ライセンス転送システム、ライセンス転送方法、およびライセンス転送プログラム
【課題】効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供する。
【解決手段】第1の画像形成装置102は、ライセンスの転送元の画像形成装置である。第2の画像形成装置103は、ライセンスが転送される転送先画像形成装置である。ライセンス管理装置104は、各画像形成装置にインストールされるアプリケーションのライセンスの発行状況等を集中管理する。ライセンス管理装置104へのライセンスの登録は、販売会社システム107などを通じて、アプリケーションの販売者によって行われる。デバイス管理装置105は、管理対象の画像形成装置の情報、稼動状態を示す情報を収集、蓄積、加工し、警告等を外部に提供する機能を有する。配信・転送管理装置106は、配信・転送されるライセンス・アプリケーションの管理や、ライセンス・アプリケーションの配信・転送状況の管理を行う。
【解決手段】第1の画像形成装置102は、ライセンスの転送元の画像形成装置である。第2の画像形成装置103は、ライセンスが転送される転送先画像形成装置である。ライセンス管理装置104は、各画像形成装置にインストールされるアプリケーションのライセンスの発行状況等を集中管理する。ライセンス管理装置104へのライセンスの登録は、販売会社システム107などを通じて、アプリケーションの販売者によって行われる。デバイス管理装置105は、管理対象の画像形成装置の情報、稼動状態を示す情報を収集、蓄積、加工し、警告等を外部に提供する機能を有する。配信・転送管理装置106は、配信・転送されるライセンス・アプリケーションの管理や、ライセンス・アプリケーションの配信・転送状況の管理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行を制御するためのライセンス転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置にインストールされたアプリケーションは、ビジネス上の理由などにより当該情報処理装置以外で実行されることを防止する必要がある。そこで、当該情報処理装置での実行権限(ライセンス)をライセンス発行サーバーで管理するシステムや方法が実現されている。例えば、一旦与えられたライセンスを、情報処理装置の故障や新規の購入などの理由で移管・転送するために、まず、転送元の情報処理装置においてライセンスの無効化処理を行う。ついで、無効化処理を行ったことを証明する転送用無効化ライセンスファイルを発行し、それをライセンス発行サーバーで所定の処理を施す。そして、転送先デバイスで利用可能な転送ライセンスを発行する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−107468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載されている技術をはじめとする従来技術では、ライセンスを転送するための各作業はユーザがその都度行う必要がある。通常、ビジネス上で取り扱われるアプリケーションは1つではなく、かなり多くのものを必要としている。このため、ライセンスの転送も頻繁に行われることになり、ライセンス転送にかかわる作業をその都度ユーザが行うことは、かなり煩雑である。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるライセンス転送システムは、ライセンスの転送のための処理を行うシステムであって、転送用ライセンスを無効化するライセンス管理手段と、転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する転送用無効化ライセンス発行手段と、を備えた第1の画像形成装置と、転送されたライセンスのインストールまたは現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行うインストール/アンインストール手段を備えた第2の画像形成装置と、ライセンスとそれが割り当てられている装置の情報を保持し管理する情報管理データベースと、前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行するライセンス発行手段と、を備えたライセンス管理装置と、ライセンスの配信・転送処理の状態を管理する配信・転送処理管理手段を備えた配信・転送管理装置と、を含み構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態にかかるライセンス転送システムの概略構成を示す図である。
【図2】第1の画像形成装置102および第2の画像形成装置103の全体構成を示すブロック図である。
【図3】コントローラ201のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】コントローラ201の主要な機能的構成を示すブロック図である。
【図5】起動プログラム識別手段402が管理する起動プログラム管理データの一例を示す図である。
【図6】ライセンス管理部403が管理する管理情報の一例を示す図である。
【図7】ライセンス管理装置104のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】ライセンス管理装置104の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】情報管理データベース601に格納される情報の一例を示す図である。
【図10】デバイス管理装置105の機能的構成を示すブロック図である。
【図11】配信・転送管理装置106の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】データベース801に格納される情報の一例を示す図である。
【図13】ライセンス転送処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】配信・転送管理装置106で管理される各転送処理状態を示した状態遷移図である。
【図15】転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図16】転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図17】転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図18】転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図19】転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図20】ライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<ライセンス転送システム>
図1は、本発明の実施形態にかかるライセンス転送システムの概略構成を示す図である。このライセンス転送システム100は、第1の画像形成装置102と、第2の画像形成装置103と、ライセンス管理装置104と、デバイス管理装置105と、配信・転送管理装置106と、販売会社システム107と、を含み構成される。また、上記各機能部は、ネットワーク101を介して接続される。ネットワーク101としては、LANやWANのみならず、インターネットも含む。
【0011】
第1の画像形成装置102は、ライセンスの転送元の画像形成装置である。また、第2の画像形成装置103は、ライセンスが転送される転送先画像形成装置である。なお、これらの画像形成装置に代えてPCを用いることもできる。ライセンス管理装置104は、画像形成装置にインストールされるアプリケーションのライセンスの発行状況等を集中管理する。ライセンス管理装置104へのライセンス登録は、販売会社システム107などを通じて、アプリケーションの販売者によって行われる。ライセンスの取得は、配信・転送管理装置106、販売会社システム107を通じて行われる。デバイス管理装置105は、管理対象の画像形成装置の情報、稼動状態を示す情報(障害情報を含む)を収集、蓄積、加工し、警告等を外部に提供する機能を有する。また、外部からの入力を受け、画像形成装置に対して情報の通知を行う。配信・転送管理装置106は、配信・転送されるライセンス・アプリケーションの管理や、ライセンス・アプリケーションの配信・転送処理の状態の管理を行う。配信するアプリケーションは販売会社システム107を通じてアップロードされ、ライセンスはライセンス管理装置104に依頼して取得する。また、画像形成装置に対して、配信・転送の処理の開始するように通知するために、デバイス管理装置105に対して、その旨の通知を行う。
【0012】
ライセンス管理装置104、デバイス管理装置105、および配信・転送管理装置106は、アプリケーションを開発・発売する事業者(例えば、販売会社システム107)の管理下にあるものとなる。ときに、アプリケーションを開発・発売する事業者と、顧客に対して販売を行なう事業者(販売会社)が異なることがある。そこで、販売会社は、販売会社システム107をフロントエンドとして、ライセンス管理装置104、デバイス管理装置105、および配信・転送管理装置106へアクセスし、情報等の入出力を行う。
【0013】
<画像形成装置>
図2は、第1の画像形成装置102および第2の画像形成装置103の全体構成を示すブロック図である。第1の画像形成装置102(第2の画像形成装置103)は、コントローラ201と、通信部202と、スキャナエンジン203と、プリンタエンジン204と、FAXボード205と、操作部206と、を備えている。
【0014】
コントローラ201は、画像形成装置全体を制御する(詳細は後述)。通信部202は、コントローラ201による当該画像形成装置の外部機器との通信を制御する。この通信部202は、例えば、イーサネット(登録商標)やIEE1284、またはその他の通信機能であってもよい。また、いずれか1つに限定されるものでもない。スキャナエンジン203は、コントローラ201によって制御される。プリンタエンジン204は、コントローラ201によって制御される。このプリンタエンジン204は、例えば、レーザービームプリンタやインクジェットプリンタ、またはその他のプリンタに対応できるものであってもよい。FAXボード205は、画像の送受信時の通信制御等、FAX機能を実現するためのものであり、コントローラ201によって制御される。操作部206は、LCD(液晶表示器)等からなるディスプレイとキーボード等から構成されている。この操作部206は、コントローラ201からの情報表示を行うとともに、ユーザからの指示をコントローラ201に伝える機能を有する。
【0015】
このように構成された画像形成装置により、スキャナエンジン203を選択することで、スキャンジョブの発行が可能になる。また、プリンタエンジン204とスキャナエンジン203を選択することで、コピージョブの発行が可能になる。また、プリンタエンジン204、スキャナエンジン203、およびFAXボード205を選択することで、FAX受信ジョブおよびFAX送信ジョブの発行が可能になる。
【0016】
次に、図2に示したコントローラ201のハードウェア構成を説明する。図3は、コントローラ201のハードウェア構成を示すブロック図である。コントローラ201は、CPU(中央演算処理装置)301と、RAM(ランダムアクセスメモリ)302と、ROM(リードオンリーメモリ)303と、DISK304と、LCDインターフェース(以下I/F)305と、を備えている。さらに、キーボードI/F306と、通信I/F307と、スキャナI/F308と、プリンタI/F309と、FAXI/F310と、時計312とを、備えている。そして、これらの機能部は、システムバス311を介して相互に接続されている。
【0017】
コントローラ301を制御するプログラムは、ROM303またはDISK304に格納されており、後述のプログラム管理部501により必要なモジュールがRAM302に読み出され、CPU301によって実行される。また、ROM303およびDISK304には、制御プログラム以外にも当該画像形成装置で処理されるジョブの機能および状態を示す属性情報や出力の対象となるジョブデータ等が格納されている。また、CPU301が操作部306とLCDI/F305を通じて情報やメッセージ等の表示を行い、キーボードI/F306からユーザの指示を受ける。また、CPU301が通信I/F307を通じて外部機器と通信を行う。
【0018】
