説明

ミストサウナ装置

【課題】使用者の好みに応じて高温ミスト運転と低温ミスト運転のいずれかを選択して実行することができるものでありながら、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なミストサウナ装置を提供する。
【解決手段】運転制御手段3が、高温ミスト運転が指令されるに伴って、湯水を加熱手段にて加熱してミストノズル11に供給する高温ミスト運転を実行し、且つ、低温ミスト運転が指令されるに伴って、湯水を加熱しない状態でミストノズル11に供給する低温ミスト運転を実行するように構成され、さらに、低温ミスト運転指令手段にて低温ミスト運転が指令されると、予め設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別し、その運転許可判別条件を満たしていると低温ミスト運転を実行し、運転許可判別条件を満たしていなければ低温ミスト運転を実行しないように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水供給用流路を通して供給される湯水を浴室内にミスト状に噴出するミストノズルと、前記湯水供給用流路の途中に配設されて前記ミストノズルに供給される湯水を加熱する加熱手段と、運転を制御する運転制御手段と、高温ミスト運転を指令する高温ミスト運転指令手段と、低温ミスト運転を指令する低温ミスト運転指令手段とが備えられ、前記運転制御手段が、前記高温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱して前記ミストノズルに供給する高温ミスト運転を実行するように構成され、且つ、前記低温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱しない状態で前記ミストノズルに供給する低温ミスト運転を実行するように構成されているミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるミストサウナ装置は、使用者の好みに応じて、高温ミスト運転及び低温ミスト運転のいずれかを選択して実行することができるようにしたものである。
説明を加えると、この種のミストサウナ装置では、高温ミスト運転を選択して湯水を加熱手段にて加熱して加熱された高温の湯水をミストノズルから噴出させてミストサウナ浴を行うのが一般的であるが、高温ミスト運転を行うときには、浴室の内部は例えば40℃を超えるような高い温度になるものであるから、このような高温ミスト運転を行い身体が充分に温まったのちは、身体のほてりを抑えるために低温ミスト運転を行う場合がある。又、浴槽で温まったりあるいはシャワーを浴びること等により身体が温まったのちにおいても同様に、身体のほてりを抑えるために低温ミスト運転を行う場合がある。さらに、夏期等の外気温度が高いときだけでなく冬期等の外気温度が低いときであっても、屋外で運動を行った後に、身体のほてりを抑えるために使用者が低温ミスト運転を行いたいと希望する場合もある。このように状況によっては使用者が低温ミスト運転を行いたいと希望する場合がある。
【0003】
そして、かかるミストサウナ装置の従来例として、低温ミスト運転を指令する低温ミスト運転指令手段としての手動操作式のスイッチ(COLDスイッチ)が備えられ、使用者がその手動操作式のスイッチを操作して低温ミスト運転が指令されると、運転制御手段が低温ミスト運転を実行するように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−55318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成においては、高温ミスト運転を希望している使用者が、高温ミスト運転を指令すべきところを誤って低温ミスト運転を指令したような場合であっても、低温ミスト運転が実行されて、加熱されていない湯水が浴室内にミスト状に噴出されることになる。その結果、使用者が、高温のミストが噴出されることを期待していたにもかかわらず、ミストノズルから浴室内に低温の湯水がミスト状に噴出されることになる。
【0006】
そして、例えば、冬期等のように外気温度が低く湯水の温度が低いとき等、低温ミスト運転を実行するのに適していないような状況において、使用者が高温ミスト運転を希望しているにもかかわらず、低温ミスト運転が実行されて低温の湯水がミスト状に噴出されると、使用者が特に不快に感じるものであり、この点で改善が望まれるものであった。
【0007】
本発明の目的は、使用者の好みに応じて高温ミスト運転と低温ミスト運転のいずれかを選択して実行することができるものでありながら、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なミストサウナ装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るミストサウナ装置は、湯水供給用流路を通して供給される湯水を浴室内にミスト状に噴出するミストノズルと、前記湯水供給用流路の途中に配設されて前記ミストノズルに供給される湯水を加熱する加熱手段と、運転を制御する運転制御手段と、高温ミスト運転を指令する高温ミスト運転指令手段と、低温ミスト運転を指令する低温ミスト運転指令手段とが備えられ、
前記運転制御手段が、
前記高温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱して前記ミストノズルに供給する高温ミスト運転を実行するように構成され、且つ、前記低温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱しない状態で前記ミストノズルに供給する低温ミスト運転を実行するように構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、予め設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別し、その運転許可判別条件を満たしていると前記低温ミスト運転を実行し、前記運転許可判別条件を満たしていなければ前記低温ミスト運転を実行しないように構成されている点にある。
【0009】
すなわち、高温ミスト運転指令手段にて高温ミスト運転が指令されると、運転制御手段は高温ミスト運転を実行する。
低温ミスト運転指令手段にて低温ミスト運転が指令されると、運転制御手段は、予め設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別することになる。そして、運転許可判別条件を満たしていると判別すると低温ミスト運転を実行するが、運転許可判別条件を満たしていないと判別すると低温ミスト運転を実行しないのである。
【0010】
例えば、運転許可判別条件として、浴室の温度が、加熱されていない湯水が浴室内にミスト状に噴出されても使用者が不快に感じない程度の高い温度になっているような場合には低温ミスト運転を許可するような条件を設定しておくと、浴室の温度が低く低温ミスト運転が行われると使用者が不快に感じるような状況においては、使用者の誤操作等によって低温ミスト運転が指令されることがあっても、運転許可判別条件を満たさないことになり、運転制御手段が低温ミスト運転を実行しないことになる。
【0011】
尚、運転許可判別条件としては、浴室の温度の条件に限らず種々の条件が考えられる。例えば、浴室の温度以外にも、外気温度やミスト状に噴出される湯水の温度等の検出結果に基づいて使用者が不快に感じる状況に相当するものであるか否かを判別するための判別条件を設定するようにしてもよく、又、外気温度が高く低温ミスト運転を実行しても使用者が不快に感じないことが想定される時期であるか否かをカレンダー機能から判別するようにしてもよい。要するに、低温ミスト運転を実行すると使用者が不快に感じる状況であれば、低温ミスト運転が指令されても低温ミスト運転を実行しないような条件が設定されることになる。
【0012】
つまり、使用者は、好みに応じて、高温ミスト運転指令手段及び低温ミスト運転指令手段のうちのいずれかを指令することで、高温ミスト運転及び低温ミスト運転のいずれかを選択して実行することが可能であるが、低温ミスト運転が指令されたときに、運転許可判別条件が満たされていない場合には、低温ミスト運転を実行しないようにして、使用者に不快感を与えるおそれを少なくすることが可能となる。
【0013】
従って、第1特徴構成によれば、使用者の好みに応じて高温ミスト運転と低温ミスト運転のいずれかを選択して実行することができるものでありながら、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、
