説明

メッシュ−分散デバイス集合にわたるデーター管理

メッシュの中にある協調デバイスにおいて、データー・ファイル、アプリケーション、および/または対応するユーザー・インターフェースにアクセスすることができる。メッシュは、ネットワークの中で協調する、任意の数または任意のタイプのデバイスを含むことができる。データー、アプリケーション、および/または対応するユーザー・インターフェースは、メッシュ上で共有することができる中核オブジェクトの中に格納することができる。中核オブジェクト内における情報は、対応するユーザーによって識別することができ、ユーザーはメッシュにおける任意の協調デバイスを用いてその情報にアクセスすることができる。一例では、情報をアクセスするために用いられるデバイスからはリモートに情報が格納されている。リモート・ソースが所望の情報を格納することができ、あるいはメッシュにおける所望の情報の格納位置を判定することができ、更に所望の情報を対応するユーザーに提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
データーにアクセスするためにコンピューターを用いることが多い。通例、コンピューターは、メモリーを含み、その中にデーターを格納する。格納されたデーターは、関連する情報を収容したファイル、ファイルを走らせるアプリケーション・プログラム、設定値等を含むことができる。ユーザーが1つのコンピューター上において情報のいずれかまたは全てにアクセスすることを望みながらも第2のコンピューター上で作業を行っているときに問題が発生する。ユーザーが第2のコンピューターに移動するとき、第1のコンピューター上で利用可能なデーターは、第2のコンピューター上では利用できないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ユーザーは、データー・ファイルを携帯用記憶デバイス(またはウェブ・サイト)にコピーして、携帯用記憶デバイスおよびデーター・ファイルのコピーを第1のコンピューターから第2のコンピューターに物理的に搬送することができる。しかしながら、追加の情報またはデーターは第2のコンピューター上では得られない場合もあるので、ユーザーは第2のコンピューター上ではデーター・ファイルには最大限アクセスできないことに変わりはない。例えば、データー・ファイルを走らせるために必要なアプリケーション・プログラムが第1のコンピューターにしかインストールされていないこともあり得る。この場合、ユーザーは、必要なアプリケーション・プログラムを欠く第2のコンピューター上でデーター・ファイルを開いたり、あるいはデーター・ファイルにアクセスすることはできない。更に、使用許諾問題またはプライバシの問題のような、種々の付加的な問題のために、ある種のその他のタイプのデーターを単に第2のコンピューターにコピーすることははばかられるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下に、基本的な理解を読者に提供するために、本開示を簡略化した摘要を紹介する。この摘要は、本開示の広範な全体像ではなく、本発明の主要な/肝要な要素を特定するのでなければ、本発明の範囲を正確に叙述するのでもない。その唯一の目的は、本明細書において開示する一部の概念を、簡略化した形態で、後に提示する更に詳細な説明の前置きとして紹介することである。
【0004】
一例において、本明細書において記載する中核オブジェクトが、計算デバイスのような協調デバイスからはリモートの位置に格納されている。中核オブジェクトは、データー・ファイル、このデーター・ファイルに対応するアプリケーション、およびデーター・ファイルまたはアプリケーションに対応するユーザー・インターフェースを含むことができる。中核オブジェクトの情報は、ユーザーと関連のあるデバイスではなく、ユーザーによって制御または所有することができる。したがって、一例では、デバイスが所望の情報を格納、制御、または所有していなくても、ユーザーは任意のデバイス上でデーター・ファイルまたはアプリケーションにアクセスすることまたはこれを起動することができる。
【0005】
一例では、任意の数またはタイプの協調デバイスを収容したメッシュを提供する。メッシュは、更にリモート記憶位置も含むことができ、ここにメタデーター、アプリケーション、あるいは任意の関連データーまたは情報を格納することができ、メッシュの中にある協調デバイスのうち任意のものによってアクセスすることができる。ユーザーの個人情報に基づいて、中核オブジェクトの中にあるデーターおよびアプリケーションを、協調デバイスのうち任意のものに投影することができる。例えば、中核オブジェクトは、データーをユーザーによって特定するように、ユーザーが所有することができる。中核オブジェクトがユーザーのデバイスからリモートに格納されている場合、メッシュ内におけるデーターの位置を判定することができ、所望のデーターをユーザーのデバイスに投影することができる。
【0006】
付帯する特徴の多くは、添付図面と関連付けて以下の詳細な説明を参照し検討することによって深く理解できるようになるに連れて、容易に認められるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本記載は、添付図面と照らし合わせて以下の詳細な説明を読むことにより、一層深く理解されよう。
【図1】図1は、データーまたはその他の関連情報を提供することができる、適した計算システム環境の一例を示す。
【図2】図2は、データー・アクセスおよび格納の一例を示す。
【図3】図3は、データー・アクセスおよび格納の別の例を示す。
【図4】図4は、中核オブジェクトの一例を示す。
【図5】図5は、メッシュにおける提携デバイスに表示したユーザー・インターフェースの一例を示す。
【図6】図6は、計算デバイスの一例を示す。
【図7】図7は、データー・ファイルに対応するアプリケーション・アプリケーション・プログラムがデバイスにローカルに格納されていないときの典型的なメッセージの一例を示す。
【図8】図8は、メッシュにおける提携デバイスにおいてデーター・ファイルにアクセスする例を示す。
【図9】図9は、対応するアプリケーション・プログラムの起動による、データー・ファイルの活性化の一例を示す。
【図10】図10は、所望の情報にアクセスする方法の一例を示すフローチャートである。
【0008】
同様の参照番号は、添付図面における同様の部分を示すために用いることとする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面と合わせて以下に提示する詳細な説明は、本例の説明として意図するのであり、本例を構築または利用できる唯一の形態を表すことを意図するのではない。この説明は、本例の機能、および本例を構築し動作さえるための一連のステップを明記する。しかしながら、異なる例によって、同一または同等の機能およびシーケンスを遂行することもできる。本明細書に記載するシステムは、限定ではなく例として提示する。当業者には認められようが、本例は、種々の異なる種類の計算システムにおける応用に適している。
【0010】
図1は、計算サブシステムが処理機能性を設けることができる、適した計算システム環境即ちアーキテクチャの一例を示す。この計算システム環境は、適した計算環境の一例に過ぎず、本発明の使用や機能性の範囲に関して何の限定も示唆する意図はない。また、この計算環境は、動作環境例に示すコンポーネントの任意の1つまたは組み合わせに関しても、何らかの従属性や要件を有するように解釈してはならない。
