説明

メール配信方法、メール配信システム、および、配信サーバ

【課題】長期間にわたって定期的に行うことが望ましい学習等を、ユーザに容易に習慣化させる。
【解決手段】配信サーバ110は、選択肢と、選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を記憶し(S300)、メールアドレスと、時間情報と、合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶し(S302)、時間情報に示されるいずれかの時刻になると、メールアドレスに対して、1の案内情報と、案内情報に含まれる複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信し(S304)、受信端末120は、電子メールに含まれるいずれかのURLにアクセスし(S308)、配信サーバは、アクセスされたURLによって特定される選択肢に関連付けられたポイントを、URLが付加された電子メールを送信したメールアドレスに関連付けられた合計ポイントに加算する(S310)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のメールアドレスに電子メールを配信するメール配信方法、メール配信システム、および、配信サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め設定した日時となると、設定が為された内容の電子メールを自動送信する技術が公開されている(例えば、特許文献1)。さらに、このような電子メールに、ユーザを誘導したいインターネットサイトのURLを添付し、そのURLへのアクセスしたユーザのアカウントに対してポイントを付与する技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
上述した2つの技術では、予め登録されたメールアドレスに対して電子メールが一斉に送信される。これに対して、近年では、予め用意された複数の異なる内容の電子メールを、ある時点を起点として、予め設定されたスケジュールに従って順次配信する、所謂ステップメールが普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−69074号公報
【特許文献2】特開2001−243180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インターネットの専用のサイトに、例えばブラウザを介してアクセスし、ブラウザに表示されるコンテンツを通じて学習を行うEラーニングというサービスがある。このサービスでは、ユーザは、自ら率先してパーソナルコンピュータを起動し、ブラウザを起動しなければEラーニングのサービスを受けることができない。そのため、Eラーニングを利用した学習は継続性に乏しかった。
【0006】
そこで、上述した先行文献1、2のようなメール配信技術を学習に用い、例えば、配信する電子メールに学習するための文章を直接記載するサービスが考えられる。しかし、上述した先行文献1、2のいずれの場合であっても一斉送信であるため、サービスが既に開始されていると、途中からサービスを受けようとするユーザは、以前に送信された例えば初歩的な項目が記載された電子メールを受信できない。そこで、ステップメールの技術を用いることが考えられる。
【0007】
しかし、先行文献1の技術にステップメールの技術を適用したとしても、単に電子メールが配信されるだけでは、ユーザは配信された電子メールを読まない場合がある。また、先行文献2の技術にステップメールの技術を適用し、ユーザを学習のためのサイトに誘導し、アクセスしたユーザのアカウントにポイントを付与することも想定される。しかし、アクセスと学習性に関連性がないため、ポイントを取得する目的のみのアクセスが増大するだけで、学習面の効果を期待することができない。
【0008】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、長期間にわたって定期的に行うことが望ましい学習等を、ユーザに容易に習慣化させることが可能な、メール配信方法、メール配信システム、および、配信サーバを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の、電子メールを配信する配信サーバと、電子メールを受信する受信端末とを用いて、電子メールを配信するメール配信方法は、配信サーバは、案内文と、案内文に対する複数の選択肢と、選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶し、ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶し、時間情報に示されるいずれかの時刻になると、メールアドレスに対して、1の案内情報と、案内情報に含まれる複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信し、メールアドレスに対応した受信端末は、電子メールを受信した後、ユーザの操作入力に応じ、電子メールに含まれる複数の選択肢のいずれかに対応するURLにアクセスし、配信サーバは、アクセスされたURLによって特定される選択肢に関連付けられたポイントを、URLが付加