説明

メーキャップ用塗布具及びこれを用いた塗布化粧品

【課題】交替、携帯、保管が非常に容易なメーキャップ用塗布具及びこれを用いた塗布化粧品を提供する。
【解決手段】外周面に雄ねじ部190bが形成された容器130と、前記容器130に締結された塗布具170と、前記塗布具170が着脱可能に支持された取っ手120とを備え、前記塗布具170は、前記容器130内に収容される塗布部180と、前記塗布部180が支持され、前記取っ手120に着脱可能に挿入される支持キャップ110と、前記支持キャップ110の内周面に形成され、前記雄ねじ部190bと締結される雌ねじ部190aを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目または唇をメーキャップする塗布具及びこれを用いた塗布化粧品に関するものであって、特に、塗布具自体が容器と締結されている状態で取っ手に着脱可能に結合されて交替、取扱及び携帯が容易なメーキャップ用塗布具及びこれを用いた塗布化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、通常のマスカラは、マスカラブラシとブラシ台が一体に備えられており、使用者が睫を整えるために用いられる。しかしながら、使用者は、通常の直線形状のロングラッシュマスカラブラシを睫に接触させて化粧する場合、睫を均一に巻き上げることが容易でなく、睫の化粧に多く時間がかかるとともに、使用者の希望する睫を実現することができなかった。それ故、使用者は睫を整えて巻き上げることができるように形成されたカーリングマスカラブラシを用いている。即ち、睫を均一に巻き上げることができるようになっているカーリングマスカラブラシは、ブラシが目の曲線ラインと対応する曲線をなすように形成されたものであり、通常の直線形状のロングラッシュマスカラブラシの短所を解消するようになっている。また、睫が濃く見えるようにするためには、ボリュームマスカラブラシを用いることにより前記ロングラッシュマスカラブラシの短所を解消するようになっている。
【0003】
従って、使用者は、睫を濃く見えるようにする時や、睫を整えて巻き上げる時、直線形状のロングラッシュマスカラブラシの外にボリュームマスカラブラシ(台形)やカーリングマスカラブラシ(ラグビーボール形)を別途購入するようになっている。ここで、マスカラブラシとは、蓋とブラシ台とブラシ部とが一体で販売されることを言う。
【0004】
しかしながら、前記のようなボリュームマスカラブラシやカーリングマスカラブラシは、ロングラッシュマスカラブラシに用いられる蓋を使用することができず、容器等のデザイン及びカラー等のコストが加わり高価であるため、一般の消費者は、ボリュームマスカラブラシやカーリングマスカラブラシを購入することなく、直線形状のロングラッシュマスカラブラシのみを用いている。
【0005】
このような問題を解決するための従来のブラシを交替可能なマスカラは、図5に示すように、ブラシ台10と蓋20とが一体に設けられ、前記ブラシ台10の一側端部に結合溝11が設けられている。結合溝11には、ブラシ交替部70の結合部60が着脱可能となるように設けられている。また、前記蓋20は、液状のマスカラ液80が貯蔵されている容器30と螺旋形の締結部90とで結合されるようになっている。また、ブラシ交替部70は、結合部60と鉄線50とが一体に設けられ、前記鉄線50の外周面には同心円状にマスカラ毛41が設けられ、ブラシ部40が構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記ブラシを交換可能なマスカラは、ブラシ台10に取り付けられていないブラシ交替部70をそれぞれ保管しなければならないようになっているため、保管が容易でなく携帯し難い。
【0007】
また、ブラシ台10に取り付けるブラシを他のものに交替する時、ブラシ自体を立てて置くことが困難であり(ブラシ台は、蓋に固定されているため)マスカラ液がテーブルなどに付いて周辺が汚れてしまう。
【0008】
また、ブラシ台10に取り付けられ状態のブラシを交替のために抜き出す時、手でマスカラ毛41を持って引っ張らなければならないので、毛が損傷したり、マスカラ液が手に付いたりして取扱が非常に難しい。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交替、携帯、保管が非常に容易なメーキャップ用塗布具及びこれを用いた塗布化粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、塗布部と、前記塗布部を支持する支持キャップと、前記支持キャップの内周面に形成される雌ねじ部とを備えている。これにより、支持キャップを底に置く時に立てることが容易なので、他のものに交替しても臨時保管が容易である。
