説明

モバイルアプリケーションにおけるマス決定モード

【課題】モバイルアプリケーションにおけるマス決定モードを提供するシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】オブジェクト管理モジュールは、クライアントデバイス上に存在しているクライアントアプリケーションのマス決定モードグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介してユーザに提示される複数のオブジェクトを受信する。マス決定モジュールはマス決定モードGUIを生成し、マス決定モードGUIには、複数のオブジェクトの個々のオブジェクトの説明およびマス決定オプションが含まれている。マス決定オプションは、1つまたは複数のオブジェクトが選択されると、その1つまたは複数のオブジェクトのうちの第1の部分に例外決定を適用し、また、その1つまたは複数のオブジェクトのうちの残りの部分にデフォルト決定を適用するオプションである。例外決定モジュールは、1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つのオブジェクトの選択を受信すると、そのオブジェクトに例外決定を割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文書は一般にデータ通信に関し、より詳細には、例えばモバイルアプリケーションにおけるマス決定モードの提供に関するが、それには限定されない。
【0002】
著作権表示
本特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象となる題材が含まれている。著作権所有者は、本特許文書または特許開示が特許商標庁の特許ファイルまたは記録の中に表示されている場合、いかなる者がそれらをファクシミリによって複製しても、異議を申し立てないものとするが、その他の場合は、いかなるものであれ著作権権利をすべて留保する。次の表示は、以下で説明するソフトウェアおよびデータに適用され、また、本文書の一部を形成している図面に適用される。Copyright SAP AG 2011, all rights reserved.
【0003】
関連特許文書の相互参照
本特許出願は、米国特許法119(e)条の下に、参照によりその全体が組み込まれている、2011年10月14日に出願した、「Batch Mode in a Mobile Application,」という名称の米国仮特許出願第61/547225号(整理番号2058.654PRV)の優先権の利益を主張するものである。
モバイルアプリケーション
【背景技術】
【0004】
モバイルアプリケーションでは、2つのコンテキストのうちの1つにおいて、オブジェクトのリストをユーザに提示することができる。第1のコンテキストが「編集」モードであり、この「編集」モードにより、オブジェクトを選択する際に、そのオブジェクトに関する追加詳細がユーザに提示される。第2のモードがバッチモードであり、このバッチモードにより、オブジェクトのリストに挙げられているオブジェクトを選択する際に、ユーザがそのオブジェクトについての決定を下す。
【0005】
企業環境において、支払うべき1つまたは複数の勘定を買掛金勘定部門が識別する。例えば買掛金勘定部門は、売手から送状を受け取ること、支払いを実施するため認可された人から指図を受け取ること、また、人的資源、等々からの報告に基づいて給料支払簿支払いを処理することができる。
【0006】
事業体(business entity)において、買掛金勘定部門は、1つまたは複数の組織と共に、様々な勘定を支払うかどうかを決定する。この決定には、支払うべき額の決定、支払いを実施する時期の決定、および支払いの認可が必要かどうかの決定を含むことができる。一人または複数人の特定の権限保持者による支払いの認可は、場合によっては、例えば受取人の識別、支払い額またはいくつかの他の理由に応じて必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付の図面には、非制限のいくつかの実施形態が一例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】1つまたは複数の実施形態を実践することができるコンピューティング環境を示す線図である。
【図2】一実施形態例による、マス決定モードを提供するためのシステム例のブロック図である。
【図3】一実施形態例による、マス決定モードを動作させる方法を示す流れ図である。
【図4】マス決定モードにおいて、最初に提供されるユーザインタフェース例を示す図である。
【図5】例外決定モードにおいて、オブジェクトに関する追加詳細を提示するためのユーザインタフェース例を示す図である。
【図6】マス決定および例外決定を示すユーザインタフェース例を示す図である。
【図7】一実施形態による、ユーザに提示することができる実際のユーザインタフェースを示す図である。
【図8】一実施形態による、ユーザに提示することができる実際のユーザインタフェースを示す図である。
【図9】一実施形態による、ユーザに提示することができる実際のユーザインタフェースを示す図である。
【図10】コンピュータシステムの形態例における機器であって、本明細書において説明されている方法のうちの任意の1つまたは複数を機器に実行させるための一組の命令を実行することができる機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明には、いくつかの実施形態の例を完全に理解するための説明のために多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細がなくても本発明を実践することができることは当業者には明らかであろう。特に、ユーザインタフェースの様々な構成要素の配置は単なる例にすぎず、これらの配置には、本開示の範囲を制限することは意図されていないことに留意されたい。さらに、本開示においては、事業体内部の支払い認可のコンテキストにおける様々なインタフェースを説明しているが、当業者には、再調査メッセージ、オンラインショッピングおよび電子商取引、ロケーションベースのマーケティング、等々の他のコンテキストの代替実施形態または追加実施形態が明らかであることに留意されたい。
【0010】
一実施形態例では、マス決定モードを有するモバイルアプリケーションが提供される。マス決定モードは、ユーザによる、第1のアクションによって影響されるリスト中の複数のオブジェクトのうちの第1の部分の選択、および第2のアクションによって影響されるリスト中の複数のオブジェクトのうちの残りの部分の選択を可能にしている。第1のアクションおよび第2のアクションは、ユーザからの単一の入力に応答して取られる。本明細書において使用されている「オブジェクト」という用語には、リスト中の電子上のエントリおよびそのオブジェクトの説明または名称が含まれている。マス決定モードは、ユーザからの要求に応じて個々のオブジェクトに関する追加詳細を提示することができる。アクションは、ユーザから受信、認可すなわち受諾、拒絶、削除、他の位置またはユーザへのオブジェクトの移動、あるいは何らかの他のアクションを示す入力であってもよい。一実施形態例では、リスト中の個々のオブジェクトは、ユーザから受信する入力によって影響される。
【0011】
