説明

ミラー駆動装置及び撮像装置

【課題】ミラーを撮影レンズからイメージセンサに至る撮影光路上の位置とこの撮影光路上から外れた位置とに移動させるときの移動速度を高速化すると共に、このときのモータ駆動による消費電力を低減すること。
【解決手段】撮影レンズ3を通る撮影光路Q上の第1の位置と撮影光路Qから外れた第2の位置とにミラー7を移動させるもので、少なくともミラー7を第1の位置又は第2の位置への移動を開始するときに、磁気力により生じる反発力又は吸引力のいずれか一方又は両方によってミラーを移動させる複数の磁気デバイス31〜34を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズを通る撮影光路上の位置とこの撮影光路上から外れた位置とにミラーを移動させるミラー駆動装置、及びこのミラー駆動装置を用いた例えば一眼レフレックスカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、一眼レフレックスカメラは、クリックリターンミラー機構として知られるミラー駆動装置を備える。このミラー駆動装置は、撮影前、ミラーをファインダの観察位置すなわち撮影レンズからイメージセンサに至る撮影光路上に配置する。このとき、撮影者は、撮影レンズを通して入射し、ミラーで反射した被写体像を観察することができる。
一方、撮影時、レリーズボタンの操作を受けてイメージセンサにより露光を行うとき、ミラー駆動装置は、ミラーを例えば跳ね上げ回転動作させて一時的に撮影光路上から退避させる。これにより、撮影レンズを通して入射した被写体像は、イメージセンサに入射し、露光が行われる。イメージセンサへの露光が終了すると、ミラー駆動装置は、ミラーを元の位置すなわち観察光路上のファインダ観察位置に戻す。
【0003】
このようなミラーを駆動する技術は、例えば特許文献1、2に開示されている。特許文献1は、ミラーの駆動に超音波モータを使用することを開示する。特許文献2は、観察光路から退避するようにミラー上昇させ、かつミラーの下降時に電磁装置等の磁石による吸着力で反射ミラーを吸着することによりミラーの下降時のバウンドを防止し、早期に次の撮影における像の安定を図ることを開示する。
【特許文献1】特開平8−122915号公報
【特許文献2】特開平9−203971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一眼レフレックスカメラは、例えば1秒間に撮影可能なコマ数を多くする必要性を生じることがある。このような場合、一眼レフレックスカメラでは、ミラーの移動を速くするためにモータの駆動速度を速くし、レリーズの指令を受けてからシャッタを開放するまでのタイムラグを小さくする必要がある。ミラーを移動させるためのモータ、例えば特許文献1に開示されている超音波モータの駆動速度を速くすることは、一眼レフレックスカメラ内での消費電力を大きくすることになる。一眼レフレックスカメラ内における消費電力は、撮影時におけるモータ駆動時にピークになることが多い。一眼レフレックスカメラが正常に動作するには、ピーク時の消費電力を低減することが必要である。
【0005】
特許文献2は、電磁装置等の磁石による吸着力で反射ミラーを吸着することによりミラーの下降時のバウンドを防止し、早期に次の撮影における像の安定を図ることを開示するが、例えば1秒間に撮影可能なコマ数を多くするためにミラーの移動を速くする技術については開示されていない。
【0006】
本発明の目的は、ミラーを撮影レンズからイメージセンサに至る撮影光路上の位置とこの撮影光路上から外れた位置とに移動させるときの移動速度を高速化すると共に、このときのモータ駆動による消費電力を低減できるミラー駆動装置及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係るミラー駆動装置は、撮影レンズを通る撮影光路上の第1の位置と前記撮影光路から外れた第2の位置とにミラーを移動させるもので、少なくともミラーを第1の位置又は第2の位置への移動を開始するときに、磁気力により生じる反発力又は吸引力のいずれか一方又は両方によってミラーを移動させる複数の磁気デバイスを具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、撮影レンズを通る撮影光路上の第1の位置と撮影光路から外れた第2の位置とに移動可能なミラーを有し、シャッタを開放する指令を受けると、ミラーを第1の位置から第2の位置に移動させてからシャッタを開放し、再びミラーを第2の位置から第1の位置に移動させるもので、少なくともミラーを第1の位置又は第2の位置への移動を開始するときに、磁気力により生じる反発力又は吸引力のいずれか一方又は両方によってミラーを移動させる複数の磁気デバイスを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ミラーを撮影レンズからイメージセンサに至る撮影光路上の位置とこの撮影光路上から外れた位置とに移動させるときの移動速度を高速化すると共に、このときのモータ駆動による消費電力を低減できるミラー駆動装置及び撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はミラー駆動装置を適用した一眼レフレックスカメラ等の撮像装置(デジタルカメラシステム)の構成図を示す。なお、カメラ本体1の幅方向をx方向とし、奥行き方向をy方向とし、高さ方向をz方向とする。このうち高さ方向zのうち正側を上方側、負側を下方側とする。
カメラ本体1には、交換レンズ2が着脱可能に取り付けられている。この交換レンズ2は、撮影レンズ3とモータ/エンコーダ4とを有する。撮影レンズ3は、例えば被写体5の被写体像をイメージャ6の撮影面上に結ぶ。このイメージャ6は、撮影レンズ3を通る撮影光路Q上に設けられている。モータ/エンコーダ4は、オートフォーカス(AF)を行うために撮影レンズ3を撮影光路Q上でかつ撮影光路Qと同一方向に移動する。
【0011】
