説明

ユーザ又はアプリケーション毎の記録空間の割当て

【課題】ビデオ記録システム又はマルチメディアシステムの記憶媒体における記憶空間を、複数の別個の分割部に分割するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】記憶媒体の各別個の分割部は、ビデオ記録システムの異なるユーザか、又は、マルチメディアシステムのアプリケーションに割当てられることが可能である。更に、システムは、一人のユーザ又は1つのアプリケーションだけに記憶空間が占有されることを無くすために、各分割部に記憶空間の量を調節可能に割当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ記録システムに関わり、より具体的には、ユーザが、システムの記憶媒体において利用可能な記憶空間を分割し、記憶空間の各分割部を様々な各ユーザに割当てることを可能にするビデオ記録システムに係る。
【0002】
本発明は更に、マルチメディアシステムに関わり、より具体的には、アプリケーションによってメモリを分割し、一部アプリケーションは、様々なユーザに対し更に分割(サブ分割)され得るマルチメディアシステムに係る。
【背景技術】
【0003】
パーソナルビデオ記録システム(PVR)及びデジタルビデオ記録システム(DVR)は、ユーザに、例えば、ハードディスクドライブといったメモリに、番組を記録することを可能にする。記憶可能な番組の量は、とりわけ、1)ハードディスクドライブのサイズ、及び2)行われる記録の品質に依存する。大勢の家族がいる家庭のうちの一人が、番組を記録する又は将来の番組を記録するためにタイマーを設定することによって大量にこの記憶空間を取り、他の家族が番組を記録する又は番組の記録を予定するための空間を十分に残さないときに、コンフリクトが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、このようなコンフリクトは、多数の10代の子供がいる家庭においてより問題となり得ることを認識している。更に、上述したようなコンフリクトは、特に、1つ以上のマルチメディアアプリケーションが、同一のメモリ記録空間を共有する場合に、マルチメディアシステム間でも発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、メモリ又は記憶空間を、各アプリケーションのための専用アプリケーション分割部に分割し、少なくとも1つのアプリケーション分割部が、各ユーザに割当てられるようそれぞれ適応される複数のサブ分割部に再分割されることを可能にするマルチメディアシステムを熟慮する。
【0006】
本発明は更に、PVR又はDVRの記録記憶空間の少なくとも一部が、別個の記憶空間の分割部に区分される又は分割されることを可能にするオンスクリーンユーザインタフェースを用いる手順を有するシステムを熟慮する。ここでは、各分割部は、各ユーザ又はアプリケーションのタイプによって、割当てられるか又は使用のために認可される。各別個の分割部における記憶空間の量は、アドミニストレータ又はユーザによって制御される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の方法を実行するために用いるセットアップオンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図2】本発明の方法を実行するために用いる分割オンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図3】本発明の方法を実行するために用いる分割部名前付けオンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図4】本発明の方法を実行するために用いる分割部サイジングオンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図5】本発明の方法を実行するために用いる分割部保護オンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図6】本発明の方法を実行するために用いる分割部共有オンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図7】別個の分割部を識別するメニュがオーバレイされた電子番組ガイドを示す図である。
【図8】本発明の空間分割システムを示す一般的なブロック図である。