図1は、一実施形態例をその中に配置することができるクライアント−サーバシステム100を示すネットワーク線図である。ネットワーク化されたシステムは、サーバ側の機能をネットワーク106(例えばインターネットまたは広域ネットワーク(WAN))を介して1つまたは複数のクライアントデバイス102に提供する。図1には、例えばクライアントデバイス102上で実行されるクライアントアプリケーション104が示されている。さらに、図1に示されているシステム100にはクライアント−サーバアーキテクチャが使用されているが、本発明は、当然、このようなアーキテクチャに限定されず、例えば分散アーキテクチャシステムまたはピアツーピアアーキテクチャシステムにもアプリケーションが等しくよく見受けられる。クライアントアプリケーション104は、例えばAPIサーバ(図示せず)によって提供されるプログラマティックインタフェースを介してオブジェクトサーバ108によって提供される様々なサービスおよび機能にアクセスする。
【0012】
オブジェクトサーバ108は、クライアントデバイスを使用して様々なタスクを実行するためのマス決定モードの準備を始めとする1つまたは複数のサービスをクライアントアプリケーションに提供する。オブジェクトサーバ108は、オブジェクトデータベース110へのアクセスを有することができる。オブジェクトデータベース110は、オブジェクトおよびこれらのオブジェクトに関してなされた決定を記述した記録を蓄積することができる。
【0013】
図2は、一実施形態例による、マス決定モードを提供するためのシステム例200のブロック図である。システム200は、クライアントアプリケーション104を実行するための一部として、オブジェクトサーバ108またはクライアントデバイス102にその全体または一部を存在させることができる。システム200は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せとして実施することができる。
【0014】
オブジェクト管理モジュール202は、マス決定モードに提示されるオブジェクトを管理する。これらのオブジェクトは、認可待ち支払い、ユーザ宛メッセージ、電子商取引ウェブサイトと結合しているショッピングカートに追加されたアイテム、ソーシャルネットワークを介してそのユーザと結合している他のユーザまたは対応リスト、カレンダに記載されている事象または取決め、等々であってもよい。これらのオブジェクトは、オブジェクトデータベース110からアクセスすることができる。
【0015】
オブジェクト管理モジュール202は、さらに、ユーザから要求を受信すると、オブジェクトに関する追加情報をユーザに提供することができる。情報が提供されるオブジェクトは、ユーザから受信したオブジェクトの選択に基づいている。オブジェクトは、マス決定モードまたは例外決定(deviant decision)モードに提示された後の決定に紐付けられる。
【0016】
マス決定モジュール204は、マス決定モードインタフェースにオブジェクトを提示する。マス決定モジュール204は、さらに、提示されたオブジェクトの少なくとも一部に対してなされたデフォルト決定を登録する。マス決定モジュール204は、例えばオブジェクトデータベース110から提示されるオブジェクトにアクセスする。マス決定モジュール204は、オブジェクトを表示し、また、デフォルト決定を選択するためのユーザのためのオプションを表示するユーザインタフェースを生成する。デフォルト決定は、選択されると、ユーザに表示されているあらゆるオブジェクトに影響する。デフォルト決定の例には、それらに限定されないが、すべてを認可する、すべてを受諾する、すべてを確認する、読んだらすべてに印を付ける、すべてにメッセージを送信する、すべてをカーボンコピー(cc:)し、あるいはすべてをブラインドコピー(bcc:)する、すべてを購入する、等々がある。
【0017】
いくつかの例では、ユーザは、例外決定によって影響を及ぼすべき1つまたは複数のオブジェクトを予め選択することができる。これらの例では、デフォルト決定は、起動されると、ユーザに表示されている残りのオブジェクトに影響を及ぼす。マス決定モジュール204は、デフォルト決定の選択を受信すると、オブジェクト管理モジュール202と共に動作して、デフォルト決定によって影響されるその個々のオブジェクトをオブジェクトデータベース110に記録する。
【0018】
例外決定モジュール206は、選択されたオブジェクトを例外決定モードインタフェースに提示するように構成されている。例外決定モードインタフェースは、デフォルト決定によってではなく、例外決定によって影響されるオブジェクトのユーザによる選定を可能にしている。例外決定モードインタフェースは、マス決定モードインタフェースに表示されたオブジェクトが選択されるとアクセスされ、そのオブジェクトに関する追加情報のユーザに対する表示がトリガされる。例外決定モードインタフェースには、例外決定によって影響されるオブジェクトをユーザが選定するためのオプションが含まれている。例外決定の例には、それらに限定されないが、除去する、拒絶する、取り消す、未読としての印を付ける、受領者を除去する、購入しない、等々がある。
【0019】
デフォルト決定は肯定アクションとして記述され、また、例外決定は否定アクションとして記述されているが、デフォルト決定が否定アクションであり、また、例外決定が肯定アクションであってもよいことは理解されよう。さらに、いくつかの例では、ユーザは、1つまたは複数の例外決定を利用することができる。例えば、後で再調査するために、他の例外決定を動作させることによって決定を保留し、あるいはオブジェクトを保管することも可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、例外決定モジュール206は、さらに、マス決定モードインタフェースに表示されるオプションであって、例外決定によって影響されるオブジェクトをユーザが選定するオプションを提供することができる。このオプションは、デフォルト決定の代わりに例外決定によって影響されるオブジェクトとしてマス決定モードインタフェースに出現するオブジェクトを選定するように動作する。
【0021】
図3は、一実施形態例による、マス決定モードを動作させる方法300を示す流れ図である。方法300は、システム200、オブジェクトサーバ108またはクライアントデバイス102に存在しているクライアントアプリケーション104によって実施することができる。
【0022】
操作302で、例えばオブジェクトサーバ108を介してオブジェクトデータベース110からオブジェクト情報を受信する。オブジェクト情報には、マス決定モードインタフェースでユーザに表示される個々のオブジェクトに関する情報が含まれている。
【0023】
操作304でマス決定モードインタフェースがクライアントデバイス102のユーザに表示される。マス決定モードインタフェースには、決定がなされる複数のオブジェクトの表示が含まれており、また、個々のオブジェクト(例外決定と結合したオブジェクトを除く)に適用されるデフォルト決定を選択するためのオプションが表示される。マス決定モードインタフェースは、複数のオブジェクトをリストとして、あるいは他の配置で表示することができる。
【0024】
操作306でオブジェクトの選択をユーザから受信したかどうか決定される。選択を受信していない場合、方法300は、マス決定モードインタフェースの表示を継続することによって操作304に戻る。
【0025】
オブジェクトの選択を受信すると、それに応答して操作308で例外決定インタフェースがユーザに表示される。例外決定インタフェースは、オブジェクトデータベース110から検索したオブジェクトに関する追加情報を含むことができる。例外決定インタフェースには、追加情報が例外決定インタフェースに表示されるオブジェクトに例外決定を適用するためのオプションが含まれている。