カメラ本体1内には、クイックリターンミラー7が軸8を中心として矢印A方向に回転可能に軸支されている。このクイックリターンミラー7は、メインミラー7aとサブミラー7bとから成る。メインミラー7aは、被写体5からの光像の一部を反射すると共に、残りの光像を透過する。サブミラー7bは、被写体5からの光像を反射する。又、カメラ本体1内には、クイックリターンミラー7の回転を停止するための第1の支持体9と第2の支持体10とが設けられている。このうち第1の支持体9は、例えば撮影光路Qよりも下方側に設けられ、第2の支持体10は、撮影光路Qよりも上方側に設けられている。
【0012】
モータ/エンコーダ11は、クイックリターンミラー7を軸8を中心としてモータの駆動により矢印A方向に回転させる。クイックリターンミラー7は、通常、第1の支持体9上に保持され、撮影光路Q上でかつ当該撮影光路Qと交差する第1の位置に配置される。なお、図1に示すクイックリターンミラー7は、第1の位置に配置されている状態である。
一方、レリーズが操作された撮影時には、クイックリターンミラー7は、軸8を中心として回転して上方側に向かって移動し、第2の支持体10上に当接して保持され、撮影光路Q上から外れて当該撮影光路Qと交差することのない第2の位置に配置される。
【0013】
クイックリターンミラー7が撮影光路Qと交差する第1の位置に配置されている状態のクイックリターンミラー7の反射光路上には、ペンタプリズム12が設けられている。このペンタプリズム12の出力光路上には、レンズ13を介して被写体5の被写体像を確認するためのファインダ14が設けられている。
又、クイックリターンミラー7が撮影光路Qと交差する第1の位置に配置されている状態のクイックリターンミラー7の透過光路上すなわち撮影光路Q上には、当該クイックリターンミラー7のサブミラー7bと、メカニカルシャッタ15と、イメージャ6とが設けられている。メカニカルシャッタ15は、レリーズが操作された撮影時に、被写体5を適正な露出で撮影するのに必要な露光条件に応じた露光時間だけ開放状態になる。イメージャ6は、撮影レンズ3により結像された被写体5の被写体像を受光し、この被写体像に応じた映像信号を出力する。このイメージャ6の出力端子には、A/Dコンバータ16が接続されている。このA/Dコンバータ16は、イメージャ6から出力された映像信号をデジタル信号に変換する。
【0014】
クイックリターンミラー7のサブミラー7bの反射光路上には、レンズ17、ミラー18、アパーチャ19、レンズ20を介して測距センサ21が設けられている。この測距センサ21は、被写体5の被写体像の一部を受光し、この被写体像に基づいて被写体5までの距離に応じた距離信号を出力する。
操作部22は、ユーザによって本撮像装置を操作するためのボタンやスイッチ類や各種情報を表示するための表示部等を有する。
【0015】
カメラ制御部23は、例えばレリーズが操作された撮影時に本撮像装置の一連の撮影動作を制御するもので、ミラー制御部24と、オートフォーカス(AF)制御部25と、画像処理部26とを有する。このうちミラー制御部24は、例えばレリーズが操作された撮影時に、モータ/エンコーダ11に対してクイックリターンミラー7の上昇信号、続いて下降信号を出力し、クイックリターンミラー7を軸8を中心として第1の位置から上方側に向かって回転させて第2の位置に配置し、続いてクイックリターンミラー7を軸8を中心として第2の位置から下方側に向かって回転させて第1の位置に戻す。
【0016】
なお、モータ/エンコーダ11は、ミラー制御部24からの上昇信号を受けると、モータを回転させてクイックリターンミラー7を上方向側に回転させると共に、このときのモータの回転に応じてパルス信号を出力する。ミラー制御部24は、モータ/エンコーダ11から出力されるパルス信号を計数し、クイックリターンミラー7が第1の位置から第2の位置に到達する回転角度に相当するパルス数に達すると、モータ/エンコーダ11に対してモータ停止信号を出力する。又、モータ/エンコーダ11は、ミラー制御部24からの下降信号を受けると、モータを逆方向に回転させてクイックリターンミラー7を下方向に回転させると共に、このときのモータの回転に応じてパルス信号を出力する。ミラー制御部24は、モータ/エンコーダ11から出力されるパルス信号を計数し、クイックリターンミラー7が第2の位置から第1の位置に到達する回転角度に相当するパルス数に達すると、モータ/エンコーダ11に対してモータ停止信号を出力する。
【0017】
AF制御部25は、測距センサ21から出力される距離信号を入力し、この距離信号に基づいて交換レンズ2のモータ/エンコーダ4に対してAF制御信号を出力する。このモータ/エンコーダ4は、AF制御部25から出力されたAF制御信号に応じて撮影レンズ3を撮影光路Qと同一方向に移動する。
画像処理部26は、A/Dコンバータ16から出力されるデジタル映像信号を入力し、このデジタル映像信号を画像データとして画像記憶装置に記憶し、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に表示する。
【0018】
クイックリターンミラー7には、図2の主要拡大図に示すようなミラー駆動装置30が備えられている。このミラー駆動装置30は、クイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置へ、又は第2の位置から第1の位置へ移動を開始するときに、磁気力により生じる反発力又は吸引力のいずれか一方又は両方によってクイックリターンミラー7を移動させる複数の磁気デバイスとして例えば永久磁石、電磁石を備える。以下、具体的に説明する。
クイックリターンミラー7のメインミラー7aにおける第1面7a−1(第1の支持体9側)には、第1の磁気デバイスとしての第1の永久磁石31が設けられ、かつ第1面7a−1と反対側の第2面7a−2(第2の支持体10側)には、第1の磁気デバイスとして第2の永久磁石32が設けられている。これら第1と第2の永久磁石31、32は、それぞれ例えばクイックリターンミラー7の軸8を設けた一端部とは反対側の他端部に設けられている。これら第1と第2の永久磁石31、32の形状は、それぞれ例えば円柱、直方体等の如何なる形状でもよい。なお、クイックリターンミラー7の第1面7a−1は、通常、第1の支持体9に対峙する。これに対してクイックリターンミラー7の第2面7a−2は、クイックリターンミラー7の回転による上方側への移動により第2の支持体10に対峙する。
【0019】