前記浴室の温度を検出する浴室温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が予め設定されている高温状態判定用の設定温度を上回ると運転を許可する条件として設定されている点にある。
【0015】
すなわち、運転制御手段は、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が予め設定されている高温状態判定用の設定温度を上回ると運転を許可する条件として設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別する。
そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度を上回っていると、運転を許可するので、低温ミスト運転を実行することになる。しかし、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であれば、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0016】
説明を加えると、高温状態判定用の設定温度として、高温ミスト運転において快適に使用することができる浴室の温度(例えば40℃)を設定しておくと、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度を上回る程度の高温の状態になっている場合であれば、高温ミスト運転を行ったのちに低温ミスト運転を行う場合であるから、このような場合には、低温ミスト運転を行うことにより、使用者は良好に身体のほてりを抑えることができるものとなる。
つまり、高温ミスト運転を行ったのちにおいては、使用者の身体は充分に温まっており、噴出される湯水の温度が低めの温度であっても、不快に感じるおそれは少ないからである。
【0017】
従って、第2特徴構成によれば、高温ミスト運転を行ったのちにおいては、低温ミスト運転を実行することにより、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成に加えて、
外気温度を検出する外気温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記外気温度検出手段にて検出される外気温度が予め設定されている判定用外気温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている点にある。
【0019】
すなわち、運転制御手段は、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、外気温度検出手段にて検出される外気温度が予め設定されている判定用外気温度を上回ると、運転を許可する条件として設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別する。
【0020】
そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、外気温度検出手段にて検出される外気温度が判定用外気温度を上回っていると、運転を許可するので低温ミスト運転を実行することになる。しかし、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度以下であるか、又は、外気温度検出手段にて検出される外気温度が判定用外気温度以下であれば、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0021】
説明を加えると、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であるときに低温ミスト運転を実行しないようにすると、低温ミスト運転を実行することにより使用者が不快に感じることを回避することは可能であるが、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であるという条件以外に他の条件は考慮しない構成であれば、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度を超える程度に高くなくても使用者が低温ミスト運転を行いたいと希望するような場合には、低温ミスト運転が行えないものとなり、使い勝手が良くないものになるおそれがある。
【0022】
前記判定用外気温度として、例えば夏期又はそれに近い時期であることを判別できるような温度(例えば、25℃)を設定しておくと、外気温度検出手段にて検出される外気温度が予め設定されている判定用外気温度を上回るような高めの温度であれば、例えば、夏期又はそれに近い時期であり湯水の温度も高めであることが想定でき、低温ミスト運転を実行しても、使用者が不快に感じるおそれは少ないと考えられる。
但し、外気温度検出手段による検出値が判定用外気温度を上回るような高めの温度であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度(例えば、30℃)よりも低い温度であるときは、例えば外気温度が誤検出であるおそれもあり、湯水の温度が低いことも考えられるので、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0023】
そこで、浴室温度度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、外気温度検出手段にて検出される外気温度が判定用外気温度を上回る場合には、低温ミスト運転を許可することによって、低温ミスト運転を実行すると使用者が不快に感じるおそれを少なくしながらも、使い勝手がよいものになる。
【0024】
従って、第3特徴構成によれば、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であっても、低温ミスト運転を実行しても使用者が不快に感じるおそれが少ないと考えられる状況であるときは低温ミスト運転を実行するようにして使い勝手をよいものにすることが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0025】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、
前記湯水供給用流路を通流する湯水の温度を検出する湯水温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記中温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記中温状態判定用浴室温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている点にある。
【0026】
すなわち、運転制御手段は、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用の設定温度以下であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回ると運転を許可する条件として設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別する。
【0027】
そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回っていると、運転を許可するので低温ミスト運転を実行することになる。そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度以下であるか、又は、湯水温度検出手段にて検出される外気温度が判定用湯水温度以下であれば、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0028】
説明を加えると、浴室の温度が中温状態判定用浴室温度以下であるときに、他の条件は考慮しないで低温ミスト運転を実行しないようにすると、例えば、ミストノズルから噴出される湯水の温度がミスト状態で使用者が浴びても不快に感じない程度の温度であるときであっても、低温ミスト運転を実行しないようにすると、使い勝手が良くないものになるおそれがある。
【0029】
つまり、前記判定用湯水温度として、例えば、春期や秋期等の季節の中間期に対応するような温度(例えば15℃)を設定しておくと、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回るような高めの温度であれば、例えば、春期や秋期等の中間期よりも高温側の期間であり湯水の温度も高めであることが想定でき、低温ミスト運転を実行しても、使用者が不快に感じるおそれは少ないと考えられる。
