説明

メタルハライドランプ

【課題】 簡単な構成によって瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプを提供する。
【解決手段】 ランプ本体1と接続されかつこれを支持する絶縁性片口金2内に化学絶縁性の補強兼用シート部材3を充填してランプ本体の支持を補強しており、ランプ本体の外管4内に配置してある発光管5内の電極6,7にこの発光管を支持している第1及び第2の導電性金属線10,11が電気的に接続し、第1及び第2の導電性金属線の下端部側の導電線14,15が外管4の固定端部4aから突出し、絶縁性片口金2の外底面の端子ピン16,17に挿入されており、導電線14,15の端部であって、外管の固定端部4aと絶縁性片口金2の内底面との間に露出されている露出部分14a,15aの対向間は、補強兼用シート部材3が充填されており、両露出部分間が絶縁状態に封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗や室外装飾などの照明に用いられる発光管を有しているメタルハライドランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミック製の発光管を有しているメタルハライドランプとして、市販されているコーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス製のCDM−T(商品名)(以下「市販品1」という。)は、これまでの石英管を使用したハライドランプと比較してコンパクトでハイパワーを得ることができると共に、長寿命を確保できることから、店舗や施設照明用として広く利用されている。
市販品1であるメタルハライドランプの構造を図5及び図6を参照して説明する。
メタルハライドランプLaはランプ本体1と絶縁性片口金2とからなる片口金タイプの構造である。ランプ本体1は、その外観を50〜60%の紫外線をカットするガラスを使用している外管4で構成されており、この外管内に発光管5を配置し、発光管5内の両側に対向して電極6,7を設けている。各電極6,7を有している第1及び第2の導電体8,9には第1及び第2の導電性金属線10,11を接続して、これらの導電性金属線によって発光管5を固定支持している。第1の導電性金属線10は下端部側が接続端子部を形成している導電板12及び導電線14であり、第2の導電性金属線11は下端部側が接続端子部を形成している導電板13及び導電線15となっている。導電板12,13及び導電線14,15は外管4の固定端部4aに固定的に保持されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の導電線14,15の下端部が外管4の固定端部4a外に引き出されている。絶縁性片口金2はセラミックなどの絶縁性部材によって上端開口のケース状に形成され、その外底面から2本の端子ピン16,17が突出されている。外管4の固定端部4a外に引き出されている導電線14,15の下端部は2本の端子ピン16,17内に導かれ、ランプ本体1と絶縁性片口金2とが結合されている。両者の結合補強のために、絶縁性片口金2の対向する内壁と外管4の端部との間の2ヵ所の隙間にセメントからなる補強部材19を充填している。
メタルハライドランプLaを使用する場合には、絶縁性片口金2の端子ピン16,17をソケット(ホルダ)のピン挿入孔に差し入れて、このソケットをイグナイターを介して電子安定器(インバータ)に接続し又はイグナイターを組み込んである電子安定器(インバータ)に直接接続する。
メタルハライドランプLaには消費電力が20W、35W、70W、150W、200Wなどのものが発売されている。
また市販されているコーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス製のCDM−TD(商品名)(以下「市販品2」という。)は両口金タイプのものであり、両側には上記片口金タイプ(市販品1)のような絶縁性の口金を備えていないが、その他の構造は片口金タイプと実質的に同一である。
【特許文献1】特表2003−514366公報
【特許文献2】特開2003−187744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、市販品1及び市販品2その他のメタルハライドランプは始動や再始動時間が長くなり、イグナイターを使用しても瞬時点灯は実際上困難であることが認識されていた。
そこで、本願の発明者はサイン波回路を使用したイグナイター回路を開発し、これを組み込んで新たな回路構成による電子安定器に、前述した片口金タイプのメタルハライドランプ(市販品1)及び両口金タイプのメタルハライドランプ(市販品2)をそれぞれ接続して実験した。
実験の結果、次のことが判明した。