一方、第1の支持体9には、第2の磁気デバイスとして第1の電磁石33が設けられている。この第1の電磁石33は、クイックリターンミラー7が通常の第1の位置に保持されているときに当該クイックリターンミラー7上の第1の永久磁石31と対峙する位置に設けられている。
又、第2の支持体10には、第2の磁気デバイスとして第2の電磁石34が設けられている。この第2の電磁石34は、クイックリターンミラー7が上方側に回転して第2の位置に保持されるときに当該クイックリターンミラー7上の第2の永久磁石32と対峙する位置に設けられている。
【0020】
ミラー制御部24は、第1、第2の電磁石33、34をそれぞれN極又はS極に磁極制御する。これにより、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力又は吸引力を発生させ、かつ第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力又は吸引力を発生させる。例えば、第1の永久磁石31における第1の電磁石33と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第1の電磁石33の磁極をN極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を発生させ、又、第1の電磁石33の磁極をS極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を発生させる。
同様に、第2の永久磁石32における第2の電磁石34と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をN極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を発生させ、又、第2の電磁石34の磁極をS極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を発生させる。
【0021】
ミラー制御部24は、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に制御して第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせる。又、ミラー制御部24は、レリーズ操作を受けてからメカニカルシャッタ15が開閉した後のクイックリターンミラー7を第2の位置から第1の位置に向けての移動開始時に、第2の電磁石34の磁極をS極又はN極に制御して第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。
【0022】
次に、上記の如く構成された撮像装置の動作について説明する。
撮影前、被写体5からの被写体像は、撮影レンズ3により集光されてクイックリターンミラー7に入射し、その一部がクイックリターンミラー7で反射してペンタプリズム12に入射すると共に、残りの被写体像がメインミラー7aを透過してサブミラー7bに入射し、このサブミラー7bで反射する。ペンタプリズム12に入射した被写体像は、レンズ13を通ってファインダ14に結像する。又、クイックリターンミラー7のメインミラー7aを透過した被写体像のうち一部がサブミラー7bで反射し、レンズ17、ミラー18、アパーチャ19、レンズ20を介して測距センサ21に入射する。この測距センサ21は、被写体5の被写体像の一部を受光し、この被写体像に基づいて被写体5までの距離に応じた距離信号を出力する。
【0023】
AF制御部25は、測距センサ21から出力される距離信号を入力し、この距離信号に基づいて交換レンズ2のモータ/エンコーダ4に対してAF制御信号を出力する。このモータ/エンコーダ4は、AF制御部25から出力されたAF制御信号に応じて撮影レンズ3を撮影光路Qと同一方向に移動する。
【0024】
この状態に、レリーズ操作すなわちレリーズボタンがオン(ON)操作されたときの撮影動作について図3に示す撮影動作フローチャートと図4に示す撮影動作タイミング図とを参照して説明する。
レリーズ操作すなわちレリーズボタンがオン(ON)操作されると、ミラー制御部24は、ステップS1において、レリーズボタンがオンされたことを判断する。
次に、ミラー制御部24は、ステップS2において、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、モータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の上方側への回転動作に先立ち、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に励磁し、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせる。例えば、第1の永久磁石31における第1の電磁石33と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第1の電磁石33の磁極をN極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を発生させる。又、第1の永久磁石31における第1の電磁石33と対峙する面の磁極が例えばS極であれば、ミラー制御部24は、第1の電磁石33の磁極をS極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を発生させる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS3において、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の上方側に向けて回転を開始する。
【0025】
次に、ミラー制御部24は、ステップS4において、モータ/エンコーダ11に対してクイックリターンミラー7の上昇信号を出力する。このモータ/エンコーダ11は、ステップS5において、モータを駆動し、クイックリターンミラー7を軸8を中心として第1の位置から上方側に向かって回転させて第2の位置に配置する。このようにモータ/エンコーダ11によってクイックリターンミラー7を回転させるとき、クイックリターンミラー7は、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって上方側に向けて回転を開始しているので、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力が無い場合よりも高速で上方側に向けて回転する。
