説明

ライセンス管理システム及びライセンス管理システムの制御方法

【課題】ソフトウェアのライセンスが失効中であってもデバイス情報を収集し、収集したデバイス情報を処理することのできるライセンス管理システムを提供する。
【解決手段】ライセンス管理システムは、クライアント、ライセンスサーバ、デバイスを有している。クライアントは、ライセンス失効期間T0であってもデバイス情報を収集する。クライアントは、ライセンスの有効期間T2が繰り上がるライセンスを取得する場合、ライセンス失効期間T0に収集していたデバイス情報に対してアクセスを許可する。クライアントは、集計期間とデバイス情報のアクセス許可から集計対象となるデバイス情報を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバがクライアントからのライセンスの発行要求に応じて当該クライアントに対しライセンスを発行するライセンス管理システム及びライセンス管理システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ソフトウェアのライセンスが失効すると、ユーザはそのソフトウェアを実行することができなくなり、また情報を処理することもできなくなる。特許文献1は、これらのことを防止するため、例えば、ライセンスの有効期限が迫ってくると、ユーザに対してメールでその有効期限を通知する技術を提案している。
【特許文献1】特開2003−157335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ライセンスの購入手続きの遅れやライセンスの発行システムの障害などによってソフトウェアのライセンスが一旦失効してしまうと、ライセンス失効以降の情報、例えば画像形成装置などのデバイスにかかわる情報は収集されない。そのため、デバイス情報の欠落が発生し、この欠落したデバイス情報を処理することができなくなるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、ソフトウェアのライセンスが失効中であってもデバイス情報を収集し、当該ライセンスの失効中に収集したデバイス情報を処理することのできるライセンス管理システムを提供することである。
【0005】
また、本発明の課題は、ソフトウェアのライセンスの失効中に収集されるデバイス情報に対する処理を可能にする、新規のライセンスを発行することのできるライセンス管理システム及びライセンス管理システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のライセンス管理システムは、クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、クライアントはサーバからソフトウェアのライセンスを取得するライセンス管理システムであって、クライアントは、ソフトウェアの現在のライセンスの失効中にデバイス情報を収集する収集手段と、現在のライセンスが失効しているソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを取得する取得手段と、取得手段が新規のライセンスを取得したことを条件に、ソフトウェアの現在のライセンスの失効中に収集手段が収集したデバイス情報に対しアクセスを許可する許可手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のライセンス管理システムにおいて、サーバは、ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に、クライアントからソフトウェアの新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する発行手段、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のライセンス管理システムの制御方法は、クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、サーバはクライアントに対しソフトウェアのライセンスを発行するライセンス管理システムの制御方法であって、ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に、クライアントからソフトウェアの新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する工程を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のライセンス管理システムの制御方法において、ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に、クライアントからソフトウェアの新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ソフトウェアのライセンスが失効中であってもデバイス情報を収集し、ライセンスの失効中に収集したデバイス情報を処理することができる。また、本発明によれば、ソフトウェアのライセンスの失効中に収集されるデバイス情報に対する処理を可能にさせる新規のライセンスを発行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
本願明細書において、ライセンスアクセス番号はライセンスごとに割り当てられる番号を示し、個体識別子はクライアントを一意に識別するための識別子を示す。以下、本発明のライセンス管理システムを、ライセンスを必要とするソフトウェアによりデバイス情報を処理するシステムに適用した例について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
(システム構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るライセンス管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0013】
第1実施形態に係るライセンス管理システム100は、情報処理装置であるクライアント101と、ライセンスサーバ102と、デバイス103,104を有している。ライセンス管理システム100において、クライアント101と、ライセンスサーバ102と、デバイス103,104とがネットワーク105などの通信回線を介して接続されている。ライセンスサーバ102は、クライアント101からのソフトウェアのライセンスの発行要求に応じて当該クライアント101に対し当該ソフトウェアのライセンスを発行する。クライアント101は、ライセンスサーバ102からソフトウェアのライセンスを取得する。
【0014】
図2は、クライアント101及びライセンスサーバ102のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、クライアント101及びライセンスサーバ102は、同様のハードウェア構成を有するため、以下、クライアント101の構成のみについて説明し、ライセンスサーバ102の構成に関する説明は省略する。
【0015】
クライアント101は、CPU(中央演算処理装置)201と、RAM(随時書き込み読み出しメモリ)202と、ROM(読み出し専用メモリ)103と、HD(ハードディスク)204とを備えている。クライアント101は、さらに表示部205と、キーボード206と、PD(ポインティングデバイス)207と、通信インタフェース(以下「通信I/F」という。)208を備えている。これらの構成要素201〜208は、システムバス209を介して相互に接続されている。
【0016】
