説明

メダル回収機構

【課題】 種々の課題を有している着脱式シュートを装着しなくても、上部側に貯留されているメダルを、メダル振分機構を作動させて容器収納部内のメダル収容器に供給する、又は第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部内若しくは移動台車)に供給する事態が生じた場合も、容器収納部内の収納スペースの落下口を回収経路の一部分として利用することで容易に素早く回収することが出来る、メダル回収機構を提供する。
【解決手段】 容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有る時、操作部を操作するとメダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルが供給され、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、操作部を操作するとメダル振分機構が作動し、排出したメダルは容器収納部の収納スペース内の落下口を通過し、回収経路を介して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部若しくは移動台車)に回収する、構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器収容部の収納スペース内のメダル収容器の有無状態(検出)に応じて、メダル振分機構を作動させてメダル収容器内にメダルを供給する、又は第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部若しくは移動台車)に供給する事態が生じた場合、容器収納部内の収納スペースの落下口を回収経路の一部分として利用することで、容易に素早く回収することを可能にしたメダル回収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店のスロット島は、複数台の遊技台(例えば、スロットマシン)と、貨幣を投入して遊技媒体を貸出す遊技媒体貸出機(例えば、台間メダル貸出機)とから構成されている。
スロットマシン及び台間メダル貸出機を配設した遊技島は、島端に自動式メダル循環装置を備えたものが提供されている。該自動式メダル循環装置は、下部にスロットマシンから排出されたメダルを回収するメダル回収装置と、回収したメダルを一旦貯留する下部側のメダル貯留部と、メダルを磨きながら揚送するメダル磨き装置と、磨かれたメダルを一旦貯留する上部側のメダル貯留部と、貯留したメダルを上部から補給するメダル補給装置と、から構成されている。
【0003】
昨今、スロット島においては、半自動式メダル循環装置が提供されてきている。該半自動式メダル循環装置も略同様に、下部にスロットマシンから排出されたメダルを回収するメダル回収装置と、回収したメダルを一旦貯留する下部側のメダル貯留部と、メダルを磨きながら揚送するメダル磨き装置と、磨かれたメダルを一旦貯留する上部側のメダル貯留部と、該上部側のメダル貯留部に貯留したメダルを店員によって手補給する構成から成している。
【0004】
島端に設置された半自動式メダル循環装置は、上部側のメダル貯留部に貯留したメダルを店員によって手補給する。手補給する際は、半自動式メダル循環装置の本体部に設けたメダル取出口内のメダル容器を店員が補給要求のあったスロットマシンに出向き補充を行うことから、常に上部側のメダル貯留部から左右振分機構を介してメダル容器内にメダルを供給しておく必要がある。
また、半自動式メダル循環装置においては、大当たりが頻繁に発生すると本体部に設けたメダル取出口まで何度も往復しなくてはならず手間がかかることから、移動台車が備えられている。移動台車には貯留タンクが設けられ、該貯留タンクには補給用として磨かれたメダルが貯留されている。よって、店員は補給要求のあったスロットマシンに移動台車を移動させ、貯留タンク内のメダルをメダル容器にてスロットマシン内の貯留部に補給している。
さらに、半自動式メダル循環装置においては、上部側のメダル貯留部又は下部側のメダル貯留部に貯留したメダルが余剰した場合、移動台車の貯留タンク内に一旦回収しておく場合が生じる。
【0005】
半自動式メダル循環装置において、上部側のメダル貯留部に貯留したメダルを外部の移動台車に回収する構造を備えたものが下記の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−308754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1のメダル払出装置は、メダル払出部に貯留したメダルは、ジョッキ内と、大型容器(移動台車)内へと払出される構成から成している。
メダル払出部にジョッキが設置されている時は、検出部にて検出しジョッキ内に設けたセンサで検出するまで払出される。