【0026】
そして、クイックリターンミラー7は、上方側に向けて回転し、ステップS6において、第2の支持体10に当接して第2の位置に制止される。なお、クイックリターンミラー7の第2の位置への制止は、第2の永久磁石32と第2の電磁石34との当接により行われる。このとき、第2の電磁石34は、N極又はS極に励磁されていないので、第2の永久磁石32と第2の電磁石34との間に反発力又は吸引力は生じていない。
【0027】
次に、カメラ制御部23は、メカニカルシャッタ15を被写体5を適正な露出で撮影するのに必要な露光条件に応じた露光時間だけ開放状態にする。これにより、イメージャ6は、撮影レンズ3により結像された被写体5の被写体像を受光し、この被写体像に応じた映像信号を出力する。A/Dコンバータ16は、イメージャ6から出力された映像信号をデジタル信号に変換する。画像処理部26は、A/Dコンバータ16から出力されるデジタル映像信号を入力し、このデジタル映像信号を画像データとして画像記憶装置に記憶し、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に表示する。
【0028】
次に、カメラ制御部23は、ステップS7において、露光が完了したことを判断すると、次のステップS8において、モータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の下方側への回転動作に先立ち、第2の電磁石34の磁極をN極又はS極に励磁し、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。例えば、第2の永久磁石32における第2の電磁石34と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をN極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を発生させる。又、第2の永久磁石32における第2の電磁石34と対峙する面の磁極が例えばS極であれば、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をS極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を発生させる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS9において、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の下方側に向けて回転を開始する。
【0029】
次に、ミラー制御部24は、ステップS10において、モータ/エンコーダ11に対してクイックリターンミラー7の下降信号を出力する。このモータ/エンコーダ11は、ステップS11において、モータを駆動し、クイックリターンミラー7を軸8を中心として第2の位置から下方側に向かって回転させて第1の位置に配置する。このようにモータ/エンコーダ11によってクイックリターンミラー7を回転させるとき、クイックリターンミラー7は、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によって下方側に向けて回転を開始しているので、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力が無い場合よりも高速で下方側に向けて回転する。
【0030】
そして、クイックリターンミラー7は、下方側に向けて回転し、ステップS12において、第1の支持体9に当接して第1の位置に制止される。なお、クイックリターンミラー7の第1の位置への制止は、第1の永久磁石31と第1の電磁石33との当接により行われる。このとき、第1の電磁石33は、N極又はS極に励磁されていないので、第1の永久磁石31と第1の電磁石33との間に反発力又は吸引力は生じていない。
【0031】
このように上記第1の実施の形態によれば、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に制御して第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせ、かつ露光完了後、クイックリターンミラー7を第2の位置から第1の位置に向けての移動開始時に、第2の電磁石34の磁極をS極又はN極に制御して第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。
【0032】
これにより、クイックリターンミラー7を上方側又は下方側に向けて回転開始するときに、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力が無い場合よりも高速で回転することができ、かつ第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって上方側又は下方側に向けて回転開始している状態にモータ/エンコーダ11によってクイックリターンミラー7を回転させるので、モータ/エンコーダ11は、モータ/エンコーダ11のみでクイックリターンミラー7を回転させるときよりも小さな回転力でクイックリターンミラー7を回転させることができる。すなわち、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力と、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力とによってモータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の回転の初期駆動を補助できる。これにより、モータ/エンコーダ11のモータ駆動による消費電力を低減できる。
【0033】