クライアント101を制御する各種のコンピュータプログラムは、ROM203又はHD204に格納されている。CPU201は、キーボード206又はPD207からの指示に応じて、コンピュータプログラムをROM203もしくはHD204から読み出してRAM202に展開するとともに、RAM202に展開したプログラムに基づいて処理を実行する。コンピュータプログラムは、ライセンスやデバイス情報を管理するプログラムと、通信I/F208を介してライセンスサーバ102及びデバイス103,104との間でライセンスやデバイスなどの情報を送受信するプログラムを含む。
【0017】
図3は、デバイス103,104のハードウェア構成を示すブロック図である。デバイス103,104は、制御ユニット300と、操作部307と、スキャナ355と、プリンタ365を備えている。制御ユニット300は、スキャナ機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ送受信機能などの各種の機能を実行する。
【0018】
制御ユニット300は、スキャナ355やプリンタ365と接続されると共に、LAN(ローカルエリアネットワーク)311やWAN(公衆回線)341に接続されており、画像データを入力して加工し、その加工した画像データを出力する。
【0019】
制御ユニット300は、CPU301、RAM302、ROM303、HD304、イメージバスI/F305、操作部I/F306、ネットワークI/F310、デバイスI/F320、画像回転部330、画像圧縮・伸張部335を備えている。制御ユニット300は、さらにモデム340、RIP(ラスタイメージプロセッサ)345、スキャナ画像処理部350、プリンタ画像処理部360、暗号・復号処理部370、およびICカードスロット375を有している。
【0020】
制御ユニット300は、イメージバスI/F305を介して接続されたシステムバス308と画像バス309を有している。イメージバスI/F305は、データ構造を変換するバスブリッジとして機能する。画像バス309は、画像データを高速で転送するバスであり、例えばPCIバス又はIEEE1394の規格に準拠したバスで構成されている。
【0021】
システムバス308には、CPU301、RAM302、ROM303、HD304、操作部I/F306、ネットワークI/F310、モデム340、及びICカードスロット375が接続されている。
【0022】
CPU301は、RAM302に展開されたプログラムを実行することによりデバイス全体を制御する。この際、CPU301は、RAM302をワークエリアとして利用すると共に画像データを一次記憶するための画像メモリとしても利用する。ROM303には、HD304上のオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェアなどをRAM302に展開するためのブートプログラムが格納されている。なお、HD304には、画像データも格納される。
【0023】
操作部I/F306は、タッチパネルを有する操作部307とのインタフェース部であり、操作部307に表示する画像データを操作部307に出力すると共に、操作部307から入力されたデータをCPU301に転送する。ネットワークI/F310は、LAN311との間でデータの入出力を行う。モデム340は、WAN341との間でデータの入出力を行う。ICカードスロット375には、ICカードが装着される。
【0024】
画像バス309には、RIP(ラスタイメージプロセッサ)345、デバイスI/F320、スキャナ画像処理部350、プリンタ画像処理部360、画像回転部330、画像圧縮・伸張部335及び暗号・復号処理部370が接続されている。
【0025】
RIP345は、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)により記述されたコード(PDLコード)をビットマップイメージに展開する。デバイスI/F320は、スキャナ355やプリンタ365と制御ユニット300を接続し、画像データの同期系/非同期系の交換を行う。スキャナ画像処理部350は、入力された画像データに対して補正、加工、編集などの画像処理を施す。プリンタ画像処理部360は、プリンタ365により印刷されるべき画像データに対して、プリンタ365に応じた補正や解像度変換などの処理を施す。画像回転部330は、画像データの回転処理を行う。画像圧縮・伸張部335は、多値画像データについてはJPEG方式、2値画像データについてはJBIG、MMR、MHなどの方式で圧縮/伸張処理を行う。暗号・復号処理部370は、ICカードスロット375に装着されたICカード上の鍵を用いてデータの暗号・復号化処理を行う。
【0026】
図4aは、クライアント101のHD204またはROM203に格納されたライセンス管理システムの制御方法に関するプログラムの構成を示すブロック図である。ライセンス管理プログラム400は、ライセンスやデバイス情報を管理するコンピュータプログラムであり、具体的には、ラインセンスサーバ102と通信してライセンスの発行処理を行うとともに、デバイス情報を収集し、それに対して所定の処理を行う。管理プログラム400は、収集手段401と、取得手段402と、許可手段403と、処理手段404と、指定手段405とから構成されている。クライアント101のCPU201が上記管理制御プログラムを実行することにより、以下の収集手段、取得手段、許可手段、処理手段、および指定手段の各機能を実現する。
【0027】
収集手段401は、ソフトウェアにかかわる現在のライセンスの失効中にデバイス情報を収集する。取得手段402は、現在のライセンスが失効しているソフトウェアについて、有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを取得する。具体的には、取得手段402は、失効している現在のライセンスの有効期間の終了日から継続するように、その開始日を繰り上がった新規のライセンスを取得する。
【0028】
許可手段403は、取得手段402の機能により新規のライセンスを取得したことを条件に、上記収集手段の機能により収集されたデバイス情報に対しアクセスを許可する。処理手段404は、許可手段403によりアクセスが許可されたデバイス情報について所定の処理を実行する。この所定の処理としては、一例として、デバイス情報の抽出処理、デバイス情報の集計処理および表示処理がある。指定手段405は、新規のライセンスの発行要求のときに、その新規のライセンスの有効期間の開始日を指定する。
【0029】
図4bは、ライセンスサーバ102のHD204またはROM203に格納されたライセンス管理システムの制御方法に関するプログラムの構成を示すブロック図である。このライセンス管理プログラム450は、ライセンスの発行や発行済みのライセンスを管理する。ライセンス管理プログラム450は、ライセンスの発行手段451と、ライセンスの検索手段452とから構成されている。第1実施形態では、ライセンスサーバ102のCPU201がライセンス管理プログラムを実行することにより、以下の発行手段、および検索手段の各機能を実現する。
【0030】
発行手段451は、クライアントから送信され、ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する。検索手段452は、新規のライセンスの発行要求を行ったクライアントに対して、既に発行したライセンスをHD204などの記憶手段から検索する。記憶手段は、クライアントごとに、発行したライセンスと当該ライセンスを継続するか否かを示す継続可否情報とを格納している。
【0031】
