説明

ユニットバスの支持構造

【課題】架台に取り付けられる支持脚の本数を削減することができ、且つ支持強度を低下させないユニットバスの支持構造を提供する。
【解決手段】第1水平フレームと、前記第1水平フレームの下部に取り付けられ、第1支持脚を有する第1鉛直フレームと、を有する洗い場架台と、第2水平フレームと、前記第2水平フレームの下部に取り付けられ、第2支持脚を有する第2鉛直フレームと、を有する浴槽架台と、前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結する連結材と、を備え、前記連結材は、前記第2水平フレームの下面を支持する支持部と、前記第1水平フレームの上面に載置される載置部と、前記支持部と前記載置部とを連結する連結部と、を有することを特徴とするユニットバスの支持構造が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、ユニットバスの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニットバスにおいて、ユニットバスの全体の荷重を支持する金属製の架台には、浴槽の荷重を支持する浴槽架台と、洗い場床の荷重を支持する洗い場架台とがある。浴槽架台と洗い場床架台のそれぞれには、荷重を支持するために4つの支持脚が設けられており、ユニットバスとしては、8つの支持脚が設けられていた。
【0003】
これに対し、特許文献1(特開2005−290726号公報)には、洗い場架台の鉛直フレームの断面形状が、浴槽側に開口した凹状をしており、この凹状部の内部に、浴槽架台から洗い場側に向かって延在する水平フレームを挿入し、外側からボルト締めして、浴槽架台の洗い場側端辺を、洗い場架台に支持固定することで、浴槽架台の支持脚のうちの2個を省略する技術が公開されている。しかしながら、この構造では、ボルトの上部に局所的に大きなせん断力が働くため、ボルトが破損する恐れがあり強度的に不十分であった。
【特許文献1】特開2005−290726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様は、架台に取り付けられる支持脚の本数を削減することができ、且つ支持強度を低下させないユニットバスの支持構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、第1水平フレームと、前記第1水平フレームの下部に取り付けられ、第1支持脚を有する第1鉛直フレームと、を有する洗い場架台と、第2水平フレームと、前記第2水平フレームの下部に取り付けられ、第2支持脚を有する第2鉛直フレームと、を有する浴槽架台と、前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結する連結材と、を備え、前記連結材は、前記第2水平フレームの下面を支持する支持部と、前記第1水平フレームの上面に載置される載置部と、前記支持部と前記載置部とを連結する連結部と、を有することを特徴とするユニットバスの支持構造が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の態様によれば、架台に取り付けられる支持脚の本数を削減することができ、且つ支持強度を低下させないユニットバスの支持構造が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、第1水平フレームと、前記第1水平フレームの下部に取り付けられ、第1支持脚を有する第1鉛直フレームと、を有する洗い場架台と、第2水平フレームと、前記第2水平フレームの下部に取り付けられ、第2支持脚を有する第2鉛直フレームと、を有する浴槽架台と、前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結する連結材と、を備え、前記連結材は、前記第2水平フレームの下面を支持する支持部と、前記第1水平フレームの上面に載置される載置部と、前記支持部と前記載置部とを連結する連結部と、を有することを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、浴槽架台の水平フレーム下面を支持する支持部と、洗い場架台の水平フレーム上面に載置される載置部と、を有する連結材を介して、浴槽架台の一端を洗い場架台に支持する構造であるため、連結材全体で浴槽架台の荷重を支持することが可能となるため、充分な強度を確保することができる。これにより、架台に取り付けられる支持脚の本数を削減することができ、且つ支持強度を低下させないユニットバスの支持構造が提供される。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記連結材は、前記支持部の上方に前記載置部が配置された状態で、前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結することを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、浴槽架台の加重は、第1水平フレームに対して、下向きの方向に、懸吊状態で印加され、加重の印加方向が安定し、より強度が高まる。
【0009】
また、第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記支持部及び前記載置部は、平面部を有していることを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、平面部の全体で、浴槽架台の加重を分散して支持することができ、さらに高い強度を実現することができる。