【0011】
また、請求項2では、請求項1のメーキャップ用塗布具において、前記塗布部を、マスカラブラシと、前記マスカラブラシを支持する鉄線と、一端が前記鉄線を支持し、他端が前記支持キャップに固定されるブラシ台とから構成しているので、マスカラとして用いることが可能となる。
【0012】
また、請求項3では、請求項2のメーキャップ用塗布具において、前記マスカラブラシを、径の大きい第1マスカラブラシと、前記第1マスカラブラシより径の小さい第2マスカラブラシとから構成し、前記第2マスカラブラシを、前記第1マスカラブラシに対して傾斜するように配置している。これにより、径の差によって、上睫の短い部位と下睫に精密な塗布が容易であり、傾斜より睫の模様によってワンステップで便利にメーキャップをすることができる。
【0013】
また、請求項4では、請求項1のメーキャップ用塗布具において、前記塗布部を、リップスティックブラシと、前記リップスティックブラシを支持する芯部と、一端が前記芯部を支持し、他端が前記支持キャップに固定されるブラシ台とから構成しているので、リップスティックとして用いることが可能となる。
【0014】
また、請求項5では、外周面に雄ねじ部が形成された容器と、前記容器に締結された塗布具と、前記塗布具が着脱可能に支持された取っ手とを備え、前記塗布具は、前記容器内に収容される塗布部と、前記塗布部が支持され、前記取っ手に着脱可能に挿入される支持キャップと、前記支持キャップの内周面に形成され、前記雄ねじ部と締結される雌ねじ部を有している。これにより、容器に締結されている塗布具は、キャップの役割をしながら、締結した状態で容器を引っ張ると、塗布具と共に抜き出されるので、交替、保管、携帯、取扱が非常に容易である。
【0015】
また、請求項6では、請求項5の塗布化粧品において、前記支持キャップの外周面に、結合突起を設け、前記取っ手の内周面には、前記結合突起と結合する結合溝を設けている。これにより、任意的に塗布具が取っ手から抜き出されることを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によるメーキャップ用塗布具及び塗布化粧品によれば、塗布具を支持した支持キャップが取っ手に着脱可能に結合されるので、塗布具を立てて置くことが非常に容易であり、塗布具のブラシ台を持って引っ張ると取っ手から抜けるので、ブラシを交換可能なマスカラと比較して手に付く液は少量であり、支持キャップが容器にねじ締結されているので、塗布具を交替する時、容器を持って引っ張ると取っ手から抜けるので、交替、保管、取扱が非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示すマスカラを分離図示した斜視図である。
【図2】図1の結合断面図である。
【図3】マスカラの用途に応じる使用状態を示した斜視図である。
【図4】マスカラとリップスティックを分離図示した斜視図である。
【図5】従来マスカラを分離図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面に基づいて説明する。
【0019】
図1はマスカラを分離図示した斜視図、図2は図1の結合断面図、図3はマスカラの用途に従う使用状態を示した斜視図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施例による塗布化粧品のうち1つであるマスカラ100は、容器130と、該容器130に締結される塗布具170と、塗布具170が着脱可能に支持される取っ手120とから構成されている。
【0021】
容器130は、塗布部180のマスカラブラシ140に塗布されるマスカラ液Lが入れられる容器である。
【0022】
また、図3に示すように、容器130は、用途に応じて、ロングラッシュまたはカーリングのためのマスカラ液Lが詰められている容器100A、リップラインのためのリップグロス液が詰められている容器100B、マスカラを落とすためのリムーバー液が詰められている容器100C等であっても良い。
【0023】
また、容器130の外周面には、雄ねじ部190bが形成され、該雄ねじ部190bと容器130との境界部分には段138が形成されている。