図4cは、ライセンスの有効期間の繰り上げによる本発明の処理と従来技術の処理との差異を説明する図である。ここで、「現在のライセンス」を「前ライセンス」と定義し、また「新規のライセンス」を「新ライセンス」と定義し、これ以降の説明においては、これらの定義された用語を使用することとする。
【0032】
従来の場合は、図4cの(a)に示すように、ソフトウェアの前ライセンスの有効期間(開始日t1から終了日t2までの有効期間T1)が過ぎると前ライセンスは失効する。この結果、ライセンスの失効期間(有効期間T1の終了日t2の翌日から取得日t3の前日までの失効期間T0)が発生する。ライセンス失効後、ソフトウェアはデバイス情報の収集を行わない。その後、ソフトウェアが新ライセンスを取得すると(取得日t3において、開始日t3から終了日t5までの有効期間T2の新ライセンスを取得すると)、ソフトウェアは新ライセンスの発行時点(取得日t3)からデバイス情報の収集を開始する。したがって、ソフトウェアがデバイス情報を集計して表示する際、ライセンスの失効期間(失効期間T0)のデバイス情報については処理することができない。
【0033】
これに対し、本発明の(ライセンス有効期間を繰り上げる)場合は、図4cの(b)に示すように、ソフトウェア(例えば管理ソフトウェア)のライセンスの有効期間(開始日t1から終了日t2までの有効期間T1)が過ぎると前ライセンスは失効する。この結果、ライセンスの失効期間(終了日t2の翌日から取得日t3の前日までの失効期間T0)が発生する。しかし、ソフトウェアは、前ライセンスの失効後においても、バックグラウンド環境でデバイス情報の収集を続行する。
【0034】
その後、ソフトウェアが前ライセンスから継続となるように、新ライセンスの開始日を有効期間T1の終了日t2の翌日に遡って指定して新ライセンスを取得すると、新ライセンスの有効期間(有効期間T2の開始日)が繰り上がる。その結果、ライセンスの失効期間T0が存在しなかったことになる。これにより、ソフトウェアはライセンスの失効中(失効期間T0中)に収集していたデバイス情報に対してアクセスが可能となる。
【0035】
なお、ライセンスの失効期間のデバイス情報に対してはアクセスはできない。ソフトウェアがデバイス情報を集計して表示する際、有効期間の繰り上がった新ライセンスを取得したときは、ライセンスの失効期間が存在しなかったことになるので、ライセンスの失効期間のデバイス情報を処理することができる。
【0036】
図5は、管理ソフトウェアの購入からデバイス情報の表示までの処理の概要の一例を示す図である。
まず、ユーザは、管理ソフトウェアの商品を購入する。商品は、管理ソフトウェアのプログラムが格納されている記憶メディア501、例えばCD−ROMと、ソフトウェアをインストールするために必要なライセンスアクセス番号502とから構成されている。
【0037】
続いて、ユーザが、管理ソフトウェアをインストールする。すなわち、ユーザは記憶メディア501を使用して、管理ソフトウェアをクライアント101にインストールする。例えば、クライアント101において、CPU201が、記録メディア501に記憶されている管理ソフトウェアを、RAM202あるいはHD204にインストールする。
【0038】
続いて、ライセンスサーバ102が管理ソフトウェアのライセンスを発行する。ユーザは、クライアント101において、管理ソフトウェアのライセンスアクセス番号502を入力する。クライアント101はライセンスサーバ102に対してライセンス503を要求する。ライセンスサーバ102はライセンス503を作成し、クライアント101へ送信する。クライアント101はライセンス503を受信する。
【0039】
その後、クライアント101は、デバイス情報を収集する。クライアント101は、管理ソフトウェアのライセンス503を取得すると、バックグラウンド環境でデバイス情報504の収集を開始する。デバイス情報504にはデバイス使用履歴(例えば、使用日時、使用部署、使用者、デバイス、コピー枚数、プリント枚数など)やデバイス障害履歴などがある。クライアント101はデバイス103に対してデバイス情報504を要求する。デバイス103はデバイス情報504を作成し、クライアント101へ送信する。クライアント101はデバイス情報504を受信する。
【0040】
クライアント101は、デバイス情報を集計して表示する。ユーザは、クライアント101でデバイス情報の集計方法を入力する。クライアント101は集計方法に従って、該当するデバイス情報を抽出し、抽出したデバイス情報を集計し、集計結果505を表示する。集計結果505は、2007年の1月から6月までの間にデバイス103においてコピー枚数とプリント枚数を集計した一例である。
【0041】
図6は、ライセンスサーバ102で使用される管理テーブルを示す図である。この管理テーブルには、商品テーブル601、ライセンスアクセス番号テーブル602およびライセンステーブル603が含まれている。この管理テーブルはRAM202あるいはHD204に記憶される。
【0042】
商品テーブル601はソフトウェアの商品構成を管理するために使用され、商品、ソフトウェア、ライセンス権利数、及びライセンス期間の各情報を保有している。ライセンスアクセス番号テーブル602は、商品とライセンスアクセス番号との対応付けを管理するために使用され、商品、ライセンスアクセス番号、及びライセンス発行数の各情報を保有している。ライセンステーブル603はライセンスを管理するために使用され、ライセンスID、ライセンスアクセス番号、個体識別子、ソフトウェア、ライセンスの開始日、及びライセンスの終了日の各情報を保有している。
【0043】
図7は、クライアント101で使用される管理テーブルを示す図である。この管理テーブルには、ソフトウェアテーブル701、ライセンステーブル702およびデバイス情報テーブル703が含まれている。この管理テーブルはRAM202あるいはHD204に記憶される。ソフトウェアテーブル701はソフトウェアのライセンス状況を管理するために使用され、ソフトウェア、現ライセンスID、収集期限、及び収集終了日の各情報を保有している。ライセンステーブル702はライセンスを管理するために使用され、ライセンスID、ライセンスアクセス番号、ソフトウェア、ライセンスの開始日、及びライセンスの終了日の各情報を保有している。デバイス情報テーブル703は収集したデバイス情報を管理するために使用され、ソフトウェア、収集日、デバイス情報のファイル名、及びアクセス許可状態の各情報を保有している。
【0044】
(ライセンスの発行処理)
図8は、ライセンスの発行処理の処理手順を示すフローチャートである。以下に、本フローチャートを用いてライセンスの発行処理を説明する。このライセンス発行処理は、CPU201がHD204またはRAM202に格納されている図4aおよび図4bに示す構成のプログラム400、450をROM203にロードして実行することによって、行われる。
【0045】
ステップS801において、ユーザがクライアント101に新ライセンスのライセンスアクセス番号を入力すると、クライアント101はライセンスアクセス番号をライセンスサーバ102へ送信する。
【0046】
ステップS802において、クライアント101は、自身のクライアント101の個体識別子を取得し、ライセンスサーバ102へ送信する。
ステップS803において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル602にクライアント101からのライセンスアクセス番号が登録されているかを調べ、ライセンスアクセス番号の正否を判定する。ライセンスサーバ102で処理は、ステップS803において、上記ライセンスアクセス番号が登録されていると判定した場合にはステップS804へ進む。一方、上記ライセンスアクセス番号が登録されていないと判定した場合、処理は終了する。