クイックリターンミラー7に第1の永久磁石31と第2の永久磁石32とを設け、かつ第1の支持体9に第1の電磁石33を設けると共に、第2の支持体10に第2の電磁石34を設けている。例えばクイックリターンミラー7に第1及び第2の電磁石34を設けることが可能であるが、当該クイックリターンミラー7に第1及び第2の電磁石34を設けると、クイックリターンミラー7に第1及び第2の電磁石34に電気的に接続する配線を行わなければならず、複雑化するおそれがある。これにより、クイックリターンミラー7には第1及び第2の永久磁石32を設けることが有効である。
【0034】
上記第1の実施の形態は、クイックリターンミラー7の上方側への回転に第1の永久磁石31と第1の電磁石33との一対で行い、クイックリターンミラー7の上方側への回転に第2の永久磁石32と第2の電磁石34との一対で行うようにしているが、これに限らず、これら第1の永久磁石31と第1の電磁石33と第2の永久磁石32と第2の電磁石34とは、それぞれその配置位置やその数量を任意に設定することが可能であり、その形状も限定されない。又、第1の永久磁石31及び第2の永久磁石32は、電磁石により形成してもよい。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、ミラー駆動装置を適用した一眼レフレックスカメラ等の撮像装置は、図1及び図2に示す構成と同一であり、相違する構成について説明する。
ミラー制御部24は、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に制御して第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせる。又、ミラー制御部24は、レリーズ操作を受けてからメカニカルシャッタ15が開閉した後のクイックリターンミラー7を第2の位置から第1の位置に向けての移動開始時に、第2の電磁石34の磁極をS極又はN極に制御して第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。
【0036】
これに加えてミラー制御部24は、クイックリターンミラー7が上方側に向けて回転して第1の位置から第2の位置に到達する直前に、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を生じさせる。又、ミラー制御部24は、クイックリターンミラー7が下方側に向けて回転して第2の位置から第1の位置に到達する直前に、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を生じさせる。
【0037】
次に、レリーズ操作すなわちレリーズボタンがオン(ON)操作されたときの撮影動作について図5に示す撮影動作フローチャートと図6に示す撮影動作タイミング図とを参照して説明する。
レリーズ操作すなわちレリーズボタンがオン(ON)操作されると、ミラー制御部24は、ステップS20において、レリーズボタンがオンされたことを判断する。
次に、ミラー制御部24は、ステップS21において、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、モータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の上方側への回転動作に先立ち、上記同様に、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に励磁し、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS22において、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の上方側に向けて回転を開始する。
【0038】
次に、ミラー制御部24は、ステップS23において、モータ/エンコーダ11に対してクイックリターンミラー7の上昇信号を出力する。このモータ/エンコーダ11は、ステップS24において、モータを駆動し、クイックリターンミラー7を軸8を中心として第1の位置から上方側に向かって回転させて第2の位置に配置する。このようにモータ/エンコーダ11によってクイックリターンミラー7を回転させるとき、クイックリターンミラー7は、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって上方側に向けて回転を開始しているので、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力が無い場合よりも高速で上方側に向けて回転する。
【0039】
次に、ミラー制御部24は、ステップS25において、第2の電磁石34の磁極をN極又はS極に励磁し、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を生じさせる。例えば、第2の永久磁石32における第2の電磁石34と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をS極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を発生させる。又、第2の永久磁石32における第2の電磁石34と対峙する面の磁極が例えばS極であれば、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をN極に制御することにより第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を発生させる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS24において、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の吸引力によって第2の支持体10側に吸着されるように回転する。
【0040】
次に、ミラー制御部24は、ステップS27において、モータ/エンコーダ11に対して停止信号を出力する。これにより、モータ/エンコーダ11は、モータの駆動を停止する。
クイックリターンミラー7は、モータ/エンコーダ11のモータにより駆動が停止しても第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の吸引力によって第2の支持体10に吸着されるように上方側に向けて回転する。
