説明

ミスト発生装置、これを備えたミスト発生ユニットおよびミスト発生機能を備えた浴室空調システム

【課題】ミスト噴出量を多くし、かつミスト噴出が好ましくない領域に対してはミストが噴出されることを適切に抑制することができ、浴室その他の所望のミスト供給対象領域の上方に設置して使用するのに適するミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置MG1は、ロータ2から飛散してきた液体が衝突する複数の衝突壁部12を有し、これら複数の衝突壁部12どうしの隙間は、ロータ2を収容するハウジングHの周囲に向けて開口し、この開口部分がミスト噴出口13とされており、複数の衝突壁部12の周囲の一部には、ミスト噴出口13から噴出されるミストを遮り、またはミスト噴出口13を塞ぐことにより、ハウジングHの周囲の一部にミストが噴出されることを阻止するミスト遮断壁18が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回転するロータを利用して液体のミスト化を図るタイプのミスト発生装置、これを備えたミスト発生ユニット、 およびミスト発生機能を備えた浴室空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータを利用したミスト発生装置の具体例としては、特許文献1,2に記載されたものがある。これらの文献に記載されたミスト発生装置は、いずれもハウジング内に回転自在なロータが収容された構成を有しており、ハウジング内または前記ロータ上に向けて供給されてきた液体をロータによってその周囲に飛散させるように構成されている。前記ロータの周囲には、衝突壁部が設けられており、この衝突壁部に前記液体が衝突することによりミストが発生する。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように改善すべき点があった。
【0004】
すなわち、特許文献1のミスト発生装置においては、ハウジング内において発生したミストは、装置の外部に直ちに噴出されることがなく、ハウジング内に別途形成された所定の流路を通過してから装置の外部に噴出する。このため、ミストの多くは、装置の外部に噴出される前にハウジングの壁面に接触して水滴化する。したがって、ミストの噴出量は少なく、ミスト量を多くすることが要望される用途には適しない。
【0005】
一方、特許文献2においては、ハウジング内において発生したミストを、ハウジングの上方に向けて直ちに噴出させており、特許文献1と比較すると、ミストの噴出量を多くすることが可能である。ところが、この特許文献2においては、ミストの吹き出し方向が重力に逆らう方向であるため、同文献に記載されたミスト発生装置をたとえば浴室の床上に設置した状態において、ミストを浴室の高い位置まで上昇させることは難しく、浴室の全体または一定領域に多くのミストを効率良く供給させて充満させるといったことは難しい。本発明者らは、このような不具合を改善する策として、ミスト発生装置を浴室の天井部またはその近辺に設置し、このミスト発生装置によって発生させたミストを浴室内に直接噴出させてから下方に進行させることを着想した。ところが、前記ミスト発生装置は、前述したようにミストがハウジングの上方に向けて吹き出すために、この装置を単に浴室の上部に設置しただけでは、ミストを浴室の下方領域に効率良く供給することは困難である。また、ミスト発生装置の近傍に、たとえば浴室の側壁が存在する場合には、この側壁に多くのミストが接触して水滴化し、この部分から多量の水滴が垂れ落ちるといった不具合も生じる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−289470号公報
【特許文献2】特開平8−182727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、ミスト噴出量を多くし、かつミスト噴出が好ましくない領域に対してはミストが噴出されることを適切に抑制することができ、浴室その他の所望のミスト供給対象領域の上方に設置して使用するのに適するミスト発生装置、これを備えたミスト発生ユニット、およびミスト発生機能を備えた浴室空調システムを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置は、ハウジング内に回転自在に配され、かつ前記ハウジング内に供給されてきた液体を周囲に飛散させることが可能なロータと、このロータの周囲に位置して前記ロータの周方向に互いに間隔を隔てて並び、かつ前記ロータから飛散してきた液体を衝突させることによってミストを発生させるための複数の衝突壁部と、を備えている、ミスト発生装置であって、前記複数の衝突壁部どうしの隙間は、前記ハウジングの周囲に向けて開口し、かつこの開口部分が前記ハウジングの周囲にミストを噴出するミスト噴出口とされており、前記複数の衝突壁部の周囲の一部には、前記ミスト噴出口から噴出されるミストを遮り、または前記ミスト噴出口を塞ぐことにより、前記ハウジングの周囲の一部にミストが噴出されることを阻止するミスト遮断壁が設けられていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、ロータから飛散した液体が複数の衝突壁部に衝突してミストが発生すると、このミストは、複数の衝突壁部どうしの隙間の開口部としてのミスト噴出口をそのまま通過してハウジングの周囲に噴出される。したがって、ハウジング内において発生したミストを別途形成されている経路を通過させてからハウジングの外部に噴出させて従来技術とは異なり、発生したミストが液滴化する機会を少なくし、ハウジングの外部に噴出されるミスト量を多くすることができる。本発明では、ミスト遮断壁によって一部のミストがハウジングの外部に噴出されないようにしているものの、このように一部のミストの噴出を阻止した場合であっても、ミスト遮断壁以外の領域ではミストが液滴化されないようにできる結果、ハウジングの外部へのミスト噴出量を多くすることが可能である。