説明

モジュール式プラスチックコンベアベルトの耐摩耗性ヒンジロッド

ベルトモジュール(14)の列部(12A,12B)によって形成されるモジュール式コンベアベルト(10)は、非円形ヒンジロッド(30)によって、ヒンジジョイントで結合される。各ロッドの弓形外側面は、シリンダの一部を形成し、第1の角度でに亘って周方向に延在する。軸方向の溝(32)は、ロッド外側面の反対側にヒンジに形成される。ベルト列部の両側端部のヒンジアイ(20,21)の開口部は、扇形である。列部の先端に沿ったこれらの開口部(20)は、ヒンジロッドをしっかり収容する形状である。隣接する列部の後端に沿った開口部(21)は、同様の半径方向の寸法を有するが、しかしながら、より大きな第2の角度に亘って周方向に延在している。隣接する列部のヒンジアイは、インターリーブ(interleave)しており、ロッドを収容し、関節式連結の範囲でヒンジジョイントを提供する。開口部に延在する突出部(28)は、ロッド中の溝を受け、垂直方向の移動を制限しながら、ジョイント内にヒンジをとどめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、電力駆動型モジュール式プラスチックコンベアベルトに関し、より具体的には、非円形ヒンジロッドによって列部と列部がヒンジで相互連結されたモジュール式プラスチックコンベアベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモジュール式コンベアベルトおよびチェーンは、並んで配列されるモジュール式リンクまたはベルトモジュールから構成される。モジュールの各端部に延在している離間したヒンジアイは、整列した開口部を具える。モジュール列部の端部に沿ったヒンジアイは、隣接するモジュール列部のヒンジアイと交互配置される。交互配置されたヒンジアイの整列した開口部にジャーナル軸受けされた(journaled)ヒンジロッドは、隣接するモジュール列部を端部同士で連結し、駆動スプロケットまたはドラムの回りに関節式に連結可能なエンドレスコンベアベルトを形成する。
【0003】
モジュール式プラスチックコンベアベルは腐食せず、簡単にクリーニングできるので、金属ベルトの替わりによく使われる。通常、プラスチックベルトのヒンジロッドもプラスチックから製造される。一般的に、ヒンジロッドは断面が円形であり、ヒンジアイの円形開口部に存在する。ヒンジロッドとヒンジアイの壁との相対運動は、ベルトがスプロケットの回りを関節式に連結されているので、ヒンジロッドとヒンジアイの壁の両方を摩耗させる傾向にある。ポテトや他の農産物を運ぶときなど摩耗しやすい環境においては、ベルトのヒンジ内にほこりやちりが侵入することによって摩耗が加速される。
【0004】
場合によっては、金属ヒンジロッドが、ロッドの摩耗寿命を延ばすために使用される。しかしながら、これによってロッドとヒンジアイの壁との間の相対運動がなくなることはなく、ベルトモジュールのヒンジでの摩耗は依然として問題である。
【0005】
可撓性のある材料から製造される非円形ヒンジストリップは、耐摩耗性があるものとして提案された。端部が動くスロットを形成するヒンジアイによって、制限されたヒンジストリップを、ヒンジアイと摩耗性摩擦なしで、制限された角度で曲げることができ、ベルトが関節式に連結される。このような構成には摩耗寿命が延びる効果があるが、しかしながら、可撓性のあるヒンジストリップは、本質的にせん断強度が弱く、重い荷物を運ぶことができない。
【0006】
米国特許第7,055,678号は、ベルト列部の1つに亘ってヒンジアイにぴったりと保持されるバレル型ヒンジロッドを開示している。隣接する列部の相互配置されたヒンジアイの開口部は、隣接する列部同士の間のヒンジで関節式に連結可能なように比較的大きい。しかしながら、このような比較的大きな開口部によって、ヒンジロッドとの隙間が生じ、望ましくない動きや、比較的大きな開口部の壁に対してロッドが摩擦することとなる。
【特許文献1】米国特許第7,055,678号
【発明の概要】
【0007】
従って、摩耗しやすい環境でも長い寿命で、ヒンジでの摩耗に耐えられるモジュール式プラスチックコンベアベルトが必要とされている。
【0008】