なお、本実施形態では、特に断らない限り、図2の画像形成装置では、CPU301がシステムバス311を介してキーボードI/F306からユーザの入力を受け取る。そして、CPU301が、RAM302、ROM303、DISK304、LCDI/F305、通信I/F307、スキャナエンジンI/F308、プリンタエンジンI/F309、FAXボードI/F310を制御する。
【0019】
次に、図2に示したコントローラ201の機能的構成を説明する。図4は、コントローラ201の主要な機能的構成を示すブロック図である。このコントローラ201は、プログラム管理部401と、起動プログラム識別部402と、ライセンス管理部403と、使用資源集計部404と、ライセンスインストール/アンインストール部405と、転送用無効化ライセンス発行部406と、を備えている。
【0020】
プログラム管理部401は、コントローラ201が起動された直後に作動する。プログラム管理部401は、後述の起動プログラム識別部402が保持する情報に従い、起動すべきプログラム・モジュールを順次起動させる。起動プログラム識別部402は、起動すべきプログラム・モジュールの情報を管理する。ライセンス管理部403は、操作部206または通信部202を介して送られた命令に従い、所定の処理を行う。使用資源集計部404は、スキャナエンジン203、プリンタエンジン204、FAXボード205で使用される資源をプログラム・モジュール毎に集計する。インストール/アンインストール部405は、ライセンス管理部403の指示に従い、ライセンスのインストール/アンインストール処理を行う。具体的には、転送されたライセンスのインストール処理または現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行う。転送用無効化ライセンス発行部406は、ライセンスを他のデバイスへの転送に先立ちアンインストールされた際に、ライセンス管理部403の指示により、アンインストールが行われたことを証明する「転送用無効化ライセンス」を発行する。なお、これらの各機能部は、図3に示したCPU301が前述の制御プログラムを実行することにより当該機能を実現できる。
【0021】
次に、起動プログラム識別部402が管理する軌道プログラム管理データについて説明する。図5は、起動プログラム識別手段402が管理する起動プログラム管理データの一例を示す図である。この起動プログラム管理データ900は、各レコードが1つのプログラム・モジュールの情報を保持している。図5において、番号フィールド901は、起動プログラム管理データとして管理するプログラム・モジュールに対しシーケンシャルに付加されたモジュール番号が格納されるフィールドである。モジュール名フィールド902は、プログラム・モジュールの名称が格納されるフィールドである。モジュールIDフィールド903は、プログラム・モジュールを一意に識別するためのモジュールIDが格納されるフィールドである。本実施形態ではUUID(Universal Unique ID)を使用する。起動フラグ・フィールド904は、当該プログラム・モジュールの起動の有無を識別する情報が格納されるフィールドである。モジュールフィールド905は、当該プログラム・モジュールの実体への参照状況が格納されるフィールドである。すなわち、起動フラグ・フィールドの内容に従い、プログラム管理部401によりモジュールフィールド905に示された参照先のプログラム・モジュールが実行される。
【0022】
なお、本実施形態では、起動対象のプログラム・モジュールの管理方法としてテーブルを使用しているが、関連するプログラム・モジュールと起動の有無が識別できるのであれば特にここに示された例に限定されない。また、プログラム・モジュールを一意に識別する情報も前記UUIDに限定されるものではない。
【0023】
次に、ライセンス管理部403が管理する管理情報について説明する。図6は、ライセンス管理部403が管理する管理情報の一例を示す図である。図6において、モジュールIDフィールド1001は、管理しているプログラム・モジュールを特定する情報が格納されるフィールドであり、モジュールID903の内容が格納される。ライセンスフラグフィールド1002は、モジュールID1001に与えられているライセンス情報を識別するための識別情報が格納されるフィールドであり、データの各ビットが後述の各ライセンスのいずれかを使用するのかが示される。例えば、ビットがOnでないライセンス項目についてはライセンスが存在しないことを示す。本実施形態では、後述の有効期限フィールド1003には最上位ビット(0x8000)が格納され、総印刷面数フィールド1004にはその次のビット(0x4000)が格納されている状態が示されている。なお、本実施形態では、識別情報の保持の手法に関しては特に限定されるものではない。有効期限フィールド1003は、有効期限を示すライセンス情報が格納されるフィールドである。本実形態では絶対日時(年月日)を用いるが、何日間有効であるなどの有効期間を用いてもよい。総印刷面数フィールド1004は、使用可能な総印刷面数のライセンス情報が格納されるフィールドである。総原稿面数フィールド1005は、使用可能な総原稿面数のライセンス情報が格納されるフィールドである。なお、本実施形態では、使用可能な資源の内容に関して、特に限定されるものではなく、例えばネットワーク上に送出するデータのバイト数などであってもよい。
【0024】
<ライセンス管理装置>
次に、図1に示したライセンス管理装置104のハードウェア構成を説明する。図7は、ライセンス管理装置104のハードウェア構成を示すブロック図である。ライセンス管理装置104は、一般的なコンピュータ上に構成することもできる。図7に示すように、このライセンス管理装置104は、CPU501と、RAM502と、CRT(陰極線管)503と、キーボード504と、ポインティングデバイス505と、ROM506と、DISK507と、通信I/F508と、を備えている。そして、これらの機能部は、システムバス509を介して相互に接続される。
【0025】
ライセンス管理装置104を制御するプログラムは、ROM506またはDISK507に格納されており、必要に応じてRAM502に読み出され、CPU501によって実行される。また、CPU501がCRT503を通して表示処理を行い、キーボード504およびポインティングデバイス505からユーザの指示を受ける。また、CPU501が通信I/F508を通じて外部機器と通信を行う。なお、本実施形態では、特に断らない限り、ライセンス管理装置104は、CPU501がシステムバス509を介してキーボード504やポインティングデバイス505からユーザの入力を受け取る。そして、RAM502、CRT503、ROM506、DISK507、および通信I/F508を制御する。
【0026】
次に、ライセンス管理装置104の機能的構成を説明する。図8は、ライセンス管理装置104の機能的構成を示すブロック図である。ライセンス管理装置104は、情報管理データベース601と、商品登録部602と、ソフトウェア識別ID発行部603と、ライセンス発行部604と、ライセンスアクセス番号発行部605と、を備えている。
【0027】
情報管理データベース601は、ライセンス管理装置104を構成する各機能部で管理される情報を格納する。商品登録部602は、販売されるアプリケーションの商品としての情報(商品名、商品コード、ライセンス期限など)が登録される。同じアプリケーションでもバージョンの違いなどがあり、それを商品と呼ぶ。商品は、商品コードで識別される。ソフトウェア識別ID発行部603は、商品登録部602で登録されたアプリケーションについて、ライセンス数を指定させ、ソフトウェア識別ID(SID)を発行する。SIDは、アプリケーションのパッケージなどに付与され、ライセンス発行時にアプリケーションを識別する情報として利用される。ライセンス発行部604は、アプリケーションが購入されるたびに、インストールされるデバイスの識別情報(デバイスシリアル番号(DS#))を入力させ、ライセンスを発行する。また、デバイス間でライセンスの転送が行われる際に、転送元デバイスでライセンスが無効化されたことを証明する転送用無効化ライセンスを受け取り、ライセンス管理情報を書き換え、転送先デバイス用ライセンスである転送ライセンスキーを発行する。ライセンスアクセス番号発行部605は、ライセンスをオンラインで取得する際に必要な識別番号(LA♯)を発行する。発行する際には、ライセンス発行部604で必要とされる情報と同様の情報が入力させる。なお、これらの各機能部は、図7に示したCPU501が所定の制御プログラムを実行することにより当該機能を実現できる。
【0028】
次に、情報管理データベース601に格納される情報について説明する。図9は、情報管理データベース601に格納される情報の一例を示す図である。情報管理データベース601には、アプリケーション情報、ライセンス情報を含む商品情報、ソフトウェア識別コード情報およびデバイスシリアル番号情報が格納される。ソフトウェアとは、情報処理装置に導入して動作させることで価値を生み出す一般的なソフトウェアと同義である。アプリケーションは、情報処理装置上で特定の処理を行うことを可能とするためにソフトウェア開発業者が開発したソフトウェアを意味する。また、商品とは、本システムに登録されたアプリケーションを販売主体・流通経路・ライセンス条件などを規定して定義した販売単位であり、ユーザは商品を購入後、ユーザ自身の情報処理装置に導入して使用することになる。
【0029】
アプリケーション(Application)テーブル1101には、本システム上でアプリケーションを一意に識別するために、以下のものが格納される。すなわち、アプリケーション登録番号1102、アプリケーションID1103、アプリケーション・バージョン1104、アプリケーション名1105である。商品(Product)テーブル1106には、商品コード1107、アプリケーション登録番号1108、商品名1109、商品タイプ1110、ライセンス台数1111、ライセンス期限1112、カウント情報1113、保守契約情報1114が格納される。アプリケーションと商品とは1対多の関係にあるため、同一のアプリケーションに対して複数の商品が存在しうる。ソフトウェア識別コードテーブル1115には、ソフトウェア識別コード1116、商品コード1117、登録済みデバイス数1118が格納される。商品とソフトウェア識別コードとは1対多の関係にあるため、同一の商品に対して複数のソフトウェア識別コードが存在しうる。デバイス(Device)テーブル1119には、デバイスシリアル番号1120、ソフトウェア識別コード1121が格納される。ソフトウェア識別コード1121とデバイスとは1対多の関係にあるため、同一のソフトウェア識別コードに対して複数のデバイスが存在しうる。ライセンスファイルテーブル1112には、ライセンスファイル番号1123、ライセンスファイル1124、ソフトウェア識別コード1125が格納される。ソフトウェア識別番号とライセンスファイルとは1対1の関係にある。ライセンスファイル1124とライセンスファイル番号1123とは1対多の関係にあるため、同一のライセンスファイルに対して複数のライセンスファイル番号が存在しうる。転送用ライセンスファイルテーブル1126には、転送用ライセンスファイル番号1127、転送用ライセンスファイル1128、アプリケーションID1129、転送元ライセンスファイル番号1130、転送先デバイスシリアル番号1131が格納される。アプリケーションID1129と転送用ライセンスファイル番号1127とは1対多の関係にあるため、同一のアプリケーションIDに対して複数の転送ライセンスファイル番号が存在しうる。
【0030】
<デバイス管理装置>
次に、図1に示したデバイス管理装置105の機能的構成を説明する。なお、デバイス管理装置105のハードウェアは、図7に示したものと同様に構成できるため、説明は省略する。図10は、デバイス管理装置105の機能的構成を示すブロック図である。デバイス管理装置105は、情報管理データベース701と、管理制御部702と、デバイス情報処理部703と、を備えている。
【0031】
情報管理データベース701は、各デバイスについての情報、稼動状況、通知すべき情報、管理方法に関する設定などの情報を格納する。管理制御部702およびデバイス情報処理部703からアクセスされ、情報の入出力が行われる。管理制御部702は、配信・転送管理装置106などからの指示に従い、情報管理データベース701が格納する各画像形成装置へ通知される情報の更新、各画像形成装置の情報の取得、管理スケジュールの管理を行う。デバイス情報処理部703は、管理制御部702が管理するスケジュールにより、カウンタ情報、サービスコール、ジャム、トナー切れなどの情報を、情報管理データベース701に蓄積する。これらの情報は、デバイス管理装置105が積極的に第1の画像形成装置102や第2の画像形成装置103から収集したものである。