【図9】本発明のマルチメディア娯楽システムを示す一般的なブロック図である。
【図10】本発明の方法を実行するために用いる分割部(メモリ)管理オンスクリーンユーザインタフェースを示す図である。
【図11】本発明の方法を実行するために用いる分割部(メモリ)管理オンスクリーンユーザインタフェースの別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の方法は、図1乃至6に関連して説明する。図1乃至6は、ユーザが本発明の方法を実行することを容易にするためのオンスクリーンユーザインタフェース10、20、40、60、70、及び80(以下、「OUI」と称する)である。「セットアップ手順」を行うユーザは、以下、「アドミニストレータ」と称し、それにより、記憶空間の分割部が割当てられるユーザとの如何なる混合を排除する。
【0009】
図1を参照するに、セットアップOUI10は、オンスクリーン表示ウィンドウ12と、番組のピクチャ・イン・ピクチャ表示のためのサブウィンドウ18を含む。セットアップOUI10は、ピクチャ・イン・ピクチャ表示のためのサブウィンドウ18を含むが、このようなサブウィンドウ18は任意選択的であり、省略され得る。セットアップOUI10は更に、システムのメモリ又は記憶媒体122(図8)における記録空間を分割するための手順を一般的に記述するテキストベースのメッセージ14も含む。更に、2つのバーチャルボタン、「セットアップ開始」ボタン16aと「中止」ボタン16bが設けられる。「中止」ボタン16bは、手順を中止する。「セットアップ開始」ボタン16aは、アドミニストレータを、次のOUI、即ち、分割OUI20に案内する。
【0010】
セットアップOUI10は、本発明の原理に従って、PVR又はDRV製品(システム110)のメニュシステム(図示せず)から、アドミニストレータによって、アクセス可能である。尚、本願明細書及び図面に記載するデータ入力は、バーチャルボタンか又はOUIのデータ入力制御部を介して入力され得、或いは、PVR又はDVR製品のメニュシステムを介して選択を行う又は入力するために用いられる遠隔制御器(図示せず)を用いて入力され得る。
【0011】
図2を参照するに、分割OUI20は、アドミニストレータに、メモリ又は記憶媒体122に(N)個の別個の分割部を確立することを可能にする。例えば、別個の分割部の数(N)は、番組を記録する家庭内に存在するユーザの数に応じ得る。しかし、各別個の分割部は、別個の分割部が、ユーザグループによって用いられる、又は、家庭全体で共通であるよう一人以上のユーザに指定され得る。従って、ここでのユーザは、一人であってもグループである場合もある。
【0012】
メモリ又は記憶媒体122内に作成されるべき別個の分割部の数(N)は、図2のオンスクリーン表示ウィンドウ22内にあるバーチャルプラスアイコン24a又はマイナスアイコン24bを選択することによって入力される。バーチャルプラスアイコン24aを選択することによって、数フィールド28にある数が増加する。その一方で、バーチャルマイナスアイコン24bを選択することによって、数フィールド28にある数を減少する。図示するように、数フィールド28は、2桁のための2つの位置を含む。或いは、アドミニストレータは、Nを入力するために遠隔制御器上の数字キーを用いることも可能である。
【0013】
図2の例示的な実施例では、N=4は、メモリ又は記憶媒体122が、4つの別個の分割部に分割されることを示す。従って、4人のユーザが、以下に詳細に説明するように、それぞれの分割部において番組を記録することが認可される。分割OUI20は更に、バーチャルボタン、「セットアップ続行」ボタン26aと「セットアップ中止」ボタン26bを含む。「セットアップ中止」ボタン26bは、手順と中止する。「セットアップ続行」ボタン26aは、アドミニストレータを、次のOUI、即ち、分割部名前付けOUI40に案内する。
【0014】
図3を参照するに、分割部名前付けOUI40は、アドミニストレータに、ユーザの名前又は他の名称を用いることによって、オンスクリーン表示ウィンドウ42内のN個の分割部名前付け又はラベル付けデータ入力フィールド44、44、…、44を介して、各別個の分割部にラベル付けすることを可能にする。分割部名前付けOUI40は、各別個の分割部にユーザ名又は他の名称をラベル付けする又は割当てるために英数字を入力するためのバーチャルキーパッド50を含む。或いは、アドミニストレータは、名前を入力するために遠隔キーボード、又は、英数字タッチパッドを有する遠隔制御器も用い得る。更に、グラフィカルアイコンといった予め記憶されたラベルも、各ユーザに対し関連付け得る。