【0011】
本明細書において開示する方法またはシステムは、多数の別の汎用または特殊目的計算システム環境または構成を用いても動作する。本発明と共に用いるのに適していると考えら得る周知のコンピューター・システム、環境、および/または構成の例には、パーソナル・コンピューター、サーバ・コンピューター、ハンド・ヘルドまたはラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサに基づくシステム、セット・トップ・ボックス、プログラマブル消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピューター、メインフレーム・コンピューター、前述のシステムまたはデバイスのいずれをも含む分散型計算機環境等が含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0012】
本方法またはシステムは、コンピューターによって実行する、プログラム・モジュールのような、コンピューター実行可能命令という一般的な文脈において説明することができる。一般に、プログラム・モジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データー構造等を含み、特定のタスクを実行するか、および/または特定の抽象的データー・タイプを実現する。また、本方法またはシステムは、通信ネットワークを通じてリンクされているリモート処理デバイスがタスクを実行する分散型計算環境においても実用可能である。分散型計算環境では、プログラム・モジュールは、メモリー記憶デバイスを含む、ローカルおよびリモート・コンピューター記憶媒体双方に配することができる。
【0013】
図1を参照すると、本方法またはシステムを実現するシステム例は、コンピューター102の形態をなす汎用計算デバイスを含む。コンピューター102のコンポーネントは、限定ではなく、処理ユニット104、システム・メモリー106、およびシステム・メモリーを含む種々のシステム・コンポーネントを処理ユニット104に結合するシステム・バス108を含むことができる。システム・バス108は、数種類のバス構造のいずれでもよく、メモリー・バスまたはメモリー・コントローラ、周辺バス、および種々のバス構造のいずれかを用いるローカル・バスを含む。限定ではなく一例として、このようなアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、改良ISA(EISA)バス、ビデオ電子規格連合(VESA)ローカル・バス、およびMezzanine バスとしても知られている周辺素子相互接続(PCI)バスが含まれる。
【0014】
コンピューター102は、通例、種々のコンピューター読み取り可能媒体を含む。コンピューター読み取り可能媒体は、コンピューター110がアクセス可能な入手可能な媒体であればいずれでも可能であり、揮発性および不揮発性の双方、リムーバブル、ならびに非リムーバブル媒体を含む。限定ではない一例をあげると、コンピューター読み取り可能媒体は、コンピューター記憶媒体を含むことができる。コンピューター記憶媒体は、コンピューター読み取り可能命令、データー構造、プログラム・モジュール、またはその他のデーターというような情報の格納のために、あらゆる方法または技術で実施される、揮発性および不揮発性の双方、リムーバブル、および非リムーバブル媒体を含む。コンピューター記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリーまたはその他のメモリー技術、CD−ROM、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)またはその他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク・ストレージまたはその他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を格納するために用いることができしかもコンピューター102がアクセス可能なその他のいずれの媒体も含むが、これらに限定されるのではない。以上のうちの任意のものの組み合わせも、コンピューター読み取り可能記憶媒体の範囲に含まれてしかるべきである。
【0015】
システム・メモリー106は、リード・オンリ・メモリー(ROM)110およびランダム・アクセス・メモリー(RAM)112のような、揮発性メモリーおよび/または不揮発性メモリーの形態をなすコンピューター記憶媒体を含む。基本入/出力システム114(BIOS)は、起動中のように、コンピューター102内のエレメント間におけるデーター転送を補助する基本的なルーティンを含み、通例ROM110内に格納されている。RAM112は、通例、処理ユニット104が直ちにアクセス可能であるデーターおよび/またはプログラム・モジュール、あるいは現在これによって処理されているデーターおよび/またはプログラム・モジュールを収容する。一例として、そして限定ではなく、図1は、オペレーティング・システム132、アプリケーション・プログラム134、その他のプログラム・モジュール136、およびプログラム・データー138を示す。
【0016】
また、コンピューター102は、その他のリムーバブル/非リムーバブル揮発性/不揮発性コンピューター記憶媒体も含むことができる。一例としてのみ、図1は、非リムーバブル不揮発性磁気媒体からの読み取りおよびこれへの書き込みを行なうハード・ディスク・ドライブ116、リムーバブル不揮発性磁気ディスク120からの読み取りおよびこれへの書き込みを行なう磁気ディスク・ドライブ118、ならびにCD ROMまたはその他の光媒体のようなリムーバブル不揮発性光ディスク124からの読み取りおよびこれへの書き込みを行なう光ディスク・ドライブ122を示す。前述の動作環境の一例において使用可能なその他のリムーバブル/非リムーバブル、揮発性/不揮発性コンピューター記憶媒体には、限定する訳ではないが、磁気テープ・カセット、フラッシュ・メモリー・カード、ディジタル・バーサタイル・ディスク、ディジタル・ビデオ・テープ、ソリッド・ステートRAM、ソリッド・ステートROM等が含まれる。ハード・ディスク・ドライブ116は、通例、インターフェース126のような非リムーバブル・メモリー・インターフェースを介してシステム・バス108に接続され、磁気ディスク・ドライバ118および光ディスク・ドライブ122は、通例、インターフェース128または130のようなリムーバブル・メモリー・インターフェースによって、システム・バス108に接続されている。
【0017】
