説明

ミラーユニット

【課題】 フレームに対するカバーの取付けに関して改良されたミラーユニットを提供する。
【解決手段】 ミラーユニット120はフレーム121とミラー125とカバー123とを有する。フレーム121の横枠部121aの裏面に取付枠部122を設け、取付枠部122の内面側には、ガイド溝133を有するガイドレール部131を設ける。一方の取付枠部122には、レール非形成領域135を形成する。カバー123を斜めに傾けた状態で、その端部をレール非形成領域と対向する他方のガイドレール部131のガイド溝133内に差し込んだ後、フレーム121と平行になるように回動してレール非形成領域135に配置し、その状態でカバー123をガイド溝133に挿入することによってフレーム121に取付けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンバイザ本体に取付けられるミラーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004−237911号公報(特許文献1)は、車両用サンバイザのサンバイザ本体に取付けられるミラーユニットを開示している。公報に記載のミラーユニットは、方形状のフレームと、フレームに取付けられるミラーと、フレームに取付けられ、ミラーを覆うミラー覆蓋位置とミラーを露出させる露出位置との間で摺動動作するカバーとによって構成されている。上記構成のミラーユニットにおいては、フレームの互いに対向する左右の両側壁部に形成されたレールのガイド溝に、カバーの両側端面に突設されたスライド突部を嵌め込むことで、カバーをフレームに摺動自在に取付けている。
【0003】
上記構成のミラーユニットによれば、カバーにおける一方のスライド突部端面から他方のスライド突部端面までの間隔が、レールの一方のガイド溝底から他方のガイド溝底までの間隔と概ね等しく設定される。このため、フレームの左右の両側壁部を広げる(溝相互の間隔を広げる)ように変形させながらレールのガイド溝にカバーのスライド突部を嵌め込むという態様でカバーをフレームに取付けている。このため、フレームが拡張変形することがあり、その結果としてカバーの摺動動作に関して所定のスライド荷重が得られないとか、カバーにガタツキが発生する可能性があり、この点でなお改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−237911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、フレームに対するカバーの取付けに関して改良されたミラーユニットを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明に係る好ましい形態によれば、サンバイザ本体に固定されるフレームと、フレームに取付けられるミラーと、フレームに取付けられてミラーを覆うカバーとを有するミラーユニットが構成される。
ミラーユニットは、側壁部と、カバー収容空間と、ガイド部材と、カバー取付開口端部とを更に有する。側壁部は、フレームの互いに対向する両側部において、当該フレームの所定の長軸方向と交差する幅方向に離間して設けられるとともに、当該長軸方向に沿ってそれぞれ延在状に形成される。カバー収容空間は、フレームにおいて両側の側壁部の間に形成され、カバーを収容する。ガイド部材は、両側壁部に形成され、カバー収容空間に突出することにより、当該カバー収容空間に収容されたカバーが長軸方向および幅方向と交差する方向として定義される上下方向に抜け出すことを規制するとともに、当該カバーが、ミラーを覆うミラー覆蓋位置と、ミラーを露出させる露出位置との間で、長軸方向に沿ってスライドさせる。カバー取付開口端部は、フレームの長軸方向一端側において、カバーをカバー収容空間に挿入取付する開口端部として備えられる。そして、カバー取付開口端部は、両側壁部の少なくとも一方に設定されたガイド部材非形成領域を有し、当該ガイド部材非形成領域においては、カバーが上下方向において当該カバー取付開口端部に配置されるとともに、長軸方向に沿って、ガイド部材にガイドされながらカバー収容空間へとスライド状に収容されるように構成されている。
【0007】