【0015】
例えば、4が、分割OUI20において識別される別個の分割部数である場合、4つのラベル付けデータ入力フィールド44、44、…、44が、分割部の名前又はラベルを入力するために表示される。更に、セットアップ時に、分割部名前付けOUI40は、「ユーザ1」、「ユーザ2」、「ユーザ3」、及び「ユーザ4」といったデフォルトのラベルを与え得、それにより、アドミニストレータが、この段階(名前付け段階)を省略し、処理をスピードアップすることが可能である。
【0016】
バーチャルキーパッド50は、一組のアルファベットキー52と、一組の数字キー54と、クリアキー56と、バックスペースキー58と、スペースキー59を含む。分割部名前付けOUI40は更に、2つのバーチャルボタン、「セットアップ続行」ボタン46aと、「セットアップ中止」ボタン46bを含む。「セットアップ中止」ボタン46bは、手順を中止する。「セットアップ続行」ボタン46bは、アドミニストレータを、次のOUI、即ち、分割部サイジングOUI60(図4)に案内し、ここでは、アドミニストレータは、各別個の分割部に、メモリ又は記憶媒体122の割合を割当てるよう求められ得る。
【0017】
図4を参照するに、システム110は、各別個の分割部に、メモリ又は記憶媒体122のデフォルトの割合を自動的に割当て得る。4つの別個の分割部のそれぞれに割当てられるデフォルトの割合は、25%の割合で均等に分割される。各別個の分割部に対するメモリ又は記憶媒体122の割合は、オンスクリーン表示ウィンドウ62内のバーチャルプラス又はマイナスアイコンのN個の対64、64、…、64のうちの1つを選択することによって変えられる。対64のプラスアイコンを選択すると、「スコット」の分割部のための数のフィールド68の割合が増加する。その一方で、対64のマイナスアイコンを選択すると、「スコット」の分割部のための数のフィールド68の割合が減少する。図示するように、数のフィールド68は、二桁のために2つの位置を含む。従って、バーチャルプラス又はマイナスアイコンのN個の対64、64、…、64は、それぞれ、数のフィールド68、68、…、68における割合を制御する。更に、バーチャルプラス又はマイナスアイコンのN個の対64、64、…、64は、それらに関連付けられるラベル又はユーザ名を有し、このようなラベル又は名前は、分割部名前付けOUI40(図3)において入力されたか、又は、デフォルトのラベル又は名前のままにされる。或いは、アドミニストレータは、遠隔制御器上の数字キーを用いて、割合(%)値を入力することも可能である。
【0018】
分割部サイジングOUI60は更に、2つのバーチャルボタン、「セットアップ続行」ボタン66aと「セットアップ中止」ボタン66bを含む。「セットアップ中止」ボタン66bは、手順を中止する。「セットアップ続行」ボタン66aは、アドミニストレータを、次のOUI、即ち、分割部保護OUI70に案内し、ここでは、アドミニストレータは、メモリ又は記憶媒体122内の各別個の分割部に対し、パスワード保護を確立することができる。
【0019】
図5を参照するに、分割部保護OUI60は、アドミニストレータ、又は、各ユーザが、N個の別個の分割部に指定されるN個のパスワードデータ入力フィールド78、78、…、78に、個人的なパスワードを入力することを可能にする。N個のパスワードデータ入力フィールド78、78、…、78のそれぞれは、それらに関連付けられるラベル又はユーザ名を有し、そのようなラベル又は名前は、分割部名前付けOUI40(図3)において入力された。動作時において、記録要求が行われると、パスワードを、認可されたユーザによって入力し、それにより、非認可のユーザが、別のユーザに割当てられる記憶空間の分割部にアクセスすることを阻止すべきである。このことは、各ユーザが、記憶空間のそのユーザに割当てられた分割部のみにアクセスを有することを確実にする。セットアップ時に、アドミニストレータは、指定されたユーザのそれぞれに対しパスワードを入力することができ、次に、そのパスワードを、適切なユーザに与えることが可能である。
【0020】
尚、「記憶空間の分割部にアクセスする」ことは、記憶空間の分割部に記録する(記憶する)ことと、記憶空間の分割部に以前に記憶された記録を見ることの両方を包含する。