本発明のミスト発生装置をミスト供給対象領域の上方に設置した場合には、ハウジングの周囲に噴出されたミストの多くをミスト供給対象領域に向けて下降させ、効率良く供給することが可能となる。したがって、ミスト供給対象領域を多くのミストで満たすといったことが適切に実現できる。一方、本発明によれば、ハウジングの周囲のうち、ミスト遮断壁の外方領域にはミストが噴出されないようにすることができる。したがって、ミストが吹きつけられることが好ましくない領域の近くにミスト発生装置を設置する場合には、ミスト遮断壁を前記の領域に対向させるように設定することにより、好適に対処できることとなる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ハウジングの側面部としては、このハウジングの上下高さ方向に起立し、かつ平面視において略直角に交差するようにして繋がった一対の側面部が設けられており、前記ミスト遮断壁は、前記一対の側面部が形成されている領域から前記ハウジングの外部にミストが噴出されることを阻止するように設けられている。
【0012】
このような構成によれば、浴室や後述する外装ケースなどの所望のコーナ部(2つの面が略直角に交差したコーナ部)に対し、ミスト発生装置をスペース効率良く、かつ体裁の良い状態で設置することができる。すなわち、ハウジングの略直角に交差する一対の側面部を、コーナ部の2つの面に対面させると、前記コーナ部に大きな隙間を生じないようにして前記ハウジングを体裁良く設置することができる。また、このような設置状態において、前記コーナ部の2つの側面に多くのミストが吹きつけられないようにすることもできる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ミスト遮断壁は、前記ミスト噴出口を塞がないように前記複数の衝突壁部から離間した配置に設けられており、前記複数の衝突壁部の全部または一部が、前記ハウジングの上下高さ方向において前記ハウジングの上部または底部から離間していることにより、前記複数の衝突壁部が並んでいる領域と前記ハウジングの上部または底部との間には、前記ロータの回転時にこのロータの周辺空気を前記複数の衝突壁部の周囲近傍に流出させる空気流出用の開口部が形成されている。
【0014】
詳細については図8を参照して後述するが、前記の構成によれば、ロータの回転時に、複数の衝突壁部とミスト遮断壁との間に特異な空気流が発生することに起因してミストが噴出される際のミスト量分布に偏りが生じることを、空気流出用の開口部に空気が流通する作用によって抑制することが可能となる。また、やはり図8を参照して後述するように、ロータが高速回転する際の風切音を抑制して静寂性に優れたものとしたり、ミストの発生や噴出を安定させるといった効果も得られる。
【0015】
本発明の第2の側面により提供されるミスト発生ユニットは、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置と、このミスト発生装置の前記ハウジング、前記ロータ、および前記ロータの駆動用のモータを内部に収容する外装ケースと、を備えており、前記外装ケースには、前記ミスト噴出口から前記ハウジングの周囲に噴出されたミストをこの外装ケースの外部に直接進行させるためのミスト用開口部が形成され、前記ミスト遮断壁は、前記外装ケースの開口部以外の領域に向けてミストが噴出されることを抑制するように設けられている。
【0016】
このような構成によれば、ミスト発生装置のハウジングやロータ駆動用のモータなどが外装ケースによって覆われているために、全体の見栄えを良好とし、またそれらの保護を図ることもできる。さらに、前記構成によれば、外装ケースに向けて多くのミストが吹きつけられて液滴化することも適切に回避される。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記外装ケースは、前記ハウジングの上下高さ方向に起立して前記ハウジングの周囲を囲む複数の壁部を有し、これら複数の壁部としては、前記ミスト用開口部が形成されている正面壁部と、前記ミスト用開口部が形成されておらず、かつ前記正面壁部の両端縁に一端側が繋がった第1および第2の側面壁部とがあり、これら第1および第2の側面壁部の他端側は、平面視において略直角に交差するように繋がっている。
【0018】
このような構成によれば、たとえば浴室のコーナ部のように、2つの壁面が略直角に交差して形成されたコーナ部に対し、ミスト発生ユニットをスペース効率良く、かつ体裁の良い状態で設置することが可能となる。すなわち、外装ケースの第1および第2の側面壁部をコーナ部の2つの壁面に対面させるように設定すれば、このコーナ部に大きな隙間が生じないようにして、前記外装ケース、ひいてはミスト発生ユニットを体裁良く設置することができる。また、このような設置状態において、前記コーナ部の2つの壁面に多くのミストが吹きつけられないようにすることもできる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1および第2の側面壁部のそれぞれには、配管部材の挿通と電気配線の挿通とのいずれにも利用可能な開口部が設けられており、前記外装ケース内への液体供給用の配管部材の引き込みと、前記モータ用の電気配線の引き込みとが、前記第1および第2の側面壁部のいずれの側からも行なうことが可能とされている。
【0020】
このような構成によれば、液体供給用の配管部材およびモータ用の電気配線を外装ケースの外部から内部に引き込む場合に、それらの引き込み作業の融通性に優れたものとなる。また、外装ケースを浴室などのコーナ部に設置した場合に、このコーナ部の2つの壁面から外装ケース内に配管部材や電気配線を引き込めば、これらが外装ケースの正面などに不体裁な状態で配置されないようにすることもできる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記外装ケースは、前記ハウジングの上下高さ方向に起立して前記ハウジングの周囲を囲む複数の壁部を有し、これら複数の壁部としては、前記ミスト用開口部が形成されていない背面壁部と、この背面壁部の正面に張り出し、かつ前記ミスト用開口部が周方向に延びて形成されている前壁部とが設けられている。