【0032】
<配信・転送管理装置>
次に、図1に示した配信・転送管理装置106の機能的構成を説明する。なお、配信・転送管理装置106のハードウェアは、図7に示したものと同様に構成できるため、説明は省略する。図11は、配信・転送管理装置106の機能的構成を示すブロック図である。配信・転送管理装置106は、データベース801と、ライセンス管理部802と、アプリ管理部803と、配信・転送処理管理部804と、を備えている。
【0033】
データベース801は、配信・転送されるライセンス、アプリケーションの実体およびそれらに関連する情報を格納する。ライセンス管理部802は、配信・転送処理管理部804の指示に従い、ライセンスに関する処理を行い、ライセンス管理装置104へのライセンス取得・転送処理依頼や、データベース801への入出力を行う。アプリケーション管理部804は、配信・転送処理管理部804の指示に従い、必要に応じてデータベース801への入出力を行う。配信・転送処理管理部804は、配信・転送の状態を管理し、状態に応じて第1の画像形成装置102や第2の画像形成装置103からの要求、デバイス管理装置105から情報・データを受信した際の処理を決め、実行する。
【0034】
次に、データベース801に格納される情報について説明する。図12は、データベース801に格納される情報の一例を示す図である。データベース801には、個々の転送処理に関する情報、配信・転送されるアプリケーションの情報が格納される。
【0035】
図12において、情報テーブル1201には、個々の転送処理用に関する情報が格納される。例えば、転送処理管理番号1202、転送元デバイスシリアル番号1203、転送先デバイスシリアル番号1204、転送処理がどのフェーズにあるかを示す転送状態1205、転送されるライセンスに紐づいた商品に関する商品コード1206が格納される。また、転送用無効化ライセンスファイル1207、転送用ライセンスファイル1208も格納される。転送処理管理番号1202は、各処理の管理のために本システムにより自動的に割り当てられる。転送元デバイスシリアル番号1203は、転送元デバイスから転送用無効化ライセンスが送信された際に入力される。転送先デバイスシリアル番号1204は、販売会社担当者などにより配信・転送管理装置の入力装置(キーボードなど)経由で入力される場合と、転送元デバイスから送信される場合とがある。転送状態1205は、配信・転送管理装置により管理される。商品コード1206は、ライセンス管理装置104からライセンスに紐づいた情報として取得される。転送用無効化ライセンスファイル1207は、転送元画像処理装置から送付されたものである。転送用ライセンスファイル1208は、ライセンス管理装置104において転送処理後に送付されるものである。また、配信・転送アプリケーションテーブル1209は、配信・転送されるアプリケーションのテーブルである。例えば、商品コード1210、商品が画像形成装置にプレインストールされるタイプの商品か否かを示すプレインストール情報1211が格納される。さらに、プレインストールされるタイプではない商品が格納されるアプリケーションファイル1212も格納される。
【0036】
<ライセンス転送処理と転送処理状態の管理>
以下では、ライセンス転送が行なわれる際にライセンス転送システム100を構成する各装置において行なわれる処理および受け渡される情報・データの概要について説明する。また、ライセンス転送の自動的な処理を、エラー処理を含めて実現するために配信・転送管理装置106で管理されている転送処理状態についての説明も合わせて行う。
【0037】
まず、本実施形態のライセンス転送システムにおけるライセンス転送処理を説明する。図13は、ライセンス転送処理の手順を示すフローチャートである。
【0038】
図13に示すフローチャートにおいて、まず、デバイス管理装置105が、第1の画像形成装置102(転送元)に対して転送処理指示を送信する(ステップS1301)。ここでは、第1の画像形成装置102が、転送処理指示をデバイス管理装置105から受けることとしている。この場合、販売会社の担当者等がデバイス管理装置105において転送指示の入力を行い、デバイス管理装置105がネットワーク101経由で転送処理指示を行う。そして、デバイス管理装置105は、配信・転送管理装置106に対して、転送処理指示を行った旨を送信する。
【0039】
次に、第1の画像形成装置102が、配信・転送管理装置106に対して転送処理依頼を送信する(ステップS1302)。この際、転送用無効化証明ライセンスおよび転送元画像形成装置のデバイスシリアル番号が送信される。また、転送指示時に転送先画像形成装置が指定されている場合は、そのデバイスシリアル番号も送信される。転送処理に失敗した場合、デバイス管理装置に対してエラー通知を送信し、デバイス管理装置は配信・転送管理装置に対して通知を転送する。なお、ステップS1301における転送処理指示は、画像形成装置の操作部206から行われてもよい。しかし、この場合は、配信・転送管理装置106への通知は行われない。
【0040】
配信・転送管理装置106は、第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信すると、データのチェックを行い、不備があった場合は第1の画像形成装置102(転送元)に対してエラー通知を行う。不備がなかった場合は、配信・転送管理装置106は、ライセンス管理装置104に対して転送処理依頼を送信する(ステップS1303)。
【0041】
ライセンス管理装置104は、配信・転送管理装置106からの転送処理の依頼を受信すると、転送処理を行う。この転送処理が成功した場合は、配信・転送管理装置106に対して転送用ライセンスを発行する(ステップS1304)。なお、失敗した場合は、配信・転送管理装置106にエラー通知を送信する。
【0042】
配信・転送管理装置106は、ライセンス管理装置104からの転送ライセンスを受け取ると、データベース801にその転送ライセンスを格納するとともに、デバイス管理装置105に対して転送準備完了通知を送信する(ステップS1305)。
【0043】
デバイス管理装置105は、配信・転送管理装置106から転送準備完了通知を受信すると、第2の画像形成装置103(転送先)に対して転送準備完了通知を送信する(ステップS1306)。そして、送信の結果(成功または失敗)を配信・転送管理装置106に送信する。
【0044】
第2の画像形成装置103は、デバイス管理装置105から転送準備完了通知を受信すると、配信・転送管理装置106に対して転送用ライセンスの要求を行う(ステップS1307)。配信・転送管理装置106は、第2の画像形成装置103からライセンス要求を受信すると、データベース801を検索し、転送ライセンスを第2の画像形成装置103に対して返信する(ステップS1308)。
【0045】
次に、図13において示したライセンス転送処理が実行される際の各状態を示す。図14は、配信・転送管理装置106で管理される各転送処理状態を示した状態遷移図である。“処理開始待ち”状態1401は、転送処理が行われていない状態を示す。“転送元処理中”状態1402は、転送元(第1の画像形成装置102)で何らかの処理が行われている状態を示す。“LMS処理前チェック”状態1403は、ライセンス管理装置104において転送処理を行う前に転送処理依頼内容を配信・転送管理装置106でチェックする状態を示す。“LMS処理中”状態1404は、ライセンス管理装置104において転送処理が行われている状態を示す。“転送準備完了”状態1405は、ライセンス管理装置104で発行された転送用ライセンスが配信・転送管理装置106に保持されている状態を示す。“ライセンス要求待ち”状態1406は、配信・転送管理装置106が転送先(第2の画像形成装置103)からのライセンス転送要求を待っている状態を示す。“転送処理中”状態1407は、配信・転送管理装置106が転送のための処理を行っている状態を示す。
【0046】
<転送処理状態の管理と各イベント発生時の処理の詳細>
以下では、各イベントが発生した場合に、配信・転送管理装置106がどのように転送処理状態を管理し、必要な処理を行うかについて詳細に説明する。
【0047】
まず、図13に示した転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図15は、転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図15に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中”状態に変更する(ステップS1501)。具体的には、転送処理状態を図14に示した“処理開始待ち”状態1401から“転送元処理中”状態1402に変更する。次に、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105から、第1の画像形成装置102(転送元)において転送処理に失敗した旨のエラー通知を受信したか否かを検出する(ステップS1502)。
【0049】
ステップS1502において当該エラー通知を受信しなかった場合(ステップS1502:No)は、配信・転送処理管理部804が、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信したか否かを検出する(ステップS1503)。ここで、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信した場合(ステップS1503:Yes)は、図13に示した転送処理依頼(ステップS1302)を実行する(ステップS1504)。一方、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信しなかった場合(ステップS1503:No)は、配信・転送処理管理部804がエラー表示・通知を行う(ステップS1505)。ここで行われるエラー表示・通知処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示や、予め指定された者へのEメールでの通知を行うことが考えられる。その後、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“処理開始待ち”状態1401に変更し(ステップS1506)、処理を終了する。
【0050】
なお、ステップS1502において当該エラー通知を受信した場合(ステップS1502:Yes)も、ステップS1505以降の処理が実行される。
【0051】
次に、図13に示した転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図16は、転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
図16に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“LMS処理前チェック”状態1403に変更する(ステップS1601)。次に、配信・転送処理管理部804が、受信データのチェックを開始する(ステップS1602)。ここでは、例えば、受信データのデバイスシリアル番号などをチェックする。続けて、配信・転送処理管理部804が、受信データに不備があるか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、受信データに不備がなかった場合(ステップS1603:No)は、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104に転送処理依頼を送信する(ステップS1604)。そして、図13に示した転送処理依頼(ステップS1303)を実行する(ステップS1605)。一方、ステップS1603において受信データに不備があった場合(ステップS1603:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1606)。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(受信データに不備がある旨の通知)を送信する(ステップS1607)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS1608)。
【0053】
次に、図13に示した転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図17は、転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