上記のように本発明のミラーユニットでは、フレームの長軸方向一端側に形成されたカバー取付開口端部における両側壁部の少なくとも一方にガイド部材非形成領域を設定している。そしてガイド部材非形成領域においては、カバーが上下方向において当該カバー取付開口端部に配置されるとともに、長軸方向に沿って、ガイド部材にガイドされながらカバー収容空間へとスライド状に収容される構成としている。すなわち、本発明によれば、ガイド部材非形成領域を利用してカバーをカバー取付開口端部に配置した上で、当該カバーをガイド部材にガイドさせつつ長軸方向へとスライドさせることによりカバー収容空間へと収容することが可能とされる。このため、フレームを変形させることなく、当該フレームにカバーを容易に取付けることができる。その結果、取付後におけるミラーのスライド荷重の安定化、ガタツキの発生回避に有効となる。
【0008】
本発明の更なる形態によれば、カバー取付開口端部は、両側壁部の一方がガイド部材形成領域とされ、両側壁部の他方がガイド部材非形成領域とされ、カバーは、一端が当該ガイド部材形成領域側の側壁部ないし近傍において回動中心をなすとともに、他端が、上下方向を接線とする回動動作によってガイド部材非形成領域側の側壁部に置かれ、これによってカバーがカバー取付開口端部に配置される。
【0009】
本発明によれば、フレームの面方向に対してカバーを傾斜状に傾けるとともに、当該カバーの一端を当該ガイド部材形成領域側の側壁部ないし近傍に押し当てた状態で、フレームの面に対し平行となるようにカバーを回動させることにより、フレームのカバー取付開口端部にカバーを容易に配置することができる。
【0010】
本発明の更なる形態によれば、請求項1又は2に記載のミラーユニットと、当該ミラーユニットを収容するための収容部が形成されたサンバイザ本体とを有する車両用サンバイザが構成される。これにより、フレームにカバーを容易に取付けることができ、取付後におけるミラーのスライド荷重の安定化、ガタツキの発生回避を図る上で有効なミラーユニットを備えた車両用サンバイザを提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フレームに対するカバーの取付けに関して改良されたミラーユニットが提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るミラーユニットを備えた車両用サンバイザの構成を示す斜視図である。
【図2】ミラーユニットの構成部材を分解して示す斜視図である。
【図3】ミラーユニットの組付け工程を示す図である。
【図4】ミラーユニットを表面側から見た上面図であり、組付け状態を示す。
【図5】ミラーユニットを裏面側から見た下面図であり、フレームにスライドカバーを組付ける状態を示す。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図5のB−B線断面図であり、フレームにスライドカバーを組付ける工程を示す。
【図8】サンバイザ本体に対するミラーユニットの組付け構造を示す断面図であり、(A)は組付け前、(B)は組付け後を示す。
【図9】図8とは異なる箇所のサンバイザ本体に対するミラーユニットの組付け構造を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るミラーユニットにつき、図1〜図9を参照しつつ説明する。本実施の形態に係るミラーユニットは、車両用サンバイザに装着して用いられる。図1に示すように、車両サンバイザ101は、概括的に見て、サンバイザ101の外形を構成する略長方形状のサンバイザ本体103と、サンバイザ本体103を車両に装着するための支軸105とを主体として構成されている。支軸105は、概ね鉛直方向に延びる縦軸部と、概ね水平方向に延びる横軸部とを備えた略L字状に形成されている。支軸105の横軸部は、サンバイザ本体103における上縁部の一方の隅部に内蔵された軸受部(便宜上図示を省略する)に装着され、これによりサンバイザ本体103が横軸部の軸回りに相対的に回動自在とされる。支軸105の縦軸部は、サンバイザ本体103の長手方向が車両の左右方向となるように、取付ブラケット107を介して車室天井面(便宜上図示を省略する)の前側隅部に回動自在に装着される。
【0014】
