説明

マンホールポンプ場のスカム抑制装置及びスカム抑制方法

【課題】マンホールポンプ場の水槽内における油性スカムの形成を長期にわたって安価に抑制する。
【解決手段】界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤38と、該油性スカム分散剤を収納する収納容器40とを備えてなり、マンホールポンプ場10の水槽12内に設置されて、下水表面での油性スカムの形成を抑制するスカム抑制装置36である。収納容器40の底部40Aにはスリット54が設けられ、ポンプ起動水位HWで該底部40Aが下水に浸かる位置に設置され、これにより、油性スカム分散剤38がポンプ起動水位HWにおいて下水に浸かるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道の経路途中に設けられたマンホールポンプ場に適用されるスカム抑制装置及びスカム抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下水道においては、その経路途中に中継用としてマンホールポンプ場が設けられることがある。マンホールポンプ場は、例えば、高低差によって下水を流すことができない場所などにおいて、上流側の管路(流入管)から流入する下水を一時的に水槽内に貯め、水量が所定量(ポンプ起動水位)に達したことを水位計等で検出することにより、水槽内に設置した水中ポンプを駆動して揚水し、下流側の管路に下水を送る設備である。
【0003】
上記水中ポンプは、水槽内の下水量が減り、所定のポンプ停止水位になると運転を停止する。そのため、マンホールポンプ場内の水槽には、一部の下水が滞留することになるので、下水表面に油性スカムが発生しやすいという問題がある。油性スカムは、オイルボールや白色固形物とも称される油脂を主成分とする浮遊物であり、油性スカムが発生すると、水位計などに付着することにより誤作動を起こしたり、水槽の内壁に油性スカムが付着して不衛生な状態となり、またこれを除去するための清掃作業も煩雑となる。
【0004】
このようなスカムの形成を抑制するために、種々の提案がなされている(下記特許文献1,2参照)。例えば、下記特許文献1では、マンホールポンプ場の水槽内に攪拌装置を設けて、下水を攪拌することによりスカム成分を水中に懸濁状態に混和させて、スカムの形成を抑制している。しかしながら、攪拌装置を設けることはマンホールポンプ場の設備コスト増大につながり、特に既存のマンホールポンプ場に攪拌装置を増設することは現実的に困難である。
【0005】
一方、油性スカムを分散処理する分散剤として、界面活性剤を用いることが知られている(下記特許文献3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−034978号公報
【特許文献2】特開2002−115313号公報
【特許文献3】特開2003−211189号公報
【特許文献4】特開2003−211191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような油性スカムの分散剤をマンホールポンプ場に適用する場合、分散剤の注入量を制御しながら所定時間毎に水槽内に注入する方法が考えられるが、このような注入装置を設けることはマンホールポンプ場の設備コスト増大につながる。一方、固形状の分散剤を水槽内にそのまま投入したのでは、下水中での溶解が速く、スカム形成抑制効果を長期間持続させることはできない。そのため、メンテナンス者が頻繁に分散剤を交換する必要が生じ、維持管理コストが増大してしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、マンホールポンプ場の水槽内における油性スカムの形成を長期にわたって安価に抑制することができるスカム抑制装置及びスカム抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るマンホールポンプ場のスカム抑制装置は、マンホールポンプ場の水槽内に設置されて、前記水槽内の下水表面での油性スカムの形成を抑制する装置であって、界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤と、前記油性スカム分散剤を収納する収納容器であって、底部に水が流通可能な穴を備え、ポンプ起動水位で前記底部が下水に浸かる位置に設置されることで、前記油性スカム分散剤が前記ポンプ起動水位において下水に浸かるよう当該油性スカム分散剤を収納する収納容器と、を備えたものである。
【0010】
また、本発明に係るマンホールポンプ場のスカム抑制方法は、マンホールポンプ場の水槽内における下水表面での油性スカムの形成を抑制する方法であって、底部に水が流通可能な穴を備えた収納容器に、界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤を収納し、前記油性スカム分散剤がポンプ起動水位において下水に浸かるように、前記収納容器を前記ポンプ起動水位で前記底部が下水に浸かる位置に設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、油性スカムの形成を抑制する薬剤として固形状の油性スカム分散剤を用いて、該油性スカム分散剤がポンプ起動水位において下水に浸かるように水槽内に設置される。従って、油性スカム分散剤は、常時下水に浸かるのではなく、最高水位付近で下水に浸かり、かつ、収納容器の底部側に位置する分散剤の一部が下水に浸かるようになっているので、油性スカム分散剤の過剰な溶解を防いで、分散剤成分を徐々に溶出させることができる。そのため、水槽内における油性スカムの形成を長期にわたって安価に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るマンホールポンプ場の縦断面図である。