【0026】
操作310で例外決定選択がなされたかどうか決定される。例外決定選択は、例外決定インタフェースから例外決定を選択することによって実施することができる。キャンセルまたは戻る(back)オプションを選択することによって、あるいは予め設定された時間の長さ以内に選択を実施しないことによって例外決定インタフェースをタイムアウトさせることにより、例外決定を実施しないことも可能である。選択を受信できない場合、方法は操作304に戻る。
【0027】
いくつかの例では、操作310は、マス決定モードインタフェースがマス決定モードインタフェースからのユーザによる例外決定の選択を可能にする操作304の直後に実施することができる。
【0028】
例外決定を受信すると、それに応答して操作312で、例外決定が受信したことを表示するためにマス決定モードインタフェースが更新される。この表示は、マス決定モードインタフェース中のオブジェクトに隣接して配置されるアイコンであってもよい。
【0029】
操作314でマス決定選択を受信したかどうか決定される。この操作314は、いくつかの例では、ユーザがオブジェクトを選択しないか、あるいは例外決定選択を提供しない操作304の直後に実施することができる。マス決定選択は、マス決定モードインタフェースに提示されている個々のすべてのオブジェクトに影響を及ぼす。マス決定選択は、これらのオブジェクトのうちの第1の部分に例外決定を割り当て、また、これらのオブジェクトのうちの残りの部分にデフォルト決定を割り当てる。例外決定が割り当てられるオブジェクトをユーザが全く選択しなかった場合、マス決定選択を受信すると、すべてのオブジェクトにデフォルト決定が割り当てられる。マス決定選択が受信できない場合、方法300は操作304に戻る。
【0030】
操作316で、デフォルト決定および例外決定が例えばオブジェクトサーバ108に送られ、かつ、オブジェクトデータベース110に記録される。
【0031】
図4〜6は、支払いを認可するためにマス決定モードがモバイルアプリケーションに提供される例に使用することができるユーザインタフェースの例を示したものである。特に、例えば事業体では、資金の解放に先立つ支払い認可のために、一人または複数人の特定の権限保持者が必要である。この一人または複数人の特定の権限保持者は、買掛金勘定部門の人員とは別の人員であっても、あるいは買掛金勘定部門を託されている人員であってもよい。権限保持者の識別は事業体自身によって実施されるが、通常は買掛金勘定部門以外の誰かである。提供されるモバイルアプリケーションを使用する事業体の構造に応じて、この特定の権限保持者は、現金管理者、財務幹部役員、所有者、重役構成員、社長または副社長、C-レベルの人員、等々であってもよい。
【0032】
支払い認可の要求は、1つまたは複数の規則に従って事業体によって決定される。通常、事業体によって実施されるほとんどの支払いには、権限保持者による認可は不要である。その代わりに、これらの支払いは、買掛金勘定部門の構成員によって発行される認可に基づいて解放される。規則は、特定の額を超える特定の支払いは認可を受けること、あるいは特定の実体への支払いは、解放に先立って認可を受けることを指示することができる。規則は、受ける認可の回数は最少であることを指示することができる。例えば、極めて高額の支払い(例えば$1,000,000ドルを超える支払い)の場合、支払いの解放に先立って複数の権限保持者による認可が必要である。
【0033】
権限保持者は、通常、支払い認可の手続きに時間を要する組織の上級の人員である。したがってユーザ(すなわち権限保持者)が移動デバイスまたは他の計算デバイスを使用して支払いを認可することができるよう、支払いアプリケーションが提供される。支払いアプリケーションは移動デバイスにインストールされ、ユーザによるアクセスが可能である。
【0034】
移動デバイスによって実行される支払いアプリケーションは、ネットワークを介して、事業体の買掛金勘定部門と結合しているデバイスから認可待ち未決の支払いのリストを受信する。支払いアプリケーションは、このリストを表示して、例えば受取人の識別、買掛金勘定部門によって使用される支払い番号、支払いの額および通貨、ならびに支払いに対応する送状番号を示すことができる。
【0035】
図4は、マス決定モードにおいて最初に提供されるユーザインタフェース400の一例である。ユーザインタフェース400には、認可待ち支払いに対応するオブジェクトのリスト402が含まれている。他の実施形態では、図4のユーザインタフェースは、例えばユーザが受信するメッセージ、ユーザの電子ショッピングカートのアイテム、ユーザの近傍の地理上の位置、ユーザに提供される値引き、またはユーザがアクセスすることができる内容項目(例えばブログエントリ、物品、ポッドキャスト、歌、本またはビデオ)、等々をリストするために他のコンテキストに適合させることができる。買掛金勘定部門は、買掛金勘定のコンテキストにおけるこの時点で、支払いを実施する際の支払い額、支払いを実施するための通貨、支払いを実施するために使用される勘定、受取人の識別、受取人から受信した支払いに対応する送状、等々などの未決の支払いの詳細を決定するために、事業体内部におけるプロセスに従って既に支払いを処理している。
【0036】
支払いアプリケーションは、さらに、支払人の識別、資金が解放される金融機関および勘定、勘定の差引残高、実施すべき支払いの総額、および表示されている支払いのステータス、例えば新規(第1の未決認可)支払い、認可済み支払い、または拒絶された支払いなどの支払人に関する情報を表示することができる。図4のユーザインタフェースは、この情報をオブジェクトのリスト402の上の一番上の部分に示すことができる。
【0037】
図4に示されているユーザインタフェースの下に示されているように、未決認可の支払いをバッチ処理するための1つまたは複数のボタンが提供されている。図4に示されているように、1個のデフォルト決定ボタン404(例えば「すべてを認可する」)を提供することができる。いくつかの例では、追加マス決定ボタン(例えば「すべてを拒絶する」)を提供することができる。この追加マス決定ボタンは、リスト402に提示されているすべてのオブジェクトに影響を及ぼす。
【0038】
図4に示されているように、個々のエントリの右側に矢印が示されている。選択されると、例外決定インタフェースが提供され、オブジェクトに関する追加情報を含んだ例外決定インタフェースをユーザに提示することができる。ユーザには、さらに、「編集」ボタンが提供されており、選択されると、支払いアプリケーションを図6で説明するマス決定モードに直接切り換える。図5は、例外決定モードにおけるオブジェクトに関する追加詳細を提示するための例外決定インタフェース500の一例である。例外決定インタフェース500のこの例にはオブジェクト名称502が含まれており、また、そのオブジェクトに関する追加情報がオブジェクト詳細部分504に表示されている。
【0039】
支払いアプリケーションのオブジェクト詳細部分504に表示される特定の詳細は、コンテキストまたは事業体によって指定することができ、また、ユーザ毎に変えることができる。買掛金勘定のコンテキストでは、これらの詳細は、支払いに対応する送状に関する情報を含むことができる。さらに、選択されると、選択された詳細に関するさらなる詳細を提供する特定の詳細に関連する第2の矢印をユーザに提供することも可能である。他の例外決定モードインタフェースは、例外決定を選択するためのボタンを含むことができる。
【0040】