車室天井面に装着されたサンバイザ101は、横軸部の軸回りに回動操作することで、車室の天井面に沿うように置かれる格納位置と、フロントガラスに沿うように置かれる遮光位置との間で配置位置を変更することができる。またサンバイザ101は、縦軸部回りに回動操作することで、フロント位置とサイドガラスに沿ったサイド位置との間で配置位置を変更することができる。またサンバイザ本体103は、上縁部の自由端側には、サポート軸109を有する。このサポート軸109は、車室の天井面に装着されるフック(便宜上図示を省略する)によって保持される。これによってサンバイザ101が格納位置から遮光位置へあるいは遮光位置から格納位置へと配置位置が変更されるときの、サンバイザ本体103の回動動作の安定化が図られている。
【0015】
サンバイザ本体103の表面側には、ミラーユニット120を取付けるための左右方向に長い略長方形状のミラーユニット収容凹部111(図8参照)が形成され、このミラーユニット収容凹部111にミラーユニット120が表面側から嵌め込むことによって装着される。
【0016】
次にミラーユニット120につき、図2〜図7を参照しつつ説明する。ミラーユニット120は、図2に示すように、ユニット本体を構成する合成樹脂製のフレーム121と、当該フレームに121に摺動自在に取付けられる合成樹脂製のスライドカバー123と、フレーム121に固定状に取付けられるミラー(平面鏡)125とを主体として構成される。フレーム121は、本発明における「フレーム」に対応し、スライドカバー123は、本発明における「カバー」に対応し、ミラー125は、本発明における「ミラー」に対応する。
【0017】
フレーム121は、方形状の枠部材であり、所定の間隔で離間されるとともに、互いに並行して延在する長辺側の2つの横枠部121aと、両横枠部121aの延在方向端部において当該両横枠部121a同士を互いに接続する縦枠部121bとを有する。そしてフレーム121には、両横枠部121aと両縦枠部121bとによって囲まれる方形状の開口空間127が形成されている。図5および図6に示すように、両横枠部121aの裏面側には、スライドカバー123およびミラー125を取付けるための取付枠部122が全長にわたって一体に形成されている。取付枠部122は、横枠部121aの裏面側に所定の高さで突出し、これら両取付枠部122間の空間がスライドカバー123の収容空間として設定される。取付枠部122は、本発明における「側壁部」に対応し、取付枠部122の延在方向が、本発明における「長軸方向」に対応する。横枠部121aおよび縦枠部121bの表面は、装飾面として設定される。
【0018】
取付枠部122には、当該取付枠部122に形成されたガイドレール部131を介してスライドカバー123が延在方向に摺動自在に取付けられ、更にスライドカバー123の裏面側においてミラー125が取付枠部122に固定状に取付けられる。取付枠部122に取付けられたスライドカバー123は、略方形状の板状に形成されており、フレーム121の開口空間127を開放する開放位置(図4の二点鎖線位置参照)と、開口空間127を閉じる閉止位置(図4の実線位置参照)との間で移動可能とされる。スライドカバー123を開放位置へと移動することでミラー125が当該開口空間127を通して表面側に露出され、スライドカバー123を閉止位置へと移動することでミラー125が覆い隠される。スライドカバー123の開放位置が、本発明における「ミラー露出位置」に対応し、閉止位置が「ミラー覆蓋位置」に対応する。
【0019】
両取付枠部122の内面には、図6に示すように、スライドカバー123の摺動動作をガイドするガイドレール部131が形成されている。ガイドレール部131は、本発明における「ガイド部材」に対応する。両ガイドレール部131は、スライドカバー123のスライド部123a,123bが挿入可能な断面コ形のガイド溝133を形成する溝形成部材として備えられ、裏面側と表面側のレール部131a,131bが内向きに(カバー収容空間側)所定長さで略水平状に突出することによりスライドカバー123がフレーム121の幅方向および厚み方向(図6の上下方向)に抜け出ないように規制する。スライドカバー123のスライド部123a,123bは、スライドカバー123の長辺側縁部のほぼ全長にわたって当該スライドカバー123よりも厚肉状の突部として形成されている。
【0020】
