説明

モノマー状の長鎖反応物を含有するコーティング組成物

バインダーを含むコーティング組成物であって、該バインダーは架橋剤、該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマー、並びに(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)該架橋剤と反応性の少なくとも2つの基を有する、(iii)2〜6個のエステル基を有する、且つ(iv)10〜48個の炭素原子を含む、バインダーの少なくとも5質量パーセントの化合物を含む、コーティング組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、コーティング組成物、特に自動車及び他の主な製品のための熱硬化性工業用コーティング組成物に関する。
【0002】
背景技術
この節は、従来技術である又は該技術ではない本開示に関する背景情報を提供する。
【0003】
硬化可能なコーティング組成物、特に熱硬化性コーティングは、被覆分野において広範囲に使用される。該組成物はしばしば、自動車の及び工業用コーティング産業においてトップコートとして使用される。カラープラスクリア複合コーティングは、ひときわ優れた光沢、色の深さ、画像識別性、又は特殊なメタリック効果が望まれているトップコートとして特に有用である。自動車産業は、自動車車体のパネルのためにこれらのコーティングを広範囲に使用している。
【0004】
コーティング方法の環境への影響及びコーティングへの環境の影響は、被覆分野において過去数十年間で急激に上昇した。この産業は環境への害の少ない材料を有するコーティングを開発することに相当の努力を払ってきた。一般的に低濃度の揮発性有機化合物を含有するコーティングの例として、水性コーティング、粉末コーティング、及びハイソリッド溶媒性のコーティングが挙げられる。
【0005】
しかしながら、環境悪化に対する望ましい耐性及び優れた最終フィルム性能特性を同時に付与する環境に優しいコーティングを発明することは難しかった。
【0006】
例えば、カラープラスクリア複合コーティングは、像の高い鮮明性(DOI)を達成するために、コーティングの表面で極めて高い程度の透明性及び低い程度の視覚的収差を必要とする。結果として、これらのコーティングは特に環境腐食として知られた現象を受けやすい。環境腐食は、しばしばこすりとることができない斑点又はマークとしてコーティングの仕上の上に又は中に現れる。
【0007】
しばしば高光沢又はカラープラスクリア複合コーティングが示す環境腐食に対する耐性の程度を予測することは困難である。外部用塗料中で使用される場合の耐久性及び/又は耐候性が知られている多くのコーティング組成物は、高光沢コーティング、例えば、カラープラスクリア複合コーティングのクリアコート中で使用される場合に、環境腐食に対する所望のレベルの耐性を提供しない。多くの組成物はカラープラスクリア複合コーティングのクリアコートの皮膜形成成分としての使用が提案されてきた。環境腐食耐性の問題に対処する例としてカルバメートアミノプラスト系、ポリウレタン、酸エポキシ系等が挙げられる。しかしながら、いくつかのこれらの従来技術の系は適用の問題に弱い。
【0008】
同時に、コーティング方法において規制された放出物を生成することを避けるために可能な限り少ない揮発性有機化合物を使用することが望ましい。従って、室温で低い粘度、不揮発性液体である材料を使用するか又は低い溶融固体又はワックス状固体を使用してコーティング組成物を製造することが望ましい。
【0009】
発明の要約
コーティング組成物はバインダーを含み、該バインダーは架橋剤、該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマー、並びに(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)該架橋剤と反応性の少なくとも2つの基、(iii)2〜6個のエステル基、及び(iv)10〜48個の炭素原子を含む、バインダーの少なくとも5質量パーセントの化合物を含む。オリゴマーは比較的少数のモノマー単位を有するポリマーである;「オリゴマー」が10又は小数のモノマー単位を有するポリマーを指す一方、「ポリマー」はオリゴマー並びに多数のモノマー単位を有するポリマーを包含するために使用される。「化合物」は非ポリマー材料を指す。
【0010】
第1の実施態様において、非晶質化合物は2つのベータ−ヒドロキシエステル基を有する。
【0011】
第2の実施態様において、非晶質化合物は2つのベータ−カルバメートエステル基を有する。
【0012】
第3の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないヒドロキシル基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する。
【0013】
第4の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する。
【0014】
第5の実施態様において、非晶質化合物は複数のベータ−ヒドロキシエステル基を有する。
【0015】
第6の実施態様において、非晶質化合物は複数のベータ−カルバメートエステル基を有する。
【0016】
第7の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する。
【0017】
第8の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する。
【0018】
第9の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−ヒドロキシエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する。
【0019】
第10の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−カルバメートエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する。
【0020】
本発明の組成物は、耐久性を維持しながらソルベントポッピングに対する優れた耐性及び優れた外観を示す。組成物は、より少ない溶媒を用いて(即ち、より低い揮発性有機化合物濃度で)溶媒性コーティング組成物として配合してよい。
【0021】
コーティング組成物の製造方法は、カルボン酸とエポキシドとを一緒に反応させて、(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)架橋剤と反応性の少なくとも2つの基、(iii)2〜6個のエステル基、及び(iv)10〜48個の炭素原子を含む、化合物を製造すること、並びに該化合物と、架橋剤及び該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマーとを組み合わせることを含む。カルボン酸又はエポキシド化合物は、多官能性であってよい。エポキシド及びカルボキシルの反応から得られたヒドロキシル基はカルバメート基に変換され得る。
【0022】
本願明細書において使用される場合に単数形は、この項目の「少なくとも1つ」が存在することを意味し、この項目の複数は、可能な場合には存在することができる。実施例の他に詳細な説明の最後に、添付の特許請求の範囲を含む、本明細書中の全てのパラメーターの数値(例えば、量又は条件)は、用語「約」によって全ての例で改変されていると理解されるべきである。「約」は、数値に対して適用される場合には、計算又は測定により、値においていくらかのささいな不正確性(この値における正確さに幾らか近づいて;おおよそ又はこの数値にかなり近い;ほぼ)が生じる可能性があることを意味する。「約」によって与えられた不正確性が、この通常の意味合いで理解されない場合には、本願明細書において使用される場合の「約」は、少なくともかかるパラメーターの通常の測定方法に起因し得る変法を示す。その上、範囲の開示は、全ての値の開示及び全範囲内の更に分割された範囲を含む。
