メッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法及びクラッド材
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法、及び該方法において用いるクラッド材に係り、特にメッキ加工により防錆処理等を施した鋼材とアルミ系材とのスポット溶接に好適なメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法、及び該方法において用いるのに好適なクラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、異種金属間接合を抵抗溶接により行う手法が知られており、例えば非アルミニウム金属の板とアルミニウム系材料の板との間に、板厚及び板厚比が規定された非アルミニウム金属板とアルミニウム系材料の板からなる2層の非アルミニウム/アウミニウムクラッド材をインサートし、特定の式で導かれる電流条件でスポット溶接を行う方法が特開平5−111778号公報により知られている。
【0003】また、鉄/アルミニウム2層クラッド材をインサート材に用い、鋼板とアルミニウム板とをスポット溶接する方法については、特開平4−55066号公報、特開平4−127973号公報、特開平4−253578号公報等により知られている。
【0004】しかし、これら従来の方法では、2ステップの通電を必要としたり、大電流を必要とするなどの問題点があった。尚、これら従来の方法では、幅広い電流域で継手の強度を高く保つ方法や、メッキ鋼板とアルミニウム板とをスポット溶接する方法については考えられていない。また、この異種金属接合方において、電極形状を変化させたり、プロジェクションを用いることについては考えられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では異種金属間の接合について種々の要求があり、例えば自動車車体のスポット溶接等においては、防錆処理等のためメッキ処理を施した鋼板(以下メッキ鋼板と称す)とアルミ系材とを抵抗溶接する技術が要求されている。
【0006】この場合、抵抗溶接すべき母材が鋼板とアルミである点においては上記公報に開示された抵抗溶接方法の対象物と同様であることから、メッキ鋼板とアルミ板との間に上記クラッド材を介在させて抵抗溶接を行うことが考えられる。
【0007】しかし、メッキ鋼板とクラッド材との界面が抵抗発熱により昇温した場合、クラッド材両面にナゲットが成長するに先立ってメッキ層を形成するメッキ金属が溶融し、その結果メッキ鋼板とクラッド材との間に溶融メッキが介在して通電面積が拡大され、該部で電流が拡大され、電流密度が低下する。
【0008】このため、十分な強度を確保し得るナゲットを形成するためには、鋼板を抵抗溶接する場合に比べて多大な電流を流通させる必要があるが、高電流にすると電極溶着及びアルミ溶融金属の飛散(チリ)が大となるため電流値は高くできず、溶接条件範囲が極めて狭小となるという問題を有していた。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、メッキ鋼材とアルミ系材との間にクラッド材を介在せしめて抵抗溶接するにあたり、メッキ鋼材とクラッド材との当接面積を減少させることで通電初期に高い電流密度を確保し、もって上記の課題を解決するメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に形成される初期通電面積を減少させてなるメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法により達成される。
【0011】また、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法において、前記メッキ鋼材のクラッド材当接面、及び前記クラッド材のメッキ鋼材当接面の少なくとも一方に凹凸を形成して通電面積を減少させる構成も有効である。
【0012】更に、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法において、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に、開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少させる構成も有効である。
【0013】そして、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法は、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材において、該鋼材系金属側表面に、所定面積率の凹凸を形成したクラッド材を用いることで容易に実施することができる。
【0014】
【作用】本発明に係るメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法においては、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との当接面積が減少しているため、前記メッキ鋼材と前記アルミ系材との間を電流が流通する場合、通電初期に高い電流密度が確保される。従って、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との界面が効率良く昇温し、前記クラッド材の両面において適当に溶接ナゲットが形成される。