いくつかの例では、例外決定インタフェース500の一番上の部分は、ユーザによって選択される未決の支払いを表示するために更新することができる。例えば、支払いアプリケーションでは、一番上の部分は、受取人、支払い(支払人または受取人)と結合している金融機関、支払い(支払人または受取人)と結合している勘定、未決の支払いの総額および未決の支払いのステータスを表示することができる。
【0041】
図5に示されている例外決定インタフェースの一番下の部分を参照すると、起動されると、デフォルト決定の代わりに例外決定が選択されるボタン508がユーザに提供されている。この支払いアプリケーション例では、デフォルト決定が支払いを認可するためのものである場合、例外決定は、その支払いを拒絶するためのものである。したがってこのボタンは、ユーザによって起動されると、支払いが拒絶されることを表している。例外決定を起動することなく画面から抜けるために、ステータスの変化が表示されていない図4のインタフェースにユーザを戻す「戻る」ボタン506が提供されている。
【0042】
例外決定がユーザによって選択されると、ユーザは、ステータスの変化がユーザに表示されている図6のマス決定モードインタフェース600に自動的に進行する。
【0043】
図6は、マス決定および例外決定を示すユーザインタフェースの一例である。より詳細には、図6は、例外決定を起動するためのボタンが選択されると出現するマス決定モードインタフェース600を示したものである。図6のユーザインタフェースは、エントリ(例えば未決の支払い)がリストされ、かつ、ユーザに表示されている点で図4のインタフェースと類似している。さらに、個々のエントリには、そのエントリの仮ステータス(例えば認可されたステータスまたは拒絶されたステータス)を示すアイコン602が付随している。アプリケーションによって利用可能になるステータスアイコンは、場合によっては、そのアプリケーションが使用されるコンテキストによって決まる。買掛金勘定コンテキストの場合、仮ステータスは、「許諾」または「拒絶」であってもよい。他のコンテキストでは、仮ステータスは、バイナリステータスまたはそのコンテキストと紐付けられた任意の数の利用可能なステータスのうちの1つであってもよい。いくつかの例では、緑のアイコンによって「許諾」ステータスを表すことができ、また、赤のアイコンによって「拒絶」ステータスを表すことができる。個々のエントリには、さらに、そのエントリと結合している詳細ページを見るためにユーザによって選択される矢印が付随している。
【0044】
図6のユーザインタフェースは、マス決定モードにおけるモバイルアプリケーションを示したものである。従来技術によるアプリケーションでは、編集モードに含まれているのは、単に、リストから1つまたは複数のオブジェクトを選択し、かつ、選択したオブジェクト上のみで操作を実行する能力のみである。例えば、電子メールをチェックするためのモバイルアプリケーションにおける編集モードが含むことができるのは、ユーザの受信箱の電子メールメッセージのリストのみである。ユーザは、編集モードで処理(例えば削除する、読んだものとして印を付ける、等々)すべきメッセージを「チェック」することができる。しかしながら、編集モードではユーザはメッセージを開くことはできず、あるいはメッセージを見直すことはできない。さらに、ユーザが選択されたオブジェクト上で機能を実行する際に、選択されていないオブジェクト上では操作は実行されない。
【0045】
図6に示されているユーザインタフェースの場合、従来技術で利用することができる「編集モード」とは異なり、ユーザは、編集モード(図4に示されている)から直接オブジェクト(図5に示されている)の詳細ページ(例えば例外決定インタフェース)へ進行する能力を有している。ユーザは、特定のエントリの詳細ページへ進行すると、さらに、その詳細ページで特定のエントリのステータスを変更する能力を有している。変更すると、ユーザは、その特定のエントリと結合したアイコンの見掛け上の変化によってその変更が反映されているマス決定モードに再び自動的に導かれる。
【0046】
いくつかの例では、ユーザは、マス決定モードに表示されている1つまたは複数の例外決定またはデフォルト決定を実施すると、他のオブジェクトの他の詳細ページへ進行する。ユーザは、次に、例外決定すなわち上記他のオブジェクトに対応する他の詳細ページの「戻る」ボタン506を選択することによってマス決定モードのオブジェクトリストに戻ることができる。ユーザがマス決定モードのオブジェクトリストに戻ると、ユーザのその前のデフォルト決定または例外決定が、上記他のオブジェクトに関する最新の決定と共に保存され、かつ、ユーザに表示される。この方法によれば、ユーザは、追加詳細ページを見ることができ、その一方で、それ以前に見た詳細ページからなされた決定、または編集モードのオブジェクトリストからそれ以前になされた決定を保存し、あるいは維持することができる。
【0047】
いくつかの例では、個々のエントリ内のアイコン602は、そのエントリの仮ステータスを変更するために、デフォルト決定(例えば「受諾」)と例外決定(例えば「拒絶」)の間でトグルするべく選択することができる。他の例またはコンテキストでは、アイコン602は、複数の仮ステータスの間でトグルすることができる。
【0048】
図6にさらに示されているように、マス決定を実行するためのボタン604がユーザインタフェースの一番下に提供されている。マス決定は、ユーザによって例外決定が既に起動されているオブジェクトを除くすべてのオブジェクトにデフォルト決定を割り当てるためのものであってもよい。いくつかの例では、デフォルト決定を実行することによって影響されるエントリの数をユーザに表示することができる。さらに、マス決定を実行するためのボタンが起動されると、例外決定が既に起動されているオブジェクトを拒絶する機能が同じく実行される。したがってボタンを1回押すことにより、ユーザは、例外決定が表示されなかったオブジェクトを認可し、かつ、例外決定が表示されたオブジェクトを拒絶する。ユーザは、最初に「認可された」オブジェクトを認可する必要はなく、次に「拒絶された」オブジェクトを形式的に拒絶する。
【0049】
いくつかの例では、仮ステータスアイコン602を動画化し、ステータスの変化を滑らかな変化として描写することができる。この滑らかな変化は、さらに、エントリの更新された仮ステータスを反映するために、ユーザインタフェースの一番下のボタン604の修正を含むことができる(例えば認可(5)−拒絶(1))。
【0050】
いくつかの例では、受信したすべてのオブジェクトを単一のスクロール可能ユーザインタフェース上に表示することができ、ユーザインタフェースの一番下のボタンが選択されると、すべてのオブジェクトが影響される。他の実施形態では、受信したオブジェクトを複数のサブバッチに分割することができ、そのうちの1つのサブバッチのみがユーザに表示される。これらの例では、画面の一番下のボタンは、実行されると、そのサブバッチ内のオブジェクトにのみ影響を及ぼすことができ、別のサブバッチと結合したオブジェクトには影響を及ぼさない。
【0051】
キャンセルボタン606は、ユーザの編集モードからの離脱、および図4に示されているユーザインタフェースへの復帰を可能にしている。
【0052】
図7〜9は、一実施形態による、ユーザに提示することができる実際のユーザインタフェースを示したものである。図7〜9のユーザインタフェースは、支払い認可のコンテキストにおいて提示されるものである。
【0053】