先に論じ図1に示すドライブおよびそれらと関連するコンピューター記憶媒体は、コンピューター読み取り可能命令、データー構造、プログラム・モジュール、およびコンピューター102のその他のデーターを格納する。図1では、例えば、ハード・ディスク・ドライブ116は、オペレーティング・システム132、アプリケーション・プログラム134、その他のプログラム・モジュール136、およびプログラム・データー138を格納するように示されている。尚、これらの構成要素は、追加のオペレーティング・システム、アプリケーション・プログラム、その他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データー、例えば、エレメントのうち任意のものの異なるコピーと同じでも異なっていても可能であることを注記しておく。ユーザーは、キーボード140、および一般にマウス、トラックボールまたはタッチ・パッドと呼ばれているポインティング・デバイス142によって、コマンドおよび情報をコンピューター110に入力することができる。他の入力デバイス(図示せず)には、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、ペン、スキャナ等を含むことができる。これらおよびその他の入力デバイスは、多くの場合、ユーザー入力インターフェース144を介して、処理ユニット104に接続されている。ユーザー入力インターフェース144は、システム・バスに結合されているが、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、またはユニバーサル・シリアル・バス(USB)のようなその他のインターフェースおよびバス構造によって接続することも可能である。モニター158またはその他の形式のディスプレイも、ビデオ・インターフェースまたはグラフィクス・ディスプレイ・インターフェース156のようなインターフェースを介して、システム・バス108に接続されている。モニター158に加えて、コンピューターは、スピーカ(図示せず)およびプリンタ(図示せず)のような、その他の周辺出力装置も含むことができ、これらは出力周辺インターフェース(図示せず)を通じて接続することができる。
【0018】
コンピューター102は、リモート・コンピューターのような1つ以上のリモート・コンピューターへの論理接続を用いて、ネットワーク環境において動作することも可能である。リモート・コンピューターは、パーソナル・コンピューター、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、またはその他の共通ネットワーク・ノードとすることができ、通例、コンピューター102に関して先に説明したエレメントの多くまたは全てを含む。図1に示す論理接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)148およびワイド・エリア・ネットワーク(WAN)150を含むが、他のネットワークも含むことができる。このようなネットワーク環境は、事務所、企業規模のコンピューター・ネットワーク、イントラネットおよびインターネットにおいては、一般的である。
【0019】
LANネットワーク環境で用いる場合、コンピューター102は、ネットワーク・インターフェースまたはアダプタ152を介してLAN148に接続する。WANネットワーキング環境で用いる場合、コンピューター102は、通例、モデム154、またはインターネットのようなWAN150を通じて通信を確立するその他の手段を含む。モデム154は、内蔵でも外付けでもよく、ユーザー入力インターフェース144またはその他のしかるべき機構を介してシステム・バス108に接続することができる。ネットワーク環境では、コンピューター102に関して図示したプログラム・モジュール、またはその一部は、リモート・メモリー記憶装置に格納することもできる。一例として、そして限定ではなく、リモート・アプリケーション・プログラムは、メモリー・デバイスに常駐してもよい。尚、図示のネットワーク接続は一例であり、コンピューター間で通信リンクを確立する手段であれば他のいずれでも使用可能であることは認められよう。
【0020】
ユーザーのデーター・ファイル、アプリケーション、ユーザー・インターフェース、およびその他の関連情報に任意の数またはタイプのデバイスにおいてアクセスするまたは供給することができるメッシュ(mesh)を設けるシステムおよび方法について説明する。メッシュは、記憶位置および/または基盤即ち中核オブジェクトを含むことができ、一体となって任意の数または任意のタイプのデバイスをネットワーク内に持ち込む。メッシュの基盤即ち中核オブジェクトは、データー・ファイル、当該データー・ファイルに対応するアプリケーション、および/またはユーザー・インターフェースのような関連情報を含むことができる。更に、中核オブジェクトは、その他の任意のタイプの情報またはデーターも含むことができ、例えば、メタデーター、状態情報等が含まれる。情報および/またはデーターは、メッシュを経由して中核オブジェクトを介してメッシュの中にあるあらゆるデバイスに伝達することができる。また、メッシュの中にあるデバイスは、互いに異質でどのようなタイプでもよく、あるいは互いに協同的または協調的であってもよく、あるいはメッシュ記憶デバイスまたは位置と協同的または協調的であってもよく、および/または分散されていてもよい。
【0021】
所望の情報はいずれも、中核オブジェクトに含めることができる。中核オブジェクトは、メッシュにおける記憶位置から、メッシュにおける1つ以上のデバイスに投影することができる。ユーザーは、メッシュにおけるデバイスのうち任意のものまたは全てを、メッシュの中において協調する1つ以上のデバイスにおいて表示されるビューを通じて見ることができる。ビューは、ユーザーと関連のあるデーター、アプリケーション、ユーザー・インターフェース、あるいはその他のデーターまたは情報のうち任意のものに関する情報を含むことができる。また中核オブジェクトあるいは中核オブジェクトからのいずれの情報またはデーターも、メッシュの中にあるデバイスのいずれとの関連も解除することもできる。中核オブジェクトとデバイスとの関連を解除すると、中核オブジェクトは、例えば、当該中核オブジェクトとの関連を解除したデバイスにローカルに格納されないことがある。この場合、中核オブジェクトを任意のデバイスに対し、中核オブジェクトの投影を受けるこのデバイスに格納されることなく、投影することができる。したがって、中核オブジェクトはそのデバイスからリモートに格納することができ、そのデバイス自体からリモートの位置に、中核オブジェクトを格納するようにできる。このように、データーまたは情報がデバイスにローカルに格納されていない場合であっても、あらゆるデーター・ファイル、アプリケーション、ユーザー・インターフェース等に、メッシュの中にあるデバイスにおいてアクセスすることおよび/または実行することができる。別の例では、中核オブジェクトの一部をローカルに格納しつつ、中核オブジェクトの一部をリモートに格納することもできる。
【0022】
メッシュの中にあるデバイスに中核オブジェクトを投影する例は数多くある。一例では、ユーザーと関連のある少なくとも1つのデバイスからリモートに中核オブジェクトを格納する(即ち、少なくとも1つのデバイス自体には格納しない)。中核オブジェクトの少なくとも1つのデバイスへの投影には、所望のデーター・ファイルに、少なくとも1つのデバイスにおいてアクセスすることを含むことができ、所望のデーター・ファイルは、少なくとも1つのデバイス自体にローカルに格納する以外に、ある位置に格納することができる。データー・ファイルは、当該データー・ファイルに対応するアプリケーションの実行によって、活性化即ち起動することができる。
【0023】