【0022】
このような構成によれば、たとえば浴室の側壁部のコーナ部以外の箇所やその近傍に設置して使用するのに好ましいものとなる。この場合、浴室の側壁部に対しては外装ケースの背面壁部を対面させればよく、このようにすると前記浴室の側壁部に向けて多くのミストが噴出されないようにしつつ、外装ケースのミスト用開口部からは比較的広い範囲にわたってミストを噴出させることができる。
【0023】
本発明の第3の側面により提供されるミスト発生機能を備えた浴室空調システムは、浴室の上部または上方に配されて使用される浴室空調装置と、この浴室空調装置に取り付けられて前記浴室内にミスト噴出を行なうミスト発生手段と、を備えており、前記ミスト発生手段としては、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置、または本発明の第2の側面により提供されるミスト発生ユニットが用いられていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置、または本発明の第2の側面により提供されるミスト発生ユニットについて述べたのと同様な効果が得られる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記浴室空調装置は、前記浴室の側壁部に取り付けられ、かつ送風口からこの浴室空調装置の正面方向または正面斜め下方向にエア吹き出しが可能であり、前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットは、前記ケースの幅方向一端側の端面に取り付けられて、前記浴室空調装置の正面方向と略同一方向にミストを噴出可能とされ、かつ前記浴室空調装置の端面および前記浴室の側壁部に向けてのミスト噴出が抑制された構成とされている。
【0026】
このような構成によれば、ミスト発生装置またはミスト発生ユニットを、いわゆる壁掛け設置方式の浴室空調装置に体裁良く取り付けて、浴室空調装置の端面や浴室の側壁部にミストが吹きつけられることを適切に抑制しつつ、浴室空調装置の送風口から吹き出されるエアの流れを利用してミストを浴室内の一定領域に効率良く供給することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットの前記ミスト噴出口は、前記浴室空調装置の送風口よりも高い位置に配されている。
【0028】
このような構成によれば、ミスト噴出口から噴出されたミストが重力により下降していく過程において、このミストを浴室空調装置の送風口から吹き出されるエア流れに乗せることが可能となり、前記エア流れを利用してミストを一定領域に供給することがより的確に行なわれる。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットの前記ロータの駆動用のモータの回転方向を正逆切り替え設定可能な手段を備えている。
【0030】
ミスト発生装置からミストを噴出させる場合、このミストの噴出量分布に偏りを生じ、ミスト量が多くなる領域と少なくなる領域とが発生する傾向がある(詳細は、図8〜図10を参照して後述する)。これに対し、前記構成によれば、ロータの回転方向を切り替えることができるために、この切り替えにより、ミストの噴出量を多くしたい領域にミストを積極的に偏らせて噴出させることが可能となる。
【0031】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0033】
図1〜図7は、本発明が適用されたミスト発生装置を備えたミスト発生ユニット、およびこれに関連する構成の一例を示している。図1〜図4によく表われているように、本実施形態のミスト発生ユニットU1は、外装ケース4内に、ミスト発生装置MG1が収容された構成を有している。ミスト発生装置MG1によって発生されたミストは、外装ケース4に形成されているミスト用開口部40からその外部に噴出されるようになっている。
【0034】
図5によく表われているように、ミスト発生装置MG1は、ハウジングH、ロータ2、およびこのロータ2の駆動用のモータMを備えている。
【0035】
ハウジングHは、ロータ2を内部に収容するためのものであり、ハウジング本体1と、このハウジング本体1の上側に組み付けられた略平板状のカバー体10とを具備している。ハウジング本体1およびカバー体10は、ともに樹脂製である。ハウジング本体1の底部11の上面は、中央部寄りほど高さが低くなるように傾斜しており、後述する給水管92から供給されてくる湯水を貯留可能な貯液部14を形成している。カバー体10は、ハウジングHの上方に向けてミストが噴出することを防止する役割を果たすものであるが、このカバー体10上には、スペーサ部32などを介してモータMが載設されている。カバー体10には、空気流入口33が形成されており、この空気流入口33を介して外部空気をハウジングH内に流入させることが可能である。
【0036】
ロータ2は、モータMの駆動軸30に支持されてハウジングH内に収容されており、円板状の回転板20と、この回転板20の中央部から下向きに突出した湯水汲み上げ用の軸状部21とを有している。軸状部21は、上部寄りほど大径となる円錐状または円錐台状である。軸状部21がこのような形状であると、この軸状部21を高速で回転させた際に、貯液部14に貯留されている湯水をこの軸状部21の外周面に沿った膜状として上昇させることが可能である。前記湯水が軸状部21に沿って上昇し、回転板20の下面まで汲み上げられると、この湯水は、遠心力によって回転板20の中央寄り領域から外周方向に向けて加速され、回転板20の周囲に飛散する。このようなロータ2の作用自体は、既述した特許文献1に記載されている装置のロータと同様である。
