説明

ライザーフェアリング構造

【課題】水深方向を複数に分割されて取り付けられるライザーフェアリング構造が、隣接するフェアリング間に形成される隙間における流れの影響をなくすこと。
【解決手段】ライザーフェアリングFを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材10が、隣接するフェアリング部材10,10間に所定の隙間Wを形成した状態に並べてパイプPの外周に取り付けられているライザーフェアリング構造において、隙間Wが、フェアリング部材10の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材20により塞がれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば地球深部探査船、海洋石油生産設備、洋上式深層水取水管及び二酸化炭素海洋隔離等のライザーに適用されるライザーフェアリング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地球深部探査船、海洋石油生産設備、洋上式深層水取水管及び二酸化炭素海洋隔離の移動船方式(Moving Ship 方式)等においては、洋上のプラットフォームや船舶の下方に長いパイプを吊り下げることにより海底作業を行っている。このようなパイプはライザーとも呼ばれ、海底での作業に使用するため、その長さは数千mにも及ぶ場合がある。
このようなパイプ(ライザー)には、潮流のある海域で使用する場合、パイプに作用する流体抵抗を低減することや、パイプから発生するカルマン渦による過励振の防止を目的として、流線型、楕円形または長円形等の断面形状を有するカバー(フェアリング)を設置することが提案されている。なお、カルマン渦による過励振は、パイプの繰り返し振動となるため、疲労強度の面から好ましくない。(たとえば、特許文献1及び2参照)
【特許文献1】実開昭62−129486号公報
【特許文献2】特開昭62−90432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のフェアリング構造は、フェアリング自体がパイプの外周を回転できるようにすることで、潮流の方向に対して最も抵抗が小さくなる方向を向くようにしている。
また、フェアリングの水深方向を多数に分割して取り付けることで、水深方向の潮流方向が変化している場合であっても、各フェアリングの向きは水深に応じて異なる潮流方向を向くようになっている。
また、水深方向に長い可撓性のパイプは、潮流の影響を受けて緩やかに撓むため、隣接するフェアリング間に適当な間隔(隙間)を設けないと、フェアリングどうしが接触して破損に至る可能性がある。
【0004】
このようにしてパイプの長さ方向が多数に分割されたフェアリングは、フェアリング間に存在する隙間部分で流れに乱れを生じることとなる。このため、流れの乱れによる影響を受けたフェアリングは、抵抗低減効果の減少という問題が指摘されている。
このような抵抗低減効果の減少に対し、フェアリングの水深方向長さを増し、フェアリング設置範囲における隙間の割合を少なくすることが考えられる。しかし、このような対策は、各フェアリングの大きさが増すことから、パイプを海洋に設置した後、人手によりフェアリングを取り付ける作業が困難になるという問題を有している。すなわち、船舶や洋上プラットフォームでパイプにフェアリングを取り付ける作業において、人手により容易に取り扱いができるフェアリングの大きさには限界がある。また、大きなフェアリングは、船舶や洋上プラットフォームに仮置きする際、大きな面積を占有することになるため好ましくない。
【0005】
このような背景から、水深方向を複数に分割されてライザー(パイプ)に取り付けられるライザーフェアリング構造においては、隣接するフェアリング間に形成される隙間の影響をなくすことが望まれる。すなわち、隙間が有する従来の利点を維持し、隙間による抵抗低減効果の減少を低減するとともに、大きさが増すことを抑えて人手による取り扱いや占有面積の問題を解決したライザーフェアリング構造の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水深方向を複数に分割されて取り付けられるライザーフェアリングにおいて、隣接するフェアリング間に形成される隙間の影響をなくすことができるライザーフェアリング構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るライザーフェアリング構造(第1の態様)は、フェアリングを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材が、隣接する部材間に所定の隙間を形成した状態に並べてライザーの外周に取り付けられているライザーフェアリング構造において、前記隙間が、前記フェアリング部材の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材により塞がれていることを特徴とするものである。
