説明

メモリモジュール製造方法

メモリモジュールMMの製造のための方法において、まず、基板SBをメモリコンポーネントMCに装着する。装着プロセスの後、それぞれのメモリコンポーネントMCは基板上のバスシステムBSを介してプログラムされる。プログラムの後、基板SBはそれぞれメモリモジュールMMに分割される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリモジュール製造方法に関し、また、本発明の方法を実行するための基板に関する。
【背景技術】
【0002】
しばしばデータ、ログブックなどを格納するためのメモリモジュールを備えた測定送信機が、プロセスオートメーション技術で使われる。一般に、そのようなメモリモジュールは、回路基板上に他のコンポーネントと共に配置されているフラッシュメモリコンポーネントから成っている。メモリコンポーネントの記憶容量は比較的大きく、たとえば、与えられた環境において、16MB以上である。
【0003】
測定送信機の製造、特に電子モジュールを装着するにおいて、これらのメモリコンポーネントはプログラムされなければならない。高い記憶容量のために、そのプログラムには非常に多くの時間がかかる。メモリコンポーネントへのプログラム時間(約1〜5分)は、他のコンポーネントを装着するよりもずっと時間がかかる。これは、メモリコンポーネントが必要とするプログラミングのために、回路基板の装着において、かなりの遅れを生じることを意味する。そのような遅延は、とりわけ高価で高速自動装着装置が電子モジュールの組み立てに用いられている場合には、大変な不利益である。自動装着装置はメモリコンポーネントがプログラムされるまで待たなければならない。そしてその後でのみ、回路基板が、メモリコンポーネントや他のコンポーネントに装着される。
【0004】
現在は、メモリコンポーネントは、実際にボードに装着する前に、特別なプログラミングデバイス(たとえばファームのRoadrunner、またはData IO)を用いてプログラムされる。そのようなシステムを用いて、4つのメモリコンポーネントを並列にプログラムし、自動装着装置の取り入れ口に送りこむことが可能である。常に増加しているメモリコンポーネントの記憶容量は、プログラミングステップによる更なる遅延をもたらす。今日知られている、4つのメモリコンポーネントの並列プログラミングにも関わらず、電子モジュールの組み立てにおいて遅延が発生している。
【0005】
製造者が既にプログラムされたメモリコンポーネントを使用することは、原理的にはそのような遅延を回避する可能性があることとなる。しかしながら、そのような場合に、データの土壇場の変更は、もはや考慮に入れられることができない。頻繁に書き込みデータの変更があるため、このオプションは実に実際的ではない。メモリコンポーネントの全体が使用不可能となり、製造者に返却されることから、かなりの追加コストを招くことになる。また、重要な変更の場合、時間遅延は受け入れられない。
【0006】
上記の方法の更なる不都合な点は、メモリコンポーネントは回路基板が装着される前にプログラムされるということと、その時前もってチェックされることができるだけということである。完全なメモリモジュールの完璧な機能は、回路基板への装着の後の、はんだ付けのプロセスの後にだけ、最初にテストすることができる。はんだ付けプロセスにおいて発生しうるエラーは、更に追加されるステップにおいて訂正されなければならい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、効果的で、高速で、高信頼な方法で、かつ高速な製造工程に適している方法である、メモリモジュール製造のための簡単な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この本発明の目的は、請求項1に定義されたプロセスによって達成される。
メモリモジュールを製造する方法であって、方法段階a.複数のセグメントに分割された基板にメモリコンポーネントを実装し、その際にメモリモジュールがそれぞれ1個のメモリコンポーネントを有する1個のセグメントから形成され、b.個々のメモリコンポーネント(MC)を、基板上に設けられたバスシステムによってプログラムすることを特徴とする、メモリモジュールを製造する方法。
【0009】
更に、本発明の開発における更なる利点は、従属する請求項によって記述される。
本発明における重要なアイディアは、メモリコンポーネントは装着プロセスの間はプログラムされないということであり、むしろ、基板が複数のメモリコンポーネントに装着し、メモリコンポーネントは分離基板が装着された後にのみプログラムされるということである。最後に基板は、あらかじめプログラムされたメモリコンポーネントで個々のメモリモジュールにそれぞれ分離される。これらのメモリコンポーネントは、エレクトロニクスモジュールの完成、かつ/または測定送信機の最終組み立て、の更なる製造ステップにおいて迅速かつ簡単に適用されことが可能である。
【0010】
基板上に提供されるバスシステムが、基板の個々のメモリモジュールをプログラムするために使われる。バスシステムは、その上のすべてのメモリコンポーネントの動作を可能とする。
【0011】
個々のメモリモジュールをプログラムするために、バスシステムは、アドレスバス、データバスと制御バスを含む。
更に、バスシステムはアドレスデコーダを備える。
【0012】
更に、本発明の開発において、メモリコンポーネントはいわゆるフラッシュメモリ(フラッシュメモリコンポーネント)である。
更に、本発明の開発において、メモリモジュールは使用される前に基板から打ち抜かれるまたは切り出される。
【0013】
本発明の方法を実施するために、基板は、ボードのセグメントにそれぞれ接続するバスシステムを備えることを必要とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながらより詳細に説明する。
図1は、装着、はんだ付けされた後の、複数のメモリモジュールMM(合計50個)を備える基板SBを示す図である。各メモリモジュールMMi(i=1〜50)は、基板SB上の特定のセグメントSi(i=1〜50)に属している。明確にするために、すべての50のメモリモジュールおよび50のセグメントは番号付されていない。
【0015】