一例では、デバイスがユーザーから入力を受け取り、所望のデーター・ファイルにアクセスすることができる。例えば、ユーザー・インターフェースをデバイスのディスプレイに表示して、データー・ファイル選択肢のリストをユーザーに提示することができる。ユーザーは、ディスプレイまたはユーザー・インターフェース上のデーター・ファイル選択肢のリストから所望のデーター・ファイルを選択することができる。選択された所望のデーター・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムは、デバイス自体にローカルに位置していない、または格納されていない場合もある。データー・ファイルに対応するアプリケーションがデバイスにローカルに格納されていない場合、アプリケーションの位置またはアプリケーションの格納位置を判定することができる。所望のデーター・ファイルを起動するアプリケーションについて判定した位置に基づいて、アプリケーションがデバイス自体には格納されていない場合であっても、当該デバイスでアプリケーションを起動または実行することができる。
【0024】
また、メッシュの中にあるデバイスは、いずれの構成またはネットワーク・トポロジーでもよい。メッシュにおけるデバイスの構成は、デバイスのうち任意のものをメッシュ内における任意の位置からメッシュ内における別の任意の位置に移動させることができるように、あるいはメッシュから除去できるように、変更することができる。同様に、任意のデバイスを任意の所望の構成でまたは任意の所望の位置にメッシュに追加することもできる。したがって、メッシュの中にあるデバイスは、メッシュ内部では位置に依存せずにいることができる。
【0025】
メッシュにおけるデバイスのうち任意のものが、メッシュ動作環境(MOE)を含むことができる。MOEは、デバイス、データー・ファイル、アプリケーション、またはメッシュにおいて関心のあるあらゆる所望のデーターのビューを提供するための実行可能コード、そしてデバイスまたはその他のエンティティのメッシュへの接続を容易にするサービスを提供するための実行可能コードを含むことができる。これらのサービスには、メッシュにおけるデバイスまたはその他のエンティティの関与を可能にするサービス、デバイス/エンティティを同期させるサービス、ユーザー管理サービス等を含むことができる。したがって、MOEは、メッシュの中にあるデバイスと関連のある任意のタイプのビューまたはサービス、あるいはメッシュと関連のある任意のデーター・ファイルまたはアプリケーションを含むことができる。例えば、ユーザーがメッシュの中にある協調デバイス上のデーター・ファイルにアクセスしたい場合がある。一例では、データー・ファイルおよび/またはそのデーター・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムが、協調デバイスにローカルに格納されていないこともあり得る。データー・ファイルは、ビューを通じて協調デバイスにおいてユーザーに提示することができる。ビューは、メッシュの統一図表を有するインターフェースを収容することができ、その中には、メッシュの中にあるデバイス、データー、アプリケーション、ユーザー・インターフェース等に関する情報を含むことができる。この例では、データー・ファイルの存在をビューにおいて提示することができる。データー・ファイルが協調デバイス自体にローカルに格納されていない場合、望ましければ、データー・ファイルのリモート記憶位置の指示をビュー内に提示することもできる。例えば、データー・ファイルをアイコンとして表示することができ、このアイコンが、データー・ファイルがローカルに格納されていない指示を収容する。一例では、アイコンは、データー・ファイルがローカルに格納されていないことを示すために、幻影形態(例えば、「グレイアウト」)で表示してもよい。あるいは、データー・ファイルがローカルに格納されていないことを示すためには、あらゆる指示を用いてもよい。
【0026】
別の例では、データー・ファイルがローカルに格納されていることもあり、その場合、デバイスはローカル・メモリー・ストアにアクセスして所望のデーター・ファイルを入手することができる。また、データー・ファイルが対応するアプリケーションと対応付けられている場合もあり、その実行の結果、データー・ファイルが表示されるようにしてもよい。また、対応するアプリケーションの実行によって、データー・ファイルのある種の所定の機能性を提供してもよい。データー・ファイルおよび対応するアプリケーションが協調デバイスにローカルに格納されており、データー・ファイルのシステムによって選択が受信された場合、協調デバイスのローカル・メモリー・ストアにアクセスし、対応するアプリケーションを実行して、選択されたデーター・ファイルを開く即ち活性化することにより、選択されたデーター・ファイルを起動即ち実行することができる。
【0027】
別の例では、データー・ファイルおよび/または対応するアプリケーションが、協調デバイスにローカルに格納されてないこともある。例えば、ユーザーが、所望のデーター・ファイルにアクセスするために、メッシュの中にある協調デバイスを用いている場合がある。所望のデーター・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムを用いて、所望のデーター・ファイルを開く即ち活性化し、所望のデーター・ファイルを見る、変更する、操作する、またはそれ以外で処理することができるようにする。所望のデーター・ファイルに対応するアプリケーションが、ユーザーが所望のデーター・ファイルへのアクセスを要求した協調デバイスにローカルに格納されていない場合、協調デバイスは、リモート・ソースに接触して、所望のデーター・ファイルの位置、および/または所望のデーター・ファイルの対応するアプリケーションの位置を判定することができる。
【0028】
所望のデーター、情報、アプリケーション等の位置を判定するリモート・ソースは、所望の位置であればどこにでも位置付けることができる。例えば、リモート・ソースは、協調デバイスからリモートの位置に位置付けることができ、あるいはメッシュの中にあるあらゆる協調デバイスからリモートに位置付けることもできる。一例では、リモート・ソースは、メタデーター・ストアまたはクラウド・サービス、あるいは指定された記憶デバイスを含み、例えば、あらゆる所望のデーター、アプリケーション、ユーザー・インターフェース等をその中に格納することができ、あるいはメッシュの中にあるいずれの協調デバイスによってもアクセスすることができる。
【0029】
この例では、メッシュの中にある協調デバイスはMOEを収容することができ、MOEは、所望のデーター・ファイル、アプリケーション、および/またはユーザー・インターフェースの位置を判定するために、リモート・ソースに接触することができる。MOEは、協調デバイスで実行し、リモート・ソースを通じて、所望の情報の位置を判定することができる。所望の情報の位置は、リモート・ソースから協調デバイスに戻すことができる。受信した位置情報に応答して、協調デバイスのMOEは、デバイスまたは記憶位置を特定し所望の情報またはデーターを読み出すために実行することができる。一例では、所望の情報は、特定した記憶位置から送信し、協調デバイスに格納することができる。
【0030】
メッシュの中にあるデバイスのうち、任意の数のデバイスまたは任意のタイプのデバイスとユーザーを関連付けることができる。例えば、ユーザーが会社のデスクトップ・コンピューター、自宅のコンピューター、公衆共用コンピューター、ラップトップ・コンピューター、タブレットPC、あるいはハンドヘルド・コンピューターまたは通信デバイス、その他多くのデバイスを用いることができる。加えて、ユーザーがこれらのデバイスのうち任意のものからデーター・ファイルあるいは任意のその他の所望の情報またはデーターにアクセスしたい場合もある。