【0047】
ステップS804において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、商品テーブル601とライセンスアクセス番号テーブル602を使用して、ライセンスアクセス番号から該当のライセンス発行数とライセンス権利数を取得する。すなわち、検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル602から、上記ライセンスアクセス番号を基にライセンス発行数を取得する。また、検索手段452は商品テーブル601から、ライセンスアクセス番号テーブル602における上記ライセンスアクセス番号に対応する商品と同じ商品を基にライセンス権利数を取得する。
【0048】
そして、ライセンスサーバ102の検索手段452は、「ライセンス発行数<ライセンス権利数」であるかを調べ、ライセンス発行の可否を判定する。「ライセンス発行数<ライセンス権利数」の関係式が成立する場合、検索手段452はライセンス発行が可であると判定し、処理はステップS805へ進む。一方、当該関係式が成立しない場合、検索手段452はライセンス発行が不可であると判定し、処理は終了する。
【0049】
ステップS805において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、商品テーブル601とライセンスアクセス番号テーブル602を使用して、ライセンスアクセス番号から該当するソフトウェアを取得する。すなわち、検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル602からライセンスアクセス番号に対応する商品を検索するとともに、商品テーブル601から前記検索した商品と同じ商品を検索し、さらに検索した商品に対応するソフトウェアを取得する。
【0050】
次に、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ライセンステーブル603において、受信した個体識別子と取得したソフトウェアをキーとして前ライセンスのライセンスIDを検索する。そして、検索手段452は、このライセンスIDに対応する前ライセンスの情報つまり開始日および終了日を取得する。なお、検索手段452は、複数のライセンスが該当する場合は一番新しいライセンスを選択する。
【0051】
そして、ライセンスサーバ102における処理は、上記個体識別子と上記ソフトウェアをキーとした検索により前ライセンスが存在する場合にはステップS806へ進み、一方、前ライセンスが存在しない場合はステップS808へ進む。
ステップS806において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ステップS805で取得した前ライセンスの終了日をクライアント101へ送信する。
【0052】
ステップS807において、クライアント101の指定手段405は、ステップS806で送信されたライセンスサーバ102からの前ライセンスの終了日を受信し、この前ライセンスの終了日を提示する。そして、クライアント101の取得手段403は、新ライセンスの開始日の入力を受け付け、入力された新ライセンスの開始日をライセンスサーバ102へ送信する。ステップS807が終了した後、処理はステップS809へ移行する。
【0053】
ステップS808において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの開始日にライセンスの発行処理の実行日をセットし、その後、ステップS809へ進む。
ステップS809において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、商品テーブル601とライセンスアクセス番号テーブル602を使用して、ライセンスアクセス番号からライセンス期間を取得する。すなわち、ライセンスサーバ102は、ライセンスアクセス番号テーブル602から、上記ライセンスアクセス番号に対応する商品を検索し、また商品テーブル601から、前記検索した商品と同じ商品に対応するライセンス期間を取得する。
【0054】
次に、ライセンスサーバ102の発行手段451は、ステップS807で送信されたクライアント101からの新ライセンスの開始日、又はステップS808で設定した新ライセンスの開始日と、取得したライセンス期間とから新ライセンスの終了日を計算する。
ステップS810において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンス(ライセンスID、開始日、終了日)を作成し、クライアント101へ送信する。また、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの情報(ライセンスID、ライセンスアクセス番号、個体識別子、ソフトウェア、開始日、終了日)をライセンステーブル603に追加する。また、発行手段451は、ライセンスアクセス番号テーブル602において上記ライセンスアクセス番号に対応するライセンス発行数に1を加算する。
【0055】
ステップS811において、クライアント101の取得手段402は、ステップS810でライセンスサーバ102から送信された新ライセンス(ライセンスID、開始日、終了日)を受信する。そして、クライアント101の取得手段402、該受信した新ライセンスの情報(ライセンスID、ライセンスアクセス番号、ソフトウェア、開始日、終了日)をライセンステーブル702に追加する。
【0056】
また、クライアント101の取得手段402は、ソフトウェアテーブル701において、新ライセンスにかかわるソフトウェアをキーとして新ライセンスのソフトウェア情報(現ライセンスID、収集期間、収集終了日)を検索する。
次に、クライアント101の取得手段402は、新ライセンスのソフトウェアをキーとした検索によりソフトウェア情報が存在する場合は、ソフトウェアテーブル701において、該当の現ライセンスID、ライセンス状態、及び収集期限を自動的に更新する。ここで、クライアント101の取得手段402は、現ライセンスIDに新ライセンスのライセンスIDを、また収集期限に「新ライセンスの終了日から3ヵ月後の日」をそれぞれセットする。
【0057】
一方、クライアント101の取得手段402は、上記受信した新ライセンスにかかわるソフトウェアをキーとした検索によりソフトウェア情報が存在しない場合は、新ライセンスのソフトウェア情報をソフトウェアテーブル701に追加する。ここで、追加するソフトウェア情報の内容は、ソフトウェア=「新ライセンスのソフトウェア」、現ライセンスID=「新ライセンスのライセンスID」、収集期限=「新ライセンスの終了日から3ヵ月後の日」、収集終了日=「0000-00-00」とする。
【0058】
ステップS812において、クライアント101の許可手段404は、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」であるかを調べ、アクセスの許可対象となるデバイス情報の有無を判定する。
クライアント101に許可手段404は、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」の関係式が成立する場合は、デバイス情報テーブル703において、収集日が新ライセンスの開始日から収集終了日までの間にあるデバイス情報を抽出する。ここで、抽出されるデバイス情報とは、デバイス情報テーブル703のファイル名の項目に対応して登録されているファイル名である。許可手段404は、抽出したデバイス情報(ファイル名)に対応するアクセス許可状態に「許可」をセットする。