【0023】
更なる適用範囲の領域は本明細書に与えられた説明から明らかになる。説明及び特定例は、単に例示のためだけに意図されており、本開示の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。
【0024】
発明の詳細な説明
以下の説明は、その性質において単に例示的なものであり、且つ本開示、本出願、又はその使用を限定することを意図しない。
【0025】
コーティング組成物はバインダーを含み、該バインダーは架橋剤、該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマー、並びに(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)該架橋剤と反応性の少なくとも2つの基を有する、(iii)2〜6個のエステル基を有する、且つ(iv)10〜48個の炭素原子を含む、バインダーの少なくとも5質量パーセントの化合物を含む。
【0026】
第1の実施態様において、非晶質化合物は2つのベータ−ヒドロキシエステル基を有する。ベータ−ヒドロキシエステル基はエポキシド基とのカルボキシル基の反応によって形成され得る。有利な実施態様において、少なくとも1つのカルボキシル官能性材料又はエポキシド官能性材料、又はその両方は、ネオアルキル基を含む。ネオアルキル基は有利には8〜約12個の炭素原子を有する。1個のメチル基を有するネオアルキル基も有利である。ネオアルカン酸は一般的な構造
【化1】

によって表されてよく且つネオアルカン酸のエポキシドエステルは一般的な構造
【化2】

(式中、R、R及びRはそれぞれヒドロカルビル基であり且つR、R及びRは一緒に6〜12個の炭素原子を有する;有利には、R、R及びRのうち少なくとも1つがメチル基である)
によって表されてよい。ネオペンタン酸からネオデカン酸までのネオアルカン酸は市販されている。ネオデカン酸異性体のグリシジルエステルはHexionよりCardura E10として市販されている。
【0027】
2つのベータ−ヒドロキシエステル基は、モノカルボン酸とジエポキシドとの反応によって形成されるか又はモノエポキシドとジカルボン酸との反応によって形成され得る。有用な反応物の例として、1,6−ヘキサン二酸、脂肪酸ダイマー、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、及び分枝鎖状カルボン酸のエポキシエステルが挙げられるが、これらに限定されない。更に有利な実施態様において、モノカルボン酸又はモノエポキシドは6〜12個の炭素原子を有するネオアルキル基を有する。
【0028】
第2の実施態様において、非晶質化合物は2つのベータ−カルバメートエステル基を有する。ベータ−カルバメートエステル基は、まずエポキシド基とカルボキシル基との反応によってベータ−ヒドロキシ基を形成し、次いで該ヒドロキシル基をカルバメート基に変換することによって形成され得る。ヒドロキシル基は、シアン酸との反応などの多数の方法によってカルバメート基に変換してよく、これは、尿素の分解によって又は米国特許第4,389,386号又は第4,364,913号に記載されるような他の方法によって、又はエステル交換触媒、例えば、オクタン酸カルシウム、金属水酸化物、例えば、KOH、第I属又は第II属の金属、例えば、ナトリウム及びリチウム、炭酸金属、例えば、炭酸カリウム又は炭酸マグネシウムを用いて、室温から150℃までの温度でメチルカルバメート、ブチルカルバメート、プロピルカルバメート、2−エチルヘキシルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、フェニルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート等との反応によって生成させてよく、これはクラウンエーテル、金属酸化物、例えば、ジブチル錫オキシド、金属アルコキシド、例えば、NaOCH及びAl(OC、金属エステル、例えば、オクタン酸第一錫及びオクタン酸カルシウム、又はプロトン酸、例えば、HSO又はPhSbIと組み合わせた使用によって強化してよい。エステル交換反応は、R. Anand, Synthetic Communications, 24(19), 2743-47 (1994)によって記載されるように、室温でポリマー担持触媒、例えば、Amberlyst-15(登録商標)(Rohm & Haas)を用いて行ってもよい。その開示は参照により本明細書に組み込まれる。有用なカルバメート化合物は式:
R’−O−(C=O)−NHR’’
(式中、R’は置換又は非置換のアルキル(有利には1〜8個の炭素原子、更に有利には1〜4個の炭素原子)であり且つR’’はH、置換又は非置換のアルキル(有利には1〜8個の炭素原子、更に有利には1〜4個の炭素原子)、置換又は非置換のシクロアルキル(有利には6〜10個の炭素原子)、又は置換又は非置換のアリール(有利には6〜10個の炭素原子)である)
を有するものを含む。有利には、R’’はHである。
【0029】
第3の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないヒドロキシル基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する。第2の実施態様の化合物は、1モルのポリオールと1モルの環状無水物との反応、次いで得られたカルボキシル基とエポキシド官能性化合物との反応によって製造することができる。有利な実施態様において、エポキシド官能性化合物は、ネオアルカン酸のモノエポキシドエステルである。
【0030】
第4の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する。第4の実施態様の化合物は、例えば、上述の方法の1つを用いることによって、第3の実施態様の化合物のヒドロキシル基をカルバメートに変換することによって製造できる。
【0031】
第5の実施態様において、非晶質化合物は複数のベータヒドロキシエステル基を有する。第5の実施態様の化合物は、ポリカルボン酸とモノエポキシド化合物との反応によって又はポリエポキシドとモノカルボン酸との反応によってのいずれかで製造され得る。一実施態様において、モノカルボン酸又はモノエポキシドは6〜12個の炭素原子を有する。
【0032】
第6の実施態様において、非晶質化合物は複数のベータカルバメートエステル基を有する。第6の実施態様の化合物は、例えば、上述の方法の1つを用いることによって、第5の実施態様の化合物のヒドロキシル基をカルバメート基に変換することによって形成してよい。
【0033】
第7の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する。第7の実施態様の化合物は、ヒドロキシアルキルカルバメート化合物、例えば、ヒドロキシエチルカルバメート又はヒドロキシプロピルカルバメートと環状無水物との反応、次いで得られたカルボキシル基とエポキシド官能性化合物との反応によって製造してよい。有利な実施態様において、エポキシド官能性化合物は、ネオアルカン酸のモノエポキシドエステルである。
【0034】
第8の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する。第8の実施態様の化合物は、例えば、上述の方法の1つを用いることによって、第7の実施態様の化合物のヒドロキシル基をカルバメート基に変換することによって形成してよい。
【0035】
第9の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−ヒドロキシエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する。第9の実施態様の化合物は、ヒドロキシアルキルカルバメート化合物と、二環無水物との反応、次いで得られたカルボキシル基とエポキシド官能性化合物との反応によって製造してよい。有利な実施態様において、エポキシド官能性化合物は、ネオアルカン酸のモノエポキシドエステルである。