【0007】
このようライザーフェアリング構造によれば、隙間がフェアリング部材の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材により塞がれているので、隣接するフェアリング間に形成される隙間の影響をなくすことができる。この場合のカバー部材は柔軟性を有しているので、ライザーの撓みに追従するなど、隙間が有する利点を維持することができる。
【0008】
上記の発明において、前記カバー部材は、前記フェアリングの抵抗低減断面形状において、少なくとも剥離点より下流側となる領域まで設けられていることが好ましく、これにより、カバー部材を最小にして隙間による流れの影響をなくすことができる。
【0009】
上記の発明において、前記カバー部材は、流れ方向下流側となる領域を水深方向に分割するスリットを備えていることが好ましく、これにより、ライザーの撓みに対する追従性を向上させることができる。
【0010】
上記の発明において、前記カバー部材は、隣接するフェアリング部材のいずれか一方にのみ固定されていることが好ましく、これにより、ライザーの撓みに対する追従性を向上させることができるとともに、カバー部材取付に要する作業時間を短縮できる。
【0011】
上記の発明において、前記カバー部材は、両端部を引っ張るばねの付勢により前記フェアリング部材の外周面に取り付けられていることが好ましく、これにより、カバー部材取付に要する作業時間を短縮することができる。
【0012】
本発明に係るライザーフェアリング構造(第2の態様)は、フェアリングを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材が、隣接する部材間に所定の隙間を形成した状態に並べてライザーの外周に取り付けられているライザーフェアリング構造において、前記隙間が、前記ライザーの外周を取り囲むようにして配設された内外圧均等の注水袋状部材により塞がれていることを特徴とするものである。
【0013】
このようなライザーフェアリング構造によれば、隙間がライザーの外周を取り囲むようにして配設された内外圧均等の注水袋状部材により塞がれているので、隣接するフェアリング間に形成される隙間の影響をなくすことができる。この場合の注水袋状部材は内外圧均等であるため、流れに対して最も抵抗が小さい形状に変形するとともに、ライザーの撓みに追従した変形も容易である。
【0014】
上記の発明において、前記袋状部材は、袋内から流出する方向の流れを阻止する逆止弁を有する注水口を備えていることが好ましく、これにより、注水袋状部材の内外圧均等状態を維持できる。
【発明の効果】
【0015】
上述した本発明によれば、水深方向を複数に分割されてライザー(パイプ)に取り付けられるライザーフェアリング構造において、カバー部材や注水袋状部材を取り付けることにより、隣接するフェアリング間に形成される隙間が流れを乱すことを抑制または防止することができる。従って、水深方向に異なる流れ方向やライザーの撓みに追従するという従来の隙間が有する利点を維持したままで、隙間による抵抗低減効果の減少を低減またはなくすことができる。また、フェアリング部材の大型化を抑制できるので、人手による取り扱いを容易にするとともに、占有面積が増すという問題も解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下では、本発明に係るライザーフェアリング構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。
ライザーフェアリングは、たとえば地球深部探査船、海洋石油生産設備、洋上式深層水取水管及び二酸化炭素海洋隔離等のライザー(以下、「パイプ」と呼ぶ)に取り付けられる流体抵抗の低減装置である。なお、通常の場合、パイプの素材には鋼材が使用され、ライザーフェアリングの素材には繊維強化プラスチック(FRP)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が使用されている。
【0017】
図9は、ライザーフェアリング(以下、「フェアリング」と省略する)が取り付けられるパイプの一例として、移動船方式の二酸化炭素海洋隔離を示している。この移動船方式は、航走船舶Sで移動しながら海洋の中深層(水深Dが1500〜2500m程度)へ二酸化炭素の液体を溶解希釈する方式であり、航走船舶Sから長尺のパイプ(ライザー)Pを用いて所定海域の中深層まで二酸化炭素を送り込み、放出ノズルNから液滴の状態で放流する。
このようなパイプPには、海水の流体抵抗を低減するため、以下に説明するフェアリングが取り付けられる。
【0018】