例えば図7のインタフェースは、概ね図4のインタフェースに対応しており、オブジェクトのリストおよびデフォルト決定ボタン(例えば「認可(Approve)」のラベルが振られたボタン)が含まれている。図7のインタフェースには、さらに、提示されている個々のオブジェクト(例えば支払い)に例外決定をユーザが適用することになる第2のボタン、つまり例外決定ボタン(例えば「拒絶(Reject)」のラベルが振られたボタン)が含まれている。
【0054】
同様に、図8のインタフェースは、概ね図5のインタフェースに対応している。図8のインタフェースは、図7のインタフェース中のオブジェクトが選択されるとアクセスすることができ、選択されたオブジェクトに関する追加情報、およびその選択されたオブジェクトに例外決定を適用するためのオプションを提供することができる(例えば「支払い拒絶(Reject Payment)」のラベルが振られたボタン)。
【0055】
同様に、図9のインタフェースは、概ね図6のインタフェースに対応している。表示されている複数のオブジェクトのうちの1つのオブジェクトに対してユーザが例外決定を選択したこの例では、選択されたオブジェクトを拒絶し、かつ、「完了(Done)」のラベルが振られたボタンを選択することによって提示された残りの5つのオブジェクトを認可するためのオプションがユーザに提供されている。
【0056】
モジュール、コンポーネントおよび論理
本明細書においては、論理または多数のコンポーネント、モジュールあるいは機構を含んだ特定の実施形態が記述されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば(1)非一時的機械可読媒体上、または(2)伝送信号中に具体化されたコード)またはハードウェア実施モジュールのいずれかを構成することができる。ハードウェア実施モジュールは、特定の動作を実行することができる有形ユニットであり、特定の方法で構成し、あるいは配置することができる。実施形態例では、ソフトウェア(例えばアプリケーションまたはアプリケーション部分)によって、本明細書において説明されている特定の操作を実行するように動作するハードウェア実施モジュールとして1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば独立型、クライアントまたはサーバコンピュータシステム)あるいは1つまたは複数のプロセッサを構成することができる。
【0057】
様々な実施形態では、ハードウェア実施モジュールは、機械的または電子的に実装することができる。例えばハードウェア実施モジュールは、特定の動作を実行するために永久的に構成される(例えば書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または専用集積回路(ASIC)などの専用プロセッサとして)専用回路または論理を備えることができる。また、ハードウェア実施モジュールは、特定の動作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブル論理または回路(例えば汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含される)を備えることも可能である。ハードウェア実施モジュールを機械的に実装するか、永久的に構成される専用回路の中で実装するか、あるいは一時的に構成される回路(例えばソフトウェアによって構成される)の中で実装するかどうかの決定は、コストおよび時間の考察によって決定することができることは理解されよう。
【0058】
したがって「ハードウェア実施モジュール」という用語は、特定の方法で動作させるため、および/または本明細書において説明されている特定の操作を実行するための有形実体を包含するものとして理解すべきであり、物理的に構築され、永久的に構成され(例えばハードワイヤードされ)、あるいは一時的すなわち暫定的に構成される(例えばプログラムされる)実体として理解すべきである。ハードウェア実施モジュールが一時的に構成される(例えばプログラムされる)実施形態を考察する場合、これらのハードウェア実施モジュールの各々を、任意のある時間の過程で構成し、あるいは例示する必要はない。例えば、ハードウェア実施モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを備えている場合、その汎用プロセッサは、異なる時間に、それぞれの異なるハードウェア実施モジュールとして構成することができる。したがってソフトウェアは、例えばある時間の過程で特定のハードウェア実施モジュールを構成し、また、異なる時間の過程で異なるハードウェア実施モジュールを構成するためのプロセッサを構成することができる。
【0059】
ハードウェア実施モジュールは、他のハードウェア実施モジュールに情報を提供し、かつ、他のハードウェア実施モジュールから情報を受信することができる。したがって説明されているハードウェア実施モジュールは、通信結合されていると見なすことができる。複数のこのようなハードウェア実施モジュールが同時に存在している場合、これらのハードウェア実施モジュールを接続する信号伝送(例えば適切な回路およびバス)を介して通信を達成することができる。複数のハードウェア実施モジュールが異なる時間に構成され、あるいは例示される実施形態では、このようなハードウェア実施モジュール間の通信は、例えば複数のハードウェア実施モジュールがアクセスを有する記憶構造への情報の記憶および検索を介して達成することができる。例えばある1つのハードウェア実施モジュールは、ある1つの動作を実施し、その動作の出力を通信結合されているメモリ素子に記憶することができる。次に、もっと後の時間に他のハードウェア実施モジュールがそのメモリ素子にアクセスして、記憶されている出力を検索し、かつ、処理することができる。また、ハードウェア実施モジュールは、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を開始することも可能であり、また、リソース(例えば情報の集合)上で動作することも可能である。
【0060】
本明細書において説明されている方法例の様々な操作は、関連する操作を実行するために一次的に構成される(例えばソフトウェアによって)か、あるいは永久的に構成される1つまたは複数のプロセッサによって少なくとも部分的に実行することができる。一時的に構成されるプロセッサであれ、あるいは永久的に構成されるプロセッサであれ、このようなプロセッサは、1つまたは複数の操作または機能を実行するように動作するプロセッサ実施モジュールを構成することができる。本明細書において参照されているこれらのモジュールは、いくつかの実施形態例では、プロセッサ実施モジュールを備えることができる。
【0061】
同様に、本明細書において説明されている方法は、プロセッサによって少なくとも部分的に実施することができる。例えば、方法の操作の少なくとも一部は、複数のプロセッサまたは複数のプロセッサ実施モジュールのうちの1つによって実行することができる。複数の操作のうちの特定の操作の実行は、1つまたは複数のプロセッサの間で分散させることができ、単一の機器に存在させるだけでなく、多数の機器にまたがって配置することができる。いくつかの実施形態例では、一ヶ所(例えば家庭環境内、事務所環境内あるいはサーバファームとして)に1つまたは複数のプロセッサを配置することができ、一方、他の実施形態では、多数の位置にわたって複数のプロセッサを分散させることができる。
【0062】