両口金タイプハライドランプ(市販品2)については瞬時点灯が可能であったが、20Wや35Wなどのような消費電力の低い片口金タイプのメタルハライドランプ(市販品1)については瞬時点灯が不可能であった。実験を繰り返して、その原因を究明したところ、高電圧が絶縁性片口金内で放電子点灯が不可能となることに起因することであると推察され、その構造上では図6に示すように外管4の固定端部4aから絶縁性片口金2内に露出され導電線14,15の露出部分14a,15aの対向間に空間Sが開けられていることによるものと推察される。
本願の発明者は、片口金タイプのメタルハライドランプの構造について工夫することにより、この種のタイプのものであっても新たに開発した電子安定器を使用した場合に、瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプを完成した。
この発明の目的は、簡単な構成によって瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、消費電力が100W以下であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型メタルハライドランプにおいて、ランプ本体と、このランプ本体と接続されかつこれを支持する絶縁性片口金と、この絶縁性片口金内に充填され上記ランプ本体の支持を補強するための化学絶縁性の補強兼用シート部材とを具備していることにある。上記ランプ本体は、外管と、この外管内に設けてあって、内部が対向する電極を有しているセラミック放電室である発光管と、一方の電極に通じている第1の導電体及び上記他方の電極に通じている第2の導電体と、一端部側で上記第1及び第2の導電体にそれぞれ接続されかつ上記発光管を支持している第1及び第2の導電性金属線とを備えており、上記絶縁性片口金は、上記ランプ本体側の一端部が開口され、他端側の外底面から2本の端子ピンを突出してあり、上記第2の導電性金属線は上記第1の導電性金属線より長く形成されていると共に、その本体が上記発光管並びに第1及び第2の上記の導電体の側方に配置されており、上記第1及び第2の導電性金属線の他端部側の接続端子部は上記外管の固定端部に固定されていると共に、上記接続端子部の端部が固定端部から突出されかつ上記端子ピンに挿入されており、上記第1及び第2の導電性金属線の各接続端子部の端部であって、上記外管の固定端部と絶縁性片口金の内底面との間に露出されている露出部分の対向間は、上記の補強兼用シート部材が充填されており、両露出部分が互いに絶縁状態に封止されている。
この発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を前提として、消費電力が20W又は35Wであることにある。
この発明の第3の特徴は、上記第1又は第2の特徴を前提として、上記補強兼用シート部材が、絶縁性片口金内に開けられているすべての空間に充填されていることにある。
この発明の第4の特徴は、上記第1、第2又は第3の特徴を前提として、外管内に位置している第2の導電性金属線の他端部であって第1の導電性金属線の他端部に対向する部分は、絶縁性管によって被覆されていることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、簡単な構成により瞬間点灯に対応することができるメタルハライドランプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係るメタルハライドランプについて図1〜図4を参照して説明する。
なお、メタルハライドランプLにおける各構成部分に関して、前述したメタルハライドランプLaにおける各構成部分と共通するものにあっては、符号を一致させて、対応関係を明確にしている。
メタルハライドランプLは、消費電力が100W以下(この例では20W)であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型であり、ランプ本体1と、このランプ本体と接続されている絶縁性片口金2と、この絶縁性片口金内に充填されている化学絶縁性の補強兼用シール部材3とからなる。
【0007】
図1〜図3に示すランプ本体1において、外管4内には本体がセラミック製である発光管5を設けてある。発光管5はその内部が発光物質である金属ハロゲン化物質が封入されているセラミック放電室となっており、室内上下に対向して電極6,7を設けてある。一方(図1下方)の電極6は第1の導電体8の上端部に設けられており、他方の電極7は第2の導電体9の下端部に設けられている。一方の第1の導電体8は、ステンレスワイヤなどからなる第1の導電性金属線10の上端部に接続され、他方の第2の導電体9は、ステンレスワイヤなどからなる第2の導電性金属線11の上端部に接続されており、第1及び第2の導電性金属線が発光管5の支持手段を構成している。第1の導電性金属線10は第1の導電体8の下方に配置されている。