図1に示すフェアリングFは、潮流等の流体流れ方向における抵抗が小さくなる断面形状(流線形、楕円形、長円形等)を有し、フェアリングFを構成する各フェアリング部材10がパイプPの外周を回転できるようになっている。すなわち、フェアリング部材10は、パイプPの外周に対して回転自在となるように取り付けられているので、潮流等の流体抵抗に対し、最も抵抗の小さい方向を自動的に向くことができる。また、フェアリングFのフェアリング部材10は、水深方向を多数に分割した状態に取り付けられており、水深方向において潮流の方向が変化している場合であっても、各フェアリング部材10の向きは水深に応じて異なる潮流方向を向くことができる。
【0019】
<第1の実施形態>
上述したライザーフェアリング構造において、フェアリングFを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材10が、隣接するフェアリング部材10,10間に所定の隙間Wを形成した状態に並べて、パイプ(ライザー)Pの外周に対して回転自在に取り付けられている。そして、上述した隙間Wについては、フェアリング部材10の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材20により塞がれている。この場合、柔軟性(可撓性)を有するカバー部材20としては、たとえばゴムシートやビニールシート等のシート状部材が好ましい。
【0020】
カバー部材20は、たとえば図2に示すように、矩形帯状の柔軟性部材を湾曲させて隣接するフェアリング部材10,10間の隙間Wを塞ぐように巻き付けられる。この後、カバー部材20は、水深方向の両端部が隣接するフェアリング部材10,10に対してボルト11等により固定さる。図示の例では、隣接するフェアリング部材10,10間の隙間Wを塞ぐようにして、フェアリング部材10の全周に巻き付けられている。
このように構成されたライザーフェアリング構造によれば、隙間Wがフェアリング部材10の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材20により塞がれたことにより、隣接するフェアリング10,10間に形成されていた隙間Wは実質的になくなったことになる。この結果、フェアリングFが受ける潮流等の流れに対し、隙間Wの影響をなくすことができるので、フェアリングFの流体に対する抵抗低減効果は大きくなる。
【0021】
また、この場合のカバー部材20は柔軟性を有しているので、潮流方向の変化に対するフェアリング部材10の回転や、回転長尺となるパイプPの撓みに追従することができ、従って、従来の隙間Wが有している利点をそのまま維持することができる。
また、カバー部材20は、ボルト11等により固定する構造のため、取り扱いや船内での設置も容易になる。特に、カバー部材20は、フェアリング部材10より小さな形状となるので、船上やプラットフォーム上に重ね置きすることができるので、仮置きに要するスペースを小さくすることができる。
【0022】
図3は、上述したライザーフェアリング構造の第1変形例を示しており、この場合のカバー部材20は、隣接するフェアリング部材10,10のいずれか一方にのみ固定されている。
図3の構成例では、水深方向において水面側のフェアリング10にのみボルト固定されているので、フェアリング部材10の回転やパイプPの撓みに対する追従性がより一層向上するとともに、カバー部材20の取付に必要となる作業時間を短縮することもできる。この場合、フェアリング部材10に対する固定がないカバー部材20側においても、フェアリング部材10を覆うことで隙間Wを塞ぎ、しかも、カバー部材自体の弾性や潮流の影響を受けて、フェアリング部材10の表面から剥がれにくくなっている。
【0023】
また、この変形例では、隙間Wが変化しても、カバー部材20の上下及び左右方向に対し、圧縮や引っ張りの無理な力が作用しにくくなる。
なお、この場合のカバー部材20は、水深方向において海底側となるフェアリング10にのみボルト固定されてもよい。
【0024】
図4は、上述したライザーフェアリング構造の第2変形例を示しており、この場合のカバー部材20Aは、流れ方向下流側となる領域を水深方向に分割するスリット21を備えている。このスリット21は、矩形帯状のカバー部材20Aに対し、短辺方向の中心付近に両端部から切り込みを入れたものである。このようなスリット21を有するカバー部材20Aは、1枚のカバー部材により隙間Wを十分に塞ぐとともに、潮流方向の変化に対するフェアリング部材10の回転や、パイプPの撓みに対する追従性をより一層向上させることができる。
なお、このようなカバー部材20Aは、隣接するフェアリング部材10,10の少なくとも一方にボルト11で固定すればよい。
【0025】
図5及び図6は、上述したライザーフェアリング構造の第3変形例を示しており、この場合のカバー部材20Bは、両端部を引っ張るばね22の付勢によりフェアリング部材10の外周面に密着した状態に取り付けられている。すなわち、上述したボルト11等による固定ではなく、ばね22によりカバー部材20Bを引っ張ってフェアリング部材10の外周面に密着させている。