【0037】
ハウジングHには、複数の衝突壁部12、複数のミスト噴出口13、空気流出用の開口部19、およびミスト遮断壁18が設けられている。複数の衝突壁部12は、ロータ2が回転して回転板20からその周囲に水が飛散したときにこの水を衝突させるための部位であり、この衝突により微小粒径のミストを適切に発生させることが可能である。これら複数の衝突壁部12は、ロータ2の周囲を囲むように、ハウジング本体1上に起立して設けられており、図7に示すように、略等間隔で円周状に並んだリブ状である。互いに隣り合う衝突壁部12どうしの隙間は、ハウジングHの周囲に向けて略水平方向に開口しており、この開口部分がミスト噴出口13である。複数の衝突壁部12に水が衝突することにより発生したミストは、複数の衝突壁部12どうしの隙間から複数のミスト噴出口13をそのまま通過してそれらの周囲に噴出する。
【0038】
図5に示すように、各衝突壁部12の上端とカバー体10の下面との間には、隙間が形成されており、複数の衝突壁部12が並んで設けられている領域とカバー体10との間には、空気流出用の開口部19が形成されている。この空気流出用の開口部19は、複数の衝突壁部12の上方の全周または略全周にわたって形成されており、ミスト噴出量に偏りが生じることを抑制するといった作用を生じさせるが、その詳細については後述する。なお、空気流出用の開口部19の構成としては、本実施形態とは異なり、複数の衝突壁部12とハウジング本体1の上面との間に形成することもできる。この場合、複数の衝突壁部12をカバー体10から下向きに突出するように設けて、これら複数の衝突壁部12の下端とハウジング本体1の上面との間に隙間を形成すればよい。
【0039】
ミスト遮断壁18は、複数のミスト噴出口13から噴射されるミストの一部を遮るための部分であり、複数の衝突壁部12の周囲の一部に位置している。図7に示すように、このミスト遮断壁18は、ハウジング本体1の上面部から上向きに突出した平面視略L字状の凸状部として構成されている。このミスト遮断壁18にミストが噴射されると、このミストは水滴化されるが、このようにして発生した水は、その後は貯液部14に流れ込み、ミストの発生に再利用される。ミスト遮断壁18の上面部には、カバー体10が載せられ、この部分においてカバー体10とハウジング本体1とがネジ止めされている。このような構成によれば、ミスト遮断壁18をカバー体10の取り付け用の台座としても利用されることとなり、その構成は合理的である。
【0040】
図4および図6に示すように、ハウジングHの側面部としては、平面視円弧状の側面部17aと、略平面状の一対の側面部17bとが形成されている。側面部17aの一部分は、ミスト噴出口13からハウジングHの外部へのミスト噴出を可能とするように開口している。これに対し、一対の側面部17bは、ミスト遮断壁18によってミスト噴出が阻止された側面部であって、平面視において略直角に交差するように繋がっている。
【0041】
ハウジングHの底部11には、複数のリブ15cが起立して設けられている。これらのリブ15cは、ロータ2の回転時において、軸状部21の周囲の空気が乱流状態になることを抑制し、貯液部14の湯水が軸状部21に沿って汲み上げられてから回転板20の周囲に向けて進行する動作を安定させるのに役立つ。
【0042】
図1〜図4に示すように、外装ケース4は、複数の樹脂製部材を用いて組み立てられたボックス状である。この外装ケース4は、上下高さ方向に起立した複数の壁部として、ミスト用開口部40が形成されている正面壁部43と、この正面壁部43の両端縁にそれぞれの一端側が繋がった第1および第2の側面壁部41,42とを有している。ミスト用開口部40は、ミスト発生装置MG1のうち、ハウジングHの周囲にミスト噴出が可能な領域の正面に位置し、かつその領域に対応したサイズとされている。図3および図4によく表われているように、第1および第2の側面壁部41,42のそれぞれの他端側どうしは、平面視において略直角に交差するように繋がっている。ミスト発生装置MG1は、ハウジングHの一対の側面部17bが第1および第2の側面壁部41,42の内面に対面するようにして外装ケース4内に収容されている。このような構成によれば、一対の側面部17bと第1および第2の側面壁部41,42との間に大きなデッドスペースが生じないようにすることができる。これは、ハウジングHと比較して、外装ケース4の幅方向のサイズがかなり大きくなることを防止し、全体の小型化を図るのに好ましい。外装ケース4の正面壁部43は、ハウジングHの側面部17aに対応した形状とされている。
【0043】
第1および第2の側面壁部41,42には、開口部44a,44bが設けられている。これらの開口部44a,44bは、給水管92と、モータMへの給電用の電気配線Lとのいずれを挿通するのにも利用可能なものである。このような構成によれば、給水管92および電気配線Lを外装ケース4内に引き込む場合に、開口部44a,44bのいずれか適当なものを選択して使用すればよいこととなる。図3においては、開口部44aに給水管92が挿通され、かつ開口部44bに電気配線Lが挿通されているが、これとは反対の配置にすることも可能である。また、開口部44a,44bのいずれか一方のみに、給水管92と電気配線Lとの双方を挿通させることもできる。ミスト発生装置MG1から第1および第2の側面壁部41,42に向けてミストが噴出されることはないために、開口部44a,44bが設けられていることに起因してこの部分から外装ケース4の外部にミストが漏出することはない。
【0044】
次に、前記したミスト発生ユニットU1の作用を説明する。なお、ミスト発生ユニットU1を浴室内へのミスト供給用途に用いる場合、浴室空調装置と組み合わせると、より好ましい効果が得られるが、この点については後述する。
【0045】