また、メダル払出部から外部の大型容器(移動台車)内に払出す時は、着脱式シュートを装着して検出部にて検出した後、着脱式シュートから大型容器(移動台車)内に設けた検出部で検出するまで払出される。
【0007】
しかし、上述したメダル払出装置においては、移動台車が大型に形成されているため、本体部内に備えることができず、その結果、メダル払出部から外部の大型容器(移動台車)内に払出す時は、わざわざ着脱式シュートを装着しなくてはならない。着脱式シュートの装着作業においては、女性店員にとっては面倒で手間がかかっていた。特に早急に補給する事態が生じた場合、着脱式シュートが見つからないと大型容器(移動台車)内に払出すことが出来なかった。
また、着脱式シュートを長年使用していると装着部分が磨耗してしまったり、着脱箇所が変形してしまい、機能しなくなってしまう等の種々の課題を有していた。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、種々の課題を有している着脱式シュートを装着しなくても、上部側に貯留されているメダルを、メダル振分機構を作動させて容器収納部内のメダル収容器に供給する、又は第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部内若しくは移動台車)に供給する事態が生じた場合も、容器収納部内の収納スペースの落下口を回収経路の一部分として利用することで容易に素早く回収することが出来る、メダル回収機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、上部側に貯留されているメダルを、メダル収容器内に供給するメダル回収機構であって、
前記メダル回収機構は、
メダルを貯留する第1のメダル貯留部と、
前記第1のメダル貯留部から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構と、
前記メダル振分機構を作動させる制御部と、
メダル収容器と略同じ大きさの収納スペースを形成し、且つ収納スペースにメダル収容器の有無を検出する容器検出部を設けた容器収納部と、から構成され、
前記容器検出部が、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有りと検出してから所定時間後に前記メダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルを供給する、構成としたことによって達成される。
【0010】
上記目的は、上部側に貯留されているメダルを、下部側に回収する回収経路を備えたメダル回収機構であって、
前記メダル回収機構は、
メダルを貯留する第1のメダル貯留部と、
前記第1のメダル貯留部から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構と、
前記メダル振分機構を作動させる操作部と、
メダル収容器と略同じ大きさの収納スペースを形成した容器収納部と、
前記容器収納部から排出したメダルを回収する回収経路と、
前記回収経路から落下するメダルを貯留する第2のメダル貯留部と、から構成され、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有る時、前記操作部を操作するとメダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルが供給され、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、前記操作部を操作するとメダル振分機構が作動し、排出したメダルは容器収納部の収納スペース内の落下口を通過し、回収経路を介して第2のメダル貯留部に回収する、構成としたことによって達成される。
【0011】
上記目的は、請求項2記載のメダル回収機構であって、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、操作部を操作し、メダル振分機構が作動して供給された際、メダルが収納スペースから外部に飛び散らないように、前記容器収納部の前面に飛散防止部材を設けた、ことによって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、容器収納部に設けた容器検出部により、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有りと検出した所定時間後にメダル振分機構が作動するためメダル収容器内に自動的にメダルが供給される。
また、本発明の構成によれば、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有る時、操作部を操作(手動)するとメダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルを供給することが出来、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、操作部を操作(手動)するとメダル振分機構が作動し、排出したメダルが容器収納部の収納スペース内の落下口を通過し、回収経路を介して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部若しくは移動台車)に供給する事態が生じた場合も、容器収納部内の収納スペースの落下口を回収経路の一部分として利用することで容易に素早く回収することが出来る。
