに着脱可能に取付けられた駆動軸を備え、該駆動軸の両端を上記一対の踏み段チェーンの相対する上記駆動ローラに連結されて無端状に連結され、上記一対の踏み段チェーンの循環走行に連動して循環走行する踏み段ユニットと、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の踏み段ガイド装置と、を備え、
上記踏み段ガイド装置は、それぞれの上記駆動軸の両端に、上記ガイド部の摺接面が互いに向き合うように、又は上記ガイド部の摺接面が該駆動軸の軸方向の外方を向くように、かつ該ガイド部の摺接面が上記駆動ローラ案内レールの側面に接し、又は微小の隙間を有するように取り付けられていることを特徴とするマンコンベア。
【請求項5】
それぞれ、リンクを連結して無端状に構成され、かつ駆動ローラが該リンクの継ぎ目のそれぞれに回転可能に配設されており、水平方向に所定距離離れた2つの沿直面内に相対して配設されて、同期して循環走行する一対の踏み段チェーンと、
それぞれ、上記一対の踏み段チェーンの循環走行方向に沿って延設され、該一対の踏み段チェーンの循環走行にともない、上記駆動ローラが走行する一対の駆動ローラ案内レールと、
それぞれ、踏み板およびライザがフレームに固定されて構成される踏み段、および該フレームに着脱可能に取付けられた駆動軸を備え、該駆動軸の両端を上記一対の踏み段チェーンの相対する上記駆動ローラに連結されて無端状に連結され、上記一対の踏み段チェーンの循環走行に連動して循環走行する踏み段ユニットと、を備えたマンコンベアの保守点検時の運転方法であって、
循環走行方向に連続する複数の上記踏み段ユニットにおいて、上記駆動軸の固定を解除して上記踏み段を取り外した後、マンコンベアを運転するに先立って、
上記踏み段が取り外されたそれぞれの上記駆動軸の両端に、上記ガイド部の摺接面が互いに向き合うように、又は上記ガイド部の摺接面が該駆動軸の軸方向の外方を向くように、かつ該ガイド部の摺接面が上記駆動ローラ案内レールの側面に接し、又は微小の隙間を有するように請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の踏み段ガイド装置を取り付ける工程を有することを特徴とするマンコンベアの保守点検時の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−10603(P2013−10603A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144250(P2011−144250)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】