説明

ライセンス管理システム、ライセンス管理装置、ライセンス管理方法およびプログラム

【課題】多種多様なソフトウェアを企業内の多数の部門等のグループで使用している場合においても、ソフトウェアのライセンス管理を容易に行うこと。
【解決手段】ライセンス管理サーバ20は、部門のPCで使用されているソフトウェアのライセンス利用情報83をPC資産管理DB30から取得する取得部21と、ライセンス利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外リスト81に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去する除去処理部22と、除去処理後のライセンス利用情報とライセンス保有情報82を全社ライセンス管理DB40に保存するライセンス登録部23とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンス管理システム、ライセンス管理装置、ライセンス管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PCで使用するソフトウェアには、使用許諾のためのライセンスを取得することが定められているソフトウェアがある。このようなソフトウェアは、種類や数が多く、ソフトウェア毎にライセンスが適正に取得されていることを管理するためには、計数の容易化が必要である。
【0003】
そこで、例えば、特許第4121344号公報(特許文献1)には、管理用のコンピュータを用いて、購入したライセンスの数と、使用しているソフトウェアの数とを計数管理するライセンス管理装置等の発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ソフトウェアには、使用の際にライセンスを必要とする有償ソフトウェアの他、使用にあたりライセンスを必要としないフリーソフトウェアあるいはシェアウェア等の形態がある。また、すでに管理部門側で集中購買し、包括ライセンスを有するためライセンス管理を必要としないソフトウェア等の形態もある。
【0005】
このため、従来技術において、購入したライセンスの数と、使用しているソフトウェアの数とを計数管理をする場合、使用にあたりライセンスを必要としないあるいはライセンス管理を必要としないソフトウェアのライセンス管理までも行わなければならず、またこのようなソフトウェアは多数存在するため、ライセンス管理が煩雑となり、適切なライセンス管理を行うことが困難となる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多種多様なソフトウェアを企業内の多数の部門等のグループで使用している場合においても、ソフトウェアのライセンス管理を容易に行うことができるライセンス管理システム、ライセンス管理装置、ライセンス管理方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるライセンス管理システムは、資産管理記憶手段と、ライセンス管理記憶手段と、ライセンス収集装置と、ライセンス管理装置とを備えたライセンス管理システムであって、前記ライセンス収集装置は、1または複数の情報処理装置から、前記情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を受信する利用情報取得手段と、取得した前記利用情報を前記資産管理記憶手段に保存する利用情報登録手段と、を備え、前記ライセンス管理装置は、前記資産管理記憶手段から前記利用情報を取得する取得手段と、取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去する除去処理手段と、除去処理後の前記利用情報を前記ライセンス管理記憶手段に保存するライセンス登録手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明にかかるライセンス管理装置は、1または複数の情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を記憶する資産管理記憶手段から、前記利用情報を取得する取得手段と、取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去する除去処理手段と、除去処理後の前記利用情報をライセンス管理記憶手段に保存するライセンス登録手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるライセンス管理方法は、資産管理記憶手段と、ライセンス管理記憶手段と、ライセンス収集装置と、ライセンス管理装置とを備えたライセンス管理システムで実行されるライセンス管理方法であって、前記ライセンス収集装置が、1または複数の情報処理装置から、前記情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を受信するステップと、前記ライセンス収集装置が、取得した前記利用情報を前記資産管理記憶手段に保存するステップと、前記ライセンス管理装置が、前記資産管理記憶手段から前記利用情報を取得するステップと、前記ライセンス管理装置が、取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去するステップと、前記ライセンス管理装置が、