さらに、本発明の構成によれば、容器収納部の前面に飛散防止部材(例えば、開閉扉)を設けたことにより、メダル回収時、メダル振分機構が作動しても、排出したメダルは開閉扉にて外部に飛び散ることなく容器収納部の収納スペース内の落下口を通過し、回収経路を介して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部若しくは移動台車)に回収することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示した実施形態を詳細に説明する。
図1は遊技島に設置された半自動式メダル循環装置を示す外観正面図であり、図2は半自動式メダル循環装置を示す外観側面図であり、開閉扉が閉じられている。図3は半自動式メダル循環装置を示す外観側面図であり、開閉扉が開けられている。図4はメダル貯留部とメダル振分機構と容器収納部の位置関係を示す図である。図5乃至図8は本発明のメダル回収機構の容器収納部の構成を示す図である。
【実施例1】
【0014】
始めに、遊技島の端部に設置された半自動式メダル循環装置の構成について説明する。
半自動式メダル循環装置1は、下部にスロットマシンから排出されたメダルを回収するメダル回収装置と、本体部1aに回収したメダルを一旦貯留する第2のメダル貯留部4(ここでは下部タンク内)と、例えば合成樹脂材の研磨粒にて磨くメダル磨き装置と、該メダル磨き装置にて磨がかれたメダルを貯留する第1のメダル貯留部3(上部タンク)と、該第1のメダル貯留部3に貯留されたメダルを要求出力に応じて第1メダル取出口7、第2メダル取出口9の何れか一方に振分けるメダル振分機構6と、から構成されている。尚、メダル磨き装置は、上部タンク内に設けた上下の検知スイッチにて駆動制御(ON、OFF動作)する。
また、本体部1a内部には、出し入れ可能な大きさの移動台車5が備えられている。この移動台車5の貯留タンク5a内にもメダルが貯留される。
第2のメダル貯留部とは、下部側のメダル貯留部(下部タンク4)若しくは移動台車5のことを言う。
【0015】
本体部1aの略中央付近には、左右の位置にメダル取出口が設けられている。ここでは一方側を第1メダル取出口7とし、他方側を第2メダル取出口9としている。尚、メダル取出口を本体部1aの左右に設けた説明としたが、メダル振分機構6の排出方向の向きを変えることにより本体部1aの前側に設けた各メダル取出口に振り分けるようにしても良い(不図示)。
また、図示していないが、本体部1aの載置台には遊技客が獲得したメダルを計数するメダル計数機が設置されていて、該メダル計数機にて計数後のメダルも矩形状から成る第2のメダル貯留部4(ここでは下部タンク内)に供給される。該下部タンク4内の上方位置にはメダルの貯留量を検知する満杯検知スイッチ(不図示)が設けられている。
尚、上述したメダル回収装置及びメダル磨き装置の構成は周知した構成なので図は省略する。
【0016】
図1に示すように、半自動式メダル循環装置1の本体部1aの略中央付近にはメダル振分機構6が設けられている。図示していないがメダル振分機構6は、駆動モータによって正逆回転駆動するよう、軸支された左右の振分回転ローラの回転作用にて左右方向に振り分ける構成と成している。
上述したメダル振分機構6により、第1のメダル貯留部3に貯留されたメダルを要求出力に応じて本体部1aに設けた第1メダル取出口7、第2メダル取出口9の何れか一方に供給することが出来る。店員は、メダル取出口内に供給されているどちらかのメダル収容器21を取り出して要求のあった遊技客(スロットマシン)に出向くことが出来る。
【0017】
第1のメダル貯留部3は、本体部1a内に備えたメダル磨き装置にて磨かれたメダルを一旦貯留するためのものであり、上方を開口した略長方形状から成した漏斗状に形成されている。下方の中央付近に開口した排出口3aが設けられ、該排出口3aからメダル振分機構6に排出されていく。第1のメダル貯留部3内には、直ぐに補充要求に応じられるよう常時満杯近く迄メダルが貯留されていている。
ここではメダル振分機構6は、第1のメダル貯留部3の下部に設けた説明としたが、下部の位置でなく、例えば側方の位置に設けたものであっても良い。また、該第1のメダル貯留部3の排出口3a付近(下方側周囲)には適宜間隔をおいて孔3bが多数穿設されている。この孔3bにより、例えば、第1のメダル貯留部3内にてメダルが団塊した時、棒等を差し込んで崩すことができる。尚、ここでの第1のメダル貯留部3は、磨かれたメダルを一旦貯留し、メダル振分機構6に供給する説明としたが、回収した汚れたメダルをリフター等で揚送して貯留した後、第1のメダル貯留部3の下端のメダル磨き装置にて磨き、その磨いたメダルをメダル振分機構6にて振り分けるようにしても良い。