【0036】
第10の実施態様において、非晶質化合物は、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−カルバメートエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する。第10の実施態様の化合物は、例えば、上述の方法の1つを用いることによって、第9の実施態様の化合物のヒドロキシル基をカルバメート基に変換することによって形成してよい。
【0037】
コーティング組成物の製造方法は、カルボン酸とエポキシドとを一緒に反応させて、(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)架橋剤と反応性の少なくとも2つの基を有する、(iii)2〜6個のエステル基を有する、且つ(iv)10〜48個の炭素原子を含む、化合物を製造すること、並びに該化合物と、架橋剤及び該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマーとを組み合わせることを含む。本方法の第1の実施態様において、該化合物はジカルボン酸とネオアルキルモノエポキシドとを一緒に反応させることによって製造される。場合により、この反応工程からのヒドロキシル基はカルバメート基に変換される。
【0038】
本方法の第1の実施態様において、該化合物はポリカルボン酸とのネオアルカノン酸混合物のグリシジルエステルを一緒に反応させることによって製造される。ポリカルボン酸の非限定の例として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、チオグリコール酸、トリカルバリル酸、アゼレ(azeleic)酸、トリメリト酸無水物、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、及びアジピン酸、並びにそれらの酸の無水物が挙げられる。
【0039】
次に、酸/エポキシ開環反応から誘導されたヒドロキシ基含有生成物を、ヒドロキシル官能性の軟質の、第2の材料として使用するか、又はヒドロキシル基を別の官能基を製造するために反応させてよい。一実施例において、カルバメート官能性の軟質の、第2の材料を形成するために、ヒドロキシル基と、シアン酸及び/又はカルバメート基又は尿素基を含む化合物とを反応させる。シアン酸は、尿素の熱分解によって形成するか又は他の方法、例えば、米国特許第4,389,386号又は第4,364,913号に記載の方法によって形成してよい。カルバメート又は尿素基を含む化合物を利用する場合、ヒドロキシル基との反応は、ヒドロキシル基とカルバメート又は尿素基との間のエステル交換反応であると考えられる。カルバメート化合物は、ヒドロキシル基との反応(エステル化)を受けることが可能なカルバメート基を有する化合物であってよい。これらの化合物として、例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート、プロピルカルバメート、2−エチルヘキシルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、フェニルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート等が挙げられる。有用なカルバメート化合物は式:
R’−O−(C=O)−NHR’’
(式中、R’は置換又は非置換のアルキル(有利には1〜8個の炭素原子、更に有利には1〜4個の炭素原子)であり且つR’’はH、置換又は非置換のアルキル(有利には1〜8個の炭素原子、更に有利には1〜4個の炭素原子)、置換又は非置換のシクロアルキル(有利には6〜10個の炭素原子)、又は置換又は非置換のアリール(有利には6〜10個の炭素原子)である)
によって特徴付けることができる。有利には、R’’はHである。
【0040】
尿素基は一般的に式
R’−NR−(C=O)−NHR’’
(式中、R及びR’’はそれぞれ独立して、H又はアルキル、有利には1〜4個の炭素原子を表すか、又はR及びR’’は一緒に複素環式環構造を形成してよく(例えば、R及びR’’がエチレン架橋を形成する場合)、その際、R’は置換又は非置換のアルキル(有利には1〜8個の炭素原子、更に有利には1〜4個の炭素原子)を表す)
によって特徴付けることができる。
【0041】
カルバメート又は尿素とヒドロキシル基含有化合物との間のエステル交換反応は、典型的なエステル交換条件下、例えば、室温から150℃までの温度で、エステル交換触媒、例えば、オクタン酸カルシウム、金属水酸化物、例えば、KOH、第I族又は第II族の金属、例えば、ナトリウム及びリチウム、炭酸金属、例えば、炭酸カリウム又は炭酸マグネシウムを用いて行うことができ、これはクラウンエーテル、ジブチル錫オキシドのような金属酸化物、金属アルコキシド、例えば、NaOCH及びAl(OC、金属エステル、例えば、オクタン酸第一錫及びオクタン酸カルシウム、又はプロトン酸、例えば、HSO又はPhSbIと組み合わせた使用によって強化してよい。該反応はまた、R. Anand, Synthetic Communications, 24(19), 2743-47 (1994)によって記載されるように、室温でポリマー担持触媒、例えば、Amberlyst-15(登録商標)(Rohm & Haas)を用いて行ってもよい。その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
カルボン酸によるエポキシド化合物のオキシラン環の開環は、ヒドロキシエステル構造をもたらす。この構造上でのカルバメート化合物によるヒドロキシル基の後続のエステル交換は、カルバメート官能性成分をもたらす。
【0043】
2つの異なる種類の官能基は該化合物上に存在してよい。有利な一実施態様において、エポキシド官能性化合物と有機酸との反応生成物は、化合物当たり複数のヒドロキシル基を有し、概して、全てのヒドロキシル基より少ない該基がシアン酸又はカルバメート又は尿素基を含む化合物と反応する。特に有利な実施態様において、エポキシド官能性化合物とネオアルカン酸との反応生成物は、概して、分子当たり約2個から約4個のヒドロキシル基及びこれらの基の一部のみを有し、これらは反応して軟質の第2の材料の化合物上にカルバメート基又は尿素基を形成する。別の有利な実施態様において、エポキシド官能性化合物とネオアルカン酸との反応の前駆体生成物は、化学量論的に過剰な酸基の反応から得られた残りの酸基を有する。次に形成されたヒドロキシル基は、シアン酸又はカルバメート又は尿素基を含む化合物と反応してカルバメート又は尿素官能性並びにエポキシド又は酸官能性を有する成分(a)の化合物を形成する。
【0044】
本方法の第2の実施態様において、該化合物は、ジオールと環状無水物とを一緒に反応させてジカルボン酸を形成し、次いで該ジカルボン酸とネオアルキルモノエポキシドとを反応させることによって製造される。場合により、エポキシド反応工程からのヒドロキシル基はカルバメート基に変換される。
【0045】
この第2の実施態様において、好適な非限定のジオールとして、2〜18個の炭素原子を有するジオール、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、トリメチルヘキサン−1,6−ジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、メチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジメタノール及びペンタエリトリトールの環状ホルマール、例えば、1,3−ジオキサン−5,5−ジメタノールも使用できる。芳香族ジオール、例えば、1,4−キシリレングリコール及び1−フェニル−1,2−エタンジオール、並びにポリ官能性フェノール化合物とアルキレンオキシドとの反応生成物又はそれらの誘導体を更に使用することができる。ビスフェノールA、ヒドロキノン、及びレソルシノールも使用してよい。