除去処理後の前記利用情報を前記ライセンス管理記憶手段に保存するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるプログラムは、1または複数の情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を記憶する資産管記憶手段から、前記利用情報を取得するステップと、取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去するステップと、除去処理後の前記利用情報をライセンス管理記憶手段に保存するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多種多様なソフトウェアを企業内の多数の部門等のグループで使用している場合においても、ソフトウェアのライセンス管理を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施の形態のライセンス管理システムの構成図である。
【図2】図2は、ライセンス利用情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、ライセンス証憑情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、対象外リストの一例を示す説明図である。
【図5】図5は、ライセンス保有情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、全社ライセンス管理DBに登録されたライセンス情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、SQLサーバとライセンス管理サーバとによるライセンス管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、PCで表示された照合結果の一例を示す模式図である。
【図9】図9は、本実施の形態の変形例のライセンス管理システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるライセンス管理システム、ライセンス管理装置、ライセンス管理方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態のライセンス管理システムの構成図である。図1では、一つの企業内のグループとして、部門と管理本部のそれぞれにおける構成を示している。
【0015】
部門のグループでは、複数のPC(Personal Computer)61,62,91,92がLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されている。なお、図1では、部門は単一のみ示されているが、複数の部門が存在する。
【0016】
管理本部のグループには、ライセンス収集装置としてのSQLサーバ10と、ライセンス管理装置としてのライセンス管理サーバ20と、PC資産管理データベース30(以下、「PC資産管理DB30」という。)と、全社ライセンス管理データベース40(以下、「全社ライセンス管理DB40」という。)と、証憑データベース50(以下、「証憑DB50」)とを備えている。これらは、それぞれLAN等のネットワークで接続されているとともに、部門内のPC61,62,91,92ともネットワークで接続されている。
【0017】
SQLサーバ10は、各部門のPC61から、ライセンス利用情報83を受信し、PC資産管理DB30へ保存するサーバ装置である。SQLサーバ10は、図1に示すように、利用情報取得部11と、利用情報登録部12とを備えている。利用情報取得部11は、PC61、62から、PC61、62が属する部門を識別するための部門コードと、ライセンス利用情報83とを受信するSQLエージェントである。利用情報登録部12は、受信したライセンス利用情報83を、PC61,62が属する部門の部門コードに対応づけてPC資産管理DB30に保存する。
【0018】
PC資産管理DB30は、このように、部門コードとライセンス利用情報83とが対応づけて登録されたデータベースであり、HDD(ハードディスクドライブ装置)等の記憶媒体に記憶されている。
【0019】
ライセンス利用情報83は、PC61、62で使用しているソフトウェアのライセンスに関する情報である。図2は、ライセンス利用情報83のデータ構造の一例を示す説明図である。ライセンス利用情報83は、図2に示すように、ソフトウェア名と、ソフトウェアを使用している部門の部門コードと、利用しているPCの一覧である利用PCリストとその台帳へのリンク(台帳リンク)と、ソフトウェアのライセンス形態の種類(包括ライセンスや個別ライセンス等)であるライセンス形態種別と、ライセンス証憑情報とを含んでいる。このようなライセンス利用情報83は、部門で使用しているソフトウェアごとに登録される。
【0020】
ライセンス利用情報83は、利用PCリストを含み、かつPC資産管理DB30に登録されるため、ソフトウェアおよびライセンスがどのPCにインストールされているかというソフトウェアの所在を容易に追跡することが可能となる。
【0021】
ライセンス証憑情報は、ライセンス証書等の情報を示すものである。図3は、ライセンス証憑情報のデータ構造の一例を示す説明図である。図3に示すように、ライセンス証憑情報は、ライセンス証書と、ソフトウェアのプロダクトコードとを含んでいる。なお、このライセンス証憑情報は、証憑DB50に登録される。