【0031】
ユーザーに関連する情報を、ユーザーと関連のあるデバイスからリモートに格納することもできる。加えて、関連情報を、ユーザーに対応するデバイスの代わりに、ユーザーと関連付けることもできる。例えば、データーまたは情報は、デバイス、クラウド、または任意の位置に格納することができる。図2が示す一例では、データーをクラウド201に格納することができる。更に、ユーザーと関連のあるデバイスのうち任意の数または任意のタイプのものに、情報を投影することもできる。この例は、デバイスは、デスクトップ・コンピューター202、タブレットPC203、ラップトップ・コンピューター204、およびハンドヘルド計算デバイス205を含む。したがって、これらのデバイスのいずれもが、クラウド201の中にあるリモート・ソースから情報またはデーターを受信することができる。
【0032】
図3は、データー・アクセスおよび格納の別の例を示す。この例では、第1計算デバイス302および第2計算デバイス303が、メッシュの中にあるクラウド・データーベース・ストレージ301と通信する。図3は、2つの計算デバイスを示すが、メッシュには任意の数の計算デバイスを含むことができる。更に、クラウド・データーベース・ストレージ301は、ユーザーに関するデーターを記述するまたは特徴付けるため、あるいは特定されたデーター、アプリケーション、またはその他の所望の情報を特定するためのメタデーター・ストアも含むことができる。図3に示すように、計算デバイスのうち任意のもの(たとえば、第1計算デバイス302および/または第2計算デバイス303)がオペレーティング・システムおよびメッシュ動作環境(MOE)を収容することができ、MOEは、メッシュのビューおよびサービスをユーザーに、計算デバイスのうち任意のものにおいて提供するために実行することができる。
【0033】
加えて、計算デバイスのうち任意のもの(たとえば、第1計算デバイス302および/または第2計算デバイス303)が、少なくとも1つの中核オブジェクトを含むこともできる。中核オブジェクトは、データーおよび情報に関する体験(experience)を記述することができ、メッシュ全域において移動させること、またはメッシュを通じてアクセスすることができる。例えば、中核オブジェクトは、データー・ファイルのような任意の所望のデーター、当該データー・ファイルに対応するアプリケーション、および/または当該アプリケーションおよび/またはデーター・ファイルと関連のあるユーザー・インターフェースを含むことができる。先に明記したように、中核オブジェクトは、限定ではなく、メタデーターまたは状態情報のような、任意の追加データーまたは情報も含むことができる。データー・ファイル、当該データー・ファイルを実行または活性化するための対応するアプリケーション、および/または当該アプリケーションまたはデーター・ファイルと関連のあるユーザー・インターフェースを収容する中核オブジェクトには、第1計算デバイス302のような計算デバイスによってアクセスすることができ、アクセスされる中核オブジェクトが格納されている位置は、第1計算デバイス302の位置からリモートである。例えば、アクセスしようとする中核オブジェクトは、この例では、第2計算デバイス303に格納されていてもよい。代わりにまたは加えて、中核オブジェクトをクラウド・データーベース・ストレージ301に格納してもよい。
【0034】
第1計算デバイス302は、例えば、ユーザーから入力コマンドを受信することができる。入力コマンドは、所望のデーター・ファイルの選択を含むことができる。一例では、第1計算デバイス302は、所望のデーターが第1計算デバイス302にローカルに突き止められないように、所望のデーター・ファイルを格納していない。例えば、第1計算デバイス302は、データーを格納するメモリーを含むことができる。しかしながら、所望のデーター・ファイルは、第1計算デバイス302のメモリーには格納されてない。加えて、所望のデーター・ファイルを実行する、開く、または活性化するために、当該所望のデーター・ファイルにはアプリケーションを関連付けることができる。別の例では、第1計算デバイス302のメモリーはアプリケーションを格納していない。したがって、第1計算デバイス302のメモリーは、所望のデーター・ファイル、当該所望のデーター・ファイルと関連のあるアプリケーション、または双方を欠くこともある。
【0035】
更に、第1計算デバイス302は、リモート・ソースと通信するためにMOEを含むこともできる。入力コマンドの受信に応答して、第1計算デバイス302のMOEは、リモート・ストレージの位置と接触し、所望のデーター・ファイルおよび/または当該所望のデーター・ファイルと関連のあるアプリケーションの位置を判定するために実行することができる。リモート・ストレージの位置は、任意のタイプのデーター・ストレージを含むことができる。例えば、リモート・ストレージの位置は、第1計算デバイス302からリモートに位置付けることができ、メッシュの中にあるデバイス、および/またはメッシュの中にあるデーター、アプリケーション、メタデーター、あるいはその他の任意の関連データーまたは情報の格納位置を識別するための識別子情報を格納することができる。加えてまたは代わりに、リモート・ストレージの位置は、関連データーまたは情報をリモート・ストレージの位置にローカルに格納することもできる。別の例では、ピア・ツー・ピア構成または協調構成を用いることもできる。例えば、第1計算デバイス302のMOEは、ネットワークにおける少なくとも1つの別のピア・デバイスに接触するために実行することができる。少なくとも1つのピア・デバイスは、識別子情報またはその他のメッシュ情報を提供することができる。情報を提供するためには、メッシュにおける任意の数のデバイスを用いることができる。
【0036】
第1計算デバイス302におけるMOEは、クラウド・データーベース・ストレージ301のメタデーター・ストアに接触して、所望の情報の格納位置を判定することができる。一例では、クラウド・データーベース・ストレージ301のメタデーター・ストアは、所望のデーター・ファイルおよび/またはアプリケーションを第2計算デバイス303において突き止め、所望の情報を収容する第2計算デバイス303の位置を示す指示を第1計算デバイス302に送ることができる。クラウド・データーベース・ストレージ301からの指示に応答して、第1計算デバイス302は対応するMOEを実行するか、またはMOEを収容するサービスを実行して、第2計算デバイス303に接触し、所望のデーター、情報、アプリケーション等を受信することができる。次いで、要求された情報は、第2計算デバイス303から第1計算デバイス301に伝達または投影することができる。したがって、この例では、選択されたデーター・ファイル、当該データー・ファイルに対応するアプリケーション、および/または当該アプリケーションまたはデーター・ファイルと関連のあるユーザー・インターフェースが第1計算デバイス302にローカルに格納されていない場合であっても、データー・ファイルを第1計算デバイス302上で開くまたは活性化することができる。
【0037】