一方、クライアント101は、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」の関係式が成立しない場合は、本処理を終了する。
【0059】
(デバイス情報の収集処理)
図9は、そのデバイス情報の収集処理の処理手順を示すフローチャートである。以下、本フローチャートを用いてデバイス情報の収集処理を説明する。
【0060】
ステップS901において、クライアント101の収集手段401は、ソフトウェアテーブル701にソフトウェア「管理ソフトウェア」が登録されているかを調べ、この管理ソフトウェアの収集処理の実行可否を判定する。クライアント101の処理は、ソフトウェア「管理ソフトウェア」が登録されていると判定した場合にはステップS902へ進み、一方、ソフトウェア「管理ソフトウェア」が登録されていないと判定した場合は本処理を終了する。
【0061】
ステップS902において、クライアント101の収集手段401は、ソフトウェアテーブル701を使用してソフトウェア「管理ソフトウェア」から収集期限と収集終了日を取得する。また、クライアント101の収集手段401は、収集処理の実行日の前日と上記取得した収集期限とを比べ、前にある日を収集期間の終了日とする。
【0062】
次に、クライアント101の収集手段401は、「収集終了日<収集期間の終了日」であるかを調べ、収集するデバイス情報の有無を判定する。クライアント101の処理は、「収集終了日<収集期間の終了日」の関係式が成立する場合には収集するデバイス情報が有ると判定し、ステップS903へ進む。一方、「収集終了日<収集期間の終了日」の関係式が成立しない場合は収集するデバイス情報が無いと判定し、本処理を終了する。
【0063】
ステップS903において、クライアント101の収集手段401は、収集終了日の翌日から収集期間の終了日までの期間を計算し、これを収集期間とし、さらにこの収集期間をデバイス103又はデバイス104へ送信する。
【0064】
ステップS904において、デバイス103又はデバイス104は、収集期間内のデバイス情報を作成し、この作成したデバイス情報をクライアント101へ送信する。
【0065】
ステップS905において、クライアント101の収集手段401は、収集したデバイス情報をデバイス情報テーブル703に追加する。また、収集手段401は、ソフトウェアテーブル701において、ステップS902で取得した収集終了日が登録されている領域に収集処理の実行日をセットする。すなわち、ソフトウェアテーブル701の収集終了日が現在の収集終了日から収集処理の実行日に更新される。なお、収集したデバイス情報の追加は、ファイル名を追加することで行われる。
【0066】
ステップS906において、クライアント101は、ソフトウェアテーブル701を使用して、ソフトウェア「管理ソフトウェア」から該当の現ライセンスIDを取得する。クライアント101は、さらにライセンステーブル702を使用して、当該取得した現ライセンスIDからライセンスの有効期間(開始日と終了日)を取得する。
【0067】
次に、クライアント101の許可手段403は、デバイス情報テーブル703において、収集したデバイス情報に関して、収集日が上記取得したライセンスの有効期間(開始日から終了日までの期間)内にあるかを調べる。その結果、許可手段403は、収集日が当該有効期間内にあるに場合は当該デバイス情報に対応するアクセス許可状態に「許可」をセットする。一方、収集日が当該有効期間内にない場合は、許可手段403は、当該デバイス情報に対応するアクセス許可状態に「不許可」をセットする。
【0068】
(集計・表示処理)
図10は、そのデバイス情報の収集処理および表示処理(以下「集計・表示処理」という。)の処理手順を示すフローチャートである。以下に、本フローチャートを用いてデバイス情報の集計・表示処理を説明する。
【0069】
なお、 ステップS1001において、クライアント101の処理手段404は、ソフトウェアテーブル701を使用して、ソフトウェア「管理ソフトウェア」を基に該当の現ライセンスIDを取得する。また、処理手段404は、ライセンステーブル702を使用して、前記取得した現ライセンスIDを基にライセンスの有効期間(開始日と終了日)を取得する。
【0070】
また、クライアント101の処理手段404は、集計・表示処理の実行日が上記取得したライセンスの有効期間内にあるかを調べ、管理ソフトウェアの集計・表示処理の実行可否を判定する。クライアント101の処理は、集計・表示処理の実行日が上記有効期間内である場合、管理ソフトウェアの集計・表示処理を実行すると判定し、ステップS1002へ進む。一方、集計・表示処理の実行日が上記有効期間内ではない場合、管理ソフトウェアの集計・表示処理を実行しないと判定した、本処理を終了する。
【0071】
ステップS1002において、ユーザはクライアント101にデバイス情報の集計方法(集計期間など)を入力する。
ステップS1003において、クライアント101は、デバイス情報テーブル703において、収集日がステップS1002で入力された集計期間内にあり、かつアクセス許可状態が「許可」であるデバイス情報を抽出する。
【0072】
例えば、図7において、収集期間が2007年の1月1日から5月15日までの期間で、収集日が2007年5月15日の場合を想定する。この場合、ライセンステーブル702におけるライセンスID=L00070203の前ライセンスの有効期間(2006年4月1日から2007年3月31までの期間)において収集されたデバイス情報が特定される。また、ライセンスID=L00070301の新ライセンスの有効期間(2007年4月1日から2008年3月31までの期間)において収集されたデバイス情報が特定される。そして、2007年の1月1日から5月15日までの収集期間において収集されたデバイス情報が抽出される。
【0073】
ステップS1004において、クライアント101の処理手段404は、抽出したデバイス情報を集計する。ステップS1005において、クライアント101の処理手段404は、集計した結果を表示する。
【0074】
なお、第1実施形態では、ライセンスサーバは、クライアントから前ライセンスが失効した後に新ライセンスの発行要求があった場合、失効している前ライセンスの終了日を当該クライアントへ送信している。その後、クライアントから指定される新ライセンスの開始日を新ライセンスの開始日とするようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0075】
すなわち、ライセンスサーバは、クライアントから新ライセンスの発行要求があった場合、失効している前ライセンスの有効期間の終了日の翌日を新ライセンスの開始日としてもよい。この場合、前ライセンスの有効期間の終了日はライセンスサーバからクライアントへ送信されないので、クライアントによる新ライセンスの開始日の指定は行われない。
【0076】
これにより、前ライセンスの有効期間に継続するように新ライセンスの有効期間の開始日を指定する場合に、ユーザによる入力ミスを抑制することができる。そのため、クライアントは、有効期間を継続する新ライセンスをライセンスサーバから確実に取得することになる。したがって、ライセンスの失効期間に収集したデバイス情報に対する所定の処理を実施することができる。
【0077】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
クライアントは、ソフトウェアのライセンスが失効中であってもデバイス情報を収集し、当該ライセンスの失効中に収集したデバイス情報を処理することができる。