【0022】
図1に戻り、ライセンス管理サーバ20は、ライセンス情報を管理するサーバ装置である。具体的には、ライセンス管理サーバ20は、図1に示すように、取得部21と、除去処理部22と、照合部24と、表示処理部25と、ライセンス登録部23とを主に備えている。
【0023】
取得部21は、PC資産管理DB30から、部門コードごとにライセンス利用情報83を読み出す。
【0024】
図1に戻り、ライセンス管理サーバ20の除去処理部22は、取得部21で取得たライセンス利用情報83から、対象外リスト81に登録されたソフトウェアの情報を除去したライセンス利用情報を生成する。除去処理部22は、このような管理対象外のソフトウェアの除去処理を、PC資産管理DB30に登録されたすべてのライセンス利用情報83に対して行う。
【0025】
対象外リスト81は、全社ライセンス管理DB40にライセンス情報を登録する際に、管理対象外のソフトウェアの一覧が登録されたリストである。このような管理対象外のソフトウェアとしては、例えば、フリーウェアやシェアウェア等の無償ソフトウェア、すでに管理本部側で全部門で使用対象として集中購買された包括ライセンスを有するためライセンス管理の必要のないソフトウェア等が該当する。対象リスト81は、予めユーザからの申請により提出されて、提出された対象リストはデータ化されてHDD等の記憶媒体に保存されている。なお、対象リスト81は、部門内のPC61,62,91,92等から受信するように構成してもよい。図4は、対象外リスト81のデータ構造の一例を示す説明図である。
【0026】
図4に示すように、対象外リスト81には、ソフトウェア名と、管理対象外の有無の情報と、一括管理ソフトウェアと同ソフトウェアか否かの情報と、管理必須ソフトウェアか否かの情報とがソフトウェアごとに登録されている。この対象外リストにおいて、管理対象外の有無の情報に「○」が登録されているソフトウェアが、ライセンス管理サーバ20によるライセンス管理を行わないソフトウェア、すなわち、全社ライセンス管理DB40にライセンス情報を登録しないソフトウェアとなる。管理対象外の有無の情報には、対象外とする理由も登録可能となっている(不図示)。
【0027】
一括管理ソフトと同ソフトウェアか否かの情報は、すでに管理本部側で全部門で使用対象として集中購買された包括契約により一括管理を行うことが不要なライセンスか否かを示すものであり、一括管理ソフトと同ソフトウェアか否かの情報に「○」が登録されている場合に、当該ソフトウェアが包括契約によるライセンスであり、全社ライセンス管理DB40にライセンス情報を登録しないことを意味する。包括契約によるライセンスである場合には、図4に示すように、さらに、判別キーとして、ソフトウェアの種類と一括管理が不要な旨がプロダクトIDとともに登録される。
【0028】
管理必須ソフトウェアであるか否かの情報は、監査対象など、管理を重点的に行いたいソフトウェアか否かを示すものである。管理必須ソフトウェアであるか否かの情報に「○」が登録されている場合に管理を重点的に行いたいソフトウェアであることを意味する。
【0029】
ライセンス登録部23は、除去処理部22により対象外リスト81に登録されたソフトウェアの情報が除去されたライセンス利用情報からライセンス証憑情報を抽出し、抽出されたライセンス証憑情報を証憑DB50に登録する。そして、ライセンス登録部23は、証憑DB50に登録されたライセンス証憑情報のアドレスを、ライセンス保有情報82に登録する。そして、ライセンス登録部23は、この予め全社ライセンス管理DB40に保存されているライセンス保有情報82と、ライセンス保有情報82の部門コードと同一の部門コードのライセンス利用情報83と、当該部門コードとを対応づけてライセンス情報を生成し、生成されたライセンス情報を全社ライセンス管理DB40に登録する。
【0030】
ライセンス登録部23は、このようなライセンス情報の全社ライセンス管理DB40への登録を、除去処理が行われたすべてのライセンス利用情報と、予め全社ライセンス管理DB40に保存されているすべてのライセンス保有情報82とに対して行う。
【0031】
ここで、ライセンス保有情報82とは、各部門で保有している(使用しているとは限らない)ソフトウェアのライセンスに関する情報である。図5は、ライセンス保有情報82のデータ構造の一例を示す説明図である。図5に示すように、ライセンス保有情報82は、部門コードと、その部門コードの部門で保有しているソフトウェアのソフトウェア名と、当該ソフトウェアのライセンスの保有本数と、ライセンス証憑情報のアドレスとを含んでいる。このようなライセンス保有情報82は、ユーザがPC92等により、部門で保有しているソフトウェアごとに全社ライセンス管理DB40に登録され、ライセンス登録部23により、上述のように、ライセンス証憑情報のアドレスが登録される。
【0032】
全社ライセンス管理DB40は、複数の部門からなる会社全体で保有、利用するソフトウェアの管理を行うためのデータベースである。図6は、全社ライセンス管理DB40に登録されたライセンス情報のデータ構造の一例を示す説明図である。全社ライセンス管理DB40には、上述のとおり、部門コードと、ライセンス利用情報と、ライセンス保有情報82とを対応づけたライセンス情報が登録されている。全社ライセンス管理DB40は、HDD等の記憶媒体に保存されている。