また、1つまたは複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境における関連する操作の実行をサポートするように動作することも、あるいは「Soft as a service」(SaaS)として動作することも可能である。例えば、複数の操作のうちの少なくとも一部は、複数のコンピュータのグループ(複数のプロセッサを含む複数の機器の例として)によって実行することができ、これらの操作は、ネットワーク(例えばインターネット)を介してアクセスすることができ、また、1つまたは複数の適切なインタフェース(例えばアプリケーションプログラムインタフェース(API))を介してアクセスすることができる。
【0063】
電子装置およびシステム
実施形態例は、ディジタル電子回路の中、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアの中、あるいはそれらの組合せの中で実施することができる。実施形態例は、コンピュータプログラム製品、例えば、情報キャリヤの中、例えば機械可読媒体の中に実態的に具体化された、データ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータまたは複数のコンピュータが実行するための、あるいはデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータプログラムを使用して実施することができる。
【0064】
コンピュータプログラムは、コンパイル済み言語または翻訳済み言語を始めとする任意の形態のプログラミング言語で作成することができ、また、独立型プログラムとしての形態、またはモジュール、サブルーチンあるいはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態を始めとする任意の形態で配置することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、あるいは1つのサイトの複数のコンピュータ上、または複数のサイトにわたって分散され、かつ、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
【0065】
実施形態例では、操作は、入力データ上で動作し、かつ、出力を生成することによって機能を実行するべくコンピュータプログラムを実行する、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。また、方法操作は、専用論理回路によって実行することも可能であり、実施形態例の装置は、専用論理回路、例えば書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または専用集積回路(ASIC)として実施することができる。
【0066】
計算システムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、通常、互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話している。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で走るコンピュータプログラムによって生じ、クライアント−サーバ関係を互いに有している。プログラマブル計算システムを配置している実施形態の場合、ハードウェアアーキテクチャおよびソフトウェアアーキテクチャには、いずれも考慮が必要であることは理解されよう。詳細には、特定の機能を永久的に構成されるハードウェア(例えばASIC)の中で実施するか、一時的に構成されるハードウェア(例えばソフトウェアとプログラマブルプロセッサの組合せ)の中で実施するか、あるいは永久的に構成されるハードウェアと一時的に構成されるハードウェアの組合せの中で実施するかどうかの選択は、設計選択であることは理解されよう。以下、様々な実施形態例に配置することができるハードウェア(例えば機器)アーキテクチャおよびソフトウェアアーキテクチャについて詳細に説明する。
【0067】
機器アーキテクチャ例および機械可読媒体
図10は、コンピュータシステム1000の形態例の機器のブロック図であり、この中で、本明細書において説明されているいくつかの方法のうちの任意の1つまたは複数を機器に実行させるための命令を実行することができる。代替実施形態では、機器は独立型デバイスとして動作し、あるいは他の機器に接続する(例えばネットワーク化する)ことができる。ネットワーク化された配置では、機器は、サーバ−クライアントネットワーク環境におけるサーバまたはクライアント機器の容量内で動作することができ、あるいはピアツーピア(すなわち分散)ネットワーク環境におけるピア機器として動作することができる。機器は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、セルラ電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいは任意の機器であって、その機器が取るべきアクションを明記した命令(逐次またはそれ以外)を実行することができる任意の機器であってもよい。さらに、図には単一の機器しか示されていないが、「機器」という用語は、本明細書において説明されているいくつかの方法のうちの任意の1つまたは複数を実行するために、個々に、あるいは相俟って一組(または複数組)の命令を実行する機器のあらゆる集合が包含されているものとして捕えるべきである。
【0068】
コンピュータシステム1000の例には、プロセッサ1002(例えば中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)または両方)、バス1008を介して互いに通信している主記憶装置1004およびスタティックメモリ1006が含まれている。コンピュータシステム1000は、さらに、ビデオディスプレイユニット1010(例えば液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT))を含むことができる。また、コンピュータシステム1000には、英数字入力デバイス1012(例えばキーボードまたは接触感知表示画面)、ユーザインタフェース(UI)移動デバイス1014(例えばマウスまたは接触感知表示画面)、ディスク駆動ユニット1016、信号発生デバイス1018(例えばスピーカ)およびネットワークインタフェースデバイス1020が含まれている。
【0069】
機械可読媒体
ディスク駆動ユニット1016には機械可読媒体1022が含まれており、この機械可読媒体1022の上に、本明細書において説明されている複数の方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具体化した、あるいはこれらの任意の1つまたは複数によって利用される一組または複数組の命令およびデータ構造(例えばソフトウェア)1024が記憶される。命令1024は、コンピュータシステム1000がそれらの命令を実行している間、完全に、あるいは少なくとも部分的に、主記憶装置1004内および/またはプロセッサ1002内に存在させることも可能であり、主記憶装置1004およびプロセッサ1002も同じく機械可読媒体を構成している。
【0070】