このような要求および他の要求は、本発明の特徴部を具えたモジュール式プラスチックコンベアベルトによって解決される。ベルトの1つの態様は、一連のプラスチックベルトモジュール列部を具える。各列部は、ベルト進行方向に先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールを具える。さらに、各列部は、その先端に沿って第1のヒンジアイセットと、後端に沿って第2のヒンジアイセットと、を具える。第1のヒンジアイセットは、そこに形成される第1の開口部を有し、第2のヒンジセットは、そこに形成される第2の開口部を有する。これらの列部は、相互配置された列部の第1のヒンジアイセットと端部同士で並び、隣接する列部の第2のヒンジアイセットと整列される。ベルトは、更に、複数のヒンジロッドを具える。各ヒンジロッドの円形シリンダの断面部分は、中心軸から測定される半径を有する。前記断面部分は、中心軸から第1の角度で定められる。第1の開口部の各々は、ほとんど隙間なくヒンジロッドを収容するように、わずかに大きい半径を有するヒンジロッド断面と同様の形状を有する。第2の開口部の各々は、ヒンジロッドよりもわずかに大きな半径の扇型部分を有し、第1の角度よりも大きな第2の角度で定められる。ヒンジロッドは、列部の第1のヒンジアイセットの第1の開口部、及び、隣接する列部の第2のヒンジアイセットの第2の開口部で受けられ、隣接する列部同士の間にヒンジジョイントを形成する。
【0009】
さらに、モジュール式プラスチックコンベアベルトの第2の態様は、一連のプラスチックベルトモジュール列部を具える。各列部は、ベルト進行方向の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールを具える。第1のヒンジアイセットは、各列部の先端に沿って形成され、第2のヒンジアイセットは後端に沿って形成される。第1のヒンジアイは、そこに形成される第1の開口部を有し、第2のヒンジアイは第2の開口部を有する。これらの列部は、交互配置された列部の第1のヒンジアイセットで端部と端部で並べられ、隣接する列部の第2のヒンジアイセットで整列される。第1および第2の開口部は、概ね扇形である。これらの第1の開口部は、扇形の頂点から第1の角度で定められる。第2の開口部は、扇形の頂点からより大きな第2の角度で定められる。第1の開口部と形状および寸法が同様の概ね扇形断面の複数のヒンジロッドは、隣の列部の交互配置された第1および第2のヒンジアイの整列された第1および第2の開口部に受けられ、ヒンジジョイントで列部を相互連結し、モジュール式プラスチックコンベアベルトとする。各ヒンジロッドは、扇形断面の頂点を介して、扇形断面に垂直な軸を規定する。
【0010】
本発明の特徴部を具えるベルトのさらに別の態様は、一連のプラスチックベルトモジュール列部を具える。各列部は、ベルト進行方向の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールを具える。各列部は、先端に沿った第1のヒンジアイセットと、後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を有する。これらの第1のヒンジアイは、当該ヒンジアイを貫通する第1の開口部を有し、第2のヒンジアイは、第2の開口部を有する。これらの列部は、交互配置された列部の第1のヒンジアイセットで端部と端部が並び、隣接する列部の第2のヒンジアイセットで整列される。さらに、コンベアベルトは、複数のヒンジロッドを具える。各ヒンジロッドは、凸面状外側面、第1の外側端面および第2の外側端面を具える。凸面状外側端面は、ヒンジロッドの第1のエッジと第2のエッジとの間に第1の角度で周方向に延在しており、軸方向に延在しロッドの長さを画定する。第1の外側端面は、第1のエッジで、弓形外側面から半径方向内向きに延在しており、第2の外側端面は、第2のエッジで、弓形外側面から半径方向内向きに延在している。凸面状外側面の反対側のヒンジロッドに溝が形成されている。この溝は、第1の外側端面と第2の外側端面との間のヒンジロッドに沿って軸方向に延在している。第1の開口部の各々は、ほとんど隙間なくヒンジロッドを収容するようにヒンジロッドの断面と同様な形状を有する。第2の開口部は、第1の角度よりも大きな第2の角度で定められる。列部の第1のヒンジアイセットの第1の開口部、および、隣接する列部の第2のヒンジアイセットの第2の開口部に収容されたヒンジロッドが、ヒンジジョイントで隣接する列部をともに連結させる。ヒンジアイの各々は、開口部において、収容されたヒンジロッドの溝で受けられる突出部を有し、第1および第2の開口部にヒンジロッドをとどめる(register)。
【0011】
モジュール式プラスチックコンベアベルトの別のバージョンは、1又はそれ以上のプラスチックベルトモジュールからなる一連の列部を具える。各列部は、ベルト進行方向に先端から後端まで延在しており、先端に沿った第1のヒンジアイセットと、後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を具える。第1のヒンジアイセットは、第1の開口部を有し、第2のヒンジアイセットは、第2の開口部を有する。これらの列部は、交互配置された列部の第1のヒンジアイで端部と端部が並び、隣接する列部の第2のヒンジアイセットで整列される。コンベアベルトは、複数のヒンジを具える。各ヒンジロッドは弓形外側面、第1の外側平面および第2の外側平面を具える。弓形外側面はシリンダ部を形成する。