【0010】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記連結部は、前記支持部および前記載置部に対して、垂直に形成されていることを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、加重が加わる支持部と載置部とを最短距離で連結することができ、さらに高い強度を得ることが可能となる。このことから、架台の支持強度をさらに大きくすることが可能となる。
【0011】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記載置部は、前記第1鉛直フレームの延長線上に、配置されることを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、浴槽架台の荷重を、第1支持脚が設置される設置面に最短距離で伝達することが可能となる。このことから、浴槽架台の支持強度をさらに高くすることが可能となる。
【0012】
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記浴槽架台は、2つの前記第2鉛直フレームを有していることを特徴とするユニットバスの支持構造である。
このユニットバスの支持構造によれば、従来設けられていた洗い場側の端面の第2鉛直フレームを省略でき、架台に取り付けられる支持脚の本数を削減することができ、且つ支持強度の低下もない。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1〜図6は、本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
すなわち、図1は、本実施形態に係るユニットバスを斜め上方から眺めた斜視模式図であり、図2は、図1のA方向から眺めた側面模式図であり、図3は、図1のA方向から眺めた拡大した側面模式図であり、図4は、斜め下方向から眺めた斜視模式図である。図5は、要部を拡大して例示する斜視模式図である。そして、図6は、本実施形態に係るユニットバスの支持構造に用いられる連結材の構造を例示する斜視模式図である。
【0014】
図1〜図4に表したように、本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造においては、第1水平フレーム11と、第1水平フレーム11の下部に取り付けられ、第1支持脚12を有する第1鉛直フレーム13と、を有する洗い場架台10と、第2水平フレーム21と、第2水平フレーム21の下部に取り付けられ、第2支持脚22を有する第2鉛直フレーム23と、を有する浴槽架台20と、洗い場架台10と浴槽架台20とを連結する連結材30と、を備える。
【0015】
そして、図6に表したように、連結材30は、第2水平フレーム21の下面を支持する支持部31と、第1水平フレーム11の上面に載置される載置部32と、支持部31と載置部32とを連結する連結部33と、を有する。
【0016】
連結材30においては、例えば、連結部33の一端に、連結部33の延在方向に対して直交する方向に延在する支持部31が設けられ、連結部33の他端に、支持部31の延在する方向と逆方向に延在する載置部32が設けられている。すなわち、連結材30は、クランク状の構造を有している。
【0017】
図5に表したように、連結材30の支持部31は、浴槽架台20の第2フレーム21の一端21aを下面から支持する。そして、連結材30の載置部32は、洗い場架台10の第1水平フレーム11の上面に載置される。
【0018】
これにより、連結材30全体で浴槽架台20の荷重を支持することが可能となるため、充分な強度を確保することができる。
【0019】
すなわち、連結材30において、支持部31及び載置部32の面の全体で、浴槽架台20の加重を分散して支持することができ、高い強度を実現している。
【0020】
なお、図1〜図5に表したように、2つの第2水平フレーム21どうしの間にビーム材24が設けられ、その上に浴槽50を設置することができる。
また、図1〜図5に表したように、第1鉛直フレーム13は第1支持脚12を有し、第2鉛直フレーム23は第2支持脚22を有している。これら第1及び第2支持脚12、22には、例えば、ねじが設けられ、高さを調整できるようになっている。これにより、洗い場架台10と浴槽架台20とを、水平に、また、安定して、支持する。そして、第1及び第2支持脚12、22に加えられる加重を分散して支持することで、強度を高められるようになっている。
【0021】
(比較例)
図7は、比較例のユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
図7に表したように、比較例のユニットバスの支持構造においては、洗い場架台10の第1水平フレーム11に、浴槽50側に開口した凹状の鉛直フレーム13bが設けられ、その鉛直フレームの凹状部の内部に、浴槽架台20の第2水平フレーム21が挿入されている。そして、第2水平フレーム21は、鉛直フレーム13bの外側から、ボルト15によって締め付けられ固定されている。これにより、浴槽架台20の洗い場側の端辺を、洗い場架台10に支持固定することで、浴槽架台の支持脚のうちの2個を省略している。
【0022】
しかしながら、この構造では、ボルト15の上部のみで浴槽架台20の加重を支えることとなり、ボルト15の上部に局所的に大きなせん断力が働く。具体的には、ボルト15の上部と、鉛直フレーム13bの2つの凹状の壁部と、が接する極めて狭い面積に全ての加重が加えられることになる。このため、ボルト15が破損する恐れがあり強度的に不十分である。
【0023】
さらに、この比較例の構造の場合、洗い場架台10の鉛直フレーム13bに、浴槽架台20の第2水平フレーム21を挿入して、鉛直フレーム13b側面で、ボルト15を締め付ける作業スペースが必要であり、設置場所を制約し、また作業効率を低下させる。