【0018】
本体部1aの左右の位置には、縦長の略長方形状に形成された第1メダル取出口7及び第2メダル取出口9が設けられ、第1メダル取出口7に第1容器収納部17が連接され、
第2メダル取出口9に第2容器収納部19が連接して設けられている。尚、同一の構成なので、ここでは一方側の第1メダル取出口7の構成のみ説明する。
第1メダル取出口7は、一方側面が開口し、他方一部側面が切欠開口すると共に下面が傾斜した排出口7bから形成され、振分本体フレーム6aに取り付けられている。下面の傾斜面7aの位置には多数の孔が穿設されている。この孔により、例えば、選別し切れなかった研磨粒、異物等を排除することができる。
第1メダル取出口7に連接した第1容器収納部17内には上下二個のメダル収容器21が着脱自在に装着され、起立姿勢で置かれる。よって、上述したメダル振分機構6から排出されたメダルは傾斜面7aを滑りながら排出口7bから下方容器収納部17Bに置かれたメダル収容器21内に落下していく。また、第2メダル取出口9に連接した第2容器収納部19内にも上下二個のメダル収容器21が着脱自在に装着され、起立姿勢で置かれる(不図示)。よって、上述したメダル振分機構6から排出されたメダルは傾斜面9aを滑りながら排出口9bからメダル収容器内に落下していく。
上方容器収納部17A内に置かれたメダル収容器21は、補助用として使われる(図4参照)。尚、メダル収容器21の構成は後述する。
【0019】
次に、本発明のメダル回収機構を図5乃至図8に基づいて説明する。
第1実施形態のメダル回収機構13について説明する。
ここでのメダル回収機構13は、上部側の第1のメダル貯留部3に貯留されているメダルを、メダル収容器21内に自動供給する時に行うもので、メダルを貯留する第1のメダル貯留部3と、該第1のメダル貯留部3から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構6と、該メダル振分機構6を作動させる制御部2と、メダル収容器21と略同じ大きさの収納スペース17aを形成し、且つ収納スペース17aにメダル収容器21の有無を検出する容器検出部17fを設けた容器収納部(第1容器収容部17)と、から構成され、
容器検出部17fが、容器収容部の収納スペース17a内にメダル収容器21が有りと検出してから所定時間後にメダル振分機構6が作動してメダル収容器21内にメダルを供給する、構成から成している。
【0020】
このように第1実施形態の構成によれば、容器収納部内に設けた容器検出部17fの検出に基づき、容器収容部の収納スペース17a内のメダル収容器21を検出してから所定時間後(例えば、タイマー等にて10秒後)にメダル振分機構6が作動するよう制御部2で制御しているためメダル収容器21内に自動的にメダルが供給されることになる。そして、メダル収容器21内にメダルが供給され、後述する検出凸部17dにメダルが上方で当接することにより供給された上限量である、満杯量と検出され、メダル振分機構6の作動が停止する。尚、第1実施形態の各構成については後述で説明していく。
【0021】
上述において容器検出部17fでメダル収容器21を検出し、所定時間後に自動的にメダルがメダル収容器21内へと供給するように説明したが、例えば万一、第1のメダル貯留部3と、第2のメダル貯留部(ここでは下部タンク4)の両方が共に満杯間際であると検知し、且つ容器検出部17fでメダル収容器21無と検出した時のみ、自動回収するようにメダル振分機構6が作動し、排出したメダルは容器収納部の収納スペース17a内の落下口17gを通過し、回収経路15を介して第2のメダル貯留部の移動台車5へと回収するようにしている。よって、両方のタンクからメダルが溢れ出すことがない。
通常時においては、容器検出部17fでメダル収容器21が無い時は、自動回収は行なわれず、例えば回収操作ボタン1cによる操作した時のみ行われる。
【0022】
第2実施形態のメダル回収機構13について説明する。
ここでのメダル回収機構13は、上部側の第1のメダル貯留部3に貯留されているメダルを、メダル収容器21内に供給する又は、下部側の第2のメダル貯留部4若しくは移動台車5に回収経路15を介して回収する時に行うもので、メダルを貯留する第1のメダル貯留部3と、該第1のメダル貯留部3から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構6と、該メダル振分機構6を作動させる操作部(1b、17e)と、メダル収容器21と略同じ大きさの収納スペース17aを形成した容器収納部(第1容器収容部17)と、該容器収納部から排出したメダルを回収する回収経路15と、該回収経路15から落下するメダルを貯留する第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)と、から構成され、