された電子メールを送信したメールアドレスに関連付けられた合計ポイントに加算することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の、電子メールを配信する配信サーバと、電子メールを受信する受信端末とからなるメール配信システムは、配信サーバは、案内文と、案内文に対する複数の選択肢と、選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶するコンテンツ記憶部と、ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶する配信情報記憶部と、時間情報に示されるいずれかの時刻になると、メールアドレスに対して、1の案内情報と、案内情報に含まれる複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信するメール送信部と、アクセスされたURLによって特定される選択肢に関連付けられたポイントを、URLが付加された電子メールを送信したメールアドレスに関連付けられた合計ポイントに加算する加算部と、を備え、受信端末は、送信された電子メールを受信するメール受信部と、電子メールを受信した後、ユーザの操作入力に応じ、電子メールに含まれる複数の選択肢のいずれかに対応するURLにアクセスするブラウザ部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のメール配信システムでは、ユーザは、定期的に配信される電子メールの案内文を読み、選択肢に関連付けられたURLにアクセスするだけの簡易な作業で、学習等を行うことができる。また、サービスが開始されて時間が経過した後に新たに電子メールの配信を開始する場合であっても、1回目に配信されるべき電子メールから、順次、定期的に受信可能となる。このとき、ユーザが率先して受信しようとしなくても、一旦登録すると自動的に電子メールが配信されるため、自然に学習が習慣化される。さらに、ユーザが、案内文を読んで正しい選択肢を選択した上で、その選択肢に対応するURLにアクセスすると、ユーザのアカウントに高いポイントが付与される。そのため、ユーザは、ポイントを得るために積極的に学習することとなり、学習等を、ユーザに容易に習慣化させることが可能となる。
【0012】
配信情報記憶部は、さらに、電子メールを送信する時刻として設定可能な時間の範囲を示す範囲情報を記憶し、受信端末は、ユーザの操作入力に応じ、範囲情報に示される時間の範囲で、電子メールを送信する時刻を設定し、その設定情報を配信サーバに送信する設定送信部をさらに備えてもよい。
【0013】
受信端末が、電子メールを送信する時刻を設定可能とする構成により、例えば、ユーザが会社員の場合、勤務時間を避けた通勤時間等、都合のよい時間にメールが配信されるように設定できる。そのため、ユーザは空き時間を有効利用して学習できる。さらに、当該メール配信サービスで配信された電子メールを受信後、すぐに案内文を確認し解答可能となり、ユーザが解答する確率が高まる。こうして、例えば、ユーザが勤務している会社が社員教育の一環として当該メール配信サービスを利用する場合等に、学習の習慣化が容易となる。また、例えば、ユーザが所属する会社が、範囲情報として、「少なくとも週に3回以上の頻度」等と設定すれば、ユーザが年に1回等、電子メールを送信する頻度を極端に低く設定してしまう事態を回避でき、ユーザに確実に学習を習慣づけさせることが可能となる。
【0014】
受信端末は、ユーザの操作入力に応じ、電子メールを送信する時刻として設定を禁止する時間の範囲を示す禁止情報を配信サーバに送信する禁止送信部をさらに備え、配信サーバは、禁止情報に示される時間の範囲外となるように、配信情報記憶部に記憶された時間情報を変更する時間変更部をさらに備えてもよい。
【0015】
禁止情報を用いる構成により、配信サーバは、「休日は休みたい」「夜遅い仕事なので朝はメール配信で眠りを妨げられたくない」といったユーザの希望に沿って、メール配信を行うことが可能となる。そのため、ユーザは当該メール配信サービスで配信された電子メールに気分を害することなく、配信された電子メールを見て積極的に学習を行うこととなる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の配信サーバは、電子メールを受信する受信端末に対して電子メールを配信する配信サーバであって、案内文と、案内文に対する複数の選択肢と、選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶するコンテンツ記憶部と、ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶する配信情報記憶部と、時間情報に示されるいずれかの時刻になると、メールアドレスに対して、1の案内情報と、案内情報に含まれる複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信するメール送信部と、アクセスされたURLによって特定される選択肢に関連付けられたポイントを、URLが付加された電子メールを送信したメールアドレスに関連付けられた合計ポイントに加算する加算部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、長期間にわたって定期的に行うことが望ましい学習等を、ユーザに容易に習慣化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】メール配信システムの概略的な接続関係を示した機能ブロック図である。