但し、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回るような高めの温度であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度(例えば15℃)よりも低い温度であるときは、例えば湯水の温度が誤検出であるおそれもあり、実際の湯水の温度が低いことも考えられるので、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0030】
そこで、浴室温度度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回る場合には、低温ミスト運転を許可することによって、使用者が不快に感じるおそれを少なくしながらも、使い勝手をよいものにできる。
【0031】
従って、第4特徴構成によれば、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が中温状態判定用の設定温度以下であっても、低温ミスト運転を実行しても使用者が不快に感じるおそれが少ないと考えられる条件のときは低温ミスト運転を実行するようにして、使い勝手をよくすることが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0032】
本発明の第5特徴構成は、第2特徴構成に加えて、
前記湯水供給用流路を通流する湯水の温度を検出する湯水温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている点にある。
【0033】
すなわち、運転制御手段は、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別する。
【0034】
そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回っていると、運転を許可するので低温ミスト運転を実行することになる。そして、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度以下であるか、又は、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度以下であれば、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0035】
説明を加えると、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であるときに低温ミスト運転を実行しないようにすると、低温ミスト運転を実行することにより使用者が不快に感じることを回避することは可能であるが、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であるという条件以外に他の条件は考慮しない構成であれば、使用者が低温ミスト運転を行いたいと希望するような場合には、低温ミスト運転が行えないものとなり、使い勝手が良くないものになるおそれがある。
【0036】
つまり、前記判定用湯水温度として、例えば、春期や秋期等の季節の中間期に対応するような温度(例えば15℃)を設定しておくと、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回るような高めの温度であれば、例えば、春期や秋期等の中間期よりも高温側の期間であり湯水の温度も高めであることが想定でき、低温ミスト運転を実行しても、使用者が不快に感じるおそれは少ないと考えられる。
但し、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回るような高めの温度であっても、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度(例えば15℃)よりも低い温度であるときは、例えば湯水の温度が誤検出であるおそれもあり、実際の湯水の温度が低いことも考えられるので、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0037】
そこで、浴室温度度検出手段にて検出される浴室の温度が低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度を上回る場合には、低温ミスト運転を許可することによって、使用者が不快に感じるおそれを少なくしながらも、使い勝手をよいものにできる。
【0038】
従って、第5特徴構成によれば、浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が高温状態判定用の設定温度以下であっても、低温ミスト運転を実行しても使用者が不快に感じるおそれが少ないと考えられる条件のときは低温ミスト運転を実行するようにして、使い勝手をよくすることが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0039】
本発明の第6特徴構成は、第4特徴構成又は第5特徴構成に加えて、
前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記ミストノズルに供給せずに外部に排出する排水手段が備えられ、
前記湯水温度検出手段が、前記湯水供給用流路における前記排水手段にて湯水を排出するときに湯水が通流する通路部分に配設され、
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱しない状態で外部に排出するように前記排水手段を作動させる排水処理を実行するように構成され、且つ、その排出処理を実行している状態において前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度を前記運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定する湯水温度検出処理を実行するように構成されている点にある。
【0040】
すなわち、運転制御手段は、湯水供給用流路を通して供給される湯水を加熱手段にて加熱しない状態で外部に排出するように排水手段を作動させる排出処理を実行する。このとき湯水はミストノズルに供給されずにそのまま外部に排出されることになるからミストノズルから噴出されることはない。そして、排出処理を実行している状態において湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度を運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定するのである。
【0041】
説明を加えると、例えば、低温ミスト運転が指令される前に、少しの間だけ高温ミスト運転を実行して加熱手段による湯水の加熱が行われていたような場合であれば、その高温ミスト運転を停止したのちにも加熱手段の余熱により、湯水供給用流路における加熱手段の内部に位置する通路部分及びその近傍に貯留している湯水は加熱され、湯水の温度が外気温度に対応する温度よりも高い温度になっている場合がある。又、湯水の給水路の途中の配管が何らかの理由により温められて湯水の温度が外気温度に対応する温度よりも高い温度になっている場合もある。
【0042】
このように種々の理由により湯水の温度が外気温度に対応する温度よりも高い温度になっていると、低温ミスト運転が指令されたときに、湯水温度検出手段にて湯水の温度を検出する場合、加熱されていない状態の湯水の温度、言い換えると外気温度に対応した湯水の温度は判定用湯水温度以下であるような状況であっても、湯水温度検出手段が加熱手段の熱等により加熱されて判定用湯水温度を超えている湯水の温度を検出して、運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定すると、実際には低温ミスト運転を実行するのに適していないような状況であるにもかかわらず、運転制御手段が運転許可判別条件を満たしていると誤判別するおそれがある。
【0043】
そこで、排水処理を実行して加熱手段により加熱されているおそれがある湯水供給用流路内部の湯水を排出させ、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度を運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定することによって、外気温度に対応した湯水の温度に基づいて運転許可判別条件を満たしているか否かを適正に判別することができるのである。
【0044】
つまり、排水処理を実行することにより、種々の理由により湯水の温度が外気温度に対応する温度よりも高い温度になっているおそれがある湯水供給用流路内部の湯水が湯水温度検出手段の配設箇所を通過すると、湯水の温度が大きく変動することになるが、湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、温度が上昇しているおそれがある湯水供給用流路内部の湯水は排出され、外気温度に対応した温度の湯水が通流していると考えることができるのである。