また図1に示すように、第2の導電性金属線11は第1の導電性金属線10より長く形成されていると共に、その本体は発光管5の側方に第1及び第2の導電体8,9に沿って配置されている。図1に示すように外管4内に位置している第2の導電性金属線11の下端部であって第1の導電性金属線10に対向する部分は、ガラスパイプなどからなる絶縁性管18によって被覆されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の下端部は外管4の固定端部4a内に挿入されて固定されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の下端側は外管4の固定端部4a内に配置されている導電板12,13と、第1及び第2の導電性金属線と同じ材質の導電線14,15とを設けてある。導電板12,13と導電線14,15とは第1及び第2の導電性金属線10,11の一部として接続端子部を構成している。導電線14,15の下端部側は外管4の固定端部4aの下端面から下方に突出されて絶縁性片口金2内に延びている。
【0008】
絶縁性片口金2はセラミックなどのような絶縁部材によって形成され、ランプ本体1側(図1上側)の一端部が開口され、他端側の外底面から2本の端子ピン16,17が突出されている。絶縁性片口金2は図2上下両側の側壁の中央部に係止凹部2aを形成すると共に、各係止凹部2aの真下に切欠き掛け止め2b(図4)を設けてある。絶縁性片口金2は図4に示すソケット20に嵌め込み可能である。嵌め込み時には、端子ピン16,17をソケット20に設けてあるピン挿入孔(図示せず。)に差し入れて、ソケットに取り付けてある対のフック21の掛止め部21aを絶縁性片口金2の係止凹部2aに係合させ、双方のフックで絶縁性片口金2を挟むことによって、この絶縁性片口金がソケットから離脱することを抑制している。
ソケット20からは端子ピン16,17に電気的に接続可能である引き出し線22,23が引き出されており、両引き出し線は発明者が瞬間点灯を可能にするために新たに開発した回路が組み込まれている電子安定器であるインバータ24に接続されている。
【0009】
図1〜図3に示すように、化学絶縁性の補強兼用シート部材3はシリコンなどの化学絶縁材からなり、絶縁性片口金2内に充填されランプ本体1の支持を補強している。そして導電線14,15の下端部であって、外管4の固定端部4aの下面から絶縁性片口金2の内底面に達する露出部分14a,15aの対向間の空間は、補強兼用シート部材3によって満たされ、露出部分同士は互いに絶縁状態にシールされている。
【0010】
メタルハライドランプLの使用方法について説明する。
図4に示すように、ランプ本体1をソケット20に差し入れて、フック21でランプ本体を挟むことによりソケットとの結合は補強される。この状態でソケット20をインバータ24に接続してランプ本体1に電流を供給することにより、発光管5内で放電がされ、発光(点灯)される。
消灯後に、直ちにスイッチを入れて、高熱高温度状態にあるランプ本体1に電流を供給しても点灯が可能となる。
【0011】
ランプ本体1の消費電力は低いものであれば良く、20Wに限られず、35W以上又はそれ以下であっても良い。
補強兼用シート部材3は、図1〜図3に示す例では、絶縁性片口金2内に開けられているすべての空間に充填されているので、絶縁性片口金に露出されている導電線14,15の下端部分(露出部分14a,15a)のシールが確実になり、絶縁性が高められ、そしてランプ本体1の支持の補強が強化される利点があるが、必ずしも図示する例に限られず、絶縁性を確保するために、充填する空間は少なくもと導電線14,15の露出部分14a,15aの対向する空間だけであっても良い。
第1及び第2の導電性金属線10,11の接続端子部として、図示の例では独立部材である導電板12,13及び導電線14,15で構成しているが、独立部材に代えて導電性金属線を延長して構成するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係るメタルハライドランプの一部切欠正面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】この発明に係るメタルハライドランプの一部切欠側面図である。
【図4】この発明に係るメタルハライドランプの使用状態を分解して示す一部切欠正面図である。
【図5】市販品1であるメタルハライドランプの一部切欠正面図である。
【図6】図5のVI−VI線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0013】
L メタルハライドランプ
1 ランプ本体
2 絶縁性片口金
3 補強兼用シール部材
4 外管
4a 固定端部
5 発光管
6,7 電極
8 第1の導電体
9 第2の導電体
10 第1の導電性金属線
11 第2の導電性金属線
12,13 導電板(接続端子部)
14,15 導電線(接続端子部)