【図2】該マンホールポンプ場の平面断面図である。
【図3】該マンホールポンプ場の要部拡大断面図である。
【図4】該マンホールポンプ場のスカム処理装置の分解正面図である。
【図5】該スカム処理装置の底面図である。
【図6】該スカム処理装置の使用途中における要部拡大断面図である。
【図7】変更例に係るスカム抑制装置の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、実施形態にかかるマンホールポンプ場10は、地中に埋設されたマンホール本体としての水槽12内に、下水を揚水するための水中ポンプ14を設置してなる。なお、符号11は、マンホール蓋を示している。
【0015】
水槽12は、上流側の下水管路である流入管16から流入する下水を貯留する槽であり、高さ方向の中央部における側壁に該流入管16が接続されている。水槽12内には、流入管16から流入する下水の飛散を防止する金属板からなる流入バッフル18が、流入管16からの流入口16Aを覆うように設けられている。
【0016】
流入バッフル18は、図1,2に示すように、水槽12の壁面に取り付けられており、水槽12の壁面に沿って上下方向に延びる流入経路20を、水槽12の主たる貯水部12Aとの間で区画形成している。流入バッフル18の下端は、下水の最低水位、即ちポンプ停止水位LWよりも下方まで延びている。
【0017】
水中ポンプ14は、水槽12の底部に2台設置されており、適宜に切替運転できるように構成されている。水中ポンプ14の吐出側には、吐出管22が接続され、各吐出管22は、逆止弁24、止水弁(ボール弁)26を介して圧送管28に接続されており、外部(即ち、下流側の管路)に排水できるように構成されている。
【0018】
なお、符号30は、水中ポンプ14を昇降させる金属製パイプからなるガイド部材を示し、図1ではその上部のみを示している。
【0019】
水槽12内には、下水の水位を検出する水位計32が設けられている。水位計32としては、水槽12に貯留された下水の水位を検出できるものであれば、特に限定されず、例えば、水圧に基づいて水位を検出する圧力式水位計や、気泡式水位計の他、フロート式の水位計を用いることもできる。なお、符号34は、バックアップ用のフロートスイッチを示す。
【0020】
上記水中ポンプ14、水位計32及びフロートスイッチ32は、不図示の制御部に接続されており、次のように制御される。
【0021】
一般家庭等からの排水(下水)が流入管16を通ってマンホールポンプ場10の水槽12内に貯められる。水槽12内の下水の水位が上昇して、予め設定されたポンプ起動水位HWに達すると、水位計32がこれを検出して、不図示の制御部により水中ポンプ14を起動させる。これにより、水槽12内の下水の揚水が行われ、圧送管28を介して外部に排水される。この排水により水槽12内の水位が徐々に低下して、予め設定されたポンプ停止水位LWに達すると、水位計32がこれを検知して、制御部により水中ポンプ14の運転を停止させる。このような運転動作を繰り返すことにより、マンホールポンプ場10は、上流側の管路から流入する下水を下流側の管路に対して間欠的に送るようになっている。なお、水槽12の容積及びマンホールポンプ場10の設置位置、更には時間帯などによるが、通常、水中ポンプ14は10〜20分間に1回程度作動する。
【0022】
ここで、ポンプ起動水位HWは、流入管16の流入口16Aの高さよりも低い位置に設定されており、ポンプ停止水位LWは、水中ポンプ14の吸い込み口が下水に浸かった状態を維持できる高さに設定されている。
【0023】
以上のようなマンホールポンプ場10において、水槽12内の下水表面での油性スカムの形成を抑制するために、本実施形態では、下記のスカム抑制装置36が水槽12内に設置されている。
【0024】
スカム抑制装置36は、図3〜5に示すように、界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤38と、該油性スカム分散剤38を収納する収納容器40とを備えてなる。
【0025】
油性スカム分散剤38の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、図4,5に示されるように柱状、より詳細には円柱状に形成されている。
【0026】
油性スカム分散剤38を構成する界面活性剤としては、油性スカム成分を分散させて、固形状の油性スカムの発生や成長を低減ないし抑えることができるものであれば、特に限定されない。界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステルなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールなどの非イオン界面活性剤を用いることができ、また、例えば、石鹸のようなカルボン酸系のアニオン性界面活性剤や、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)等のスルホン酸系のアニオン性界面活性剤を用いることもできる。油性スカム分散剤38は、界面活性剤を主成分として含む固形状(塊状)のものであれば、界面活性剤とともにアルカリ剤や保型剤などの他の成分を含むものであってもよい。