【0021】
N個のパスワードデータ入力フィールド78、78、…、78は、それぞれ、パスワードが正しく入力されたことを確認するためにパスワードを再入力するN個のパスワード確認データ入力フィールド79、79、…、79を有する。分割部保護OUI70は更に、バーチャルボタン、「セットアップ続行」ボタン76aと「セットアップ中止」ボタン76bを含む。「セットアップ中止」ボタン76bは、手順を中止する。「セットアップ続行」ボタン76aは、アドミニストレータが、次のOUI、即ち、図6に示す分割部共有OUI80に続けることを可能にする。この例示的な実施例では、N個のパスワードデータ入力フィールド78、78、…、78は、続けるために埋められる必要はない、即ち、強制ではない。従って、パスワードが入力されるこの段階を省略するためには、アドミニストレータは、単に「セットアップ続行」ボタン76aを選択するだけで、次のOUI、即ち、分割部共有OUI80に移動する。
【0022】
本発明の別の面では、システム110は、ユーザは、当該のユーザに割当てられた記憶空間に記録された番組のみを視聴することができるよう実施され得る。別の実施例では、ユーザは、当該のユーザの割当て空間において記録された番組が、例えば、各ユーザの嗜好プロファイルといった特定の設定に依存して、他のユーザによって共有される又は共有されないよう選択を行うことが可能である。
【0023】
図6を参照するに、分割部共有OUI80を示す。分割部共有OUI80は、例えば、「スコット」、「アンソニー」、「ユーザ3」、及び「ユーザ4」といったユーザ名でそれぞれラベル付けされるN個の別個の分割部のリスト82を含む。各分割部ラベルにはそれぞれ、Yes列84aとNo列84bに配置される一対のボタンが関連付けられる。アドミニストレータは、ユーザに割当てられた特定の分割部に記録された番組を、他のユーザと共有すべきか否か、Yes/Noボタン選択で示す。
【0024】
分割部共有OUI80は更に、2つのバーチャルボタン、「セットアップ終了」ボタン86aと「セットアップ中止」ボタン86bを含む。「セットアップ中止」ボタン86bは、手順を中止する。「セットアップ終了」ボタン86aは、メモリ又は記憶媒体122を分割するためのセットアップ手順を終了する。
【0025】
本発明のシステム110の記録動作を以下に説明する。図7を参照するに、オーバレイされた記録選択メニュ94を有する電子番組ガイド(EPG)90を示す。EPG90は、1.5時間の時間セグメント又はウィンドウを表示する時間スケジュール横列96を含む。この例示的な実施例では、時間ウィンドウは、8PMウィンドウと、8:30PMウィンドウと、9PMウィンドウを含む。EPG90は更に、一連のチャネル番号とそれぞれのチャンネル名を示すチャネル識別縦列98を含む。EPG90は、複数のタイトルセル100を与え、各セルは、時間スケジュール横列96によって示される対応される時間と、チャネル識別縦列98によって示される対応するチャネルにマッピングされる所定の番組を識別する番組名が関連付けられる。タイトルセル100のうちの1つをハイライトすることによって、番組情報104が、表示スクリーン92の上部に表示される。表示スクリーン92は、更に、ピクチャ・イン・ピクチャ表示のためのサブウィンドウ108を含む。
【0026】
この例示的な実施例では、「3rd Rock From…」なる番組名を有するタイトルセルがハイライトされている。タイトルセルがハイライトされると、「3rd Rock From…」に関連付けられる番組情報104が表示され、また、番組情報104は、チャンネル名、チャネル番号、日付、時間等を含む。ユーザが、ハイライトされたタイトルセルの番組を記録することを選択すると、記録選択メニュ94が、EPG90上にオーバレイされ、ラベル付けされた又は名前が付けられた別個の分割部のリスト94aを表示する。好適な実施例では、記録選択メニュ94は、記録される番組名も表示する。
【0027】
記録するために、ユーザは、EPG90のハイライトされた番組セルを選択する。その後、記録選択メニュ94が、EPG90上にオーバレイされ、「スコットへ記録」上の第1のハイライトを示す。メニュ94のセルのうちの1つをハイライトすることによって、選択された分割部名又はラベルが識別される。従って、記録された番組は、選択された分割部の記憶に記録される。
【0028】