一実施形態例に示されている機械可読媒体1022は、単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令またはデータ構造を記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば集中データベースまたは分散データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むことができる。また、「機械可読媒体」という用語は、機器が実行するための命令を記憶し、符号化し、あるいは運ぶことができ、また、機器に本発明の複数の方法のうちの任意の1つまたは複数を実行させ、あるいはこのような命令によって利用され、あるいはこのような命令と結合したデータ構造を記憶し、符号化し、あるいは運ぶことができる任意の有形媒体を包含するものとして捕えるべきである。したがって「機械可読媒体」という用語は、それらに限定されないが、固体記憶装置および光媒体ならびに磁気媒体を包含するものとして捕えるべきである。機械可読媒体の特定の例には、一例として半導体メモリ素子、例えば消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)およびフラッシュメモリ素子を始めとする不揮発性メモリ、内部ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、およびCD-ROMならびにDVD-ROMディスクがある。
【0071】
伝送媒体
命令1024は、さらに、伝送媒体を使用した通信ネットワーク1026を介して伝送し、あるいは受信することができる。命令1024は、ネットワークインタフェースデバイス1020および多くのよく知られている転送プロトコル(例えばHTTP)のうちの任意の1つを使用して伝送することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネット、移動電話ネットワーク、プレーンオールドテレフォン(POTS)ネットワークおよび無線データネットワーク(例えばWiFiネットワークおよびWiMaxネットワーク)がある。「伝送媒体」という用語は、ディジタル通信信号またはアナログ通信信号を含む、機器が実行するための命令を記憶し、符号化し、あるいは運ぶことができるあらゆる無形媒体、またはこのようなソフトウェアの通信を容易にする他の無形媒体を包含するものとして捕えるべきである。
【0072】
以上、一実施形態について、いくつかの特定の実施形態例を参照して説明したが、本発明のより広義の精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正および変更をこれらの実施形態に加えることができることは明らかであろう。したがって本明細書および図面は、本発明を制限するものではなく、本発明を実例で説明するためのものとして解釈されたい。本明細書の一部をなしている添付の図面は、本発明の主題を実践することができる特定の実施形態を非制限の実例によって示したものである。図面に示されているこれらの実施形態は、本明細書において開示されている教示を当業者が実践することができるよう、十分詳細に記述されている。本開示の範囲を逸脱することなく、構造的および論理的な置換えおよび変更を加えることができるよう、これらの実施形態から他の実施形態を利用し、かつ、引き出すことができる。したがって、以上の発明を実施するための形態を、本発明を制限する意味で解釈してはならず、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、ならびにこのような特許請求の範囲に権利が与えられるすべての範囲の均等物によってのみ定義される。
【0073】
本発明の主題のこのような実施形態は、本明細書においては、便宜上、単に「発明」という用語によって、個々におよび/または集合的に参照することができ、また、複数の発明が実際に開示される場合、何らかの単一の発明または発明の概念に本出願の範囲を自発的に制限することを意図することなく、この「発明」という用語によって個々および/または集合的に参照することができる。したがって本明細書においては特定の実施形態が図に示され、かつ、説明されているが、図に示されているこれらの特定の実施形態は、同じ目的を達成するために企図された任意の構造に置き換えることができることを理解されたい。本開示には、様々な実施形態の任意のあらゆる適合または変形形態を包含することが意図されている。上記実施形態および本明細書においては特に説明されていない他の実施形態の組合せは、上記の説明を精査すれば当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0074】
100 クライアント−サーバシステム
102 クライアントデバイス
104 クライアントアプリケーション
106 ネットワーク
108 オブジェクトサーバ
110 オブジェクトデータベース
200 システム
202 オブジェクト管理モジュール
204 マス決定モジュール
206 例外決定モジュール
300 マス決定モードを動作させる方法
302、304、306、308、310、312、314、316 操作
400 ユーザインタフェース
402 認可待ち支払いに対応するオブジェクトのリスト
404 デフォルト決定ボタン
500 例外決定インタフェース
502 オブジェクト名称
504 オブジェクト詳細部分
506 「戻る」ボタン
508、604 ボタン
600 マス決定モードインタフェース
602 アイコン
606 キャンセルボタン
1000 コンピュータシステム
1002 プロセッサ
1004 主記憶装置
1006 スタティックメモリ
1008 バス
1010 ビデオディスプレイユニット
1012 英数字入力デバイス
1014 ユーザインタフェース(UI)移動デバイス
1016 ディスク駆動ユニット
1018 信号発生デバイス
1020 ネットワークインタフェースデバイス
1022 機械可読媒体
1024 一組または複数組の命令およびデータ構造
1026 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントアプリケーションのマス決定モードグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介してユーザに提示される複数のオブジェクトにアクセスするためのオブジェクト管理モジュールと、
前記マス決定モードGUIを生成するためのマス決定モジュールであって、前記マス決定モードGUIが前記複数のオブジェクトの個々のオブジェクトの説明およびマス決定オプションを含み、前記マス決定オプションが、選択されると、1つまたは複数のオブジェクトのうちの第1の部分に例外決定を適用し、かつ、前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの残りの部分にデフォルト決定を適用するためのものであるマス決定モジュールと、
1つまたは複数のオブジェクトのうちの前記第1の部分の1つのオブジェクトの選択を受信すると、前記オブジェクトに前記例外決定を割り当てるための例外決定モジュールと