スライドカバー123は、図3に示すように、一方の縦枠部121b側からガイドレール部131のガイド溝133内にスライド部123a,123bを挿入することによって、取付枠部122に取り付けられる。このため、カバー取付側の縦枠部121bは、当該スライドカバー123の取付け、および取付け後のスライドカバー123がミラー125を露出させる位置へ移動することを許容するべく、その裏面がガイドレール部131の表面側レール部131bと同一平面に形成されている。これにより、カバー取付け側の縦枠部121bの裏面は、スライドカバー123が閉止位置と開放位置間で移動することを許容する開放空間とされる。なお、反対側の縦枠部121bの裏面側には、ミラー125を覆う閉じ位置へと移動されたスライドカバー123が当接して当該閉じ位置に停止するストッパ124(図3参照)が形成されている。
【0021】
また、スライドカバー123の組付けのために、ガイドレール部131のガイド溝133は、カバー取付側としての一方の縦枠部121b側の延在方向端部が開口され、この延在方向開口端部からスライドカバー123のスライド部123a,123bが挿入可能とされる。カバー取付け側の縦枠部121bの裏面開放空間を含むガイド溝133の延在方向開口端部が、本発明における「カバー取付開口端部」に対応する。
【0022】
スライドカバー123の表面側には、カバー開閉動作用としての摘み137が形成されている。当該摘み137は、カバー組付け時の挿入方向先端側のカバー表面に当該表面から所定高さで突出する幅方向に長い突部によって構成されている。このため、スライドカバー123をカバー取付け側の縦枠部121bの裏面に沿ってガイド溝133の延在方向開口端部から挿入しようとしても、摘み137が邪魔になって挿入できない。すなわち、図3の(A)に示す如く、カバー取付け側の縦枠部121bの外側からフレーム121に対してスライドカバー123を平行にした状態でガイド溝133内に挿入することができない。
【0023】
そこで、本実施の形態では、この摘み137の縦枠部121bに対する干渉を回避しつつ、スライドカバー123のフレーム121への組み付けを可能とするべく、両取付枠部122に形成されるガイドレール部131のうち、一方の取付枠部122のガイドレール部131が他方の取付枠部122のガイドレール部131よりも短く設定されている。すなわち、図3、図5、図7に示すように、一方の取付枠部122には、概ね全長にわたってガイドレール部131が形成されるが、他方の取付枠部122には、カバー取付側の所定の範囲がガイド溝133を有しない領域、つまりガイド溝133を形成しているガイドレール部131のうち、裏面側レール部131aが存在しないレール非形成領域135が形成されている。この裏面側レール部131aが存在しないレール非形成領域135が、本発明における「ガイド部材非形成領域」に対応する。
【0024】
本実施の形態によれば、上記のように構成したことにより、フレーム121にスライドカバー123を容易に取付けることが可能となる。すなわち、図3の(B)および図7の(A)に示すように、フレーム121の裏面側において、当該フレーム121に対しスライドカバー123を斜めに傾けるとともに、当該スライドカバー123の一方のスライド部123aの挿入側端部(図3および図7の右端)を一方の取付枠部122のガイドレール部131のガイド溝133に差し込む(図7の(B)参照)。その後、当該ガイド溝133の壁面を支点としてスライドカバー123を下方へ回動すれば、スライドカバー123の他方のスライド部123bの挿入側端部が他方の取付枠部122のレール非形成領域135に配置され、これによりスライドカバー123は取付枠部122に対して平行状態とされる。この状態が図3の(C)および図7の(C)に示される。このとき、スライドカバー123の摘み137がフレーム121の開口空間127内に配置されるため、その状態でスライドカバー123を奥側に移動すれば、摘み137により妨害されることなく、スライドカバー123のスライド部123a,123bをガイド溝133内に挿入することができる。かくして、フレーム121に対してスライドカバー123を容易に取付けることができる。(図3(D)および図4参照)。
【0025】
なお、図7に示すように、レール非形成領域135を有しないガイドレール部131の裏面側レール部131aは、レール非形成領域135と対向する箇所が他の領域に比べて厚肉に形成されるとともに、ガイド溝133に向かって傾斜するガイド面133aを備えている。このため、スライドカバー123のスライド部123a,123bのガイド溝133への差し込み動作を容易化できる。
【0026】