【図2】配信サーバの概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図3】案内情報を説明するための説明図である。
【図4】ユーザ情報を説明するための説明図である。
【図5】受信端末の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図6】メール配信方法の全体的な処理の流れを示したシーケンス図である。
【図7】電子メールの本文の一例を示す説明図である。
【図8】メール配信サービスを説明するための説明図である。
【図9】ユーザ向けの画面遷移を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
(メール配信システム100)
図1は、メール配信システム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。メール配信システム100は、配信サーバ110と、受信端末120とを含んで構成される。
【0021】
配信サーバ110は、サーバ機能を有する、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称す)であり、インターネット、LAN(Local Area Network)専用回線、携帯電話網等の通信網130および基地局130aを介して電子メールを配信する。
【0022】
受信端末120は、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、およびタブレット型コンピュータ等であり、配信サーバ110から配信された電子メールを、通信網130および基地局130aを介して受信する。
【0023】
本実施形態のメール配信システム100では、予め用意された複数の異なる内容の電子メールを、ある時点を起点として、予め設定されたスケジュールに従って順次配信する、所謂ステップメールを採用する。このステップメールのサービスを受けることで、ユーザは、長期間にわたって定期的に行うことが望ましい学習等を、容易に習慣化することが可能となる。
【0024】
以下、このようなメール配信システム100を構成する配信サーバ110および受信端末120の機能について簡単に説明し、その後、メール配信システム100を利用したメール配信方法について詳述する。
【0025】
(配信サーバ110)
図2は、配信サーバ110の概略的な構成を示した機能ブロック図である。配信サーバ110は、表示部150と、操作部152と、コンテンツ記憶部154と、配信情報記憶部156と、中央制御部158とを含んで構成される。
【0026】
表示部150は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。操作部152は、表示部150の表示面上に設置されたタッチパネル、操作キーが複数設けられたキーボード、マウス等のポインティングデバイス、十字キー、ジョイスティック等で構成される。
【0027】
コンテンツ記憶部154は、HDD、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、案内情報を複数記憶する。
【0028】
図3は、案内情報160を説明するための説明図である。図3に示すように、案内情報160は、案内文160aと、案内文160aに対する複数の選択肢160bと、選択肢160bに応じたポイント160cと、何回目の電子メールで送信するかを示す回数160dとが関連付けられた情報である。
【0029】
配信情報記憶部156は、HDD、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、ユーザ情報と、電子メールを送信する時刻(以下、メール送信時刻と称す)として設定可能な時間の範囲を示す範囲情報を記憶する。
【0030】
図4は、ユーザ情報162を説明するための説明図である。図4に示すように、ユーザ情報162は、ユーザID162aと、メールアドレス162bと、パスワード162cと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報162dと、獲得されたポイント160cの合計である合計ポイント162eと、電子メールを送信した回数162fとが関連付けられた情報である。
【0031】
ここで、ユーザID162aは、ユーザのアカウントを識別するために用いられるが、ユーザ情報162としてユーザID162aを設定せず、メールアドレス162bをユーザのアカウントの識別に代用してもよい。また、本実施形態において、コンテンツ記憶部154と配信情報記憶部156とは別体としているが同一の記憶媒体に一体形成されてもよい。
【0032】
中央制御部158は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、配信サーバ110全体を管理および制御する。また、中央制御部158は、メール送信部170、加算部172、時間変更部174として機能する。