【0078】
また、クライアントは、前ライセンスが失効した後に新ライセンスの発行要求を行って、失効している現在のライセンスの有効期間の終了日に継続するように有効期間が繰り上がる新規のライセンスをライセンスサーバから取得する。したがって、ライセンスの失効期間が存在しなかったものとなり、事後的にライセンスの失効期間に収集したデバイス情報に対する所定の処理を実施することができる。
【0079】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、現在のライセンスが継続の場合、新ライセンスの開始日の入力を行わずに、新ライセンスを継続として発行する処理を、第1実施形態による処理に追加したものである。
【0080】
第2実施形態に係るライセンス管理システム、クライアント及びライセンスサーバ、デバイスは、それぞれ第1実施形態の図1、図2、図3に示した構成と同様になっている。また、第2実施形態では、ライセンスの発行処理以外の処理は、それぞれ第1実施形態の場合と同様になっている。そのため、第2実施形態ではライセンスの発行処理についてのみ説明することとする。
【0081】
図11は、ライセンスサーバ102で使用される管理テーブルを示す図である。この管理テーブルには、商品テーブル1101、ライセンスアクセス番号テーブル1102およびライセンステーブル1103が含まれている。この管理テーブルはRAM202またはHD204に記憶される。
【0082】
商品テーブル1101はソフトウェアの商品構成を管理するために使用され、商品、ソフトウェア、ライセンス権利数、及びライセンス期間の各情報を保有している。ライセンスアクセス番号テーブル1102は商品とライセンスアクセス番号との対応付けを管理するために使用され、商品、ライセンスアクセス番号、及びライセンス発行数の各情報を保有している。
【0083】
ライセンステーブル1103はライセンスを管理するために使用され、ライセンスID、ライセンスアクセス番号、個体識別子、ソフトウェア、ライセンスの開始日、ライセンスの終了日、及び発行形態の各情報を保有している。なお、発行形態の情報には、ライセンスを継続するか否かを示す継続可否情報が含まれる。
【0084】
図12は、クライアント101で使用される管理テーブルを示す図である。この管理テーブルには、ソフトウェアテーブル1201、ライセンステーブル1202およびデバイス情報テーブル1203が含まれている。この管理テーブルはRAM202あるいはHD204に記憶される。
【0085】
ソフトウェアテーブル1201はソフトウェアのライセンス状況を管理するために使用され、ソフトウェア、現ライセンスID、収集期限、及び収集終了日の各情報を保有している。ライセンステーブル1202はライセンスを管理するために使用され、ライセンスID、ライセンスアクセス番号、ソフトウェア、ライセンスの開始日、及びライセンスの終了日の各情報を保有している。デバイス情報テーブル1203は収集したデバイス情報を管理するために使用され、ソフトウェア、収集日、デバイス情報のファイル名、及びアクセス許可状態の各情報を保有している。
【0086】
(ライセンスの発行処理)
図13は、そのライセンスの発行処理の処理手順を示すフローチャートである。以下に、本フローチャートを用いてライセンスの発行処理を説明する。
【0087】
ステップS1301において、ユーザがクライアント101に新ライセンスのライセンスアクセス番号を入力する。クライアント101はライセンスアクセス番号をライセンスサーバ102へ送信する。
【0088】
ステップS1302において、クライアント101は、自身のクライアント101の個体識別子を取得し、ライセンスサーバ102へ送信する。
ステップS1303において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル1102にクライアント101からのライセンスアクセス番号が登録されているかを調べ、ライセンスアクセス番号の正否を判定する。ライセンスサーバ102での処理は、ステップS1303において、上記ライセンスアクセス番号が登録されていると判定した場合にはステップS1304へ進む。一方、上記ライセンスアクセス番号が登録されていないと判定した場合、処理は終了する。
【0089】
ステップS1304において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、商品テーブル1101とライセンスアクセス番号テーブル1102を使用して、ライセンスアクセス番号からライセンス発行数とライセンス権利数を取得する。すなわち、検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル1102から、上記ライセンスアクセス番号を基にライセンス発行数を取得する。また、検索手段452は、商品テーブル1101から、ライセンスアクセス番号テーブル1102における上記ライセンスアクセス番号に対応する商品と同じ商品を基にライセンス権利数を取得する。
【0090】
そして、ライセンスサーバ102の検索手段452は、「ライセンス発行数<ライセンス権利数」であるかを調べ、ライセンス発行の可否を判定する。「ライセンス発行数<ライセンス権利数」の関係式が成立する場合、検索手段452はライセンス発行が可であると判定し、処理はステップS1305へ進む。一方、当該関係式が成立しない場合、検索手段452はライセンス発行が不可であると判定し、処理は終了する。
【0091】
ステップS1305において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、商品テーブル1101とライセンスアクセス番号テーブル1102を使用して、ライセンスアクセス番号から該当するソフトウェアを取得する。すなわち、検索手段452は、ライセンスアクセス番号テーブル1102から上記ライセンスアクセス番号に対応する商品を検索する。また、検索手段452は、商品テーブル1101から前記検索した商品と同じ商品を検索し、さらに検索した商品に対応するソフトウェアを取得する。
【0092】
次に、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ライセンステーブル1303において、受信した個体識別子と取得したソフトウェアをキーとして前ライセンスのライセンスIDを検索する。その結果、検索手段452は、ライセンスIDに対応する前ライセンスの情報つまり開始日および終了日を取得する。なお、検索手段452は、複数のライセンスが該当する場合は一番新しいライセンスを選択する。
【0093】
そして、ライセンスサーバ102での処理は、個体識別子とソフトウェアをキーとした検索により前ライセンスが存在する場合にはステップS1306へ進み、一方、前ライセンスが存在しない場合はステップS1308へ進む。
【0094】
ステップS1306において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、前ライセンスの発行形態を調べ、継続可否情報に基づいて新ライセンスを継続とするか否かを判定する。検索手段452は、前ライセンスの発行形態が「継続」である場合、新ライセンスを継続とすると判定し。処理はステップS1311へ進む。一方、前ライセンスの発行形態が「継続」ではない場合、検索手段452は新ライセンスを継続としないと判定し、処理はステップS1307へ進む。
【0095】
ステップS1307において、ライセンスサーバ102の検索手段452は、ステップS1305で取得した前ライセンスの終了日をクライアント101へ送信する。
