説明

ユーザーインターフェースを備えたポータブルデバイス

ポータブルデバイス(12)であって、前記ポータブルデバイス(12)をホスト(18)に接続するためのコネクタ(14)と、前記ポータブルデバイス(12)の動作を制御するためのセントラルプロセッシングユニット(22)と、少なくとも1つの不揮発性メモリモジュール(24)と、前記セントラルプロセッシングユニット(22)にユーザーコマンドの入力をし、前記ホスト(12)において前記ポータブルデバイス(12)の少なくとも1つのファンクションの直接制御を可能にするための、ユーザーインターフェース(16)と、を備えるポータブルデバイス(12)。前記セントラルプロセッシングユニット(22)は、ホストに自動実行アプリケーションをアップロードして、前記ホスト(18)に備えさせて、前記ユーザーインターフェースを前記ホストにおいて動作可能にする。対応する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーインターフェースを備えたポータブルデバイスに関し、そのうえ特に、排他的にではないが、ユーザーインターフェースを備えたポータブルメモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートコンピュータ及びパーソナル・デジタル・アシスタントなどのようなホストと共にポータブルデバイスを使用する時、ポータブルデバイスを安全に取り外すことが出来るように、比較的複雑な手順を使用することが通常は必要である。ポータブルデバイスは、ホストから取り外し可能であり、例えばメモリデバイス、USBフラッシュドライブ及びMP3プレーヤーなどであり得る。安全に取り外す手順は、通常は以下を含む。
(i)マウスを使用して、デスクトップのシステムトレイ内の“ハードウェアの安全な取り外し”アイコンをクリックし、
(ii)“ハードウェアの安全な取り外し”用のグラフィックユーザーインターフェース(“GUI”)が表示された後、マウスを使用して取り外されるべきデバイスを選択し、マウスを使用して“停止”をクリックし、
(iii)“ハードウェアデバイスの停止”用のGUIが表示された後、マウスを使用して、停止されるべきデバイスを選択し、そして再びマウスを使用して“ok”をクリックし、
(iv)ハードウェアを取り外すことは安全であるというメッセージの表示の後、デバイスは取り外され得る。デバイスの取り外しはメッセージの表示を終了させる。しかし、(iii)のGUIは表示されたままである。
(V)マウスを使用して(iii)のGUIの“閉じる”をクリックし、それによりGUIの表示を終了する。作業はその時完了する。
【0003】
これは、マウスの複数回のクリックを含む、5つの別個のステップを必要とする。これは、遅く、不便で、且つ間違いをしがちである。結果として、一部のユーザーはこの手順を使用しない。この手順を使用しないことは、データの転送が完了しないこと、ファイルアロケーションテーブルが不完全であること、ドライブ内のデータが破損するかもしれないこと、ドライブ内にコピーされたデータがそこに無いかもしれないこと、及びドライブ内にコピーされたデータが不完全であり得ること、を引き起こし得る。
【0004】
同様の説明を他のファンクションについてすることができ、そのファンクションはホストに与えられる、デバイスのファームウェア用の、命令またはコマンドによって実行され、且つ、それはポータブルデバイス上で行われる(effected)。例えば、ポータブルメモリデバイスに記憶されたファイルの消去およびポータブルメモリデバイスにファイルを保存することなど。
【発明の概要】
【0005】
第1の好ましい態様によれば、ポータブルデバイスであって、前記ポータブルデバイスをホストに接続するためのコネクタと、前記ポータブルデバイスの動作を制御するためのセントラルプロセッシングユニットと、少なくとも1つの不揮発性メモリモジュールと、前記セントラルプロセッシングユニットにユーザーコマンドの入力をし、前記ホストにおいて前記ポータブルデバイスの少なくとも1つのファンクションの直接制御を可能にするための、ユーザーインターフェースと、を備えるポータブルデバイスが提供される。
【0006】
第2の好ましい態様によれば、ポータブルデバイス上のユーザーインターフェースを使用して、前記ポータブルデバイスが取り付けできるホスト内のファンクションを動作可能にする、方法であって、前記ポータブルデバイスの前記ホストへの取り付けを検出し、前記ホストにおける前記デバイスをエニュメレートし、自動実行アプリケーションを前記ホストにおいて実行し、前記ポータブルデバイスのユーザーインターフェースによって前記ポータブルデバイスの少なくとも1つのファンクションの直接制御を可能にする、方法が提供される。
【0007】
この方法は、前記ホストが前記自動実行アプリケーションを備えるか否かを判定し、もし備えなければ、前記自動実行アプリケーションを前記ホストにアップロードして、前記ホストに備える、予備的なステップを更に有し得る。前記ユーザーインターフェースが起動されたすぐ後で、全ての必要な複数のファンクションは自動的に、ユーザーの関わりなしに、且つグラフィックユーザーインターフェースの表示なしに、実行され得る。
【0008】
両方の態様で、前記ユーザーインターフェースは、物理的ユーザーインターフェースであり得、プッシュボタン、ジョグボタン、ロータリーホイール、スクロールホイール及びタッチボタンであり得る。前記少なくとも1つのファンクションは、ハードウェアの安全な取り外し、データの高速消去、データの低速消去、データのダウンロード、データのアップロード、データの保存及びソフトウェアアプリケーションの実行であり得る。前記セントラルプロセッシングユニットは、ホストに自動実行アプリケーションをアップロードして、前記ホストに備えさせて、前記ユーザーインターフェースを前記ホストにおいて動作可能にし得る。前記ポータブルデバイスは、ポータブルメモリデバイスであり得る。前記ポータブルメモリデバイスは、USBフラッシュメモリデバイスであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明が十分に理解され、容易に実用化され得るように、非限定的な例のみとして、本発明の好ましい実施形態を、添付の説明図を参照して説明する。