弓形外側面は、第1のエッジと第2のエッジとの間の第1の角度で周方向に延在しており、軸方向に延在しロッドの長さを画定する。第1の外側平面は、第1のエッジで、弓形外側面から半径方向内向きに延在しており、第2の外側平面は、第2のエッジで、弓形外側面から半径方向内向きに延在している。第1の開口部の各々は、ほとんど隙間なくヒンジロッドを収容するように、わずかに大きな寸法(dimension)のヒンジロッド断面と同様の形状を有する。第2の開口部の各々は、ヒンジロッドよりもわずかに大きな半径方向の寸法を有し、第1の角度よりも大きな第2の角度で定められ、列部の第1のヒンジアイセットの第1の開口部、および、隣接する列部の第2のヒンジアイセットの開口部に収容されたヒンジロッドは、隣接する列部同士で、ヒンジアイを用いて、ヒンジジョイントを形成する。
【0012】
本発明の別の態様は、隣接する列部間でヒンジを形成する整列したヒンジアイを介して、隣接するコンベアベルト列部を結合させるヒンジロッドを提供する。ヒンジロッドは、シリンダ部分を形成する弓形外側面を具える。ヒンジロッドは、第1の角度に亘って、周方向に延在し、軸方向に延在しヒンジロッドの長さを画定する。弓形外側面の半径方向内側のヒンジロッドに溝が形成されている。この溝は、ヒンジロッドに沿って軸方向に延在している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の特徴部および態様、ならびに、利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付の図面を参照することでより詳しく理解されるであろう。
【図1】図1は、摩耗耐性ヒンジロッドを含む、本発明の特徴部を具えるモジュール式プラスチックコンベアベルトの一部の拡大等角投影図である。
【図2】図2は、図1のヒンジロッドの端面図である。
【図3】図3は、ヒンジロッドの形状がどのように形成されるかを示す図1のヒンジロッドの等角投影図である。
【図4】図4は、関節式の図1のコンベアベルトの一部の側方正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の特徴部を具えるモジュール式プラスチックコンベアベルトの一部を図1に示す。ベルト10は、1又はそれ以上のベルトモジュール14の一連の列部12A、12Bから構成される。各列部は、ベルト進行方向18の先端16から後端17まで延在する。第1のヒンジアイセット20が、各ベルト列部の先端に沿って配置され:第2のヒンジアイセット21が後端に沿って配置される。第1の開口部22は、第1のヒンジアイに形成され、より大きな第2の開口部23が第2のヒンジアイに形成される。第1および第2の開口部は、それぞれ、弓形壁面24、24’および一対の端部壁面26、27によって囲まれ、概ね扇形開口部を形成する。突出部28は、2つの端部壁面の間の開口部にある隆起延在物(a ridge extending)を形成する。後続の列部12Bの第1のヒンジアイ20の第1の開口部と、先行する列部の交互配置かつ整列された第2のヒンジアイ21の第2の開口部と、に収容されたヒンジロッド30は、ヒンジジョイントで、隣接する列部を共に連結する。ヒンジロッドの断面は、第1のヒンジアイの第1の開口部の断面と同じ形状である。第1の開口部の大きさと、第2の開口部の半径方向の大きさは、ヒンジロッドの断面よりもわずかに大きく、ヒンジロッドをヒンジジョイント内に容易に挿入できる。ベルトの運転中、ロッドと第1の開口部の壁との間の摩擦を最小限にするように、第1の開口部のヒンジロッドの隙間はほとんどない。ヒンジロッドに沿って軸方向に形成される溝32は、第1及び第2の開口部の突出部を収容し、整列された開口部内の所定位置にロッドをとどめ、第2の開口部の隙間の量を制限し、結果的に、特に摩耗環境において、摩耗を加速させるおそれのあるロッドとヒンジアイ壁面の間の摩擦を制限する。
【0015】
ヒンジロッドの好適な態様の形状を図2および図3に示す。ヒンジロッド30は、円形シリンダの外側面36の一部である凸面状外側面30を有する。シリンダ軸40でシリンダを交差する2つの仮想的な半平面38、39は、好ましくは90乃至180°である第1の角度αを規定する。弓形外側面は、第1の角度で周方向に延在している。第1および第2の端部平面42、43は、2つの半平面にのっており、第1および第2の端部44、45で外側面34と交差する。ヒンジロッドの溝(図2において符号32、図3に示さず)は、ロッド弓形外側面34と反対側で、ロッドに沿って軸方向に延在している。従って、その長さ軸に垂直な断面において、ヒンジロッドは、円弧34、円弧から半径方向内向きに長さ軸40のある頂点に向かって延在している一対の直線的セグメント42、43、および、2つの直線的セグメントの間の軸に沿って配置された軸方向の溝32の周辺部によって囲まれる、概ね扇形である。