【0015】また、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との当接面の少なくとも一方に凹凸を施して通電面積を減少せしめた場合、前記メッキ鋼材表面のメッキ金属が溶融した際に、その溶融メッキが凹部内に収まるため、溶融メッキによる通電面積の拡大が防止される。
【0016】更に、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少せしめる構成においては、前記メッキ鋼材及び前記クラッド材自体には何ら特別な加工を施すことなく通電面積の減少が実現される。
【0017】そして、鋼材系金属側表面に所定面積率の凹凸を形成したクラッド材を前記メッキ鋼材と前記アルミ系材との間に介在させた場合、抵抗溶接を施す位置に関わらず、常に前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に適当な通電面積が確保される。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法を説明するための概念図を示す。
【0019】同図に示すように、電極10,11には交流電源12が接続されている。この交流電源12は、予め設定された条件に従って所定周期及び所定電圧の交流電圧を、所定期間発生して電極10,11に供給する。
【0020】電極10,11は、共に先端部の直径が6mm、先端湾曲半径が40mmのドームラジアス型(DR型)電極であり、図示しないアームと共に変位し、両者間に所定荷重を発生させることができる。
【0021】電極10が当接する被溶接部材13は、両面に亜鉛メッキによるメッキ層13aが形成された防錆メッキ鋼板13であり、一方電極11が当接する被溶接部材14は、アルミ系材で構成されたアルミ板14である。
【0022】メッキ鋼板13とアルミ板14との間には、鋼板系金属である鉄系金属からなる鉄層15aと、アルミ板14と同系の金属であるアルミ層15bとが積層されてなるクラッド材15が介在されている。尚、これら鉄層15aとアルミ層15bとは圧着等の固相接合により積層されている。
【0023】図2は、クラッド材15の平面図(同図(A))、及び正面断面図(同図(B))を示したものであるが、同図に示すようにクラッド材15は、その鉄層15a表面に、所定ピッチ、所定高さ、所定面積率に形成された複数の凸部15cを備えている。
【0024】ところで、本実施例において溶接方法として採用する抵抗溶接は、被溶接金属間に所定の荷重を加え、その状況で電流を通電させることにより金属境界面に抵抗発熱を生ぜしめ、これを熱源として境界面に溶接ナゲットを形成・成長させる溶接方法である。
【0025】この場合、抵抗発熱により発生する熱量は、電極間10,11の電力消費量に等しく、単位堆積当たりの発熱量は通電する電流の密度の二乗に比例する。従って、同一の電力消費量に対して効率良く被溶接箇所を昇温させるためには、抵抗溶接時における電流密度を向上させる必要がある。
【0026】これに対し、表面にメッキ層13aを備えるメッキ鋼板13においては、抵抗溶接の際にメッキが溶融し、何らその溶融メッキに対する処置が施されていない場合には、通電面積の増大により適当な電流密度の確保が困難であることは前記した通りである。
【0027】本実施例においてクラッド材15に凸部15cを設けたのは、メッキ層13aの溶融に伴うかかる弊害を除去するためであり、具体的には図3に示す如くメッキ鋼板13とクラッド材15との間に、面積の小さな電流通電を形成するためである。
【0028】すなわち、本実施例の抵抗溶接方法によれば、電極10,11間に所定の交流電圧を印加して被溶接物たるメッキ鋼板13、アルミ板14、及びクラッド材15に所定電流を流通させた際に形成される電流の通電面積は、クラッド材15の凸部15cの面積に拘束される。
【0029】このため、電流の流通に伴う抵抗発熱は、クラッド材15の凸部15cとメッキ鋼板13との当接面において集中的に発生する。更に、かかる発熱により生じた溶融メッキ13bは、凸部15cを除くクラッド材15表面に堆積し、その影響でメッキ鋼板13とクラッド材15との当接面積、すなわち電流の通電面積が拡大されることがない。
【0030】従って、本実施例の抵抗溶接方法によれば、表面にメッキ層13aを有するメッキ鋼板13を溶接の対象物とする場合であっても、安定して高い電流密度を形成することが可能である。
【0031】そして、このような高電流密度が形成できることから、クラッド材15(鉄層15a)とメッキ鋼板13との界面、及びクラッド材15(アルミ層15b)とメッキ鋼板13との界面に、それぞれ適当な溶接ナゲットを形成することができる。
【0032】ここで、メッキ鋼板13として目付量60/60 g/ m2 の両面亜鉛メッキ鋼板を用い、アルミ板14としてA5052(JIS 規格)を用い、電極間溶接荷重1.96kN、溶接時間167ms(60Hz交流電源における10サイクル分)として、凸部15cの形状及び溶接電流値を変えて抵抗溶接を行い、形成された溶接品質を引っ張り剪断強さで評価した結果を図4〜図7に示す。尚、各図に示す引っ張り剪断強さは、図7中実験 No.29に示すデータを除きn=2の平均値である。
【0033】図4中 No.1〜3、及び No.4〜6は、本実施例の抵抗溶接方法の比較対象のためのデータであり、それぞれメッキ層13aの無い鋼板を用いた場合、及びメッキ層13aのある鋼板を用いた場合について、クラッド材15として凸部15cの無いものを用いて溶接試験したデータを示したものである。
【0034】これらを比較すると、メッキを施した鋼板の場合、メッキのない鋼板に比べて全体に引っ張り剪断強さが低く、特に電流密度の低い低溶接電流下でその傾向が顕著であることが判る。