図示のカバー部材20Bは、両端部にパイプや棒材等の剛体部23を設けておき、この剛体部23に取り付けたフック24をばね22により連結して締め付けるように構成されている。
【0026】
このようなカバー部材20Bは、ボルト固定による取付と比較して、カバー部材取付に要する作業時間を短縮することができる。図示の例では、水深方向に上下一対のばね22を使用しているが、これに限定されることはない。
なお、カバー部材20Bを取り付ける際には、フェアリング部材10の断面形状において、流れ方向の下流側をばね22により連結することになる。
【0027】
ところで、上述した実施形態では、隙間Wを塞ぐカバー部材20,20A,20Bの取付が、フェアリング部材10の全周をカバーするように巻き付けられるものとしたが、フェアリングFの抵抗低減断面形状において、少なくとも剥離点より下流側となる領域までをカバーして設けられていればよい。すなわち、カバー部材20,20A,20Bは、流れ方向において上流側から少なくとも剥離点までをカバーするように設けることで、隙間Wによる流れの影響をなくすという目的を達成することができるため、カバー部材使用量を最小にしてカバー部材取付の目的を達成することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
本発明に係るライザーフェアリング構造について、隙間Wが内外圧均等の注水袋状部材により塞がれている第2の実施形態を図7に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のライザーフェアリング構造は、フェアリングFを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材10が、隣接するフェアリング部材10,10間に所定の隙間Wを形成した状態に並べてパイプPの外周に取り付けられている。そして、隙間Wについては、パイプPの外周を取り囲むようにして配設された内外圧均等の注水袋状部材30により塞がれている。この注水袋状部材30は、隙間Wの形状に合わせてビニール等で制作される。
【0029】
図示の注水袋状部材30は、パイプPを通す貫通口31を備え、かつ、パイプPへの取付時に使用する分離部32を備えた略C字形状とされ、本体適所には注水口33が設けられている。また、図示の注水袋状部材30は、水深方向の上下が対称となるように二分割された構造とされる。なお、図示の注入袋状部材30は、流れの乱れを抑えるため、流れ方向の上流側に曲面部34を備えている。
また、上述した注水袋状部材30を内外圧均等とする具体的な手段として、たとえば図8に示すように、注水袋状部材30の注水口33に逆止弁35が設けられている。この逆止弁35は、注水袋状部材30内から流出する方向の流れを阻止するように取り付けられている。
【0030】
このように構成された注水袋状部材30は、船上において注水口32から海水を注入することで内外圧均等となる内部の弾性を調整し、海水により膨らませた状態で隙間Wに取り付けられる。このとき、パイプPは、分離部32を通り抜けることで所定位置の貫通口31に到達する。
この結果、フェアリング部材10,10間の隙間Wは注水袋状部材30により塞がれ、適度な弾性を有する注水袋状部材30は流れに沿って形状が変化する。すなわち、注水袋状部材30は、内外圧が均等であるため僅かな力を受けても変形するので、潮流に対する抵抗が最も小さい形状となるよう自然に変形する。従って、パイプPが撓んでフェアリング部材10,10間の隙間Wが変化しても、潮流に対して最も抵抗が小さい形状に変形して隙間Wを覆うことができる。
【0031】
また、上下のフェアリング部材10が潮流方向に対応して方向転換する際にも、内外圧均等の注水袋状部材30は容易に変形して妨げとなることはない。さらに、上下のフェアリング部材10が向きを変えて異なる方向を向いた場合でも、内外圧均等の注水袋状部材30は容易に変形して最も抵抗の小さい形状となる。
また、逆止弁35を備えた注水袋状部材30は、図8(a)に示すように、船上での注水時や深海で外圧が作用する場合は逆止弁35が開くので、外部から袋内に注水されて内外圧が保たれる。しかし、逆止弁35を備えた注水袋状部材30は、図8(b)に示すように、変形による押圧力が作用した場合、逆止弁35を閉じて内部の海水が外部に流出することはない。
【0032】
このようなライザーフェアリング構造によれば、隙間WがパイプPの外周を取り囲むようにして配設された内外圧均等の注水袋状部材30により塞がれているので、隣接するフェアリング部材10,10間に形成される隙間Wの影響をなくすことができる。この場合の注水袋状部材30は内外圧均等であるため、流れに対して最も抵抗が小さい形状に変形するとともに、パイプPの撓みに追従した変形も容易である。
ところで、上述した実施形態では、注水袋状部材30を二分割構造としたが、隙間Wに1つの注水袋状部材を取り付ける構造としてもよい。