14a,15a 露出部分
16,17 端子ピン
18 絶縁性管
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗や室外装飾などの照明に用いられる発光管を有しているメタルハライドランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
セラミック製の発光管を有しているメタルハライドランプとして、市販されているコーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス製のCDM−T(商品名)(以下「市販品1」という。)は、これまでの石英管を使用したハライドランプと比較してコンパクトでハイパワーを得ることができると共に、長寿命を確保できることから、店舗や施設照明用として広く利用されている。
市販品1であるメタルハライドランプの構造を図5及び図6を参照して説明する。
メタルハライドランプLaはランプ本体1と絶縁性片口金2とからなる片口金タイプの構造である。ランプ本体1は、その外観を50〜60%の紫外線をカットするガラスを使用している外管4で構成されており、この外管内に発光管5を配置し、発光管5内の両側に対向して電極6,7を設けている。各電極6,7を有している第1及び第2の導電体8,9には第1及び第2の導電性金属線10,11を接続して、これらの導電性金属線によって発光管5を固定支持している。第1の導電性金属線10は下端部側が接続端子部を形成している導電板12及び導電線14であり、第2の導電性金属線11は下端部側が接続端子部を形成している導電板13及び導電線15となっている。導電板12,13及び導電線14,15は外管4の固定端部4aに固定的に保持されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の導電線14,15の下端部が外管4の固定端部4a外に引き出されている。絶縁性片口金2はセラミックなどの絶縁性部材によって上端開口のケース状に形成され、その外底面から2本の端子ピン16,17が突出されている。外管4の固定端部4a外に引き出されている導電線14,15の下端部は2本の端子ピン16,17内に導かれ、ランプ本体1と絶縁性片口金2とが結合されている。両者の結合補強のために、絶縁性片口金2の対向する内壁と外管4の端部との間の2ヵ所の隙間にセメントからなる補強部材19を充填している。
メタルハライドランプLaを使用する場合には、絶縁性片口金2の端子ピン16,17をソケット(ホルダ)のピン挿入孔に差し入れて、このソケットをイグナイターを介して電子安定器(インバータ)に接続し又はイグナイターを組み込んである電子安定器(インバータ)に直接接続する。
メタルハライドランプLaには消費電力が20W、35W、70W、150W、200Wなどのものが発売されている。
また市販されているコーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス製のCDM−TD(商品名)(以下「市販品2」という。)は両口金タイプのものであり、両側には上記片口金タイプ(市販品1)のような絶縁性の口金を備えていないが、その他の構造は片口金タイプと実質的に同一である。
【特許文献1】特表2003−514366公報
【特許文献2】特開2003−187744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、市販品1及び市販品2その他のメタルハライドランプは始動や再始動時間が長くなり、イグナイターを使用しても瞬時点灯は実際上困難であることが認識されていた。
そこで、本願の発明者はサイン波回路を使用したイグナイター回路を開発し、これを組み込んで新たな回路構成による電子安定器に、前述した片口金タイプのメタルハライドランプ(市販品1)及び両口金タイプのメタルハライドランプ(市販品2)をそれぞれ接続して実験した。
実験の結果、次のことが判明した。
両口金タイプハライドランプ(市販品2)については瞬時点灯が可能であったが、20Wや35Wなどのような消費電力の低い片口金タイプのメタルハライドランプ(市販品1)については瞬時点灯が不可能であった。実験を繰り返して、その原因を究明したところ、高電圧が絶縁性片口金内で放電子点灯が不可能となることに起因することであると推察され、その構造上では図6に示すように外管4の固定端部4aから絶縁性片口金2内に露出され導電線14,15の露出部分14a,15aの対向間に空間Sが開けられていることによるものと推察される。
本願の発明者は、片口金タイプのメタルハライドランプの構造について工夫することにより、この種のタイプのものであっても新たに開発した電子安定器を使用した場合に、瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプを完成した。