セットアップ手順において確立されたように、別個の分割部は、「スコット」、「アンソニー」、「ユーザ3」、及び「ユーザ4」と名前が付けられる。リスト94aにリストされる別個の分割部のうちの1つをハイライトすることによって、選択された記録される予定番組は、リスト94aから選択された割当てられた分割部に記録される。
【0029】
この好適な実施例では、ユーザが、番組を記録する分割部を選択すると、パスワードデータ入力スクリーン又はウィンドウ(図示せず)が、EPG90上に出現し、それにより、ユーザは、必要な場合には、選択された分割部に対するパスワードを入力することが可能となる。
【0030】
ユーザが、以前に記録された何かを見ることを決定すると、一般的に、記録されたイベントをリストにするPVR又はDVRメニュシステムがある。この例示的な実施例では、記録された番組のPVR又はDVRメニュシステムが表示される前に、ユーザによって選択されるためのプロファイル/分割部のリストが表示され得る。アドミニストレータが、選択した分割部は他のユーザと記録されたイベントを共有しないと示してあった場合、パスワードデータ入力スクリーン又はウィンドウが、指定の分割部に対するパスワードを入力するよう提示され得る。或いは、共有するよう設定されていないユーザは、最初のスクリーンに表示されない。
【0031】
図8を参照するに、本発明を実行するために用いるビデオ記録システム110の1つの例示的なブロック図を示す。ビデオ記録システム110は、予定番組の時間及びチャネル番号を識別する予定番組情報を、アナログ又はデジタルソースから受信するよう適応される受信器112を含む。受信器112は、受信器112から出力される受信信号を符号化するMPEGエンコーダ114に結合される。MPEG114は、メモリ制御器116に結合される。メモリ制御器116は、MPEGデコーダ118に結合される。MPEGデコーダ118は、表示エンコーダ120に結合される。表示エンコーダ120は、テレビジョンのような表示装置(図示せず)に信号を送信する。
【0032】
オンスクリーンユーザインタフェース10、20、40、60、70、及び80(図1乃至6)は、システム110によって形成され、表示装置上に表示される。更に、システム110は、CPU124を含む。メモリ制御器116は、更に、記録された予定番組を記憶するためのメモリ又は記憶媒体122に結合される。メモリ又は記憶媒体122は、ハードディスクドライブ又は他のメモリ媒体であり得る。周知であるように、システム110は、上述したような方法で処理、フォーマット化、及び機能するためには特定の量のメモリを必要とする。メモリ又は記憶媒体122は、一般的に、2つのメモリのカテゴリを含む。即ち、1)システム動作のためと、2)専用番組記録記憶である。分割され、また、再分割されるのは、番組記録記憶である。従って、番組記録記憶の100パーセントが分割され再分割される。
【0033】
図9を参照するに、本発明の1つの例示的なマルチメディアシステム200を示す。マルチメディアシステム200は、TV202、MP3音楽204、ビデオゲーム206、デジタル静止画208、及びデータ210といった様々なアプリケーション/装置をサポートする。マルチメディアシステム200は、中央処理演算ユニット(CPU)212と、分割可能なハードドライブメモリ216と、メモリ制御器214を有する。CPU212は、ハードドライブメモリ216と協働して動作し、様々なマルチメディアアプリケーションを選択的に行う。マルチメディアシステム200は、一度に少なくとも1つのマルチメディアアプリケーションを行うよう設計される。従って、少なくとも2つのマルチメディアアプリケーションが、同時に、動作中であり得る。記録を有するテレビジョン(TV)202、MP3音楽204、ビデオゲーム206、デジタル静止画208、及びデータ210といったアプリケーション/装置は、家庭又は建物における様々な場所にある、又は、娯楽システムと同じ部屋にあるスタンドアロンの装置であり得る。尚、マルチメディアシステム200は、CPU212、メモリ制御器214、分割可能なハードドライブメモリ216、及び、ケーブル又は衛生テレビジョンサービス、MP3プレーヤ、ビデオゲーム装置、デジタルカメラ、及び/又は、デジタルメモリカード、ビデオカムコーダ及びコンピュータに接続するための様々なポート、プラグ、又はドライブを有するセットトップユニット218を含み得る。
【0034】