そして、クイックリターンミラー7は、上方側に向けて回転し、ステップS28において、第2の支持体10に当接して第2の位置に制止される。なお、クイックリターンミラー7の第2の位置への制止は、第2の永久磁石32と第2の電磁石34との当接により行われる。
【0041】
次に、カメラ制御部23は、メカニカルシャッタ15を被写体5を適正な露出で撮影するのに必要な露光条件に応じた露光時間だけ開放状態にする。これにより、イメージャ6は、撮影レンズ3により結像された被写体5の被写体像を受光し、この被写体像に応じた映像信号を出力する。A/Dコンバータ16は、イメージャ6から出力された映像信号をデジタル信号に変換する。画像処理部26は、A/Dコンバータ16から出力されるデジタル映像信号を入力し、このデジタル映像信号を画像データとして画像記憶装置に記憶し、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に表示する。
【0042】
次に、カメラ制御部23は、ステップS29において、露光が完了したことを判断すると、次のステップS30において、モータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の下方側への回転動作に先立ち、上記同様に、第2の電磁石34の磁極をN極又はS極に励磁し、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS31において、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の下方側に向けて回転を開始する。
【0043】
次に、ミラー制御部24は、ステップS32において、モータ/エンコーダ11に対してクイックリターンミラー7の下降信号を出力する。このモータ/エンコーダ11は、ステップS33において、モータを駆動し、クイックリターンミラー7を軸8を中心として第2の位置から下方側に向かって回転させて第1の位置に配置する。このようにモータ/エンコーダ11によってクイックリターンミラー7を回転させるとき、クイックリターンミラー7は、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によって下方側に向けて回転を開始しているので、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力が無い場合よりも高速で下方側に向けて回転する。
【0044】
次に、ミラー制御部24は、ステップS34において、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に励磁し、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を生じさせる。例えば、第1の永久磁石31における第1の電磁石33と対峙する面の磁極が例えばN極であれば、ミラー制御部24は、第1の電磁石31の磁極をS極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を発生させる。又、第1の永久磁石31における第1の電磁石33と対峙する面の磁極が例えばS極であれば、ミラー制御部24は、第1の電磁石31の磁極をN極に制御することにより第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を発生させる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS35において、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の吸引力によって第1の支持体9側に吸着されるように回転する。
【0045】
次に、ミラー制御部24は、ステップS36において、モータ/エンコーダ11に対して停止信号を出力する。これにより、モータ/エンコーダ11は、モータの駆動を停止する。
クイックリターンミラー7は、モータ/エンコーダ11のモータにより駆動が停止しても第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の吸引力によって第1の支持体9に吸着されるように下方側に向けて回転する。
そして、クイックリターンミラー7は、下方側に向けて回転し、ステップS37において、第1の支持体9に当接して第1の位置に制止される。なお、クイックリターンミラー7の第1の位置への制止は、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との当接により行われる。
【0046】
このように上記第2の実施の形態によれば、クイックリターンミラー7が上方側に向けて回転して第1の位置から第2の位置に到達する直前に、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を生じさせる。又、ミラー制御部24は、クイックリターンミラー7が下方側に向けて回転して第2の位置から第1の位置に到達する直前に、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を生じさせる。
【0047】
これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができるのは言うまでもなく、上記第1の実施の形態のようにクイックリターンミラー7を上方側又は下方側に向けて回転開始するときに加えて、クイックリターンミラー7を第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の吸引力によって第2の支持体10に吸着されるように制止させ、かつクイックリターンミラー7を第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の吸引力によって第1の支持体9に吸着されるように制止させることができる。この結果、クイックリターンミラー7が上方側に向けて回転して第2の位置に到達する直前と、クイックリターンミラー7が下方側に向けて回転して第1の位置に到達する直前とに、モータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の回転の初期駆動を補助でき、さらにモータ/エンコーダ11によるクイックリターンミラー7の回転動作を行わなくてもよくなり、上記第1の実施の形態よりもモータ/エンコーダ11におけるモータの駆動期間を短くすることができ、モータの消費電力を低減できる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、ミラー駆動装置を適用した一眼レフレックスカメラ等の撮像装置は、図1及び図2に示す構成と同一であり、相違する構成について説明する。