容器収容部の収納スペース17a内にメダル収容器21が有る時、操作部17eを操作するとメダル振分機構6が作動してメダル収容器21内にメダルが供給され、容器収容部の収納スペース17a内にメダル収容器21が無い時、操作部1cを操作するとメダル振分機構6が作動し、排出したメダルは容器収納部の収納スペース17a内の落下口17gを通過し、回収経路15を介して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)に回収する、構成から成している。
【0023】
このように第2実施形態の構成によれば、容器収容部の収納スペース17a内にメダル収容器21が有る時(乗せた時)、操作部17eを手動操作するとメダル振分機構6が作動してメダル収容器21内にメダルを供給することが出来、容器収容部の収納スペース17a内にメダル収容器21が無い時(乗せない時)、操作部1cを手動操作するとメダル振分機構6が作動し、排出したメダルが容器収納部の収納スペース17a内の落下口17gを通過し、回収経路15を介して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)に供給することが出来る。
メダル収容器21が有る時、手動操作にてメダル振分機構6が作動してメダルがメダル収容器21内に供給され、後述する検出凸部17dにメダルが上方で当接することにより供給された上限量である、満杯量と検出され、メダル振分機構6の作動が停止する。尚、第2実施形態の各構成についても後述で説明していく。
【0024】
次に、第1実施形態と第2実施形態の各構成について説明する。説明にあたっては同じ符号を用いる。
先ず、容器収納部の構成について説明する。
一方側の容器収納部(第1容器収容部17)は、上方容器収納部17Aと下方容器収納部17Bとから形成されている。他方側の容器収納部(第2容器収容部19)も同様に上方容器収納部と下方容器収納部とから形成されているが図は省略している。
また、第1容器収納部17は、第1メダル取出口7に連接して設けられている。同様に第2容器収納部19も第2メダル取出口9に連接して設けられている。
さらに、第1メダル取出口7側には第1容器収納部17Aの下部に連設してここでは移動台車5に導くよう接続した回収経路15及び回収通路15aが形成されている。
【0025】
ここでの半自動式メダル循環装置1で使用するメダル収容器21の構成について説明する。上下位置のメダル収容器21は、同じ形状、構成なので共通に使用できる。
上方容器収納部17A内のメダル収容器21は、補助用として使用するものであり空の状態の時もある。下方容器収納部17B内のメダル収容器21は、常に補充用としてすぐに使用することから常時メダルが供給された状態で載置されている。
メダル収容器21は、上面を傾斜して開口した略四角円筒状の容器から形成し、一方側壁に取手21aが設けられている。
メダル収容器21の他方側壁(取手21aの反対側)には、後述する第1容器収納部17の検出凸部17dに嵌合する、検出穴21dが上下の位置に穿設されている。よって、店員が第1容器収納部17の下方容器収納部17B内にメダル収容器21を載置(押し込む)すると、メダル収容器21の検出穴21aと電極を有した検出凸部17dとが嵌合する。この嵌合にてセットされ、且つ電気的に導通するためメダル収容器21内に供給されたメダルが上方で当接することにより上限量である、満杯量が検出される。
例えば、ここでのメダル収容器21には、約500枚程度のメダルが貯留される。
【0026】
次に、容器収納部について説明する。
容器収納部は、第1容器収納部17及び第2容器収納部19とから成している。
尚、第1容器収納部17及び第2容器収納部19は同じ構成なので一方側の第1容器収納部17のみ説明する。
第1容器収納部17は、本体部1aの一方側に位置し、蝶番により開閉する開閉扉17bが設けられている。この開閉扉17bには施錠装置が設けられている。ここでは開閉扉が飛散防止部材の機能をする。
第1容器収納部17は、上下の位置に上方容器収納部17A及び下方容器収納部17Bが形成され、上述したメダル収容器21が載置できる幅と奥行きを成した略長方形状に形成されている。
図4に示すように、第1容器収納部17は略中央付近が開口した切込み部11が形成され、該切込み部11に第1メダル取出口7の排出口7bが位置するように成している。よって、上述したメダル振分機構6から排出されたメダルは傾斜面7aを滑り排出口か7bら落下すると下方容器収納部17Bに置かれたメダル収容器21から零れることなく落下する。
【0027】
容器収納部内の細部の構成について図6乃至図8にて説明する。
図6及び図7は容器収納部のうち下方容器収納部にメダル収容器が無い状態を示す図であり、図8は容器収納部の上方容器収納部と下方容器収納部にメダル収容器が有る状態を示した図である。
上述した上方容器収納部17Aと下方容器収納部17B内にはメダル収容器21を載置する収納スペース17a(空間)が形成されている。
【0028】