図17に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“LMS処理中“状態1404に変更する(ステップS1701)。次に、次に、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104からの通知内容を検出する(ステップS1702)。
【0055】
ステップS1702においてライセンス管理装置104から転送処理に失敗した旨のエラー通知を受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1703)。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信し、転送処理依頼内容の修正を促す(ステップS1704)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS1705)。
【0056】
ステップS1702においてライセンス管理装置104から転送用ライセンスを受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、転送用ライセンスをデータベース801に格納する。ついで、デバイス管理装置105に対して転送準備完了通知を送信し(ステップS1706)、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の処理を実行する(ステップS1707)。
【0057】
ステップS1702においてタイムアウトが発生した(すなわち、転送処理状態が“LMS処理中”状態1401になってから所定時間以上たった)場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1706)。ここで行われるエラー表示としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示を行うことが考えられる。エラー原因としては、ライセンス管理装置104が一時的に稼動していないことも考えられる。そこで、配信・転送処理管理部804が、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)へ所定の表示を行うことなどにより、ユーザにライセンス管理装置104に対して再送依頼(再度の転送処理依頼)を行うか否かを選択させる(ステップS1709)。ここで、再送依頼が選択された場合(ステップS1709:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104に対して再送依頼を行う(ステップS1710)。この後、再度ステップS1702からの処理が実行される。一方、再送依頼が選択されなかった場合(ステップS1709:No)は、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信する(ステップS1711)。転送処理状態を“処理開始待ち“状態1401に変更する(ステップS1712)。
【0058】
次に、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図18は、転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
図18に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送準備完了“状態1405に変更する(ステップS1801)。次に、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105からの通知内容を検出する(ステップS1802)。
【0060】
ステップS1802においてデバイス管理装置105から、第2の画像形成装置103(転送先)への転送準備完了通知送信に成功した旨の通知を受信した場合は、図13のステップS1306の転送準備完了通知発生時の処理を実行する(ステップS1803)。
【0061】
ステップS1802においてデバイス管理装置105から、第2の画像形成装置103(転送先)への転送準備完了通知送信に失敗した旨のエラー通知を受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1804)。ここで行われるエラー表示としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示を行うことが考えられる。次に、配信・転送処理管理部804が、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)へ所定の表示を行うことなどにより、ユーザにデバイス管理装置105に対して転送準備完了通知の再送を依頼するか否かを選択させる(ステップS1805)。ここで、再送依頼が選択された場合(ステップS1805:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105に対して再送依頼を行う(ステップS1808)。この後、再度ステップS1802からの処理が実行される。一方、再送依頼が選択されなかった場合(ステップS1805:No)は、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信する(ステップS1806)。そして、転送処理状態を“処理開始待ち“状態1401に変更する(ステップS1807)。
【0062】
ステップS1802にタイムアウトが発生した(すなわち、転送処理状態が“転送準備完了”状態1405になってから所定時間以上たった)場合も、ステップS1804以降の処理を実行する。
【0063】
次に、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図19は、転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
図19に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“ライセンス要求待ち”状態1406に変更する(ステップS1901)。次に、配信・転送処理管理部804が、第2の画像形成装置103(転送先)からライセンス要求を受信したか否かを検出する(ステップS1902)。ここで、ライセンス要求を受信した場合(ステップS1902:Yes)は、図13に示したライセンス要求(ステップS1307)発生時の処理を実行する(ステップS1903)。一方、ライセンス要求を受信しなかった場合(ステップS1902:No)、配信・転送処理管理部804がエラー表示を行う(ステップS1904)。ライセンス要求を受信しなかった場合とは、転送処理状態が“ライセンス要求待ち”状態1406になってから所定時間内にライセンス要求がなかった場合のことをいう。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が、転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(ライセンス要求がなかった旨の通知)を行う(ステップS1906)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“処理開始待ち”状態1401に変更する(ステップS1906)。
【0065】
次に、図13に示したライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図20は、ライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図20に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送処理中”状態1407に変更する(ステップS2001)。次に、ライセンス管理部802が、データベース801に対して該当するライセンスの検索を開始する(ステップS2002)。続けて、ライセンス管理部802が、該当するライセンスがあるか否かを判断する(ステップS2003)。ここで、該当するライセンスがあった場合(ステップS2003:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、転送先(第2の画像形成装置103)へ当該ライセンスを送信する。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS2005)。
【0067】
一方、ステップS2003において該当するライセンスがなかった場合(ステップS2003:No)は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS2006)。この具体的な処理は、図19のステップS1904と同様である。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(該当するライセンスがない旨の通知)を送信する(ステップS2007)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS2005)。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することができる。すなわち、ライセンス転送システムを構成する装置をまたがる処理が発生した場合でも、転送処理状態に応じた処理を迅速に実行することが可能になり、エラー処理を含む効率的なライセンスの転送処理を実現することができる。
【0069】
なお、上記各実施形態で示した各工程は、ネットワークまたは各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(コンピュータプログラム)をパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することで実現できる。
【符号の説明】
【0070】
100 ライセンス転送システム
101 ネットワーク
102 第1の画像形成装置
103 第2の画像形成装置
104 ライセンス管理装置
105 デバイス管理装置
106 配信・転送管理装置
107 販売会社システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行を制御するためのライセンス転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置にインストールされたアプリケーションは、ビジネス上の理由などにより当該情報処理装置以外で実行されることを防止する必要がある。そこで、当該情報処理装置での実行権限(ライセンス)をライセンス発行サーバーで管理するシステムや方法が実現されている。例えば、一旦与えられたライセンスを、情報処理装置の故障や新規の購入などの理由で移管・転送するために、まず、転送元の情報処理装置においてライセンスの無効化処理を行う。ついで、無効化処理を行ったことを証明する転送用無効化ライセンスファイルを発行し、それをライセンス発行サーバーで所定の処理を施す。そして、転送先デバイスで利用可能な転送ライセンスを発行する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−107468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載されている技術をはじめとする従来技術では、ライセンスを転送するための各作業はユーザがその都度行う必要がある。通常、ビジネス上で取り扱われるアプリケーションは1つではなく、かなり多くのものを必要としている。このため、ライセンスの転送も頻繁に行われることになり、ライセンス転送にかかわる作業をその都度ユーザが行うことは、かなり煩雑である。
【0005】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるライセンス転送システムは、ライセンスの転送のための処理を行うシステムであって、転送用ライセンスを無効化するライセンス管理手段と、転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する転送用無効化ライセンス発行手段と、を備えた第1の画像形成装置と、転送されたライセンスのインストールまたは現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行うインストール/アンインストール手段を備えた第2の画像形成装置と、ライセンスとそれが割り当てられている装置の情報を保持し管理する情報管理データベースと、前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行するライセンス発行手段と、を備えたライセンス管理装置と、ライセンスの配信・転送処理の状態を管理する配信・転送処理管理手段を備えた配信・転送管理装置と、を含み構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態にかかるライセンス転送システムの概略構成を示す図である。