【0035】これに対して図5〜図7は、本実施例の抵抗溶接方法により、それぞれ凸部15cの高さ、クラッド材15における凸部15cの面積率、凸部15cを形成するピッチをパラメータとして変化させた場合の実験結果を示したものであるが、何れの場合についても、全体的に凸部15cを設けない場合に比べて良好な結果が得られている。
【0036】より詳細に解析すると、図5に示す No.7〜9、 No.10〜12、 No.13〜15より、凸部15cの高さについては、1.0mm以内の範囲では、大きい方が有利であることが判る。このような寸法領域では、その高さが高く溶融メッキ13bの収納性に優れることが溶接品質向上に有利であるためと推定できるが、この意味で本実施例の抵抗溶接方法は0.05mm〜1.0mm程度に凸部15cを形成することが良好である。
【0037】但し、鋼板板厚が薄い場合には、凸部の高さは0.05mm以下の高さであってもよい。この場合、凸部の高さは0.02〜1.0mmであることが好ましい。また、より好ましくは、凸部の高さは0.05〜0.5mmである。
【0038】また、図6に示す No.16〜18、 No.13〜15、 No.19〜21より、凸部15cの面積率については、20%〜85%程度であれば、何れの面積率であっても良好な溶接品質が確保できることが判る。但し、凸部15cの面積率が極端に低い場合は、抵抗溶接工程において加えられる荷重により凸部15cが変形し、またその面積率が極端に高い場合は溶融メッキ13cの収納性が悪化により通電面積の拡大防止効果が得られなくなることから、面積率10%〜90%程度が適当であると推定される。
【0039】図7に示す No.22〜24、 No.13〜15、 No.25〜27、 No.28〜30は、今回の条件範囲内であれば、何れのピッチ条件によっても良好な効果が得られることを示すと共に、今回使用した電極10,11の径に対しては、3.0mm程度がピッチとしては上限であることを示している。
【0040】すなわち、図7中、 No.29に括弧書きで示す2つのデータは、繰り返し数が1(n=1)のデータを平均化せずに表示したものであるが、一方の2.7kNについては他の条件と比べて遜色がないが、他方の1.9kNについては、他に比べて著しくその強度が低い。
【0041】この結果は、電極10、11の先端が直径6mmの半球状であることから、溶接実行位置が凸部15cのピッチ間となって特定の凸部15cに電流が集中できなかったためと考えられる。この意味で、本実施例においては、電極10,11の寸法との関係上ピッチは3.0mm以下に設定することが好適である。
【0042】尚、鋼板の溶接性を向上させる手法としては、プレス工程で被溶接物にプロジェクション突起を設けて電流を集中させる方法があり、この方法をメッキ鋼板の抵抗溶接に応用するとすれば、図8に示す如くクラッド材16にプロジェクション突起17を設けることが考えられるが、かかる方法においては、クラッド材17をメッキ鋼板13、及びアルミ板14で挟んだ状態でプロジェクション突起17を捕らえて溶接を実行することが必要であり、その作業性に難点がある。
【0043】これに対して、本実施例の抵抗溶接方法は、クラッド材13が介在する領域であれば何れの位置に電極10,11を当接させた場合においても、適当に電流の集中を図ることができ、作業性に優れた抵抗溶接を実現することができるという特長をも有している。
【0044】尚、上述の実施例は、メッキ鋼板13とクラッド材15との間に形成される電流通電経路の拡大防止を、クラッド材15に凸部15cを設けて実現する構成としているが、これに限るものではなく、通電路面積の拡大が防止できる限り図9に示す如くメッキ鋼板18側に凸部18aを形成し、クラッド材19については平坦なものを用いる構成としてもよい。但し、クラッド材側に凸部を形成するほうが製造上簡便で低コストで適用でき、有用である。
【0045】また、上記図2に示すクラッド材15は、角柱状の凸部15cを備える構成であるが、凸部15cの機能はメッキ鋼板13とクラッド材15との接触面積を減少させることにあり、この機能が実現できる限りその形状に制約はなく例えば図10(A)に示す如く円柱状の凸部20aを備えるクラッド材20、図10(B)に示すように三角柱状の凸部21aを備えるクラッド材21、又は図10(C)に示すように角柱状の凹部22aを備えるクラッド材22によっても同様の効果を得ることができる。
【0046】また、凸部は、柱状であっても、先端側ほど断面積が減少する形状であってもよい。さらに、凹部は、柱状であっても、凹部の奥側ほど凹部断面積が減少する形状であってもよい。
【0047】尚、クラッド材15,20,21,22,メッキ鋼板18等に凸部又は凹部15c,20a,21a,22a,18aを形成する手法としては、凹凸のないクラッド材の鉄層、又はメッキ鋼板に、例えば圧延ローラにより凹凸パターンを圧縮成形する手法、又は機械加工、エッチング、レーザ加工等により溝を形成する手法等が適用可能である。
【0048】更に、図11に示すように、凹凸の無いクラッド材(又はメッキ鋼板13)23に、開口部24aを有する網状の鋼板薄板24を圧着し、または抵抗溶接に先立ってクラッド材23とメッキ鋼板13との間に鋼板薄板を介在せしめる手法が適用可能である。この場合、クラッド材23及びメッキ鋼板13には、何ら凹凸加工を施す必要がなく、極めて容易に本実施例の抵抗溶接方法を実現することができる。