ステップS1308において、クライアント101の指定手段405は、ステップS1307で送信されたライセンスサーバ102から受信した前ライセンスの終了日を提示する。指定手段405は、新ライセンスの開始日の入力を受け付け、入力された開始日をライセンスサーバ102へ送信する。ステップS1308が終了した後、処理はステップS1309へ移行する。
【0096】
ステップS1309において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、「新ライセンスの開始日=前ライセンスの終了日の翌日」であるかを調べ、新ライセンスが継続であるか否かを判定する。ライセンスサーバ102は、「新ライセンスの開始日=前ライセンスの終了日の翌日」の関係式が成立する場合、新ライセンスが継続であると判定し、ステップS1312へ進む。一方、当該関係式が成立しない場合、新ライセンスが継続ではないと判定し、処理はステップS1310へ進む。
【0097】
ステップS1310において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの発行形態に「再発行」をセットし、その後、ステップS1315へ進む。
ステップS1311において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの開始日に前ライセンスの終了日の翌日をセットし、その後、ステップS1312へ進む。
【0098】
ステップS1312において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの発行形態に「継続」をセットし、その後、ステップS1315へ進む。
ステップS1313において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの開始日にライセンスの発行処理の実行日をセットし、その後、ステップS1314へ進む。
【0099】
ステップS1314において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンスの発行形態に「新規」をセットし、その後、ステップS1315へ進む。
ステップS1315において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、商品テーブル1101とライセンスアクセス番号テーブル1102を使用して、ライセンスアクセス番号から該当するライセンス期間を取得する。すなわち、発行手段451は、ライセンスアクセス番号テーブル1302から、上記ライセンスアクセス番号に対応する商品を検索し、また商品テーブル1301から、前記検索した商品と同じ商品に対応するライセンス期間を取得する。
【0100】
次に、ライセンスサーバ102の発行手段451は、ステップS1308、ステップS1311またはステップS1313で得られた新ライセンスの開始日と、取得したライセンス期間とに基づき新ライセンスの終了日を計算する。
ステップS1316において、ライセンスサーバ102の発行手段451は、新ライセンス(ライセンスID、開始日、終了日)を作成し、クライアント101へ送信する。また、発行手段451は、新ライセンスの情報(ライセンスID、ライセンスアクセス番号、個体識別子、ソフトウェア、開始日、終了日)をライセンステーブル1103に追加する。また、発行手段451は、ライセンスアクセス番号テーブル1102において該当するライセンス発行数に1を加算する。
【0101】
ステップS1317において、クライアント101の取得手段402は、ステップS1316でライセンスサーバ102から送信された新ライセンス(ライセンスID、開始日、終了日)を受信する。そして、取得手段402は、該受信した新ライセンスの情報(ライセンスID、ライセンスアクセス番号、ソフトウェア、開始日、終了日)をライセンステーブル1202に追加する。
【0102】
また、クライアント101の取得手段402は、ソフトウェアテーブル1201において、上記受信した新ライセンスにかかわるソフトウェアをキーとして新ライセンスのソフトウェア情報(現ライセンスID、収集期間、収集終了日)を検索する。
次に、クライアント101の取得手段402は、ソフトウェアテーブル1201においてソフトウェア情報が存在した場合、新ライセンスに該当する現ライセンスID、ライセンス状態、及び収集期限を自動的に更新する。一例として、クライアント101は、現ライセンスIDに新ライセンスのライセンスIDを、また収集期限に、「新ライセンスの終了日から3ヵ月後の日」をそれぞれセットする。
【0103】
一方、クライアント101は、ソフトウェアテーブル1201においてソフトウェア情報が存在しない場合は、新ライセンスのソフトウェア情報をソフトウェアテーブル1201に追加する。一例として、追加するソフトウェア情報の内容は、ソフトウェア=「新ライセンスのソフトウェア」、現ライセンスID=「新ライセンスのライセンスID」、収集期限=「新ライセンスの終了日から3ヵ月後の日」、収集終了日=「0000-00-00」とする。
【0104】
ステップS1318において、クライアント101の許可手段403は、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」であるかを調べ、アクセスの許可対象となるデバイス情報の有無を判定する。
【0105】
クライアント101の許可手段403は、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」の関係式が成立する場合は、デバイス情報テーブル1203において、収集日が新ライセンスの開始日から収集終了日までの間にあるデバイス情報を抽出する。デバイス情報とは、一例として、デバイス情報テーブル703のファイル名の項目に対応して登録されているファイル名である。許可手段403は、抽出したデバイス情報(ファイル名)に対応するアクセス許可状態に「許可」をセットする。一方、「新ライセンスの開始日≦収集終了日」の関係式が成立しない場合は、処理は終了する。
【0106】
以上説明したように、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の作用効果に加え、以下の効果を奏する。
現在のライセンスを継続する場合、予め登録された継続可否情報に基づいて新規のライセンスを発行し、新ライセンスの開始日の入力を要しない。このため、クライアントは、有効期間を継続する新ライセンスをライセンスサーバから確実に取得することになる。したがって、ライセンスの失効期間に収集したデバイス情報に対する所定の処理を確実に実施することができる。
本発明を実現するコンピュータプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータのそれぞれに読み込ませ、実行することによって本発明を実現することができる。すなわち、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態に係るライセンス管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るクライアントおよびライセンスサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るデバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4a】クライアント側のライセンス管理システムの制御方法に関するプログラムの構成を示すブロック図である。
【図4b】ライセンスサーバ側のライセンス管理システムの制御方法に関するプログラムの構成を示すブロック図である。