また、注水袋状部材30については、上述した着脱式に限定されることはなく、二分割構造の場合はフェアリング部材10の両端に、一体構造の場合はフェアリング部材10の一端に、それぞれ固定されたものでもよい。
【0033】
上述した本発明のライザーフェアリング構造によれば、水深方向を複数に分割されてパイプPに取り付けられるフェアリング部材10,10間の隙間Wにカバー部材20や注水袋状部材30を取り付けることにより、隙間Wが流れを乱すことを抑制または防止することができる。従って、水深方向に異なる流れ方向やパイプPの撓みに追従するという従来の隙間が有する利点を維持したままで、隙間Wによる抵抗低減効果の減少を防止または抑制することができる。また、フェアリング部材10の大型化を抑制できるので、人手による取り扱いを容易にするとともに、積載及び搬送時等における船上の占有面積が増すという問題も解決できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るライザーフェアリング構造について、第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示したカバー部材の取付手順を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る第1変形例を示す正面図である。
【図4】第1の実施形態に係る第2変形例を示す図で、(a)は正面図、(b)はカバー部材の取付手順を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る第3変形例を示す図で、流れ方向の下流側から見た図である。
【図6】図5に示したカバー部材の取付手順を示す説明図で、(a)は取付前の状態図、(b)は取付完了後の状態図である。
【図7】本発明に係るライザーフェアリング構造について、第2の実施形態を示す正面図である。
【図8】第2の実施形態における逆止弁の作用を示す説明図で、(a)は注水時の状態図、(b)は外圧作用時の状態図である。
【図9】ライザーフェアリングの使用例として、移動船方式による二酸化炭素海洋隔離を示している。
【符号の説明】
【0035】
10 フェアリング部材
20,20A,20B カバー部材
21 スリット
22 ばね
30 注入袋状部材
35 逆止弁
F ライザーフェアリング
P パイプ(ライザー)
W 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェアリングを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材が、隣接する部材間に所定の隙間を形成した状態に並べてライザーの外周に取り付けられているライザーフェアリング構造において、
前記隙間が、前記フェアリング部材の外周面に取り付けた柔軟性を有するカバー部材により塞がれていることを特徴とするライザーフェアリング構造。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記フェアリングの抵抗低減断面形状において、少なくとも剥離点より下流側となる領域まで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のライザーフェアリング構造。
【請求項3】
前記カバー部材は、流れ方向下流側となる領域を水深方向に分割するスリットを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のライザーフェアリング構造。
【請求項4】
前記カバー部材は、隣接するフェアリング部材のいずれか一方にのみ固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のライザーフェアリング構造。
【請求項5】
前記カバー部材は、両端部を引っ張るばねの付勢により前記フェアリング部材の外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のライザーフェアリング構造。
【請求項6】
フェアリングを水深方向に分割してなる複数のフェアリング部材が、隣接する部材間に所定の隙間を形成した状態に並べてライザーの外周に取り付けられているライザーフェアリング構造において、
前記隙間が、前記ライザーの外周を取り囲むようにして配設された内外圧均等の注水袋状部材により塞がれていることを特徴とするライザーフェアリング構造。
【請求項7】
前記袋状部材は、袋内から流出する方向の流れを阻止する逆止弁を有する注水口を備えていることを特徴とする請求項6に記載のライザーフェアリング構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−7434(P2010−7434A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171499(P2008−171499)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】