1つのアプリケーション/装置及び複数のユーザが、ハードドライブメモリ216の利用可能な容量を要求する又は占有することを阻止するために、ハードドライブメモリ216は、複数の専用アプリケーションメモリ分割部222、224、226、228、及び230に分割されるよう適応される。しかし、分割部222、224、226、228、及び230は、特定のアプリケーションの消費及び残りのメモリに基づいて、適宜再構成されることが可能である。この例示的な実施例では、分割部222は、TV記録アプリケーション分割部であり、分割部224は、MP3音楽アプリケーション分割部であり、分割部226は、ビデオゲームアプリケーション分割部であり、分割部228は、デジタル画像アプリケーション分割部であり、分割部230は、データアプリケーション分割部である。
【0035】
図10も参照するに、メモリ管理OUI240を示す。メモリ216は構成されることが可能であるので、各構成を説明するための様々な方法は禁止される。従って、以下の説明は、例示目的に過ぎない。分割可能なハードドライブメモリ216は、例えば、60ギガバイトである。専用アプリケーション分割部は、分割部リスト242におけるアプリケーションによってラベル付けされる。各分割部ラベルは、メモリの割合を入力するためのメモリ割当てデータ入力フィールド244が関連付けられる。最初は、システム200は、各専用アプリケーション分割部222、224、226、228、及び230に、デフォルトの割合を自動的に割当て得る。
【0036】
「他のデータ」アプリケーション分割部230は、N人のユーザのためにN個のサブ分割部232、234、236、及び238に再分割される。この例示的な実施例では、サブ分割部232、234、236、及び238のデフォルトの割合は、4%である。図示するように「他のデータ」アプリケーション分割部230には、16%が割当てられている。アプリケーション分割部230の割合は、関連付けられるバーチャルプラス又はマイナスアイコン246のうち1つを選択することによって変えることができる。対のプラスアイコンを選択すると、データ入力フィールド244における割合が増加する。その一方で、対246のマイナスアイコンを選択すると、データ入力フィールド244における数を減少する。或いは、アドミニストレータは、遠隔制御器上の数字キーも用いて、割合(%)を入力することもできる。
【0037】
この例示的な実施例では、サブ分割部232、242、236、及び238のデフォルトの割合は、「他のデータ」アプリケーション分割部230のデフォルトの割合の約1/Nである。従って、「他のデータ」アプリケーション分割部230の割合割当てを調節することによって、サブ分割部の割合が調節される。
【0038】
各割合割当てデータ入力フィールド244の割当てカラムに関連付けられるのは、各専用アプリケーション分割部222、224、226、228、及び230と、サブ分割部232、234、236、及び238で使用されたメモリ量を識別する使用済み割合カラムである。図示するように、使用済みフィールド250は、二桁のための2つの位置を有する。
【0039】
この例示的な実施例では、メモリ216は、以下のように分割される。即ち、70%が、TVビデオ記録アプリケーション分割部222に与えられ、10%が、ビデオゲームアプリケーション分割部226に与えられ、2%が、MP3音楽アプリケーション分割部224に与えられ、2%が、デジタル画像アプリケーション分割部228に与えられ、そして、16%が、「他のデータ」アプリケーション分割部230に与えられる。「他のデータ」アプリケーション分割部230では、サブ分割部は、パスワードによって保護され、図1乃至6に関連して説明した実施例に従ってラベル付けされる。従って、「スコット」のサブ分割部は、4%のメモリを有し、「アンソニー」のサブ分割部は、4%のメモリを有し、「ユーザ3」のサブ分割部は、4%のメモリを有し、そして、「ユーザ4」のサブ分割部は、4%のメモリを有する。この実施例では、サブ分割部232、234、236、238、及び、240は、音楽、静止画像、ビデオゲーム、データ、並びに記録されたビデオを、パスワードによって保護されたメモリ空間内に記憶するよう用いることが可能である。
【0040】
分割部保護OUI60(図5)を、プライバシーのためにサブ分割部232、234、236、238、及び240をパスワードによって保護するために用いることができる。更に、図1乃至6に関連して説明したセットアップ手順を、サブ分割部を確立するために用いることができる。
【0041】