【0049】また、上述の実施例は、本発明に係る抵抗溶接方法をスポット溶接に適用した例を示したものであるが、その適用範囲は上記実施例に示すスポット溶接に限るものではなく、例えば図12に示すように、対応する複数の突起31a,32aを備える一対のローラ31,32を用いて連続的にスポット溶接を行うロールスポット溶接、又は突起の無い一対のローラ間に被溶接物を挟持して行うシーム溶接等に適用することも可能である。
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれば、メッキ鋼材とクラッド材との間に高密度に電流を流通させることができ、抵抗溶接を施すべき位置を局部的に効率良く昇温することができる。このため、比較的少ない電流で溶接ナゲットを適当に成長させることができ、比較的広範な溶接条件により安定した溶接強度を得ることができる。また、抵抗溶接の際にメッキ鋼材表面のメッキ金属が溶融しても、その溶融メッキが凹部内に収納され、メッキ鋼材とクラッド材との当接面積の拡大が防止されるため、通電面積を減少させることによる上記効果を安定して享受することができる。
【0050】更に、請求項2記載の発明によれば、メッキ鋼材、及びクラッド材自体に凹凸を施す必要がなく、単に開口部を有する鋼材系金属板を介在せしめるだけで所望の効果を得ることができ、極めて容易にメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接を行うことが可能となる。
【0051】そして、請求項3記載の発明によれば、抵抗溶接を施す位置に関わらずメッキ鋼材とクラッド材との間に適当な通電面積を確保することができ、溶接位置に精度を要求することなく所望の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である抵抗溶接方法を説明するための概念図である。
【図2】本実施例の要部であるクラッド材の構成図である。
【図3】本実施例の抵抗溶接方法の効果を説明するための図である。
【図4】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その1)である。
【図5】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その2)である。
【図6】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その3)である。
【図7】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その4)である。
【図8】本実施例の抵抗溶接方法の付随的効果を説明するための図である。
【図9】本発明に係る抵抗溶接方法の他の実施例を説明するための概念図である。
【図10】本実施例の抵抗溶接方法に好適なクラッド材の他の例の構成図である。
【図11】本実施例の抵抗溶接方法に好適なクラッド材の別の例の構成図である。
【図12】本発明に係る抵抗溶接方法の応用例を説明するための図である。
【符号の説明】
10,11 電極
13,18 メッキ鋼板
14 アルミ板
15,20,21,22 クラッド材
15a 鉄層
15b アルミ層
15c,18a,20a,21a 凸部
22a 凹部
24 鋼板薄板
24a 開口部
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法、及び該方法において用いるクラッド材に係り、特にメッキ加工により防錆処理等を施した鋼材とアルミ系材とのスポット溶接に好適なメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法、及び該方法において用いるのに好適なクラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、異種金属間接合を抵抗溶接により行う手法が知られており、例えば非アルミニウム金属の板とアルミニウム系材料の板との間に、板厚及び板厚比が規定された非アルミニウム金属板とアルミニウム系材料の板からなる2層の非アルミニウム/アウミニウムクラッド材をインサートし、特定の式で導かれる電流条件でスポット溶接を行う方法が特開平5−111778号公報により知られている。
【0003】また、鉄/アルミニウム2層クラッド材をインサート材に用い、鋼板とアルミニウム板とをスポット溶接する方法については、特開平4−55066号公報、特開平4−127973号公報、特開平4−253578号公報等により知られている。
【0004】しかし、これら従来の方法では、2ステップの通電を必要としたり、大電流を必要とするなどの問題点があった。尚、これら従来の方法では、幅広い電流域で継手の強度を高く保つ方法や、メッキ鋼板とアルミニウム板とをスポット溶接する方法については考えられていない。また、この異種金属接合方において、電極形状を変化させたり、プロジェクションを用いることについては考えられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では異種金属間の接合について種々の要求があり、例えば自動車車体のスポット溶接等においては、防錆処理等のためメッキ処理を施した鋼板(以下メッキ鋼板と称す)とアルミ系材とを抵抗溶接する技術が要求されている。
【0006】この場合、抵抗溶接すべき母材が鋼板とアルミである点においては上記公報に開示された抵抗溶接方法の対象物と同様であることから、メッキ鋼板とアルミ板との間に上記クラッド材を介在させて抵抗溶接を行うことが考えられる。
【0007】しかし、メッキ鋼板とクラッド材との界面が抵抗発熱により昇温した場合、クラッド材両面にナゲットが成長するに先立ってメッキ層を形成するメッキ金属が溶融し、その結果メッキ鋼板とクラッド材との間に溶融メッキが介在して通電面積が拡大され、該部で電流が拡大され、電流密度が低下する。