【0045】
従って、第6特徴構成によれば、外気温度に対応した湯水の温度に基づいて運転許可判別条件を満たしているか否かを適正に判別することができ、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なミストサウナ装置を提供できるに至った。
【0046】
本発明の第7特徴構成は、第1特徴構成〜第6特徴構成のいずれかに加えて、
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されたときに、前記運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合には、前記低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を報知手段にて報知する確認処理を実行するように構成され、且つ、前記確認処理を実行したのちに、前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、前記低温ミスト運転を実行するように構成されている点にある。
【0047】
すなわち、運転制御手段は、運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合には、低温ミスト運転を実行しないのであるが、そのとき、低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を報知手段にて報知する確認処理を実行する。例えば、「低温ミスト運転を実行しますか?実行するときは、もう一度、低温ミストスイッチを押してください」というような確認情報を報知することで、使用者に低温ミスト運転を実行するか否かについての確認を行うのである。そして、前記確認処理を実行したのちに、低温ミスト運転指令手段にて低温ミスト運転が指令されると、低温ミスト運転を実行するのである。
【0048】
つまり、高温ミスト運転を希望している使用者が、高温ミスト運転を指令すべきところを誤って低温ミスト運転を指令したような場合であれば、上記したような確認用情報により誤操作してことを認識できるので、誤って低温ミスト運転を実行することが防止できる。
【0049】
一方、例えば、冬期等の外気温度が低い場合であるが、屋外で運動を行った後に身体のほてりを抑えるために低温ミスト運転を行いたいと希望するような場合等、使用者が低温ミスト運転を実行するのに適していない状況であっても低温ミスト運転を希望するような場合には、確認処理にて使用者がそのことを確認したのちに、低温ミスト運転指令手段にて低温ミスト運転を指令することにより、低温ミスト運転を実行することができる。
このように、使用者の希望を優先して、運転許可判別条件を満たしていなくても低温ミスト運転を実行することができるのである。
【0050】
従って、第7特徴構成によれば、使用者が不快に感じるおそれの少ない状態で使用することが可能なものでありながら、使用者が希望するときは運転許可判別条件を満たしていなくても低温ミスト運転を実行することが可能であり、使い勝手のよいミストサウナ装置を提供できるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】浴室暖房乾燥機の概略構成図
【図2】浴室への設置状態を示す斜視図
【図3】浴室リモコンの正面図
【図4】制御フローチャート
【図5】制御フローチャート
【図6】制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面に基づいて、本発明に係るミストサウナ装置をミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機に適用した場合の実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機は、装置本体1と、熱媒を循環供給する熱源機2と、運転を制御する運転制御手段としての運転制御部3と、浴室4内に備えられて運転制御部3に各種制御指令を指令する浴室リモコンR1と、脱衣室に備えられて運転制御部3に各種制御指令を指令する脱衣室リモコンR2とを備えて構成されている。
【0053】
次に、装置本体1について説明する。
図2に示すように、装置本体1は、天井裏に配置してあり、吊り金具5にて天井スラブ等に吊り支持してあり、その下面を浴室4の天井板6の開口に臨ませる状態で取り付けられている。そして、図1に示すように、装置本体1は、浴室4内の空気を循環通風するための循環ファン7、その循環ファン7にて通風される空気を加熱する空調用熱交換器8、浴室4を換気するための換気ファン9、給水路10を通して供給される湯水を浴室4内にミスト状に噴出する2個のミストノズル11等を本体ケーシング12内に装備して構成されている。そして、本体ケーシング12を浴室4の天井裏に入り込ませた状態で、本体ケーシング12の下方にグリル板13が浴室4の天井の表面側に位置するように設置されている。
【0054】
前記グリル板13には、吸気口14と吹出口15が並設され、本体ケーシング12内には、吸気口14を通して浴室4内の空気を吸引して吹出口15を通して吹出すための循環通風路16が形成されている。又、循環ファン7が、吸気口14に吸引作用してその吸気口14から吸引した浴室内の空気を吹出口15から浴室4内に吹出すように通風作用する状態で循環通風路16内に設けられている。又、その循環通風路16内における循環ファン7よりも通風方向上流側に空調用熱交換器8が設けられ、熱源機2から循環供給される熱媒との熱交換により、循環通風路16内を通風する空気を加熱するよう構成されている。つまり、循環ファン7の通風作用により、吸気口14を通して浴室4内の空気を吸引し、空調用熱交換器8にて加熱して吹出口15を通して浴室内に吹出して、浴室4内を暖房するように構成されている。
【0055】
浴室4の外部に設置された熱源機2から熱媒(具体的には加熱された温水)が供給される熱媒循環路17の往路18が、2つの熱媒分岐路19、20に分岐しており、そのうちの一方の熱媒分岐路20が空調用熱交換器8に接続され、且つ、その熱媒分岐路20における空調用熱交換器8の下流側が熱媒循環路17の復路21に接続されており、熱源機2にて加熱された熱媒が熱媒循環路17を通して空調用熱交換器8に循環供給されるように構成されている。前記一方の熱媒分岐路20には、その熱媒分岐路20を開閉することにより空調用熱交換器8への熱媒の供給を断続自在な熱動弁22が設けられている。
【0056】
従って、循環ファン7、空調用熱交換器8、熱媒循環路17、熱動弁22等により浴室を暖房する浴室暖房手段Aが構成されている。
【0057】
循環通風路16内における空調用熱交換器8よりも上流側の箇所には、通流する空気の温度を浴室4内の温度として検出する浴室温度検出手段としての浴室温サーミスタ23が設けられている。又、吹出口15には、図示しない電動モータにより揺動駆動される可動ルーバ24が設けられ、その可動ルーバ24により、吹出口15から吹出される空気の吹出し方向を変更することができるように構成されている。
【0058】
換気ファン9は、吸気口14から吸引した浴室4内の空気を排気ダクト25を通して外部に排気するように、本体ケーシング12内に設けられ、その換気ファン9の通風作用により、浴室4内の空気が排気ダクト25を通して外部に排出されて、浴室4が換気されるように構成されている。そして、グリル板13における吸気口14と吹出口15との間の箇所に、2個のミストノズル11が温水の噴出方向を下向きにした状態で支持されている。
【0059】
本体ケーシング12の上部には、ミスト用の温水を発生してミストノズル11に供給するための温水発生ユニット26が備えられている。この温水発生ユニット26は、ミスト用ケーシング27内に、水道等から水が供給される給水路10、その給水路10を開閉する給水弁28、給水路10から供給される水を熱源機2から循環供給される熱媒(具体的には温水)との熱交換により加熱する液液熱交換器29、給水路10から供給されて液液熱交換器29にて加熱された湯水が通流する下手側通流路30、その下手側通流路30から分岐された排出路31を開閉する排水弁32、下手側通流路30を通流する湯水の温度を検出する湯水温度検出手段としてのミスト温サーミスタ33等が備えられている。ちなみに、液液熱交換器29は複数の波板状の伝熱プレートを間隔をあけて積層配置したプレート式熱交換器で構成されている。
【0060】
そして、ミスト用ケーシング27内に外気温度を検出するための外気温度検出手段としての外気温サーミスタ51が設けられている。この外気温サーミスタ51は、液液熱交換器29による熱の影響を受けないように液液熱交換器29からできるだけ離間した箇所に設けられている。