図10のメモリ管理OUI240は、メモリがどのように分割され且つ活用されたのかを表示する。メモリ分割部の管理には、最新の記録のためのメモリ空間を作成するために、最も古い記録を削除することも含む。MP3音楽及び静止画像といった他の領域のために、メモリ管理は、より高い優先順位を有する情報のための空間を作るために個々のファイルを手動で削除及びアーカイブすることを可能にする。メモリ管理は、新しいアプリケーション又は新しいユーザが追加されると、メモリの割当てを迅速に変更するよう機能する。
【0042】
セットアップ時に、アドミニストレータは、各アプリケーションに対しどのように最良にメモリを分割するかに関して指令され得る。例えば、一般的に、10倍のメモリがTVビデオを記録するためには必要であり、というのは、ビデオは、基本的に多くのメモリを消費するからである。従って、マルチメディアシステム200は、各アプリケーション分割部に対しメモリのデフォルト量を自動的に割当て得る。
【0043】
図11を参照するに、メモリ管理OUI260の別の実施例を示す。ここでは、ユーザは、ランクデータ入力フィールド270において、優先順位にアプリケーションをランク付けることが可能である。この例示的な実施例では、ランク付けレンジは、1乃至10であり、ただし、10は、最も頻繁に用いられるアプリケーションであり、1は、最も少なく用いられるアプリケーションである。従って、このランク付けに基づいて、特定のアプリケーション分割部に対するデフォルトメモリ割当ては、高い優先順位を有するものに対しては増加し、低い優先順位を有するものに対しては減少することが可能である。
【0044】
別の実施例では、マルチメディアシステム200は、アプリケーションの活動又は使用をモニタリングする。モニタリングした活動又は使用に基づいて、マルチメディアシステム200は、最も頻繁に用いられるアプリケーション分割部により多くのメモリを、次第に割当てる。
【0045】
この例示的な実施例は、TV、MP3プレーヤ、ビデオゲーム装置等を有する装置を説明するが、本発明は、ネットワーク化される他の装置にも適用可能である。従って、ネットワーク化された装置は、セットトップユニット218に接続され、セットトップユニット218は、全体の記憶容量が共有されるよう複数のネットワーク化された装置間の記憶容量を管理する。例えば、セットトップユニット218は、ネットワークサーバ内に組み込まれ得る。従って、頻繁に使用される装置には、あまり使用されない装置より多くのメモリが割当てられることが可能である。
【0046】
更に、各ネットワーク化された装置は、複数のアプリケーションをサポートし、メモリは、アプリケーションによって分割され得る。
【0047】
本発明の多数の変更及び代替の実施例が、上述した説明を鑑みて、当業者には明らかであろう。従って、この説明は、例示的に過ぎず、本発明を実行する最良の様態を当業者に教える目的を有する。構造の詳細は、本発明の精神から逸脱することなくかなり変更されることが可能であり、特許請求の範囲である全ての変更の排他的な使用は保護される。
【符号の説明】
【0048】
10 セットアップOUI
12 オンスクリーン表示ウィンドウ
16a 「セットアップ開始」ボタン
16b 「中止」ボタン
18 サブウィンドウ
20 分割OUI
22 オンスクリーン表示ウィンドウ
24a バーチャルプラスアイコン
24b マイナスアイコン
26a 「セットアップ続行」ボタン
26b セットアップ中止」ボタン
28 数フィールド
40 分割部名前付けOUI
50 バーチャルキーパッド
52 一組のアルファベットキー
54 一組の数字キー
56 クリアキー
58 バックスペースキー
59 スペースキー
60 分割部サイジングOUI
62 オンスクリーン表示ウィンドウ
66a 「セットアップ続行」ボタン
66b 「セットアップ中止」ボタン
80 分割部共有OUI
86a ボタン
86b 「セットアップ中止」ボタン
90 電子番組ガイド(EPG)
92 表示スクリーン
94 記録選択メニュ
96 時間スケジュール横列
98 チャネル識別縦列
100 タイトルセル
104 番組情報
108 サブウィンドウ
110 システム
112 受信器
114 MPEG
116 メモリ制御器
118 MPEGデコーダ
120 表示エンコーダ
122 メモリ又は記憶媒体
200 マルチメディアシステム
202 TV
204 MP3音楽
206 ビデオゲーム
208 デジタル静止画
210 データ