【0008】このため、十分な強度を確保し得るナゲットを形成するためには、鋼板を抵抗溶接する場合に比べて多大な電流を流通させる必要があるが、高電流にすると電極溶着及びアルミ溶融金属の飛散(チリ)が大となるため電流値は高くできず、溶接条件範囲が極めて狭小となるという問題を有していた。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、メッキ鋼材とアルミ系材との間にクラッド材を介在せしめて抵抗溶接するにあたり、メッキ鋼材とクラッド材との当接面積を減少させることで通電初期に高い電流密度を確保し、もって上記の課題を解決するメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に形成される初期通電面積を減少させてなるメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法により達成される。
【0011】また、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法において、前記メッキ鋼材のクラッド材当接面、及び前記クラッド材のメッキ鋼材当接面の少なくとも一方に凹凸を形成して通電面積を減少させる構成も有効である。
【0012】更に、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法において、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に、開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少させる構成も有効である。
【0013】そして、上記構成のメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法は、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材において、該鋼材系金属側表面に、所定面積率の凹凸を形成したクラッド材を用いることで容易に実施することができる。
【0014】
【作用】本発明に係るメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法においては、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との当接面積が減少しているため、前記メッキ鋼材と前記アルミ系材との間を電流が流通する場合、通電初期に高い電流密度が確保される。従って、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との界面が効率良く昇温し、前記クラッド材の両面において適当に溶接ナゲットが形成される。
【0015】また、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との当接面の少なくとも一方に凹凸を施して通電面積を減少せしめた場合、前記メッキ鋼材表面のメッキ金属が溶融した際に、その溶融メッキが凹部内に収まるため、溶融メッキによる通電面積の拡大が防止される。
【0016】更に、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少せしめる構成においては、前記メッキ鋼材及び前記クラッド材自体には何ら特別な加工を施すことなく通電面積の減少が実現される。
【0017】そして、鋼材系金属側表面に所定面積率の凹凸を形成したクラッド材を前記メッキ鋼材と前記アルミ系材との間に介在させた場合、抵抗溶接を施す位置に関わらず、常に前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に適当な通電面積が確保される。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法を説明するための概念図を示す。
【0019】同図に示すように、電極10,11には交流電源12が接続されている。この交流電源12は、予め設定された条件に従って所定周期及び所定電圧の交流電圧を、所定期間発生して電極10,11に供給する。
【0020】電極10,11は、共に先端部の直径が6mm、先端湾曲半径が40mmのドームラジアス型(DR型)電極であり、図示しないアームと共に変位し、両者間に所定荷重を発生させることができる。
【0021】電極10が当接する被溶接部材13は、両面に亜鉛メッキによるメッキ層13aが形成された防錆メッキ鋼板13であり、一方電極11が当接する被溶接部材14は、アルミ系材で構成されたアルミ板14である。
【0022】メッキ鋼板13とアルミ板14との間には、鋼板系金属である鉄系金属からなる鉄層15aと、アルミ板14と同系の金属であるアルミ層15bとが積層されてなるクラッド材15が介在されている。尚、これら鉄層15aとアルミ層15bとは圧着等の固相接合により積層されている。
【0023】図2は、クラッド材15の平面図(同図(A))、及び正面断面図(同図(B))を示したものであるが、同図に示すようにクラッド材15は、その鉄層15a表面に、所定ピッチ、所定高さ、所定面積率に形成された複数の凸部15cを備えている。
【0024】ところで、本実施例において溶接方法として採用する抵抗溶接は、被溶接金属間に所定の荷重を加え、その状況で電流を通電させることにより金属境界面に抵抗発熱を生ぜしめ、これを熱源として境界面に溶接ナゲットを形成・成長させる溶接方法である。