【0046】
ジオールは環状無水物と反応する。好適な環状無水物として、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、フタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、トリメリト酸無水物、アジピン酸無水物、グルタル酸無水物、マロン酸無水物等が挙げられるが、これらに限定されない。無水物はアルキル基などの非反応性置換基を有してよい。
【0047】
ジオールと環状無水物は、カルボキシル基がジオールのそれぞれのヒドロキシル基について反応生成物中で無水物から生成するように、有利には約1:1のモル比で反応する。この中間反応生成物は、次いで脂肪酸の同族体及び/又は異性体のモノエポキシドエステルの混合物、有利にはネオアルカン酸のグリシジルエステルの混合物と反応する。生成物はヒドロキシル官能性の第2の軟質材料である。
【0048】
生成物のヒドロキシル基はカルバメート基に変換され得る。この第2の実施態様のカルバメート官能性化合物は、適切な反応条件下で、上述のヒドロキシル官能性材料と、低分子量のカルバメート官能性モノマー、例えば、メチルカルバメートとの反応によって製造してよい。代替的に、カルバメート基はヒドロキシル官能性材料の存在下で尿素の分解によって形成できる。最終的に、カルバメート化合物は、ホスゲンとヒドロキシル基との反応、その後のアンモニアとの反応によって得られる。
【0049】
本方法の第3の実施態様において、該化合物はポリエポキシド化合物とネオアルキルカルボン酸とを一緒に反応させることによって製造される。好適なポリエポキシド化合物として、ジエポキシド、例えば、エポキシ化アルカジエン、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、及び1,11−ドデカジエン、及びエポキシ化ポリカルボン酸、例えば、1,12−ドデカン二酸、及び二量体脂肪酸;エピクロロヒドリンと三量体脂肪酸との反応から得られるジ−及びトリ−グリシジルエステルの混合物;及び低分子量のエポキシド−官能性オリゴマー、例えば、エポキシ化不飽和油、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化不飽和脂肪酸二量体、及びエポキシ化脂肪酸三量体が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪酸又はネオアルキル酸とポリエポキシドのエポキシド基との反応はベータ−ヒドロキシエステル基を生成する。
【0050】
場合により、この反応工程からのヒドロキシル基はカルバメート基に変換される。カルバメート基はヒドロキシル基と低分子量のカルバメート官能性モノマー、例えば、メチルカルバメートとの反応によって製造してよい。代替的に、カルバメート基はヒドロキシル官能性化合物の存在下で尿素の分解によって製造してよい。最終的に、カルバメート官能性化合物は、ホスゲンとヒドロキシル基との反応、その後のアンモニアとの反応によって得られる。
【0051】
本方法の第4の実施態様において、該化合物は、ヒドロキシアルキルカルバメート化合物と環状無水物とを一緒に反応させてカルバメート基及びカルボン酸基を有する化合物を製造し、次いで該カルバメート基及びカルボン酸基を有する化合物とネオアルキルモノエポキシドとを反応させることによって製造される。上の実施例で概説されたように、この反応はヒドロキシル基を生成し、該基は場合により再度他の官能基、例えば、カルバメート基に変換され得る。カルバメート基はヒドロキシアルキルカルバメートによっても与えられる。
【0052】
本方法の第5の実施態様において、二環のカルボン酸無水物とヒドロキシアルキルカルバメート化合物とを反応させて2つのカルバメート基及び2つのカルボン酸基を有する化合物を製造する。二環のカルボン酸無水物の非限定の例として、ピロメリト酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、及び3,3’−(1,2−エタンジイル)ビス[ジヒドロ−2,5−フランジオンが挙げられる。次に2つのカルバメート基及び2つのカルボン酸基を有する化合物はネオアルキルモノエポキシドと反応する。場合により、エポキシド反応工程からのヒドロキシル基は、既に記載された方法によってカルバメート基に変換される。
【0053】
当該コーティング組成物及び方法の有利な一実施態様において、ネオデカン酸、ネオデカン酸のグリシジルエステルを使用する。
【0054】
非晶質化合物は、硬化性組成物の皮膜形成成分(バインダー)の全不揮発性質量を基準として5〜95質量%、更に有利には10〜85質量%、最も有利には20〜80質量%の量でコーティング組成物中に存在する。
【0055】
バインダーは更に熱硬化性ポリマー及び架橋剤を含む。熱硬化性ポリマーの非限定の例として、ビニルポリマー、例えば、アクリルポリマー及び改質アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリシロキサン及びそれらの混合物が挙げられ、それらの全ては当該技術分野において公知である。熱硬化性ポリマーは、熱硬化性ポリマー中で生成され得る、架橋剤、例えば、限定されずに、ヒドロキシル基、カルバメート基、末端尿素基、カルボキシル基、エポキシド基、アミノ基、チオール基、ヒドラジド基、活性化メチレン基、及びそれらの組み合わせと反応性の基を有する。
【0056】
本発明の有利な一実施態様において、ポリマーはアクリルである。アクリルポリマーは有利には500〜1,000,000、更に有利には1500〜50,000の分子量を有する。本発明において使用される「分子量」は、ポリスチレン標準を使用するGPC法によって測定できる、数平均分子量を指す。かかるポリマーは当該技術分野で公知であり、且つモノマー、例えば、メチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等から製造できる。活性水素官能基、例えば、ヒドロキシルは、アクリルモノマーのエステル部分中に組み込むことができる。例えば、かかるポリマーを製造するために使用できるヒドロキシ官能性アクリルモノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。アミノ官能性アクリルモノマーとしてt−ブチルアミノエチルメタクリレート及びt−ブチルアミノ−エチルアクリレートが挙げられる。該モノマーのエステル部分中に活性水素官能基を有する他のアクリル酸モノマーも当該技術分野の範囲内である。
【0057】
改質アクリルもコーティング組成物中の皮膜形成熱硬化性ポリマーとして使用できる。かかるアクリルは、当該技術分野で公知である、ポリエステル改質アクリル又はポリウレタン改質アクリルであってよい。ε−カプロラクトンで改質されたポリエステル改質アクリルは、Etzellらの米国特許第4,546,046号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。ポリウレタン改質アクリルも当該技術分野で公知である。それらは例えば、米国特許第4,584,354号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
ヒドロキシル基などの活性水素基を有するポリエステルも、コーティング組成物中のポリマーとして使用できる。かかるポリエステルは当該技術分野において公知であり、有機ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、マレイン酸)又はそれらの無水物と、第一級又は第二級ヒドロキシル基を含有する有機ポリオール(例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール)とのポリエステル化によって製造してよい。
【0059】