【0027】
収納容器40は、図3〜5に示すように円筒状をなし、その内部に油性スカム分散剤38を収容可能な樹脂部材である。詳細には、筒状本体42と、該筒状本体42の下端開口を塞ぐ下部側キャップ44と、該筒状本体42の上端開口を塞ぐ上部側キャップ46とからなる。下部側キャップ44は、筒状本体42に対して固定されており、一方、上部側キャップ46は、油性スカム分散剤38を収納容器40内にセットできるように取り外し可能に設けられている。
【0028】
上部側キャップ46の天井面には、収納容器40を水槽12内に吊り下げるために、頭部にリングを持つアイボルト48が取り付けられている。また、上部側キャップ46の内周面には、径方向に相対する2箇所に一対の係合ピン50が内向きに突設されている。
【0029】
一方、筒状本体42の上端開口部には、上記係合ピン50と係合する係合溝52が径方向に相対する2箇所に設けられている。係合溝52は、筒状本体42の上端から下方に延びる第1溝部52Aと、第1溝部52Aの下端から周方向に延びる第2溝部52Bと、第2溝部52Bの先端から上方に延びる第3溝部52Cからなる略J字状をなし、径方向に相対する2箇所で互いに対称形状に形成されている。
【0030】
上部側キャップ44を筒状本体42に取り付けるときには、係合ピン50を第1溝部52Aから第2溝部52Bを経て第3溝部52Cに導き入れるように、上部側キャップ44を筒状本体42に被せて少し捻ればよい。
【0031】
収納容器40の底部40Aには、水が流通可能な貫通穴54が設けられている。この例では、図4,5に示すように、収納容器40は、底面40Bの中央部に油性スカム分散剤38の下面を支持する中央支持部56を有するとともに、上記流通可能な穴54として、中央支持部56の周りに底面40Bから収納容器40の側面40C下端部にかけて放射状に延びる複数のスリット54を備える。詳細には、スリット54は、図5に示すように、下部側キャップ44の底面において、中央部(中央支持部56)を除いて等間隔に8個が放射状に設けられており、そこから下部側キャップ44の側面に立ち上がるように形成され、これに重なる筒状本体42の側面下端部にも同様のスリットが設けられている。
【0032】
上記スカム抑制装置36は、図1に示すように、ポンプ起動水位HWで収納容器40の底部40Aが下水に浸かる位置に設置されており、これにより、その内部の油性スカム分散剤38がポンプ起動水位HWにおいて下水に浸かるようになっている。すなわち、収納容器40は、ポンプ停止水位LWを含む通常の水位では下水に浸かっておらず、最高水位であるポンプ起動水位HWに近づいたときに底部40Aが下水に浸かるように設置されている。
【0033】
詳細には、収納容器40は、図3に示すように、その天井部のアイボルト48に吊り下げ部材としてのワイヤ58を取り付けることにより、該ワイヤ58によって水槽12内に吊り下げられている。
【0034】
本実施形態では、図2,3に示すように、収納容器40は、流入バッフル18における上記流入経路20とは反対側の面18Aに寄せて設置されている。すなわち、収納容器40は、流入バッフル18を挟んで流入経路20とは反対側において、流入バッフル18の側面18Aに近接させて配されている。そのため、流入バッフル18の側面18Aに係止具60を突設し、この係止具60に上記ワイヤ58の上端を引っ掛けることにより収納容器40は吊り下げられている。
【0035】
以上よりなるスカム抑制装置36であると、油性スカム分散剤38は、通常時には下水に浸かっておらず、水位が上昇してポンプ起動水位HWに近づいた段階で下水に浸かり、ポンプ起動水位HWに達して水中ポンプ14が起動して排水されると、また水面よりも高い空気中に吊り下げられた状態となる。
【0036】
ポンプ起動水位HW近傍で油性スカム分散剤38が下水に浸かったときには、界面活性剤が下水中に溶出することにより、油性スカムを分散させることができる。このとき、油性スカム分散剤38は、下水表面、即ち水面近傍のみに浸けられた状態となるが、油性スカムは下水表面に形成されるものであるので、水槽12内で下水の上下方向における流れがほとんどなかったとしても、油性スカムの発生や成長を低減することができる。
【0037】
また、該スカム抑制装置36では、ポンプ起動水位HWにおいて、収納容器40の底部40Aのみが下水に浸かるので、油性スカム分散剤38もその下部のみが下水に浸かった状態となる。このように、油性スカム分散剤38は、常時下水に浸かるのではなく、最高水位付近で下水に浸かり、かつ、浸水時にもその全体が浸かるのではなく一部が浸かるようになっており、下部側から順次に溶けていくので、油性スカム分散剤38の過剰な溶解を防いで、界面活性剤を徐々に溶出させることができる。
【0038】
これにより、例えば1ヶ月という長期間にわたって油性スカム分散剤38を収納容器40内に残存させることができる。すなわち、油性スカム分散剤38が溶解してなくなったときには、収納容器40の上部側キャップ46を開けて、新しい油性スカム分散剤38を補充することになるが、本実施形態によれば、油性スカム分散剤38の補充作業回数を減らしてメンテナンス性を向上することができる。また、このような簡単な装置構成で、油性スカムの形成を抑制することができるので、新規に敷設するマンホールポンプ場はもちろん、既存のマンホールポンプ場に対しても安価にスカム対策を行うことができる。