【0033】
メール送信部170は、ユーザ情報162を参照し、任意のユーザID162aに関連付けられた時間情報162dが示す時刻になると、そのユーザID162aに関連付けられたメールアドレス162bに対して、そのユーザID162aに関連付けられた回数162fと同じ回数160dが関連付けられた1の案内情報160と、その案内情報160に含まれる複数の選択肢160bのいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信する。
【0034】
加算部172は、アクセスされたURLによって特定される選択肢160bに関連付けられたポイント160cを、URLが付加された電子メールを送信したメールアドレス162bに関連付けられた合計ポイント162eに加算する。
【0035】
時間変更部174は、受信端末120から後述する禁止情報が送信されると、配信情報記憶部156に記憶された時間情報162dを、その禁止情報に示される時間の範囲外となるように変更する。
【0036】
(受信端末120)
図5は、受信端末120の概略的な構成を示した機能ブロック図である。受信端末120は、表示部180と、操作部182と、無線通信部184と、中央制御部186とを含んで構成される。
【0037】
表示部180は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。操作部182は、表示部180の表示面上に設置されたタッチパネル、操作キーが複数設けられたキーボード、マウス等のポインティングデバイス、十字キー、ジョイスティック等で構成される。
【0038】
無線通信部184は、CDMA、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)およびLTE(Long Term Evolution)等の無線通信方式を通じて基地局130aにアクセスし、通信相手との音声通信や配信サーバとのデータ通信を遂行する。
【0039】
中央制御部186は、中央処理装置、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、受信端末120全体を管理および制御する。また、中央制御部186は、メール受信部190、ブラウザ部192、設定送信部194、禁止送信部196として機能する。
【0040】
メール受信部190は、送信された電子メールを受信する。ブラウザ部192は、電子メールを受信した後、ユーザの操作入力に応じ、電子メールに含まれる複数の選択肢160bのいずれかに対応するURLにアクセスする。
【0041】
設定送信部194は、ユーザの操作入力に応じ、設定可能な時間の範囲を示す範囲情報に示される時間の範囲で、メール送信時刻を設定し、その設定情報を配信サーバ110に送信する。
【0042】
禁止送信部196は、ユーザの操作入力に応じ、メール送信時刻として設定を禁止する時間の範囲を示す禁止情報を配信サーバ110に送信する。
【0043】
(メール配信方法)
続いて、上述した配信サーバ110および受信端末120を用いたメール配信処理について説明する。図6は、メール配信方法の全体的な処理の流れを示すシーケンス図である。
【0044】
配信サーバ110のコンテンツ記憶部154は、メール配信サービスを提供する提供者の操作入力に応じ、案内文160aと、案内文160aに対する複数の選択肢160bと、選択肢160bに応じたポイント160cとが関連付けられた案内情報160を複数記憶する(S300)。
【0045】
そして、例えば、ユーザ登録を行うインターネット上のサイトであるユーザ登録サイト等を通じてユーザ登録の要求があると、配信情報記憶部156は、ユーザID162aと、ユーザ登録サイトから送信されたメールアドレス162bおよびパスワード162cと、電子メールを送信する時間が複数設定された時間情報162dと、獲得されたポイント160cの合計である合計ポイント162eとを関連付けたユーザ情報162を記憶する(S302)。ここでは、時間情報162dとして、例えば、毎朝午前8時が設定されているとする。また、この時点で、合計ポイント162eは0、または予め設定された初期値である。また、ユーザID162aとしては、例えば、排他的なシーケンシャル番号等が自動的に設定される。
【0046】
時間情報162dに示されるいずれかの時刻(例えば、時間情報162dとして時間の範囲が設定されており、その範囲のいずれか任意の時刻を含む)になると、メール送信部170は、その時間情報162dに関連付けられたメールアドレス162bに対して、1の案内情報160と、案内情報160に含まれる複数の選択肢160bのいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信する(S304)。
【0047】
ここで、所定の開始タイミングは、例えば、ユーザ情報記憶処理S302が遂行されたタイミングであり、「所定の開始タイミングを基準とする」とは、例えば、ユーザ情報記憶処理S302が遂行されたタイミング以降であることを意味する。
【0048】
図7は、電子メールの本文400の一例を示す説明図である。ここでは、案内文160aは、学習効果のある設問等であり、複数の選択肢160bは、その設問に対する解答の選択肢である。また、電子メールには、それぞれの選択肢160bに対応するURL402が記載されている。