【図2】第1の画像形成装置102および第2の画像形成装置103の全体構成を示すブロック図である。
【図3】コントローラ201のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】コントローラ201の主要な機能的構成を示すブロック図である。
【図5】起動プログラム識別手段402が管理する起動プログラム管理データの一例を示す図である。
【図6】ライセンス管理部403が管理する管理情報の一例を示す図である。
【図7】ライセンス管理装置104のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】ライセンス管理装置104の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】情報管理データベース601に格納される情報の一例を示す図である。
【図10】デバイス管理装置105の機能的構成を示すブロック図である。
【図11】配信・転送管理装置106の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】データベース801に格納される情報の一例を示す図である。
【図13】ライセンス転送処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】配信・転送管理装置106で管理される各転送処理状態を示した状態遷移図である。
【図15】転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図16】転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図17】転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図18】転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図19】転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【図20】ライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<ライセンス転送システム>
図1は、本発明の実施形態にかかるライセンス転送システムの概略構成を示す図である。このライセンス転送システム100は、第1の画像形成装置102と、第2の画像形成装置103と、ライセンス管理装置104と、デバイス管理装置105と、配信・転送管理装置106と、販売会社システム107と、を含み構成される。また、上記各機能部は、ネットワーク101を介して接続される。ネットワーク101としては、LANやWANのみならず、インターネットも含む。
【0011】
第1の画像形成装置102は、ライセンスの転送元の画像形成装置である。また、第2の画像形成装置103は、ライセンスが転送される転送先画像形成装置である。なお、これらの画像形成装置に代えてPCを用いることもできる。ライセンス管理装置104は、画像形成装置にインストールされるアプリケーションのライセンスの発行状況等を集中管理する。ライセンス管理装置104へのライセンス登録は、販売会社システム107などを通じて、アプリケーションの販売者によって行われる。ライセンスの取得は、配信・転送管理装置106、販売会社システム107を通じて行われる。デバイス管理装置105は、管理対象の画像形成装置の情報、稼動状態を示す情報(障害情報を含む)を収集、蓄積、加工し、警告等を外部に提供する機能を有する。また、外部からの入力を受け、画像形成装置に対して情報の通知を行う。配信・転送管理装置106は、配信・転送されるライセンス・アプリケーションの管理や、ライセンス・アプリケーションの配信・転送処理の状態の管理を行う。配信するアプリケーションは販売会社システム107を通じてアップロードされ、ライセンスはライセンス管理装置104に依頼して取得する。また、画像形成装置に対して、配信・転送の処理の開始するように通知するために、デバイス管理装置105に対して、その旨の通知を行う。
【0012】
ライセンス管理装置104、デバイス管理装置105、および配信・転送管理装置106は、アプリケーションを開発・発売する事業者(例えば、販売会社システム107)の管理下にあるものとなる。ときに、アプリケーションを開発・発売する事業者と、顧客に対して販売を行なう事業者(販売会社)が異なることがある。そこで、販売会社は、販売会社システム107をフロントエンドとして、ライセンス管理装置104、デバイス管理装置105、および配信・転送管理装置106へアクセスし、情報等の入出力を行う。
【0013】
<画像形成装置>
図2は、第1の画像形成装置102および第2の画像形成装置103の全体構成を示すブロック図である。第1の画像形成装置102(第2の画像形成装置103)は、コントローラ201と、通信部202と、スキャナエンジン203と、プリンタエンジン204と、FAXボード205と、操作部206と、を備えている。
【0014】
コントローラ201は、画像形成装置全体を制御する(詳細は後述)。通信部202は、コントローラ201による当該画像形成装置の外部機器との通信を制御する。この通信部202は、例えば、イーサネット(登録商標)やIEE1284、またはその他の通信機能であってもよい。また、いずれか1つに限定されるものでもない。スキャナエンジン203は、コントローラ201によって制御される。プリンタエンジン204は、コントローラ201によって制御される。このプリンタエンジン204は、例えば、レーザービームプリンタやインクジェットプリンタ、またはその他のプリンタに対応できるものであってもよい。FAXボード205は、画像の送受信時の通信制御等、FAX機能を実現するためのものであり、コントローラ201によって制御される。操作部206は、LCD(液晶表示器)等からなるディスプレイとキーボード等から構成されている。この操作部206は、コントローラ201からの情報表示を行うとともに、ユーザからの指示をコントローラ201に伝える機能を有する。
【0015】
このように構成された画像形成装置により、スキャナエンジン203を選択することで、スキャンジョブの発行が可能になる。また、プリンタエンジン204とスキャナエンジン203を選択することで、コピージョブの発行が可能になる。また、プリンタエンジン204、スキャナエンジン203、およびFAXボード205を選択することで、FAX受信ジョブおよびFAX送信ジョブの発行が可能になる。
【0016】
次に、図2に示したコントローラ201のハードウェア構成を説明する。図3は、コントローラ201のハードウェア構成を示すブロック図である。コントローラ201は、CPU(中央演算処理装置)301と、RAM(ランダムアクセスメモリ)302と、ROM(リードオンリーメモリ)303と、DISK304と、LCDインターフェース(以下I/F)305と、を備えている。さらに、キーボードI/F306と、通信I/F307と、スキャナI/F308と、プリンタI/F309と、FAXI/F310と、時計312とを、備えている。そして、これらの機能部は、システムバス311を介して相互に接続されている。
【0017】
コントローラ301を制御するプログラムは、ROM303またはDISK304に格納されており、後述のプログラム管理部501により必要なモジュールがRAM302に読み出され、CPU301によって実行される。また、ROM303およびDISK304には、制御プログラム以外にも当該画像形成装置で処理されるジョブの機能および状態を示す属性情報や出力の対象となるジョブデータ等が格納されている。また、CPU301が操作部306とLCDI/F305を通じて情報やメッセージ等の表示を行い、キーボードI/F306からユーザの指示を受ける。また、CPU301が通信I/F307を通じて外部機器と通信を行う。
【0018】
なお、本実施形態では、特に断らない限り、図2の画像形成装置では、CPU301がシステムバス311を介してキーボードI/F306からユーザの入力を受け取る。そして、CPU301が、RAM302、ROM303、DISK304、LCDI/F305、通信I/F307、スキャナエンジンI/F308、プリンタエンジンI/F309、FAXボードI/F310を制御する。
【0019】
次に、図2に示したコントローラ201の機能的構成を説明する。図4は、コントローラ201の主要な機能的構成を示すブロック図である。このコントローラ201は、プログラム管理部401と、起動プログラム識別部402と、ライセンス管理部403と、使用資源集計部404と、ライセンスインストール/アンインストール部405と、転送用無効化ライセンス発行部406と、を備えている。
【0020】
プログラム管理部401は、コントローラ201が起動された直後に作動する。プログラム管理部401は、後述の起動プログラム識別部402が保持する情報に従い、起動すべきプログラム・モジュールを順次起動させる。起動プログラム識別部402は、起動すべきプログラム・モジュールの情報を管理する。ライセンス管理部403は、操作部206または通信部202を介して送られた命令に従い、所定の処理を行う。使用資源集計部404は、スキャナエンジン203、プリンタエンジン204、FAXボード205で使用される資源をプログラム・モジュール毎に集計する。インストール/アンインストール部405は、ライセンス管理部403の指示に従い、ライセンスのインストール/アンインストール処理を行う。具体的には、転送されたライセンスのインストール処理または現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行う。転送用無効化ライセンス発行部406は、ライセンスを他のデバイスへの転送に先立ちアンインストールされた際に、ライセンス管理部403の指示により、アンインストールが行われたことを証明する「転送用無効化ライセンス」を発行する。なお、これらの各機能部は、図3に示したCPU301が前述の制御プログラムを実行することにより当該機能を実現できる。
【0021】
次に、起動プログラム識別部402が管理する軌道プログラム管理データについて説明する。図5は、起動プログラム識別手段402が管理する起動プログラム管理データの一例を示す図である。この起動プログラム管理データ900は、各レコードが1つのプログラム・モジュールの情報を保持している。図5において、番号フィールド901は、起動プログラム管理データとして管理するプログラム・モジュールに対しシーケンシャルに付加されたモジュール番号が格納されるフィールドである。モジュール名フィールド902は、プログラム・モジュールの名称が格納されるフィールドである。モジュールIDフィールド903は、プログラム・モジュールを一意に識別するためのモジュールIDが格納されるフィールドである。本実施形態ではUUID(Universal Unique ID)を使用する。起動フラグ・フィールド904は、当該プログラム・モジュールの起動の有無を識別する情報が格納されるフィールドである。モジュールフィールド905は、当該プログラム・モジュールの実体への参照状況が格納されるフィールドである。すなわち、起動フラグ・フィールドの内容に従い、プログラム管理部401によりモジュールフィールド905に示された参照先のプログラム・モジュールが実行される。
【0022】
なお、本実施形態では、起動対象のプログラム・モジュールの管理方法としてテーブルを使用しているが、関連するプログラム・モジュールと起動の有無が識別できるのであれば特にここに示された例に限定されない。また、プログラム・モジュールを一意に識別する情報も前記UUIDに限定されるものではない。
【0023】
