説明

モジュール式連結ベルトシステムのための耐摩耗性スプリットスプロケット

スプリットスプロケット組立品は、シャフトを保持するための開口の一部を構成する第1側部と、第2側部とを有する2つのスプロケット本体部材(1、1A)を備える。スプリットスプロケット組立品は、さらに、周囲に配置される多数のスプロケット歯(10)を有する環状部(2、3、4、5)を備える。各環状部(2、3、4、5)は、スプロケット本体部材(1、1A)の第2側部に係合可能である。スプロケット本体部材(1、1A)は、シャフトに並設可能で、周囲に端と端を突き合わせる方式で、環状部(2、3、4、5)に連結することによって一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式搬送装置、特に、スプリットスプロケット組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
腐食せず、軽量で、清掃容易であるには、金属製の搬送ベルトは好ましくなく、一般に樹脂製の搬送ベルトが、特に、食物を搬送するのに使用されている。モジュール式の樹脂製の搬送ベルトは成形樹脂製のモジュール式リンク、又は、ベルトモジュールからなり、選択可能な列幅で並設されている。モジュールの各縁から延びる一連の所定間隔で配置された部分的な連結端は回転ロッドに合わせて傾斜した開口を備える。モジュール列の一端に沿った連結端は、隣接する列の連結端に連結されている。モジュールに隣接して連結された傾斜開口に支持される回転ロッドは、隣接する列の間にヒンジを形成する。ベルトモジュールの列は、駆動スプロケットの周囲に連接可能な無端搬送ベルトを形成するように互いに連結されている。
【0003】
モジュールベルトを駆動するために使用される殆どのスプロケットは、成形又は機械加工された樹脂材料から製造される。非常に大きな摩擦が作用する状況下であれば、樹脂製のスプロケットの歯は、ごく短時間で摩耗するようになる。また、少なくとも一部がスチール等の金属で形成されるスプロケットを使用することが公知である。幾つかの例が、米国特許第5,074,406号公報及び米国特許第5,279,526号公報に記載されている。
【0004】
便宜上、軸の端部を滑らせる代わりに、軸の周囲に取り付けることのできるスプリットスプロケットを設け、時間はかかるが、駆動システムを分解できることも公知である。
【0005】
また、必要なのは、長期に亘って装着するために、歯が挿入されるスプリットスプロケットのデザインを改良することである。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,074,406号明細書
【特許文献2】米国特許第5,279,526号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、独立項である請求項1、10及び16に係るスプリットスプロケット組立品を提供することにより、上述の要求に応えている。
【0008】
特に、本発明は、歯を挿入されたスプリットスプロケットを提供することにより、上述の要求に応えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るスプリットスプロケット組立品の分解斜視図である。
【図2】図1のスプリットスプロケット組立品の2つの半部を所定間隔で配置した斜視図である。
【図3】図1のスプリットスプロケット組立品の組立位置での斜視図である。
【図4】図1のスプリットスプロケット組立品の側面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る分解斜視図である。
【図9】ハブを連結され、歯を挿入された分解図を示す他の実施形態に係る斜視図である。
【図10】組立位置での他の実施形態の斜視図である。
【図11】他の実施形態の側面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態の分解斜視図である。
【図14】ハブを連結され、歯を挿入された分解図を示す図13の他の実施形態の斜視図である。
【図15】組立位置での図13の他の実施形態の斜視図である。
【図16】図13の他の実施形態の側面図である。
【図17】図17の17−17線断面図である。
【符号の説明】
【0010】
1、1A…スプロケット本体部材
2、3、4、5…環状部
6…カム
7…ピン
8、8a…各取付ネジ
9、10、170、173、334…スプロケット歯
12、13…スプロケットの半部
15…中心ハブ部
25、130、315…隣接壁
100、103…スプロケットの半部
109、112…スプロケット本体部材
115…中心ハブ部
133、136、139、142…環状部
148…固定具
151…開口
170、173…スプロケット歯
176…突出部
300、303…スプロケットの半部
309、312…スプロケット本体部材
315…調整プレート
321、324、327、330…環状部
342…突出部
350、360…固定具
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、図1及び図2において、本発明のスプリットスプロケット組立品の第1実施形態は、一対のスプロケットの半部12及び13(図2)を備える。スプロケットの半部12及び13は、重量を抑えるために、樹脂で構成するのが好ましい。スプロケットの半部12、13のそれぞれは、組み立てられたスプロケットの約半分に形成されている。図3に示すように、2つのスプロケットの半部12、13が連結されるとき、それらはシャフト(図示せず)にスプロケット組立品を装着するための中心開口11を形成する。図示のように、開口11は、四角形のシャフトを保持するために略四角形に形成されている。当業者にとって自明な他の形状であってもよい。
【0012】
図1において、2つの樹脂製のスプロケット本体部材1と1Aは、後方壁14と、対向する一対の側壁16及び19とを備えた中心ハブ部15を有する。側壁16及び19は、所定間隔で配設され、後方壁14と側壁16及び19は、スプリットスプロケットの組立時、シャフト(図示せず)用の開口11を形成する。スプロケット本体部材1の周囲には、中心ハブ部15から外方に延びるプレート25によって形成された溝22が設けられている。示された例では、中心ハブ部15に対してほぼ垂直に外方へと延びる3つのプレート25からなる。この結果、平行な溝22が形成される。各溝22は、環状部2、3、4及び5を保持する。耐摩耗性の環状部2、3、4及び5は、スチール等の金属を含む耐摩耗材料で構成すればよい。用途に応じて、材料は軟鋼やステンレス鋼で構成すればよい。チタニウム等の樹脂よりも硬い他の材料を使用することもできる。耐摩耗性材料は金属には限定されず、樹脂に比べて優れた耐摩擦性を有する他の非金属材料を含めても構わない。
【0013】
各環状部2、3、4及び5は、歯を備えたハブから駆動トルクを伝達するため、スプロケット本体部材1、1Aに、対応する凹部29(最も良く図4に示されている)に係合するカム又は突出部6を備える。
【0014】
図2では、2つのスプロケット本体部材1、1Aは、その開口40を介して挿入される位置決めピン7によって環状部2、3、4及び5と一体化されている。開口が連通されれば、位置決めピンの挿入により、組立品の全ての部品が位置決めされる。スプロケット本体部材1及び1Aは、取付ネジ8及び8aによって取り外し可能に連結される。取付ネジ8及び8aは、環状部2、3、4、5を保持する。図に示すように、環状部2及び3は、環状部2の一端28が、対応する環状部3(図1に最も良く示されている)の端部31を超えて延びるように、部分的に重なり合った状態で配置されている。環状部3の反対側の端部では、第2端34が環状部2の第2端37を超えて延びている。図に示すように、反対側では、環状部4及び5が、環状部2の端部28を環状部5の端部41に取り付けることができるように、同様な方法で配設されている。同様に、環状部3の端部34は、環状部4の端部43に連結されている。重なり合わせることにより、環状部2、3、4、5の開口46、47を連通させることにより取付ネジ8及び8aを保持することが可能となっている。開口46、47の一方は貫通し、他方の開口はより大きくて、スプロケットの半部12、13がナット等の追加のハードウェアを全く必要とすることなく、取付ネジ8によって連結することができるようになっている。
【0015】
スプロケット本体部材1、1Aは、ネジ8及び8aを挿入するための間隙を設けた湾曲開口49を有する。また、湾曲開口49は、取付ネジ8、8aを、スプロケット本体部材1の適切な方からのみ挿入可能とするような配置機能を提供する。上述のように、スプロケット本体部材1及び1Aは樹脂からなるので、取付ネジ8及び8aを、スプロケット本体部材1及び1Aよりも耐摩耗性のある環状部2、3、4及び5に係合させるのに有利である。環状部2、3、4及び5とスプロケット本体部材1との間の力は、それらが摩擦を発生させる樹脂製のスプロケット本体部材1内に配設されていれば、ボルト穴の開口へと伝達される。樹脂製の本体を超えて力を作用させ、取付ネジ8、8aを耐摩耗性のある部品にのみ連結することにより、スプリットスプロケット組立品の耐久性は増大する。
【0016】
図2及び図3に示すように、各環状部2、3、4及び5は、その周囲に配置される多数のスプロケットの歯9、10を有する。スプロケットの歯9、10は、スプロケットの周囲に配置された10個の側面それぞれに2つ1組で設けられている。図3に示すように、スプロケットの半部の組立時、スプリットスプロケット組立品が、その周囲の多数の同じ表面を有する多角形を構成するようにしてもよい。また、当業者にとって明らかなように、他の形状であってもよい。歯9、10は、湾曲端50と傾斜壁53をそれぞれ形成されている。歯9、10は、当業者にとって明らかなように、個々のベルトモジュールの端部のいずれか、あるいは、ベルトモジュールの下方側に配置される中心リブに係合することによりモジュール式ベルトを駆動するように形成されている。歯9、10の湾曲端50は、通常、個々のベルトモジュールの端部に、その位置で係合し、傾斜壁53は、中心リブに、その中心位置で係合するようにしてもよい。
【0017】
図3及び図4には、組み立てられたスプロケットが示されている。スプリットスプロケット組立品をある角度で取り付けるために、スプロケット本体部材1、1A及び対応する環状部2、3、4及び5は、開口40を連通させ、位置決めピン7を挿入することにより一体化される。そして、2つの予め組み立てられたスプロケットの半部12、13は、シャフト(図示せず)を覆い、突出環状部(図2に最も良く示されている)が対応する溝内へとスライドし、適切に組み立てられるように一緒に押圧される。
【0018】
スプロケットの半部12、13は、各取付ネジ8、8aが1つの環状部の開口46を貫通し、対応する環状部の貫通孔47に螺合することにより、強固に固定される。環状部2、3、4、5の底面縁60が図4に波線で示されている。図4に示すように、カム6は、スプロケット本体部材1、1Aから環状部の歯9、10にトルクを伝達するために、凹部29に係合する。
【0019】
図5では、中心ハブ部15が詳細に示されている。中心ハブ部15は、スプロケットの幅方向に延び、シャフト(図示せず)のための中心孔11を形成する壁14を有する。シャフトとは反対側では、壁70は、図5の方向に対して垂直に配置され、壁14から外側に延びている。壁73は、環状部2、3、4、5を保持するための溝22を形成するプレート25を支持する。図示した例では、3つのプレート25によって2つの溝22が形成されている。当業者にとって明らかなように、他の数のプレート25が異なる数の溝22を形成するのに使用可能である。図5の方向に対して、スプロケットの下方部は同様に形成されている。この例により、2列の歯を有するスプロケットが提供される。環状部2、3は図の上部に示され、環状部4、5は図の下部に示されている。環状部2、3、4、5のカム6も又図5に示されている。
【0020】
図6では、環状部2、3が、カム6を超えた、スプロケット組立品の周囲の位置に示されている。また、環状部2、3は、カム6を備えず、図に示す歯9を支持するのに十分な厚さが必要とされるだけである。
【0021】
図7では、2つのスプロケットの半部12、13の連結が詳細に示されている。図の左側では、取付ネジ8aが環状部2の開口46を介して延び、環状部5に配置された貫通孔47に螺合している。また、取付ネジ8aは、樹脂部品のいずれにも係合しておらず、トルクは摩擦を削減する樹脂の大きな表面領域を横切って伝達される。
【0022】
図1の右側では、位置決めピン7がスプロケット本体部材1Aと環状部4、5の開口を介して延びている状態が示されている。位置決めピン7は、部品がシャフトの周囲に配置され、スプロケットの半部12に連結される前に一体化されるように、スプロケットの半部13を予め組み立てるために設けられている。
【0023】
図8及び図9には、本発明のスプリットスプロケット組立品の他の実施形態が示されている。他の実施形態は、一対のスプロケットの半部100及び103を備える。スプロケットの半部100及び103は、軽量化のために、主に樹脂材料で形成するのが好ましい。図9に示すように、2つのスプロケットの半部100、103が連結されると、それらはシャフト(図示せず)にスプロケット組立品を実装するための中心孔106を形成する。図示するように、開口106は、四角形のシャフトを保持するために略四角形に形成されている。当業者にとって明らかなように、他の形状であってもよい。
【0024】
図8において、2つのスプロケット本体部材109、112は、後方壁118及び対向する一対の側壁121及び124を備えた中心ハブ部115を有する。側壁121及び124は、所定間隔離れて配置されている。スプリットスプロケットが組み立てられるとき、後方壁118と、側壁121及び124とによってシャフトのための開口が形成される(図9)。スプロケット本体部材109の周囲には、中心ハブ部115から外側に延びるプレート130によって形成された溝127が設けられている。図示した例では、中心ハブ部115に対してほぼ直角に外側に延びる3つのプレートを備える。この結果、溝127は互いに平行に形成される。各溝127は、環状部133、136、139及び142を保持する。耐摩耗性の環状部133、136、139及び142は、スチール等の金属を含む耐摩耗性材料で構成されている。本願では、材料は軟鋼又はステンレス鋼で構成されている。チタニウム等の樹脂よりも硬い他の材料を使用してもよい。耐摩耗性材料は金属には限定されず、樹脂よりも耐摩耗性に優れた特性を有する他の非金属材料であってもよい。
【0025】
中心ハブ部115は、切削して部品を2つの部位に切断することにより製造できる。各環状部133、136、139及び142は、ネジ等の固定具148のための開口145を備える。固定具148は、駆動トルクをハブから環状部に伝達する。
【0026】
スプロケット本体部材109、112は、開口151を介してスプロケット本体部材109、112と環状部133、136、139及び142に挿入される固定具148によって環状部133、136、139及び142を整列させる。開口が連通すれば、固定具148を挿入することにより、組立品の全部品が位置を固定される。
【0027】
スプロケット本体部材109、112は、固定具148によって取り外し可能に取り付けられる。固定具148は、環状部133、136、139及び142の端部を保持する。図示のように、環状部133及び136は、環状部133の一端154が環状部136の他端を超えて延びるように互いに重なり合った状態で配置されている。環状部136の他端には、第2端160が環状部133の第2端163を超えて延びている。図9の他の側面に示すように、環状部139、142は、部位133の一端154が環状部142の一端166に取り付けることができるように、同様な方法で配設されている。同様に、環状部136の第2端160は環状部139の一端168に連結されている。
【0028】
互いに重なり合って配置されることにより、環状部の開口と、スプロケット本体部材109、112の開口を連通することが可能となる。固定具148は環状部133、136、139及び142をスプロケット本体部材109、112に固定するために、開口に設けられる。固定具148は、ナットによって固定してもよく、又、開口の幾つかはナットを不要とするためにねじ山を形成することも可能である。
【0029】
図8及び図9に示すように、各環状部133、136、139及び142は、その周囲に配置される多数のスプロケットの歯170、173を有する。歯170、173は、上述の歯9、10と同様に形成されている。スプロケットの歯170、173は、最も良く図11に示されるように、2つ一組で配置されている。
【0030】
図9に示すように、環状部133、136、139及び142は、スプロケット本体部材109、112の対応する凹部(図示せず)に係合する突出部176を備える。
【0031】
図10〜図12には、組み立てられたスプロケットが図示されている。駆動軸にスプリットスプロケットを組み付けるために、スプロケット本体部材109、112及びこれに対応する環状部133、136、139及び142は、開口を連通させて配置し、スプロケットの反対側に配置された固定具を挿入することにより互いに固定され、2つのスプロケットの半部が予め組み立てられる。そして、2つの予め組み立てられたスプロケットの半部は、シャフト(図示せず)を超えて配置され、突出した環状部を対応する溝へとスライドさせ、適切に係合して組み立てられるように、互いに押圧される。
【0032】
スプロケットの半部は、スプロケット本体部材の対応する開口と両環状部を貫通する各取付ネジのような固定具148によって強固に固定される。突出部176(図9)は、スプロケット本体部材から環状部の歯に向かって、スプロケット本体部材の凹部に係合される。
【0033】
図12には、中心ハブ部がより詳細に示されている。中心ハブ部115は、スプロケットの幅を横切って延び、シャフト(図示せず)のための中心孔106を形成する壁117を有する。壁178は、図12の方向に対して垂直に配置され、開口106から離れるように延びている。壁178は、壁177とほぼ平行に延びる壁179へと延びている。壁179は、環状部133、136、139、142を保持するために、溝127を形成するプレート130を支持する。当業者にとって明らかなように、異なる数の溝を形成するために他の数のプレートを使用するようにしてもよい。図12の方向に関して、スプロケットの下方部は同様な方法で形成される。この例では、2列の歯を有するスプロケットが設けられている。環状部133、136は図の上部に示され、環状部139、142は図の下部に示されている。
【0034】
図13から図17には、他の第2実施形態に係るスプロケット組立品が示されている。スプリットスプロケット組立品は、一対のスプロケットの半部300及び303を備える。スプロケットの半部300、303は、スプロケット本体部材309及び312によって形成されている。図14に示すように、スプロケット本体部材309及び312は、シャフト(図示せず)にスプロケット組立品を装着するための開口306を形成すべく連結されている。スプロケット本体部材309、312は、そこから延びるプレート315を有する。調整プレート315は、環状部321、324、327及び330を保持するための溝318を形成する。環状部321、324、327、330は、第2実施形態について上述したように配置されている。前記実施形態とは対照的に、環状部は、多数の個別のプレート331から形成されている。図示された例では、各環状部のための3つのプレートが設けられている。プレートは他の数であってもよい。プレートは、第1縁340に形成された歯334と、第2縁343に形成された少なくとも1つの突出部342とを形成するために連結されている。スプリットスプロケット組立品をシャフトに組み付けるため、スプロケット本体部材309、312及びこれに対応する環状部321、324、327及び330は、開口を連通させて取付ネジやナット等の固定具350を挿入することにより互いに固定される。そして、2つの予め組み立てられたスプロケットの半部は、シャフト(図示せず)を超えて配置され、突出した環状部が対応する溝内へとスライドし、嵌合して組み立てられるように互いに押圧される。スプロケットの半部300、303は、対応する開口を貫通する固定具360によって強固に固定される。突出部342は、スプロケット本体部材309から環状部321、324、327及び330の歯334にトルクを伝達させるのを補助するために、スプロケット本体309の対応する凹部に係合するように設ければよい。
【0035】
本発明は、一定の実施形態について記載したが、記載された特定の形状に本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、逆に、添付された特許請求の範囲によって限定される発明の範囲内に含まれる変形、改良及び同等なものを包括することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを保持するための開口(11、106、306)の一部を形成する第1側面を有すると共に、第2側面を有する少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)と、
周囲に配置される多数のスプロケットの歯(9、10、170、173、334)を有し、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の第2側面にそれぞれ係合可能である、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、を備え、
前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)は、シャフトに並設され、周囲で端と端をつなぐ形式で、前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)に連結することにより一体化可能であることを特徴とするスプリットスプロケット組立品。
【請求項2】
前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)は、樹脂で形成したことを特徴とする請求項1に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項3】
前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)は、金属で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項4】
少なくとも1つの凹部(29)が、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の1つと、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項5】
前記凹部(29)に係合するための、少なくとも1つの突出部が、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)とに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項6】
さらに、前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)から延びる多数の壁(23、130、315)を備え、該壁(23、130、315)を所定間隔で配設したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項7】
前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)は、隣接壁(25、130、315)の間にそれぞれ配設したことを特徴とする請求項6に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項8】
前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)は、第1側面から延びる多数のスプロケット歯(9、10、170、173、334)を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項9】
前記スプロケット歯(9、10、170、173、334)は、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)の周囲に沿って延びていることを特徴とする請求項8に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項10】
シャフトを保持するために、少なくとも開口の一部を構成する第1側面に、少なくとも1つの第1壁(14、16、19、118、121、124)を備えたハブ部(15、115)と、第1側面とは反対側に配置されたハブ部(15、115)の第2側面から延びる、少なくとも2つのスペーサ壁とを有する、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)と、
多数のスプロケット歯(9、10、170、173、334)を有し、少なくとも2つのスペーサ壁(25、130、315)の間にそれぞれ配置され、第1端部(28、31、41、154、157、166)と、第1端部(28、31、41、154、157、166)とは反対側に配置される第2端部(34、37、43、160、163、168)を有する、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、を備え、
前記各環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)の第1端部(28、31、41、154、157、166)と第2端部(34、37、43、160、163、168)は、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)が、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)を軸の周囲に保持するように、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の1つに互いに対向して配置されて取付可能であることを特徴とするスプリットスプロケット組立品。
【請求項11】
前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)は樹脂材料からなることを特徴とする請求項10に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項12】
前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)は金属材料からなることを特徴とする請求項10に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項13】
前記少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)に、少なくとも1つの凹部(29)を設けたことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項14】
前記凹部(29)に係合するための突出部(6、176、342)を、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、前記少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)に設けたことを特徴とする請求項13に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項15】
前記多数のスプロケット歯(9、10、170、173、334)は、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)の周囲に沿って延びていることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載のスプリットスプロケット組立品。
【請求項16】
軸を保持するための開口の一部を構成する第1側面を有すると共に、そこから延びる多数の壁(25、130、315)を備えた第2側面を有し、前記壁が溝(22、127、318)を形成するように互いに略平行で、所定間隔を持って配設される少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)と、
周囲に配置される多数のスプロケット歯(9、10、170、173、334)を有し、第1端(28、31、41、154、157、166)及び第2端(34、37、43、160、163、168)を有し、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の溝(22、127、318)内に配置される少なくとも2つの環状部と、
少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の一方に設けた突出部(6、176、342)と、
少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、少なくとも2つのスプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)の一方に設けた突出部(6、176、342)に係合可能な凹部(29)と、を備え、
前記スプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)は、軸の周囲に並設して、端と端をつなぐ様式で、少なくとも2つの環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)に連結することにより位置決めすることが可能であることを特徴とするスプリットスプロケット組立品。
【請求項17】
前記環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)と、前記壁(25、130、315)は、さらに、スプロケット本体部材(1、1A、109、112、309、312)と環状部(2、3、4、5、133、136、139、142、321、324、327、330)を同一直線上に維持するためにピン(7、148、180、350、360)を保持する、同一直線上の開口(40、145、151)を備えたことを特徴とする請求項16に記載のスプリットスプロケット組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−523110(P2009−523110A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549736(P2008−549736)
【出願日】平成19年1月8日(2007.1.8)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000008
【国際公開番号】WO2007/079602
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(591270796)ハバシット アクチエンゲゼルシャフト (25)