【0061】
前記下手側通流路30からは排出路31とは別のミスト供給路34が分岐形成され、このミスト供給路34は、本体ケーシング12内にまで延びる状態で配管されており、そのミスト供給路34が経路途中でさらに2つの分岐路35、36に分岐されて、それらの分岐路35、36が前記各ミストノズル11に夫々接続されている。そして、2つの分岐路35、36には、夫々、通路を開閉することにより各ミストノズル11への湯水の供給を断続自在なミスト開閉弁37、38が設けられている。
【0062】
従って、給水路10、下手側通流路30、ミスト供給路34、分岐路35、36により、湯水供給用流路Yが構成され、液液熱交換器29により、ミストノズル11に供給される湯水を加熱する加熱手段が構成されている。そして、排出路31及び排水弁32により、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水をミストノズル11に供給せずに外部に排出する排水手段Hが構成され、さらに、ミスト温サーミスタ33が、湯水供給用流路Yにおける排水手段Hにて湯水を排出するときに湯水が通流する通路部分としての下手側通流路30に配設されている。
【0063】
熱源機2から熱媒が供給される熱媒循環路17の往路18が分岐される2つの熱媒分岐路19、20のうちの他方の熱媒分岐路19が液液熱交換器29に接続され、且つ、その熱媒分岐路19の液液熱交換器29の下流側が熱媒循環路17の復路21に接続されており、熱源機2にて加熱された熱媒が熱媒循環路17を通して液液熱交換器29に循環供給されるように構成されている。又、前記他方の熱媒分岐路19には、その熱媒分岐路19を断続自在で且つ液液熱交換器29への熱媒の通流量を変更調整自在な熱媒流量調整弁39が設けられている。
又、前記熱媒循環路17の往路18には、通流する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出手段としての熱媒サーミスタ40が設けられている。
【0064】
つまり、給水路10から供給される湯水が液液熱交換器29にて加熱され、その加熱された湯水が、下手側通流路30及びミスト供給路34を通してミストノズル11に供給され、ミストノズル11から浴室4内にミスト状に噴出させることができるように構成されている。
【0065】
前記排水路31は、前回にミスト運転を実行してから長時間にわたりミスト運転が行われていない場合に、給水路10の内部や液液熱交換器29の内部配管等に滞留していた汚れた湯水を外部に排出させて新鮮な湯水をミストノズル11に供給する湯水入れ替え処理を実行するためのものであり、湯水入れ替え処理を行うときは、ミスト開閉弁37、38を閉弁状態に維持したまま、給水弁28及び排水弁32を開弁状態に切り換えることで対応できるようになっている。
【0066】
脱衣室リモコンR2は、図3に示すように、種々の情報を表示するための報知手段としての表示部41、ミストサウナ運転のうちの高温ミスト運転を指令する高温ミスト運転指令手段としての高温ミストスイッチ42A、ミストサウナ運転のうちの低温ミスト運転を指令する低温ミスト運転指令手段としての低温ミストスイッチ42B、運転時間を変更設定するためのタイマー設定スイッチ43、可動ルーバ24の吹き出し方向の変更を指令する風向スイッチ44、乾燥運転を指令する乾燥スイッチ45、浴室暖房手段Aを作動させて浴室の暖房を行う暖房運転を指令する暖房スイッチ46、換気ファン9を作動させる換気運転を指令する換気スイッチ47、循環ファン7を作動させる涼風運転を指令する涼風スイッチ48、運転を停止させる停止スイッチ49等が設けられている。
尚、詳細については記載しないが、表示部41は、温度を表す数値情報だけでなく、文字によるメッセージ情報も表示可能に構成されている。又、浴室リモコンR1は、図示は省略するが、脱衣室リモコンR2と同様な構成となっている。
【0067】
そして、運転制御部3は、マイクロコンピュータを備えて構成され、ミストサウナ運転として高温ミスト運転と低温ミスト運転とを実行するように構成され、その他の制御も実行するように構成されている。
つまり、運転制御部3は、高温ミストスイッチ42Aにて高温ミスト運転が指令されるに伴って、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水を液液熱交換器29にて加熱してミストノズル11に供給する高温ミスト運転を実行するように構成され、且つ、低温ミストスイッチ42Bにて低温ミスト運転が指令されるに伴って、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水を液液熱交換器29にて加熱しない状態でミストノズル11に供給する低温ミスト運転を実行するように構成されている。
【0068】
又、運転制御部3は、次のような種々の制御を実行するように構成されている。
乾燥スイッチ45が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を循環供給し、且つ、循環ファン7及び換気ファン9を作動させて、浴室4内を加熱しながら湿気を含んだ空気を外部に排気させる乾燥運転を実行する。暖房スイッチ46が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を循環供給し且つ循環ファン7を作動させて浴室4内を暖房する暖房運転を実行する。換気スイッチ47が操作されると、換気ファン9を作動させる換気運転を実行する。又、涼風スイッチ48が操作されると、空調用熱交換器8に熱媒を供給させない状態で循環ファン7を作動させる涼風運転を実行する。
【0069】
そして、運転制御部3は、低温ミストスイッチ42Bにて低温ミスト運転が指令されると、予め設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別し、その運転許可判別条件を満たしていると低温ミスト運転を実行し、運転許可判別条件を満たしていなければ低温ミスト運転を実行しないように構成されている。
【0070】
説明を加えると、前記運転許可判別条件として、次のような条件が設定されている。
すなわち、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが予め設定されている高温状態判定用の設定温度T1を上回るときには低温ミスト運転の実行を許可する。
又、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1以下であっても、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度T2を上回り、且つ、外気温サーミスタ51にて検出される外気温度Tgが予め設定されている判定用外気温度T3を上回るときには低温ミスト運転の実行を許可する。
さらに、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが前記中温状態判定用の設定温度T2以下であっても、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが前記中温状態判定用浴室温度T2よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度T4を上回り、且つ、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度T5を上回るときには低温ミスト運転の実行を許可する。
そして、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であるか、又は、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であれば、低温ミスト運転の実行を許可しない。
【0071】
運転制御部3が、低温ミストスイッチ42Bにて低温ミスト運転が指令されると、湯水供給用流路を通して供給される湯水を液液熱交換器29にて加熱しない状態で外部に排出するように排水手段Hを作動させる排水処理を実行するように構成され、且つ、その排出処理を実行している状態においてミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度を前記運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定する湯水温度検出処理を実行するように構成されている。
【0072】
又、運転制御部3は、低温ミストスイッチ42Bにて低温ミスト運転が指令されたときに、前記運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合には、低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を表示部41にて表示する状態で報知する確認処理を実行するように構成され、且つ、前記確認処理を実行したのちに、低温ミストスイッチ42Bにて低温ミスト運転が指令されると、低温ミスト運転を実行するように構成されている。