また、この例では、第2計算デバイス303からのデーター・ファイル、アプリケーション、ユーザー・インターフェース、またはその他の情報を、第1計算デバイス302において、第1計算デバイス302において実行する任意の行為(action)またはイベントを通じて、変更、記録、またはそれ以外の操作をすることもできる。第1計算デバイス302において、第2計算デバイス303から投影されたデーター、情報、アプリケーション等に関して実行するイベントまたは行為は、第2計算デバイス303において監視または更新することができる。したがって、第1計算デバイス302において変更または更新するデーター、アプリケーション等を、第2計算デバイス302において対応するデーターまたは情報と同期させることができる。
【0038】
図4は、中核オブジェクトの一例を示す。中核オブジェクトは所望に応じてあらゆる追加エレメントも収容することができるので、図4は単なる一例に過ぎない。例えば、中核オブジェクトは、更に、状態情報またはメタデーターも含むことができる。この例では、中核オブジェクト401は、任意の数のデーター・ファイル、任意の数のアプリケーション、および任意の数のユーザー・インターフェース(UI)を含むことができる。図4に示すように、中核オブジェクト401は、アプリケーションa405に対応するk個のデーター・ファイル(データー・ファイルa1 402、データー・ファイルa2 403、データー・ファイルak 404)を含むことができる。例えば、対応するアプリケーションa405を実行することによって、データー・ファイル402〜404のうち任意のものを開く、活性化する、起動する、または表示することができる。また、データー・ファイルの中にあるデーターは、アプリケーションa405に対応するユーザー・インターフェース406および対応するデーター・ファイルにおいて提供することができる。任意の数のデーター・ファイル、アプリケーション、およびユーザー・インターフェースを中核オブジェクトに含めることができる。図4に示すように、中核オブジェクト401は、更に、第2のデーター・ファイル集合(データー・ファイルb1 407、データー・ファイルb2 408、データー・ファイルbn 409)、対応するアプリケーションb411、および対応するユーザー・インターフェースb 410を含む。したがって、対応するアプリケーション411によって、データー・ファイル407〜409のうち任意のものを開き、活性化し、起動し、さもなければ活性化することができる。
【0039】
図4に示す中核オブジェクト401のような中核オブジェクトには、メッシュの中にある任意の数の協調デバイス間で、メッシュを通じてアクセスすることができる。例えば、メッシュの中にある1つのデバイスが、リモートの位置にある中核オブジェクトにアクセスすることができる。中核オブジェクトの中にある情報は、リモートの位置またはリモート・デバイスからメッシュ・デバイスに投影することができる。加えて、メッシュ情報を表示するためにビューをメッシュ・デバイスに投影することもできる。例えば、メッシュ、メッシュのデバイス、ならびにリモートの位置に格納されているメッシュ・デバイスのファイルまたはアプリケーションのビューを収容するメッシュ・デバイスのディスプレイに、ビューを表示することができる。
【0040】
図5は、メッシュの中にある協調デバイスに表示したユーザー・インターフェースの一例を示す。この例では、協調デバイスは、データー・ファイルを表すグラフィックを収容するユーザー・インターフェース501を表示することができる。この場合、グラフィックは、ある種のアプリケーションの画像ファイルに対応するアイコンまたはサムネイル502である(この例では、「私の画像ファイル」と名付けられた「PictShop」アプリケーションである画像ファイル)。アイコン502で表された画像ファイルには、特定のユーザーを関連付けることができる。また、画像ファイルには、画像ファイル・アイコン502を表示する計算デバイスが関連付けられなくてもよい。この例における画像ファイルは、特定の計算デバイスではなく、ユーザーと関連があるので、ユーザーは任意の計算デバイスを用いて画像ファイルにアクセスすることができる。例えば、ユーザーは、対応するアプリケーションを起動することによって、第1計算デバイスを用いて画像ファイルにアクセスすることができる。続いて、ユーザーは第2計算デバイスに移動することができる。この場合、第2計算デバイスは、画像ファイルに対応するアプリケーションを収容していない。この例では、第2計算デバイスが画像ファイルに対応するアプリケーションを収容していなくても、ユーザーはなおも第2計算デバイスを用いて画像ファイルにアクセスすること、またはこれを開くことができる。何故なら、データーは、計算デバイス自体ではなく、ユーザーと関連付けられているからである。つまり、使用中の協調デバイスに画像ファイルが格納されていない場合であっても、画像ファイルが関連付けられているユーザーは、メッシュの中にある任意の協調デバイスを用いて画像ファイルにアクセスすることができる。
【0041】
一例では、アイコン502によって表される画像ファイルは、画像ファイルにアクセスするために用いられているデバイスにはローカルに格納されていない。図6は、ディスプレイ・デバイス601と接続した計算デバイス602の一例を示す。ディスプレイ・デバイス601は、入手可能なデーター・ファイルの情報を収容したウィンドウ即ちユーザー・インターフェース501を表示する。この場合、「私の画像ファイル」に対応するアイコン502が、ディスプレイ・デバイス601上のユーザー・インターフェース501の中に表示される。また、この例では、アイコン502に対応するデーターまたは画像ファイルは、計算デバイスにローカルに格納されていない(例えば、計算デバイス602のメモリーに格納されていない)。代わりに、画像ファイルは、計算デバイスからリモートに格納することができ、計算デバイスに投影してユーザーに提供することができる。
【0042】
図7は、データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムがデバイスにローカルに格納されていないときに、デバイスにあるデーター・ファイルにデバイスからアクセスしようとする際に提示する典型的なメッセージの一例を示す。この場合、メモリー(図示せず)を内蔵する計算デバイス602がディスプレイ・デバイス601に接続されている。ディスプレイ・デバイス601は、データー・ファイルに対応するアイコン502を収容するユーザー・インターフェース501を表示する。しかしながら、データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムは計算デバイス602のメモリーにローカルに格納されていない。アイコン502の選択は、ディスプレイ・デバイス601に表示されているユーザー・インターフェース即ちウィンドウ501を通じて受け取られる。対応するアプリケーション・プログラムが計算デバイス602のメモリーにローカルに格納されていないので、エラー・メッセージ701が表示され、アプリケーションが見つからないことを示す。したがって、データー・ファイルへのアクセスは、この例では遂行されない。
【0043】