活性水素官能基を有するポリウレタンも当該技術分野で公知である。それらはポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、MDI等)及びポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン)の鎖延長反応によって製造される。それらは、過剰なジオール、ポリアミン、アミノアルコール等を用いてポリウレタン鎖をキャップすることによって活性水素官能基を提供することができる。
【0060】
カルバメート官能性ポリマー及びオリゴマーは更に、熱硬化性ポリマー、特に少なくとも1つの第一級カルバメート基を有するポリマーとして使用できる。
【0061】
コーティング組成物中で使用される熱硬化性ポリマーのカルバメート官能性の例は、種々の方法で製造することができる。かかるポリマーを製造する一方法は、モノマーのエステル部分中にカルバメート官能性を有するアクリルモノマーを製造することである。かかるモノマーは当該技術分野で公知であり且つ例えば、米国特許第3,479,328号、第3,674,838号、第4,126,747号、第4,279,833号及び第4,340,497号、第5,356,669号、並びにWO94/10211号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。一合成方法は、カルバミルオキシカルボキシレート(即ち、カルバメート−改質アクリル)を形成するためのヒドロキシエステルと尿との反応を含む。別の合成方法は、カルバミルオキシカルボキシレートを形成するためにα,β−不飽和酸エステルとヒドロキシカルバメートエステルとを反応させる。更に別の技術は、第一級又は第二級アミン又はジアミンと、エチレンカーボネートなどの環状カーボネートとの反応によるヒドロキシアルキルカルバメートの形成を含む。次にヒドロキシアルキルカルバメート上のヒドロキシル基が、アクリル酸又はメタクリル酸との反応によってエステル化されてモノマーを形成する。カルバメート改質アクリルモノマーの他の製造方法も同様に、当技術分野に記載され且つ利用できる。次に該アクリルモノマーは、所望であれば、当技術分野で公知の技術によって、他のエチレン性不飽和モノマーと共に重合することができる。
【0062】
バインダーの熱硬化性ポリマーを製造するための別のルートは、米国特許第4,758,632号に記載されているように、既に形成されたポリマー、例えば、アクリルポリマー又はポリウレタンポリマーと別の成分とを反応させてポリマー主鎖に結合されたカルバメート官能基を形成することである。かかるポリマーの一製造技術は、カルバメート官能性ポリマーを形成するために、ヒドロキシ官能性アクリルポリマーの存在下での尿素の熱分解(アンモニア及びHNCOを生成するため)を含む。別の技術は、カルバメート官能性ポリマーを形成するためにヒドロキシアルキルカルバメートのヒドロキシル基とイソシアネート官能性ポリマーのイソシアネート基との反応を含む。イソシアネート官能性アクリルは、当技術分野で公知であり且つ例えば、米国特許第4,301,257号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。イソシアネートビニルモノマーは当技術分野で公知であり且つ不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネート(TMI(登録商標)としてAmerican Cyanamidより市販される)を含む。イソシアネート官能性ポリウレタンは、当量過剰のジイソシアネートの使用により又はポリイソシアネートを用いるヒドロキシル官能性プレポリマーのエンドキャップにより形成してよい。更に別の技術は、カルバメート官能性アクリルを形成するために、環状カーボネート官能性アクリル上の環状カーボネート基とアンモニアとを反応させることである。環状カーボネート官能性アクリルポリマーは、当技術分野で公知であり且つ例えば、米国特許第2,979,514号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。別の技術は、アルキルカルバメートを用いてヒドロキシ官能性ポリマーをトランスカルバミル化することである。より困難であるが、実施可能なポリマーの製造方法は、ヒドロキシアルキルカルバメートを用いてトランスエステル化することである。
【0063】
ポリマーのカルバメート含量は、カルバメート官能基の当量で、一般的に200〜1500の間、有利には300〜500の間である。
【0064】
コーティング組成物のバインダーは更に架橋剤を含む。架橋剤は、コーティング組成物の全バインダーを基準として、1〜90%、有利には3〜75%、更に有利には25〜50%の量で使用してよい。
【0065】
架橋剤の官能基は、ポリマーの官能基と反応性であり、有利には、非晶質化合物とも反応性である。有利には、架橋剤とポリマーとの間の反応は非可逆的な結合を形成する。熱的不可逆結合を生じる官能基「対」の例は、ヒドロキシ/イソシアネート(ブロック化又は非ブロック化)、ヒドロキシ/エポキシ、カルバメート/アミノプラスト、カルバメート/アルデヒド、酸/エポキシ、アミン/環状カーボネート、アミン/イソシアネート(ブロック化又は非ブロック化)、尿素/アミノプラスト等である。
【0066】
例示的なポリマー官能基として、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノプラスト官能基、尿素、カルバメート、イソシアネート(ブロック化又は非ブロック化)、エポキシ、環状カーボネート、アミン、アルデヒド及びそれらの混合物が挙げられる。有利なポリマー官能基は、ヒドロキシル、第一級カルバメート、イソシアネート、アミノプラスト官能基、エポキシ、カルボキシル及びそれらの混合物である。最も有利なポリマー官能基はヒドロキシル、第一級カルバメート、及びそれらの混合物である。それらの選択は、熱的に可逆的結合が望ましいか又は不可逆結合が望ましいかに関係しない。得られた架橋剤が熱的に可逆的であるか又は不可逆的であるかの決定は、ポリマー又は架橋剤のいずれかにおける対応する反応可能な官能基の選択であると当業者に理解される。
【0067】
ある実施態様におけるコーティング組成物は架橋剤としてアミノプラストを含む。本発明の目的のアミノプラストは、低分子量のアルデヒドと活性化窒素の反応によって得られる材料であり、場合により、更にアルコール(有利には、1〜4個の炭素原子を有するモノアルコール)と反応させてエーテル基を形成する。活性化窒素の有利な例は、活性化アミン類、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキシルカルボグアナミン、及びアセトグアナミン;尿素類、例えば、尿素そのもの、チオ尿素、エチレン尿素、ジヒドロキシエチレン尿素、及びグアニル尿素;グリコールウリル類;アミド類、例えば、ジシアンジアミド;及び少なくとも1つの第一級カルバメート基又は少なくとも2つの第二級カルバメート基を有するカルバメート官能性化合物である。
【0068】
活性化窒素は低分子量のアルデヒドと反応性である。アルデヒドは、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド、特にホルムアルデヒドが有利であるが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はアミノプラスト樹脂の製造時に使用される他のアルデヒド類から選択してよい。活性化窒素基は、少なくとも部分的にアルデヒドでアルキロール化され、完全にアルキロール化されてよく;有利には活性化窒素基は完全にアルキロール化される。この反応は、例えば、米国特許第3,082,180号に教示されたような、酸によって触媒されてよく、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