【0016】
ヒンジロッドは、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはナイロンなどのプラスチック材料から製造される。ヒンジロッドは押し出し成形またはモールド加工されてもよい。溝は、押し出し成形またはモールド加工で製造され、または、2段階の製造工程で機械加工されてもよい。ベルトモジュールは、好ましくは、射出成形法で、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタールまたは複合ポリマなど、熱可塑性ポリマから成形されたモジュール式プラスチックモジュールである。
【0017】
例えば、スポルケットの回りのコンベアベルトの一部の関節式連結(articulation)は、図4に示される。2つのヒンジジョイント46は、関節式連結で示され、別のヒンジジョイント47は非関節式で示されている。第1のヒンジアイ22の第1の開口部22は、扇形開口部の頂点40から第1の角度αで定められる。第2のヒンジアイ21の第2の開口部23は、頂点から第2の角度βで定められる。図示されるように、第1の角度αは、90乃至180°である。図示されるように、第2の角度βは、180°以下である。従って、相互配置されたヒンジアイの開口部が、非関節式ヒンジジョイント47で整列されるとき、小さい方の第1の開口部に収容されたヒンジロッド30は、大きい方の第1の開口部内に概ね中心がきて、上部及び下部の空白空間48、49が関節式連結を可能とする。ヒンジロッドの溝32内に収容される突出部28は、所定位置にヒンジロッドをとどめ、特に、大きい方の第2の開口部において、開口部中のロッドの垂直方向の隙間を制限し、ロッドとヒンジアイ壁面との間の摩擦を最小限にする。関節式に連結しているヒンジジョイント46では、先端列部12Aはヒンジロッド20の回りに回転し、ヒンジロッド20は、第2の開口部23の上部空間48内にのりあげる。当然、ヒンジロッドの存在によって上方空間が減少する一方で、これに従って、下方空間が増大する。ベルトが後屈(backbend)するとき、ヒンジロッドは、逆に、下方空間を占有し、上方空間を解放し、ベルトは、反対方向において、ヒンジジョイントで関節式連結される。
【0018】
本発明は、好適な実施例に関して詳細に記載されているが、他の態様でも可能である。例えば、ヒンジロッドおよび小さい方の開口部の角度範囲(90乃至180°として示されている)は、所定のアプリケーションでは、90°未満、又は、180°以上でもよい。関節式連結の範囲が制限される必要がある場合は、大きい方の第2の開口部の角度範囲は、180°以下でもよい。別の例としては、非関節式ヒンジジョイントで示されるように、第1の開口部中のヒンジロッドが、大きい方の第2の開口部の中心になくてもよく、例えば、後屈するより大きな程度で関節式連結を可能とするか、または、同時に後屈することを排除することができるように、第1および第2の開口部を構成できる。さらに別の例としては、弓形壁面が囲む第1の開口部は、突出部よりもベルト列部の端部に近くなる向きで示されており、弓形壁面が囲む第2の開口部は、突出部よりも、ベルト列部の端部から離れる向きに示されている。第1及び第2の開口部の向きは、関節式連結するためのベルトの能力に影響を与えずに、両方を逆にすることができる。従って、これらの例が示すように、特許請求の範囲は、詳細に記載された好適な態様に限定されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式プラスチックコンベアベルトにおいて、
一連のプラスチックベルトモジュール列部であって、各列部が、ベルト進行方向の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールと、先端に沿った第1のヒンジアイセットと、後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を具え、前記第1のヒンジアイセットは、そこを貫通する第1の開口部を有し、第2のヒンジアイセットは、そこを貫通する第2の開口部を有し、前記列部は、相互配置された列部の第1のヒンジアイセットで端部と端部が並び、隣接する第2のヒンジアイセットと整列される、一連のプラスチックベルトモジュール列部と、
複数のヒンジロッドであって、各ヒンジロッドが、中心軸から測定された半径を有する円形シリンダの断面部分であり、当該断面部分は、前記中心軸から第1の角度で定められる、複数のヒンジロッドと、を具え、