この発明の目的は、簡単な構成によって瞬時点灯に対応することができるメタルハライドランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の第1の特徴は、消費電力が100W以下であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型メタルハライドランプにおいて、ランプ本体と、このランプ本体と接続されかつこれを支持する絶縁性片口金と、この絶縁性片口金内に充填され上記ランプ本体の支持を補強するための化学絶縁性の補強兼用シー部材とを具備していることにある。上記ランプ本体は、外管と、この外管の一端部に形成してある固定端部と、上記外管内に設けてあって、内部が対向する電極を有しているセラミック放電室である発光管と、一方の電極に通じている第1の導電体及び上記他方の電極に通じている第2の導電体と、一端部側で上記第1及び第2の導電体にそれぞれ接続されかつ上記発光管を支持している第1及び第2の導電性金属線とを備えており、上記絶縁性片口金は、端側の外底面から2本の端子ピンを突出し、上記ランプ本体側の端部が開口され、両側壁に係止凹部を形成してあり、上記第2の導電性金属線は上記第1の導電性金属線より長く形成されていると共に、その本体が上記発光管並びに第1及び第2の上記の導電体の側方に配置されており、上記第1及び第2の導電性金属線の他端部側の接続端子部は上記外管の固定端部に固定されていると共に、上記接続端子部の端部が固定端部から突出されかつ上記端子ピンに挿入されており、上記第1及び第2の導電性金属線の各接続端子部の端部であって、上記外管の固定端部と絶縁性片口金の内底面との間に露出されている露出部分の対向間は、上記の補強兼用シー部材が充填されており、両露出部分が互いに絶縁状態に封止されており、上記外管の固定端部の一端部側が上記絶縁性片口金内に挿入されかつ他端部側が絶縁性片口金より露出されており、上記ランプ本体は、ソケットに上記端子ピンを介して接続されると共に、上記絶縁性片口金の係止凹部がソケットのフックに掛け止め可能である
この発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を前提として、消費電力が20W又は35Wであることにある。
この発明の第3の特徴は、上記第1又は第2の特徴を前提として、上記補強兼用シー部材が、絶縁性片口金内に開けられているすべての空間に充填されていることにある。
この発明の第4の特徴は、上記第1、第2又は第3の特徴を前提として、外管内に位置している第2の導電性金属線の他端部であって第1の導電性金属線の他端部に対向する部分は、絶縁性管によって被覆されていることにある。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、簡単な構成により瞬間点灯に対応することができるメタルハライドランプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係るメタルハライドランプについて図1〜図4を参照して説明する。
なお、メタルハライドランプLにおける各構成部分に関して、前述したメタルハライドランプLaにおける各構成部分と共通するものにあっては、符号を一致させて、対応関係を明確にしている。
メタルハライドランプLは、消費電力が100W以下(この例では20W)であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型であり、ランプ本体1と、このランプ本体と接続されている絶縁性片口金2と、この絶縁性片口金内に充填されている化学絶縁性の補強兼用シール部材3とからなる。
【0007】
図1〜図3に示すランプ本体1において、外管4内には本体がセラミック製である発光管5を設けてある。発光管5はその内部が発光物質である金属ハロゲン化物質が封入されているセラミック放電室となっており、室内上下に対向して電極6,7を設けてある。一方(図1下方)の電極6は第1の導電体8の上端部に設けられており、他方の電極7は第2の導電体9の下端部に設けられている。一方の第1の導電体8は、ステンレスワイヤなどからなる第1の導電性金属線10の上端部に接続され、他方の第2の導電体9は、ステンレスワイヤなどからなる第2の導電性金属線11の上端部に接続されており、第1及び第2の導電性金属線が発光管5の支持手段を構成している。第1の導電性金属線10は第1の導電体8の下方に配置されている。また図1に示すように、第2の導電性金属線11は第1の導電性金属線10より長く形成されていると共に、その本体は発光管5の側方に第1及び第2の導電体8,9に沿って配置されている。図1に示すように外管4内に位置している第2の導電性金属線11の下端部であって第1の導電性金属線10に対向する部分は、ガラスパイプなどからなる絶縁性管18によって被覆されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の下端部は外管4の固定端部4a内に挿入されて固定されている。第1及び第2の導電性金属線10,11の下端側は外管4の固定端部4a内に配置されている導電板12,13と、第1及び第2の導電性金属線と同じ材質の導電線14,15とを設けてある。導電板12,13と導電線14,15とは第1及び第2の導電性金属線10,11の一部として接続端子部を構成している。導電線14,15の下端部側は外管4の固定端部4aの下端面から下方に突出されて絶縁性片口金2内に延びている。