【0025】この場合、抵抗発熱により発生する熱量は、電極間10,11の電力消費量に等しく、単位堆積当たりの発熱量は通電する電流の密度の二乗に比例する。従って、同一の電力消費量に対して効率良く被溶接箇所を昇温させるためには、抵抗溶接時における電流密度を向上させる必要がある。
【0026】これに対し、表面にメッキ層13aを備えるメッキ鋼板13においては、抵抗溶接の際にメッキが溶融し、何らその溶融メッキに対する処置が施されていない場合には、通電面積の増大により適当な電流密度の確保が困難であることは前記した通りである。
【0027】本実施例においてクラッド材15に凸部15cを設けたのは、メッキ層13aの溶融に伴うかかる弊害を除去するためであり、具体的には図3に示す如くメッキ鋼板13とクラッド材15との間に、面積の小さな電流通電を形成するためである。
【0028】すなわち、本実施例の抵抗溶接方法によれば、電極10,11間に所定の交流電圧を印加して被溶接物たるメッキ鋼板13、アルミ板14、及びクラッド材15に所定電流を流通させた際に形成される電流の通電面積は、クラッド材15の凸部15cの面積に拘束される。
【0029】このため、電流の流通に伴う抵抗発熱は、クラッド材15の凸部15cとメッキ鋼板13との当接面において集中的に発生する。更に、かかる発熱により生じた溶融メッキ13bは、凸部15cを除くクラッド材15表面に堆積し、その影響でメッキ鋼板13とクラッド材15との当接面積、すなわち電流の通電面積が拡大されることがない。
【0030】従って、本実施例の抵抗溶接方法によれば、表面にメッキ層13aを有するメッキ鋼板13を溶接の対象物とする場合であっても、安定して高い電流密度を形成することが可能である。
【0031】そして、このような高電流密度が形成できることから、クラッド材15(鉄層15a)とメッキ鋼板13との界面、及びクラッド材15(アルミ層15b)とメッキ鋼板13との界面に、それぞれ適当な溶接ナゲットを形成することができる。
【0032】ここで、メッキ鋼板13として目付量60/60 g/ m2 の両面亜鉛メッキ鋼板を用い、アルミ板14としてA5052(JIS 規格)を用い、電極間溶接荷重1.96kN、溶接時間167ms(60Hz交流電源における10サイクル分)として、凸部15cの形状及び溶接電流値を変えて抵抗溶接を行い、形成された溶接品質を引っ張り剪断強さで評価した結果を図4〜図7に示す。尚、各図に示す引っ張り剪断強さは、図7中実験 No.29に示すデータを除きn=2の平均値である。
【0033】図4中 No.1〜3、及び No.4〜6は、本実施例の抵抗溶接方法の比較対象のためのデータであり、それぞれメッキ層13aの無い鋼板を用いた場合、及びメッキ層13aのある鋼板を用いた場合について、クラッド材15として凸部15cの無いものを用いて溶接試験したデータを示したものである。
【0034】これらを比較すると、メッキを施した鋼板の場合、メッキのない鋼板に比べて全体に引っ張り剪断強さが低く、特に電流密度の低い低溶接電流下でその傾向が顕著であることが判る。
【0035】これに対して図5〜図7は、本実施例の抵抗溶接方法により、それぞれ凸部15cの高さ、クラッド材15における凸部15cの面積率、凸部15cを形成するピッチをパラメータとして変化させた場合の実験結果を示したものであるが、何れの場合についても、全体的に凸部15cを設けない場合に比べて良好な結果が得られている。
【0036】より詳細に解析すると、図5に示す No.7〜9、 No.10〜12、 No.13〜15より、凸部15cの高さについては、1.0mm以内の範囲では、大きい方が有利であることが判る。このような寸法領域では、その高さが高く溶融メッキ13bの収納性に優れることが溶接品質向上に有利であるためと推定できるが、この意味で本実施例の抵抗溶接方法は0.05mm〜1.0mm程度に凸部15cを形成することが良好である。
【0037】但し、鋼板板厚が薄い場合には、凸部の高さは0.05mm以下の高さであってもよい。この場合、凸部の高さは0.02〜1.0mmであることが好ましい。また、より好ましくは、凸部の高さは0.05〜0.5mmである。
【0038】また、図6に示す No.16〜18、 No.13〜15、 No.19〜21より、凸部15cの面積率については、20%〜85%程度であれば、何れの面積率であっても良好な溶接品質が確保できることが判る。但し、凸部15cの面積率が極端に低い場合は、抵抗溶接工程において加えられる荷重により凸部15cが変形し、またその面積率が極端に高い場合は溶融メッキ13cの収納性が悪化により通電面積の拡大防止効果が得られなくなることから、面積率10%〜90%程度が適当であると推定される。
【0039】図7に示す No.22〜24、 No.13〜15、 No.25〜27、 No.28〜30は、今回の条件範囲内であれば、何れのピッチ条件によっても良好な効果が得られることを示すと共に、今回使用した電極10,11の径に対しては、3.0mm程度がピッチとしては上限であることを示している。
【0040】すなわち、図7中、 No.29に括弧書きで示す2つのデータは、繰り返し数が1(n=1)のデータを平均化せずに表示したものであるが、一方の2.7kNについては他の条件と比べて遜色がないが、他方の1.9kNについては、他に比べて著しくその強度が低い。
【0041】この結果は、電極10、11の先端が直径6mmの半球状であることから、溶接実行位置が凸部15cのピッチ間となって特定の凸部15cに電流が集中できなかったためと考えられる。この意味で、本実施例においては、電極10,11の寸法との関係上ピッチは3.0mm以下に設定することが好適である。