【図4c】ライセンスの有効期間の繰り上げによる本発明にかかわる処理と従来の場合の処理との差異を説明する図である。
【図5】第1実施形態に係るソフトウェアの購入からデバイス情報の表示までの処理の概要の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るライセンスサーバで使用される管理テーブルを示す図である。
【図7】第1実施形態に係るクライアントで使用される管理テーブルを示す図である。
【図8】第1実施形態に係るライセンス管理システムによるライセンスの発行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係るライセンス管理システムによるデバイス情報の収集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係るライセンス管理システムのクライアントによるデバイス情報の収集処理および表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係るライセンスサーバで使用される管理テーブルを示す図である。
【図12】第2実施形態に係るクライアントで使用される管理テーブルを示す図である。
【図13】第2施形態に係るライセンス管理システムによるライセンスの発行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
101 クライアント
102 ライセンスサーバ
103,104 デバイス
501 管理ソフトウェア
502 ライセンスアクセス番号
503 ライセンス
504 デバイス情報
505 集計結果
601,1101 商品テーブル
602,1102 ライセンスアクセス番号テーブル
603,1103 ライセンステーブル
701,1201 ソフトウェアテーブル
702,1202 ライセンステーブル
703,1203 デバイス情報テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、前記クライアントは前記サーバからソフトウェアのライセンスを取得するライセンス管理システムであって、
前記クライアントは、
前記ソフトウェアの現在のライセンスの失効中にデバイス情報を収集する収集手段と、
前記現在のライセンスが失効している前記ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを取得する取得手段と、
前記取得手段が前記新規のライセンスを取得したことを条件に、前記ソフトウェアの現在のライセンスの失効中に前記収集手段が収集したデバイス情報に対しアクセスを許可する許可手段と、
を有することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
前記取得手段は、失効している前記現在のライセンスの有効期間の終了日から継続するように有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを取得することを特徴とする請求項1に記載のライセンス管理システム。
【請求項3】
前記許可手段によってアクセスが許可されたデバイス情報について処理を実行する処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のライセンス管理システム。
【請求項4】
前記処理手段は、前記ソフトウェアの現在のライセンスの失効中に前記収集手段が収集したデバイス情報を集計または表示することを特徴とする請求項3に記載のライセンス管理システム。
【請求項5】
クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、前記サーバは前記クライアントに対しソフトウェアのライセンスを発行するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、
前記ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に、前記クライアントから前記ソフトウェアの新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、前記ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する発行手段、
を有することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項6】
前記クライアントは、前記新規のライセンスの発行要求のときに、前記有効期間の開始日を指定する指定手段、を備え、
前記サーバの発行手段は、前記クライアントの指定手段によって前記有効期間の開始日が遡って指定された場合、当該指定された開始日が有効期間の開始日となるように有効期間の開始日を繰り上げて新規のライセンスを発行することを特徴とする請求項5に記載のライセンス管理システム。
【請求項7】
前記発行手段は、失効している前記現在のライセンスの有効期間の終了日から継続するように有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行することを特徴とする請求項5に記載のライセンス管理システム。
【請求項8】
前記サーバは、
クライアントごとに、発行したライセンスと前記ライセンスを継続するか否かを示す継続可否情報とを記憶する記憶手段と、
前記新規のライセンスの発行要求を行ったクライアントに対して既に発行したライセンスを前記記憶手段から検索する検索手段と、
を更に備え、
前記発行手段は、前記検索手段によって検索されたライセンスの前記継続可否情報が継続することを示すときは、前記新規のライセンスを自動的に更新することを特徴とする請求項5または7に記載のライセンス管理システム。
【請求項9】
クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、前記クライアントは前記サーバからソフトウェアのライセンスを取得するライセンス管理システムの制御方法であって、
前記ソフトウェアの現在のライセンスの失効中にデバイス情報を収集する工程と、
前記現在のライセンスが失効している前記ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを取得する工程と、
前記新規のライセンスを取得したことを条件に、前記ソフトウェアの現在のライセンスの失効中に収集したデバイス情報に対しアクセスを許可する工程と、
を有することを特徴とするライセンス管理システムの制御方法。
【請求項10】
クライアントとサーバとが通信回線を介して接続され、前記サーバは前記クライアントに対しソフトウェアのライセンスを発行するライセンス管理システムの制御方法であって、
前記ソフトウェアの現在のライセンスが失効した後に、前記クライアントから前記ソフトウェアの新規のライセンスの発行要求を受け付けたときは、前記ソフトウェアの有効期間の開始日が繰り上がる新規のライセンスを発行する工程を有することを特徴とするライセンス管理システムの制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項9または10いずれかに記載のライセンス管理システムの制御方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−97524(P2010−97524A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269341(P2008−269341)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】