【0024】
そして、比較例の場合は、鉛直フレーム13bは、第2水平フレーム21を挿入するために、その断面は、一方が開口した凹状形状とする必要がある。すなわち、鉛直フレーム13bの断面形状に制約がある。そして、断面が凹状形状の鉛直フレーム13bは、例えば断面が長方形の角柱等に比べて強度が弱い。この時、鉛直フレーム13bの強度を維持するために、例えば厚みが厚い材料を鉛直フレーム13bに用いる必要があり、コスト高になり、また重力も増え、問題である。
【0025】
これに対し、既に説明したように、本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造においては、連結材30において、支持部31及び載置部32の面の全体で、浴槽架台20の加重を分散して支持することができ、高い強度を実現している。
【0026】
さらに、本実施形態の場合には、鉛直フレーム側面でボルトを締め付ける作業を必要としないので、設置場所の制約が解除され、任意の設置場所に対応でき、さらに、作業効率が向上する。
【0027】
そして、本実施形態の場合は、第1鉛直フレーム13の断面形状に対する制約がなく、例えば、四角柱のパイプを使用することができる。さらには、円柱形状とすることもできる。これにより、断面形状の制約から発生する強度低下の問題がなく、強度の高い支持構造が実現できる。
【0028】
なお、本実施形態に類似する構造において、もし、連結材30の支持部31が、浴槽架台20の第2フレーム21の一端21aを上面や側面から支持する場合には、一端21aと支持部31を連結する部材が必要であり、また強度の低下を招く。これに対し、本実施形態の構造では、連結材30の支持部31は、浴槽架台20の第2フレーム21の一端21aを下面から支持するので、上記の部材を必要とせず、しかも高い強度を実現できる。
【0029】
また、本実施形態に類似する構造において、もし、連結材30の載置部32が、洗い場架台10の第1水平フレーム11の下面または側面にのみ設けられる場合には、載置部32を第1水平フレーム11に取り付ける部材が必要であり、また、強度の低下を招く。これに対し、本実施形態の構造では、連結材30の載置部32は、洗い場架台10の第1水平フレーム11の上面に載置されるので、上記の部材を必要とせず、しかも高い強度を実現できる。
【0030】
すなわち、本実施形態において、連結材30の支持部31は、浴槽架台20の第2フレーム21の一端21aを下面から支持し、連結材30の載置部32は、洗い場架台10の第1水平フレーム11の上面に載置されることによって、部材を省略でき、高い強度を実現している。
【0031】
さらに、図6に表したように、連結材30の支持部31及び載置部32には、平面部を設けることができる。この平面部の全体で、浴槽架台20の加重を分散して支持することができ、さらに高い強度を実現する。この平面部の面積が広いと、加重がより分散されるので、強度が高まる。この平面部の大きさは、連結材30の材料の強度や厚さ等と共に、実用的に十分な強度が得られるように設計することができる。
【0032】
ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、例えば載置部32に平面部が設けられておらず、載置部32が曲面であっても良い。すなわち、例えば、第1水平フレーム11が円柱状をしている場合は、載置部32の形状をこの円柱の外周に適合するような曲面にすることで、積載部32の面で加重を支えることができ、この場合も強い強度を実現できる。
【0033】
また、連結部30は、支持部31及び載置部32に対して、垂直に設けることができる。これにより、加重が加わる支持部31と載置部32とを最短距離で連結することができ、さらに高い強度を得ることができる。
【0034】
また、図5に表したように、載置部32は、第1鉛直フレーム13の延長線上に、配置することができる。これにより、浴槽架台20の荷重を、第1支持脚12が設置される設置面に最短距離で伝達することが可能となる。このことから、浴槽架台20の支持強度をさらに高くすることが可能となる。
【0035】
そして、浴槽架台20は、2つの第2鉛直フレーム23を有している。すなわち、従来設けられていた洗い場側の端面の第2鉛直フレームを省略できる。
【0036】
なお、図6に表したように、本実施形態に係るユニットバスの支持構造において、連結材30は、板状の構造体をクランク状の形状に折り曲げて、支持部31、連結部33及び載置部32を一体として形成することができる。これにより、強い強度の連結材30が実現できる。ただし、本発明の実施形態においては、これに限らず、支持部31、連結部33及び載置部32は、別の部材として構成され、これを組み合わせて連結材30を形成しても良い。
【0037】
また、図6の例では、支持部31及び載置部32は、連結部33の延在方向に対して直角の方向に延在して設けられているが、本発明の実施形態においては、これに限らず、支持部31及び載置部32は、連結部33の延在方向に対して非平行であれば良い。
【0038】
なお、連結材30は、第1フレーム11及び第2フレーム21を連結するものであるので、第1水平フレーム11及び第2水平フレーム21の少なくともいずれかと一体となっていても良い。すなわち、例えば、第2水平フレーム21の一端21aの下に、連結材30の支持部31が例えば溶接などの方法によって結合され、第2水平フレーム21と連結材30とが一体化されていても良い。また同様に、例えば、第1水平フレーム11の上部に、連結材30の載置部32が例えば溶接などの方法によって結合され、第1水平フレーム11と連結材30とが一体化されていても良い。