まず、このミスト発生ユニットU1は、たとえば図3の仮想線で示すように、2つの壁部95,96が略直角に交差した浴室などのコーナ部に取り付けて使用するのに好ましいものとなる。この取り付けに際しては、外装ケース4の第1および第2の側面壁部41,42を壁部95,96に対面させる。このことにより、前記コーナ部に大きなデッドスペースを生じさせることなく、このコーナ部にミスト発生ユニットU1を体裁良く設置することができる。図面には示されていないが、外装ケース4は、ネジ止め手段、あるいは適当なブラケットなどを用いて壁部95,96に固定させればよい。外装ケース4は、ミスト発生装置MG1を覆い隠すために、全体の体裁はより良好なものとなる。また、外装ケース4によってミスト発生装置MG1を保護し、とくにモータMやその電気配線Lなどの電気系統にトラブルを生じ難くすることもできる。ミスト発生ユニットU1の施工時においては、給水管92および電気配線Lを2つの開口部44a,44bのいずれにも挿通することができることは既述したとおりであり、施工作業の容易化も図られる。
【0046】
ミスト発生装置MG1においては、給水管92から貯液部14に給水がなされ、かつモータMの駆動によりロータ2が回転すると、貯液部14に貯留された水の一部は、既述したように、ロータ2の軸状部21の回転作用によってこの軸状部21の外周面に沿って回転板20の下面まで上昇してからその周囲に飛散し、複数の衝突壁部12に衝突する。この衝突により、複数の衝突壁部12どうしの隙間において多くのミストが発生し、このミストがそのままミスト噴出口13を通過する。ミスト遮断壁18が設けられていない箇所においては、前記ミストは外装ケース4の外部に直接排出されることとなる。このような経路でミストを噴出させれば、ミストがハウジングH内において水滴化する割合が非常に少なく、外装ケース4の外部へのミスト噴出量を多くすることができる。また、前記ミストは、ミスト用開口部40の正面方向(略水平方向)に向けて噴出される。したがって、ミスト発生ユニットU1を、たとえば浴室の上部に配置させておけば、前記ミストを重力により下降させるなどして、浴室の略全域あるいは一定領域に効率良く供給することができる。したがって、入浴者がたとえばミストシャワーを浴びる場合には、多くのミストを浴びることが可能となり、快適なものとなる。
【0047】
一方、ミスト遮断壁18は、ハウジングHの一対の側面部17bの形成領域からミストが噴出することを適切に阻止する。このため、一対の側面部17bから外装ケース4の内面にミストが吹きつけられて外装ケース4の内面に多くの水滴が発生する不具合もない。もちろん、本実施形態のミスト発生ユニットU1では、図3に示した2つの壁部95,96に多くのミストが吹きつけられることも回避される。したがって、それらの部分に多量の水滴が発生するといったこともない。
【0048】
ミスト遮断壁18は、次に述べるように、ミスト噴出量の分布に偏りを生じさせる要因となる。ただし、このような偏りも、このミスト発生装置MG1においては、空気流出用の開口部19が設けられていることにより緩和される。この点に関し、まず図8(b)に示す対比例(この対比例も本発明に含まれる)を説明する。この対比例おいては、ロータ2が回転すると、その周辺部にはロータ2の回転方向に旋回する矢印N1で示す高速空気流が発生する。また、複数の衝突壁部12とミスト遮断壁18との間に存在する空気も、ロータ2の回転の影響を強く受け、矢印N1の空気流と同様な流れとなる。その結果、複数の衝突壁部12とミスト遮断壁18との間には、矢印N4に示すような空気流が発生する。この空気流がハウジングHの外部に流出すると、この領域の負圧作用により周辺のミストが引き寄せられ、符号n1で示す一部の領域にミストが偏る現象を生じる。これに対し、ミスト発生装置MG1においては、同図(a)の矢印N3に示すように、ハウジングH内の空気が空気流出用の開口部19を通過して複数の衝突壁部12の外周囲またはその近傍に向けて流出する。このため、同図(b)で示した矢印N4の空気流のボリュームが小さくなるとともに、その速度も低下する。その結果、対比例において生じていたミストの偏りを緩和することができる。
【0049】
なお、本発明においては、本実施形態とは異なり、ミスト噴出口13を塞ぐようにミスト遮断壁を設け、このことによってハウジングHの周囲の一定領域にミストが噴出されないようにすることも可能である。このような構成とすれば、前記した矢印N4に示す空気流、すなわちミスト遮断壁8と複数の衝突壁部12との隙間を一定方向に通過する空気流は発生しないこととなる。ただし、そのような構成を採用した場合、ロータ2の回転時に、複数のミスト噴出口13の各所から空気流出が均一になされなくなるため、ハウジングH内に空気の乱流を生じ、これに起因してミストの発生が不安定になり易い。これに対し、本実施形態においては、そのようなことを抑制するのに好ましいものとなる。
【0050】
空気流出用の開口部19は、次に述べるように、ミスト発生装置MG1が運転される際の風切音を低くし、またミストの発生を安定させるといった作用をさらに生じさせる。すなわち、図8(b)の対比例では、ロータ2が回転する際に発生する矢印N1の高速空気流の一部が、矢印N2で示すように、複数の衝突壁部12どうしの隙間に流入する。このことにより、風切音が発生する。これに対し、同図(a)に示すミスト発生装置MG1では、前記したように矢印N3の空気流が生じるために、矢印N2の空気流のボリュームが減少する。複数の衝突壁部12どうしの隙間と開口部19とは連通しているために、矢印N2の空気流のボリュームはより的確に減少する。その結果、前記した風切音は小さくなる。
【0051】
複数の衝突壁部12は、矢印N2の空気流の抵抗となる。このため、図8(b)の対比例では、複数の衝突壁部12の近傍に空気の乱流を生じ易い。このような乱流は、ミストの発生を不安定とし、ミストの粒径に大きなバラツキを生じさせる要因となる。これに対し、ミスト発生装置MG1では、矢印N3の空気流が生じることにより、矢印N2の空気流のボリュームが減少するため、この空気流に対する各衝突壁部12の抵抗が小さくなって、前記した乱流も生じ難くなる。したがって、ミストを安定的に発生させることができ、またミストの粒径の均一化も図られる。