活性窒素とアルデヒドとの反応によって形成されたアルキロール基は、1種又は複数種の単官能性アルコールで部分的に又は完全にエーテル化されてよい。単官能性アルコールの好適な例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されない。1〜4個の炭素原子を有する単官能性アルコール及びそれらの混合物が有利である。エーテル化は、例えば、米国特許第4,105,708号及び第4,293,692号に開示された方法によって実施してよく、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
少なくとも部分的にエーテル化されるアミノプラストが有利であり、特に完全にエーテル化されるアミノプラストが有利である。有利な化合物は複数のメチロール及び/又はエーテル化メチロール基を有し、これは任意の組み合わせで及び非置換の窒素水素と共に存在し得る。完全なエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミンが特に有利であるが、これに限定されない。アミノプラスト架橋剤は、カルバメート、末端尿素、及びヒドロキシル含有ポリマー及び非晶質化合物と反応する。
【0071】
ある実施態様における硬化性コーティング組成物としてポリイソシアネート又はブロック化ポリイソシアネート架橋剤が挙げられる。有用なポリイソシアネート架橋剤として、イソシアヌレート、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン(uretdione)化合物、及びイソシアネート官能性プレポリマー、例えば、1モルのトリオールと3モルのジイソシアネートとの反応生成物が挙げられるがこれらに限定されない。ポリイソシアネートは、低級アルコール、オキシム、又は他のかかる材料でブロック化してよく、それらは硬化温度で揮発してイソシアネート基を再生する。
【0072】
イソシアネート又はブロック化イソシアネートは、架橋可能な材料から得られたものと反応性の官能基の量に対して、0.1〜1.1当量比、更に有利には0.5〜1.0当量比で使用してよい。
【0073】
例えば、ポリマー又は非晶質成分のいずれかの官能性基がヒドロキシルである場合、架橋剤の官能性基は、イソシアネート(ブロック化又は非ブロック化)、エポキシ、及びそれらの混合物からなる群から選択してよく、ブロック化又は非ブロック化であっても、最も有利にはイソシアネート基である。
【0074】
エポキシ官能性架橋剤の例示的な例は、全て公知のエポキシ官能性ポリマー及びオリゴマーである。有利なエポキシド官能性架橋剤は、グリシジルメタクリレートポリマー及びイソシアヌレート含有エポキシド官能性材料、例えば、トリスグリシジルイソシアヌレート及びグリシドールとイソシアネート官能性イソシアヌレートとの反応生成物、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のトリマーである。ポリエポキシド官能性架橋剤は、カルボキシル官能性ポリマーでの使用に好適である。
【0075】
顔料及び充填剤は、典型的には、コーティング組成物の全質量を基準として、約40質量%までの量で使用してよい。使用される顔料は、無機顔料であってよく、これは金属酸化物、クロマート、モリブデート、ホスファート、及びシリケートを含む。使用されてよい無機顔料及び充填剤の例は、二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、オーカー、シェンナ、アンバー、ヘマタイト、褐鉄鉱、赤色酸化鉄、透明赤色酸化鉄(transparent red iron oxide)、黒色酸化鉄、褐色酸化鉄、酸化クロムグリーン、クロム酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、シリカ、例えば煙霧シリカ、炭酸カルシウム、タルク、バライト、フェロシアン化第二鉄アンモニウム(プルシアンブルー)、ウルトラマリン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、及びマイカフレーク顔料である。有機顔料も使用されてよい。有用な有機顔料の例は、金属化及び非金属化アゾレッド、キナクリドンレッド及びバイオレット、ペリレンレッド、銅フタロシアニンブルー及びグリーン、カルバゾールバイオレット、モノアリーリド及びジアリーリドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ(tolyl orange)、ナフトールオレンジ、及びこの類似物である。
【0076】
コーティング組成物は、硬化反応を促進させるために触媒を含んでよい。かかる触媒は、当技術分野で公知であり、且つ亜鉛塩、塩化第一錫、ブロック化パラ−トルエンスルホン酸、ブロック化ジノニルナフタレンスルホン酸、又はフェニル酸ホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の実施において使用されるコーティング組成物は、硬化反応を促進するために触媒を含んでよい。例えば、アミノプラスト化合物、特にモノマーメラミン類を硬化剤として使用する場合、硬化反応を促進するために強酸触媒を使用してよい。かかる触媒は当技術分野で公知であり、且つp−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、モノブチルマレエート、ブチルホスフェート、及びヒドロキシホスフェートエステルが挙げられるが、これらに限定されない。強酸触媒は、しばしば、例えばアミンでブロック化される。本発明の組成物において有用な他の触媒として、ルイス酸、亜鉛塩、及び塩化第一錫が挙げられる。
【0077】
溶媒はコーティング組成物中に含まれてよい。一般に、溶媒は、任意の有機溶媒及び/又は水であってよい。1つの有利な実施態様において、溶媒は、極性の有機溶媒を含む。更に有利には、溶媒は、極性の脂肪族溶媒又は極性の芳香族溶媒から選択された1種又は複数種の有機溶媒を含む。更に一層有利には、溶媒は、ケトン、エステル、アセテート、又はそれらの任意の組み合わせを含む。有用な溶媒の例として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、m−アミルアセタート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、N−メチルピロリドン、芳香族炭化水素のブレンド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。別の有利な実施態様において、溶媒は、水又は水と少量の補助溶媒との混合物である。一般的に、イソシアネート基との幾らかの反応がコーティングの硬化中に行われることが予想されても、少量のプロトン性溶媒は使用できるが、コーティング組成物が任意のポリイソシアネート架橋剤を含む場合に、プロトン性溶媒、例えば、アルコール及びグリコールエーテルは避けられる。
【0078】
付加的な剤は、例えば立体障害アミン光安定剤、紫外光吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、レオロジー制御剤、分散剤、付着促進剤等が、コーティング組成物中に組み込まれてよい。かかる添加剤は公知であり、且つ典型的にはコーティング組成物のために使用される量で含まれてよい。
【0079】
コーティング組成物は吹付けコーティングによって基材上に被覆することができる。静電吹付けは有利な方法である。コーティング組成物は、典型的には約20〜約100ミクロンの硬化後の皮膜厚さを与えるために、1つ又は複数の段階で適用できる。
【0080】
コーティング組成物は、多くの種々の基材上に塗布してよく、該基材として金属基材、例えば、裸鋼、ホスファート処理鋼、亜鉛メッキ鋼、又はアルミニウム;及び非金属基材、例えば、プラスチック及び複合材料が挙げられる。基材はまた、その上に既に別のコーティングの層、例えば、硬化又は未硬化の、電着したプライマー、プライマーサーフェイサー及び/又はベースコートの層を有するこれらの任意の材料であってよい。
【0081】