それぞれのセグメントSiはバスシステムBSを介して相互に接続している。バスシステムBSはアドレスバスAB,データバスDB,コントロールバスCBを含む。更に、バスシステムBSは、アドレスバスABに接続するアドレスデコーダADを含む。アドレスデコーダは、バスへ接続する多数のもの(この場合はメモリモジュール)は、少数のアドレス信号のみによって動作されうる、というように、システム「nのうちの1つ」によって選択を可能にする。
【0016】
基板SB上のプラグコネクタPKはプログラミングデバイスに接続する役割を果たす。
明確にするために、メモリモジュール上に配置される、たとえばESD防御回路のような更なるコンポーネントについては記載していない。
【0017】
このタイプのセグメント化された基板は、しばしばパネルと呼ばれる。
本発明の方法は、より詳細に記述される。基板SBは従来の方法でメモリコンポーネントMCに装着される。メモリコンポーネントは、はんだ付けプロセスの後でのみプログラムされる。このため、適当なプログラミングデバイスはプラグコネクタPKを介して基板に接続する。そして、データはそれぞれメモリコンポーネントMCに書き込まれる。この手順はプログラミングと呼ばれる。
【0018】
基板SB上のバスシステムBSを介して、データはそれぞれメモリモジュールMMに送信される。それぞれのメモリコンポーネントMCのプログラム中に問題が発生すると、これらのメモリコンポーネントは問題があると認識される。エラー認識は、メモリコンポーネントのために少なくとも必要なプログラミングアルゴリズムによって行われる。測定送信機の電子コンポーネントを装着する前に、それぞれのメモリモジュールMMは基板SBから打ち抜かれるまたは、切り出される。そして、それぞれ自動装着装置にそれぞれ供給される。
【0019】
本方法における重要な利点は、装着中の遅延に関係するプログラミングプロセスを、後の重要でない時点にシフトすることができる、ということである。製造に用いられる自動装着装置は、このように最適に用いられることができる。メモリコンポーネントがプログラムされるのを待っている代わりに、更なるまたは別のボードが装着されうる。プログラミングプロセスの結果としての遅延は、もはやメモリコンポーネントを組み込む間には発生しない。このように、処理能力は最大化され、全製造価格は低減化される。
【0020】
更に、装着プロセスとプログラミングの時間を分離することで、メモリモジュールの備蓄を生じることが可能である。製品完成のために必要なデータは、組み立て(アセンブリ)の前に直接プログラムされることが可能である。
【0021】
本発明の方法を実行するために、適当なバスシステムBSを備える基板SBが必要である。そのようなバスシステムBSは、基板の製造時点で、比較的コスト的に効率よく基板SBに組み込むことが可能である。
【0022】
基板SBがそれぞれのメモリモジュールに分割された後、バスシステムは使用不可能となる。アドレスデコーダADとプラグコネクタPKを備える基板の一部は、電子的な無駄として処分される。
【0023】
本発明の方法によって提供される更なる利点は、複数の基板SBは同時に一つのプログラミングデバイスに接続できる、ということである。このように、同時にプログラムされるメモリモジュールMMの数を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の、複数のメモリモジュールを備える基板を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリモジュールを製造する方法であって、方法段階a.複数のセグメントに分割された基板にメモリコンポーネントを実装し、その際にメモリモジュールがそれぞれ1個のメモリコンポーネントを有する1個のセグメントから形成され、b.個々のメモリコンポーネント(MC)を、基板上に設けられたバスシステムによってプログラムすることを特徴とする、メモリモジュールを製造する方法。
【請求項2】
前記バスシステムがアドレスバス、データバスおよび制御バスを包含していることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記バスシステムがアドレスデコーダを有していることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記メモリコンポーネントがフラッシュ・メモリ記憶装置であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記メモリコンポーネントのプログラミング後に基板を個々のメモリモジュールに分割することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記メモリモジュールを基板から打ち抜かれるか、または切り出されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6までに記載された方法を実施するための装置。
【請求項8】
メモリコンポーネント(MC)を受容する働きをするセグメント(Si)がデータバスDBを介して互いに結合されていることを特徴とする、複数のセグメントに分割されている基板。


【図1】
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【公表番号】特表2009−501985(P2009−501985A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521948(P2008−521948)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064206
【国際公開番号】WO2007/009939
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(504001369)エンドレス ウント ハウザー コンダクタ ゲゼルシャフト フューア メス‐ ウント レーゲルテヒニック エムベーハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (8)
【氏名又は名称原語表記】ENDRESS + HAUSER CONDUCTA GESELLSCHAFT FUR MESS‐ UND REGELTECHNIK MBH + CO.KG
【Fターム(参考)】