【0052】
図9は、本発明が適用されたミスト発生機能を備えた浴室空調システムの一例を示している。本実施形態の浴室空調システムS1は、先に述べたミスト発生ユニットU1と、浴室空調装置Aとを備えている。
【0053】
浴室空調装置Aは、浴室の起立した側壁部97に取り付けられる壁掛け方式のものである。この浴室空調装置Aとしては、従来既知のものを用いることが可能であり、その構造の詳細は省略するが、ケース80内には、ファンおよび加熱手段としての熱交換器(図示略)が収容されており、ファンが駆動されると、ケース80の上面部の給気口81から浴室の空気をケース80内に吸入させて熱交換器により加熱し、この加熱空気をケース80の前面下部の送風口82からその正面や正面斜め下に向けて吹き出させることが可能である。
【0054】
ミスト発生ユニットU1は、浴室空調装置Aの幅方向一端側の端面80aに取り付けられている。この取り付けは、外装ケース4の第2の側面壁部42が端面80aに対向し、かつ第1の側面壁部41が浴室の側壁部97に対向するようになされている。端面80aと側壁部97の表面とは、略直角に交差したコーナ部を形成しているために、外装ケース4をこの部分に体裁良く設置することが可能である。ミスト用開口部40の一部は、浴室空調装置Aの正面方向と略同一の方向を向いて開口しており、送風口82からのエア吹き出し領域の近傍にミストを噴出可能である。また、各ミスト噴出口13は、送風口82よりも適当な高さh1だけ高い配置とされている。したがって、このミスト発生ユニットU1では、送風口82からのエア流れ領域の近傍にミストを有効に噴出させることができる。このようなミストは、前記エア流れ領域に負圧作用によって引き寄せられてから、このエア流れに乗って浴室内の所定領域に効率良く運ばれる。
【0055】
モータM用の電気配線Lは、浴室空調装置A内からその外部に引き出され、かつ開口部44bを介して外装ケース4内に引き込まれている。モータMの電源としては、たとえば浴室空調装置Aの電源回路が利用されている。これに対し、給水管92は、浴室の側壁部97の背面側から開口部44aを介して外装ケース4内に引き込まれている。
【0056】
この浴室空調システムS1には、モータMの回転方向を正逆切り替え可能な手段が具備されている。この手段は、たとえば浴室空調装置A内の電源回路基板に取り付けられたディップスイッチなどの切替スイッチとして実現されている。本実施形態では、モータMの回転方向(ロータ2の回転方向も)は、図9(a)の矢印N10に示す方向である。本実施形態とは反対に、モータMの回転方向が図10の矢印N11で示す方向とされた場合には、図8(b)を参照して説明したように、図10の符号n1’で示す領域のミスト量が多くなる傾向がある。これでは、送風口82に近い領域へのミスト噴出量が少なくなる。ミスト発生装置MG1においては、図8(a)を参照して説明したように、前記したミスト量の偏りを緩和することは可能であるものの、ミスト噴出量に多少の偏りを生じる場合はある。モータMを図9(a)の矢印N10の方向に回転させれば、送風口82に近い領域n2へのミスト噴出量を多くすることができる。なお、ミスト発生装置MG1には、空気流出用の開口部19をあえて設けない構成として、前記した領域n2のミスト量をより多くすることもできる。
【0057】
前記した浴室空調システムS1によれば、浴室空調装置Aの端部にミスト発生ユニットU1を体裁良く取り付け、かつこのミスト発生ユニットU1から噴出されるミストを送風口82からのエア吹き出しを利用して、浴室の所定領域に効率良く供給することができる。送風口82から温風を吹き出した場合には、この温風を利用してミストを加熱することもできる。一方、浴室空調装置Aの端面80aや浴室の側壁部97に、多くのミストが吹きつけられることはなく、それらの部分において多くのミストが水滴化して下方に流れ落ちるようなことも適切に回避される。
【0058】
浴室空調装置Aとミスト発生ユニットU1とを組み合わせる場合、図11に示すような浴室空調システムS2を構成することもできる。この浴室空調システムS2においては、ミスト発生ユニットU1が浴室空調装置Aの幅方向他端側の端面80bに取り付けられている。この場合、端面80bには、外装ケース4の第1の側面壁部41を対向させることとなるが、外装ケース4内への給水管92やモータM用の電気配線Lの引き込みは、外装ケース4の2つの開口部44a,44bを利用してやはり適切に行なうことができる。また、モータMの回転方向については、同図の矢印N12に示す方向に設定することにより、送風口82に近い領域に多くのミストを噴出させることが可能である。
【0059】
図12〜図14は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、先の実施形態と同一または類似の要素には、先の実施形態と同一の符号を付している。
【0060】
図12および図13によく表われているように、本実施形態のミスト発生ユニットU2の外装ケース4Aは、上下高さ方向に起立してミスト発生装置MG2の周囲を囲む複数の壁部として、背面壁部45と、前壁部46とを有している。背面壁部45の外面および内面は、ともに略平面状である。前壁部46は、たとえば平面断面形状が略U字状であり、背面壁部45の両端縁からその正面に張り出している。この前壁部46には、ミスト用開口部40Aが設けられているが、このミスト用開口部40Aは、前壁部46の正面および両側方を向くように周方向に延びている。
【0061】
ミスト発生装置MG2は、その基本的な構成は、先に述べたミスト発生装置MG1と同様であるが、図13に示すように、そのハウジングHは、外装ケース4Aに収容された際に大きな隙間を生じないように、外装ケース4Aに対応した形状とされている。ミスト遮断壁18は、外装ケース4Aのミスト用開口部40A以外の領域に向けてミストが噴射されないように設けられている。