次に、ライセンス管理部403が管理する管理情報について説明する。図6は、ライセンス管理部403が管理する管理情報の一例を示す図である。図6において、モジュールIDフィールド1001は、管理しているプログラム・モジュールを特定する情報が格納されるフィールドであり、モジュールID903の内容が格納される。ライセンスフラグフィールド1002は、モジュールID1001に与えられているライセンス情報を識別するための識別情報が格納されるフィールドであり、データの各ビットが後述の各ライセンスのいずれかを使用するのかが示される。例えば、ビットがOnでないライセンス項目についてはライセンスが存在しないことを示す。本実施形態では、後述の有効期限フィールド1003には最上位ビット(0x8000)が格納され、総印刷面数フィールド1004にはその次のビット(0x4000)が格納されている状態が示されている。なお、本実施形態では、識別情報の保持の手法に関しては特に限定されるものではない。有効期限フィールド1003は、有効期限を示すライセンス情報が格納されるフィールドである。本実形態では絶対日時(年月日)を用いるが、何日間有効であるなどの有効期間を用いてもよい。総印刷面数フィールド1004は、使用可能な総印刷面数のライセンス情報が格納されるフィールドである。総原稿面数フィールド1005は、使用可能な総原稿面数のライセンス情報が格納されるフィールドである。なお、本実施形態では、使用可能な資源の内容に関して、特に限定されるものではなく、例えばネットワーク上に送出するデータのバイト数などであってもよい。
【0024】
<ライセンス管理装置>
次に、図1に示したライセンス管理装置104のハードウェア構成を説明する。図7は、ライセンス管理装置104のハードウェア構成を示すブロック図である。ライセンス管理装置104は、一般的なコンピュータ上に構成することもできる。図7に示すように、このライセンス管理装置104は、CPU501と、RAM502と、CRT(陰極線管)503と、キーボード504と、ポインティングデバイス505と、ROM506と、DISK507と、通信I/F508と、を備えている。そして、これらの機能部は、システムバス509を介して相互に接続される。
【0025】
ライセンス管理装置104を制御するプログラムは、ROM506またはDISK507に格納されており、必要に応じてRAM502に読み出され、CPU501によって実行される。また、CPU501がCRT503を通して表示処理を行い、キーボード504およびポインティングデバイス505からユーザの指示を受ける。また、CPU501が通信I/F508を通じて外部機器と通信を行う。なお、本実施形態では、特に断らない限り、ライセンス管理装置104は、CPU501がシステムバス509を介してキーボード504やポインティングデバイス505からユーザの入力を受け取る。そして、RAM502、CRT503、ROM506、DISK507、および通信I/F508を制御する。
【0026】
次に、ライセンス管理装置104の機能的構成を説明する。図8は、ライセンス管理装置104の機能的構成を示すブロック図である。ライセンス管理装置104は、情報管理データベース601と、商品登録部602と、ソフトウェア識別ID発行部603と、ライセンス発行部604と、ライセンスアクセス番号発行部605と、を備えている。
【0027】
情報管理データベース601は、ライセンス管理装置104を構成する各機能部で管理される情報を格納する。商品登録部602は、販売されるアプリケーションの商品としての情報(商品名、商品コード、ライセンス期限など)が登録される。同じアプリケーションでもバージョンの違いなどがあり、それを商品と呼ぶ。商品は、商品コードで識別される。ソフトウェア識別ID発行部603は、商品登録部602で登録されたアプリケーションについて、ライセンス数を指定させ、ソフトウェア識別ID(SID)を発行する。SIDは、アプリケーションのパッケージなどに付与され、ライセンス発行時にアプリケーションを識別する情報として利用される。ライセンス発行部604は、アプリケーションが購入されるたびに、インストールされるデバイスの識別情報(デバイスシリアル番号(DS#))を入力させ、ライセンスを発行する。また、デバイス間でライセンスの転送が行われる際に、転送元デバイスでライセンスが無効化されたことを証明する転送用無効化ライセンスを受け取り、ライセンス管理情報を書き換え、転送先デバイス用ライセンスである転送ライセンスキーを発行する。ライセンスアクセス番号発行部605は、ライセンスをオンラインで取得する際に必要な識別番号(LA♯)を発行する。発行する際には、ライセンス発行部604で必要とされる情報と同様の情報が入力させる。なお、これらの各機能部は、図7に示したCPU501が所定の制御プログラムを実行することにより当該機能を実現できる。
【0028】
次に、情報管理データベース601に格納される情報について説明する。図9は、情報管理データベース601に格納される情報の一例を示す図である。情報管理データベース601には、アプリケーション情報、ライセンス情報を含む商品情報、ソフトウェア識別コード情報およびデバイスシリアル番号情報が格納される。ソフトウェアとは、情報処理装置に導入して動作させることで価値を生み出す一般的なソフトウェアと同義である。アプリケーションは、情報処理装置上で特定の処理を行うことを可能とするためにソフトウェア開発業者が開発したソフトウェアを意味する。また、商品とは、本システムに登録されたアプリケーションを販売主体・流通経路・ライセンス条件などを規定して定義した販売単位であり、ユーザは商品を購入後、ユーザ自身の情報処理装置に導入して使用することになる。
【0029】
アプリケーション(Application)テーブル1101には、本システム上でアプリケーションを一意に識別するために、以下のものが格納される。すなわち、アプリケーション登録番号1102、アプリケーションID1103、アプリケーション・バージョン1104、アプリケーション名1105である。商品(Product)テーブル1106には、商品コード1107、アプリケーション登録番号1108、商品名1109、商品タイプ1110、ライセンス台数1111、ライセンス期限1112、カウント情報1113、保守契約情報1114が格納される。アプリケーションと商品とは1対多の関係にあるため、同一のアプリケーションに対して複数の商品が存在しうる。ソフトウェア識別コードテーブル1115には、ソフトウェア識別コード1116、商品コード1117、登録済みデバイス数1118が格納される。商品とソフトウェア識別コードとは1対多の関係にあるため、同一の商品に対して複数のソフトウェア識別コードが存在しうる。デバイス(Device)テーブル1119には、デバイスシリアル番号1120、ソフトウェア識別コード1121が格納される。ソフトウェア識別コード1121とデバイスとは1対多の関係にあるため、同一のソフトウェア識別コードに対して複数のデバイスが存在しうる。ライセンスファイルテーブル1112には、ライセンスファイル番号1123、ライセンスファイル1124、ソフトウェア識別コード1125が格納される。ソフトウェア識別番号とライセンスファイルとは1対1の関係にある。ライセンスファイル1124とライセンスファイル番号1123とは1対多の関係にあるため、同一のライセンスファイルに対して複数のライセンスファイル番号が存在しうる。転送用ライセンスファイルテーブル1126には、転送用ライセンスファイル番号1127、転送用ライセンスファイル1128、アプリケーションID1129、転送元ライセンスファイル番号1130、転送先デバイスシリアル番号1131が格納される。アプリケーションID1129と転送用ライセンスファイル番号1127とは1対多の関係にあるため、同一のアプリケーションIDに対して複数の転送ライセンスファイル番号が存在しうる。
【0030】
<デバイス管理装置>
次に、図1に示したデバイス管理装置105の機能的構成を説明する。なお、デバイス管理装置105のハードウェアは、図7に示したものと同様に構成できるため、説明は省略する。図10は、デバイス管理装置105の機能的構成を示すブロック図である。デバイス管理装置105は、情報管理データベース701と、管理制御部702と、デバイス情報処理部703と、を備えている。
【0031】
情報管理データベース701は、各デバイスについての情報、稼動状況、通知すべき情報、管理方法に関する設定などの情報を格納する。管理制御部702およびデバイス情報処理部703からアクセスされ、情報の入出力が行われる。管理制御部702は、配信・転送管理装置106などからの指示に従い、情報管理データベース701が格納する各画像形成装置へ通知される情報の更新、各画像形成装置の情報の取得、管理スケジュールの管理を行う。デバイス情報処理部703は、管理制御部702が管理するスケジュールにより、カウンタ情報、サービスコール、ジャム、トナー切れなどの情報を、情報管理データベース701に蓄積する。これらの情報は、デバイス管理装置105が積極的に第1の画像形成装置102や第2の画像形成装置103から収集したものである。
【0032】
<配信・転送管理装置>
次に、図1に示した配信・転送管理装置106の機能的構成を説明する。なお、配信・転送管理装置106のハードウェアは、図7に示したものと同様に構成できるため、説明は省略する。図11は、配信・転送管理装置106の機能的構成を示すブロック図である。配信・転送管理装置106は、データベース801と、ライセンス管理部802と、アプリ管理部803と、配信・転送処理管理部804と、を備えている。
【0033】
データベース801は、配信・転送されるライセンス、アプリケーションの実体およびそれらに関連する情報を格納する。ライセンス管理部802は、配信・転送処理管理部804の指示に従い、ライセンスに関する処理を行い、ライセンス管理装置104へのライセンス取得・転送処理依頼や、データベース801への入出力を行う。アプリケーション管理部804は、配信・転送処理管理部804の指示に従い、必要に応じてデータベース801への入出力を行う。配信・転送処理管理部804は、配信・転送の状態を管理し、状態に応じて第1の画像形成装置102や第2の画像形成装置103からの要求、デバイス管理装置105から情報・データを受信した際の処理を決め、実行する。
【0034】
次に、データベース801に格納される情報について説明する。図12は、データベース801に格納される情報の一例を示す図である。データベース801には、個々の転送処理に関する情報、配信・転送されるアプリケーションの情報が格納される。
【0035】
図12において、情報テーブル1201には、個々の転送処理用に関する情報が格納される。例えば、転送処理管理番号1202、転送元デバイスシリアル番号1203、転送先デバイスシリアル番号1204、転送処理がどのフェーズにあるかを示す転送状態1205、転送されるライセンスに紐づいた商品に関する商品コード1206が格納される。また、転送用無効化ライセンスファイル1207、転送用ライセンスファイル1208も格納される。転送処理管理番号1202は、各処理の管理のために本システムにより自動的に割り当てられる。転送元デバイスシリアル番号1203は、転送元デバイスから転送用無効化ライセンスが送信された際に入力される。転送先デバイスシリアル番号1204は、販売会社担当者などにより配信・転送管理装置の入力装置(キーボードなど)経由で入力される場合と、転送元デバイスから送信される場合とがある。転送状態1205は、配信・転送管理装置により管理される。商品コード1206は、ライセンス管理装置104からライセンスに紐づいた情報として取得される。転送用無効化ライセンスファイル1207は、転送元画像処理装置から送付されたものである。転送用ライセンスファイル1208は、ライセンス管理装置104において転送処理後に送付されるものである。また、配信・転送アプリケーションテーブル1209は、配信・転送されるアプリケーションのテーブルである。例えば、商品コード1210、商品が画像形成装置にプレインストールされるタイプの商品か否かを示すプレインストール情報1211が格納される。さらに、プレインストールされるタイプではない商品が格納されるアプリケーションファイル1212も格納される。
【0036】
<ライセンス転送処理と転送処理状態の管理>
以下では、ライセンス転送が行なわれる際にライセンス転送システム100を構成する各装置において行なわれる処理および受け渡される情報・データの概要について説明する。また、ライセンス転送の自動的な処理を、エラー処理を含めて実現するために配信・転送管理装置106で管理されている転送処理状態についての説明も合わせて行う。
【0037】
まず、本実施形態のライセンス転送システムにおけるライセンス転送処理を説明する。図13は、ライセンス転送処理の手順を示すフローチャートである。
【0038】