【0039】
なお、図1〜図5に表したように、第1鉛直フレーム13及び第2鉛直フレーム23は、それぞれ、第1水平フレーム11及び第2水平フレームの下面に設置される。例えば、第1鉛直フレーム13及び第2鉛直フレーム23が、第1水平フレーム11及び第2水平フレームの側面に設置される場合は、その結合部分(例えば溶接により結合される)にせん断応力が加わるため、耐久性に問題がある。これに対し、本実施形態においては、第1鉛直フレーム13及び第2鉛直フレーム23は、それぞれ、第1水平フレーム11及び第2水平フレーム21の下面に設置されるので、結合部にせん断応力が加わらないので高い耐久性を発揮できる。
【0040】
図8は、本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造に用いる別の連結材の構造を例示する斜視模式図である。
図8に表したように、本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造に用いる別の連結材30においては、載置部32の連結部33とは逆の端部に、連結部33の延在方向に延在する屈曲部31aが設けられている。そして、載置部32の延在方向の下側の長さ、すなわち、連結部33と屈曲部31aとの間の幅は、第1水平フレームの幅に適合するように設計されている。そして、連結部33と屈曲部31aとで、第1水平フレームを挟み込むようにして、連結材30は第1水平フレームの上面に載置される。この場合、連結部33と屈曲部31aとの間の幅や屈曲部31aの長さ等を適切に設計することにより、連結材30は、第1水平フレームの上に、例えばボルトなどの固定用の部材を用いることなく、実用的に十分な位置精度と強度で、連結することができる。
【0041】
なお、この場合も、載置部32は平面を有しているので、その平面の全体で、浴槽架台20の加重を支えるので、高い強度が得られる。
【0042】
なお、上記の実施形態において、連結材30の連結部33の長さによって、洗い場床に対する浴槽リムの高さを変更できる。浴槽の深さに対しては利用者の好みがあり、各種の深さの浴槽がある。一方、浴槽またぎ高さ(洗い場の上面と浴槽リムの間の高さ)は大き過ぎず小さ過ぎないように、所望の高さが決まっている。すなわち、各種の浴槽の深さに対応しつつ、適正の浴槽またぎ高さを実現するために、洗い場架台10と浴槽架台20の高さの差、例えば、第1水平フレーム11及び第2水平フレーム21の高さの差を任意に調整できることは実用上非常に重要である。この時、本実施形態においては、連結材30の連結部33の長さを変えるだけで、浴槽またぎ高さを簡単に変更でき、実用上非常に有用なユニットバスの支持構造が提供できる。
【0043】
なお、図7に例示した比較例の場合には、洗い場架台10と浴槽架台20との高さの差を任意に調整するためには、鉛直フレーム13bにボルト15を貫通させる多数の穴を予め設ける必要があり、強度の低下を招く。すなわち、比較例の場合、洗い場架台10と浴槽架台20の高さの差を任意に調整することは非常に困難である。
【0044】
また、図1〜図5で表したように、上記説明した実施形態のユニットバスの支持構造においては、連結材30は、支持部31の上方に載置部32が配置された状態で、洗い場架台10と浴槽架台20とを連結している。すなわち、第2水平フレーム21の下面が、第1水平フレーム11の上面よりも下にある構造である。これにより、浴槽架台20の加重は、第1水平フレーム11に対して、下向きの方向に、懸吊状態で印加され、加重の印加方向が安定し、より強度が高まる。
【0045】
ただし、本発明の実施形態は、上記に限らず、支持部31と載置部32との上下の位置関係は任意であり、例えば、連結材30は、支持部31の下方に載置部32が配置された状態で、洗い場架台10と浴槽架台20とが連結されても良い。
【0046】
図9は、本発明の実施形態に係る別のユニットバスの支持構造の構造を例示する模式図である。
図10は、本発明の実施形態に係る別のユニットバスの支持構造に用いられる連結材の構造を例示する斜視模式図である。
図9に表したように、本発明の実施形態に係る別のユニットバスの支持構造においては、連結材30は、支持部31の下方に載置部32が配置された状態で、洗い場架台10と浴槽架台20とを連結している。
【0047】
この時、図10に表したように、支持部31が載置部32よりも上にある連結材30を用いる。
【0048】
すなわち、図9に表したように、浴槽50の深さが浅い場合、浴槽またぎ高さTを適切な値に設定するためには、第2水平フレーム21の下面を、第1水平フレーム11の上面よりも上方に設置する必要がある場合がある。このとき、図9に表したように、連結材30が、支持部31の下方に載置部32が配置された状態で、洗い場架台10と浴槽架台20とを連結することにより、浴槽またぎ高さTを適切な値に設定することができる。
【0049】
なお、図7に例示した比較例の場合には、内槽が浅い浴槽を浴槽架台の上に載置しようとした場合、浴槽架台20は少なくとも洗い場架台10の第1水平フレーム11よりも上方に配置することができないため、浴槽底面と浴槽架台20の上面との間に大きな隙間が生じる。この場合は、浴槽底面と浴槽架台20との間にスペーサーなどを設ける必要が生じることになり、構造が複雑化し好ましくない。
【0050】
これに対し、本実施形態においては、支持部31の下方に載置部32が配置された状態で連結材30を設置することで、内槽が浅い浴槽であっても浴槽底面と浴槽架台20との間に大きな隙間が生じることがないユニットバスの支持構造を提供することができる。
【0051】
なお、この場合も、連結材30の連結部33の長さを変えることで、浴槽またぎ高さを簡単に変更でき、実用上非常に有用なユニットバスの支持構造が提供できる。