【0062】
本実施形態のミスト発生ユニットU2は、たとえば浴室のコーナ部以外の場所に設置するのに適する。たとえば、図13の仮想線で示すように、上下方向に起立した壁部98にミスト発生ユニットU2を設置する場合、外装ケース4Aの背面壁部45を壁部98に対向させる。このようにすれば、壁部98に多くのミストが噴射されないようにしつつ、それ以外の広い範囲にわたって多くのミストを噴出することが可能である。
【0063】
図14に示す浴室空調システムS3においては、前記したミスト発生ユニットU2が、浴室空調装置Aの下面部から下向きに突出するように取り付けられている。この取り付けは、外装ケース4Aの上面を浴室空調装置Aの下面部に当接させて、適当な取り付け具を利用して行なわれている。この浴室空調システムS3においては、浴室の側壁部97に向けてミストが噴出されないようにしつつ、ミスト用開口部40Aからはミスト発生ユニットU2の正面およびその両側方にわたる広い範囲にわたって多くのミストを噴出することができる。また、前記ミストを、送風口82から吹き出されるエアの流れを利用して浴室の所定領域に効率良く運ばせることも可能である。
【0064】
本発明は上述した実施形態に限定されない。本発明に係るミスト発生装置、これを備えたミスト発生ユニット、および浴室空調システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0065】
ミスト遮断壁は、平面視略L字状や略直線状に限らず、たとえば円弧状などに湾曲した形状に設けることも可能であり、その具体的な形状やサイズは限定されない。また、ミスト遮断壁は、ミスト噴出口を塞ぐように設けることが可能であることは既述したとおりであるが、この場合、たとえば複数の衝突壁部にテープ状あるいはシート状などの部材を接着してミストの噴出を阻止することも可能であり、このような部材も、本発明でいうミスト遮断壁に相当する。
【0066】
ミスト発生装置のロータとしては、上述の実施形態で示されたものに代えて、たとえば回転板の下部にパイプ状の軸状部が突出して設けられたものを用いることもできる。このような構成のロータの回転時においては、ハウジングの底部上に貯留された液体のうち、前記パイプ状の軸状部の内部に存在する液体を遠心力により上昇させて回転板の上面まで汲み上げ、その後この液体を回転板の周囲に飛散させることが可能である。また、ロータに液体を供給する場合の態様としては、回転板の上面上に液体を直接供給させるようにし、この液体を遠心力によってそのままロータの周囲に飛散させる構成とすることもできる。衝突壁部は、必ずしも厚みが一定のリブ状でなくてもよく、厚みを不均一とすることもできる。また、平面視などにおいて屈曲した形状とすることもできる。
【0067】
本発明に係るミスト発生ユニットは、外装ケースの具体的な形状やサイズも限定されない。また、外装ケースを所望の取り付け対象部位に取り付ける場合の具体的な取り付け手段も限定されない。なお、本発明に係るミスト発生装置は、外装ケースに収容させれていない状態で使用することもできる。
【0068】
本発明に係るミスト発生装置およびミスト発生ユニットは、壁掛け方式の浴室空調装置に代えて、天井取り付けタイプの浴室空調装置と組み合わせて使用することもできる。また、これとは異なり、浴室空調装置の有無には関係なく、それ単独で使用することもできる。本発明に係るミスト発生装置およびミスト発生ユニットは、浴室(シャワールームを含む)での温水または非加熱水のミスト発生用途に適するが、浴室以外の箇所に設置し、湯水または湯水以外の液体の噴霧用途(たとえば、加湿用途、薬液などの液体散布の用途、ミスト発生に伴うマイナスイオン効果を目的とする用途など)にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るミスト発生装置を備えたミスト発生ユニットの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1に示すミスト発生ユニットの分解平面断面図である。
【図5】図1のミスト発生ユニットが具備するミスト発生装置の要部断面図である。
【図6】図5に示すミスト発生装置の斜視図である。
【図7】図5に示すミスト発生装置の分解斜視図である。
【図8】(a)は、図5〜図7に示すミスト発生装置の作用説明図であり、(b)は、それとの対比例を示す説明図である。
【図9】(a)は、図1〜図4に示すミスト発生ユニットを用いて構成された浴室空調システムの一例を示す一部断面平面図であり、(b)は、その正面図である。
【図10】図9との対比例を示す一部断面平面図である。
【図11】(a)は、図1〜図4に示すミスト発生ユニットを用いて構成された浴室空調システムの他の例を示す一部断面平面図であり、(b)は、その正面図である。
【図12】本発明に係るミスト発生装置を備えたミスト発生ユニットの他の例を示す概略斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII断面図である。
【図14】(a)は、図12および図13に示すミスト発生ユニットを用いて構成された浴室空調システムの一例を示す正面図であり、(b)は、その側面図である。
【符号の説明】
【0070】
A 浴室空調装置
MG1,MG2 ミスト発生装置
U1,U2 ミスト発生ユニット
S1〜S3 浴室空調システム
H ハウジング(ミスト発生装置の)
M モータ(ロータ駆動用)
L 電気配線
2 ロータ
4,4A 外装ケース
11 底部(ハウジングの)
12 衝突壁部
13 ミスト噴出口
17b 側面部(ハウジングの)
18 ミスト遮断壁
19 空気流出用の開口部
40,40A ミスト用開口部(外装ケースの)
41,42 第1および第2の側面壁部(外装ケースの)
43 正面壁部(外装ケースの)
44a,44b 開口部
45 背面壁部(外装ケースの)