【図1】好ましい実施形態の前面の斜視図である。
【図2】好ましい実施形態の回路構成のブロック図である。
【図3】好ましい実施形態の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1と図2を最初に参照すると、本実施形態ではUSBフラッシュドライブである、ポータブルメモリデバイス10が示されている。しかしそれは、メモリデバイス、USBフラッシュドライブ、MP3プレーヤー、USBハードディスク及びUSBカードリーダーを含むがこれらに限定されない、何れの種類のポータブルデバイスでも良い。
【0011】
デバイス10は、メインボディ12と、この場合USBコネクタであるコネクタ14とを備える。しかしそれは、例えばファイヤーワイヤーコネクタ(Firewire connector)のような、何れの他の適切な種類のコネクタでも良い。ボディ12にマウントされたものは物理的ユーザーインターフェース16である。ユーザーインターフェース16は、プッシュボタン(図示されるように)、又は、何れの他の適切なユーザーアクティブ化デバイスでも良く、そのユーザーアクティブ化デバイスはジョグボタン、タッチボタン、ロータリーホイール及びスクロールホイールを含むがこれらに限定されない。
【0012】
デバイス10は、標準の方法で、取り外し可能にホスト18に取り付けられるように適合させられる。デバイス10は、USBインターフェース20と、インターフェース20に動作するように接続されたセントラルプロセシングユニット22と、1つのユニットであり得る又はいくつかのユニットであり得る、セントラルプロセシングユニット22に動作するように接続された、少なくとも1つの不揮発性メモリ24と、インターフェース20とセントラルプロセシングユニット22とメモリ24に動作するように接続されたパワーマネジメントモジュール26と、も備える。ユーザーインターフェース16は、セントラルプロセシングユニット22に動作するように接続される。
【0013】
次に図3を参照すると、デバイス10がホスト18に最初に取り付けられる時(300)、標準の方法でデバイスは検出されてエニュメレートされ(enumerated)得る(301)。デバイス10は、“自動実行”ファンクショナリティ(functionality)で動作可能にされる。“自動実行”アプリケーションはホスト18に備わり得る。それゆえ、最初のタスクは、ホスト18がデバイス10、又は、同じファンクショナリティと“自動実行”アプリケーションを備える同様なデバイスを前に使用したかどうかを判定することである(302)。それがホスト18にとって最初である場合(303)、デバイス10は、自動実行アプリケーションを実行し、それがホストに備わり得るようにそれをホストにアップロードする(304)。もはやデバイス10が動作するようにホスト18に接続されていない後であっても、それはホスト18に備わり続ける。自動実行アプリケーションは、ホスト18がスイッチをオンにされた全ての時に、自動的に実行し得る。(304)のアップロードが終了した時、又は(302)での答えが、ホスト18は同じ自動実行アプリケーションを備える、という場合(305)、プロセスは(306)へ戻り、自動実行アプリケーションはホスト18において実行される。
【0014】
デバイス10が動作するようにホストに接続され、且つユーザーインターフェース16が動作させられるときにのみ、自動実行アプリケーションは呼び出され得る。よって、ホスト18における自動実行アプリケーションは、ユーザーインターフェース16が起動されたことの判定を行う(307)。起動されていない場合(308)、プロセスは(306)の後へ戻る。ホスト18における自動実行アプリケーションは、ユーザーインターフェース16への継続的なポーリング(polling)よりも、ユーザーインターフェース16の起動の割り込みを待ち得る。
【0015】
ユーザーインターフェース16が起動される時(309)、ホストはユーザーインターフェース16により命令されたファンクションを実行する。例えば、図3の囲み312に示される様に、それが安全にハードウェアを取り外すためであれば、ホストは自動的に、前述のサブパラグラフ(i)に記述された、安全にハードウェアを取り外すファンクショナリティを起動し得る。検出(301)で通常のエニュメレーション(enumeration)によりデバイスが認識されるので、サブパラグラフ(ii)と(iii)における、安全にハードウェアを取り外してハードウェアを停止するファンクションは自動的に起こり得る。サブパラグラフ(iv)のメッセージは表示され得、ハードウェアデバイスが取り外された後で、サブパラグラフ(iv)のメッセージは表示されなくなる。サブパラグラフ(ii)と(iii)のGUIの表示は無いので、サブパラグラフ(V)のファンクションは必要とされない。デバイスが取り外され、又は他のファンクショナリティが終了した時、プロセスは終了する(311)。以上のように、ユーザーインターフェース16が起動されたすぐ後で、全ての必要な複数のファンクションは自動的に、ユーザーの関わりなしに、且つGUIの表示なしに、実行される。
【0016】