【0008】
絶縁性片口金2はセラミックなどのような絶縁部材によって形成され、ランプ本体1側(図1上側)の一端部が開口され、他端側の外底面から2本の端子ピン16,17が突出されている。絶縁性片口金2は図2上下両側の側壁の中央部に係止凹部2aを形成すると共に、各係止凹部2aの真下に切欠き掛け止め2b(図4)を設けてある。絶縁性片口金2は図4に示すソケット20に嵌め込み可能である。嵌め込み時には、端子ピン16,17をソケット20に設けてあるピン挿入孔(図示せず。)に差し入れて、ソケットに取り付けてある対のフック21の掛止め部21aを絶縁性片口金2の係止凹部2aに係合させ、双方のフックで絶縁性片口金2を挟むことによって、この絶縁性片口金がソケットから離脱することを抑制している。
ソケット20からは端子ピン16,17に電気的に接続可能である引き出し線22,23が引き出されており、両引き出し線は発明者が瞬間点灯を可能にするために新たに開発した回路が組み込まれている電子安定器であるインバータ24に接続されている。
【0009】
図1〜図3に示すように、化学絶縁性の補強兼用シー部材3はシリコンなどの化学絶縁材からなり、絶縁性片口金2内に充填されランプ本体1の支持を補強している。そして導電線14,15の下端部であって、外管4の固定端部4aの下面から絶縁性片口金2の内底面に達する露出部分14a,15aの対向間の空間は、補強兼用シー部材3によって満たされ、露出部分同士は互いに絶縁状態にシールされている。
【0010】
メタルハライドランプLの使用方法について説明する。
図4に示すように、ランプ本体1をソケット20に差し入れて、フック21でランプ本体を挟むことによりソケットとの結合は補強される。この状態でソケット20をインバータ24に接続してランプ本体1に電流を供給することにより、発光管5内で放電がされ、発光(点灯)される。
消灯後に、直ちにスイッチを入れて、高熱高温度状態にあるランプ本体1に電流を供給しても点灯が可能となる。
【0011】
ランプ本体1の消費電力は低いものであれば良く、20Wに限られず、35W以上又はそれ以下であっても良い。
補強兼用シー部材3は、図1〜図3に示す例では、絶縁性片口金2内に開けられているすべての空間に充填されているので、絶縁性片口金に露出されている導電線14,15の下端部分(露出部分14a,15a)のシールが確実になり、絶縁性が高められ、そしてランプ本体1の支持の補強が強化される利点があるが、必ずしも図示する例に限られず、絶縁性を確保するために、充填する空間は少なくとも導電線14,15の露出部分14a,15aの対向する空間だけであっても良い。
第1及び第2の導電性金属線10,11の接続端子部として、図示の例では独立部材である導電板12,13及び導電線14,15で構成しているが、独立部材に代えて導電性金属線を延長して構成するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係るメタルハライドランプの一部切欠正面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】この発明に係るメタルハライドランプの一部切欠側面図である。
【図4】この発明に係るメタルハライドランプの使用状態を分解して示す一部切欠正面図である。
【図5】市販品1であるメタルハライドランプの一部切欠正面図である。
【図6】図5のVI−VI線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0013】
L メタルハライドランプ
1 ランプ本体
2 絶縁性片口金
3 補強兼用シール部材
4 外管
4a 固定端部
5 発光管
6,7 電極
8 第1の導電体
9 第2の導電体
10 第1の導電性金属線
11 第2の導電性金属線
12,13 導電板(接続端子部)
14,15 導電線(接続端子部)
14a,15a 露出部分
16,17 端子ピン
18 絶縁性管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力が100W以下であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型メタルハライドランプにおいて、
ランプ本体と、このランプ本体と接続されかつこれを支持する絶縁性片口金と、この絶縁性片口金内に充填され上記ランプ本体の支持を補強するための化学絶縁性の補強兼用シート部材とを具備しており、