46 前壁部(外装ケースの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に回転自在に配され、かつ前記ハウジング内に供給されてきた液体を周囲に飛散させることが可能なロータと、
このロータの周囲に位置して前記ロータの周方向に互いに間隔を隔てて並び、かつ前記ロータから飛散してきた液体を衝突させることによってミストを発生させるための複数の衝突壁部と、
を備えている、ミスト発生装置であって、
前記複数の衝突壁部どうしの隙間は、前記ハウジングの周囲に向けて開口し、かつこの開口部分が前記ハウジングの周囲にミストを噴出するミスト噴出口とされており、
前記複数の衝突壁部の周囲の一部には、前記ミスト噴出口から噴出されるミストを遮り、または前記ミスト噴出口を塞ぐことにより、前記ハウジングの周囲の一部にミストが噴出されることを阻止するミスト遮断壁が設けられていることを特徴とする、ミスト発生装置。
【請求項2】
前記ハウジングの側面部としては、このハウジングの上下高さ方向に起立し、かつ平面視において略直角に交差するようにして繋がった一対の側面部が設けられており、
前記ミスト遮断壁は、前記一対の側面部が形成されている領域から前記ハウジングの外部にミストが噴出されることを阻止するように設けられている、請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記ミスト遮断壁は、前記ミスト噴出口を塞がないように前記複数の衝突壁部から離間した配置に設けられており、
前記複数の衝突壁部の全部または一部が、前記ハウジングの上下高さ方向において前記ハウジングの上部または底部から離間していることにより、前記複数の衝突壁部が並んでいる領域と前記ハウジングの上部または底部との間には、前記ロータの回転時にこのロータの周辺空気を前記複数の衝突壁部の周囲近傍に流出させる空気流出用の開口部が形成されている、請求項1または2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のミスト発生装置と、
このミスト発生装置の前記ハウジング、前記ロータ、および前記ロータの駆動用のモータを内部に収容する外装ケースと、を備えており、
前記外装ケースには、前記ミスト発生装置の前記ミスト噴出口から前記ハウジングの周囲に噴出されたミストをこの外装ケースの外部に直接進行させるためのミスト用開口部が形成され、
前記ミスト発生装置の前記ミスト遮断壁は、前記外装ケースの開口部以外の領域に向けてミストが噴出されることを抑制するように設けられていることを特徴とする、ミスト発生ユニット。
【請求項5】
前記外装ケースは、前記ハウジングの上下高さ方向に起立して前記ハウジングの周囲を囲む複数の壁部を有し、
これら複数の壁部としては、前記ミスト用開口部が形成されている正面壁部と、前記ミスト用開口部が形成されておらず、かつ前記正面壁部の両端縁に一端側が繋がった第1および第2の側面壁部とがあり、
これら第1および第2の側面壁部の他端側は、平面視において略直角に交差するように繋がっている、請求項4に記載のミスト発生ユニット。
【請求項6】
前記第1および第2の側面壁部のそれぞれには、配管部材の挿通と電気配線の挿通とのいずれにも利用可能な開口部が設けられており、
前記外装ケース内への液体供給用の配管部材の引き込みと、前記モータ用の電気配線の引き込みとが、前記第1および第2の側面壁部のいずれの側からも行なうことが可能とされている、請求項5に記載のミスト発生ユニット。
【請求項7】
前記外装ケースは、前記ハウジングの上下高さ方向に起立して前記ハウジングの周囲を囲む複数の壁部を有し、
これら複数の壁部としては、前記ミスト用開口部が形成されていない背面壁部と、この背面壁部の正面に張り出し、かつ前記ミスト用開口部が周方向に延びて形成されている前壁部とが設けられている、請求項4に記載のミスト発生ユニット。
【請求項8】
浴室の上部または上方に配されて使用される浴室空調装置と、
この浴室空調装置に取り付けられて前記浴室内にミスト噴出を行なうミスト発生手段と、を備えており、
前記ミスト発生手段としては、請求項1ないし3のいずれかに記載のミスト発生装置、または請求項4ないし7のいずれかに記載のミスト発生ユニットが用いられていることを特徴とする、ミスト発生機能を備えた浴室空調システム。
【請求項9】
前記浴室空調装置は、前記浴室の側壁部に取り付けられ、かつ送風口からこの浴室空調装置の正面方向または正面斜め下方向にエア吹き出しが可能であり、
前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットは、前記ケースの幅方向一端側の端面に取り付けられて、前記浴室空調装置の正面方向と略同一方向にミストを噴出可能とされ、かつ前記浴室空調装置の端面および前記浴室の側壁部に向けてのミスト噴出が抑制された構成とされている、請求項8に記載のミスト発生機能を備えた浴室空調システム。
【請求項10】
前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットの前記ミスト噴出口は、前記浴室空調装置の送風口よりも高い位置に配されている、請求項9に記載のミスト発生機能を備えた浴室空調システム。
【請求項11】
前記ミスト発生装置または前記ミスト発生ユニットの前記ロータの駆動用のモータの回転方向を正逆切り替え設定可能な手段を備えている、請求項8ないし10のいずれかに記載のミスト発生機能を備えた浴室空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−285410(P2009−285410A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143989(P2008−143989)
【出願日】平成20年5月31日(2008.5.31)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】