したがって、一旦自動実行アプリケーションがホスト18内に備わると、ユーザーの行為により特に削除されない限り、それはそこに留まる。ユーザーインターフェース16を備えるデバイス10がホスト18に動作するように接続されるときはいつでも、自動実行アプリケーションはユーザーインターフェースの起動を待ち得る。
【0017】
本発明の好ましい実施形態を以上の明細書に述べたが、関係する技術分野の当業者によれば、設計、構成又は動作の詳細における多数の変形又は改良は、本発明から逸脱することなく行われ得ることが理解され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルデバイスであって、
前記ポータブルデバイスをホストに接続するためのコネクタと、
前記ポータブルデバイスの動作を制御するためのセントラルプロセッシングユニットと、
少なくとも1つの不揮発性メモリモジュールと、
前記セントラルプロセッシングユニットにユーザーコマンドの入力をし、前記ホストにおいて前記ポータブルデバイスの少なくとも1つのファンクションの直接制御を可能にするための、ユーザーインターフェースと、
を備えるポータブルデバイス。
【請求項2】
前記ユーザーインターフェースは物理的ユーザーインターフェースである、請求項1に記載のポータブルデバイス。
【請求項3】
前記ユーザーインターフェースは、プッシュボタン、ジョグボタン、タッチボタン、ロータリーホイール及びスクロールホイールから成るグループから選択される、請求項1または請求項2に記載のポータブルデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのファンクションは、ハードウェアの安全な取り外し、データの高速消去、データの低速消去、データのダウンロード、データのアップロード、データの保存及びソフトウェアアプリケーションの実行から成るグループから選択される、請求項1から請求項3の何れかに記載のポータブルデバイス。
【請求項5】
前記セントラルプロセッシングユニットは、前記ホストに自動実行アプリケーションをアップロードして、前記ホストに備えさせて、前記ユーザーインターフェースを前記ホストにおいて動作可能にする、請求項1から請求項4の何れかに記載のポータブルデバイス。
【請求項6】
前記ポータブルデバイスはポータブルメモリデバイスである、請求項1から請求項5の何れかに記載のポータブルデバイス。
【請求項7】
前記ポータブルメモリデバイスはUSBフラッシュメモリデバイスである、請求項6に記載のポータブルデバイス。
【請求項8】
ポータブルデバイス上のユーザーインターフェースを使用して、前記ポータブルデバイスが取り付けできるホスト内のファンクションを動作可能にする、方法であって、
前記ポータブルデバイスの前記ホストへの取り付けを検出し、
前記ホストにおける前記デバイスをエニュメレートし、
自動実行アプリケーションを前記ホストにおいて実行し、前記ポータブルデバイスのユーザーインターフェースによって前記ポータブルデバイスの少なくとも1つのファンクションの直接制御を可能にする、方法。
【請求項9】
前記ホストが前記自動実行アプリケーションを備えるか否かを判定し、もし備えなければ、前記自動実行アプリケーションを前記ホストにアップロードして、前記ホストに備える、予備的なステップを更に有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザーインターフェースが起動されたすぐ後で、全ての必要な複数のファンクションは自動的に、ユーザーの関わりなしに、且つグラフィックユーザーインターフェースの表示なしに、実行される、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザーインターフェースは物理的ユーザーインターフェースである、請求項8から請求項10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザーインターフェースは、プッシュボタン、ジョグボタン、タッチボタン、ロータリーホイール及びスクロールホイールから成るグループから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのファンクションは、ハードウェアの安全な取り外し、データの高速消去、データの低速消去、データのダウンロード、データのアップロード、データの保存及びソフトウェアアプリケーションの実行から成るグループから選択される、請求項8から請求項12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
セントラルプロセッシングユニットは、前記ホストに前記自動実行アプリケーションをアップロードして、前記ホストに備えさせて、前記ユーザーインターフェースを前記ホストにおいて動作可能にする、請求項8から請求項13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
前記ポータブルデバイスはポータブルメモリデバイスである、請求項8から請求項14の何れかに記載の方法。
【請求項16】
前記ポータブルメモリデバイスはUSBフラッシュメモリデバイスである、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−543251(P2009−543251A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519413(P2009−519413)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000196
【国際公開番号】WO2008/008039
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(502158287)トレック・2000・インターナショナル・リミテッド (21)
【Fターム(参考)】