前記第1の開口部の各々が、ヒンジロッドよりわずかにおおきな半径の断面と同様の形状を有し、ほとんど隙間のないようにヒンジロッドを受け、前記第2の開口部の各々が、ヒンジロッドよりもわずかに大きな半径の扇形であり、第1の角度よりも大きな第2の角度で定められ、列部の第1のヒンジアイセットの第1の開口部と、隣接する第2のヒンジアイセットの第2の開口部と、に収容されたヒンジロッドが、隣接する列部同士間でヒンジジョイントを形成することを特徴とするモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項2】
前記ヒンジロッドの各々は、前記中心軸に沿って延在する溝を更に具え、前記第1および第2のヒンジアイの各々は、第1および第2の開口部内に延在し、かつ収容される前記ヒンジロッドの前記溝を受ける突出部を有することを特徴とする請求項1に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項3】
前記第1の角度が90乃至180°であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項4】
前記第2の角度が180°以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項5】
隣接する列部同士の間にヒンジを形成する整列されたヒンジアイを介して、コンベアベルトの隣接する列部を共に連結するヒンジロッドにおいて、
シリンダの一部を形成しており、第1の角度に亘って周方向に延在し、かつ軸方向に延在しヒンジロッドの長さを画定する弓形外側面と、
前記弓形外側面の半径方向内側に配置され、前記ヒンジロッドに沿って軸方向に延在し、第1の角度に亘って周方向に延在する溝と、
を具えることを特徴とするヒンジロッド。
【請求項6】
モジュール式プラスチックコンベアベルトにおいて、
一連のプラスチックベルトモジュール列部であって、各列部が、ベルト進行方向の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールと、先端に沿った第1のヒンジアイセットと、後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を具え、前記第1のヒンジアイセットが、そこを貫通する第1の開口部を具え、前記第2のヒンジアイセットが、そこを貫通する第2の開口部を具え、前記列部は、相互配置された列部の第1のヒンジアイセットで端部同士を並べられ、隣接する列部の第2のヒンジアイセットと整列される、一連のプラスチックベルトモジュール列部と、
ここで、前記第1の開口部は概ね扇形であり、当該扇形の頂点から第1の角度で定められ、
ここで、前記第2の開口部は概ね扇形であり、当該扇形の頂点から第2の角度で定められ、前記第2の角度が前記第1の角度より大きく、
複数のヒンジロッドであって、当該ヒンジロッドの各々が、前記第1の開口部の形状及び寸法と同様の概ね扇形の断面を有し、この扇形断面の頂点を通る概ね扇形断面に垂直な軸を規定し、隣接する列部の相互配置された前記第1および第2のヒンジアイの整列された前記第1および第2の開口部に収容され、ヒンジジョイントで列部を相互連結してモジュール式プラスチックコンベアベルトを形成する、複数のヒンジロッドと、
を具えることを特徴とするモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項7】
前記ヒンジロッドの各々が、前記軸に沿って延在する溝をさらに具え、前記第1および第2のヒンジアイの各々が、前記第1および第2の開口部内に延在し、かつ収容された前記ヒンジロッドの前記溝に受けられる突出部を有することを特徴とする請求項6に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項8】
前記第1の角度が90乃至180°であることを特徴とする請求項6又は7に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項9】
前記第2の角度が180°以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項10】
モジュール式プラスチックコンベアベルトにおいて、
一連のプラスチックモジュール列部であって、各列部が、ベルト進行方向の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールと、前記先端に沿った第1のヒンジアイセットと、前記後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を具え、前記第1のヒンジアイセットが、そこを貫通する第1の開口部を有し、前記第2のヒンジアイセットが、そこを貫通する第2の開口部を有し、前記列部は、相互配置された列部の第1のヒンジアイセットで端部と端部が並び、隣接する列部の第2のヒンジアイセットと整列される、一連のプラスチックモジュール列部と、
複数のヒンジロッドと、を具え、
当該ヒンジロッドが、