【0033】
図1に戻り、証憑DB50は、ソフトウェアのライセンス証憑情報を管理するためのデータベースであり、図3に示したライセンス証憑情報が登録され、全社ライセンス管理DB40に登録されたライセンス情報の中のライセンス利用情報においてリンクされる。証憑DB50は、HDD等の記憶媒体に保存されている。
【0034】
ライセンス管理サーバ20の照合部24は、全社ライセンス管理DB40に登録されているすべてのライセンス情報に対して、部門コードごとに、各ソフトウェアに対するライセンス利用情報とライセンス保有情報82とを比較し、各ソフトウェアのライセンスの利用数、各ソフトウェアのライセンスの保有数を照合結果として求める。各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数をメモリ等の記憶媒体に保存される。また、照合部24は、照合処理として、PC61,62,91,92等からの要求により、部門ごとの各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数の差分である過不足数を求める。
【0035】
表示処理部25は、PC61,62,91,92等からの要求により、部門ごとの各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数、過不足数等の情報を、各PC61,62,91,92等に送信して表示する。
【0036】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるライセンス管理処理について説明する。図7は、SQLサーバ10とライセンス管理サーバ20とによるライセンス管理処理の手順を示すフローチャートである。
【0037】
なお、ユーザにより予めライセンス保有情報82が全社ライセンス管理DB40に登録されており、また、予めユーザから対象外リスト81が申請されており、ライセンス管理サーバ20で保持しているものとする。
【0038】
SQLサーバ10では、利用情報取得部11がPC61,62からライセンス利用情報83を受信する(ステップS13)。そして、SQLサーバ10では、利用情報登録部12が受信したライセンス利用情報83を部門コードと対応づけてPC資産管理DB30に登録する(ステップS14)。
【0039】
次に、ライセンス管理サーバ20では、取得部21が、PC資産管理DB30からライセンス利用情報83を受信する(ステップS15)。そして、除去処理部22は、予めユーザにより申請された対象外リスト81に登録されたソフトウェアを、ステップS15で取得したライセンス利用情報83から除去する除去処理を行う(ステップS16)。
【0040】
次に、ライセンス管理サーバ20では、ライセンス登録部23が、全社ライセンス管理DB40に予め保存されているライセンス保有情報82に、除去処理が行われたライセンス利用情報と、部門コードとを対応づけてライセンス情報を生成し、このライセンス情報を全社ライセンス管理DB40に登録する(ステップS17)。
【0041】
次に、ライセンス管理サーバ20では、照合部24は、全社ライセンス管理DB40に登録されているすべてのライセンス情報に対して、部門コードごとに、各ソフトウェアに対するライセンス利用情報とライセンス保有情報82とを比較し、各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数を求める照合処理を行う(ステップS18)。
【0042】
このようなステップS13からS18までの処理は、例えば、1日1回等、定期的に実行される。
【0043】
そして、PC61,62,91,92等からの要求により、照合部24は、各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数からその差分である過不足数を求め、表示処理部25は、各PC61,62,91,92等に対して、照合結果である部門ごとの各ソフトウェアのライセンスの利用数、保有数、過不足数等の情報を表示させる表示処理を行う(ステップS19)。
【0044】
図8は、PC61,62,91,92で表示された照合結果の一例を示す模式図である。かかる画面例において任意のソフトウェアをクリックすると、ソフトウェアの詳細な情報が表示され、さらに、ライセンス証憑情報の内容も表示される。
【0045】
この表示画面には、全社レベル、部門レベルごとに、ソフトウェアごとのライセンスの保有数、利用数、過不足数が一目でわかるように表示される。また、ライセンス管理サーバ20側で、過不足が予想される部門を検出し、部門のライセンスの保有者のPCに警告を送信することも可能となる。
【0046】
このように本実施の形態では、管理対象外のソフトウェアをライセンス利用情報から除外して全社ライセンス管理DB40にライセンス情報として登録するため、フリーソフトウェアやシェアウェア等のライセンス管理が不要なソフトウェアを多数の部門で使用していた場合でも、ソフトウェアのライセンス管理を容易に行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態では、部門ごとに、各ソフトウェアに対してライセンス利用情報とライセンス保有情報82とを比較して、利用数、保有数、全社におけるライセンスの過不足数を求めて各PCに表示するので、各部門のユーザは、自部門のソフトウェアのライセンス管理の情報を容易かつ適切に把握することができる。