図13に示すフローチャートにおいて、まず、デバイス管理装置105が、第1の画像形成装置102(転送元)に対して転送処理指示を送信する(ステップS1301)。ここでは、第1の画像形成装置102が、転送処理指示をデバイス管理装置105から受けることとしている。この場合、販売会社の担当者等がデバイス管理装置105において転送指示の入力を行い、デバイス管理装置105がネットワーク101経由で転送処理指示を行う。そして、デバイス管理装置105は、配信・転送管理装置106に対して、転送処理指示を行った旨を送信する。
【0039】
次に、第1の画像形成装置102が、配信・転送管理装置106に対して転送処理依頼を送信する(ステップS1302)。この際、転送用無効化証明ライセンスおよび転送元画像形成装置のデバイスシリアル番号が送信される。また、転送指示時に転送先画像形成装置が指定されている場合は、そのデバイスシリアル番号も送信される。転送処理に失敗した場合、デバイス管理装置に対してエラー通知を送信し、デバイス管理装置は配信・転送管理装置に対して通知を転送する。なお、ステップS1301における転送処理指示は、画像形成装置の操作部206から行われてもよい。しかし、この場合は、配信・転送管理装置106への通知は行われない。
【0040】
配信・転送管理装置106は、第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信すると、データのチェックを行い、不備があった場合は第1の画像形成装置102(転送元)に対してエラー通知を行う。不備がなかった場合は、配信・転送管理装置106は、ライセンス管理装置104に対して転送処理依頼を送信する(ステップS1303)。
【0041】
ライセンス管理装置104は、配信・転送管理装置106からの転送処理の依頼を受信すると、転送処理を行う。この転送処理が成功した場合は、配信・転送管理装置106に対して転送用ライセンスを発行する(ステップS1304)。なお、失敗した場合は、配信・転送管理装置106にエラー通知を送信する。
【0042】
配信・転送管理装置106は、ライセンス管理装置104からの転送ライセンスを受け取ると、データベース801にその転送ライセンスを格納するとともに、デバイス管理装置105に対して転送準備完了通知を送信する(ステップS1305)。
【0043】
デバイス管理装置105は、配信・転送管理装置106から転送準備完了通知を受信すると、第2の画像形成装置103(転送先)に対して転送準備完了通知を送信する(ステップS1306)。そして、送信の結果(成功または失敗)を配信・転送管理装置106に送信する。
【0044】
第2の画像形成装置103は、デバイス管理装置105から転送準備完了通知を受信すると、配信・転送管理装置106に対して転送用ライセンスの要求を行う(ステップS1307)。配信・転送管理装置106は、第2の画像形成装置103からライセンス要求を受信すると、データベース801を検索し、転送ライセンスを第2の画像形成装置103に対して返信する(ステップS1308)。
【0045】
次に、図13において示したライセンス転送処理が実行される際の各状態を示す。図14は、配信・転送管理装置106で管理される各転送処理状態を示した状態遷移図である。“処理開始待ち”状態1401は、転送処理が行われていない状態を示す。“転送元処理中”状態1402は、転送元(第1の画像形成装置102)で何らかの処理が行われている状態を示す。“LMS処理前チェック”状態1403は、ライセンス管理装置104において転送処理を行う前に転送処理依頼内容を配信・転送管理装置106でチェックする状態を示す。“LMS処理中”状態1404は、ライセンス管理装置104において転送処理が行われている状態を示す。“転送準備完了”状態1405は、ライセンス管理装置104で発行された転送用ライセンスが配信・転送管理装置106に保持されている状態を示す。“ライセンス要求待ち”状態1406は、配信・転送管理装置106が転送先(第2の画像形成装置103)からのライセンス転送要求を待っている状態を示す。“転送処理中”状態1407は、配信・転送管理装置106が転送のための処理を行っている状態を示す。
【0046】
<転送処理状態の管理と各イベント発生時の処理の詳細>
以下では、各イベントが発生した場合に、配信・転送管理装置106がどのように転送処理状態を管理し、必要な処理を行うかについて詳細に説明する。
【0047】
まず、図13に示した転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図15は、転送処理指示(ステップS1301)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図15に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中”状態に変更する(ステップS1501)。具体的には、転送処理状態を図14に示した“処理開始待ち”状態1401から“転送元処理中”状態1402に変更する。次に、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105から、第1の画像形成装置102(転送元)において転送処理に失敗した旨のエラー通知を受信したか否かを検出する(ステップS1502)。
【0049】
ステップS1502において当該エラー通知を受信しなかった場合(ステップS1502:No)は、配信・転送処理管理部804が、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信したか否かを検出する(ステップS1503)。ここで、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信した場合(ステップS1503:Yes)は、図13に示した転送処理依頼(ステップS1302)を実行する(ステップS1504)。一方、所定時間内に第1の画像形成装置102からの転送処理依頼を受信しなかった場合(ステップS1503:No)は、配信・転送処理管理部804がエラー表示・通知を行う(ステップS1505)。ここで行われるエラー表示・通知処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示や、予め指定された者へのEメールでの通知を行うことが考えられる。その後、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“処理開始待ち”状態1401に変更し(ステップS1506)、処理を終了する。
【0050】
なお、ステップS1502において当該エラー通知を受信した場合(ステップS1502:Yes)も、ステップS1505以降の処理が実行される。
【0051】
次に、図13に示した転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図16は、転送処理依頼(ステップS1302)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
図16に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“LMS処理前チェック”状態1403に変更する(ステップS1601)。次に、配信・転送処理管理部804が、受信データのチェックを開始する(ステップS1602)。ここでは、例えば、受信データのデバイスシリアル番号などをチェックする。続けて、配信・転送処理管理部804が、受信データに不備があるか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、受信データに不備がなかった場合(ステップS1603:No)は、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104に転送処理依頼を送信する(ステップS1604)。そして、図13に示した転送処理依頼(ステップS1303)を実行する(ステップS1605)。一方、ステップS1603において受信データに不備があった場合(ステップS1603:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1606)。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(受信データに不備がある旨の通知)を送信する(ステップS1607)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS1608)。
【0053】
次に、図13に示した転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図17は、転送処理依頼(ステップS1303)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
図17に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“LMS処理中“状態1404に変更する(ステップS1701)。次に、次に、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104からの通知内容を検出する(ステップS1702)。
【0055】
ステップS1702においてライセンス管理装置104から転送処理に失敗した旨のエラー通知を受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1703)。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信し、転送処理依頼内容の修正を促す(ステップS1704)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS1705)。
【0056】
ステップS1702においてライセンス管理装置104から転送用ライセンスを受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、転送用ライセンスをデータベース801に格納する。ついで、デバイス管理装置105に対して転送準備完了通知を送信し(ステップS1706)、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の処理を実行する(ステップS1707)。
【0057】
ステップS1702においてタイムアウトが発生した(すなわち、転送処理状態が“LMS処理中”状態1401になってから所定時間以上たった)場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1706)。ここで行われるエラー表示としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示を行うことが考えられる。エラー原因としては、ライセンス管理装置104が一時的に稼動していないことも考えられる。そこで、配信・転送処理管理部804が、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)へ所定の表示を行うことなどにより、ユーザにライセンス管理装置104に対して再送依頼(再度の転送処理依頼)を行うか否かを選択させる(ステップS1709)。ここで、再送依頼が選択された場合(ステップS1709:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、ライセンス管理装置104に対して再送依頼を行う(ステップS1710)。この後、再度ステップS1702からの処理が実行される。一方、再送依頼が選択されなかった場合(ステップS1709:No)は、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信する(ステップS1711)。転送処理状態を“処理開始待ち“状態1401に変更する(ステップS1712)。
【0058】
次に、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図18は、転送準備完了通知(ステップS1305)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
図18に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送準備完了“状態1405に変更する(ステップS1801)。次に、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105からの通知内容を検出する(ステップS1802)。
【0060】