図8は、メッシュの中にある協調デバイス上のデーター・ファイルにアクセスする例を示す。この例では、データー・ファイルおよび/または当該データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムは、デバイスにローカルに格納されていない。図8に示すように、デバイスは計算デバイス602を含むことができ、計算デバイス602も、当該計算デバイス602が用いる情報またはデーターを格納するためのメモリーを含むことができる。また、計算デバイス602は、ユーザーに関連のある情報を表示するためにディスプレイ・デバイス601に接続することもできる。例えば、ディスプレイ・デバイス601は、ウィンドウ即ちユーザー・インターフェース501を表示することができ、更に、ウィンドウ即ちユーザー・インターフェース501は、対象のデーター・ファイルを表すアイコン502(この例では、対象のデーター・ファイルは画像ファイルを含む)を含むことができる。
【0044】
アイコン502によって表されるデーター・ファイル、および/または当該データー・ファイルの起動、アクセス、または活性化を可能にするアプリケーション・プログラムは、計算デバイス602のメモリーにローカルに格納されていない場合もある。つまり、情報およびデーター(即ち、データー・ファイルおよび/または当該データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラム)は、計算デバイス602によってアクセスも、所有も、制御もされない。むしろ、情報およびデーターは、ユーザーと関連のある任意のデバイスの代わりに、ユーザーによって関連付けられ、所有され、または制御される。
【0045】
図9は、データー・ファイルを活性化するまたは開くデバイスが、当該データー・ファイルおよび/または対応するアプリケーション・プログラムを所有または制御しないときに、対応するアプリケーション・プログラムの起動によって、データー・ファイルを活性化する例を示す。この例では、計算デバイス602がディスプレイ・デバイス601に接続されている。所望のデーター・ファイルを表すアイコン(アイコン502のような)の活性化を選択することができる。この例では、データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラムは、計算デバイス602に格納されていない。代わりに、アプリケーション・プログラムは、リモートの位置に格納されている可能性があるが、特定のユーザーと関連付けられている可能性もある。このため、アプリケーション・プログラムがデバイス自体からリモートに位置するが、ユーザーは計算デバイス602を用いてアプリケーション・プログラム(および/またはアプリケーション・プログラムに対応するデーター・ファイル)にアクセスすることができる。
【0046】
図9に示すように、「PictShop」画像ファイルは計算デバイス602で起動し活性化して、対応するユーザー・インターフェース即ちウィンドウ801が表示される。このようにして、ユーザーが情報にアクセスしているデバイスがコンポーネントのいずれかまたは全てを所有または制御していなくても、ユーザーはデーター・ファイル、および起動するアプリケーション・プログラムにアクセスすることができ、データー・ファイルのために対応するユーザー・インターフェースを得ることができる。
【0047】
図10は、所望の情報にアクセスする方法の一例を示すフローチャートである。ステップ1001において、中核オブジェクトを発生する。中核オブジェクトの一例では、中核オブジェクトは、データー・ファイル、当該データー・ファイルに対応するアプリケーション・プログラム、ならびにデーター・ファイルおよび対応するアプリケーション・プログラムに対応するユーザー・インターフェースを収容する。中核オブジェクトは、特定のデバイスと関連付けられているのではなく、対応するユーザーと関連付けられている。つまり、ユーザーは、ユーザーが用いているデバイスには依存することなく、中核オブジェクトにアクセスすることができる。
【0048】
ステップ1002において、ユーザー・デバイスからリモートに中核オブジェクトを格納する。例えば、ユーザーは自宅用コンピューターを有することができる。対象のデーター・ファイル、当該データー・ファイルのためのアプリケーション・プログラム、およびユーザー・インターフェースを収容する中核オブジェクトを作成する(ステップ1001)。本例では、この中核オブジェクトをユーザーの自宅用コンピューターには格納しない。代わりに、中核オブジェクトを代わりの位置に格納することができる。しかしながら、中核オブジェクトはユーザーと関連付けられているので、ユーザーはなおも自宅用コンピューター(また、ユーザーが利用するその他の任意のデバイス)から、中核オブジェクトおよびその中に収容されている情報にアクセスすることができる。
【0049】
この例では、ユーザーは自宅用コンピューターを用いており、所望のデーター・ファイルを自宅用コンピューターにおいて選択することができる(ステップ1003)。加えて、ユーザーは、ユーザーを識別する識別子を入力することができる(ステップ1004)。別の例では、識別子をコンピューターまたはデバイスと関連付けることができ、そして自動的に供給することができる。自宅用コンピューターは、メッシュにおける協調デバイスであることができ、メッシュの中にあるリモート・ソースと接触するために実行することができるメッシュ動作環境(MOE)を含むことができる。リモート・ソースは、自宅用コンピューターから受信したユーザー識別子と要求されたデーター・ファイルまたはアプリケーションとを比較して、一致を判定することができる(ステップ1005)。一致が確認された場合、要求されたデーター・ファイル、アプリケーション、およびユーザー・インターフェースをユーザーの自宅用コンピューターに供給することができる。例えば、中核オブジェクトは、メッシュ内部の記憶位置から自宅用コンピューターに供給することができる。要求されたデーター・ファイルに対応するアプリケーションを起動して(ステップ1006)、対応するユーザー・インターフェースの中に、要求されたデーターを供給することができる。したがって、要求されたデーター・ファイルをユーザーに表示することができる(ステップ1007)。
【0050】
尚、本説明の形態は多くの形態および実施形態をなすことができることは言うまでもない。本明細書において示した実施形態は、説明を限定するのではなく、例示することを意図しており、本発明の範囲の主旨から逸脱することなく、変形を行うことが可能であることは認められよう。例示用の実施形態について示し説明したが、広範囲の修正、変更、および交換が前述の開示において意図されており、場合によっては、他の特徴の対応する使用がなくても、一部の特徴を採用することができる。したがって、添付する特許請求の範囲は、広義に、そして本発明の範囲と矛盾しないように解釈すべきことは認められよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデバイスをユーザーと関連付けるステップと、
リモートの位置に中核オブジェクトを格納するステップと、
前記中核オブジェクトを、ビューにおける前記複数のデバイスのうち少なくとも1つのデバイスに投影するステップと、
を備えた、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記中核オブジェクトは、データー・ファイルと、当該データー・ファイルに対応するアプリケーションと、ユーザー・インターフェースとを含む、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記投影するステップは、