【0049】
電子メールが送られたメールアドレス162bに対応した受信端末120のメール受信部190は、電子メールを受信する(S306)。その後、ブラウザ部192は、ユーザの操作入力に応じ、電子メールに含まれる複数の選択肢160bに基づくURL402にアクセスする(S308)。
【0050】
配信サーバ110の加算部172は、アクセスされたURL402によって特定される選択肢160bに関連付けられたポイント160cを、URL402が付加された電子メールを送信したメールアドレス162bに関連付けられた合計ポイント162eに加算する(S310)。
【0051】
ここで、選択肢160bは、例えば、URL402にGET変数として設定されている。同様に、そのURL402にアクセスしたユーザのアカウントは、URL402にGET変数として設定されているユーザID162aから特定され、そのアカウントの合計ポイント162eにポイント160cが加算される。また、かかる場合に限らず、例えば、ユーザ情報162として予め受信端末120の製造番号等の排他的な識別子が設定されており、URL402にアクセスする際、受信端末120が製造番号を送信し、配信サーバ110は、受信した製造番号に基づいて、ユーザのアカウントを特定するとしてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、アクセスされたURL402によって特定される選択肢160bが、最も適切な解答であれば最も高いポイント160cが関連付けられ、比較的正答に近ければ二番目に高いポイント160cが関連付けられ、間違っていれば0またはマイナスのポイント160cが関連付けられている。
【0053】
以下、時間情報162dに示される電子メールを送信する時間になる度に、複数の案内情報160から、ユーザ情報162の回数162fと同じ回数160dの案内情報160が選択され、メール送信処理S304からポイント加算処理S310までの処理と同様の処理が繰り返される。ここでは、例えば、毎朝午前8時に電子メールが配信される。
【0054】
ユーザが、電子メールに含まれるURL402のいずれにもアクセスせず、所定時間、例えば24時間が経過すると、配信サーバ110は、未解答で時間切れとみなし、そのユーザのアカウントの合計ポイント162eから予め設定された点数分、減点する。ここで、所定時間は、例えば、そのユーザのメールアドレス162bに対して、次のメール配信が行われるまでとしてもよい。そして、メール送信部170は、次のメール配信の際、そのユーザに対して、その未解答の案内情報160を含む電子メールを再送する。こうして、ユーザには、再送された電子メールの選択肢160bを選択して解答する機会が再度与えられる。
【0055】
図8は、メール配信サービスを説明するための説明図である。図8では、2人のユーザA、Bそれぞれのメールアドレス162bについて、電子メールが配信されるタイミングを示す。
【0056】
ユーザAのメールアドレス162bに対して、例えば、ユーザ情報記憶処理S302が遂行された後(白抜き矢印410参照)、初めに到来する午前8時に、1回目の電子メールが配信される。そして、翌日の午前8時に、2回目の電子メールが配信され、翌々日の午前8時に、3回目の電子メールが配信される。
【0057】
また、ユーザAについてのユーザ情報記憶処理S302が行われた翌日、ユーザBについてのユーザ情報記憶処理S302が行われたとする(矢印412参照)。すると、ユーザBのメールアドレス162bに対して、ユーザAのメールアドレス162bに対するメール配信とは一日遅れで、午前8時に、1回目の電子メールが配信される。そして、翌日の午前8時に、2回目の電子メールが配信される。
【0058】
ここでは、ユーザA、Bそれぞれのメールアドレス162bに対して配信される、同じ回に相当する電子メールには同じ案内情報160が付加される。
【0059】
図9は、ユーザ向けの画面遷移を説明するための説明図である。例えば、受信端末120は、予め登録されたブックマーク等から、当該メール配信サービスの専用サイトへのURL402を選択するユーザの操作入力を受ける。すると、受信端末120のブラウザ部192が、表示部180にログイン画面420を表示させる。
【0060】
そして、ユーザが、メールアドレス162bとパスワード162cを入力してログインすると、マイページトップ画面422に遷移する。マイページトップ画面422では、例えば、合計ポイント162eや合計ポイント162eに応じて認定された階級等を確認できる。
【0061】
さらに、マイページトップ画面422では、メール配信の時間(時刻や時間帯)の指定を行うこともできる。この場合、受信端末120の設定送信部194は、ユーザの操作入力に応じ、例えば、毎朝午前10時等といった、メール送信時刻を設定し、その設定情報を配信サーバ110に送信する。配信サーバ110は、設定情報に基づいて、対応するユーザ情報162のうち、メール送信時刻を更新する。
【0062】
このとき、ユーザが設定できる、メール送信時刻は、配信情報記憶部156に記憶された範囲情報に示される時間の範囲とする。範囲情報は、ユーザ情報162として、ユーザID162aに関連付けて記憶されてもよいし、例えば会社単位の複数のユーザID162aのグループ毎に関連付けて記憶されてもよい。