【0073】
次に、図4及び図5のフローチャートを参照しながら運転制御部3のミストサウナ運転における制御動作について説明する。
尚、フローチャートには記載していないが、高温ミストスイッチ42Aや低温ミストスイッチ42Bが操作されたときには、前回にミスト運転を実行してから長時間にわたりミスト運転が行われていない場合に、設定時間が経過する間、ミスト開閉弁37、38を閉弁状態に維持したまま給水弁28及び排水弁32を開弁状態に切り換える湯水入れ替え処理を実行することになる。
【0074】
図4に示すように、高温ミストスイッチ42Aがオン操作されると高温ミスト運転を実行する(ステップ1、2)。
この高温ミスト運転は図5に示すような処理を実行する。すなわち、熱源機2を作動させて熱媒を循環供給可能な状態に設定し(ステップ22、23)、熱媒流量調整弁39を開弁状態に切り換え(ステップ24、25)、さらに、熱動弁22を開弁状態に切り換えて(ステップ26、27)、空調用熱交換器8及び液液熱交換器29への熱媒の循環供給を開始する。次に、熱媒サーミスタ40の検出値Tnが設定温度(60℃)以上になると、循環ファン7を作動させて浴室4の暖房を行う(ステップ28、29、30)。尚、詳述はしないが、このとき、可動ルーバ24を作動させて吹出口15から吹出される空気の吹出し方向を調整する。
【0075】
浴室4の暖房が開始されるに伴って浴室4内の温度は上昇することになるが、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyがミスト用設定温度(28℃)に上昇すると、ミスト噴出許可条件が満たされたと判別して、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を閉弁状態から開弁状態に切り換えるミスト運転処理を実行する(ステップ31、32、33)。その結果、湯水供給用流路Yを通してミストノズル11に湯水が供給され、湯水供給用流路Yの途中に配設された液液熱交換器29にて加熱された湯水が、ミストノズル11より浴室4内へミスト状態で噴出されることになる。尚、このとき、噴出される湯水の温度が設定温度(例えば、65℃)に維持されるように熱媒流量調整弁39の開度を調整するようになっている。
【0076】
その後は、運転タイマーがタイムアップして運転用のタイマー時間が零になるか、又は、停止スイッチ49が操作されて運転停止が指令されるまで、浴室4の暖房が行われ且つ液液熱交換器29にて加熱された湯水が浴室4内へミスト状態で噴出される状態が継続することになる(ステップ34、35)。尚、詳述はしないが、浴室4の温度が予め設定されている浴室設定温度に維持されるように、循環ファン7による通風量を変更調整したり、湯水の温度を変更調整すべく熱媒流量調整弁39による液液熱交換器29への熱媒の循環供給量を変更調整する処理を行うようになっている。尚、前記浴室設定温度としては、使用者の設定操作により、40℃、42℃、44℃、46℃のうちのいずれかの温度が設定されることになる。
【0077】
そして、運転タイマーがタイムアップして運転用のタイマー時間が零になるか、又は、停止スイッチ49が操作されて運転停止が指令されると、運転停止処理を実行してミスト運転を終了する(ステップ36)。つまり、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を閉弁状態に切り換えて湯水の噴出を停止させ、循環ファン7の作動を停止して暖房運転を停止し、さらに、熱媒流量調整弁39及び熱動弁22を閉弁状態に切り換えて熱媒の循環作動を停止する。
【0078】
高温ミストスイッチ42Aが操作されずに、低温ミストスイッチ42Bが操作されると、そのときに浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1(例えば、40℃)を上回っているか否かを判別する(ステップ3、4)。そして、浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1を上回っていれば、直ちに、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を開弁状態に切り換える(ステップ7)。その結果、湯水供給用流路Yを通して供給される湯水が液液熱交換器29にて加熱されない状態でミストノズル11に供給される。このときの運転状態が低温ミスト運転に対応する。
【0079】
低温ミスト運転を実行しているときは、停止スイッチ49が操作されるまで低温ミスト運転を継続して実行し、停止スイッチ49が操作されると、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を閉弁状態に切り換えて低温ミスト運転を終了する(ステップ8、9)。
【0080】
ステップ4にて浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1以下であると判別されると、次に、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度T2(例えば、30℃)を上回り、且つ、外気温サーミスタ51にて検出される外気温度Tgが予め設定されている判定用外気温度T3(例えば、25℃)を上回っているか否かを判別する(ステップ10)。この判別の結果、浴室4の温度Tyが中温状態判定用浴室温度T2を上回り、且つ、外気温度Tgが判定用外気温度T3(例えば、25℃)を上回っていれば、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を開弁状態に切り換え(ステップ7)、停止スイッチ49が操作されると、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を閉弁状態に切り換えて低温ミスト運転を終了する(ステップ8、9)。前記中温状態判定用浴室温度及び前記判定用外気温度としては、例示した数値に限定されるものではない。
【0081】
ステップ10にて浴室4の温度Tyが中温状態判定用浴室温度T2以下であるか、又は、外気温度Tgが判定用外気温度T3(例えば、25℃)以下であれば、次に、給水弁28及び排水弁32を開弁状態に切り換える(ステップ11)。このとき、ミスト開閉弁37、38は閉弁状態を維持されるので、給水路10を通して供給される湯水がミストノズル11に供給されずに外部に排出されることになる。この処理が排水処理に対応する。
そして、このように排水処理を実行しているときに、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が設定時間(例えば5秒間)内に変動する変動量ΔTが設定量ΔTs(例えば5℃)未満になると(ステップ12)、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度Tmxを前記運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度Tmsとして設定する(ステップ13)。この処理が湯水温度検出処理に対応する。
【0082】
そして、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが中温状態判定用浴室温度T2よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度T4(例えば15℃)を上回り、且つ、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度T5(例えば15℃)を上回っているか否かを判別する(ステップ14)。この判別の結果、浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4を上回り、且つ、湯水の温度が判定用湯水温度T5を上回っていれば、排水弁32を閉弁状態に切り換えて、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を開弁状態に切り換え(ステップ7)、停止スイッチ49が操作されると、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を閉弁状態に切り換えて低温ミスト運転を終了する(ステップ8、9)。低温状態判定用浴室温度及び判定用湯水温度としては、例示した数値に限定されるものではない。
【0083】