【0052】
なお、図10に例示した連結材30において、支持部31と載置部32とが実質的に同じ形状を有している場合は、その上下を逆転させて使用することにより、支持部31の下方に載置部32が配置される状態、及び、支持部31の上方に載置部32が配置される状態、のいずれにも対応させることができ、さらに便利である。
【0053】
図11は、本発明の実施形態に係る別のユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
すなわち、同図は、斜め下方向から眺めた斜視模式図である。
図11に表したように、第1水平フレーム11は4本あり、枠状に組み合わされている。これにより、洗い場架台10の強度がより向上する。このような構造の洗い場架台10と上記の連結材30を組み合わせることにより、より強度が高いユニットバスの支持構造を提供できる。
【0054】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ユニットバスの支持構造を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。 また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0055】
その他、本発明の実施の形態として上述したユニットバスの支持構造を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのユニットバスの支持構造も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0056】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係るユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
【図2】図1のA方向から眺めた側面模式図である。
【図3】図1のA方向から眺めた拡大した側面模式図である。
【図4】実施形態に係るユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
【図5】実施形態に係るユニットバスの支持構造の要部を拡大して例示する斜視模式図である。
【図6】実施形態に係るユニットバスの支持構造に用いられる連結材の構造を例示する斜視模式図である。
【図7】比較例のユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
【図8】実施形態に係るユニットバスの支持構造に用いる別の連結材の構造を例示する斜視模式図である。
【図9】実施形態に係る別のユニットバスの支持構造の構造を例示する模式図である。
【図10】実施形態に係る別のユニットバスの支持構造に用いられる連結材の構造を例示する斜視模式図である。
【図11】実施形態に係る別のユニットバスの支持構造を例示する模式図である。
【符号の説明】
【0058】
10 洗い場架台、 11 第1水平フレーム、 12 第1支持脚、 13 第1鉛直フレーム、 13b 鉛直フレーム、 15 ボルト、 20 浴槽架台、 21 第2水平フレーム、 21a 一端、 22 第2支持脚、 23 第2鉛直フレーム、 24 ビーム材、 30 連結材、 31 支持部、 31a 屈曲部、 32 載置部、 33 連結部、 40 洗い場床、 50 浴槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水平フレームと、前記第1水平フレームの下部に取り付けられ、第1支持脚を有する第1鉛直フレームと、を有する洗い場架台と、
第2水平フレームと、前記第2水平フレームの下部に取り付けられ、第2支持脚を有する第2鉛直フレームと、を有する浴槽架台と、
前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結する連結材と、
を備え、
前記連結材は、
前記第2水平フレームの下面を支持する支持部と、
前記第1水平フレームの上面に載置される載置部と、
前記支持部と前記載置部とを連結する連結部と、
を有することを特徴とするユニットバスの支持構造。
【請求項2】
前記連結材は、前記支持部の上方に前記載置部が配置された状態で、前記洗い場架台と前記浴槽架台とを連結することを特徴とする請求項1記載のユニットバスの支持構造。
【請求項3】
前記支持部及び前記載置部は、平面部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のユニットバスの支持構造。
【請求項4】
前記連結部は、前記支持部および前記載置部に対して、垂直に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のユニットバスの支持構造。
【請求項5】
前記載置部は、前記第1鉛直フレームの延長線上に、配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のユニットバスの支持構造。
【請求項6】
前記浴槽架台は、2つの前記第2鉛直フレームを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のユニットバスの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−7298(P2010−7298A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165793(P2008−165793)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】