コーティング組成物の基材への塗布後、このコーティングは、有利には、反応物が非溶解性のポリマーネットワークを形成するのに十分な長さの時間にわたって該コーティング層を熱に曝すことによって硬化される。この硬化温度は通常は、約105℃〜約175℃であり、この硬化期間は通常は、約15分間〜約60分間である。有利には、コーティングを約120℃〜約150℃、約20分間〜約30分間硬化させる。
【0082】
一実施態様において、コーティング組成物は、自動車の複合カラープラスクリアーコーティングのクリアコートとして使用される。クリアコートがその上に塗布される着色されたベースコート組成物は、任意の数多くの、当技術分野でよく知られた種類であってよく、本明細書中で詳細な説明は不要である。ベースコート組成物中で有用である、当技術分野で公知のポリマーは、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド及びポリシロキサンを含む。有利なポリマーは、アクリル樹脂及びポリウレタンを含む。ベースコートポリマーは熱可塑性であってよいが、有利には架橋性であり且つ1つ以上の種類の架橋性官能基を含む。かかる基として、例えば、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基及びアセトアセテート基が挙げられる。これらの基は、該基が望ましい硬化条件下で、一般に高められた温度で架橋反応のためにブロック化されず且つ利用可能であるように、マスク化又はブロック化されてよい。有利な架橋可能な官能基として、ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基が挙げられる。
【0083】
ベースコートポリマーは自己架橋性であってよいか、又はポリマーの官能基と反応性である別個の架橋剤を必要としてよい。ポリマーがヒドロキシ官能基を含む場合、例えば、架橋剤は、アミノプラスト樹脂、イソシアネート及びブロック化されたイソシアネート(イソシアヌレートを含む)、並びに酸又は無水物官能性架橋剤であってよい。
【0084】
クリアコートコーティング組成物は、一般的に、工業界で広範囲に行なわれているようにベースコートコーティング組成物上にウェット・オン・ウェット塗布される。コーティング組成物は、有利には、上述のコーティング層を硬化させるための条件に曝される。
【0085】
コーティング組成物は1層のトップコート又はベースコートコーティングとして利用してもよい。1層のトップコート又はベースコートコーティング組成物は、1種又は複数種の上述の顔料を含み、且つカラー及び/又はメタリック効果を提供する。本発明のベースコートコーティングは、当技術分野で記載されたもの、例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、エポキシド及び/又はカルバメート基を有する皮膜形成材料を含有するもの及びアミノプラスト、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、及びポリカルボン酸を含む架橋剤などのクリアコートコーティング組成物と共に使用してよい。
【0086】
本発明を以下の実施例により更に説明する。実施例は単に例証するものであって、記載し請求した本発明の範囲を限定するものではない。全ての部は特に記載がない限りは質量部である。
【0087】
実施例
調製1
8.9部のメチルカルバメートと17.2部の芳香族のS-100との混合物を不活性雰囲気下で140℃に加熱した。次いで12.5部のヒドロキシエチルメタクリレート、7.2部のヒドロキシプロピルメタクリレート、14.8部のシクロヘキシルメタクリレート、1部のエチルヘキシルアクリレート、0.1部のメタクリル酸及び5部のPerkadox AMBM-GR(Akzo Nobelから得られた)を4時間添加した。次に、1.1部のトルエンと0.3部のPerkadox AMBM-GRとの混合物を15分間添加した。次いで1.1部のトルエンを添加した。この反応混合物を140℃に2時間15分間維持した。この反応混合物を次いで冷却し、0.2部のジブチル錫オキシド、0.36部のトリイソデシルホスフェート及び16.5部のトルエンを添加した。この反応混合物を次いで不活性雰囲気下で加熱還流した。還流したら、不活性雰囲気の電源を切り且つメタノール/トルエン共沸混合物を反応混合物から除去した。少なくとも95%のヒドロキシ基を第1級カルバメート基に変換した後、過剰のメチルカルバメート及びトルエンを真空蒸留によって除去した。次いでこの反応生成物を冷却し且つ13.8部のプロパンジオールモノメチルエーテルを添加した。
【0088】
調製2
16.1部のドデカン二酸と16.3部のキシレンとの混合物を不活性雰囲気下で130℃に加熱した。次に34部のCardura E10P(Hexionから得られる)をゆっくりと添加した。この反応混合物を次いで140℃以下に加熱した。反応が完了したら、この反応混合物を少なくとも100℃に冷却し、13.6部のメチルカルバメート、0.28部のジブチル錫オキシド、0.57部のトリイソデシルホスフェート及び9.5部のトルエンを添加した。この反応混合物を次いで加熱還流した。還流したら、不活性雰囲気の電源を切り且つメタノール/トルエン共沸混合物を反応混合物から除去した。少なくとも95%のヒドロキシ基を第1級カルバメート基に変換した後、過剰のメチルカルバメート及びトルエンを真空蒸留によって除去した。生成物は測定された933のM、1301のM、及び1.4の多分散性を有した。
【0089】
調製3
19.5部のアミルアセテートと37部のDesmodur Z4470SN(Bayerから得られた)との混合物を不活性雰囲気下で60℃に加熱した。次いで0.013部のジブチル錫ジラウレート及び1部のアミルアセテートを添加した。次に、12.1部のヒドロキシプロピルカルバメートをゆっくりと添加した。添加の間、反応温度を80℃に上昇させた。次いで1.7部のアミルアセテートを添加し、全てのヒドロキシプロピルカルバメートが反応するまで反応混合物を80℃に維持した。次いで0.5部のブタノール、19.1部のアミルアセテート及び4.2部のイソブタノールを添加した。
【0090】
コーティング組成物を、調製1〜3の材料を用いて製造し、且つ市販のクリアコートコーティング組成物、R10CG062,Batch#0101636094と比較した。
【0091】
実施例1
コーティング組成物を、309.3質量部の調製2の樹脂、203.4質量部の調製3の樹脂、184.7質量部のRESIMENE 747(Solutia社より市販)、136.5質量部のカルバメート官能性を有するアクリル樹脂中に分散されたフュームドシリカ、6.6質量部のヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤、14.2質量部のアクリル化ヒンダードアミン光安定剤、1.7質量部のポリアクリレートアンチポップ(antipop)ポリマー、79.4質量部のブロック化酸触媒溶液、1.3質量部のポリシロキサン溶液、48.5質量部のヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール溶液、及び14.5質量部のn−ブタノールを混合することによって製造した。
【0092】
実施例2
コーティング組成物を、223.3質量部の調製1の樹脂、200.9質量部の調製2の樹脂、227.4質量部の完全にメチル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂、141.6質量部のカルバメート官能性を有するアクリル樹脂中に分散されたフュームドシリカ、6.9質量部のヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤、14.7質量部のアクリル化ヒンダードアミン光安定剤、1.7質量部のポリアクリレートアンチポップ(antipop)ポリマー、82.4質量部のブロック化酸触媒溶液、1.3質量部のポリシロキサン溶液、50.3質量部のヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール溶液、及び39.3質量部のn−ブタノールを混合することによって製造した。