上記ランプ本体は、外管と、この外管内に設けてあって、内部が対向する電極を有しているセラミック放電室である発光管と、一方の電極に通じている第1の導電体及び上記他方の電極に通じている第2の導電体と、一端部側で上記第1及び第2の導電体にそれぞれ接続されかつ上記発光管を支持している第1及び第2の導電性金属線とを備えており、
上記絶縁性片口金は、上記ランプ本体側の一端部が開口され、他端側の外底面から2本の端子ピンを突出してあり、
上記第2の導電性金属線は上記第1の導電性金属線より長く形成されていると共に、その本体が上記発光管並びに第1及び第2の上記の導電体の側方に配置されており、
上記第1及び第2の導電性金属線の他端部側の接続端子部は上記外管の固定端部に固定されていると共に、上記接続端子部の端部が固定端部から突出されかつ上記端子ピンに挿入されており、
上記第1及び第2の導電性金属線の各接続端子部の端部であって、上記外管の固定端部と絶縁性片口金の内底面との間に露出されている露出部分の対向間は、上記の補強兼用シート部材が充填されており、両露出部分が互いに絶縁状態に封止されている
ことを特徴とするメタルハライドランプ。
【請求項2】
消費電力は20W又は35Wであることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
【請求項3】
補強兼用シート部材は、絶縁性片口金内に開けられているすべての空間に充填されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のメタルハライドランプ。
【請求項4】
外管内に位置している第2の導電性金属線の他端部であって第1の導電性金属線の他端部に対向する部分は、絶縁性管によって被覆されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のメタルハライドランプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力が100W以下であって、一端に2本の端子ピンを備えている絶縁性片口金型メタルハライドランプにおいて、
ランプ本体と、このランプ本体と接続されかつこれを支持する絶縁性片口金と、この絶縁性片口金内に充填され上記ランプ本体の支持を補強するための化学絶縁性の補強兼用シー部材とを具備しており、
上記ランプ本体は、外管と、この外管の一端部に形成してある固定端部と、上記外管内に設けてあって、内部が対向する電極を有しているセラミック放電室である発光管と、一方の電極に通じている第1の導電体及び上記他方の電極に通じている第2の導電体と、一端部側で上記第1及び第2の導電体にそれぞれ接続されかつ上記発光管を支持している第1及び第2の導電性金属線とを備えており、
上記絶縁性片口金は、端側の外底面から2本の端子ピンを突出し、上記ランプ本体側の端部が開口され、両側壁に係止凹部を形成してあり、
上記第2の導電性金属線は上記第1の導電性金属線より長く形成されていると共に、その本体が上記発光管並びに第1及び第2の上記の導電体の側方に配置されており、
上記第1及び第2の導電性金属線の他端部側の接続端子部は上記外管の固定端部に固定されていると共に、上記接続端子部の端部が固定端部から突出されかつ上記端子ピンに挿入されており、
上記第1及び第2の導電性金属線の各接続端子部の端部であって、上記外管の固定端部と絶縁性片口金の内底面との間に露出されている露出部分の対向間は、上記の補強兼用シー部材が充填されており、両露出部分が互いに絶縁状態に封止されており、
上記外管の固定端部の一端部側が上記絶縁性片口金内に挿入されかつ他端部側が絶縁性片口金より露出されており、
上記ランプ本体は、ソケットに上記端子ピンを介して接続されると共に、上記絶縁性片口金の係止凹部がソケットのフックに掛け止め可能である
ことを特徴とするメタルハライドランプ。
【請求項2】
消費電力は20W又は35Wであることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
【請求項3】
補強兼用シー部材は、絶縁性片口金内に開けられているすべての空間に充填されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のメタルハライドランプ。
【請求項4】
外管内に位置している第2の導電性金属線の他端部であって第1の導電性金属線の他端部に対向する部分は、絶縁性管によって被覆されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のメタルハライドランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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