ステップ14にて浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であるか、又は、湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であれば、次に、給水弁28及び排水弁32を閉弁状態に切り換えて排水処理を停止して(ステップ15)、低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を表示部41にて表示する状態で報知する確認処理を実行する(ステップ16)。具体的には、表示部41に確認用情報として例えば「低温ミスト運転を実行しますか?実行するときは、もう一度、低温ミストスイッチを押して下さい」という文字情報を表示する。
【0084】
この確認処理を実行したのちに低温ミストスイッチ42Bが操作されることなく停止スイッチ49が操作されると運転を終了する(ステップ16、17、18)。従って、ステップ4、10〜14における処理が運転許可判別条件を満たしているか否かを判別するための処理に相当するのであり、運転許可判別条件を満たしていなければ、低温ミスト運転を実行しないのである。
【0085】
つまり、この実施形態では、浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であるか、又は、湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であれば、低温ミスト運転を実行するのに適していないような状況であるとして低温ミスト運転を実行しないのである。
【0086】
但し、ステップ4、10〜14において運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合であっても、確認処理を実行したのちに低温ミストスイッチ42Bが操作されたことを確認すると、給水弁28及びミスト開閉弁37、38を開弁状態に切り換えて低温ミスト運転を実行する(ステップ17、7)。つまり、使用者が運転許可判別条件を満たしていなくても低温ミスト運転を実行することを希望する場合には、運転許可判別条件を満たしていなくても低温ミスト運転を実行させることができるのであり、運転許可判別条件を満たしているか否かの判別結果よりも使用者の希望を優先するようにしたものである。
【0087】
〔別実施形態〕
下、別実施形態を説明する。
【0088】
(1)上記実施形態では、運転許可判別条件が、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度T1を上回るときには運転を許可し、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度T1以下であっても、浴室の温度が中温状態判定用浴室温度T2を上回り、且つ、外気温度が判定用外気温度を上回るときには運転を許可する条件として設定され、さらに、浴室の温度が前記中温状態判定用の設定温度以下T2であっても、浴室の温度が中温状態判定用浴室温度T2よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度T4を上回り、且つ、湯水の温度が判定用湯水温度T5を上回るときには運転を許可する条件として設定されるものを例示したが、このような構成に代えて、前記運転許可判別条件として、以下の(イ)〜(ヘ)に記載するような種々の条件を設定することができる。
【0089】
(イ)浴室の温度が高温状態判定用の設定温度T1を上回るときには運転を許可し、浴室の温度が高温状態判定用の設定温度T1以下であっても、浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度T1よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度T4を上回り、且つ、湯水の温度が判定用湯水温度T5を上回るときには運転を許可する条件として設定されるものでもよい。
【0090】
すなわち、外気温度検出手段としての外気温サーミスタを設けない構成とし、かつ、図6に示すように、上記実施形態におけるステップ10の処理、つまり、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度T2(例えば、30℃)を上回り、且つ、外気温サーミスタ51にて検出される外気温度Tgが予め設定されている判定用外気温度T3(例えば、25℃)を上回っているか否かを判別する処理を実行しない構成であり、それ以外の処理は上記実施形態と同じである。
【0091】
(ロ)浴室の温度及び湯水の温度の検出情報を用いることなく、外気温度の検出値が判定用外気温度を上回っていれば、運転を許可する条件として設定するものでもよい。
【0092】
(ハ)浴室の温度及び外気温度の検出情報を用いることなく、湯水の温度の検出値が判定用湯水温度を上回っていれば、運転を許可する条件として設定するものでもよい。
【0093】
(ニ)浴室の温度、外気温度、及び、湯水の温度等の検出情報を用いることなく、運転制御手段がカレンダー機能を備えて、低温ミスト運転が指令されたときにおいて、その時点が、例えば、四季のうちの春期や秋期等の中間期よりも高温の期間、例えば5月〜10月であれば、運転を許可する条件として設定するような構成としてもよい。
【0094】
(ホ)浴室の温度、外気温度、及び、湯水の温度等の検出情報を用いることなく、高温ミスト運転の運転を終了した直後であれば、つまり、高温ミスト運転の運転終了からの経過時間が設定時間未満であれば、運転を許可する条件として設定するものでもよい。
【0095】
(へ)浴室の温度、外気温度、及び、湯水の温度等の検出情報を用いることなく、例えば赤外線センサ等により検出される使用者の身体の温度を検出して、その検出温度が設定温度より高くて身体がほてった状態であることが検出されると、運転を許可する条件として設定するものでもよい。
【0096】
(2)上記実施形態では、低温ミストスイッチにて低温ミスト運転が指令されると、湯水供給用流路を通して供給される湯水を液液熱交換器にて加熱しない状態で外部に排出するように排水手段を作動させる排水処理を実行するようにしたが、このような排水処理を実行することなく、例えば、前回の高温ミスト運転が終了してから設定時間以上経過していなければ、常に前記運転許可判別条件を満たしていないと判別するようにして、設定時間が経過したのちに湯水の検出温度に基づく判別処理を実行する等、種々の形態で実施することができる。要するに、湯水の検出温度が外気温度に対応する温度になる状態で検出するようにするものであればよい。
【0097】
(3)上記実施形態では、低温ミストスイッチにて低温ミスト運転が指令されたときに、運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合には、低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を表示部にて報知する確認処理を実行し、その確認処理を実行したのちに、低温ミストスイッチにて低温ミスト運転が指令されると、低温ミスト運転を実行するように構成したものを例示したが、前記運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合に常に低温ミスト運転を実行しないように構成するものでもよい。
【0098】
(4)上記実施形態では、ステップ14にて、浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4を上回り、且つ、湯水の温度が判定用湯水温度T5を上回っていれば、運転許可判別条件を満たしていると判別して低温ミスト運転を実行し、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であるか、又は、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であれば、運転許可判別条件を満たしていないと判別して低温ミスト運転の実行を許可しないように構成したが、この構成に代えて、次のように構成してもよい。
【0099】
すなわち、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であり、且つ、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であれば、運転許可判別条件を満たしていないと判別して低温ミスト運転の実行を許可しない構成とし、浴室温サーミスタ23にて検出される浴室4の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4を上回るか、又は、ミスト温サーミスタ33にて検出される湯水の温度が判定用湯水温度T5を上回ると、運転許可判別条件を満たしていると判別して低温ミスト運転を実行するように構成してもよい。