【0039】
また、収納容器40は、底面40B中央部を中央支持部56として、その周りに放射状に延びるスリット54を備え、かつそのスリット54が収納容器40の側面40Cまで延びて形成されているので、下水中に浸かることによって膨潤し粘性を持ったスカム分散剤38がスリット54を塞ぐという不具合を回避することができる。すなわち、収納容器40の底部に設ける穴としては、底面40Bのみに貫通穴を設けることもできるが、その場合、膨潤したスカム分散剤38により貫通穴が塞がれてしまうことがある。これに対して、側面40Cまで延びるスリット54を設けることにより、膨潤したスカム分散剤38による詰まりを解消することができる。
【0040】
また、本実施形態の放射状のスリット54であると、側面40Cのスリット部分から水が進入することにより、図6に示すように、スカム分散剤38は、その下部がテーパ状に溶け、その先細の先端(下端)が中央支持部56により支持されるようになる。そのため、スリット54を通じた下水の出入りが一層容易になり、油性スカムの形成抑制効果を高めることができる。
【0041】
また、本実施形態のスカム抑制装置36では、収納容器40の上端開口を塞ぐ蓋材としての上部側キャップ46が設けられているので、仮に上方のマンホール蓋11部分から水が落ちてきても、内部のスカム分散剤38に水がかからないようにすることができる。スカム分散剤38に上方から水がかかると、スカム分散剤38が収納容器40の壁面にくっついてしまい、底面40Bまで落ちてこなくなるおそれがあるが、上部側キャップ46を設けることで、このような不具合を解消することができる。
【0042】
また、本実施形態のスカム抑制装置36であると、収納容器40が流入バッフル18の背後に沿わせて設置されているので、次の作用効果が奏される。図3に示すように、流入管16の流入口16Aから流入した下水は、矢印Wで示すように、流入経路20を通って下方に導かれ、水槽12の底部において向きを変えて、流入バッフル18に沿って上方に向かって流れる。そのため、収納容器40の底部40Aが下水に浸かった状態において、スリット54からの下水の進入が促進され、油性スカムの形成抑制効果を高めることができる。
【0043】
なお、上記実施形態においては、図3に示すように、収納容器40の側面40Cにおけるスリット54の高さが、ポンプ起動水位HWよりも低く設定されていたが、図7に示すように、スリット54の高さを、ポンプ起動水位HWよりも高く設定してもよい。このように、スリット54の高さを最高水位よりも高く設定することにより、収納容器40内に油性スカムが入った場合においてその排出性を向上することができる。
【0044】
上記実施形態における収納容器40や油性スカム分散剤38の形状、スリット54の配置・形状等は、あくまで好ましい一例であって、これに限定されるものではない。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…マンホールポンプ場 12…水槽 16…流入管
18…流入バッフル 20…流入経路 36…スカム抑制装置
38…油性スカム分散剤 40…収納容器 54…スリット
56…中央支持部 HW…ポンプ起動水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールポンプ場の水槽内に設置されて、前記水槽内の下水表面での油性スカムの形成を抑制するスカム抑制装置であって、
界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤と、
前記油性スカム分散剤を収納する収納容器であって、底部に水が流通可能な穴を備え、ポンプ起動水位で前記底部が下水に浸かる位置に設置されることで、前記油性スカム分散剤が前記ポンプ起動水位において下水に浸かるよう当該油性スカム分散剤を収納する収納容器と、
を備えたことを特徴とするマンホールポンプ場のスカム抑制装置。
【請求項2】
前記収納容器は、底面の中央部に前記油性スカム分散剤を支持する中央支持部を有するとともに、前記流通可能な穴として、前記中央支持部の周りに前記底面から前記収納容器の側面下端部にかけて放射状に延びる複数のスリットを備えたことを特徴とする請求項1記載のマンホールポンプ場のスカム抑制装置。
【請求項3】
前記マンホールポンプ場は、流入管から流入する下水の飛散を防止して前記水槽の壁面に沿う流入経路を形成する流入バッフルを備え、前記収納容器が前記流入バッフルの前記流入経路とは反対側の面に寄せて設置されることを特徴とする請求項1又は2記載のマンホールポンプ場のスカム抑制装置。
【請求項4】
マンホールポンプ場の水槽内における下水表面での油性スカムの形成を抑制するスカム抑制方法であって、
底部に水が流通可能な穴を備えた収納容器に、界面活性剤からなる固形状の油性スカム分散剤を収納し、前記油性スカム分散剤がポンプ起動水位において下水に浸かるように、前記収納容器を前記ポンプ起動水位で前記底部が下水に浸かる位置に設置することを特徴とするマンホールポンプ場のスカム抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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