【0042】尚、鋼板の溶接性を向上させる手法としては、プレス工程で被溶接物にプロジェクション突起を設けて電流を集中させる方法があり、この方法をメッキ鋼板の抵抗溶接に応用するとすれば、図8に示す如くクラッド材16にプロジェクション突起17を設けることが考えられるが、かかる方法においては、クラッド材17をメッキ鋼板13、及びアルミ板14で挟んだ状態でプロジェクション突起17を捕らえて溶接を実行することが必要であり、その作業性に難点がある。
【0043】これに対して、本実施例の抵抗溶接方法は、クラッド材13が介在する領域であれば何れの位置に電極10,11を当接させた場合においても、適当に電流の集中を図ることができ、作業性に優れた抵抗溶接を実現することができるという特長をも有している。
【0044】尚、上述の実施例は、メッキ鋼板13とクラッド材15との間に形成される電流通電経路の拡大防止を、クラッド材15に凸部15cを設けて実現する構成としているが、これに限るものではなく、通電路面積の拡大が防止できる限り図9に示す如くメッキ鋼板18側に凸部18aを形成し、クラッド材19については平坦なものを用いる構成としてもよい。但し、クラッド材側に凸部を形成するほうが製造上簡便で低コストで適用でき、有用である。
【0045】また、上記図2に示すクラッド材15は、角柱状の凸部15cを備える構成であるが、凸部15cの機能はメッキ鋼板13とクラッド材15との接触面積を減少させることにあり、この機能が実現できる限りその形状に制約はなく例えば図10(A)に示す如く円柱状の凸部20aを備えるクラッド材20、図10(B)に示すように三角柱状の凸部21aを備えるクラッド材21、又は図10(C)に示すように角柱状の凹部22aを備えるクラッド材22によっても同様の効果を得ることができる。
【0046】また、凸部は、柱状であっても、先端側ほど断面積が減少する形状であってもよい。さらに、凹部は、柱状であっても、凹部の奥側ほど凹部断面積が減少する形状であってもよい。
【0047】尚、クラッド材15,20,21,22,メッキ鋼板18等に凸部又は凹部15c,20a,21a,22a,18aを形成する手法としては、凹凸のないクラッド材の鉄層、又はメッキ鋼板に、例えば圧延ローラにより凹凸パターンを圧縮成形する手法、又は機械加工、エッチング、レーザ加工等により溝を形成する手法等が適用可能である。
【0048】更に、図11に示すように、凹凸の無いクラッド材(又はメッキ鋼板13)23に、開口部24aを有する網状の鋼板薄板24を圧着し、または抵抗溶接に先立ってクラッド材23とメッキ鋼板13との間に鋼板薄板を介在せしめる手法が適用可能である。この場合、クラッド材23及びメッキ鋼板13には、何ら凹凸加工を施す必要がなく、極めて容易に本実施例の抵抗溶接方法を実現することができる。
【0049】また、上述の実施例は、本発明に係る抵抗溶接方法をスポット溶接に適用した例を示したものであるが、その適用範囲は上記実施例に示すスポット溶接に限るものではなく、例えば図12に示すように、対応する複数の突起31a,32aを備える一対のローラ31,32を用いて連続的にスポット溶接を行うロールスポット溶接、又は突起の無い一対のローラ間に被溶接物を挟持して行うシーム溶接等に適用することも可能である。
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれば、メッキ鋼材とクラッド材との間に高密度に電流を流通させることができ、抵抗溶接を施すべき位置を局部的に効率良く昇温することができる。このため、比較的少ない電流で溶接ナゲットを適当に成長させることができ、比較的広範な溶接条件により安定した溶接強度を得ることができる。また、抵抗溶接の際にメッキ鋼材表面のメッキ金属が溶融しても、その溶融メッキが凹部内に収納され、メッキ鋼材とクラッド材との当接面積の拡大が防止されるため、通電面積を減少させることによる上記効果を安定して享受することができる。
【0050】更に、請求項2記載の発明によれば、メッキ鋼材、及びクラッド材自体に凹凸を施す必要がなく、単に開口部を有する鋼材系金属板を介在せしめるだけで所望の効果を得ることができ、極めて容易にメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接を行うことが可能となる。
【0051】そして、請求項3記載の発明によれば、抵抗溶接を施す位置に関わらずメッキ鋼材とクラッド材との間に適当な通電面積を確保することができ、溶接位置に精度を要求することなく所望の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である抵抗溶接方法を説明するための概念図である。
【図2】本実施例の要部であるクラッド材の構成図である。
【図3】本実施例の抵抗溶接方法の効果を説明するための図である。
【図4】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その1)である。
【図5】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その2)である。
【図6】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その3)である。
【図7】本実施例の抵抗溶接方法の効果確認実験の結果(その4)である。
【図8】本実施例の抵抗溶接方法の付随的効果を説明するための図である。
【図9】本発明に係る抵抗溶接方法の他の実施例を説明するための概念図である。