【0063】
このように、ユーザがマイページトップ画面422でメール送信時刻を設定可能とする構成により、例えば、ユーザが会社員の場合、勤務時間を避けた通勤時間等、都合のよい空き時間にメール配信されるように設定できる。そのため、ユーザは空き時間を有効利用して学習できる上、当該メール配信サービスで配信された電子メールを受信後、すぐに案内文160aを確認し解答可能となり、ユーザが解答する確率が高まる。こうして、例えば、ユーザが勤務している会社が社員教育の一環として当該メール配信サービスを利用する場合等に、学習の習慣化が容易となる。
【0064】
また、例えば、ユーザが所属する会社が、範囲情報として、「少なくとも週に3回以上の頻度」等と設定すれば、ユーザが年に1回等、メール送信時刻の頻度を極端に低く設定してしまう事態を回避でき、ユーザに確実に学習を習慣づけさせることが可能となる。
【0065】
さらに、マイページトップ画面422では、休日設定を行うこともできる。この場合、禁止送信部196は、マイページトップ画面422におけるユーザの操作入力に応じ、メール送信時刻として設定を禁止する時間の範囲(例えば、毎週日曜日等)を示す禁止情報を配信サーバ110に送信する。
【0066】
そして、時間変更部174は、配信情報記憶部156に記憶された時間情報162dを、受信端末120から送信された禁止情報に示される時間の範囲外、例えば、日曜日以外となるように変更する。
【0067】
例えば、図8に示す例では、ユーザA、Bが共に同じ曜日を禁止情報としたとする。すると、ユーザAは1回目のメール配信から4日目、ユーザBは1回目のメール配信から3日目において、メール配信が行われない。
【0068】
また、休日設定に限らず、例えば、午後11時から午前9時までの時間帯等を、メール送信時刻として設定を禁止する時間の範囲としてもよい。
【0069】
このように、禁止情報を用いる構成により、配信サーバ110は、「休日は休みたい」「夜遅い仕事なので朝はメール配信で眠りを妨げられたくない」といったユーザの希望に沿って、メール配信を行うことが可能となる。そのため、ユーザは当該メール配信サービスで配信された電子メールで気分を害することなく、配信された電子メールを見て積極的に学習を行うこととなる。
【0070】
また、マイページトップ画面422から解答履歴一覧画面424に遷移できる。解答履歴一覧画面424では、解答済の案内文160a、その解答日、その解答で獲得したポイントを確認できる。そして、解答済の案内文160aのいずれかを選択すると、解答詳細画面426に遷移する。
【0071】
解答詳細画面426では、案内文160a、正しい解答、解答の説明、注意点、その解答で獲得したポイント、すべてのユーザの正解率等を確認できる。
【0072】
また、ブラウザ部192は、配信された電子メールに含まれる複数の選択肢160bのいずれかに対応するURL402にアクセスすると、表示部180に解答画面428を表示させる。解答画面428では、解答詳細画面426と同様、案内文160a、正しい解答、解答の説明、注意点、その解答で獲得したポイント、すべてのユーザの正解率等を確認できる。解答画面428からマイページトップ画面422、および解答履歴一覧画面424に遷移できる。
【0073】
さらに、図7に示すように、電子メールにはマイページトップ画面422を表示するためのURL404も記載されており、ユーザは、電子メールの本文400から直接マイページトップ画面422を表示させることも可能である。
【0074】
本実施形態のメール配信方法では、ユーザは、定期的に配信される電子メールの案内文160aを読み、選択肢160bに関連付けられたURL402にアクセスするだけの簡易な作業で、学習等を行うことができる。このとき、ユーザが率先して受信しようとしなくても、一旦登録すると自動的に電子メールが配信されるため、自然に学習が習慣化される。
【0075】
また、本実施形態のメール配信方法はステップメールを用いるため、当該電子メール配信サービスが開始された後、何時、ユーザ情報記憶処理S302が行われても、ユーザは、1回目に配信されるべき電子メールから、順次、定期的に電子メールを受信可能となる。
【0076】
さらに、ユーザが、案内文160aを読んで正しい選択肢160bを選択した上で、その選択肢160bに対応するURL402にアクセスすると、ユーザのアカウントに高いポイント160cが付与される。そのため、ユーザは、高いポイント160cを得るために積極的に学習することとなる。そして、学習等を、ユーザに容易に習慣化させることが可能となる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
なお、本明細書のメール配信方法における各工程は、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、複数のメールアドレスに電子メールを配信するメール配信方法、メール配信システム、および、配信サーバに利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
100 …メール配信システム
110 …配信サーバ
120 …受信端末
154 …コンテンツ記憶部
156 …配信情報記憶部
160 …案内情報