【0048】
また、全社ライセンス管理DB40には、ライセンス利用情報およびライセンス保有情報82が部門コードと対応づけられているので、部門ごとにライセンスの管理状態を把握することができ、全社的なソフトウェアのライセンスの監査にも迅速に対応可能となる。
【0049】
なお、一つのソフトウェアを複数のPCで利用している場合、ライセンス管理サーバ20側で、当該ソフトウェアの複数のライセンス利用情報83をPC資産管理DB30から取得し、複数のライセンスを同一人物が1台目PC、2台目PCの区別を付けて利用をしている場合には、当該ソフトウェアの複数のライセンスを単一の1ライセンスとみなす処理を行うように構成することもできる。
【0050】
また、ソフトウェアの新規調達の要望が管理本部にあった場合に、この新規調達の要望をライセンスの過不足数と結びつけることもできる。この場合には、部門を越えて全社的な余剰ライセンスの転用、有効活用を行うことができる。
【0051】
また、本実施の形態では、SQLサーバ10が各部門からライセンス利用情報を取得してPC資産管理DB30に登録し、ライセンス管理サーバ20が、PC資産管理DB30からライセンス利用情報を取得して、除去処理をおこない、ライセンス情報の全社ライセンス管理DB40へ登録するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、各部門からのライセンス利用情報の取得とPC資産管理DB30への登録、PC資産管理DB30からのライセンス利用情報の取得、除去処理、ライセンス情報の全社ライセンス管理DB40への登録を、単一のSQLサーバで行うように構成することもできる。図9は、このような変形例のライセンス管理システムの構成図である。
【0052】
このような変形例では、図9に示すように、SQLサーバ910が、図1と同様の利用情報取得部911、利用情報登録部912を備える他、図1のライセンス管理サーバ20が備える取得部21、除去処理部22、照合部24、表示処理部25、ライセンス登録部23を備える構成とすればよい。ここで、利用情報取得部911、利用情報登録部912、取得部21、除去処理部22、照合部24、表示処理部25、ライセンス登録部23の機能は、図1の各部と同様である。
【0053】
なお、以上の実施の形態では、SQLサーバ10,910を用いたが、これに限定されるものではなく、各データベースからの情報取得、各データベースへの情報登録が可能な装置であればいずれの装置も用いることができる。
【0054】
本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0055】
本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20で実行されるライセンス管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0056】
また、本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20で実行されるライセンス管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20で実行されるライセンス管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0057】
また、本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20で実行されるライセンス管理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0058】
本実施の形態のSQLサーバ10,910、ライセンス管理サーバ20で実行されるライセンス管理プログラムは、上述した各部(利用情報取得部11,911、利用情報登録部12,912、取得部21、除去処理部22、照合部24、表示処理部25、ライセンス登録部23)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からライセンス管理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、利用情報取得部11,911、利用情報登録部12,912、取得部21、除去処理部22、照合部24、表示処理部25、ライセンス登録部23が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0059】
以上、発明を実施するための形態について説明を行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10,910 SQLサーバ
11,911 利用情報取得部
12,912 利用情報登録部
20 ライセンス管理サーバ
21 取得部
22 除去処理部
23 ライセンス登録部
24 照合部
25 表示処理部
81 対象外リスト
82 ライセンス保有情報
83 ライセンス利用情報
30 PC資産管理DB
40 全社ライセンス管理DB
50 証憑DB