【0024】
塗布具170は、容器130内に収容される塗布部180と、塗布部180を支持する支持キャップ110とから構成されている。
【0025】
塗布部180は、鉄線150にマスカラ毛を取り付けることにより構成されたマスカラブラシ140と、鉄線150を支持するブラシ台160とから構成されている。
【0026】
マスカラブラシ140は、用途に応じて、ロングラッシュ用はストレート形、ボリューム用は台形、カーリング用はラグビーボール形が用いられる。
【0027】
このようなマスカラブラシ140は、その用途に適合するマスカラ液Lが詰められた容器100A、100B、100Cに収容される。また、他の内容物(リップグロス、リムーバー)にも用いることも可能である。
【0028】
特に、本実施例のマスカラブラシ140は、大きい径Dの第1マスカラブラシ141と、第1マスカラブラシ141より小さい径dの第2マスカラブラシ143とから構成されている。第2マスカラブラシ143は自由端側(縁端側)に配置されることが好ましい。第1マスカラブラシ141は、一般にマスカラブラシと呼ばれ、第2マスカラ143はアンダーマスカラブラシと呼ばれている。
【0029】
第1マスカラブラシ141は、メインブラシであり、用途に適合した形状のブラシを用いればよい。このような構成によると、1つのブラシで上睫と、短い下睫の両方を手軽に、またすっきりと塗ることができる。また、第2マスカラブラシ143は、第1マスカラブラシ141に対して傾斜角度aを成すように設けられていることが好ましい。この傾斜角度aは、23〜27度ほどが好ましく、睫の模様によってワンステップで便利に用いることができる。
【0030】
ブラシ台160の一端には鉄線150が挿入固定され、ブラシ台160の他端は支持キャップ110に固定されている。
【0031】
支持キャップ110は、底板114と側壁板116からなる凹溝形状である。また、支持キャップ110の側壁板116の内周面には雌ねじ部190aが形成されている。即ち、塗布具170は、雌ねじ部190aと雄ねじ部190bとが締結/解除されることで、容器130に対して着脱されるようになる。従って、支持キャップ110は、容器130のメイン蓋の役割をする。
【0032】
また、支持キャップ110と容器130がねじ締結されている状態で、容器130を持って引っ張ると、支持キャップ110が取っ手120から手軽に抜き出すことができるので、図4に示すように、交替、取扱、携帯が非常に容易である。
【0033】
底板114には、ブラシ台160の下端が固定されているので、従来のものと比較しても、ブラシ台160を持って引っ張った場合に、ブラシ140は影響を受けず、手に付くマスカラ液Lも少なく、塗布具170を取っ手120から分離することができる。
【0034】
また、支持キャップ110の構成で、塗布具170を分離して平面上に置くと、底板141によってまっすぐ立てることができるので、交替などの取扱が非常に容易である。
【0035】
ここで、支持キャップ110の底は、底板141で形成されているが、立てて置くことができる形状であれば、どのような形状であっても良い。
【0036】
取っ手120には、支持キャップ110が着脱可能に挿入支持されるようになっている。取っ手120の上端128は、容器130の段138が引っ掛かることにより、取っ手120の内部に容器130が更に進入することを防止するストッパの機能をするようになっている。
【0037】
また、取っ手120の内周面には円周方向に結合溝111bが形成され、支持キャップ110の外周面には結合溝111bに対応する結合突起111aが形成されていることが好ましい。結合突起111aと結合溝111bの構成によって、支持キャップ110が取っ手120から任意に外れることを確実に防止することができる。
【0038】
また、取っ手120の内周面に長手方向に結合突起113bを形成し、支持キャップ110の外周面に結合突起113bに対応する結合溝113aをさらに形成するようにしても良い。
【0039】
更に、取っ手120には、支持キャップ110が 更に深く進入しないように安着板125が形成されることが好ましい。これは、容器130と支持キャップ110との締結が解除された時、任意に支持キャップ110が取っ手120の中に入り込むことを防止するものである。従って、安着板125に底板114が接触すると、それ以上支持キャップ110が入らなくなる。底板114が安着板125に面接触すると、接着力が大きくなって塗布具170を分離する時に大きい力が必要になる。これを解消するために、図2に示すように、底板114を側壁板116に対して若干内側に入るように配設し、側壁板116の縁116aが安着板125に接触するようにする。反対に、安着板125を中央が貫通されている安着段の形態にすると、底板114の底面と側壁板116の底面に差?を置く必要がない。