また、スライドカバー123の両スライド部123a,123bには、延在方向の挿入側端部付近にガイド溝133の溝底面と弾発状に接触する樹脂バネ139(図2参照)が設けられており、これにより、スライドカバー123の開閉動作に関して所定のスライド荷重が付与されている。
【0027】
上述したように、本実施形態のミラーユニット120においては、取付枠部122のカバー取付け側の所定の領域についてガイド溝133を有しない構成、すなわち裏面側レール部131aが形成されていないレール非形成領域135を設定している。そして、このレール非形成領域135を利用してスライドカバー123をカバー取付開口端部に配置した上で、当該スライドカバー123をガイドレール部131にガイドさせつつ長手方向へとスライドさせることにより、摘み137をカバー取付側の縦枠部121bに干渉させることなく、フレーム121に取付けることが可能となった。
すなわち、本実施の形態によれば、フレーム121を拡張変形させることなく、当該フレーム121にスライドカバー123を容易に取付けることができる。このため、取付後におけるスライドカバー123のスライド荷重が安定化するとともに、ガタツキの発生を防止することができる。
【0028】
なお、ミラー125は、スライドカバー123の取付け後において、フレーム121の裏面側から取付枠部122の裏面側レール部131aに重なるように開口空間127内に嵌め込まれる。すなわち、ミラー125は、スライドカバー123の裏面側において開口空間127に配置される(図8参照)。両取付枠部122には、互いに対向する内側面に弾性変形可能な係止爪141(図2および図5参照)が複数備えられており、この係止爪141が開口空間127に配置されたミラー125の両側縁部の裏面に係止することによって当該ミラー125が固定状に保持される。また、両取付枠部122のスライド方向のほぼ中央部には、開口空間127に配置されたミラー125の側端面に対し弾発状に接触するミラー保持用の樹脂バネ143(図2および図5参照)が設けられており、当該ミラー保持用樹脂バネ143によってミラー135のガタツキが規制されている。
【0029】
上記のように構成されるミラーユニット120は、サンバイザ本体103のミラーユニット収容凹部111に配置される。本実施の形態では、図8に示すように、ミラーユニット120のフレーム121の外周面に複数のリブ145を外向きに所定高さで形成し、当該リブ145によってサンバイザ本体103の外面(表面)を包装する表皮104がミラーユニット収容凹部111から抜け出ることを防止している。ミラーユニット120のフレーム121で表皮104を押さえ込みつつミラーユニット120をミラーユニット収容凹部111へ嵌め込むとき、表皮104はリブ145とミラーユニット収容凹部111の壁部147によって挟持される。このように、周方向において表皮104の複数個所がリブ145と壁部147とによって部分的に挟持されることで、表皮104が動き難くなり、ミラーユニット収容凹部111から抜け出ることが効果的に防止される。
【0030】
また、本実施の形態では、図9に示すように、サンバイザ本体103のミラーユニット収容凹部111の壁部147には、取付枠部122のミラー保持用樹脂バネ143と対向する領域に樹脂バネ149が更に設定されている。この樹脂バネ149は、ミラー保持用樹脂バネ143をミラー125の端面に向けて弾発状に押圧して当該ミラー保持用樹脂バネ143の保持力を助成するよう設定される。これにより取付枠部122に形成されたミラー保持用樹脂バネ143のミラー保持効果をより一層向上することが可能となる。
【0031】
なお、本実施の形態では、レール非成形領域135を一方の取付枠部122にのみ形成したが、他方の取付枠部122に形成してもよい。このような構成としたときは、スライドカバー123をフレーム121に対して平行状態のままで当該スライドカバー123の挿入側端部をレール非成形領域135に配置すれば、摘み137がフレーム121の開口空間127内に配置されることになる。従って、この状態でスライドカバー123を奥側へとスライドすれば、摘み137の縦枠部121bに対する干渉を受けることなく、ガイド溝133内にスライドカバー123のスライド部123a,123bを挿入して取付けることができる。
【0032】
なお、本発明の趣旨に鑑み、以下の態様を構成することができる。
(態様1)
「請求項1又は2に記載のミラーユニットであって、