【0093】
実施例1及び2の例のコーティング組成物の物理的特性を対照と比較した。測定を以下の表に示す。
【表1】

【0094】
コーティング組成物の試験
実施例1及び2のクリアコートコーティング組成物及び対照例R10CG062を、市販の水性ベースコート組成物(E54KW401、BASF社より得られる、0.6〜0.8ミルの硬化膜厚さを適用)上に気体噴霧によってウェット・オン・ウェットで塗布して約1.6〜1.9ミルのクリアコート膜厚さを得た。塗布されたコーティング層を約280°F(137℃)で約20分間硬化した。
【0095】
以下に示したデータを得るために使用されたSTM試験法は:Q−Sun Test−D7356、20°光沢度−D523、Tukon硬度−D1474、ガロン当たりの質量−D3363−74、及び不揮発分質量−D1475、QCT−D4585である。以下に示したデータを得るために使用されたSAE試験法は:8時間のUVを用いるQUV−J2020、4時間の湿度、及びWOM−J1960である。他の試験手順は以下の通りである:摩擦試験機−Atlas社製A.A.T.C.C。フェルトで覆われた5/8"ドエル及び9μmの3M28IQ WETODRY研摩紙が装備された摩擦試験機を、10往復行程でコーティング表面を摩耗させるために使用した。次に試験後の光沢保持率%を試験された表面積について計算した。キシレン二重摩耗試験−A32オンス丸頭ハンマーヘッドを、4層の厚い4"×4"チーズクロスで覆い、キシレンに浸し、それぞれ二重摩耗の同じ面積を横切らせ且つ摺動させた。
【0096】
実施例1及び2及び対照の例のコーティング組成物を試験した結果を以下の表に示す。
【表2】

【0097】
試験により上の表が得られ、これは本発明のコーティングには耐久性があり、従来のクリアコート、R10CG062と同等かそれより上の性能を有することを示す。本発明のコーティングは、環境への影響が低減された利点のある良好な特性を有する。
【0098】
本発明は、この有利な実施態様を参照して詳細に説明されてきた。しかしながら、変更及び修飾は、本発明の意図及び範囲内及び以下の特許請求の範囲内において為され得ることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダーを含むコーティング組成物であって、該バインダーは架橋剤、該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマー、並びに(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)該架橋剤と反応性の少なくとも2つの基を有する、(iii)2〜6個のエステル基を有する、且つ(iv)10〜48個の炭素原子を含む、バインダーの少なくとも5質量パーセントの化合物を含む、コーティング組成物。
【請求項2】
非晶質化合物が2つのベータ−ヒドロキシエステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項3】
非晶質化合物が2つのベータ−カルバメートエステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項4】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではないヒドロキシル基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項5】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項6】
非晶質化合物が複数のベータヒドロキシエステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項7】
非晶質化合物が複数のベータカルバメートエステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項8】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−ヒドロキシエステル基である第2エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項9】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではないカルバメート基、第1エステル基、及びベータ−カルバメートエステル基である第2エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項10】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−ヒドロキシエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項11】
非晶質化合物が、エステル基に対してベータではない2つのカルバメート基、第1及び第2のエステル基、並びにベータ−カルバメートエステル基である第3及び第4の付加的エステル基を有する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項12】
コーティング組成物の製造方法であって、カルボン酸化合物とエポキシド化合物とを一緒に反応させて、(i)室温で結晶性固体ではない、(ii)架橋剤と反応性の少なくとも2つの基を有する、(iii)2〜6個のエステル基を有する、且つ(iv)10〜48個の炭素原子を含む、化合物を製造すること、並びに該化合物と、架橋剤及び該架橋剤と反応性の熱硬化性ポリマーとを組み合わせることを含む、コーティング組成物の製造方法。
【請求項13】
カルボン酸化合物が多官能性である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
エポキシド化合物が多官能性である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
カルボン酸化合物とエポキシド化合物との反応から得られたヒドロキシル基がカルバメート基に変換される、請求項12記載の方法。
【請求項16】
カルボン酸化合物がネオアルカン酸である、請求項12記載の方法。
【請求項17】
カルボン酸化合物がネオデカン酸である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
エポキシド化合物がネオアルカン酸のエポキシドエステルである、請求項12記載の方法。
【請求項19】
エポキシド化合物がネオデカン酸のエポキシドエステルである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
カルボン酸化合物がヒドロキシアルキルカルバメートと環状無水物との反応生成物である、請求項12記載の方法。
【請求項21】
カルボン酸化合物がヒドロキシアルキルカルバメートと二環無水物との反応生成物である、請求項12記載の方法。
【請求項22】
カルボン酸化合物がポリオールと環状無水物との反応生成物である、請求項12記載の方法。

【公表番号】特表2010−536989(P2010−536989A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521842(P2010−521842)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/008678
【国際公開番号】WO2009/025704
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(505470786)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (81)
【Fターム(参考)】