図7はクイックリターンミラー7のミラー駆動装置の主要部の拡大図を示す。このクイックリターンミラー7のミラー駆動装置は、クイックリターンミラー7を軸8を中心としてモータの駆動により矢印A方向に回転させるモータ/エンコーダ11を用いない場合である。
このような構成であれば、ミラー制御部24は、レリーズ操作を受けたときのクイックリターンミラー7を第1の位置から第2の位置に向けての移動開始時に、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に励磁し、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に反発力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の上方側に向けて回転を開始する。そして、クイックリターンミラー7は、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力によってさらに上方側に向けて回転する。
【0049】
これと共に、ミラー制御部24は、第2の電磁石34の磁極をN極又はS極に励磁し、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に吸引力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、上方側に向けて回転している途中から第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の吸引力によって吸引され、この吸引力によって第2の支持体10側に吸着されるように回転する。
そして、クイックリターンミラー7は、上方側に向けて回転し、第2の支持体10に当接して第2の位置に制止される。
【0050】
次に、カメラ制御部23は、上記同様に、メカニカルシャッタ15を開放状態にして露光を行い、露光が完了したことを判断すると、第2の電磁石34の磁極をN極又はS極に励磁し、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間に反発力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS31において、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によって軸8を中心に矢印A方向の下方側に向けて回転を開始する。そして、クイックリターンミラー7は、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の反発力によってさらに下方側に向けて回転する。
【0051】
これと共に、ミラー制御部24は、ステップS34において、第1の電磁石33の磁極をN極又はS極に励磁し、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間に吸引力を生じさせる。これにより、クイックリターンミラー7は、ステップS35において、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の吸引力によって第1の支持体9側に吸着されるように回転する。
そして、クイックリターンミラー7は、下方側に向けて回転し、第1の支持体9に当接して第1の位置に制止される。
【0052】
このように上記第3の実施の形態によれば、クイックリターンミラー7を軸8を中心としてモータの駆動により矢印A方向に回転させるモータ/エンコーダ11を用いずに、第1の電磁石33と第1の永久磁石31との間の反発力又は吸引力と、第2の電磁石34と第2の永久磁石32との間の吸引力又は反発力とによってクイックリターンミラー7を回転させるので、上記第2及び第3の実施の形態よりもモータの消費電力を低減できる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るミラー駆動装置を適用したデジタルカメラシステム等の撮像装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置におけるクイックリターンミラーのミラー駆動装置を示す主要拡大図。
【図3】同装置における撮影動作フローチャート。
【図4】同装置における撮影動作タイミング図。
【図5】本発明に係るミラー駆動装置を適用したデジタルカメラシステム等の撮像装置の第2の実施の形態における撮影動作フローチャート。
【図6】同装置の第2の実施の形態における撮影動作タイミング図。
【図7】本発明に係るミラー駆動装置を適用したデジタルカメラシステム等の撮像装置の第3の実施の形態におけるクイックリターンミラーのミラー駆動装置を示す主要拡大図。
【符号の説明】
【0055】
1:カメラ本体、2:交換レンズ、3:撮影レンズ、4:モータ/エンコーダ、5:被写体、6:イメージャ、Q:撮影光路、7:クイックリターンミラー、8:軸、7a:メインミラー、7b:サブミラー、7a−1:クイックリターンミラーの第1面、7a−2:クイックリターンミラーの第2面、9:第1の支持体、10:第2の支持体、11:モータ/エンコーダ、12:ペンタプリズム、13:レンズ、14:ファインダ、15:メカニカルシャッタ、16:A/Dコンバータ、17:レンズ、18:ミラー、19:アパーチャ、20:レンズ、21:測距センサ、22:操作部、23:カメラ制御部、24:ミラー制御部、25:AF制御部、26:画像処理部、30:ミラー駆動装置、31:第1の永久磁石、32:第2の永久磁石、33:第1の電磁石、34:第2の電磁石。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを通る撮影光路上の第1の位置と前記撮影光路から外れた第2の位置とにミラーを移動させるミラー駆動装置において、