前記カバー取付開口端部には、上下方向への開口部が形成され、前記カバーには上下方向に突出する手動操作部が形成され、前記カバー取付時には、当該手動操作部が上下方向開口部に対応して配置されることにより、当該手動操作部がカバー取付動作を阻害しないように構成されていることを特徴とするミラーユニット。」
【0033】
(態様2)
「請求項1又は2に記載のミラーユニットであって、
前記ガイド部は、断面略コ形のガイド溝を有するガイドレール部によって構成されていることを特徴とするミラーユニット。」
【0034】
(態様3)
「態様3に記載のミラーユニットであって、
前記ガイドレール部は、前記スライドカバーの前記ガイド溝への挿入をガイドする傾斜状のガイド面を有することを特徴とするミラーユニット。」
【符号の説明】
【0035】
101 車両用サンバイザ
103 サンバイザ本体
104 表皮
105 支軸
107 取付ブラケット
109 サポート軸
111 ミラーユニット収容凹部
120 ミラーユニット
121 フレーム
121a 横枠部
121b 縦枠部
122 取付枠部
123 スライドカバー
123a,123b スライド部
124 ストッパ
125 ミラー
127 開口空間
131 ガイドレール部
131a 裏面側レール部
131b 表面側レール部
133 ガイド溝
133a ガイド面
135 レール非形成領域
137 摘み
139 樹脂バネ
141 係止爪
143 樹脂バネ
145 リブ
147 壁部
149 樹脂バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンバイザ本体に取付けられるミラーユニットであって、
前記サンバイザ本体に固定されるフレームと、
前記フレームに取付けられるミラーと、
前記フレームに取付けられて前記ミラーを覆うカバーと、
前記フレームの互いに対向する両側部において、当該フレームの所定の長軸方向と交差する幅方向に離間して設けられるとともに、当該長軸方向に沿ってそれぞれ延在状に形成された側壁部と、
前記フレームにおいて両側の側壁部の間に形成され、前記カバーを収容するカバー収容空間と、
前記両側壁部に形成され、前記カバー収容空間に突出することにより、当該カバー収容空間に収容された前記カバーが前記長軸方向および幅方向と交差する方向として定義される上下方向に抜け出すことを規制するとともに、当該カバーが、前記ミラーを覆うミラー覆蓋位置と、ミラーを露出させるミラー露出位置との間で、前記長軸方向に沿ってスライドさせるガイド部材と、
前記フレームの長軸方向一端側において、前記カバーを前記カバー収容空間に挿入取付するためのカバー取付開口端部と、を有し、
前記カバー取付開口端部は、前記両側壁部の少なくとも一方に設定された前記ガイド部材非形成領域を有し、当該ガイド部材非形成領域においては、前記カバーが前記上下方向において当該カバー取付開口端部に配置されるとともに、前記長軸方向に沿って、前記ガイド部材にガイドされながら前記カバー収容空間へとスライド状に収容されるように構成されていることを特徴とするミラーユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のミラーユニットであって、
前記カバー取付開口端部は、両側壁部の一方がガイド部材形成領域とされ、両側壁部の他方がガイド部材非形成領域とされ、前記カバーは、一端が当該ガイド部材形成領域側の側壁部ないし近傍において回動中心をなすとともに、他端が、前記上下方向を接線とする回動動作によって前記ガイド部材非形成領域側の側壁部に置かれ、これによって前記カバーが前記カバー取付開口端部に配置されることを特徴とするミラーユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のミラーユニットと、当該ミラーユニットを収容するための収容部が形成されたサンバイザ本体とを有する車両用サンバイザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−101623(P2012−101623A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250501(P2010−250501)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(599041329)共和産業株式会社 (76)
【Fターム(参考)】