このヒンジロッドの第1のエッジと第2のエッジとの間で第1の角度で周方向に延在し、かつ軸方向に延在して前記ロッドの長さを画定する、凸面状外側面と、
前記第1のエッジで前記弓形外側面から半径方向内側に延在する第1の外側端面と、
前記第2のエッジで前記弓形外側面から半径方向内側に延在する第2の外側端面と、
前記凸面状外側面の反対側で、前記第1の外側端面と第2の外側端面との間のヒンジロッドに沿って軸方向に延在している溝と、
を具え、
前記第1の開口部の各々が、前記ヒンジロッドの断面と同様の形状を有し、ほとんど隙間なくヒンジロッドを収容し、前記第2の開口部の各々が、前記第1の角度よりも大きな第2の角度で定められ、列部の第1のヒンジアイの第1の開口部と、隣接する列部の第2のヒンジアイセットの第2の開口部と、に収容されるヒンジロッドが、ヒンジジョイントで、隣接する列部をともに連結し、
前記ヒンジアイの各々が、収容された前記ヒンジロッドの溝に受けられるように、前記開口部に突出部を具え、前記第1および第2の開口部にヒンジロッドをとどめることを特徴とするモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項11】
前記第1の角度が90乃至180°であることを特徴とする請求項10に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項12】
前記第2の角度が180°以上であることを特徴とする請求項10に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項13】
モジュール式プラスチックコンベアベルトにおいて、
一連のプラスチックベルトモジュール列部であって、各列部は、ベルト進行方法の先端から後端まで延在する少なくとも1つのベルトモジュールと、前記先端に沿った第1のヒンジアイセットと、前記後端に沿った第2のヒンジアイセットと、を具え、前記第1のヒンジアイセットが、そこを貫通する第1の開口部を具え、前記第2のヒンジアイセットがそこを貫通する第2に開口部を具え、前記列部が、相互配置された列部の第1のヒンジアイセットと端部と端部を並べ、隣接する列部の第2のヒンジアイセットと整列される、一連のプラスチックベルトモジュール列部と、
複数のヒンジロッドと、を具え、
前記ヒンジロッドが、
シリンダの一部を形成し、前記ヒンジロッドの第1のエッジと第2のエッジとの間において第1の角度で周方向に延在し、軸方向に延在し前記ロッドの長さを画定する、弓形外側面と、
前記第1のエッジで前記弓形外側面から半径方向内側に延在する第1の外側平面と、
前記第2のエッジで前記弓形外側面から半径方向内側に延在する第2の外側平面と、を具え、
前記第1の開口部の各々が、わずかに大きな寸法のヒンジロッド断面と同様の形状を有し、ほとんど隙間なくヒンジロッドを収容し、前記第2の開口部の各々が、前記ロッドよりも半径方向にわずかに大きな寸法を有し、前記第1の角度より大きな第2の角度で定められ、列部の第1のヒンジアイセットの第1の開口部と、隣接する列部の第2のヒンジアイセットの第2の開口部と、に収容されるヒンジロッドが、前記ヒンジアイを介して、隣接する列部の間においてヒンジジョイントを形成することを特徴とするモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項14】
前記第1の角度が90乃至180°であることを特徴とする請求項13に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項15】
前記第2の角度が180°以上であることを特徴とする請求項13に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。
【請求項16】
前記ヒンジロッドが、前記弓形外側面の反対側であって、前記第1の外側平面と第2の外側平面との間の前記ヒンジに沿って軸方向に延在している溝を更に具え、前記第1及び第2のヒンジアイの各々が、前記第1及び第2の開口部内に延在しており、かつ収容される前記ヒンジロッドの前記溝に受けられる突出部を有することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のモジュール式プラスチックコンベアベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−502534(P2010−502534A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526810(P2009−526810)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/076377
【国際公開番号】WO2008/027752
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】