前記データー・ファイルに対応する前記アプリケーションを、前記少なくとも1つのデバイスにおいて起動するステップと、
前記少なくとも1つのデバイスの起動に応答して、前記アプリケーションに対応するインターフェースを表示するステップと、
を備え、前記少なくとも1つのデバイスからリモートの位置に、前記アプリケーションが格納されている、方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記中核オブジェクトはユーザーと関連付けられる、方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、前記複数のデバイスの中にあるデバイスのうち任意のものに、前記中核オブジェクトは格納されている、方法。
【請求項6】
請求項4記載の方法において、前記複数のデバイスのうち任意のデバイスに、前記中核オブジェクトは格納されていない、方法。
【請求項7】
請求項2記載の方法において、前記ビューは、前記中核オブジェクトの表現を含むグラフィカル・ユーザー・インターフェースを含む、方法。
【請求項8】
請求項2記載の方法であって、更に、
前記複数のデバイスにおける第1デバイスから、前記中核オブジェクト内のデーター・ファイルの入力選択を受信するステップと、
ユーザーに基づいて、前記データー・ファイルに対応する前記中核オブジェクト内のアプリケーションを、前記第1デバイスで起動するステップと、
を備え、前記起動するアプリケーションは、前記第1デバイスからリモートに格納されている、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、更に、
前記中核オブジェクトの表現を収容する前記ビューを、前記第1デバイスに表示するステップと、
前記起動に応答して、前記データー・ファイルに対応するユーザー・インターフェースを表示するステップと、
を備え、前記少なくとも1つのデバイスに前記アプリケーションは格納されていない、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、更に、
ユーザーに対応するユーザー識別子を受信するステップと、
ユーザーと前記中核オブジェクトとの間における一致を判定するステップと、
を備え、前記起動するステップは、前記一致の判定に基づいて、前記第1デバイスで前記アプリケーションを起動するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、前記起動するステップは、ユーザーと前記中核オブジェクトとの間に一致が判定された場合にのみ、前記アプリケーションを起動するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項9記載の方法であって、更に、
前記複数のデバイスにおける第2デバイスから、前記データー・ファイルの選択を受信するステップと、
前記データー・ファイルに対応する中核オブジェクト内のアプリケーションを、前記第2デバイスで起動するステップと、
を備え、前記起動するアプリケーションは前記第1デバイスおよび第2デバイスからリモートに格納されている、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、更に、
前記第2デバイスから、ユーザーに対応するユーザー識別子を受信するステップと、
前記ユーザー識別子に基づいて、ユーザーと前記中核オブジェクトとの間の一致を判定するステップと、
を備え、前記第2デバイスで前記アプリケーションを起動するステップは、前記判定に基づいて前記第2デバイスで前記アプリケーションを起動するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記第2デバイスで前記アプリケーションを起動するステップは、ユーザーと前記中核オブジェクトとの間に一致が判定された場合にのみ、前記第2デバイスで前記アプリケーションを起動するステップを含む、方法。
【請求項15】
データーにアクセスする方法であって、
複数のデバイスの中にある第1デバイスにビューを投影するステップであって、前記ビューが前記複数のデバイスの表現を収容する、ステップと、
データー・ファイルに対する要求を前記第1デバイスにおいて受信するステップであって、前記データー・ファイルが対応するアプリケーションと関連付けられており、前記データー・ファイルまたは対応するアプリケーションのうち少なくとも1つが、前記第1デバイスに格納されていない、ステップと、
前記第1デバイスに格納されていない、前記データー・ファイルまたは対応するアプリケーションのうち前記少なくとも1つの位置を判定するステップと、
前記判定した位置から、前記第1デバイスにおいて、前記データー・ファイルおよび対応するアプリケーションを起動するステップと、
を備えた、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、前記対応するアプリケーションは前記第1デバイスに格納されておらず、前記起動するステップは、前記第1デバイスにおいて前記対応するアプリケーションを起動するステップを含む、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、前記対応するアプリケーションが、前記複数のデバイスの中のいずれのデバイスにも格納されていない、方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法であって、更に、前記複数のデバイスの中にある第2デバイスに前記ビューを投影するステップを備えており、前記第2デバイスは、前記データー・ファイルまたは対応するアプリケーションのうち少なくとも1つを格納していない、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、更に、
第2デバイスにおいてユーザー・コマンドを受信するステップと、
前記ユーザー・コマンドに応答して、前記第2デバイスにおいて前記データー・ファイルを変更するステップと、
前記第2デバイスにおける前記データー・ファイルの変更に応答して、前記第1デバイスにおいて前記データー・ファイルを自動的に変更するステップと、
を備えた、方法。
【請求項20】
ユーザーと関連した中核オブジェクトを格納するシステムであって、複数のデバイスを備えており、前記中核オブジェクトが、前記複数のデバイスからリモートに格納されており、データー・ファイルと、該データー・ファイルに対応するアプリケーションと、ユーザー・インターフェースとを備えており、前記複数のデバイスのうち任意の1つのデバイスが、前記中核オブジェクトのビューを受信し、前記中核オブジェクトのビューを通じて入力コマンドに応答して、前記データー・ファイルおよび対応するアプリケーションを起動する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−526390(P2010−526390A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507536(P2010−507536)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/062191
【国際公開番号】WO2008/137527
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】