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特許第4121344号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
資産管理記憶手段と、ライセンス管理記憶手段と、ライセンス収集装置と、ライセンス管理装置とを備えたライセンス管理システムであって、
前記ライセンス収集装置は、
1または複数の情報処理装置から、前記情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を受信する利用情報取得手段と、
取得した前記利用情報を前記資産管理記憶手段に保存する利用情報登録手段と、を備え、
前記ライセンス管理装置は、
前記資産管理記憶手段から前記利用情報を取得する取得手段と、
取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去する除去処理手段と、
除去処理後の前記利用情報を前記ライセンス管理記憶手段に保存するライセンス登録手段と、
を備えたことを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
1または複数の情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を記憶する資産管理記憶手段から、前記利用情報を取得する取得手段と、
取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去する除去処理手段と、
除去処理後の前記利用情報をライセンス管理記憶手段に保存するライセンス登録手段と、
を備えたことを特徴とするライセンス管理装置。
【請求項3】
前記対象外一覧には、無償ソフトウェアの情報が登録され、
前記除去処理手段は、取得した前記利用情報から、前記対象外一覧に登録された前記無償ソフトウェアのライセンス情報を除去することを特徴とする請求項2に記載のライセンス管理装置。
【請求項4】
前記対象外一覧には、すでに全グループで使用対象として集中購買されたソフトウェアの情報が登録され、
前記除去処理手段は、取得した前記利用情報から、前記対象外一覧に登録された前記集中購買されたソフトウェアのライセンス情報を除去することを特徴とする請求項2または3に記載のライセンス管理装置。
【請求項5】
前記資産管理記憶手段は、前記情報処理装置が属するグループを一意に識別するためのグループ識別情報と対応づけて前記利用情報を記憶し、
前記ライセンス管理記憶手段は、前記情報処理装置が属するグループで保有しているソフトウェアのライセンスの保有情報を前記グループ識別情報と対応づけて記憶し、
前記ライセンス登録手段は、前記利用情報に対応する前記グループ識別情報が同一の前記保有情報に、除去処理後の前記利用情報を対応づけて、前記ライセンス管理記憶手段に保存することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のライセンス管理装置。
【請求項6】
前記ライセンス管理記憶手段に記憶された前記利用情報と前記保有情報を、前記グループ識別情報ごとに照合し、照合結果として、ソフトウェアの利用数と保有数の差分である過不足数を求める照合手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載のライセンス管理装置。
【請求項7】
前記照合結果を前記情報処理装置に出力する出力手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載のライセンス管理装置。
【請求項8】
資産管理記憶手段と、ライセンス管理記憶手段と、ライセンス収集装置と、ライセンス管理装置とを備えたライセンス管理システムで実行されるライセンス管理方法であって、
前記ライセンス収集装置が、1または複数の情報処理装置から、前記情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を受信するステップと、
前記ライセンス収集装置が、取得した前記利用情報を前記資産管理記憶手段に保存するステップと、
前記ライセンス管理装置が、前記資産管理記憶手段から前記利用情報を取得するステップと、
前記ライセンス管理装置が、取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去するステップと、
前記ライセンス管理装置が、除去処理後の前記利用情報を前記ライセンス管理記憶手段に保存するステップと、
を含むことを特徴とするライセンス管理方法。
【請求項9】
1または複数の情報処理装置で使用されているソフトウェアのライセンスの利用情報を記憶する資産管理記憶手段から、前記利用情報を取得するステップと、
取得した前記利用情報から、管理対象外のソフトウェアの一覧である対象外一覧に登録されたソフトウェアのライセンス情報を除去するステップと、
除去処理後の前記利用情報をライセンス管理記憶手段に保存するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53744(P2012−53744A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196685(P2010−196685)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】