少なくとも前記ミラーを前記第1の位置又は前記第2の位置への移動を開始するときに、磁気力により生じる反発力又は吸引力のいずれか一方又は両方によって前記ミラーを移動させる複数の磁気デバイス、
を具備することを特徴とするミラー駆動装置。
【請求項2】
前記複数の磁気デバイスは、前記ミラーに設けられた第1の磁気デバイスと、前記第1の位置と前記第2の位置とに設けられた第2の磁気デバイスとを有し、
前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記反発力又は前記吸引力のいずれか一方又は両方を生じさせるミラー制御部、
を有することを特徴とする請求項1記載のミラー駆動装置。
【請求項3】
前記ミラー制御部は、少なくとも前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に向けての移動開始時又は前記第2の位置から前記第1の位置に向けての移動開始時に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記反発力を生じさせることを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項4】
前記ミラー制御部は、少なくとも前記ミラーが前記第2の位置に到達する直前又は前記第1の位置に到達する直前に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記吸引力を生じさせることを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項5】
前記ミラー制御部は、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に向けての移動開始時又は前記第2の位置から前記第1の位置に向けての移動開始時に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記反発力を生じさせ、かつ前記ミラーが前記第2の位置に到達する直前又は前記第1の位置に到達する直前に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記吸引力を生じさせることを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項6】
前記ミラーをモータの駆動によって前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させるモータ駆動部を有し、
前記ミラー制御部は、少なくとも前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に向けての移動開始時又は前記第2の位置から前記第1の位置に向けての移動開始時に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記反発力を生じさせ、これと共に前記モータ駆動部を動作させて前記ミラーを前記第2の位置又は前記第1の位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項7】
前記ミラーをモータの駆動によって前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させるモータ駆動部を有し、
前記ミラー制御部は、前記ミラーが前記第2の位置に到達する直前又は前記第1の位置に到達する直前に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記吸引力を生じさせ、これと共に前記モータ駆動部を動作させて前記ミラーを前記第2の位置又は前記第1の位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項8】
前記ミラーをモータの駆動によって前記第1の位置と前記第2の位置とに移動させるモータ駆動部を有し、
前記ミラー制御部は、少なくとも前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に向けての移動開始時又は前記第2の位置から前記第1の位置に向けての移動開始時に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記反発力を生じさせ、これと共に前記モータ駆動部を動作させて前記ミラーを前記第2の位置又は前記第1の位置に移動させ、かつ前記ミラーが前記第2の位置に到達する直前又は前記第1の位置に到達する直前に、前記第1の磁気デバイスと前記第2の磁気デバイスとの間に前記吸引力を生じさせ、これと共に前記モータ駆動部を動作させて前記ミラーを前記第2の位置又は前記第1の位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項9】
前記複数の磁気デバイスは、少なくとも永久磁石、電磁石を有することを特徴とする請求項1記載のミラー駆動装置。
【請求項10】
前記第1の磁気デバイスは、前記永久磁石であり、
前記第2の磁気デバイスは、前記電磁石である、
ことを特徴とする請求項2記載のミラー駆動装置。
【請求項11】
撮影レンズを通る撮影光路上の第1の位置と前記撮影光路から外れた第2の位置とに移動可能なミラーを有し、シャッタを開放する指令を受けると、前記ミラーを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させてから前記シャッタを開放し、再び前記ミラーを前記第2の位置から前記第1の位置に移動させる撮像装置において、
請求項1乃至8のうちいずれか1項記載のミラー駆動装置を具備したことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−271128(P2009−271128A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118991(P2008−118991)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】