【0040】
図4は、マスカラとリップスティックを分離図示している斜視図である。
【0041】
リップスティック300は、マスカラ100と同様に、用途に応じてリップスティック液が詰められている容器330と、リップスティック塗布具370と、取っ手120とから構成されている。
【0042】
塗布具370は、リップスティックブラシ340と、リップスティックブラシ340を支持する芯部350と、一端は芯部350を支持し、他端は支持キャップ110に固定されるブラシ台160とから構成されている。
【0043】
リップスティックブラシ340は、唇に塗るものであってマスカラブラシとは異なり布材質からなる。布材質のリップスティックブラシ340は、芯部350に被せられて固定される。
【0044】
塗布具370は、容器330とねじ締結され、取っ手120から着脱可能に設けられている。
【0045】
図4に示すように、取っ手120の一端及び他端には、マスカラ100とリップスティック300を着脱可能に設けることにより、デュアル形態で用いることができる。
【0046】
前述のように、本発明の好ましい実施例を参照して説明しているが、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から外れない範囲内において本発明を多様に変更または変形して実施できるのは、該当の技術分野の当業者であれば自明であると言える。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、マスカラとリップスティックの使用方法を説明するが、睫や唇に塗布する塗布具を有する化粧品容器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
100…マスカラ、110…支持キャップ、111a…結合突起、111b…結合溝、130…容器、140…マスカラブラシ、141…第1マスカラブラシ、143…第2マスカラブラシ、150…鉄線、160…ブラシ台、170…塗布具、180…塗布部、190a…雌ねじ部、190b…雄ねじ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布部と、
前記塗布部を支持する支持キャップと、
前記支持キャップの内周面に形成される雌ねじ部とを備えた
ことを特徴とするメーキャップ用塗布具。
【請求項2】
前記塗布部を、マスカラブラシと、前記マスカラブラシを支持する鉄線と、一端が前記鉄線を支持し、他端が前記支持キャップに固定されるブラシ台とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載のメーキャップ用塗布具。
【請求項3】
前記マスカラブラシを、径の大きい第1マスカラブラシと、前記第1マスカラブラシより径の小さい第2マスカラブラシとから構成し、
前記第2マスカラブラシを、前記第1マスカラブラシに対して傾斜するように配置した
ことを特徴とする請求項2記載のメーキャップ用塗布具。
【請求項4】
前記塗布部を、リップスティックブラシと、前記リップスティックブラシを支持する芯部と、一端が前記芯部を支持し、他端が前記支持キャップに固定されるブラシ台とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載のメーキャップ用塗布具。
【請求項5】
外周面に雄ねじ部が形成された容器と、
前記容器に締結された塗布具と、
前記塗布具が着脱可能に支持された取っ手とを備え、
前記塗布具は、前記容器内に収容される塗布部と、前記塗布部が支持され、前記取っ手に着脱可能に挿入される支持キャップと、前記支持キャップの内周面に形成され、前記雄ねじ部と締結される雌ねじ部を有する
ことを特徴とする塗布化粧品。
【請求項6】
前記支持キャップの外周面に、結合突起を設け、
前記取っ手の内周面には、前記結合突起と係合する結合溝を設けた
ことを特徴とする請求項5記載の塗布化粧品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate