説明

モップ洗浄装置

【課題】バケツでモップを濯ぐことをやめ、常に清潔な洗浄水でモップを直接洗浄し、バケツを使わずに、モップの洗浄後の汚水を汚水回収容器に回収し、汚水回収容器はスポンジから流れ出た汚水を受け止める汚水回収の役割のみをはたし、汚水回収容器の大きさをモップの横幅の長さに合わせる必要がなく、従来の濯ぎ用バケツに比較して小型化し、長いサイズのモップも洗浄を可能とする洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明は、スポンジ付きモップを挿入して絞る1対のガイドローラと絞り用ローラからなる絞り器と、同絞り器の下方に配置し、且つ、前記スポンジ付きモップのスポンモップパッドに直接散水する散水ノズルと、前記スポンモップパッドの下方に配置した汚水止めバーとを装着した支持金具と、前記絞り器囲繞する如く、該絞り器の直下に配置した汚水回収容器とからなるモップ洗浄装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床などの拭き掃除に使用するモップを洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)で洗浄するときに、モップの洗浄を常に清潔な洗浄水で洗浄できるモップ洗浄装置で、特に病院における床清拭に使用されるモップの洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院における床などの拭き掃除では、院内感染の予防のため、清潔な洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)で洗浄したモップで床等を清拭することが必要であるが、従来のバケツ内での濯ぎでは、使用したモップをバケツ内で濯ぐと、2回目以降はバケツの汚れた水で濯ぐことになる。また、清掃作業効率を上げるには、モップの横幅を長くして、1度で拭ける面積を増やすと良い。しかし、モップをバケツで濯ぐにはモップの横幅の長さに合わせてバケツも大きくする必要がある。バケツが大きくなると濯ぎ水をかえるのも、大きなバケツの取扱いも困難となり、横幅の長いモップの使用は困難で、清掃作業効率は悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−214092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バケツの中でモップを濯ぐことをやめ、常に清潔な洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)でモップを直接洗浄し、モップの濯ぎバケツを使わずに、モップの洗浄後の汚水を汚水回収容器に回収する。汚水回収容器はスポンジから流れ出た汚水を受け止める汚水回収の役割のみを果し、汚水回収容器の大きさをモップの横幅の長さに合わせる必要がなく、従来の濯ぎ用バケツに比較して小型化し、また、長いサイズのモップでも洗浄を可能とするモップ洗浄装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はスポンジ付きモップを挿入して絞る1対のガイドローラと、絞り用ローラとからなる絞り器を装着した支持金具と、前記絞り器の下方に配置し、且つ、前記スポンジ付きモップのスポンモップパッドに直接散水する散水ノズルと、前記スポンモップパッドの下方に配置した汚水止めバーと、前記絞り器を囲繞する如く、該絞り器直下に配置した汚水回収容器とからなることを特徴とするモップ洗浄装置で、更に、前記汚水止めバー及びまたは、上記支持金具に着脱自在の仕切りカーテンの一端をスライド可能に、且つ、前記仕切りカーテンの他端が上記汚水回収容器内に垂れ下がるように装着したモップ洗浄装置である。
【発明の効果】
【0006】
上記構成としたことにより、バケツの中でモップを濯ぐことをやめ、図1に示すようにスポンジモップパッドに直接洗浄水(純水・洗剤・消毒液など)を散水することを特徴とするモップ洗浄装置である。常に清潔な洗浄水をモップに直接、洗浄水で洗浄することができ、床清拭の清潔さが格段に向上した。さらに、散水した洗浄水を含むスポンジをローラで絞った時、汚水がスポンジモップパッドの終端部分に行かないように、ローラの付近にバーを設け汚水の流れを受け止めて汚水回収容器に汚水を確実に回収できた。
上記のように洗浄水を含んだスポンジモップパッドをローラで絞る時、スポンジモップパッドの体積は急激に小さくなり、スポンジモップパッドに含まれていた洗浄水が内部から外部に押し出される。その洗浄水の水量・水圧によってスポンジモップパッドの外側に付着、または、内部に含まれた埃や汚れが洗浄水と共に外部に押し出される。散水および注水した洗浄水を含むスポンジをローラで絞った時、汚水がスポンジモップパッドの終端部分に行かない様に、ローラの付近にバーを設け汚水の流れを受け止め汚水受け容器に回収する。また、仕切りカーテン一端をスライド可能に、且つ、前記仕切りカーテンの他端が上記汚水回収容器内に垂れ下がるように装着し、確実に汚水回収が出来たモップ洗浄装置である。汚水回収容器はスポンジから流れ出た汚水を受け止める汚水回収の役割のみ果たせば良く、汚水回収容器の大きさをモップの横幅の長さに合わせる必要がなく、従来の濯ぎ用バケツに比較して小型化が可能となり、より長いサイズのモップも洗浄を可能となった。その結果、長いモップも床などの拭き掃除に使用でき、清掃作業効率を大きくアップさせることができた。また、床清拭後の清潔度も大きく改善された。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のモップ洗浄装置の全体を示す斜視図である。
【図2】モップを絞る前の位置でモップに洗浄水を散水している斜視図である。
【図3】モップを絞りながら、モップに洗浄水を散水している斜視図である。
【図4】モップを絞る前の汚水止めバーの斜視図である。
【図5】モップを絞る時の汚水止めバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る実施例を図1から図5を参照して、以下説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明のモップ洗浄装置の全体を示す図で、図2に図示のスポンジ付きモップ5を挿入して絞る1対のガイドローラ4aと絞り用ローラ4bからなる絞り器4を装着した支持金具10と、前記絞り器4の下方に配置し、且つ、前記スポンジ付きモップ5のスポンモップパッド6に直接散水する散水ノズル1と、前記スポンモップパッド6の下方に配置した汚水止めバー2と、前記絞り器4を囲繞する如く、該絞り器4の直下に配置した汚水回収容器3とからなることを特徴とするモップ洗浄装置で、更に、前記汚水止めバー2に着脱自在の第1の仕切りカーテン11aの一端をスライド可能に、且つ、前記第1の仕切りカーテン11aの他端が、汚水回収容器3内に垂れ下がるように装着した。さらに、本実施例では第2の仕切りカーテン11bを前記支持金具10の下方に着脱自在で、スライド可能に取り付けたモップ洗浄装置とした。従って、着脱自在でスライド可能にした第1の仕切りカーテン11aと第2の仕切りカーテン11bを用いることにより汚水回収容器3に汚水を確実に回収でき作業性が向上した。
【0010】
図2に図示する様に、スポンジ付きモップ5のスポンジモップパッド6の絞りを開始する前にスポンジモップパッド6に散水用ノズル1から直接、図1に図示の洗浄水タンク8から図1に図示の送水管9を通り、図示省略の洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)を散水し、スポンジモップパッド6に十分に洗浄水を含ませる。散水ノズル1は1本以上とし必要な本数で散水する。洗浄水を散水ノズル1に送るのは図示省略の水中ポンプや圧縮空気等を利用して送水量の調整を行う。
【0011】
図3は、図2で図示の洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)を含ませたスポンジモップパッド6を絞り器4の絞り用ローラ4b及びガイドローラ4aとの隙間に挿入し、スポンジバッドホルダー7を移動させながらスポンジモップパッド6を絞る時に散水用ノズル1からスポンジモップパッド6に洗浄水を散水している図である。
【0012】
図4に図示する汚水止めバー2を、本実施例では支持金具10に取り付けた事例を示す図である。
【0013】
従って、図5に図示する様に、取り付けた汚水止めバー2の上に、洗浄水(純水・洗剤・薬剤・消毒液など)を含ませたスポンジモップパッド6を絞り用ローラ4b及びガイドローラ4aとの隙間に挿入し、スポンジバッドホルダー7を移動させながらスポンジモップパッド6を絞る時の汚水がスポンジパッド6の終端部に向かって汚水が流れない様にした。汚水止めバー2がスポンジパッド6を押す力は汚水が止まる様に図示の矢印方向の力を「おもり」や「スプリング」等で調整する。その時の汚水は汚水回収容器3に落ちる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
研究・実験室、手術室などの清潔区域、また、工場、体育館などの面積が広い床や、床用清掃に限らず、壁面、天井面、窓ガラス、車、家具、黒板、白板などの清掃用具に適用できる。固く絞る事により畳など水を吸収し易い材質も拭く事が可能になった。
【符号の説明】
【0015】
1 散水ノズル
2 汚水止めバー
3 汚水回収容器
4 絞り器
4a ガイドローラ
4b 絞り用ローラ
5 スポンジ付きモップ
6 スポンジモップパッド
7 スポンジモップホルダ
8 洗浄水タンク
9 送水管
10 支持金具
11a 第1の仕切りカーテン
11b 第2の仕切りカーテン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポンジ付きモップを挿入して絞る1対のガイドローラと絞り用ローラからなる絞り器を装着した支持金具と、前記絞り器の下方に配置し、且つ、前記スポンジ付きモップのスポンモップパッドに直接散水する散水ノズルと、前記スポンモップパッドの下方に配置した汚水止めバーと、前記絞り器を囲繞する如く、該絞り器直下に配置した汚水回収容器とからなることを特徴とするモップ洗浄装置。
【請求項2】
上記汚水止めバー及びまたは、上記支持金具に仕切りカーテン一端を、更に、前記仕切りカーテンの他端が上記汚水回収容器内に垂れ下がるように装着したことを特徴とする請求項1に記載のモップ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−148039(P2012−148039A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22135(P2011−22135)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(501041193)株式会社ウィング (2)
【出願人】(504205521)国立大学法人 長崎大学 (226)