【図10】本実施例の抵抗溶接方法に好適なクラッド材の他の例の構成図である。
【図11】本実施例の抵抗溶接方法に好適なクラッド材の別の例の構成図である。
【図12】本発明に係る抵抗溶接方法の応用例を説明するための図である。
【符号の説明】
10,11 電極
13,18 メッキ鋼板
14 アルミ板
15,20,21,22 クラッド材
15a 鉄層
15b アルミ層
15c,18a,20a,21a 凸部
22a 凹部
24 鋼板薄板
24a 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材のクラッド材当接面、及び前記クラッド材のメッキ鋼材当接面の少なくとも一方に凹凸を形成して前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に形成される通電面積を減少させたことを特徴とするメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法。
【請求項2】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に、開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少させたことを特徴とするメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法。
【請求項3】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うために用いられ、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材において、鋼材系金属側表面に、所定面積率の凹凸を形成したことを特徴とするクラッド材。
【請求項1】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材のクラッド材当接面、及び前記クラッド材のメッキ鋼材当接面の少なくとも一方に凹凸を形成して前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に形成される通電面積を減少させたことを特徴とするメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法。
【請求項2】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材を、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法であって、前記メッキ鋼材と前記クラッド材との間に、開口部を有する鋼材系金属板を介在させて通電面積を減少させたことを特徴とするメッキ鋼材とアルミ系材との抵抗溶接方法。
【請求項3】 メッキ鋼材とアルミ系材との間に、同系の金属が対向するように介在せしめて抵抗溶接を行うために用いられ、鋼材系金属とアルミ系金属とを積層してなるクラッド材において、鋼材系金属側表面に、所定面積率の凹凸を形成したことを特徴とするクラッド材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図8】
【図9】
【図11】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図12】
【図2】
【図3】
【図8】
【図9】
【図11】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図12】
【特許番号】特許第3126587号(P3126587)
【登録日】平成12年11月2日(2000.11.2)
【発行日】平成13年1月22日(2001.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−73468
【出願日】平成6年4月12日(1994.4.12)
【公開番号】特開平7−284955
【公開日】平成7年10月31日(1995.10.31)
【審査請求日】平成10年7月6日(1998.7.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【参考文献】
【文献】特開 平5−263875(JP,A)
【文献】特開 平4−270076(JP,A)
【文献】特開 昭52−73150(JP,A)
【文献】特開 昭64−27784(JP,A)
【文献】特開 昭56−126082(JP,A)
【文献】特開 昭50−43028(JP,A)
【登録日】平成12年11月2日(2000.11.2)
【発行日】平成13年1月22日(2001.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成6年4月12日(1994.4.12)
【公開番号】特開平7−284955
【公開日】平成7年10月31日(1995.10.31)
【審査請求日】平成10年7月6日(1998.7.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【参考文献】
【文献】特開 平5−263875(JP,A)
【文献】特開 平4−270076(JP,A)
【文献】特開 昭52−73150(JP,A)
【文献】特開 昭64−27784(JP,A)
【文献】特開 昭56−126082(JP,A)
【文献】特開 昭50−43028(JP,A)
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