ステップS1802においてデバイス管理装置105から、第2の画像形成装置103(転送先)への転送準備完了通知送信に成功した旨の通知を受信した場合は、図13のステップS1306の転送準備完了通知発生時の処理を実行する(ステップS1803)。
【0061】
ステップS1802においてデバイス管理装置105から、第2の画像形成装置103(転送先)への転送準備完了通知送信に失敗した旨のエラー通知を受信した場合は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS1804)。ここで行われるエラー表示としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示を行うことが考えられる。次に、配信・転送処理管理部804が、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)へ所定の表示を行うことなどにより、ユーザにデバイス管理装置105に対して転送準備完了通知の再送を依頼するか否かを選択させる(ステップS1805)。ここで、再送依頼が選択された場合(ステップS1805:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、デバイス管理装置105に対して再送依頼を行う(ステップS1808)。この後、再度ステップS1802からの処理が実行される。一方、再送依頼が選択されなかった場合(ステップS1805:No)は、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知を送信する(ステップS1806)。そして、転送処理状態を“処理開始待ち“状態1401に変更する(ステップS1807)。
【0062】
ステップS1802にタイムアウトが発生した(すなわち、転送処理状態が“転送準備完了”状態1405になってから所定時間以上たった)場合も、ステップS1804以降の処理を実行する。
【0063】
次に、図13に示した転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図19は、転送準備完了通知(ステップS1306)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
図19に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“ライセンス要求待ち”状態1406に変更する(ステップS1901)。次に、配信・転送処理管理部804が、第2の画像形成装置103(転送先)からライセンス要求を受信したか否かを検出する(ステップS1902)。ここで、ライセンス要求を受信した場合(ステップS1902:Yes)は、図13に示したライセンス要求(ステップS1307)発生時の処理を実行する(ステップS1903)。一方、ライセンス要求を受信しなかった場合(ステップS1902:No)、配信・転送処理管理部804がエラー表示を行う(ステップS1904)。ライセンス要求を受信しなかった場合とは、転送処理状態が“ライセンス要求待ち”状態1406になってから所定時間内にライセンス要求がなかった場合のことをいう。ここで行われるエラー表示処理としては、配信・転送管理装置106の表示部(CRT)への表示が考えられる。続けて、配信・転送処理管理部804が、転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(ライセンス要求がなかった旨の通知)を行う(ステップS1906)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“処理開始待ち”状態1401に変更する(ステップS1906)。
【0065】
次に、図13に示したライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理を示す。図20は、ライセンス要求(ステップS1307)発生時の配信・転送管理装置106における処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図20に示すフローチャートにおいて、まず、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送処理中”状態1407に変更する(ステップS2001)。次に、ライセンス管理部802が、データベース801に対して該当するライセンスの検索を開始する(ステップS2002)。続けて、ライセンス管理部802が、該当するライセンスがあるか否かを判断する(ステップS2003)。ここで、該当するライセンスがあった場合(ステップS2003:Yes)は、配信・転送処理管理部804が、転送先(第2の画像形成装置103)へ当該ライセンスを送信する。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS2005)。
【0067】
一方、ステップS2003において該当するライセンスがなかった場合(ステップS2003:No)は、配信・転送処理管理部804が、エラー表示を行う(ステップS2006)。この具体的な処理は、図19のステップS1904と同様である。続けて、配信・転送処理管理部804が転送元(第1の画像形成装置102)へエラー通知(該当するライセンスがない旨の通知)を送信する(ステップS2007)。そして、配信・転送処理管理部804が、転送処理状態を“転送元処理中“状態1402に変更する(ステップS2005)。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの関与を必要とせず、効率的なライセンス転送処理を可能にするライセンス転送システムを提供することができる。すなわち、ライセンス転送システムを構成する装置をまたがる処理が発生した場合でも、転送処理状態に応じた処理を迅速に実行することが可能になり、エラー処理を含む効率的なライセンスの転送処理を実現することができる。
【0069】
なお、上記各実施形態で示した各工程は、ネットワークまたは各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(コンピュータプログラム)をパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することで実現できる。
【符号の説明】
【0070】
100 ライセンス転送システム
101 ネットワーク
102 第1の画像形成装置
103 第2の画像形成装置
104 ライセンス管理装置
105 デバイス管理装置
106 配信・転送管理装置
107 販売会社システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスの転送のための処理を行うシステムであって、
転送用ライセンスを無効化するライセンス管理手段と、
転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する転送用無効化ライセンス発行手段と、
を備えた第1の画像形成装置と、
転送されたライセンスのインストールまたは現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行うインストール/アンインストール手段を備えた第2の画像形成装置と、
ライセンスとそれが割り当てられている装置の情報を保持し管理する情報管理データベースと、
前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行するライセンス発行手段と、
を備えたライセンス管理装置と、
ライセンスの配信・転送処理の状態を管理する配信・転送処理管理手段を備えた配信・転送管理装置と、
を含み構成されていることを特徴とするライセンス転送システム。
【請求項2】
前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置に関する稼動状況、通知すべき情報、管理方法に関する設定の情報を格納する情報管理データベースと、
前記配信・転送管理装置の配信・転送処理管理手段からの指示に従い、前記情報管理データベースが保持する前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置へ通知される情報の更新、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置の情報の取得、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置の管理スケジュールの管理を行う管理制御手段と、
を備えたデバイス管理装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のライセンス転送システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のライセンス転送システムにおけるライセンス転送方法であって、
転送用ライセンスを無効化する工程と、
転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する工程と、
前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行する工程と、
転送されたライセンスを前記第2の画像形成装置にインストールを行う工程と、
を含むことを特徴とするライセンス転送方法。
【請求項4】
請求項3に記載のライセンス転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
ライセンスの転送のための処理を行うシステムであって、
転送用ライセンスを無効化するライセンス管理手段と、
転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する転送用無効化ライセンス発行手段と、
を備えた第1の画像形成装置と、
転送されたライセンスのインストールまたは現在、保持しているライセンスのアンインストール処理を行うインストール/アンインストール手段を備えた第2の画像形成装置と、
ライセンスとそれが割り当てられている装置の情報を保持し管理する情報管理データベースと、
前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行するライセンス発行手段と、
を備えたライセンス管理装置と、
ライセンスの配信・転送処理の状態を管理する配信・転送処理管理手段を備えた配信・転送管理装置と、
を含み構成されていることを特徴とするライセンス転送システム。
【請求項2】
前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置に関する稼動状況、通知すべき情報、管理方法に関する設定の情報を格納する情報管理データベースと、
前記配信・転送管理装置の配信・転送処理管理手段からの指示に従い、前記情報管理データベースが保持する前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置へ通知される情報の更新、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置の情報の取得、前記第1の画像形成装置および前記第2の画像形成装置の管理スケジュールの管理を行う管理制御手段と、
を備えたデバイス管理装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のライセンス転送システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のライセンス転送システムにおけるライセンス転送方法であって、
転送用ライセンスを無効化する工程と、
転送用ライセンスが無効化されたことを証明する無効化ライセンスを発行する工程と、
前記無効化ライセンスを元にライセンスの転送処理を行い前記第2の画像形成装置にインストールが可能な転送ライセンスを発行する工程と、
転送されたライセンスを前記第2の画像形成装置にインストールを行う工程と、
を含むことを特徴とするライセンス転送方法。
【請求項4】
請求項3に記載のライセンス転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−271780(P2010−271780A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121147(P2009−121147)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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