160a …案内文
160b …選択肢
160c …ポイント
162 …ユーザ情報
162a …ユーザID
162b …メールアドレス
162d …時間情報
162e …合計ポイント
170 …メール送信部
172 …加算部
174 …時間変更部
190 …メール受信部
192 …ブラウザ部
194 …設定送信部
196 …禁止送信部
400 …電子メール
402 …URL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを配信する配信サーバと、該電子メールを受信する受信端末とを用いて、該電子メールを配信するメール配信方法であって、
前記配信サーバは、
案内文と、該案内文に対する複数の選択肢と、該選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶し、
ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶し、
前記時間情報に示されるいずれかの時刻になると、前記メールアドレスに対して、1の前記案内情報と、該案内情報に含まれる前記複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信し、
前記メールアドレスに対応した受信端末は、
前記電子メールを受信した後、ユーザの操作入力に応じ、該電子メールに含まれる前記複数の選択肢のいずれかに対応するURLにアクセスし、
前記配信サーバは、
アクセスされた前記URLによって特定される前記選択肢に関連付けられた前記ポイントを、該URLが付加された前記電子メールを送信した前記メールアドレスに関連付けられた前記合計ポイントに加算することを特徴とするメール配信方法。
【請求項2】
電子メールを配信する配信サーバと、該電子メールを受信する受信端末とからなるメール配信システムであって、
前記配信サーバは、
案内文と、該案内文に対する複数の選択肢と、該選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶するコンテンツ記憶部と、
ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶する配信情報記憶部と、
前記時間情報に示されるいずれかの時刻になると、前記メールアドレスに対して、1の前記案内情報と、該案内情報に含まれる前記複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信するメール送信部と、
アクセスされた前記URLによって特定される前記選択肢に関連付けられた前記ポイントを、該URLが付加された前記電子メールを送信した前記メールアドレスに関連付けられた前記合計ポイントに加算する加算部と、
を備え、
前記受信端末は、
送信された前記電子メールを受信するメール受信部と、
前記電子メールを受信した後、ユーザの操作入力に応じ、該電子メールに含まれる前記複数の選択肢のいずれかに対応するURLにアクセスするブラウザ部と、
を備えることを特徴とするメール配信システム。
【請求項3】
前記配信情報記憶部は、さらに、前記電子メールを送信する時刻として設定可能な時間の範囲を示す範囲情報を記憶し、
前記受信端末は、
ユーザの操作入力に応じ、前記範囲情報に示される時間の範囲で、前記電子メールを送信する時刻を設定し、その設定情報を前記配信サーバに送信する設定送信部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のメール配信システム。
【請求項4】
前記受信端末は、
ユーザの操作入力に応じ、前記電子メールを送信する時刻として設定を禁止する時間の範囲を示す禁止情報を前記配信サーバに送信する禁止送信部をさらに備え、
前記配信サーバは、
前記禁止情報に示される時間の範囲外となるように、前記配信情報記憶部に記憶された前記時間情報を変更する時間変更部をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載のメール配信システム。
【請求項5】
電子メールを受信する受信端末に対して該電子メールを配信する配信サーバであって、
案内文と、該案内文に対する複数の選択肢と、該選択肢に応じたポイントとが関連付けられた案内情報を複数記憶するコンテンツ記憶部と、
ユーザIDと、メールアドレスと、電子メールを送信する所定の開始タイミングを基準とした時間が複数設定された時間情報と、獲得されたポイントの合計である合計ポイントとを関連付けたユーザ情報を記憶する配信情報記憶部と、
前記時間情報に示されるいずれかの時刻になると、前記メールアドレスに対して、1の前記案内情報と、該案内情報に含まれる前記複数の選択肢のいずれかを特定する複数のURLとを付加した電子メールを送信するメール送信部と、
アクセスされた前記URLによって特定される前記選択肢に関連付けられた前記ポイントを、該URLが付加された前記電子メールを送信した前記メールアドレスに関連付けられた前記合計ポイントに加算する加算部と、
を備えることを特徴とする配信サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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