先ず、上部側の上方容器収納部17Aについて説明する。
上方容器収納部17Aには収納スペース17aが、上述したメダル収容器21と略同じ幅、高さ、奥行きに形成され、底面に載置板17hが設けられている。この上方容器収納部17Aの収納スペース17aには、補助用として使用するメダル収容器21が収容される。
【0029】
次に、下部側の下方容器収納部17Bについて説明する。
下方容器収納部17Bの収納スペース17aも、上述したメダル収容器21と略同じ幅、高さ、奥行きに形成されているが、下方容器収納部17Bの収納スペース17aには、上方容器収納部17Aの収納スペース17aとは異なる構成が設けられている。
下方容器収納部17Bの収納スペース17aには、メダル収容器21の有無を検出するための容器検出部17fが設けられている。
容器検出部17fは、例えば近接センサ等から成り、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内の側壁の位置でメダル収容器21があるか、否かの有無を検出することができる。よって、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内に設けた容器検出部17fで検出するとメダル収容器21が有りと判断し、制御部2から指令により、所定時間後(例えばタイマー等にて10秒後)にメダル振分機構6が作動する。このタイマーの設定時間は任意に変更できる。
尚、収納スペース17a内にメダル収容器21が無く容器検出部17fで検出しないとメダル収容器21が無いと判断し、メダル振分機構6は作動しない。
容器検出部17fは、第1実施形態の自動供給時に検出用として使用するが、第2実施形態の操作部による手動操作する時も検出用として使用される。
【0030】
下方容器収納部17Bの収納スペース17aの底面には、メダル収容器21が落ちない程度の二本の載置棒17cが間隔をおいて軸支されていて、この載置棒17cの上に載置板(不図示)が取り外し可能に載せられる。この二本の載置棒17cには、配線が接続されているため金属板の載置板を載せると導通する。
このように二本の載置棒17c上に載置板を載せてメダル収容器21を収容させると導通し、この導通によりメダル収容器21が有と検出し、二本の載置棒17c上に載置板が載せられていないと導通しないためメダル収容器21が無と検出する。
ここで説明した二本の載置棒17c上に載置板を載せた時の導通、載せない時の非導通による検出によってもメダル収容器21の有無を検出することができるため、容器検出部として使用することもある。
尚、二本の載置棒17cの上載せる載置板は、回収経路15内にゴミ等を入れられるのを防止するためでもある。
【0031】
下方容器収納部17Bの収納スペース17a内の奥側の側壁には、メダル収容器21内のメダルの供給量を検出するため、上述したメダル収容器21の上下位置に設けた検出穴21bに嵌合するため、電極を有した検出凸部17dが上下の同じ位置に突設されている。
よって、メダル収容器21の検出穴21bと検出凸部17dとの嵌合にてセットされ、且つ電気的に導通するためメダル収容器21内に供給されたメダルが上方で当接することにより供給された上限量である、満杯量が検出される。
ここでの検出凸部17dは、供給されたメダルの供給量、満杯検知を行うものとして説明したが、メダル収容器21の有無を検出する容器検出部を兼ねるようにしても良い。
【0032】
次に、操作部について説明する。
操作部は、補充操作ボタン17eと回収操作ボタン1cとから成している。
例えば、各操作部は第2実施形態の時に使用し、手動操作する時に使用するものであり、店員がメダル収容器21の有無を目視で確認した後、行う。
尚、目視でなく、第2実施形態においてもメダル収容器21の有無を容器検出部17fにて検出した後、各操作部を手動操作することも出来る。
容器収納部の中央に、補充操作ボタン17eが設けられている。
補充操作ボタン17eは、店員がメダル収容器21内にメダルを供給する時、補充時に手動にて操作するボタンであり、操作するとメダル振分機構6が作動する。例えば、一度押すとメダル振分機構6がONし、もう一度押すとメダル振分機構6がOFFとなる。
例えば、店員が補充操作ボタン17eを操作すると、本体部1aに設けたメダル振分機構6が作動し、排出されたメダルは、第1メダル取出口7から下方容器収納部17Bの収納スペース17a内のメダル収容器21内にメダルが供給される。尚、補充時は前面の開閉扉17bを開けたまま、行うことも可能である。
【0033】
本体部1aの操作パネル1bに、回収操作ボタン1cが設けられている。
回収操作ボタン1cは、店員が第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)に回収する事態が生じた時、手動にて操作するボタンであり、操作するとメダル振分機構6を作動するため磨かれたメダルが貯留されている第1のメダル貯留部3から払い出されて第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5の何れかに)内に回収されていく。
つまり、店員が回収操作ボタン1cを操作すると、第1のメダル貯留部3内の磨かれたメダルがメダル振分機構6により、第1メダル取出口7から下方容器収納部17Bの収納スペース17a内にメダルが供給されるが、メダル収容器21と載置板が無いため、収納スペース17a内を通過し、その先端の落下口17gから回収通路15aを通過して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)内へと導かれていく。
尚、回収時は前面の開閉扉17bは閉めた状態で行う。
【0034】
上述した回収時においては、飛び散らないよう飛散防止部材として容器収納部の前面に開閉扉17aを設け、該開閉扉17aを閉めてから行うようにしている。
尚、開放したままで行う場合、飛散防止部材としては、例えば容器収納部の前面にノレン部材を設けたもの、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内に底抜け状のメダル収容器を載せたものを使用すれば、開放した状態であっても飛び散ることがなく回収することができる。
【0035】
このように、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内にメダル収容器21が有る時、第1のメダル貯留部3からメダル振分機構6を介してメダル収容器21内にメダルが供給されるが、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内にメダル収容器21と載置板が無い時は、メダル収容器21を収納する収納スペース17aの落下口17gが回収経路15の一部と成り、収納スペース17a内の落下口17gを通過して第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)に磨かれたメダルを容易に素早く回収することができる。
【0036】
次に、回収経路15及び回収通路15aの構成について説明する。
ここでの回収経路15及び回収通路15aは、第1のメダル貯留部3から下方容器収納部17Bの収納スペース17a内の落下口17gを通過して第2のメダル貯留部(ここでは移動台車5)内に回収するときの通路の役割をするためのものである。
回収経路15及び回収通路15aは、上述した容器収納部の下部に設けられ、移動台車5内に導くよう傾斜した空洞の通路状に形成されている。このようにメダル収容器21が無い状態の収納スペース17aが回収経路15の一部と成る。
尚、上述においては、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内の落下口17gを通過して移動台車5内に回収する説明としたが、移動台車5内でなく、本体部1a内に設けた下部側のメダル貯留部4内に回収するようにしても良い。さらに下方容器収納部17Bの下部に回収経路15(回収通路15a)を設けて回収するようにしたが、回収経路15(回収通路15a)を設けず、下方容器収納部17Bから直に第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部4若しくは移動台車5)内に回収するようにしても良い。
【0037】
以上、上記した構成による作用について説明する。
第1実施形態において、営業時、スロットマシンへの補充が必要になった時、店員は容器収容部(第1容器収納部17)の開閉扉17bを開け、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内に空のメダル収容器21をセットする。容器検出部17fにてメダル収容器21有りと検出すると所定時間後にメダル振分機構6が作動して一方側の第1容器収納部17の下方容器収納部17B内のメダル収容器21内に自動的にメダルが供給される。
【0038】
第2実施形態において、営業時、スロットマシンへの補充が必要になった時、店員は容器収容部(第1容器収納部17)の開閉扉17bを開け、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内にメダル収容器21が有る時に補充操作ボタン17eを操作するとメダル振分機構6が作動し、第1のメダル貯留部3から一方側の第1容器収納部17の下方容器収納部17B内のメダル収容器21内にメダルが供給される。
【0039】
さらに、第2実施形態において営業時(閉店時等)、本体部1a内の移動台車5に回収する事態が生じた時、店員は容器収容部(第1容器収納部17)の開閉扉17aを開け、下方容器収納部17Bの収納スペース17a内にセットされているメダル収容器21を取り除き無い状態にすると共に載置棒17c上の載置板を取り外す。
そして、容器収容部(第1容器収納部17)の開閉扉17bを閉め、操作パネル1bに設けた回収操作ボタン1cを操作するとメダル振分機構6が作動し、第1のメダル貯留部3から第1容器収納部17の下方容器収納部17B内にメダルが供給されるが、メダル収容器21と載置板が無いので収納スペース17a内の底面の落下口17gから回収経路15及び回収通路15aを通って移動台車5内に導かれていく。即ち、メダル収容器21と載置板が無い状態の時は、下方容器収納部17Bの収納スペース17aが回収経路15の一部と成る。尚、下部側のメダル貯留部4に回収する事態が生じた時も同様に行われる。
この第2実施形態は、手動操作にてメダル収容器21内に供給すること、又は第2のメダル貯留部(下部側のメダル貯留部若しくは移動台車)に供給することが可能になる。
【0040】
回収時とは、移動台車5を使用してスロットマシンに補給したことにより移動台車5の貯留タンク5a内のメダルが少なくなった時、又は第1のメダル貯留部3又は第2のメダル貯留部4(ここでは下部側のメダル貯留部)が満杯近くになった時は、一旦移動台車5の貯留タンク5a内に入れておく必要が生じた時等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】遊技島に設置された半自動式メダル循環装置を示す外観正面図である。
【図2】半自動式メダル循環装置を示す外観側面図で、開閉扉が閉じられている。
【図3】半自動式メダル循環装置を示す外観側面図で、開閉扉が開いている。
【図4】メダル貯留部とメダル振分機構と容器収納部の位置関係を示す図である。
【図5】本発明の容器収納部の構成を示す側面図である。
【図6】同上、容器収納部の構成を示す正面図である。
【図7】同上、容器収納部の構成を示す正面断面図である。
【図8】同上、容器収納部の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 半自動式メダル循環装置
1c 回収操作ボタン(操作部)
2 制御部
3 第1のメダル貯留部
4 第2のメダル貯留部
5 移動台車(第2のメダル貯留部)
6 メダル振分機構
13 メダル回収機構
15 回収経路
15a 回収通路
17 第1容器収納部(一方側)
17A 上方容器収納部
17B 下方容器収納部
17a 収納スペース
17b 開閉扉(飛散防止部材)
17f 容器検出部
17g 落下口
17e 補充操作ボタン(操作部)
19 第2容器収納部(他方側)
21 メダル収容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部側に貯留されているメダルを、メダル収容器内に供給するメダル回収機構であって、
前記メダル回収機構は、
メダルを貯留する第1のメダル貯留部と、
前記第1のメダル貯留部から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構と、
前記メダル振分機構を作動させる制御部と、
メダル収容器と略同じ大きさの収納スペースを形成し、且つ収納スペースにメダル収容器の有無を検出する容器検出部を設けた容器収納部と、から構成され、
前記容器検出部が、容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有りと検出してから所定時間後に前記メダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルを供給する、構成としたことを特徴とするメダル回収機構。
【請求項2】
上部側に貯留されているメダルを、下部側に回収する回収経路を備えたメダル回収機構であって、
前記メダル回収機構は、
メダルを貯留する第1のメダル貯留部と、
前記第1のメダル貯留部から排出されたメダルを振分けるメダル振分機構と、
前記メダル振分機構を作動させる操作部と、
メダル収容器と略同じ大きさの収納スペースを形成した容器収納部と、
前記容器収納部から排出したメダルを回収する回収経路と、
前記回収経路から落下するメダルを貯留する第2のメダル貯留部と、から構成され、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が有る時、前記操作部を操作するとメダル振分機構が作動してメダル収容器内にメダルが供給され、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、前記操作部を操作するとメダル振分機構が作動し、排出したメダルは容器収納部の収納スペース内の落下口を通過し、回収経路を介して第2のメダル貯留部に回収する、構成としたことを特徴とするメダル回収機構。
【請求項3】
請求項2記載のメダル回収機構であって、
前記容器収容部の収納スペース内にメダル収容器が無い時、操作部を操作し、メダル振分機構が作動して供給された際、メダルが収納スペースから外部に飛び散らないように、前記容器収納部の前面に飛散防止部材を設けたことを特徴とする、メダル回収機構。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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