【0100】
(5)上記実施形態では、浴室の温度Tyが低温状態判定用浴室温度T4以下であるか、又は、湯水の温度が判定用湯水温度T5以下であるという条件が成立した場合にのみ、低温ミスト運転を実行しないようにしたが、このような構成に限らず、種々の構成で実施することができる。
【0101】
例えば、浴室の温度Tyが高温状態判定用の設定温度T1以下であれば、常に、低温ミスト運転を実行しないように構成してもよい。
又、浴室の温度Tyが中温状態判定用浴室温度T2以下であるか、又は、外気温度Tgが判定用外気温度T3以下であれば、常に、低温ミスト運転を実行しないように構成してもよい。
【0102】
(6)上記実施形態では、低温ミスト運転指令手段が低温ミスト運転を指令するための専用の手動操作式スイッチである低温ミストスイッチにて構成されるものを例示したが、この構成に代えて、例えば、高温ミスト運転を指令するためのスイッチを兼用する構成とし、例えば、スイッチを押し操作式のスイッチにて構成し、その押し操作スイッチを設定時間(例えば、5秒間)より短い短時間だけ押し操作すると高温ミスト運転を指令し、設定時間より長い時間押し操作すると低温ミスト運転を指令する構成としたり、あるいは、高温ミスト運転を指令するためのスイッチとは別のスイッチ、例えば乾燥スイッチと換気スイッチとを同時に数秒間以上操作することで低温ミスト運転を指令する構成等、種々の構成で実施することができる。
【0103】
(7)上記実施形態では、報知手段として、確認用情報として文字情報を表示する表示部を備える構成としたが、この表示部に代えて、又は、この表示部に加えて、音声で確認用情報を報知する構成としてもよい。例えば、「低温ミスト運転を実行しますか?実行するときは、もう一度、低温ミストスイッチを押してください」という音声による確認用情報を発生する構成としてもよい。
【0104】
(8)上記実施形態では、ミストノズルが一対備えられ、ミスト運転を実行するときは、それら一対のミストノズルから湯水を噴出させる構成としたが、いずれか1つのミストノズルからのみ湯水を噴出させる少量噴出モードに切り換え可能に構成するものでもよい。又、ミストノズルを一対設けるものに限らず、1つのミストノズルを備える構成としてもよい。
【0105】
(9)上記実施形態では、ミストサウナ装置をミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機に適用した場合について説明したが、ミストサウナ機能だけを備えるミストサウナ専用の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
3 運転制御手段
4 浴室
11 ミストノズル
23 浴室温度検出手段
33 湯水温度検出手段
41 報知手段
42A 高温ミスト運転指令手段
42B 低温ミスト運転指令手段
49 加熱手段
51 外気温度検出手段
H 排水手段
Y 湯水供給用流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水供給用流路を通して供給される湯水を浴室内にミスト状に噴出するミストノズルと、前記湯水供給用流路の途中に配設されて前記ミストノズルに供給される湯水を加熱する加熱手段と、運転を制御する運転制御手段と、高温ミスト運転を指令する高温ミスト運転指令手段と、低温ミスト運転を指令する低温ミスト運転指令手段とが備えられ、
前記運転制御手段が、
前記高温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱して前記ミストノズルに供給する高温ミスト運転を実行するように構成され、且つ、前記低温ミスト運転が指令されるに伴って、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱しない状態で前記ミストノズルに供給する低温ミスト運転を実行するように構成されているミストサウナ装置であって、
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、予め設定されている運転許可判別条件を満たしているか否かを判別し、その運転許可判別条件を満たしていると前記低温ミスト運転を実行し、前記運転許可判別条件を満たしていなければ前記低温ミスト運転を実行しないように構成されているミストサウナ装置。
【請求項2】
前記浴室の温度を検出する浴室温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が予め設定されている高温状態判定用の設定温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
外気温度を検出する外気温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された中温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記外気温度検出手段にて検出される外気温度が予め設定されている判定用外気温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている請求項2記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
前記湯水供給用流路を通流する湯水の温度を検出する湯水温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記中温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記中温状態判定用浴室温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている請求項3記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
前記湯水供給用流路を通流する湯水の温度を検出する湯水温度検出手段が備えられ、
前記運転許可判別条件が、
前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度以下であっても、前記浴室温度検出手段にて検出される浴室の温度が前記高温状態判定用の設定温度よりも低い温度に設定された低温状態判定用浴室温度を上回り、且つ、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が予め設定されている判定用湯水温度を上回るときには運転を許可する条件として設定されている請求項2記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記ミストノズルに供給せずに外部に排出する排水手段が備えられ、
前記湯水温度検出手段が、前記湯水供給用流路における前記排水手段にて湯水を排出するときに湯水が通流する通路部分に配設され、
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、前記湯水供給用流路を通して供給される湯水を前記加熱手段にて加熱しない状態で外部に排出するように前記排水手段を作動させる排水処理を実行するように構成され、且つ、その排出処理を実行している状態において前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度が設定時間内に変動する変動量が設定量未満になると、前記湯水温度検出手段にて検出される湯水の温度を前記運転許可判別条件を満たすか否かを判別するための湯水の温度として設定する湯水温度検出処理を実行するように構成されている請求項4又は5記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
前記運転制御手段が、
前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されたときに、前記運転許可判別条件を満たしていないと判別した場合には、前記低温ミスト運転を実行するか否かについての確認用情報を報知手段にて報知する確認処理を実行するように構成され、且つ、
前記確認処理を実行したのちに、前記低温ミスト運転指令手段にて前記低温ミスト運転が指令されると、前記低温ミスト運転を実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のミストサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−233637(P2010−233637A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82453(P2009−82453)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】