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記デフォルト決定が、前記残りの部分を認可する、前記残りの部分を受諾する、前記残りの部分を確認する、読んだら前記残りの部分に印を付ける、前記残りの部分にメッセージを送信する、前記残りの部分をカーボンコピー(cc:)またはブラインドコピー(bcc:)する、および前記残りの部分を購入する、からなるグループから選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記例外決定が、前記選択されたオブジェクトを除去する、前記選択されたオブジェクトを拒絶する、前記選択されたオブジェクトを取り消す、前記選択されたオブジェクトに未読として印を付ける、前記選択されたオブジェクトを受領者として除去する、および前記選択されたオブジェクトを購入しない、からなるグループから選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記例外決定モジュールが、前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つのオブジェクトの選択を受信すると例外決定GUIを生成するためのものであり、前記例外決定GUIが、前記選択されたオブジェクトの他の説明、および前記例外決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てるためのオプションを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記例外決定GUIが、前記例外決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てることなく前記マス決定モードGUIに戻るオプションを含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記例外決定GUIが、前記デフォルト決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てるオプションを含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記マス決定モードGUIが、前記複数のオブジェクトの前記個々のオブジェクトに隣接するアイコンであって、前記個々のオブジェクトに前記例外決定が割り当てられているかどうかを表示するためのアイコンをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記アイコンのうちの第1のアイコンが、隣接するオブジェクトが前記デフォルト決定に割り当てられていることを表示し、また、前記アイコンのうちの第2のアイコンが、隣接するオブジェクトが前記例外決定に割り当てられていることを表示する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
選択されたオブジェクトへの前記例外決定の割当てを受信すると、前記第1のアイコンが動画を使用して前記第2のアイコンに変形する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記マス決定オプションが、前記複数のオブジェクトのうちの前記デフォルト決定に割り当てられた多数のオブジェクトを表示する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記マス決定オプションが、前記複数のオブジェクトのうちの前記例外決定に割り当てられた多数のオブジェクトを表示する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
接触感知表示画面を有するハンドヘルド移動デバイスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
クライアントデバイス上に存在しているクライアントアプリケーションのマス決定モードグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介してユーザに提示される複数のオブジェクトを受信するステップと、
前記マス決定モードグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を生成するステップであって、前記マス決定モードGUIが前記複数のオブジェクトの個々のオブジェクトの説明およびマス決定オプションを含み、前記マス決定オプションが、選択されると、1つまたは複数のオブジェクトのうちの第1の部分に例外決定を適用し、かつ、前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの残りの部分にデフォルト決定を適用するステップと、
前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つのオブジェクトの選択を受信すると、前記オブジェクトに前記例外決定を割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つのオブジェクトの選択を受信すると例外決定GUIを生成するステップをさらに含み、前記例外決定GUIが、前記選択されたオブジェクトの他の説明、および前記例外決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てるためのオプションを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記例外決定GUIが、前記例外決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てることなく前記マス決定モードGUIに戻るオプションを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記例外決定のインタフェースが、前記デフォルト決定を前記選択されたオブジェクトに割り当てるオプションを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記マス決定モードGUIが、前記複数のオブジェクトの前記個々のオブジェクトに隣接するアイコンであって、前記個々のオブジェクトに前記例外決定が割り当てられているかどうかを表示するためのアイコンをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記アイコンのうちの第1のアイコンが、隣接するオブジェクトが前記デフォルト決定に割り当てられていることを表示し、また、前記アイコンのうちの第2のアイコンが、隣接するオブジェクトが前記例外決定に割り当てられていることを表示する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
選択されたオブジェクトへの前記例外決定の割当てを受信すると、前記第1のアイコンが動画を使用して前記第2のアイコンに変形する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
クライアントデバイス上に存在しているクライアントアプリケーションのマス決定モードグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介してユーザに提示される複数のオブジェクトを受信するステップと、
前記マス決定モードGUIを生成するステップであって、前記マス決定モードGUIが前記複数のオブジェクトの個々のオブジェクトの説明およびマス決定オプションを含み、前記マス決定オプションが、選択されると、1つまたは複数のオブジェクトのうちの第1の部分に例外決定を適用し、かつ、前記1つまたは複数のオブジェクトのうちの残りの部分にデフォルト決定を適用するステップと
を含む操作を実行するための1つまたは複数の機器によって実行することができる命令がその上に具体化された非一時的機械可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−89243(P2013−89243A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−226769(P2012−226769)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(300015447)エスアーペー アーゲー (146)
【氏名又は名称原語表記】SAP AG
【住所又は居所原語表記】Dietmar−Hopp−Allee 16, 69190 Walldorf, Germany
【Fターム(参考)】