212 中央処理演算ユニット(CPU)
214 メモリ制御器
216 ハードドライブメモリ
218 セットトップユニット
240 メモリ管理OUI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶空間と、
前記記憶空間を制御するために前記記憶空間に結合される制御器と、
を有し、
前記制御器は、ユーザからの要求に応答して前記記憶空間を少なくとも3つの別個の分割部に分割し、前記少なくとも3つの別個の分割部の各々は、異なるタイプのアプリケーションについてのデータを記録するように割当てられ、前記少なくとも3つの別個の分割部の各々の相対的な大きさはユーザにより調節可能であり、前記別個の分割部の一は複数の別個の副分割部に副分割され、前記複数の別個の副分割部の各々は異なるユーザに割当てられる、
記録システム。
【請求項2】
前記少なくとも3つの別個の分割部の各々の相対的な大きさは、オンスクリーンメニューによって割合が増加するように調節可能である請求項1記載のビデオ記録システム。
【請求項3】
前記異なるタイプのアプリケーションはテレビジョンアプリケーション、オーディオアプリケーション、ビデオゲームアプリケーション、ディジタルピクチャアプリケーション及びデータアプリケーションの少なくとも3つを含む請求項1記載のビデオ記録システム。
【請求項4】
前記データアプリケーションは前記複数の別個の副分割部に副分割される請求項3記載のビデオ記録システム。
【請求項5】
前記少なくとも3つの別個の副分割部の各々の相対的な大きさは、割合が増加するようにユーザにより調節可能である請求項1記載のビデオ記録システム。
【請求項6】
前記記録システムは、パーソナルビデオ記録システム(PVR)及びデジタル記録システム(DVR)の1つである請求項1記載のビデオ記録システム。
【請求項7】
装置を用いてマルチメディア情報を記録する方法であって、
前記装置のメモリを少なくとも3つの分割部に分割する段階;
前記少なくとも3つの分割部に前記マルチメディア情報を記録する段階であって、前記少なくとも3つの分割部の各々は異なるタイプのマルチメディアアプリケーションを記録し、前記少なくとも3つの分割部の各々の相対的な大きさはユーザにより調節可能である、段階;
前記少なくとも3つの分割部の一を複数の副分割部に副分割する段階;及び
前記少なくとも3つの分割部をそれぞれのユーザに割当てる段階;
を有する方法。
【請求項8】
前記少なくとも3つの分割部の各々の相対的な大きさは、オンスクリーンメニューによって割合が増加するように調節可能である請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記異なるタイプのマルチメディアアプリケーションはテレビジョンアプリケーション、オーディオアプリケーション、ビデオゲームアプリケーション、ディジタルピクチャアプリケーション及びデータアプリケーションの少なくとも3つを含む請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記データアプリケーションは前記複数の副分割部に副分割される請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記複数の副分割部の各々の相対的な大きさを割合が増加するように前記ユーザが調節することを可能にする段階を更に有する請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記マルチメディアアプリケーションの各々をランク付けする段階;
前記マルチメディアアプリケーションの前記ランク付けに基づいて、前記少なくとも3つの分割部の各々においてある量の記録空間を修正する段階;
を更に有する請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−45801(P2010−45801A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211000(P2009−211000)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【分割の表示】特願2003−568888(P2003−568888)の分割
【原出願日】平成15年2月10日(2003.2.10)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】